【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 第20回日本未病システム学会学術総会抄録集(平成25年10月15日、日本未病システム学会発行) 第20回日本未病システム学会学術総会(平成25年11月9〜10日 一橋大学にて開催) 株式会社東洋新薬ウェブページ(http://www.toyoshinyaku.co.jp/weblog/?p=453) 株式会社東洋新薬ウェブページ(http://www.toyoshinyaku.co.jp/weblog/?p=454) 株式会社東洋新薬ニュースリリース(平成25年11月20日、株式会社東洋新薬発行) 健康産業流通新聞 FAX速報(平成25年11月21日、株式会社健康産業流通新聞社) 健康産業速報(平成25年11月22日、UBMメディア株式会社発行) 日本流通産業新聞(平成25年11月28日、株式会社日本流通産業新聞社発行) 健康産業新聞(平成25年12月4日、UBMメディア株式会社発行) 健康産業流通新聞(平成25年12月12日、株式会社健康産業流通新聞) 健康ジャーナル(平成26年1月7日、有限会社太陽エージェンシー発行)
【解決手段】大麦の葉の加工物を経口摂取により、皮膚の保湿効果、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善効果、皮膚のくすみ改善効果が発揮されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【背景技術】
【0002】
乾燥肌、しわ、たるみ、ハリの低下、くすみ等の皮膚症状は、皮膚の美観を損なう要因となるため、美容を気にする女性にとって悩みの種となっている。そのため、これら皮膚症状の改善を目的として、これまでに様々な皮膚の保湿剤や、しわ、たるみ又はハリの改善剤、くすみの改善剤が開発されてきた。
【0003】
例えば、皮膚の保湿剤としては、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種又は2種以上の植物又はその抽出物を有効成分とする保湿剤(特許文献1参照)が知られており、皮膚のしわ改善剤としては、水に不溶性の皮膜形成性のポリマーが水に分散されたポリマー水分散物を含有する皮膚外用剤であって、前記皮膜形成性ポリマーの主成分が、成膜収縮率が20%以下のポリウレタン及び成膜収縮率が20%以下のアクリル系ポリマーであることを特徴とするしわ改善用皮膚外用剤(特許文献2参照)が知られている。また、皮膚のくすみ改善剤としては、ジンセノサイド0.01〜0.5質量%と、ヘスペリジン及び/又はその配糖体0.0001〜0.05質量%とを含有する化粧料(特許文献3参照)が知られている。
【0004】
しかしながら、これら皮膚症状の改善剤の多くは、皮膚に塗布して使用する外用剤である。経口摂取により、乾燥肌、しわ、たるみ、ハリの低下、くすみ等の皮膚症状を改善する組成物としては、例えば、ケフィア菌発酵乳を含有する、美白用、シワやたるみの防止・改善用、皮膚弾性向上用、又は皮膚保湿用の内服組成物(特許文献4参照)等が知られているものの、外用剤に比べると開発は不十分である。そのため、乾燥肌、しわ、たるみ、ハリの低下、くすみ等の皮膚症状を改善する新規の経口組成物の開発が求められてきた。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、後述の実施形態の記載により限定されるものではなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。
【0014】
大麦(Hordeum vulgare L.)は中央アジア原産とされ、イネ科に属する一年生又は越年生草本であり、穂形により、二条大麦と六条大麦等に大別される。また、品種も様々あり、二条大麦の例として、ニシノホシ、はるか二条、ニシノチカラ、はるしずく等が挙げられ、六条大麦の例として倍取、シュンライ、サヌキハダカ、ダイシモチ、イチバンボシ、ファイバースノウ、シルキースノウ、はがねむぎ、カシマゴール、赤神力(登録商標)、ミノリムギ、マサカドムギ、すすかぜ、カシマムギ等が挙げられる。
【0015】
本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物は、大麦の葉を原料として用いる。原料には大麦の葉が含まれていれば良く、大麦の葉に加えて茎や穂、根等の他の部位が含まれていても良いし、大麦の葉を含む全草を用いても良い。本発明に用いられる大麦の葉は、通常入手可能なものであれば特に制限はなく、二条大麦と六条大麦等のいずれの大麦の葉を用いても良い。また、いずれの品種の大麦の葉を用いても良い。
【0016】
本発明に用いられる大麦の葉は、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前期に収穫されることが好ましい。具体的には、品種の違いによっても異なるが、一般に、背丈が30〜60cm程度である大麦から、若葉を収穫することが好ましい。大麦の背丈が30cm未満の場合、葉の大きさが小さいため収穫時の収量が悪くなる。一方、大麦の背丈が60cmを超える場合、大麦が出穂してしまい収穫物に穂が混入するため、収穫物に占める大麦の葉の比率が低くなる。大麦の葉は、収穫後、直ちに処理されることが好ましい。処理までに時間を要する場合、大麦の葉の変質を防ぐために低温貯蔵等の当業者が通常用いる貯蔵手段により貯蔵される。
【0017】
本発明において、「大麦の葉の加工物」とは、大麦の葉に乾燥処理、粉砕処理、搾汁処理、抽出処理等の処理を施すことにより加工された物のことを意味し、何ら処理を施されていない生葉は該当しない。具体的には、例えば、大麦の葉の乾燥粉末、大麦の葉の細片化物及びその乾燥粉末、大麦の葉の搾汁及びその乾燥粉末、大麦の葉の抽出物及びその乾燥粉末等が挙げられる。なお、本発明において、粉末とは、必要に応じて賦形剤等を添加し顆粒化したものを含むものとする。
【0018】
大麦の葉を乾燥粉末化する方法としては、当業者が通常用いる方法により乾燥粉末化すれば良く、従来公知の方法を用いても良い。例えば、大麦の葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥し、その後粉砕する方法(特開2004−000210号を公報参照)、大麦の葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで揉捻し、その後、乾燥し、粉砕する方法(特開2002−065204号公報を参照)、大麦の葉を乾燥し、粗粉砕した後、110℃以上で加熱し、更に微粉砕する方法(特開2003−033151号公報を参照)等が挙げられる。
【0019】
大麦の葉を細片化する方法としては、当業者が通常用いる方法により細片化すれば良く、従来公知の方法を用いても良い。例えば、植物体をスライス、細断等により細片化する方法が挙げられる。細片化の一例として、スラリー化しても良い。スラリー化は、大麦の葉をミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダー等にかけ、大麦の葉をどろどろした粥状(液体と固体の懸濁液)にする方法により行っても良い。
【0020】
大麦の葉の細片化物を乾燥する方法としては、当業者が通常用いる方法により乾燥すれば良く、従来公知の方法を用いても良い。例えば、天日で乾燥する方法、乾燥機を用いて噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥等により乾燥する方法等が挙げられる。
【0021】
大麦の葉を搾汁する方法としては、当業者が通常用いる方法により搾汁すれば良く、従来公知の方法を用いても良い。例えば、大麦の葉又はその細片化物を圧搾する方法、大麦の葉の細片化物を遠心又はろ過する方法等が挙げられる。なお、搾汁物は必要に応じて濃縮しても良い。また、大麦の葉から搾汁処理を行った後に残る搾汁残渣を大麦の葉の加工物として用いても良い。
【0022】
大麦の葉の搾汁物を乾燥粉末化する方法としては、当業者が通常用いる方法により搾汁物を乾燥粉末化すれば良く、従来公知の方法を用いても良い。例えば、搾汁物をそのまま乾燥して粉末化しても良いし、搾汁物に適切な結合剤や賦形剤等を添加してから乾燥して粉末化しても良い。また、搾汁物又は搾汁物の乾燥粉末に必要に応じて賦形剤等を添加して、公知の湿式、乾式等の顆粒造粒法によって顆粒に成形して粉末化しても良い。
【0023】
大麦の葉を抽出する方法としては、当業者が通常用いる方法により抽出すれば良く、従来公知の方法を用いても良い。例えば、大麦の葉若しくはその細片化物に、エタノール、水、含水エタノール等の当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて加温して抽出する方法等が挙げられる。なお、抽出物は必要に応じて濃縮しても良い。また、特定成分の濃度を高めるため、当業者が通常用いる方法により抽出物を分画しても良いし、当業者が通常用いる方法により特定成分を精製しても良い。また、大麦の葉から抽出処理を行った後に残る抽出残渣を大麦の葉の加工物として用いても良い。
【0024】
大麦の葉の抽出物を乾燥粉末化する方法としては、当業者が通常用いる方法により抽出物を乾燥粉末化すれば良く、従来公知の方法を用いても良い。例えば、抽出物を乾燥して粉末化しても良いし、抽出物に適切な結合剤や賦形剤等を添加してから乾燥して粉末化しても良い。また、抽出物又は抽出物の乾燥粉末に必要に応じて賦形剤等を添加して、公知の湿式、乾式等の顆粒造粒法によって顆粒に成形して粉末化しても良い。
【0025】
以上の通り、本発明の大麦の葉の加工物としては、大麦の葉に何らかの加工処理を施した物であればいずれも用いることができるが、中でも大麦の葉の乾燥粉末は高い効果を有することから、大麦の葉の乾燥粉末を用いることが特に好ましい。
【0026】
本発明の大麦の葉の加工物は、通常の気流殺菌、高圧殺菌、加熱殺菌等の方法により、殺菌しても良い。
【0027】
本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物において、大麦の葉の加工物の含有量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、最も好ましくは20質量%以上である。大麦の葉の加工物の含有量が0.1質量%より少ない場合、本発明の効果が十分に発揮されない場合がある。
【0028】
本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物において、大麦の葉の加工物の1日当りの摂取量は、特に限定されないが、摂取量が少なすぎる場合、本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。この観点で、1日当りの摂取量は、好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.3g以上、さらに好ましくは0.5g以上であり、最も好ましくは1g以上である。他方、1日当りの摂取量が多過ぎる場合、過剰摂取となるため、逆に本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。この観点で、1日当りの摂取量は、好ましくは8g以下、より好ましくは7.5g以下、さらに好ましくは7.2g以下であり、最も好ましくは7g以下である。上記の通り、本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物は、1日当りの摂取量が特定の範囲の場合に、特に優れた効果を発揮することができる。
【0029】
本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物は、大麦の葉の加工物以外に有効成分を含んでも良いが、他に有効成分を含まず、大麦の葉の加工物のみを有効成分としても本発明の効果を発揮することができる。そのため、本発明の経口組成物は、大麦の葉の加工物以外に、美容効果を有する素材を含まなくとも良い。美容効果を有する素材としては、ムコ多糖類、セラミド類、コラーゲン及び核酸が挙げられる。ムコ多糖類としては、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸が挙げられる。セラミド類としては、セラミド、グルコシルセラミド及びガラクトシルセラミドが挙げられる。核酸としては、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)が挙げられる。なお、本願において、植物や動物由来の原料に通常含まれる成分(例えば、DNA等)を本発明の経口組成物が「含む」とは、当該成分を濃縮・精製した原料が本発明の経口組成物に意図的に添加されたことを意味する。したがって、例えば、ある植物から抽出したDNAの精製物を、本発明の経口用組成物に原料として添加した場合、本願の定義では、本発明の経口組成物はDNAを「含む」ことになる。一方、例えば、ある植物の抽出物を本発明の経口組成物に原料として添加し、その植物抽出物が微量にDNAを含む場合であっても、当該植物抽出物がDNAを濃縮・精製したものでない限り、本願の定義では、本発明の経口組成物はDNAを「含む」ことにはならない。
【0030】
本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物は、前記の加工物を用い、任意の形態とすることができる。本発明の経口組成物の形態としては、経口摂取に適した形態、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、錠剤状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、チュアブル状、シロップ状、スティック状等の各形態が挙げられる。本発明の経口組成物は、これが固体の形態である場合、水と混合して懸濁又は溶解させ液状体として経口摂取することもでき、また、摂取する者の好み等に応じて、固体のまま経口摂取しても良い。また、水だけでなく、お茶、牛乳等の液体に添加しても良い。
【0031】
本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物は、他の成分を配合することに特に制限はなく、必要に応じて、大麦の葉以外の成分を配合しても良い。大麦の葉以外の成分としては、例えば、ビタミン類(A、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、セレン等)、α−リポ酸、レシチン、ポリフェノール(フラボノイド類、これらの誘導体等)、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、キサンチン誘導体(カフェイン等)、脂肪酸、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、植物乾燥粉末、動植物抽出物、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、糖アルコール、糖類、リグナン類(セサミン等)等を配合しても良い。また、クエン酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ等の酸味料、酸化チタン等の着色料、アラビアガム、キサンタンガム等の増粘剤、ソーマチン、還元麦芽糖等の甘味料、シェラック等の光沢剤、タルク、二酸化ケイ素、セルロース、ステアリン酸カルシウム等の製造用剤等を配合しても良いし、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加物等を配合しても良い。なお、大麦の葉以外の成分の含有量は、本発明の経口組成物の形態等に応じて適宜選択することができる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、本発明の範囲が以下の実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0033】
(実施例:大麦の葉の加工物の経口摂取による効果の検討)
大麦の葉の加工物を経口摂取することにより、保湿効果、皮膚のしわ、たるみ若しくはハリの改善効果、又は皮膚のくすみ改善効果が認められるかを確認するため、以下の方法により、二重盲検並行群間試験を実施した。
【0034】
(1)試験対象
肌荒れ症状(乾燥、吹き出物)を有する35歳以上55歳未満の女性18名を試験対象とした。
【0035】
(2)試験品又はプラセボ品の製造
表1記載の処方により、試験品又はプラセボ品の粉末を製造した。プラセボ品には着色料が含まれるため、プラセボ品と試験品を外見上識別することはできない。なお、プラセボ品に含まれる澱粉、着色料及び香料は、本発明の効果には影響しないと考えられる。
【0036】
【表1】
【0037】
(3)試験方法
試験対象の女性18名を、摂取前検査における皮膚水分量(頬)、皮膚水分蒸散量(頬)及び年齢ができるだけ均等になるように2群に分け、それぞれ試験群、比較群とした。試験群には試験品、比較群にはプラセボ品を、1日1回、1gずつ、継続して8週間摂取させた。なお、試験品又はプラセボ品は、100mLの水又はお湯に溶かして飲む方法により経口摂取させた。
【0038】
(4)評価方法
以下に記載する項目について、測定試験又はアンケートによる評価を実施した。測定試験及びアンケートは、摂取前、摂取4週間後及び摂取8週間後に実施した。なお、測定試験は、温度及び湿度が管理された環境調整室(温度21℃±1℃、湿度50%±10%)にて、20分間の馴化後に行った。
【0039】
1)角層水分量
測定機器としてコルネオメーター(Corneometer CM825、Courage−Khazaka製)を用い、左頬骨頂点部について測定した。
【0040】
2)水分蒸散量
測定機器としてテヴァメーター(Tewameter TM300、Courage−Khazaka製)を用い、左頬骨頂点部について測定した。
【0041】
3)弾力
測定機器としてキュートメーター(Cutometer MPA580、Courage−Khazaka製)を用い、左前腕内側部について測定した。
【0042】
4)くすみ・肌の明るさ
「くすみ・肌の明るさ」の項目について、アンケートによる評価を行った。なお、評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
1点 : 非常に気になる(暗い)
2点 : やや気になる(暗い)
3点 : どちらでもない
4点 : やや気にならない(明るい)
5点 : 非常に気にならない(明るい)
【0043】
(5)結果
1)角層水分量及び水分蒸散量
図1に角層水分量の変化量、
図2に水分蒸散量の変化量を示す。
図1及び2の数値は、摂取前の数値を基準とする数値の変化量(平均値)を意味する。
図1及び
図2に示される通り、大麦の葉加工物を経口摂取した試験群では、比較群に比べて、皮膚の角層水分量が高かった一方、逆に水分蒸散量は低かった。また、試験群では、摂取前に比べて、摂取4週間後及び8週間後において、角層水分量の増加が認められた。このことから、大麦の葉加工物を経口摂取することにより、皮膚の保湿改善効果が得られることが示唆された。
【0044】
2)皮膚の弾力
図3に皮膚の弾力の変化量を示す。
図3の数値は、摂取前の数値を基準とする数値の変化量(平均値)を意味する。
図3に示される通り、大麦の葉加工物を経口摂取した試験群では、比較群に比べて、皮膚の弾力が高かった。また、試験群では、摂取前に比べて、摂取4週間後及び8週間後において、皮膚の弾力の増加が認められた。皮膚の弾力の増加は、皮膚のしわ、たるみ又はハリの改善効果につながると考えられる。このことから、大麦の葉加工物を経口摂取することにより、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善効果が得られることが示唆された。
【0045】
2)アンケート評価(くすみ・肌の明るさ)
図4にくすみ・肌の明るさのアンケート評価の結果を示す。
図4の数値は、5段階の評価の点数(平均値)を意味する。
図4に示される通り、大麦の葉加工物を経口摂取した試験群では、比較群に比べて、くすみ・肌の明るさの評価点が高かった。また、試験群では、摂取前に比べて、摂取4週間後及び8週間後において、くすみ・肌の明るさの評価点の増加が認められた。このことから、大麦の葉加工物を経口摂取することにより、皮膚のくすみ改善効果が得られることが示唆された。
【0046】
(本発明の製造例)
本発明の皮膚の保湿経口組成物、皮膚のしわ、たるみ又はハリ改善経口組成物、皮膚のくすみ改善経口組成物は、様々な形態として用いることが可能である。例えば、以下に記載する製造例1〜6の形態として用いることができる。なお、本発明の実施形態が以下に限定されないことは言うまでもない。
【0047】
(製造例1:液剤)
表2に記載される割合で各成分を配合し、液剤を製造した。本液剤を、1日当り、5〜400mL摂取(大麦の葉の加工物の摂取量は1日当り0.1〜8g)摂取することにより、皮膚の保湿改善効果、皮膚のしわ、たるみ若しくはハリ改善効果、又は皮膚のくすみ改善効果が得られることが期待できる。
【0048】
【表2】
【0049】
(製造例2:顆粒剤)
表3に記載される割合になるように各成分を混合し、流動層造粒によって造粒を行った。得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別し顆粒剤とした。本顆粒剤を、1日当り、2〜30g摂取(大麦の葉の加工物の摂取量は1日当り0.5〜7.5g)摂取することにより、皮膚の保湿改善効果、皮膚のしわ、たるみ若しくはハリ改善効果、又は皮膚のくすみ改善効果が得られることが期待できる。
【0050】
【表3】
【0051】
(製造例3:液剤)
大麦の葉乾燥粉末に換えて、大麦の葉搾汁物の乾燥粉末を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、製造例3を作成した。本液剤を、1日当り、5〜400mL摂取(大麦の葉の加工物の摂取量は1日当り0.1〜8g)摂取することにより、皮膚の保湿改善効果、皮膚のしわ、たるみ若しくはハリ改善効果、又は皮膚のくすみ改善効果が得られることが期待できる。
【0052】
(製造例4:顆粒剤)
大麦の葉乾燥粉末に換えて、大麦の葉搾汁物の乾燥粉末を用いた以外は、上記製造例2と同様にして、製造例4を作成した。本顆粒剤を、1日当り、2〜30g摂取(大麦の葉の加工物の摂取量は1日当り0.5〜7.5g)摂取することにより、皮膚の保湿改善効果、皮膚のしわ、たるみ若しくはハリ改善効果、又は皮膚のくすみ改善効果が得られることが期待できる。
【0053】
(製造例5:液剤)
大麦の葉乾燥粉末に換えて、大麦の葉の水抽出物の乾燥粉末を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、製造例5を作成した。本液剤を、1日当り、5〜400mL摂取(大麦の葉の加工物の摂取量は1日当り0.1〜8g)摂取することにより、皮膚の保湿改善効果、皮膚のしわ、たるみ若しくはハリ改善効果、又は皮膚のくすみ改善効果が得られることが期待できる。
【0054】
(製造例6:顆粒剤)
大麦の葉乾燥粉末に換えて、大麦の葉の水抽出物の乾燥粉末を用いた以外は、上記製造例2と同様にして、製造例6を作成した。本顆粒剤を、1日当り、2〜30g摂取(大麦の葉の加工物の摂取量は1日当り0.5〜7.5g)摂取することにより、皮膚の保湿改善効果、皮膚のしわ、たるみ若しくはハリ改善効果、又は皮膚のくすみ改善効果が得られることが期待できる。