【解決手段】表示面36を有する液晶パネル10と、液晶パネル10の背面10aを覆うリアキャビネット8と、表示面36の外周部を覆う前面部40と、前面部40の外周部からリアキャビネット8側に延び、且つ、液晶パネル10の外周面10cを覆う周面部42と、を有するフロントキャビネット6と、リアキャビネット8及びフロントキャビネット6を相互に締結するネジ38と、を備え、リアキャビネット8は、リアキャビネット8側からフロントキャビネット6側に向けてネジ38が挿入される貫通孔54を有し、フロントキャビネット6は、さらに、周面部42の内面42aに設けられ、且つ、貫通孔54に挿入されたネジ38が締結されるボス46と、周面部42の内面42aに設けられ、且つ、ボス46から前面部40の内面40aに向けて延びるリブ50と、を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の液晶テレビジョン受像機では、フロントキャビネットの前面部の内面にボスが設けられていることに起因して、次のような課題が生じる。上述したようにネジをボスのネジ孔にネジ止めした際に、ボスがリアキャビネット側に引き込まれることにより、前面部の外面(すなわち、液晶テレビジョン受像機の外部に露出される面)のうちボスに対応する部分に僅かな窪みが生じてしまう。前面部の外面は最もユーザの目に付く部分であるので、上述した窪みが生じることによって、フロントキャビネットの美観が損なわれてしまうという課題が生じる。特に、デザイン性を高めるためにフロントキャビネットの外面に光沢塗装を施した場合には、上述した窪みがより一層目立つようになり、フロントキャビネットの美観が大きく損なわれてしまう。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、前面筐体の美観を高めることができる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る表示装置は、画像を表示するための表示装置であって、前面に前記画像を表示する表示面を有する表示パネルと、前記表示パネルの背面を覆う背面筐体と、前記表示面の外周部を覆う前面部と、前記前面部の外周部から前記背面筐体側に延び、且つ、前記表示パネルの外周面を覆う周面部と、を有する前面筐体と、前記背面筐体及び前記前面筐体を相互に締結する締結部材と、を備え、前記背面筐体は、前記背面筐体側から前記前面筐体側に向けて前記締結部材が挿入される貫通孔を有し、前記前面筐体は、さらに、前記周面部の内面に設けられ、且つ、前記貫通孔に挿入された前記締結部材が締結されるボスと、前記周面部の前記内面に設けられ、且つ、前記ボスから前記前面部の内面に向けて延びるリブと、を有する。
【0008】
本態様によれば、ボスが周面部の内面に設けられているので、締結部材をボスに締結した際に、ボスを背面筐体側に引き込む力が前面部に作用することがない。その結果、前面部の外面のうちボスに対応する部分に僅かな窪みが生じるのを抑制することができ、前面筐体の美観を高めることができる。さらに、周面部の内面には、ボスから前面部の内面に向けて延びるリブが設けられているので、締結部材が締結される方向におけるボスの強度を高めることができる。これにより、締結部材をボスに締結した際に、ボスが背面筐体側に引き込まれた場合であっても、ボスと周面部の内面との接続強度を強固に保つことができる。
【0009】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記リブは、前記締結部材が締結される方向と略平行に延びているように構成してもよい。
【0010】
本態様によれば、リブは、締結部材が締結される方向と略平行に延びているので、締結部材が締結される方向におけるボスの強度を効果的に高めることができる。
【0011】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記リブは、前記ボスから前記前面部の前記内面まで延びているように構成してもよい。
【0012】
本態様によれば、リブは、ボスから前面部の内面まで延びているので、締結部材が締結される方向におけるボスの強度を効果的に高めることができる。
【0013】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記前面筐体は、さらに、前記前面部の前記内面と前記周面部の前記内面との間に形成された面取り面を有しており、前記リブは、前記ボスから前記面取り面を経由して前記前面部の前記内面まで延びているように構成してもよい。
【0014】
本態様によれば、リブは、ボスから面取り面を経由して前面部の内面まで延びているので、締結部材が締結される方向におけるボスの強度をより一層効果的に高めることができる。
【0015】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記背面筐体は、さらに、前記背面筐体の内面から前記前面筐体に向けて突出し、且つ、前記背面筐体の外周部に沿って延びる突出部を有しており、前記前面筐体は、さらに、前記ボスと前記周面部の前記内面との間に設けられ、且つ、前記突出部が挿入されるスリットを有するように構成してもよい。
【0016】
本態様によれば、背面筐体の突出部を前面筐体のスリットに挿入することにより、締結部材をボスに締結した際に、ボスに締結部材の回転方向の力が作用するのを抑制することができる。これにより、ボスと周面部の内面との接続強度を強固に保つことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る表示装置によれば、前面筐体の美観を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0020】
(実施の形態1)
[表示装置の全体構造]
まず、
図1及び
図2を参照しながら、実施の形態1に係る表示装置2の全体構造について説明する。
図1は、実施の形態1に係る表示装置の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る表示装置を分解した状態を示す分解斜視図である。
【0021】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態の表示装置2は、例えば液晶テレビジョン受像機であり、筐体4を備えている。筐体4は、フロントキャビネット6(前面筐体を構成する)及びリアキャビネット8(背面筐体を構成する)が相互に締結されることにより構成されている。
【0022】
フロントキャビネット6は、矩形状の枠状に構成されており、後述する液晶パネル10(表示パネルを構成する)の外周部を覆うように配置されている。フロントキャビネット6は、例えば樹脂で形成されている。
【0023】
リアキャビネット8は、箱形状に構成されており、液晶パネル10の背面10a(後述する
図5参照)全体を覆うように配置されている。リアキャビネット8は、例えば樹脂で形成されている。リアキャビネット8の下端部には、筐体4を下方より支持するためのスタンド12が取り付けられている。
【0024】
なお、本実施の形態の表示装置2では、フロントキャビネット6及びリアキャビネット8の締結構造に特徴がある。フロントキャビネット6及びリアキャビネット8の締結構造については後で詳述する。
【0025】
図2に示すように、筐体4の内部には、上述した液晶パネル10の他に、リアフレーム13、バックライトユニット14、拡散板16、一対の光学シート18,20、4個のセルガイド22a〜22d及び4個のベゼル24a〜24dが配置されている。
【0026】
リアフレーム13は、リアキャビネット8の内面8aを覆うように配置されている。
【0027】
バックライトユニット14は、直下型のバックライトユニットであり、液晶パネル10の背面10aに向けて光を照射するためのものである。バックライトユニット14は、反射シート26及びLEDバー28を有している。
【0028】
反射シート26は、リアフレーム13の内面を覆うように配置されている。反射シート26は、LEDバー28からの光を液晶パネル10の背面10aに向けて反射するためのものである。反射シート26は、例えばアクリル樹脂で形成されている。
【0029】
LEDバー28は、配線基板30と、配線基板30に実装された複数のLED32と、を有している。配線基板30は、長尺状の板状に構成されている。配線基板30は、熱伝導性の高い金属、例えばアルミニウムで形成されている。配線基板30は、リアフレーム13上に配置されている。複数のLED32は、配線基板30の長手方向に沿って一列に且つ間隔を置いて配置されている。複数のLED32の各々は、反射シート26に設けられた孔26aに挿入されている。
【0030】
拡散板16は、略矩形状の薄い板状に構成されており、バックライトユニット14と液晶パネル10との間に配置されている。拡散板16は、バックライトユニット14からの光を液晶パネル10の背面10aに向けて拡散するためのものである。なお、リアフレーム13上には、拡散板16を支持するための支持部材34が配置されている。支持部材34は、反射シート26を貫通して拡散板16に向けて延びている。
【0031】
一対の光学シート18,20はそれぞれ、相互に重ね合わされた状態で、拡散板16を覆うようにして配置されている。一対の光学シート18,20の各々は、例えば、拡散板16により拡散された光を液晶パネル10の背面10aに導くためのものである。
【0032】
4個のセルガイド22a〜22dの各々は、長尺状に構成されている。4個のセルガイド22a〜22dは、相互に組み合わされることにより、全体として矩形状の枠状に構成されている。枠状に組み合わされた4個のセルガイド22a〜22dは、リアフレーム13の外周部に取り付けられている。
【0033】
液晶パネル10は、矩形状のパネル状に構成されている。液晶パネル10の前面10bには、画像が表示される表示面36が形成されている。液晶パネル10の背面10a側における外周部は、枠状に組み合わされた4個のセルガイド22a〜22dに支持されている。バックライトユニット14からの光が液晶パネル10の背面10aを照射することにより、液晶パネル10の表示面36に画像が表示される。
【0034】
4個のベゼル24a〜24dの各々は、長尺状に構成されている。4個のベゼル24a〜24dは、相互に組み合わされることにより、全体として矩形状の枠状に構成されている。枠状に組み合わされた4個のベゼル24a〜24dは、液晶パネル10の前面10b側における外周部を支持している。
【0035】
[フロントキャビネット及びリアキャビネットの締結構造]
次に、
図3〜
図6を参照しながら、フロントキャビネット6及びリアキャビネット8の締結構造について説明する。
図3は、フロントキャビネットの内面側を示す斜視図である。
図4は、
図3中の破線で囲まれた部分を拡大して示す斜視図である。
図5は、
図1中のA−A線による表示装置の断面図である。
図6は、
図1中のA−A線による表示装置の分解断面斜視図である。なお、
図5及び
図6では、説明の都合上、フロントキャビネット6、リアキャビネット8、液晶パネル10及びネジ38(締結部材を構成する)以外の構成の図示を省略している。
【0036】
図3〜
図6に示すように、フロントキャビネット6は、前面部40及び周面部42を有している。前面部40は、液晶パネル10の表示面36の外周部を覆うように配置されている。周面部42は、前面部40の外周部からリアキャビネット8側に延びており、液晶パネル10の外周面10cを覆うように配置されている。
図4〜
図6に示すように、前面部40の内面40aと周面部42の内面42aとの間には、面取り面44が形成されている。本実施の形態では、面取り面44はC面で構成されている。
【0037】
なお、フロントキャビネット6の外面(すなわち、表示装置2の外部に露出される面)、具体的には、前面部40の外面40b及び周面部42の外面42bにはそれぞれ光沢塗装が施されている。
【0038】
図3に示すように、周面部42の内面42aには、複数のボス46が設けられている。複数のボス46は、フロントキャビネット6の周方向に沿って間隔を置いて配置されている。なお、複数のボス46の各々は、フロントキャビネット6と一体に成形されている。
【0039】
図4〜
図6に示すように、ボス46は、台座部46a、ネジ受け部46b及び接続部46cを有している。台座部46aは、プレート状に構成されており、周面部42の内面42aから周面部42に対して略垂直に延びている。ネジ受け部46bは、略円柱状に構成されており、台座部46aからリアキャビネット8側に延びるとともに周面部42の内面42aに接続されている。ネジ受け部46bには、ネジ38をネジ止めするためのネジ孔48が設けられている。ネジ孔48は、リアキャビネット8側からフロントキャビネット6側に向かう方向(Z軸方向)に延びている。接続部46cは、台座部46a及びネジ受け部46bと周面部42の内面42aとの接続を補強するためのものである。
【0040】
図4及び
図6に示すように、周面部42の内面42aには、さらに、リブ50が設けられている。リブ50は、台座部46aから周面部42の内面42aに沿って前面部40の内面40aに向けて延びている。より具体的には、リブ50は、ネジ38が締結される方向(Z軸方向)に延びるとともに、台座部46aから面取り面44を経由して前面部40の内面40aまで延びている。このリブ50は、ネジ38が締結される方向におけるボス46の強度を高めるための補強用のリブである。なお、例えば、フロントキャビネット6の肉厚t1が約2.3mmである場合、リブ50の肉厚t2は約0.9mmである。
【0041】
図5及び
図6に示すように、リアキャビネット8の外周部のボス46に対応する部位には、ネジ38の頭部38aを収容するための凹部52が設けられている。リアキャビネット8の凹部52に対応する部位には、リアキャビネット8側からフロントキャビネット6側に向かう方向(Z軸方向)にリアキャビネット8を貫通する貫通孔54が設けられている。
【0042】
ネジ38をリアキャビネット8側からフロントキャビネット6側に向かう方向に貫通孔54に挿入した後に、ボス46のネジ孔48にネジ止めすることによって、フロントキャビネット6とリアキャビネット8とが相互に締結される。
【0043】
なお、ネジ38がタッピンネジである場合には、ネジ38をネジ止めする前のネジ孔48には雌ネジ部は形成されていない。一方、ネジ38がタッピンネジでない場合には、ネジ孔48に予め雌ネジ部を形成しておいてもよい。
【0044】
[効果]
次に、本実施の形態の表示装置2により得られる効果について説明する。ネジ38をボス46のネジ孔48にネジ止めした際に、
図5中の矢印で示すように、ボス46がリアキャビネット8側に引き込まれる。上述したように、ボス46が周面部42の内面42aに設けられているので、ボス46をリアキャビネット8側に引き込む力が前面部40に作用することがない。その結果、前面部40の外面40bのうちボス46に対応する部分に僅かな窪みが生じるのを抑制することができ、フロントキャビネット6の美観を高めることができる。
【0045】
さらに、上述したように、周面部42の内面42aにはリブ50が設けられているので、ネジ38が締結される方向におけるボス46の強度を高めることができる。これにより、ネジ38をボス46のネジ孔48にネジ止めした際に、ボス46がリアキャビネット8側に引き込まれた場合であっても、ボス46と周面部42の内面42aとの接続強度を強固に保つことができる。特に、リブ50は、台座部46aから面取り面44を経由して前面部40の内面40aまで延びているので、ネジ38が締結される方向におけるボス46の強度をより一層効果的に高めることができる。
【0046】
(実施の形態2)
次に、
図7及び
図8を参照しながら、実施の形態2に係る表示装置2Aの構成について説明する。
図7は、実施の形態2に係る表示装置のフロントキャビネット及びリアキャビネットの締結構造を示す斜視図である。
図8は、
図7のフロントキャビネット及びリアキャビネットの締結構造を示す分解断面斜視図である。なお、本実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
図7及び
図8に示すように、本実施の形態の表示装置2Aのフロントキャビネット6Aでは、ボス46A(接続部46Ac)と周面部42の内面42aとの間にスリット56が設けられている。このスリット56は、フロントキャビネット6Aの外周部に沿って延びている。
【0048】
さらに、リアキャビネット8Aの内面8Aaのボス46Aに対応する部位には、突出部58が設けられている。突出部58は、リアキャビネット8Aの内面8Aaからフロントキャビネット6Aに向けて突出し、且つ、リアキャビネット8Aの外周部に沿って延びている。フロントキャビネット6Aとリアキャビネット8Aとを相互に締結する際には、突出部58がスリット56に挿入される。
【0049】
これにより、ネジ38をボス46Aのネジ孔48にネジ止めした際に、ボス46Aにネジ38の回転方向(
図7中の矢印で示す方向)の力が作用するのを抑制することができる。その結果、ボス46Aと周面部42の内面42aとの接続強度を強固に保つことができる。
【0050】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態1及び2に係る表示装置について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態1及び2を組み合わせてもよい。
【0051】
上記各実施の形態では、前面部40の内面40aと周面部42の内面42aとの間に面取り面44を形成したが、
図9に示す表示装置2Bのように、筐体6Bから面取り面44を省略してもよい。この場合、リブ50Bは、台座部46aから前面部40の内面40aまで延びている。
図9のような構成であっても、ネジ38が締結される方向におけるボス46の強度を高めることができる。なお、リブ50Bは、周面部42の内面42aのみに設けられていてもよい。
【0052】
さらに、
図9のような構成に代えて、上述した
図6に示すように面取り面44を追加し、且つ、リブ50を台座部46aから面取り面44を経由して前面部40の内面40aまで延ばすことにより、ネジ38が締結される方向におけるボス46の強度をより一層高めることができる。
【0053】
上記各実施の形態では、表示装置2(2A)が液晶テレビジョン受像機である場合について説明したが、これに限定されない。表示装置2(2A)は、例えばパーソナルコンピュータ用の液晶モニタ等でもよい。
【0054】
上記各実施の形態では、面取り面44をC面で構成したが、これに限定されず、例えば面取り面44をR面で構成してもよい。
【0055】
上記各実施の形態では、1個のボス46(46A)に対してリブ50を1個のみ設けたが、これに限定されず、1個のボス46(46A)に対してリブ50を複数個設けてもよい。これにより、ネジ38が締結される方向におけるボス46(46A)の強度をより一層効果的に高めることができる。