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特開2015-203691電極棒の動作判定方法及び液体収容装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-203691(P2015-203691A)
(43)【公開日】2015年11月16日
(54)【発明の名称】電極棒の動作判定方法及び液体収容装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/24 20060101AFI20151020BHJP
【FI】
   G01F23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-84975(P2014-84975)
(22)【出願日】2014年4月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】田中 直樹
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AA07
2F014AC03
2F014DA01
(57)【要約】
【課題】それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置において、電極棒が検出する液位の位置に関わらず、動作不良を正確に検出できる電極棒の動作判定方法を提供すること。
【解決手段】液位検出装置4は、高液位電極棒42により液位が検出されるまで液位を調整する液位調整工程と、液位調整工程が終了した後、液体を供給する液体供給工程と、液体供給工程において供給される液体の量を測定する供給量測定工程と、供給量測定工程において測定された液体の量が、高液位電極棒42よりも高い液位を検出するバックアップ電極棒41と高液位電極棒42との液位の差に対応する量を超えてもバックアップ電極棒41により液位が検出されなかった場合にバックアップ電極棒41の動作不良を判定する判定工程と、を備える電極棒の動作判定を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置における前記電極棒の動作判定方法であって、
第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整工程と、
前記液位調整工程が終了した後、液体を供給する液体供給工程と、
前記液体供給工程において供給される液体の量を測定する供給量測定工程と、
前記供給量測定工程において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも高い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒により液位が検出されなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定工程と、を備える電極棒の動作判定方法。
【請求項2】
前記第2の電極棒は、最も高い液位を検出する電極棒であり、
前記第1の電極棒は、2番目に高い液位を検出する電極棒である請求項1に記載の電極棒の動作判定方法。
【請求項3】
それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置における前記電極棒の動作判定方法であって、
第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整工程と、
前記液位調整工程が終了した後、液体を排出する液体排出工程と、
前記液体排出工程において排出される液体の量を測定する排出量測定工程と、
前記排出量測定工程において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも低い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒による液位の検出が非検出とならなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定工程と、を備える電極棒の動作判定方法。
【請求項4】
前記第2の電極棒は、最も低い液位を検出する電極棒であり、
前記第1の電極棒は、2番目に低い液位を検出する電極棒である請求項3に記載の電極棒の動作判定方法。
【請求項5】
液体が収容される液体収容容器と、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有し前記液体収容容器の液位を測定する液位検出装置と、を備える液体収容装置であって、
前記液体収容容器に供給される液体の量を測定する供給流量測定部を更に備え、
前記液位検出装置は、
第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整部と、
前記液位調整部により液位が調整された後、前記液体収容容器に液体を供給する液体供給指示部と、
前記供給流量測定部において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも高い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒により液位が検出されなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定部と、を備える液体収容装置。
【請求項6】
液体が収容される液体収容容器と、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有し前記液体収容容器の液位を測定する液位検出装置と、を備える液体収容装置であって、
前記液体収容容器から排出される液体の量を測定する排出流量測定部を更に備え、
前記液位検出装置は、
第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整部と、
前記液位調整部により液位が調整された後、前記液体収容容器から液体を排出する液体排出指示部と、
前記排出流量測定部において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも低い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒による液位の検出が非検出とならなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定部と、を備える液体収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置における電極棒の動作判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体が収容される液体収容容器と、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有し液体収容容器の液位を測定する液位検出装置が知られている。この種の液位検出装置を開示するものとして、例えば特許文献1がある。特許文献1には、ボイラ装置の水管の液位を検出するための液位検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−135906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の電極棒を有する液位検出装置において、経年劣化等を原因として電極棒に絶縁不良や導通不良が生じることがある。このような電極棒の動作不良の検出方法としては、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒の検出結果を組み合せる方法がある。例えば、低い液位を検出する低液位電極棒と、低液位電極棒よりも高い液位を検出する中液位電極棒と、中液位電極棒よりも高い液位を検出する高液位電極棒と、を有する液位検出装置の場合、中液位電極棒の導通不良の検出は以下のように行われている。即ち、低液位電極棒のみが液位を検出している状態から、液位を上昇させて高液位電極棒によって液位が検出されるまでに、中液位電極棒によって液位が検出されない場合に中液位電極棒に導通不良が発生していると判断する。また、中液位電極棒の絶縁不良の検出は以下のように行われている。即ち、高液位電極棒が液位を検出している状態から液位を下降させて低液位電極棒によって液位が検出されなくなった状態で、中液位電極棒が液位を検出している場合は、中液位電極棒に絶縁不良が発生していると判断するのである。
【0005】
しかし、上述の電極棒を組み合せて導通不良を検出する方法では、最も高い液位を検出する電極棒(上述の液位検出装置では高液位電極棒)に対して導通不良を検出することができなかった。同様に、絶縁不良を検出する方法においても、最も低い液位を検出する電極棒(上述の液位検出装置では低液位電極棒)に対して絶縁不良を検出できなかった。電極棒の動作判定は、全ての電極棒に対して行うことが好ましい。この点において、従来の液位検出装置における電極棒の動作判定方法には、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置において、電極棒が検出する液位の位置に関わらず、動作不良を正確に検出できる電極棒の動作判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置における前記電極棒の動作判定方法であって、第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整工程と、前記液位調整工程が終了した後、液体を供給する液体供給工程と、前記液体供給工程において供給される液体の量を測定する供給量測定工程と、前記供給量測定工程において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも高い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒により液位が検出されなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定工程と、を備える電極棒の動作判定方法に関する。
【0008】
前記第2の電極棒は、最も高い液位を検出する電極棒であり、前記第1の電極棒は、2番目に高い液位を検出する電極棒であることが好ましい。
【0009】
また、本発明は、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置における前記電極棒の動作判定方法であって、第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整工程と、前記液位調整工程が終了した後、液体を排出する液体排出工程と、前記液体排出工程において排出される液体の量を測定する排出量測定工程と、前記排出量測定工程において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも低い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒による液位の検出が非検出とならなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定工程と、を備える電極棒の動作判定方法に関する。
【0010】
前記第2の電極棒は、最も低い液位を検出する電極棒であり、前記第1の電極棒は、2番目に低い液位を検出する電極棒であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、液体が収容される液体収容容器と、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有し前記液体収容容器の液位を測定する液位検出装置と、を備える液体収容装置であって、前記液体収容容器に供給される液体の量を測定する供給流量測定部を更に備え、前記液位検出装置は、第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整部と、前記液位調整部により液位が調整された後、前記液体収容容器に液体を供給する液体供給指示部と、前記供給流量測定部において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも高い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒により液位が検出されなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定部と、を備える液体収容装置に関する。
【0012】
また、本発明は、液体が収容される液体収容容器と、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有し前記液体収容容器の液位を測定する液位検出装置と、を備える液体収容装置であって、前記液体収容容器から排出される液体の量を測定する排出流量測定部を更に備え、前記液位検出装置は、第1の前記電極棒により液位が検出されるまで、又は前記第1の電極棒により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整部と、前記液位調整部により液位が調整された後、前記液体収容容器から液体を排出する液体排出指示部と、前記排出流量測定部において測定された液体の量が、前記第1の電極棒よりも低い液位を検出する第2の電極棒と前記第1の電極棒との液位の差に対応する量を超えても前記第2の電極棒による液位の検出が非検出とならなかった場合に前記第2の電極棒の動作不良を判定する判定部と、を備える液体収容装置に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有する液位検出装置において、電極棒が検出する液位の位置に関わらず、動作不良を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の好ましい一実施形態に係るボイラ装置の構成を示す図である。
図2】制御部の構成を示す機能ブロック図である。
図3】バックアップ電極棒の動作判定を行うときの液位制御筒内部の様子を示す模式図である。
図4】低液位電極棒の動作判定を行うときの液位制御筒内部の様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の動作判定方法を用いる液位検出装置及びこの液位検出装置を備えるボイラ装置の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の好ましい一実施形態に係るボイラ装置1の構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、液体収容装置としてのボイラ装置1は、液体収容容器としてのボイラ本体2と、気水分離器3と、液位検出装置4と、を主体に構成されている。
【0017】
ボイラ本体2は、ボイラ缶体20と、複数の水管21と、下部ヘッダ22と、上部ヘッダ23と、ガスバーナ24と、を備えて構成されている。
【0018】
ボイラ缶体20は、矩形箱状に形成されている。ボイラ缶体20は、ボイラ本体2の外観を構成する。ボイラ本体2の内部には、複数の水管21が所定の間隔で離間した状態で立設されている。複数の水管21は、ボイラ缶体20の内部に収容されている。
【0019】
下部ヘッダ22は、ボイラ缶体20の下部に設けられ、複数の水管21の下端に連結されている。下部ヘッダ22には、給水ライン8aの下流側の端部が接続されている。この給水ライン8aの上流側には、給水タンク(図示省略)が接続されている。
【0020】
給水ライン8aには、給水ポンプ8と、逆止弁8bと、供給流量測定部としての供給流量センサ60と、が設けられている。給水ポンプ8は、給水タンクに貯留された水を下部ヘッダ22に供給するためのものであり、この給水ポンプ8の駆動によって、下部ヘッダ22に給水ライン8aを通じて給水タンクの水が供給される。下部ヘッダ22に供給された水は、該下部ヘッダ22に連結された複数の水管21に供給される。このように、本実施形態に係るボイラ装置1は、いわゆる貫流ボイラを構成する。逆止弁8bは、下部ヘッダ22から給水ポンプ8側へ水が逆流することを防止する。供給流量センサ60は、給水ライン8aを通過する水の給水量を測定するためのものであり、後述の液位検出装置4が備える制御部9に電気的に接続されている。
【0021】
また、下部ヘッダ22には、ブローライン22aが接続されている。ブローライン22aには、ブローバルブ22bと、排出流量測定部としての排出流量センサ61と、が設けられている。下部ヘッダ22は、ブローバルブ22bを開放することにより、ボイラ本体2内部の缶水を全量又は所定量、排出可能に構成されている。排出流量センサ61は、ブローライン22aを通過する水の排水量を測定するためのものであり、後述の液位検出装置4が備える制御部9に電気的に接続されている。
【0022】
上部ヘッダ23は、ボイラ缶体20の上部に設けられ、複数の水管21の上端に連結されている。
【0023】
また、上部ヘッダ23には、気水ライン23aの一方側が接続されている。気水ライン23aの他方側には、気水分離器3が接続されている。上部ヘッダ23は、ガスバーナ24により複数の水管21で生成された気水混合気(蒸気)を集め、気水ライン23aを介して気水分離器3へ送り出す。
【0024】
ガスバーナ24は、ボイラ缶体20の側面に設けられ、ボイラ缶体20の側面から複数の水管21を加熱するように構成されている。ガスバーナ24は、複数の水管21を加熱することにより内部に導入された缶水を沸騰させ、気水混合気(蒸気)を生成させる。また、ガスバーナ24は、燃料ライン24aを介して燃料タンク(図示省略)と接続されている。燃料ライン24aには、流量調整弁24bが設けられている。ガスバーナ24の燃焼量は、流量調整弁24bの開度調整により連続的又は段階的に調整されるように構成されている。
【0025】
気水分離器3は、気水ライン23aを介して上部ヘッダ23と接続されている。気水分離器3は、ガスバーナ24により生成され上部ヘッダ23から送り出された気水混合気(蒸気)を、乾き蒸気と水分とに分離させる。また、気水分離器3は、所定の蒸気使用機器(図示省略)に接続された蒸気連絡ライン31aに接続されている。気水分離器3により分離された乾き蒸気は、蒸気連絡ライン31aを介して所定の蒸気使用機器に送り出される。なお、所定の蒸気使用機器への乾き蒸気の送り出しの量は、蒸気連絡ライン31aに設けられる開閉バルブ31bの開閉により調整される。
【0026】
一方、気水分離器3により分離された水分は、気水分離器3と下部ヘッダ22とを連結する降水ライン32aを介して、下部ヘッダ22に送り出される。ここで、降水ライン32aには、濃縮ブローライン33aが接続されている。濃縮ブローライン33aには、濃縮ブローバルブ33bが設けられている。ボイラ装置1は、濃縮ブローバルブ33bを開放することにより気水分離器3により分離された所定の水(高濃度缶水等)及び/又はボイラ装置1の起動時における水等を排水可能に構成されている。また、降水ライン32aにおける濃縮ブローライン33aの下流側には、電気伝導度測定センサ34が設けられている。電気伝導度測定センサ34は、ボイラ装置1の起動時に給水する水の電気伝導度及びボイラ装置1の長時間運転等により濃縮した缶水の濃縮度等を測定する。
【0027】
次に、液位検出装置4について説明する。液位検出装置4は、液位制御筒40と、高液位電極棒42と、中液位電極棒43と、低液位電極棒44と、バックアップ電極棒41と、制御部9と、を備える。
【0028】
液位制御筒40は、両端が封止された略円筒形状に導通可能な金属により形成される。液位制御筒40の上端部には、連通パイプ4aが接続されている。連通パイプ4aは、上部ヘッダ23に接続されている。また、液位制御筒40の下端部には、連通パイプ4bが接続されている。連通パイプ4bは、下部ヘッダ22に接続されている。液位制御筒40は、その上端部及び下端部が上部ヘッダ23及び下部ヘッダ22を介して複数の水管21と連通することにより、複数の水管21に導入される缶水と同様の管内液位を液位制御筒40の内部に実現させる。
【0029】
高液位電極棒42は、液位制御筒40の内部における高液位を検出する。なお、高液位とは、ボイラ本体2の通常運転時に給水する場合の目標液位である。即ち、液位検出装置4は、高液位電極棒42と缶水とが接触すると、高液位を検出し、給水ポンプ8による給水を停止させる。
【0030】
高液位電極棒42は、その一端側に設けられる外部接続端子42aと、その他端側に設けられる電極部42bと、を備えて構成されている。高液位電極棒42は、外部接続端子42aが液位制御筒40の外部に突出し、電極部42bが液位制御筒40の内部に収容されるように配置されている。高液位電極棒42は、筒状の絶縁体(図示省略)により、液位制御筒40の上端部に保持されている。
【0031】
高液位電極棒42においては、外部接続端子42aは、所定の電源部(図示省略)の一方側に接続されており、電極部42bは、ステンレスにより棒状に形成されている。所定の電源部の他方側は液位制御筒40に接続されている。そのため、例えば、液位制御筒40の内部の水が高液位に達し、電極部42bが缶水と接触すると、外部接続端子42aと液位制御筒40との間の通電状態が変化する。これにより、高液位が検出される。
【0032】
中液位電極棒43は、液位制御筒40の内部における中液位を検出する。なお、中液位とは、中液位電極棒43と缶水とが接触しなくなる(液位制御筒40の内部の缶水が中液位を満たさなくなる)ことを条件に、ボイラ缶体20に給水を開始させる制御が行われる液位である。
【0033】
中液位電極棒43は、その一端側に設けられる外部接続端子43aと、その他端側に設けられる電極部43bと、を備えて構成されている。中液位電極棒43は、外部接続端子43aが液位制御筒40の外部に突出し、電極部43bが液位制御筒40の内部に収容されるように配置されている。中液位電極棒43は、筒状の絶縁体(図示省略)により、液位制御筒40の上端部に保持されている。
【0034】
中液位電極棒43においては、外部接続端子43aは、所定の電源部(図示省略)の一方側に接続されており、電極部43bは、ステンレスにより棒状に形成されている。所定の電源部の他方側は液位制御筒40に接続されている。そのため、例えば、液位制御筒40の内部の水が中液位よりも減少し、電極部43bが缶水と接触しなくなると、外部接続端子43aと液位制御筒40との間の通電状態が変化する。これにより、中液位が検出される。
【0035】
低液位電極棒44は、液位制御筒40の内部における低液位を検出する。なお、低液位とは、低液位電極棒44と缶水とが接触しなくなる(液位制御筒40の内部の水が低液位を満たさなくなる)ことを条件に、ボイラ本体2にインターロック等をかけ、ボイラ本体2の稼動を停止させる制御が行われる液位である。
【0036】
低液位電極棒44は、その一端側に設けられる外部接続端子44aと、その他端側に設けられる電極部44bと、を備えて構成されている。低液位電極棒44においては、外部接続端子44aは、液位制御筒40の外部に突出しており、電極部44bは、液位制御筒40の内部に収容されるように配置されている。低液位電極棒44は、筒状の絶縁体(図示省略)により、液位制御筒40の上端部に保持されている。
【0037】
低液位電極棒44においては、外部接続端子44aは、所定の電源部(図示省略)の一方側に接続されており、電極部44bは、ステンレスにより棒状に形成されている。所定の電源部の他方側は液位制御筒40に接続されている。そのため、例えば、液位制御筒40の内部の水が低液位よりも減少し、電極部44bが缶水と接触しなくなると、外部接続端子44aと液位制御筒40との間の通電状態が変化する。これにより、低液位が検出される。
【0038】
バックアップ電極棒41は、高液位遮断を行うための高液位電極棒42のバックアップであり、高液位電極棒42よりも高い位置の最高液位を検出する。本実施形態の最高液位は、液位検出装置4が備える複数の電極棒(バックアップ電極棒41、高液位電極棒42、中液位電極棒43及び低液位電極棒44)が検出する液位のうち、もっとも高い液位である。液位検出装置4は、バックアップ電極棒41と缶水とが接触すると、最高液位を検出し、給水ポンプ8による給水を略瞬時に停止させる。
【0039】
バックアップ電極棒41は、その一端側に設けられる外部接続端子41aと、その他端側に設けられる電極部41bと、を備えて構成されている。バックアップ電極棒41は、外部接続端子41aが液位制御筒40の外部に突出し、電極部41bが液位制御筒40の内部に収容されるように配置されている。バックアップ電極棒41は、筒状の絶縁体(図示省略)により、液位制御筒40の上端部に保持されている。
【0040】
バックアップ電極棒41においては、外部接続端子41aは、所定の電源部(図示省略)の一方側に接続されており、電極部41bは、ステンレスにより棒状に形成されている。所定の電源部の他方側は液位制御筒40に接続されている。そのため、例えば、液位制御筒40の内部の水が最高液位に達し、電極部41bが缶水と接触すると、外部接続端子41aと液位制御筒40との間の通電状態が変化する。これにより、最高液位が検出される。
【0041】
制御部9は、液位制御筒40の内部において、高液位電極棒42、中液位電極棒43及び低液位電極棒44により間接的に検出される複数の水管21の管内液位に基づいて、給水ポンプ8の起動及び停止等の各種の制御を行う。例えば、制御部9は、液位制御筒40の内部において、中液位電極棒43と缶水とが接触しなくなることを条件に、給水ポンプ8を起動し、ボイラ缶体20に給水を開始させる。そして、給水により液位制御筒40の液位が上昇し、高液位電極棒42と缶水とが接触すると、給水ポンプ8を停止させ、給水を停止させる。また、制御部9は、低液位電極棒44と缶水とが接触しなくなることを条件に、ボイラ本体2にインターロック等をかけ、ボイラ本体2の稼動を停止させる制御を行う。
【0042】
本実施形態の液位検出装置4は、制御部9による上述の各種の制御と共に、電極棒の動作判定を行う。この動作判定は、例えば、起動時又は1週間に1度、月に1度等の予め設定された周期で行われる。次に、液位検出装置4による電極棒の動作判定のうち、バックアップ電極棒41と低液位電極棒44の動作判定の詳細について説明する。図2は、制御部9の構成を示す機能ブロック図である。図3は、バックアップ電極棒41の動作判定を行うときの液位制御筒40内部の様子を示す模式図である。図4は、低液位電極棒44の動作判定を行うときの液位制御筒40内部の様子を示す模式図である
【0043】
制御部9は、バックアップ電極棒41の動作判定を行うバックアップ電極動作判定と、低液位電極棒44の動作判定を行う低液位電極動作判定と、を行う。図2に示すように、制御部9は、液位調整部71と、液体供給指示部72と、液体排出指示部73と、判定部74と、を含んで構成される。
【0044】
液位調整部71は、電極棒の動作判定を行うために、動作判定開始と共に、液位制御筒40内部の液位を予め設定された基準液位にする液位調整制御を行う。なお、本実施形態では、バックアップ電極動作判定と、低液位電極動作判定と、では基準液位が異なっている。バックアップ電極動作判定では、基準液位は高液位電極棒42が液位の検出を開始する位置である。低液位電極動作判定では、基準液位は中液位電極棒43が液位の検出を開始する位置である。
【0045】
液体供給指示部72は、バックアップ電極動作判定において、液位調整部71による液位調整の後、給水ポンプ8を駆動してボイラ本体2に給水を行う液体供給制御を行うものである。図3に示すように、この液体供給指示部72の液体供給制御によって、バックアップ電極棒41に液位が検出される判定目標液位(最高液位以上の液位)まで液位制御筒40内部の液位が上昇する。
【0046】
液体排出指示部73は、低液位電極動作判定において、液位調整部71による液位調整の後、ブローバルブ22bを開放し、ボイラ本体2から排水を行う液体排出制御を行うものである。図4に示すように、この液体排出制御によって、低液位電極棒44に液位が検出されない判定目標液位(低液位よりも低い液位)まで液位制御筒40内部の液位が下降する。
【0047】
判定部74は、バックアップ電極動作判定においては、バックアップ電極棒41による液位の検出結果と、供給流量センサ60の出力値から演算される給水量と、に基づいてバックアップ電極棒41の動作判定を行う。一方、低液位電極動作判定においては、判定部74は、低液位電極棒44による液位の検出結果と、排出流量センサ61の出力値から演算される排水量と、に基づいて低液位電極棒44の動作判定を行う。この判定部74によって、対象となる電極棒の動作判定が行われる。判定部74の各動作判定の詳細については後述する。
【0048】
以上の構成で、液位検出装置4は、バックアップ電極棒41の動作判定及び低液位電極棒44の動作判定を行う。次に、バックアップ電極動作判定と、低液位電極動作判定と、の場合に分けて、電極棒の動作判定の流れについて説明する。
【0049】
まず、液位検出装置4がバックアップ電極棒41の動作判定を行う場合について説明する。バックアップ電極動作判定では、第1の電極棒としての高液位電極棒42及び第2の電極棒としてのバックアップ電極棒41のそれぞれの液位の検出結果に基づいてバックアップ電極棒41の導通不良が判定される。
【0050】
バックアップ電極動作判定が開始されると、液位調整部71による液位調整制御(液位調整工程)によって、液位制御筒40内部の液位が基準液位に調整される。上述したように、バックアップ電極動作判定における基準液位は、高液位電極棒42によって検出される高液位である。
【0051】
本実施形態の液位調整制御は、判定開始時の液位によって異なる制御を行う。より具体的には、液位調整部71は、判定開始時において、高液位電極棒42によって液位が検出されていない場合は、高液位電極棒42によって液位が検出されるまで給水ポンプ8を駆動して給水を行う。高液位電極棒42によって液位が検出された時点で給水ポンプ8の駆動を止めて給水を停止する。
【0052】
一方、判定開始時において、高液位電極棒42によって液位が既に検出されている状態では、液位が基準液位(高液位)よりも高くなっている場合も考えられる。そのため、液位調整部71は、判定開始時において、高液位電極棒42によって液位が既に検出されている場合は、ブローバルブ22bを開放して高液位電極棒42によって検出されなくなるまで液位を一旦下降させる。次に、高液位電極棒42によって液位が再び検出されるまで給水ポンプ8を駆動する。これによって、基準液位(高液位)よりも高い液位にある場合でも、液位を基準液位に正確に調整することができる。
【0053】
液位調整部71による液位調整制御の後、液体供給指示部72は、給水ポンプ8を駆動してボイラ本体2に給水する液体供給制御(液体供給工程)を行う。液体供給指示部72は、それと共に、供給流量センサ60の出力値をカウントし、給水量を演算する液体供給量測定制御(供給量測定工程)を行う。本実施形態の液体供給指示部72は、液位制御筒40内部の液位が最高液位以上の高さの判定目標液位になるように、給水ポンプ8を駆動する。基準液位から判定目標液位までの必要給水量は、ボイラ本体2の容量及び液位制御筒40の容量等によって予め設定されているので、供給流量センサ60の出力値をカウントすることで、液位を判定目標液位まで正確に上昇させることが可能になっている。このように、液体供給指示部72による液体供給制御によって、液位制御筒40内部の液位は、最高液位以上の高さの判定目標液位に調整される(図3参照)。
【0054】
判定部74は、液体供給指示部72による液体供給量測定制御によって、液位制御筒40内部の液位が判定目標液位に達したと判断すると、バックアップ電極棒41の液位の検出結果を参照する判定制御(判定工程)を行う。この判定制御において、判定部74は、液位が検出された場合はバックアップ電極棒41が正常に動作していると判定する。図3に示す判定目標液位にある状態では、液位が最高液位よりも高い液位になっているので、バックアップ電極棒41が正常に動作していれば液位が検出されるためである。一方、判定部74は、液位が検出されていない場合はバックアップ電極棒41に動作不良が生じていると判定する。図3に示す状態で、バックアップ電極棒41によって液位が検出されないということは、バックアップ電極棒41に導通不良が生じていると考えられるからである。即ち、本実施形態のバックアップ電極動作判定によれば、最も高い液位を検出するバックアップ電極棒41の導通不良を検出することができるのである。
【0055】
次に、液位検出装置4が低液位電極棒44の動作判定を行う場合について説明する。低液位電極動作判定では、第1の電極棒としての中液位電極棒43及び第2の電極棒としての低液位電極棒44のそれぞれの液位の検出結果に基づいて低液位電極棒44の絶縁不良が検出される。
【0056】
低液位電極動作判定が開始されると、液位調整部71による液位調整制御(液位調整工程)によって、液位制御筒40内部の液位が基準液位に調整される。上述したように、低液位電極動作判定における基準液位は、中液位電極棒43が液位を検出する中液位である。
【0057】
液位調整部71は、判定開始時において、中液位電極棒43によって液位が検出されていない場合は、中液位電極棒43によって液位が検出されるまで給水ポンプ8を駆動して給水を行う。中液位電極棒43によって液位が検出された時点で給水ポンプ8の駆動を止めて給水を停止する。
【0058】
一方、判定開始時において、中液位電極棒43によって液位が既に検出されている状態では、液位が基準液位(中液位)よりも高くなっている場合も考えられる。そのため、液位調整部71は、判定開始時において、中液位電極棒43によって液位が既に検出されている場合は、ブローバルブ22bを開放して中液位電極棒43によって検出されなくなるまで液位を一旦下降させる。次に、中液位電極棒43によって液位が再び検出されるまで給水ポンプ8を駆動して給水を行う。これによって、基準液位(中液位)よりも高い液位にある場合でも、液位を基準液位に正確に調整することができる。
【0059】
液位調整部71による液位調整制御の後、液体排出指示部73は、ブローバルブ22bを開放してボイラ本体2から排水する液体排出制御(液体排出工程)を行う。液体排出指示部73は、それと共に、排出流量センサ61の出力値をカウントし、排水量を演算する液体排出量測定制御(排出量測定工程)を行う。本実施形態の液体排出指示部73は、液位制御筒40内部の液位が低液位よりも低い判定目標液位になるように、ブローバルブ22bを開放する。基準液位から判定目標液位までの必要排水量は、ボイラ本体2の容量及び液位制御筒40の容量等によって予め設定されているので、排出流量センサ61の出力値をカウントすることで、液位を判定目標液位まで正確に下降させることが可能になっている。このように、液体排出指示部73による液体排出制御によって、液位制御筒40内部の液位は、低液位よりも低い判定目標液位に調整される(図4参照)。
【0060】
判定部74は、液体排出指示部73による液体排出量測定制御によって、液位制御筒40内部の液位が判定目標液位に達したと判断すると、低液位電極棒44の液位の検出結果を参照する判定制御(判定工程)を行う。この判定制御において、判定部74は、液位が検出されてない場合は低液位電極棒44が正常に動作していると判定する。図4に示す判定目標液位にある状態では、液位が低液位よりも低い液位になっているので、低液位電極棒44が正常に動作していれば液位が検出されない非検出の結果を示すためである。一方、判定部74は、液位が検出され続けている場合は低液位電極棒44に動作不良が生じていると判定する。図4に示す状態で、低液位電極棒44によって液位が検出されるということは、低液位電極棒44に絶縁不良が生じていると考えられるからである。即ち、本実施形態の低液位電極動作判定によれば、最も低い液位を検出する低液位電極棒44の絶縁不良を検出することができるのである。
【0061】
このように、本実施形態のボイラ装置1は、液位検出装置4によって、複数の電極棒のうち、最も高い液位を検出するバックアップ電極棒41の導通不良等の動作不良を検出することができると共に、最も低い液位を検出する低液位電極棒44の絶縁不良等の動作不良を検出することが可能になっている。特に、バックアップ電極棒41の場合、ボイラ装置1の通常運転では、液位制御筒40内部の液位はバックアップ電極棒41が検出する最高液位まで達しないように制御されているため、動作不良を判断するためのタイミングが少ない。しかし、バックアップ電極棒41に導通不良が生じていた場合は、高液位電極棒42のバックアップを失ってしまうことになる。また、バックアップ電極棒41の動作不良が生じている場合、高液位電極棒42の導通不良を検出することもできなくなり、ボイラ装置1は、高液位遮断が不可能な状態で稼動し続けるおそれもある。この点、本実施形態のボイラ装置1によれば、液位検出装置4によってバックアップ電極棒41の動作不良を検出することができるので、ボイラ装置1のより安全な運転制御が実現されるのである。
【0062】
以上説明した本実施形態の液位検出装置4における電極棒の動作判定方法によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の液位検出装置4は、高液位電極棒42により液位が検出されるまで、又は高液位電極棒42により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整工程と、液位調整工程が終了した後、液体を供給する液体供給工程と、液体供給工程において供給される液体の量を測定する供給量測定工程と、供給量測定工程において測定された液体の量が、高液位電極棒42よりも高い液位を検出するバックアップ電極棒41と高液位電極棒42との液位の差に対応する量を超えてもバックアップ電極棒41により液位が検出されなかった場合にバックアップ電極棒41の動作不良を判定する判定工程と、を備える電極棒の動作判定を行う。これにより、検出する液位の異なる2本の電極棒(高液位電極棒42及びバックアップ電極棒41)のうち、高い液位を検出するバックアップ電極棒41の動作判定を、その電極棒が検出する最高液位に実際に液位を上昇させて行うので、導通不良を正確に検出できる。
【0063】
バックアップ電極棒41は、最も高い液位を検出する電極棒であり、高液位電極棒42は、2番目に高い液位を検出する電極棒である。これにより、最も高い液位を検出するバックアップ電極棒41であっても、2番目に高い液位を検出する高液位電極棒42を利用して導通不良を検出することができる。また、2番目に高い液位を検出する高液位電極棒42を利用するので、液位の調整幅も少なく済み、バックアップ電極棒41の動作判定を効率的に行うことができる。
【0064】
本実施形態の液位検出装置4は、中液位電極棒43により液位が検出されるまで、又は中液位電極棒43により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整工程と、液位調整工程が終了した後、液体を排出する液体排出工程と、液体排出工程において排出される液体の量を測定する排出量測定工程と、排出量測定工程において測定された液体の量が、中液位電極棒43よりも低い液位を検出する低液位電極棒44と中液位電極棒43との液位の差に対応する量を超えても低液位電極棒44による液位の検出が非検出とならなかった場合に低液位電極棒44の動作不良を判定する判定工程と、を備える電極棒の動作判定を行う。これにより、検出する液位の異なる2本の電極棒(低液位電極棒44及び中液位電極棒43)のうち、低い液位を検出する低液位電極棒44の動作判定を、その電極棒が検出する液位よりも低い液位まで実際に液位を下降させて行うので、絶縁不良を正確に検出できる。
【0065】
低液位電極棒44は、最も低い液位を検出する電極棒であり、中液位電極棒43は、2番目に低い液位を検出する電極棒である。これにより、最も低い液位を検出する低液位電極棒44であっても、2番目に低い液位を検出する中液位電極棒43を利用して絶縁不良を検出することができる。また、2番目に低い液位を検出する中液位電極棒43を利用するので、液位の調整幅も少なく済み、低液位電極棒44の動作判定を効率的に行うことができる。
【0066】
また、本実施形態のボイラ装置1は、液体が収容されるボイラ本体2と、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有しボイラ本体2の液位を測定する液位検出装置4と、を備えるボイラ装置1であって、ボイラ本体2に供給される液体の量を測定する供給流量センサ60を更に備え、液位検出装置4は、高液位電極棒42により液位が検出されるまで、又は高液位電極棒42により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整部71と、液位調整部71により液位が調整された後、ボイラ本体2に液体を供給する液体供給指示部72と、供給流量センサ60において測定された液体の量が、高液位電極棒42よりも高い液位を検出するバックアップ電極棒41と高液位電極棒42との液位の差に対応する量を超えてもバックアップ電極棒41により液位が検出されなかった場合にバックアップ電極棒41の動作不良を判定する判定部74と、を備える。これにより、検出する液位の異なる2本の電極棒のうち、高い液位を検出するバックアップ電極棒41の動作判定を、その電極棒が検出する最高液位に実際に液位を上昇させて行うので、導通不良を正確に検出できる。ボイラ装置1において、通常の運転制御では検出するタイミングの少ないバックアップ電極棒41の導通不良を検出できるので、より安全なボイラ装置1の運転制御を実現することができる。
【0067】
また、本実施形態のボイラ装置1は、液体が収容されるボイラ本体2と、それぞれ異なる液位を検出する複数の電極棒を有しボイラ本体2の液位を測定する液位検出装置4と、を備えるボイラ装置1であって、ボイラ本体2から排出される液体の量を測定する排出流量センサ61を更に備え、液位検出装置4は、中液位電極棒43により液位が検出されるまで、又は中液位電極棒43により液位が検出されなくなるまで液位を調整する液位調整部71と、液位調整部71により液位が調整された後、ボイラ本体2から液体を排出する液体排出指示部73と、排出流量センサ61において測定された液体の量が、中液位電極棒43よりも低い液位を検出する低液位電極棒44と中液位電極棒43との液位の差に対応する量を超えても低液位電極棒44による液位の検出が非検出とならなかった場合に低液位電極棒44の動作不良を判定する判定部74と、を備える。これにより、検出する液位の異なる2本の電極棒のうち、低い液位を検出する低液位電極棒44の動作判定を、その電極棒が検出する液位よりも低い液位まで実際に液位を下降させて行うので、絶縁不良を正確に検出できる。
【0068】
以上、本発明の電極棒の動作判定方法を用いる液位検出装置4及びこの液位検出装置4を備えるボイラ装置1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0069】
例えば、本実施形態においては、ボイラ缶体20の側面にガスバーナ24を配置させ、立設される複数の水管21の側方からそれぞれの水管21を加熱する構成としたが、本発明においてはこれに限らない。例えば、複数の水管21をボイラ缶体20の円周方向に所定の間隔で立設させると共に、略中央部に燃焼室を設け、燃焼室の上方にガスバーナ24を配置させる構成としてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、動作判定を行う電極棒をバックアップ電極棒41及び低液位電極棒44としたが、動作判定を行う対象及びその組み合わせは適宜変更することができる。例えば、高液位電極棒42と中液位電極棒43との組合せで、高液位電極棒42の導通不良を動作判定することもできるし、中液位電極棒43の絶縁不良を動作判定することもできる。また、バックアップ電極棒41と低液位電極棒44との組合せで導通不良及び絶縁不良の動作判定を行うことも可能である。このように、電極棒の組合せは、事情に応じて適宜変更することができる。
【0071】
また、本実施形態では、供給流量センサ60は給水ライン8aに配置されているが、供給流量センサ60の配置場所やその構成は、供給される液体の量を測定できる場所に適宜変更することができる。同様に、排出流量センサ61は、ブローライン22aに配置されているが、排出流量センサ61の配置場所やその構成は、排出される液体の量を測定できる場所に適宜変更することができる。
【0072】
また、本実施形態では、液体収容装置としてボイラ装置1を例として説明したが、本実施形態のボイラ装置1の構成と異なる種々のボイラ装置に適用することができる。また、本発明は、ボイラ装置に制限されるわけではなく、種々の液体収容装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 ボイラ装置(液体収容装置)
2 ボイラ本体(液体収容容器)
4 液位検出装置
41 バックアップ電極棒(第2の電極棒)
42 高液位電極棒(第1の電極棒)
43 中液位電極棒(第1の電極棒)
44 低液位電極棒(第2の電極棒)
60 供給流量センサ(供給流量測定部)
61 排出流量センサ(排出流量測定部)
71 液位調整部
72 液体供給指示部
73 液体排出指示部
74 判定部
図1
図2
図3
図4