【解決手段】台座41及びキャスター42を備えるベース部40と、使用者の腸骨を左側前方及び右側前方から支持する前支持部21aと左側方及び右側方から支持する横支持部21bとを有して立位体位の使用者の左右の腸骨を左側前方と右側前方と左側方と右側方とから支持する腸骨支持部20と、当該腸骨支持部20をベース部40に支持する支柱部10とを有し、キャスター42の車軸47を上下方向に移動可能に支持することによって台座41に使用者が乗っている間はキャスター42のスライダカバー44の下端と台座41に取り付けられた台座固定脚50の下端面とが接地して移動不能であると共に台座41から使用者が降りると移動可能になるようにした。
台座及びキャスターを備えるベース部と、立位体位の使用者の左右の腸骨のうちの少なくとも一方を左側前方と右側前方と左側方と右側方とのうちの少なくとも一方から支持する腸骨支持部と、当該腸骨支持部を前記ベース部に支持する支柱部とを有し、前記キャスターの車軸を上下方向に移動可能に支持することによって前記台座に前記使用者が乗っている間は前記キャスターの車輪以外の部分と前記台座の一部と前記台座に取り付けられた部材とのうちの少なくとも一つが接地して移動不能であると共に前記台座から前記使用者が降りると移動可能になることを特徴とする立位体位保持器具。
前記支柱部は、前記台座の上面の後端若しくは後端寄りの位置に左右に離間して下端が取り付けられると共に前傾する部分若しくは前方に屈曲する部分を有する左右一対のサイドフレームによって構成されることを特徴とする請求項1記載の立位体位保持器具。
前記腸骨支持部は、前記使用者の腸骨を左側前方及び右側前方から支持する前支持部と左側方及び右側方から支持する横支持部とを有することを特徴とする請求項1記載の立位体位保持器具。
前記腸骨支持部が、左右一対の支持パッドと、これら左右一対の支持パッドを左右方向に移動可能に支持するパッド支持部とを有することを特徴とする請求項1記載の立位体位保持器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の補助器具では、術者101が特に前傾姿勢でなく胸当て103を使用しない場合は自転車に手を離して乗っているような状態であって体位が不安定になってしまい、一方、前傾姿勢をとって胸当て103を使用する場合は胸部が圧迫されて疲労を誘発してしまう。このため、術者101による例えば顕微鏡のフォーカスやズームの調整を行うフットペダルの快適な操作性を確保することができなかったり、疲労を軽減しつつ術者101の体位を安定的に保持することができなかったりするので、術者にとっての快適性や機能性が高いとは言えない。
【0006】
また、立位の体位での例えば顕微鏡下手術で要求される姿勢は直立若しくはやや前傾姿勢であると共に、体位を安定させつつ上半身の自由度が確保されなければならない。しかしながら、特許文献1の補助器具では、胸部を胸当て103に押し当てるので、上半身の自由度を確保することができない。このため、立位の体位で行う多様な種類の手術のいずれにも使用可能であって汎用性が高いとは言えない。
【0007】
また、特許文献1の補助器具では、身体保持座102を手術台や手術室天井に設置するようにしているので、専用の手術台の新規購入や手術室に対する直接施工が必要であって多額の費用が必要になったり即時・容易に導入することができなかったりするので、この点からも汎用性が高いとは言えない。
【0008】
そこで、本発明は、種々の手術を含む多様な作業・用途への適応性があると共に、使用者による各種機器等の快適な操作性の確保と使用者の立位体位の安定的な保持とを実現してこれにより使用者の疲労を軽減することができ、尚且つ、例えば手術台や手術室などの既存の設備や施設はそのままで低額且つ即時・容易に導入することができる立位体位保持器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本発明の立位体位保持器具は、台座及びキャスターを備えるベース部と、立位体位の使用者の左右の腸骨のうちの少なくとも一方を左側前方と右側前方と左側方と右側方とのうちの少なくとも一方から支持する腸骨支持部と、当該腸骨支持部をベース部に支持する支柱部とを有し、キャスターの車軸を上下方向に移動可能に支持することによって台座に使用者が乗っている間はキャスターの車輪以外の部分と台座の一部と台座に取り付けられた部材とのうちの少なくとも一つが接地して移動不能であると共に台座から使用者が降りると移動可能になるようにしている。
【0010】
したがって、この立位体位保持器具によると、立位体位である使用者の腸骨を支えることにより、使用者の体位が安定的に保持される。また、立位体位保持器具自体が独立して単独で使用者のサポート器具として機能する。
【0011】
本発明の立位体位保持器具は、支柱部は、台座の上面の後端若しくは後端寄りの位置に左右に離間して下端が取り付けられると共に前傾する部分若しくは前方に屈曲する部分を有する左右一対のサイドフレームによって構成されるようにしても良い。この場合には、使用者の前方及び側方の足下に支柱の類が存在しないように構成される。
【0012】
本発明の立位体位保持器具は、また、腸骨支持部は、使用者の腸骨を左側前方及び右側前方から支持する前支持部と左側方及び右側方から支持する横支持部とを有するようにしても良い。この場合には、左側前方及び右側前方と左側方及び右側方との四方から使用者の腸骨を支えることにより、使用者の体位がより一層安定的に保持される。
【0013】
本発明の立位体位保持器具は、また、使用者の足を乗せるステップがベース部に備えられ、当該ステップの上面が3〜7度の前傾勾配を有するようにしても良い。この場合には、ステップ上面の前傾勾配により、使用者が腸骨支持部に腸骨を当接させることが自然に促される。
【0014】
本発明の立位体位保持器具は、また、腸骨支持部の上方に、使用者の両腕のうちの少なくとも一方を下方から支えるアームレストを更に有するようにしても良い。この場合には、使用者の腕を下方から支えることにより、使用者の上半身特に上肢が安定的に支持される。
【0015】
本発明の立位体位保持器具は、また、腸骨支持部が、左右一対の支持パッドと、これら左右一対の支持パッドを左右方向に移動可能に支持するパッド支持部とを有するようにしている。この場合には、使用者の体格や使用時の姿勢に合わせて左右の支持パッドが好みの位置に調整されて固定される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の立位体位保持器具によれば、立位体位である使用者の腸骨を支えることによって使用者の体位を安定的に保持することができるので、使用者の胸部や腹部(内蔵)を圧迫しないようにすると共に下肢の筋力を必要以上に使用しないようにしつつ使用者の体位を安定的に保持することが可能になり、延いては、使用者の疲労を軽減することが可能になる。しかも、使用者が片足立ちになったときでも上肢の自由を確保したままで体位を安定させることができ、上肢の自由な動作を確保すると共に前後方向・左右方向の体位のぶれを防止して安定的な立位体位を保持することが可能になり、延いては、使用者の疲労を軽減することが可能になる。
【0017】
本発明の立位体位保持器具によれば、さらに、立位体位保持器具自体が独立して単独で使用者のサポート器具として機能することができるので、既存の設備や施設に影響を与えることがなく、汎用性を高めて導入を容易にすることが可能になる。
【0018】
本発明の立位体位保持器具は、支柱部が前傾する部分若しくは前方に屈曲する部分を有する左右一対のサイドフレームによって構成されるようにしても良く、この場合には、使用者の前方及び側方の足下に支柱の類が存在しないように構成されるので、使用者の立ち位置や姿勢の自由度を高めることができ、さらには、作業に必要な各種機器等を操作するためのフットペダルのような操作ユニットなどを足下に自由に配置することができ、利便性を向上させることが可能になる。また、使用者が腸骨支持部に凭れ掛かった場合に各部に作用する力の作用点のバランスによって立位体位保持器具全体として高い安定性を発揮させることが可能になる。
【0019】
本発明の立位体位保持器具は、腸骨支持部が前支持部と横支持部とを有するようにしても良く、この場合には、左側前方及び右側前方と左側方及び右側方との四方から使用者の腸骨を支えることによって使用者の体位をより一層安定的に保持することが可能になり、延いては、使用者の疲労をより一層軽減することが可能になる。
【0020】
本発明の立位体位保持器具は、上面が3〜7度の前傾勾配を有するステップをベース部に備えるようにしても良く、この場合には、ステップ上面の前傾勾配によって使用者が腸骨支持部に腸骨を当接させることを自然に促すことができるので、余計な筋力を使わずに楽な姿勢を自然に保持することができると共に踵にかかる負担を軽減することができ、使用者の疲労をより一層軽減することが可能になる。
【0021】
本発明の立位体位保持器具は、腸骨支持部の上方にアームレストを更に有するようにしても良く、この場合には、使用者の腕を下方から支えることによって使用者の上半身特に上肢を安定的に支持することができるので、上半身の安定のために使用者の胸部を圧迫しないようにすることができると共に肩や腕の筋力を必要以上に使用しないようにすることができ、使用者の疲労をより一層軽減することが可能になる。
【0022】
本発明の立位体位保持器具は、腸骨支持部が左右一対の支持パッドとこれら左右一対の支持パッドを左右方向に移動可能に支持するパッド支持部とを有するようにしても良く、この場合には、使用者の体格や使用時の姿勢に合わせて左右の支持パッドを好みの位置に調整して固定することができるので、使用者の姿勢変更及び姿勢維持をより一層良好に実現することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1から
図8に、本発明の立位体位保持器具の実施形態の一例を示す。なお、本明細書においては、各図に示すようにX軸,Y軸,Z軸をそれぞれ定義する。X−Y平面は水平面であり、X−Z平面はX−Y平面(水平面)に対する垂直面である。なお、立位体位保持器具1の使用者にとっては、X軸は前後方向であり(矢印の向きが前向き)、Y軸は左右方向であり(矢印の向きが右向き)、Z軸は上下方向である(矢印の向きが上向き)。
【0026】
本実施形態の立位体位保持器具1は、台座41及びキャスター42を備えるベース部40と、使用者の腸骨を左側前方及び右側前方から支持する前支持部21aと左側方及び右側方から支持する横支持部21bとを有して立位体位の使用者の左右の腸骨を左側前方と右側前方と左側方と右側方とから支持する腸骨支持部20と、当該腸骨支持部20をベース部40に支持する支柱部10とを有し、キャスター42の車軸47を上下方向に移動可能に支持することによって台座41に使用者が乗っている間はキャスター42のスライダカバー44の下端と台座41に取り付けられた台座固定脚50の下端面とが接地して移動不能であると共に台座41から使用者が降りると移動可能になるようにしている。
【0027】
また、本実施形態の立位体位保持器具1は、腸骨支持部20が左右一対の支持パッド21,21とこれら左右一対の支持パッド21,21を左右方向に移動可能に支持するパッド支持部22とを有すると共に、腸骨支持部20の上方に使用者の両腕を下方から支えるアームレスト30を更に有するようにしている。
【0028】
ここで、本発明の立位体位保持器具の使用態様は、特定の使用場面・使用目的に限定されるものではなく、立位の体位を維持する必要がある人の姿勢サポート器具として広く使用され得る。あくまで一例として具体例を挙げると、手術を行う術者の姿勢サポート,工場や工房などでの加工作業・組立作業等を立位姿勢で行う工員の姿勢サポート,立位姿勢で会議を行う出席者の姿勢サポート,立ち飲み屋・立ち食い屋やファストフード店などにおいて立位姿勢で飲食を行う客の姿勢サポート,施設の入口において入場券の確認や半券の切取り等を立位姿勢で行う係員の姿勢サポートなどが考えられる。
【0029】
本実施形態の立位体位保持器具1は、大まかな構成として、ベース部40と、当該ベース部40に立設される支柱部10と、当該支柱部10の上端に設けられる腸骨支持部20と、当該腸骨支持部20の上方に設けられるアームレスト30とを備える。
【0030】
ベース部40は、立位体位保持器具1が使用される際に使用者の足が乗せられて足場になるものであり、台座41と当該台座41に取り付けられた複数のキャスター42とを有する。
【0031】
台座41は、硬質の素材で形成されたベース板部材41aと、当該ベース板部材41aの上面を覆うと共に側方から垂れてベース板部材41aの下方空間を囲むカバー41bとを有する。
【0032】
なお、台座41の平面視における形状は、本実施形態においては矩形であるが、矩形に限定されるものではなく、立位体位保持器具1の使用場所(設置場所)などを考慮して適当な形状に設定される。
【0033】
台座41の上面(即ち、カバー41bの上面)には、立位体位保持器具1の使用者が足を乗せた際の体圧を分散させるのに適当な弾性を備える材質(具体的は例えばエラストマー・ジェル)によって形成されたクッション材としてのステップ(足乗せパッド)が備えられるようにしても良い。これにより、快適性を向上させることができると共に、使用者の疲労軽減を実現することができる。
【0034】
なお、クッション材としてのステップが備えられる場合、ステップの上面は、水平でも構わないが、使用者が腸骨支持部20に腸骨(特に上前腸骨棘部分)を当接させることを自然に促すため、僅かな前傾勾配がつけられることが好ましい。当該前傾勾配の角度は、特定の角度に限定されるものではないが、具体的には例えば3〜7度程度が好ましく、5度程度が最も好ましい。これにより、使用者が自然な状態で腸骨支持部20に体を預けるやや前傾姿勢になるようにすることができ、余計な筋力を使わずに楽な姿勢を自然に保持することができると共に踵にかかる負担を軽減することができる。このため、使用者の疲労を軽減することができる。
【0035】
また、使用者が立位体位保持器具1を使用しながら作業のために機器や機械を使用する場合には、台座41の上面(即ち、カバー41bの上面)に、当該機器や機械を足で操作するためのフットペダルのような操作ユニットが備えられるようにしても良い。
【0036】
キャスター42は、立位体位保持器具1の移動を容易にするためのものであり、本実施形態では、矩形をなす台座41のベース板部材41aの下面の各角部寄りの位置のそれぞれに、台座41の下面から(言い換えると、カバー41bの側壁で囲まれる空間から)一部が突出するように取り付けられる。
【0037】
キャスター42は、
図6に示すように、取付部43とスライダカバー44と車輪48とを有し、スライダカバー44が、ベース板部材41aの下面に、取付部43を介して水平回転可能に取り付けられる。なお、台座41の下面から(言い換えると、カバー41bの側壁で囲まれる空間から)スライダカバー44の下端が突出するように寸法などが調節されて取り付けられる。
【0038】
スライダカバー44は、車軸支持スライダ45を収容し、当該車軸支持スライダ45を上下方向に移動可能に保持するスライドガイドの機能を奏するものである。
【0039】
車軸支持スライダ45は、両端に車輪48,48が取り付けられて水平方向に配置される車軸47を摺動可能に支持し、尚且つ、スライダカバー44内を上下方向に移動するものである。なお、車軸支持スライダ45の上下移動の範囲は、スライダカバー44の側壁に設けられた、車輪48のドラム48aを貫通させて保持する上下方向の長孔44aによって規制される。
【0040】
車軸支持スライダ45は、スライダカバー44内に配設されて当該スライダカバー44と車軸支持スライダ45との間に介在する付勢手段46によって常時下向きに付勢される。
【0041】
上述の構成により、台座41に誰も乗っていないときは、付勢手段46により下向きに付勢されることによって車軸支持スライダ45がスライダカバー44の下端に位置し、スライダカバー44の下端よりも(また、台座41のカバー41bの側壁で囲まれる空間から)車輪48の一部が突出し、立位体位保持器具1は移動可能になる(
図6(A),(B))。
【0042】
一方、台座41に使用者が乗っているときは、車軸支持スライダ45がスライダカバー44内を上に移動することにより、スライダカバー44が車輪48に対して下降してスライダカバー44の下端が接地し、立位体位保持器具1は移動不能になる(
図6(C))。
【0043】
すなわち、車軸47を支持する車軸支持スライダ45を上下方向に移動可能に保持して車輪48(の一部)をスライダカバー44の下端よりも突出させたりスライダカバー44の下端まで引き込んだりすることにより、立位体位保持器具1を、使用者が台座41に乗るだけで移動不能にし、尚且つ、台座41から降りるだけで移動可能にすることができる。つまり、使用者が台座41に乗って立位体位保持器具1を使用している間は移動不能の安定状態にして各種作業を行うことができ、尚且つ、台座41から降りて押すだけで立位体位保持器具1を移動させることができる。なお、台座41から降りて当該台座41を足で押すことによっても立位体位保持器具1を移動させることができるので、例えば手術の際など立位体位保持器具1を手で触ることができない場合でも、足だけで、立位体位保持器具1を、移動不能状態にして当該状態を維持することと、移動可能状態にして移動させることとが可能になるという効果を奏する。
【0044】
なお、本実施形態では、スライダカバー44の下端が接地して移動不能状態であるときの台座41を、延いては立位体位保持器具1をより一層安定させるために、各キャスター42の近傍に台座固定脚50がそれぞれ設けられる。
【0045】
なお、台座固定脚50は、一部のキャスター42のみに対応させて設けられるようにしても良いし、配設位置がキャスター42の近傍でなくても良いし、さらに言えば、台座固定脚50が設けられないようにしても良い。具体的には例えば、前側のキャスター42のみに対応させて設けられたり、台座41(ベース板部材41a)の重心位置に一つのみ設けられたりするようにしても良い。
【0046】
台座固定脚50は、上端がねじ止めや接着などによって台座41のベース板部材41aの下面に固定されて取り付けられ、スライダカバー44の下端面が接地したときに台座固定脚50の下端面も同時に接地するように寸法などが調節される。
【0047】
なお、使用者が台座41に乗っている間は立位体位保持器具1を移動不能にするためには、車軸47を支持する車軸支持スライダ45を上下方向に移動可能にすると共に台座41に乗っている時にキャスター42の車輪48以外の部分や台座41のいずれかの部分或いは台座41に固定的に取り付けられた部材を接地させるようにすれば良い。具体的には例えば、キャスター42のスライダカバー44と、台座41のカバー41bの側壁と、台座41に固定されて取り付けられた台座固定脚50とのうちの少なくとも一つを接地させるようにすれば良い。
【0048】
本実施形態の支柱部10は、支柱基礎部11と、当該支柱基礎部11の上端に設けられる箱部12と、当該箱部12の上端から上方に延出すると共に上側部分が前方に傾斜する前傾支柱13とを有する。
【0049】
支柱基礎部11は、台座41の上面の前端寄りの位置に配置され、下端がねじ止めや溶接などによって固定されて取り付けられる。なお、本実施形態では、支柱基礎部11は、平面視T字形の柱状に形成され、T字の横棒部分が前側で縦棒部分が後ろ側になるように配設される。これにより、使用者の足下に空間が確保され、使用者の立ち位置や姿勢の自由度が高まり、さらには、作業に必要な各種機器等を操作するためのフットペダルのような操作ユニットなどを足下に配置することができる。
【0050】
箱部12は、支柱基礎部11の上端に配置され、下端がねじ止めや溶接などによって固定されて取り付けられる。
【0051】
前傾支柱13は、箱部12の上端に配置され、下端がねじ止めや溶接などによって固定されて取り付けられる。なお、本実施形態では、前傾支柱13は取付部13aを介して箱部12に取り付けられる。
【0052】
本実施形態では上側部分が前方に傾斜する前傾支柱13が用いられているが、前傾支柱13を用いることは本発明において必須の構成ではなく、真っ直ぐ上向きに延出する垂直支柱を用いるようにしても良い。
【0053】
腸骨支持部20は、立位の体位である使用者の骨盤の腸骨、特に腸骨の上前腸骨棘部分を支えるものである。なお、本発明においては、立位体位保持器具1を使用する者の腸骨の上前腸骨棘部分を支えることが好ましいものの、腸骨支持部20によって支えられる部分は上前腸骨棘部分に限られるものではなく、腸骨の他の部分であっても良い。
【0054】
本実施形態の腸骨支持部20は、左右に離間して配置される左右一対の支持パッド21,21と、これら左右の支持パッド21,21を左右方向に摺動可能に支持するパッド支持部22とを有する。
【0055】
支持パッド21は、使用者の腸骨(特に上前腸骨棘部分)を前方から支える前側の前支持部21aと左右側方から支える左右側の横支持部21bとを有し、平面視略L字形に形成される。支持パッド21のこの構成により、本実施形態では、使用者の腸骨が、左側前方・右側前方・左側方・右側方から支えられる。
【0056】
支持パッド21は、使用者を支える面とは反対側である前支持部21aの前側及び横支持部21bの左右外側は剛性が高く変形しづらい材質によって形成されると共に、使用者を支える面の側である前支持部21aの後側及び横支持部21bの左右内側は使用者が腰部を当接させた際の体圧を分散させるのに適当な弾性を備える材質で形成される。それぞれの材質は特定のものに限定されるものではないが、使用者を支える面の側を形成する材質として具体的には例えばエラストマー・ジェルが用いられ得る。これにより、快適性を向上させることができると共に、使用者の疲労軽減を実現することができる。
【0057】
パッド支持部22は、支持パッド21を左右方向に移動可能に支持するためのものである(
図7参照)。
【0058】
パッド支持部22は、前壁,左右壁,天板及び底板を有し後面が開口しているカバー23を有する。カバー23は、左右方向に延伸して配設され、底板の下面がねじ止めや溶接などによって支柱部10の前傾支柱13の上端に固定されて取り付けられる。
【0059】
カバー23内の左右端部のそれぞれに、支持パッド21を左右方向にスライドさせるための機構(以下、スライドユニットと呼ぶ)が設けられる。
【0060】
本実施形態では、スライドユニットとして、具体的には、まず、カバー23の前壁後面の左右両端部分のそれぞれに、長手方向が左右方向になるように配置された矩形板状のスライダベース24,24がねじ止め(溶接などでも良い)によって固定されて取り付けられる。
【0061】
また、各スライダベース24の後面の左右両端部のそれぞれに直方体状の左右一対のスライダサイドベース25A,25Bがねじ止めや溶接などによって固定されて取り付けられる。なお、パッド支持部22の左右端部のそれぞれ(言い換えると、左右方向における外側)に配設されるスライダサイドベースの符号を25Aとし、パッド支持部22の中央部分寄り(言い換えると、左右方向における内側)に配設されるスライダサイドベースの符号を25Bとする。
【0062】
さらに、パッド支持部22の左右端部に配設されるスライダサイドベース25A,25Aのそれぞれを貫通するスライダ位置調整ロッド26,26が設けられる。
【0063】
左右のスライダ位置調整ロッド26,26は、それぞれ、左右方向においてカバー23の外側(即ち、カバー23の左壁・右壁の外側)に配設されるグリップ26aと、当該グリップ26aに差し込まれて取り付けられると共にスライダサイドベース25Aを貫通する軸部材26bと、当該軸部材26bに取り付けられると共に各スライダベース24の左右一対のスライダサイドベース25A,25Bの間に位置するねじ部26c(具体的には、台形ねじ)とを有する。
【0064】
グリップ26aと軸部材26bとねじ部26cとは相互に固定されて連結され、グリップ26aを回すことによって軸部材26b及びねじ部26cが軸回転する。
【0065】
スライダ位置調整ロッド26は、カバー23に対して軸方向に移動しないように設けられる。本実施形態では具体的には、スライダ位置調整ロッド26は、軸部材26b側のグリップ26aの端面及びねじ部26cの端面の径を軸部材26bの径よりも大きくすると共にグリップ26aとねじ部26cとによってスライダサイドベース25Aを挟むことにより、カバー23に対して軸方向に移動しないように設けられる。なお、本実施形態のように、グリップ26aとスライダサイドベース25Aとの間に、両者の良好な摺動性を確保するため、例えば樹脂によって形成される環状部材26dを配設するようにしても良い。
【0066】
また、各スライダベース24の後面の左右一対のスライダサイドベース25A,25Bの間に、前面が開口している縦断面コ字形に形成されたスライダ27が配設される。
【0067】
縦断面コ字形をなすスライダ27の凹部内に、スライダ位置調整ロッド26のねじ部26cを貫通させる貫通孔が形成された嵌合部材28が取り付けられる。そして、嵌合部材28の貫通孔の内周面には、スライダ位置調整ロッド26のねじ部26cと噛み合うねじが形成される。
【0068】
また、スライダ位置調整ロッド26のねじ部26cの上方と下方とのそれぞれにおいて、各スライダベース24の左右一対のスライダサイドベース25A,25Bの間に架け渡されて、上下一対のガイドシャフト(不図示)が設けられる。
【0069】
さらに、縦断面コ字形をなすスライダ27の上下の凸部分のそれぞれに、ガイドシャフトを摺動可能に貫通させる貫通孔が形成される。
【0070】
このガイドシャフトにより、スライダ27は、カバー23に対して傾斜する動き(具体的には、スライダ位置調整ロッド26のねじ部26cを中心とする回動)が制限される。
【0071】
また、スライダ27の後面に、支持パッド21がねじ止め(溶接などでも良い)によって固定されて取り付けられる。
【0072】
上述のスライドユニットにより、スライダ位置調整ロッド26のグリップ26aを回すとねじ部26cが軸回転し、当該ねじ部26cと噛み合う嵌合部材28が取り付けられたスライダ27がガイドシャフトによって回動が制限されながらねじ部26cの軸方向に移動する。
【0073】
これにより、腸骨支持部20の支持パッド21がスライダ27を介してパッド支持部22に沿って左右方向に移動し得ると共に任意位置に固定され得るので、左右の支持パッド21,21の左右方向における位置を調整し固定することが可能になり、使用者の体格や作業時の姿勢に合わせて左右の支持パッド21,21のそれぞれを好みの位置に固定することができ、使用者の姿勢変更及び姿勢維持をより一層良好に実現することが可能になる。
【0074】
そして、支持パッド21によって使用者の上前腸骨棘部分を支えるようにすることで、胸部は当然のこととして腹部(の内臓)を圧迫することなく立位の体位を安定させることができる。なお、本実施形態では腸骨支持部20は左右一対の支持パッド21,21を有してこれら左右の支持パッド21,21は左右に離されて配設されるので、腹部が圧迫されてしまうことを防止することができる。
【0075】
ここで、
図7に示す例ではグリップ26aを備えるスライダ位置調整ロッド26がパッド支持部22の左右それぞれに設けられて左右の支持パッド21,21が各々独立に位置調整されるようにしているが、
図8に示すように左右のスライダ位置調整ロッド26同士がユニバーサルジョイント29によって連結されるようにしても良い(なお、
図8においては、ユニバーサルジョイント29は、断面ではなく平面視として図示している)。
【0076】
具体的には、パッド支持部22の中央部分寄りに配設されるスライダサイドベース25B,25Bのそれぞれに貫通孔が設けられると共に、ねじ部26cのそれぞれから、パッド支持部22の中央部に向けて連結用軸部材26eが延出し、これら連結用軸部材26eの先端同士がユニバーサルジョイント29によって連結されるようにしても良い。この場合、グリップ26a(及び軸部材26b)は、左右どちらか一方のみに設けられるようにしても良い(
図8に示す例では、グリップ26a及び軸部材26bは右側のみに設けられ、左側のグリップ26a及び軸部材26bがなく、左側のスライダサイドベース25Aには貫通孔が設けられていない。)。
【0077】
この場合に、左右のねじ部26c,26cのねじの向きを調整することにより、グリップ26aを回転させたときに、左右一対の支持パッド21,21をお互いに近づく向きに移動させたり離れる向きに移動させたりすることが好ましい。
【0078】
アームレスト30は、腸骨支持部20の上方に配置されて当該腸骨支持部20に固定されて取り付けられ、使用者の腕、特に肘や前膊(前腕とも呼ばれる)を下方から支えるものである。
【0079】
本実施形態のアームレスト30は、平面的に屈曲している帯板状で、左右方向の前部30aと当該前部30aの左右両端部のそれぞれから後方に延出する側部30b,30bとを有し、平面視コ字形に形成される。
【0080】
アームレスト30は、パッド支持部22に取り付けられる。本実施形態では具体的には、アームレスト30は、パッド支持部22の天板の上面とアームレスト30の下面との間に配設された三つの結合部材31によってパッド支持部22に固定されて取り付けられる。
【0081】
アームレスト30は、使用者を支える面とは反対側である下側は剛性が高く変形しづらい材質によって形成されると共に、使用者を支える面の側である上側は使用者が腕を当接させた際の体圧を分散させるのに適当な弾性を備える材質で形成される。それぞれの材質は特定のものに限定されるものではないが、上側を形成する材質として具体的には例えばエラストマー・ジェルが用いられ得る。これにより、快適性を向上させることができると共に、使用者の疲労軽減を実現することができる。
【0082】
以上のように構成された立位体位保持器具1は、それ自体が独立して単独で使用者のサポート器具として機能することができるので、既存の設備や施設に影響を与えることがなく、汎用性が非常に高く導入が容易である。しかも、例えば作業に必要な機器を操作するためのフットペダルのような操作ユニットと組み合わせて使用することができるので、この点からも汎用性が非常に高く導入が容易である。
【0083】
また、以上のように構成された立位体位保持器具1によれば、立位の体位である使用者の腸骨を前方・左右側方から腸骨支持部20で支えることによって体位を安定させるようにしているので、使用者の胸部や腹部(内蔵)を圧迫しないようにすることができると共に下肢の筋力を必要以上に使用しないようにすることができ、このため、使用者の疲労を軽減することができる。さらに言えば、例えば作業に必要な各種機器の操作に用いるフットペダルを操作するために使用者が片足立ちになったときでも上肢の自由を確保したままで体位を安定させることができ、上肢の自由な動作を確保すると共に前後方向・左右方向の体位のぶれを防止して安定的な立位体位を保持することができる。
【0084】
また、平均的に体重のおよそ16%を占める使用者の両腕をアームレスト30で下方から支えることによって上半身特に上肢を安定させるようにしているので、上半身の安定のために使用者の胸部を圧迫しないようにすることができると共に肩や腕の筋力を必要以上に使用しないようにすることができ、このため、使用者の疲労を軽減することができる。
【0085】
そして、上述のように使用者の疲労を軽減すると共に体位を安定させることができるので、使用者の繊細な作業を可能にし、しかも長時間に亘る繊細な作業を可能にし、質の高い手技の実現による各種作業の質の向上を図ることが可能になる。
【0086】
また、腸骨支持部20の支持パッド21を左右方向に摺動可能に支持するようにしているので、使用者の体格や作業時の姿勢に合わせて支持パッド21を好みの位置に調整して固定することができ、このため、使用者の姿勢変更及び姿勢維持をより一層良好に実現することができる。
【0087】
なお、上述の形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では腸骨支持部20に加えてアームレスト30を備えるようにしているが、アームレスト30を備えないようにしても良い。この場合も、立位体位保持器具の使用者の腸骨(特に上前腸骨棘部分)を腸骨支持部20(支持パッド21)によって支えて使用者の立位体位を安定的に保持することができ、使用者の疲労軽減などの効果を発揮することができる。
【0088】
また、上述の実施形態では腸骨支持部20の左右一対の支持パッド21,21のそれぞれは前側の前支持部21aと左右側の横支持部21bとを有して平面視略L字形に形成されるようにしているが、立位の体位である使用者の骨盤の腸骨を前方と左右側方とのうちの少なくとも一方から支えるものであれば、支持パッド21の形状は上述の実施形態のものに限られるものではなく、具体的には例えば腸骨(特に上前腸骨棘部分)を前方から支える前支持部21aのみでも良いし、左右側方から支える横支持部21bのみでも良い。また、左右どちらか一方の支持パッド21のみを有するようにしても良いので、腸骨支持部20は結局のところ、立位の体位である使用者の腸骨(特に上前腸骨棘部分)を、左側前方と右側前方と左側方と右側方との四方のうちの少なくとも一方から支えるものであれば良い。
【0089】
また、上述の実施形態ではアームレスト30は左右方向の前部30aと当該前部30aの左右両端部のそれぞれから後方に延出する側部30b,30bとを有して平面視コ字形に形成されるようにしているが、アームレスト30の形状は上述の実施形態のものに限られるものではない。具体的には例えば、前部30aの左右端部から後方に延出する側部30bを左右両端部のうちの一方のみに設けるようにしても良い。
【0090】
また、上述の実施形態では支柱部10は支柱基礎部11と箱部12と前傾支柱13とを有するものとして構成されるようにしているが、腸骨支持部20をベース部40に支持し得るものであれば、支柱部10の構成は特定のものには限定されない。
【0091】
さらに、上述の実施形態における支柱部10に相当するものとして、
図9乃至
図11に示すように左右一対のサイドフレーム14,14を備えるようにしても良い。
【0092】
図9乃至
図11に示す立位体位保持器具1は、上述の実施形態では支柱基礎部11と箱部12と前傾支柱13とを有する支柱部10が備えられるのに対し、これに代わって左右一対のサイドフレーム14,14が備えられるようにしている。なお、その他の、パッド支持部22を含む腸骨支持部20,アームレスト30,キャスター42を含むベース部40の構成は上述の実施形態と同様である。
【0093】
左右一対のサイドフレーム14は、それぞれ、支持基礎部15と、当該支持基礎部15に上下摺動可能に支持される上下摺動支柱16と、当該上下摺動支柱16の上端に設けられる前傾フレーム17とを有する。
【0094】
左右の支持基礎部15,15は、それぞれ、台座41の上面の後端(或いは、後端寄りの位置)において左右に離間して配置され、下端がねじ止めや溶接などによって固定されて取り付けられる。
【0095】
支持基礎部15は、上下摺動支柱16を挿入させるための開口を上端面に有すると共に、上下摺動支柱16を上下動させるための駆動装置を内蔵する。なお、駆動装置としては、例えば電気アクチュエータが用いられ得るが、これに限定されるものではなく、上下摺動支柱16を上下軸方向に往復運動させ得るものが用いられ得る。
【0096】
上下摺動支柱16は、支持基礎部15の上端の開口から摺動可能に挿入され、支持基礎部15内の駆動装置によって上下動可能であるように支持基礎部15に支持される。なお、支持基礎部15及び上下摺動支柱16は台座41の後端(或いは、後端寄りの位置)から上向きに延出し、したがって、上下摺動支柱16の上端面は平面視において台座41の後端寄りに位置する。
【0097】
上下摺動支柱16の上端面に、前傾フレーム17が、ねじ止めや溶接などによって固定されて取り付けられる。
【0098】
前傾フレーム17は、下端が、上下摺動支柱16の上端面に位置し、即ち、台座41の後端寄りに位置し、そして、この位置から台座41の前端寄りの位置に向けて斜め上方に延出する。
【0099】
そして、パッド支持部22のカバー23の底板の下面が、ねじ止めや溶接などによって前傾フレーム17の上端に固定されて取り付けられる。
【0100】
この前傾フレーム17により、サイドフレーム14の下端は台座41の後端(或いは、後端寄りの位置)にある一方で、パッド支持部22が平面視において台座41の前端寄りに位置させられる。
【0101】
このように、
図9乃至
図11に示すように支柱部10を左右一対のサイドフレーム14,14から構成することにより、使用者の前方及び側方の足下に支柱の類が存在しないようにすることができるので、使用者の立ち位置や姿勢の自由度を高めることができ、さらには、作業に必要な各種機器等を操作するためのフットペダルのような操作ユニットなどを足下に自由に配置することができる。
【0102】
また、使用者が腸骨支持部20やアームレスト30に凭れ掛かった場合にはベース部40に作用する体重の重心が前方に移動するのに対して腸骨支持部20やアームレスト30を支持するサイドフレーム14の下端はベース部40の台座41の後端(或いは、後端寄りの位置)に取り付けられるので、各部に作用する力の作用点のバランスによって立位体位保持器具1全体として高い安定性を発揮させることが可能になる。
【0103】
また、左右のサイドフレーム14が上下動可能な構成を含むことにより、腸骨支持部20及びアームレスト30の高さを調整して固定することが可能になり、使用者の体格や作業時の姿勢に合わせて腸骨支持部20及びアームレスト30を好みの位置に固定することができ、使用者の姿勢変更及び姿勢維持をより一層良好に実現することが可能になる。
【0104】
なお、前傾フレーム17の具体的な形状は、
図9乃至
図11に示す例におけるものに限られるものではなく、例えば
図12乃至
図14に示す例のように、台座41の前端寄りの位置に向けて斜め上方に延出する形状でも良い。また、
図15乃至
図17に示す例のように、台座41の前端寄りの位置に向けて前方に屈曲する(言い換えると、水平方向前向きに延出する)前方屈曲フレーム17'でも良い。すなわち、左右一対のサイドフレームとしては、前傾する部分(
図9乃至
図11並びに
図12乃至
図14に示す前傾フレーム17のような態様)を有するようにしても良いし、前方に屈曲する部分(
図15乃至
図17に示す前方屈曲フレーム17'のような態様)を有するようにしても良い。
【0105】
なお、上述の実施形態(即ち、
図1乃至
図8に示した例)における支柱部10を、上下動可能な構成を含むようにしても良い。具体的には例えば、上述の実施形態における支柱部10の箱部12内に駆動装置を備えるようにし、支柱基礎部11に対して箱部12が上下方向に移動するようにしたり、箱部12に対して前傾支柱13が上下方向に移動するようにしたりしても良い。