特開2015-204501(P2015-204501A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-204501(P2015-204501A)
(43)【公開日】2015年11月16日
(54)【発明の名称】テレビジョン
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4722 20110101AFI20151020BHJP
   H04N 21/44 20110101ALI20151020BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20151020BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20151020BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20151020BHJP
【FI】
   H04N21/4722
   H04N21/44
   G06K7/00 U
   G06F13/00 510C
   G06F13/00 547T
   H04M1/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-82277(P2014-82277)
(22)【出願日】2014年4月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】三上 哲夫
【テーマコード(参考)】
5B072
5B084
5C164
5K127
【Fターム(参考)】
5B072CC16
5B072CC22
5B072JJ11
5B072MM01
5B084AA02
5B084AA05
5B084AB06
5B084AB30
5B084BB02
5B084DA16
5B084DB02
5B084DB08
5B084DC02
5B084DC05
5C164MC11S
5C164UA41S
5C164UB01P
5C164UD42P
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB24
5K127BB35
5K127GA14
5K127GC22
5K127JA46
(57)【要約】
【課題】 テレビ放送の画面に含まれるQRコードを解析して二次的な利用まで簡易に行えるようにする。
【解決手段】 チューナ11がテレビ放送を受信すると、画面取得手段がテレビ放送の番組画面を取得し、情報復元手段は取得した番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元する。ここで、ネットワークアクセス手段によってネットワークにアクセスすることが可能であり、転送手段は、復元したURL情報を前記ネットワークアクセス手段によってネットワーク経由で所定の携帯端末に転送する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送を受信するチューナと、
ネットワークにアクセスするネットワークアクセス手段と、
テレビ放送の番組画面を取得する画面取得手段と、
取得した番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元する情報復元手段と、
復元したURL情報を前記ネットワークアクセス手段によってネットワーク経由で所定の携帯端末に転送する転送手段とを有することを特徴とするテレビジョン。
【請求項2】
前記画面取得手段は、所定のタイミングを含む時間的に所定の幅を有する番組画面を取得し、
前記情報復元手段は、時間的に所定の幅を有する番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元する
ことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン。
【請求項3】
操作子を備えるリモコンを備え、同操作子の操作に基づいて前記画面取得手段に画面取得のタイミングを指示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビジョン。
【請求項4】
前記情報復元手段は、前記リモコンの操作子の操作に基づき、取得した番組画面の中で二次元コードの画像の位置の指定を受け付けることを特徴とする請求項3に記載のテレビジョン。
【請求項5】
前記携帯端末から、前記画面取得手段に画面取得のタイミングを指示することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のテレビジョン。
【請求項6】
前記ネットワークアクセス手段は、前記取得したURL情報に基づいてネットワークから情報を取得して表示ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のテレビジョン。
【請求項7】
前記転送手段は、前記URL情報とともに、前記二次元コードの画像を含む番組画面を転送することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のテレビジョン。
【請求項8】
前記チューナは、複数のテレビ放送を個別に受信可能であり、テレビ放送の内容をHDDに記録再生する記録手段と、指定された複数のチャンネルの放送内容を前記チューナで常時受信して前記記録手段で録画させる常時録画制御手段を備え、
前記情報復元手段は、録画される番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元し、番組情報とともに蓄積していく
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のテレビジョン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンに関し、特に、ネットワークに接続して通信可能なテレビジョンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のテレビ放送では、インターネットサイトのURLなど様々な情報を、QRコード(登録商標)を代表とする二次元コードとして表示することがある。この二次元コードを利用するためには、一般的に携帯電話、スマートフォンやタブレットなどのカメラをテレビ画面に向けて撮影し、専用プログラムで解析して情報を取得する必要がある。
テレビ放送で表示される二次元コードを利用する技術として、以下の特許文献が知られている。
【0003】
特許文献1は、表示されたコードの内容を認識する情報処理装置及びプログラムに関し、請求項1〜請求項3には、映像に含まれる2次元コード画像を認識し、通信先アドレスに対するデータ通信を実行するとの開示がある。
特許文献2は、コード画像からアドレスを抽出する端末装置及びプログラムに関し、請求項1には、画面に表示されたコード画像から情報ページ所在位置情報を抽出し、ブラウザーを起動するとの開示がある。
【0004】
特許文献3は、コードを携帯電話で読み取る携帯電話機を用いた簡易予約システム、方法などに関し、請求項1には、テレビの画面上に表示された平面コードを携帯電話で読み取るとの開示がある。
特許文献4は、印刷物のコードを携帯電話で読み取る番組録画予約方法、携帯端末、印刷物に関し、請求項1には、印刷物の3次元コードを携帯電話で読み取って、番組録画を予約するとの開示がある。
【0005】
特許文献5は、図形コードを生成する表示装置、サーバ装置、プログラム、及び記録媒体に関し、請求項1には、ブラウザーで表示しているハイパーリンク情報を、2次元コード化するとの開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−134899号公報
【特許文献2】特開2010−079688号公報
【特許文献3】特開2004−192149号公報
【特許文献4】特開2005−176242号公報
【特許文献5】特開2007−025943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯電話、スマートフォンやタブレットなどのカメラや専用アプリケーションの起動には時間がかかり、撮影にも若干ながら時間を要するため、日常のテレビ視聴において必ずしも適切に撮影して利用できるとは限らない。
また、特許文献1に開示されるテレビジョンは、テレビ放送の画面に含まれるQRコードを解析し、含まれている通信先の情報に基づいて接続する。しかし、テレビジョンではできることが限られるので通信先の情報に接続するだけでは二次的な利用を行えない。
【0008】
本発明は、テレビ放送の画面に含まれるQRコードを解析して二次的な利用まで簡易に行えるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、テレビ放送を受信するチューナと、ネットワークにアクセスするネットワークアクセス手段と、テレビ放送の番組画面を取得する画面取得手段と、取得した番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元する情報復元手段と、復元したURL情報を前記ネットワークアクセス手段によってネットワーク経由で所定の携帯端末に転送する転送手段とを有する構成としてある。
【0010】
前記構成において、チューナがテレビ放送を受信すると、画面取得手段がテレビ放送の番組画面を取得し、情報復元手段は取得した番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元する。ここで、ネットワークアクセス手段によってネットワークにアクセスすることが可能であり、転送手段は、復元したURL情報を前記ネットワークアクセス手段によってネットワーク経由で所定の携帯端末に転送する。
【0011】
本発明の他の態様として、前記画面取得手段は、所定のタイミングを含む時間的に所定の幅を有する番組画面を取得し、前記情報復元手段は、時間的に所定の幅を有する番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元する構成としても良い。
テレビ放送は常に画面が変化し続けているので、二次元コードが映し出されたとしても、変化する画面の中でずっと表示され続けるとは限らない。このため、前記構成において、前記画面取得手段は、所定のタイミングを含む時間的に所定の幅を有する番組画面を取得する。すなわち、一瞬の番組画面だけではなく、ある時間にわたって番組画面を取得する。そして、前記情報復元手段は、時間的に所定の幅を有する番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元するので、二次元コードを含む番組画像を確実に得られ、URL情報も確実に転送できるようになる。
【0012】
本発明の他の態様として、操作子を備えるリモコンを備え、同操作子の操作に基づいて前記画面取得手段に画面取得のタイミングを指示する構成としても良い。
前記構成において、視聴者がテレビ放送を視聴しているときに、二次元コードが表示され、かつ、興味を持つものであれば、視聴者はリモコンの操作子を操作することで、前記画面取得手段に画面取得のタイミングを指示する。これにより、興味のある二次元コードについてURL情報を確実に転送できる。
【0013】
また、リモコンを操作するとしても、探すのに時間がかかってしまい、二次元コードの表示タイミングに間に合わないこともありえる。しかし、上述したように所定のタイミングを含む時間的に所定の幅を有する番組画面を取得するようにすれば、タイミング的に遅れて操作したとしても、そのタイミングからある時間だけ遡ったタイミングからの番組画面を取得することで、URL情報を確実に転送できる。
【0014】
これに関連し、本発明の他の態様として、前記情報復元手段は、前記リモコンの操作子の操作に基づき、取得した番組画面の中で二次元コードの画像の位置の指定を受け付ける構成としても良い。
視聴者にとっては容易に発見できる二次元コードも機械で自動的に検出しようとすると正確に検出できない場合もある。前記構成においては、視聴者が前記リモコンの操作子を操作することで、取得した番組画面の中で二次元コードの画像の位置の指定をすると、前記情報復元手段は、この指定を受け付け、より確実に二次元コードを発見してURL情報を復元できるようになる。
【0015】
本発明の他の態様として、前記携帯端末から、前記画面取得手段に画面取得のタイミングを指示する構成としても良い。
転送を受け付ける前記携帯端末もテレビジョンと通信して接続しているので、前記構成において、前記携帯端末から、前記画面取得手段に画面取得のタイミングを指示することもできる。
【0016】
本発明の他の態様として、前記ネットワークアクセス手段は、前記取得したURL情報に基づいてネットワークから情報を取得して表示する構成としても良い。
前記構成において、URL情報を転送するとともに、前記ネットワークアクセス手段は前記取得したURL情報に基づいてネットワークから情報を取得し、本テレビジョンで表示する。
本発明の他の態様として、前記転送手段は、前記URL情報とともに、前記二次元コードの画像を含む番組画面を転送する構成としても良い。
前記構成において、転送手段は、前記URL情報とともに、前記二次元コードの画像を含む番組画面を転送する。携帯端末などから、URL情報だけであると、どのような番組であったのか理解しづらいこともある。特に、番組放送後にURL情報を利用するような場合はなおさらである。このような場合でも、二次元コードの画像を含む番組画面を見ることで理解が容易になることが期待できる。
【0017】
本発明の他の態様として、前記チューナは、複数のテレビ放送を個別に受信可能であり、テレビ放送の内容をHDDに記録再生する記録手段と、指定された複数のチャンネルの放送内容を前記チューナで常時受信して前記記録手段で録画させる常時録画制御手段を備え、前記情報復元手段は、録画される番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元し、番組情報とともに蓄積していく構成としても良い。
前記構成において、前記チューナは、複数のテレビ放送を個別に受信可能であり、常時録画制御手段は、指定された複数のチャンネルの放送内容を前記チューナで常時受信して前記記録手段で録画させる。すなわち、テレビ放送がチャンネル単位の指定でほぼ自動的に録画されていく。そして、前記情報復元手段は、録画される番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元し、番組情報とともに蓄積していく。常時録画されている内容に加え、各番組の中で放送された二次元コードを含む番組画面のURL情報が蓄積されているので、視聴者は、番組見なくても含まれていたURL情報だけを容易に利用することができるようになる。
【0018】
また、上述したようにリモコンの操作子でタイミングを指示するときに、すでにテレビ放送の画面からは消えてしまっていることもある。このような場合でも常時録画されていることで所定時間分だけ遡ったタイミングからの番組画面を対象として二次元コードを探し出してURL情報に復元するということが容易に実現できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のテレビジョンは、テレビ放送の画面に含まれるQRコードを解析して二次的な利用まで簡易に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態にかかるテレビジョンのブロック図である。
図2】本テレビジョンが実行する処理手順のフローチャートである。
図3】本実施例のテレビジョン適用される状況を示す概念図である。
図4】本テレビジョンが実行する処理手順のフローチャートである。
図5】本実施例のテレビジョン適用される状況を示す概念図である。
図6】本テレビジョンが実行する処理手順のフローチャートである。
図7】本テレビジョンが実行する処理手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第一実施例)
図1は、本発明の一実施形態にかかるテレビジョンをブロック図により示している。このテレビジョンは、常時録画が可能な録画再生装置の機能も備えている。
同図において、本テレビジョン10は、六つのチューナ(デジタルチューナ)11(11a1〜11a6)を備えている。各チューナ11は、地デジチューナ、BSチューナ、CSチューナの機能を備えている。従って、同時に六つのテレビ放送を受信(受信可能)できる。各チューナ11で受信して復調されエラー処理まで行われた復調信号はそれぞれ個別にデマルチプレクサ12に入力されている。なお、図示していないがチューナ11には復調器を含むものとする。
【0022】
デマルチプレクサ12は多重信号の分離を行うが、さらにCPUやROMやRAMを内蔵して所定のプログラムを実行し、各部を制御してテレビ放送の受信や録画および再生を行なうことが可能である。
マルチプレクサ13は、録画時、受信したデジタル放送のコンテンツから録画に必要な情報を抽出して再多重し、記録領域としてのHDD14に記録させる。再生時は、デマルチプレクサ12がHDD14から直にデータを読み出す。なお、HDD14は、テレビ放送の内容の記録に加え、復元されたURL情報14aを蓄積していく。
【0023】
受信したデジタル放送のトランスポートストリームあるいはHDD14から読み出されたデータはデコーダ15に入力され、映像信号と音声信号とに分離され、デコードされる。デコードされた映像信号はドライバー16に入力されてディスプレイパネル17で映像として表示される。また、デコードされた音声信号はアンプ18で増幅されてスピーカ19から音声として出力される。
【0024】
本テレビジョン10に対する操作指示は、操作パネル21を介してデマルチプレクサ12が取得し、所定の制御に反映させる。また、リモコン22を介する操作指示も同様に取得可能となっている。リモコン22には、キャプチャキー22aとカーソルキー22bが備えられており、二次元コードが表示されたときに両者は利用される。
本テレビジョン10は、ネットワークインターフェイス23を介してインターネット30に接続可能となっている。インターネット30には各種のWEBサイト40が存在し、それぞれのURL情報はインターネットのみならずテレビ放送でも番組中に放映されることが多い。ただし、URL情報は、一瞬で覚えられるほど短くはないことが多いので、多くの場合はURL情報を所定の規則に基づいてコード化した二次元コードの画像を作成し、同二次元コードを番組画面に表示する。視聴者は、携帯電話や、スマートフォンや、タブレットなどといった携帯端末60のカメラで番組画像を撮影し、専用アプリケーションがURL情報に復元して利用する。携帯端末60にURL情報が残ることで、WEBサイトの情報を保存しておいたり、関連する情報を検索していくという応用性が効く。
【0025】
なお、ここでいう携帯端末60は、各種の情報端末を含むが、URL情報をネットワークを介して取得し、WEBブラウザーなどで同情報に基づいてWEBサイトを閲覧できる程度の機能を備えたものを指している。
ネットワークインターフェイス23はLAN24を経由してインターネット30に接続されるようになっており、LAN24には無線LANユニット25が接続されている。携帯端末60は、この無線LANユニット25を介してインターネット30に接続したり、ネットワークインターフェイス23を介して本テレビジョン10と通信することが可能となっている。
【0026】
本実施例では、チューナ11が複数のテレビ放送を個別に受信するチューナに相当し、HDD14がテレビ放送の内容を記録再生する記録手段に相当し、デマルチプレクサ12が指定された複数のチャンネルの放送内容を前記チューナで常時受信して前記記録手段で録画させる常時録画制御手段に相当している。また、ネットワークインターフェイス23は直接的にはネットワークアクセス手段の一部に相当しているが、ネットワークアクセス手段という場合、ネットワークにアクセスするために必要な他の構成物、例えば、CPUなども含んでいる。なお、デマルチプレクサ12内のCPUは後述する所定のプログラムを実行することで、テレビ放送の番組画面を取得したり、取得した番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元したり、復元したURL情報を前記ネットワークアクセス手段によってネットワーク経由で所定の携帯端末60に転送する機能を実現する。このため、画面取得手段や、情報復元手段や、転送手段に相当する。
【0027】
図2は、本テレビジョンが実行する処理手順をフローチャートにより示している。
CPUは、ステップS100にて、携帯端末60と連携を行なう。本テレビジョン10は、ネットワークインターフェイス23を介してLAN24に接続され、携帯端末60も無線LANユニット25を介して同じLAN24に接続されている。従って、CPUは、ネットワークを介して所定の携帯端末60を特定して連携することが可能である。本実施例では、携帯端末60のMACアドレスを本テレビジョン10に登録することとしている。これにより、後述するようにして所定のURL情報を得た時点で、同URL情報を携帯端末60の転送することが可能となる。また、携帯端末60はURL情報だけの転送を指定するか、URL情報に加えて番組画面も転送するかを指定する。この指定は、転送オプションとしてCPUが管理する。
【0028】
次に、CPUは、ステップS102にて、本テレビジョン10のブラウザーでWEBサイトを表示するか否かの選択操作を受け付ける。最も基本的な処理はURL情報だけを携帯端末60に転送することであるが、URL情報を携帯端末60に転送するのとともに、本テレビジョン10でも同URL情報に基づいてインターネット30を介してWEBサイトにアクセスし、表示させることが可能であり、視聴者がこの表示を望むか否かの指定をオプションとして記憶する。以上のステップS100とステップS102とは、いわゆる設定処理であり、テレビをセットした直後などに実施させても良いし、その後は毎回、その指定を変更するか否かだけを問合せたり、視聴者が所定の操作でメニューなどから設定を選択して更新できるようにしても良い。また、設定済みであれば、ステップS100とステップS102とを実施しないで以下の処理を実施するようにしても良い。
【0029】
次に、視聴中の各種の処理に加え、CPUは、ステップS104にて、リモコンのキャプチャキー22aが押し下げられたかを検出する。CPUは、操作パネル21に接続されており、同操作パネル21を介してリモコン22の操作を検出可能である。視聴者は、テレビ放送を視聴中に画面に二次元コードが表示されたとき、これまでは携帯電話で写真を撮ったり、二次元コード復元用の専用アプリを立ち上げてから同アプリの指示に従って二次元コードを撮影することが多かった。しかし、本実施例では、本テレビジョン10の操作のためのリモコン22に備えられたキャプチャキー22aを押し下げればよい。
【0030】
CPUは、キャプチャキー22aの押し下げ操作を検出すると、ステップS106にて、番組画面を取得(キャプチャ)する。なお、押し下げ操作を検出しない場合、以下の処理をすることなく本処理を終了する。そして、キャプチャキー22aの押し下げ操作を検出するまで定期的に確認する。
番組画面は、デコーダ15において画面のイメージに復元されているので、デコーダ15の出力をデマルチプレクサ12に戻して番組画面を取得すればよい。また、デマルチプレクサ12内でソフトウェア処理で番組画面を構成することも可能である。従って、本実施例では、デマルチプレクサ12とデコーダ15とによってテレビ放送の番組画面を取得する画面取得手段を構成している。
また、本実施例では、キャプチャキー22aのような操作子を備えるリモコン22を備え、同操作子の操作に基づいて画面取得手段に画面取得のタイミングを指示する。
【0031】
番組画面を取得したら、CPUは、ステップS108にて、番組画面を解析して二次元コードの画像が含まれているか否かを判断する。二次元コードの画像を検出する手法はここでは詳しく説明しない。二次元コードを検出した場合は、CPUは、ステップS110にて、その二次元コードを復号する。なお、このときに番組画面は保存しておく。二次元コードは情報をコード化したものであり、復号可能である。復号した後、CPUは、ステップS112にて、復号された情報がURL情報と一致するか、またはURL情報を含んでいるのか判断する。二次元コードが必ずしもURL情報を含むとは限らず、含んでいる場合のみ、CPUは、ステップS114にて、上述したLAN24を経由して連携されている携帯端末60にURL情報を転送する。転送する場合、テレビジョン10はネットワークインターフェイス23を介してLAN24に接続されており、このLAN24に接続されている無線LANユニット25を介して携帯端末60のMACアドレスを指定して同携帯端末60に接続し、URL情報を転送する。なお、携帯端末60がLAN24に対してどのような媒体を介して接続されているかは問わず、無線LANのみならず、有線LANでも良いし、他の伝送媒体であっても良い。
【0032】
CPUが、ステップS114にてURL情報を転送すると、携帯端末60は、同URL情報を利用してインターネット30上の同URL情報で特定されるWEBサイトにアクセスすることが可能になる。従来であれば、二次元コードが番組画面で表示されている間にカメラで撮影したり専用アプリケーションを起動させるなどの手間と時間がかかっていたが、本実施例では、携帯端末60を操作しなくても、通常使用しているリモコン22の操作だけで、結果的にURL情報を利用して携帯端末60から容易にWEBサイトにアクセスしたり、携帯端末60から関連する情報へアクセスすることを容易にすることができる。
【0033】
ところで、CPUはURL情報を転送する他、番組画面も転送することができ、ステップS110の初期設定で視聴者が選択できるようにしている。CPUは、選択結果を管理しており、視聴者が番組画面をURL情報とともに携帯端末60に転送することを望んでいるのであれば、ステップS116にて、番組画面の転送オプションありと判断し、ステップS118にて、URL情報を含んでいた番組画面を携帯端末60に転送する。
【0034】
また、携帯端末60でURL情報を利用するだけではなく、本テレビジョン10としてもURL情報で特定されるWEBサイトをブラウジングすることもできる。WEBサイトに本テレビジョン10でアクセスするか否かはステップS102の初期設定で選択してあり、CPUは、ステップS120にて、WEBサイトの表示オプションが指定されているか判断する。そして、WEBサイト表示オプションの指定があると判断された場合には、ステップS122にて、URL情報に基づいてWEBサイトへ接続した後、ステップS124にて、ブラウザーによるWEBサイト表示を実施する。
【0035】
WEBサイトへのアクセスは一般的にはブラウザーと呼ばれるアプリケーションを実行することで実現するが、要は、本テレビジョン10が、URL情報を携帯端末60に転送して同携帯端末60での二次的な利用を促すのに加え、簡易的にも本テレビジョン10自体でURL情報が特定するWEBサイトの内容を知ることができるものであればよい。
【0036】
図3は、本実施例のテレビジョン適用される状況を概念図により示している。
本テレビジョン10の画面に二次元コードが表示されたら、リモコン22のキャプチャキー22aを押し下げると、URL情報は無線LANユニット25を介してネットワークに接続されている携帯端末60(タブレットやスマートフォンなど)に転送される状況を示している。
このように、本実施例では、テレビジョン10のネットワークアクセス手段により、取得したURL情報に基づいてネットワークから情報を取得して表示している。
【0037】
(第二実施例)
第一実施例では、リモコン22を操作している。しかし、直に携帯端末60から操作するということも可能である。
図4は、本テレビジョンが実行する処理手順をフローチャートにより示している。なお、第一実施例と共通の処理については、ステップの下二桁の数値を一致させている。
【0038】
図5は、本実施例のテレビジョン適用される状況を概念図により示している。
本テレビジョン10の画面に二次元コードが表示されたら、携帯端末60を操作することでURL情報を要求し、URL情報は同携帯端末60に転送される状況を示している。
CPUは、ステップS200とステップS202の初期設定で、携帯端末60のMACアドレスを登録して連携し、また、番組画面の転送オプションを指定し、URL情報転送後のブラウザーによるWEBサイト表示オプションを指定する。
【0039】
第一実施例では、本テレビジョン10のリモコン22を操作したが、本実施例では、CPUは、ステップS204にて、携帯端末60からキャプチャ操作の指示が出されたか否かを判断する。携帯端末60には、専用のアプリケーションを実装しておき、同携帯端末60の画面上で本テレビジョン10用のキャプチャキーを操作する。一般的にはタッチ操作が適当である。本テレビジョン10と携帯端末60はLAN24で互いに接続可能であるから、例えば、携帯端末60とテレビジョン10とを連携させたときに、互いのMACアドレスまたはTCP/IPアドレスを交換しておき、相手側のアドレスを指定しつつ、所定のポートに対して何らかのデータを書き込むような処理を実行する。
【0040】
携帯端末60から同ポートに所定のデータを書き込むことにし、本テレビジョン10の側ではCPUが同ポートへの書き込みを監視する。そして、ステップS204にて、CPUが同ポートへのデータの書き込みを検知したら、CPUはリモコン22のキャプチャキー22aの操作と同様に、ステップS206にて、番組画面を取得(キャプチャ)する。
携帯端末60から本テレビジョン10に対するキャプチャの指示はこの方法に限られるものではなく、LAN24経由ではなく、携帯端末60がブルートゥース接続でテレビジョン10に接続されている場合も可能である。この場合、携帯端末60がヒューマンインターフェイスデバイス(HID)として認識されている場合は、キーボードやマウスの操作と同様であるから、テレビジョン10のCPUは、「あるキーが押された」、あるいは「マウスボタンが右クリックされた」というように操作を検出することが可能である。
【0041】
この後の処理は、第一実施例と同様であり、CPUは、ステップS206にて、番組画面を取得(キャプチャ)し、ステップS208にて、番組画面を解析して二次元コードが含まれているかを検出し、含まれていれば、ステップS210にて、二次元コードを復号した後、ステップS212にて、復号された情報がURL情報と判断されれば、ステップS214にて、LAN24経由で連携されている携帯端末60にURL情報を転送する。
【0042】
なお、ステップS216、ステップS218、ステップS220、ステップS222、ステップS224については、第一実施例と特に変わる点はない。
このように、本実施例では、携帯端末60から、画面取得手段に画面取得のタイミングを指示している。
【0043】
(第三実施例)
上述した実施例では、取得した番組画面の中から二次元コードを検出する処理を全て自動でまかなっている。しかし、画面によっては誤検出したり、検出できないような場合も想定し得る。
本実施例では、視聴者が二次元コードの所在を特定する補助を行う。
【0044】
図6は、本テレビジョンが実行する処理手順をフローチャートにより示している。
CPUは、ステップS300にて、リモコン22のキャプチャキー22aの押し下げを検知した場合、ステップS302にて、その時点での番組画面を取得(キャプチャ)する。本実施例では、キャプチャキー22aの一度目の操作だけでは二次元コードの検出を開始せず、二度目の押し下げ操作を検知して二次元コードの検出を開始することにする。また、キャプチャキー22aの一度目の押し下げ操作後、画面にカーソルを表示させ、二度目の押し下げ操作までの間に、CPUは、カーソルキー22bの操作を監視する。
【0045】
CPUは、ステップS304にて、カーソルキー22bの操作があると判断すると、ステップS306にて、画面上のカーソルを移動表示させる。なお、カーソルは例えば、OSD表示などで実現する。視聴者は、この時点で二次元コード上にカーソルを移動させるようにカーソルキー22bを操作する。カーソルキー22bで上下、左右にカーソルを移動させ、二次元コード上、あるいは二次元コードの近くまで移動させる。十分に近づいた時点で、視聴者はキャプチャキー22aの二度目の押し下げ操作を実施する。
【0046】
すると、CPUは、ステップS308にて、再度リモコン22のキャプチャキー22aの押し下げ操作があったと判断することができ、ステップS310にて、カーソル位置を中心に番組画面を解析して二次元コードを検出する。検出できた場合は、CPUは、ステップS312にて、二次元コードを復号し、ステップS314にて、復号された情報がURL情報であると判断できれば、ステップS316にて、LAN24経由で連携されている携帯端末60にURL情報を転送する。
【0047】
本実施例でキャプチャキー22aを二度押し下げ操作するというのは一例に過ぎず、カーソルを表示させて二次元コードの位置をCPUに対して指示する操作は各種の変形例として実現可能である。また、カーソルを二次元コード上に移動させたり、近くに移動させるだけでなく、例えば、二次元コードが含まれるように左上と右下隅の二点で四角形を特定し、この四角形の領域内で二次元コードを検出するということも可能である。
このように、本実施例では、情報復元手段が、リモコン22の操作子であるキャプチャキー22aの操作に基づき、取得した番組画面の中で二次元コードの画像の位置の指定を受け付けるようにしている。
【0048】
(第四実施例)
上述した実施例では、テレビ放送を視聴中の視聴者によるリモコン22または携帯端末60からの指示を受けて番組画面を取得している。しかし、多くのテレビ放送を並行して同時に受信し、ほぼ絶え間なくそれらの放送番組を録画し続けて再生も可能とする常時録画機能(タイムシフト機能など、各種の呼び名で呼ばれている。)を利用可能な本テレビジョン10の場合、テレビ放送の画面に自動的にURL情報をコード化した二次元コードを含んでいれば、過去に遡ってURL情報を取得したり、転送したりすることが可能である。
【0049】
本実施例では、常時録画機能を備えた場合の処理である。
図7は、本テレビジョンが実行する処理手順をフローチャートにより示している。
CPUは、ステップS400とステップS402の初期設定で、携帯端末60のMACアドレスを登録して連携し、また、番組画面の転送オプションを指定し、URL情報転送後のブラウザーによるWEBサイト表示オプションを指定する。
常時録画をしている場合、一般には再生以外の処理を常時録画と並行すると処理の負担が大きくなりすぎるので好ましくない。このため、常時録画の場合に、通常、一日に一度、行われるシステムメンテナンス中に、二次元コードを解析する処理を実施する。
【0050】
具体的には、CPUは、ステップS404にて、常時録画を実施していると判断し、ステップS406にて、システムメンテナンス中であると判断される場合、CPUは、以下の処理を実施する。
CPUは、まず、ステップS408にて、録画済みの番組から、所定時間毎に番組画面を取得する。一例として、1分ごとの番組画面を取得し、ステップS410にて、同番組画面を解析して二次元コードを検出できるか判断する。テレビ放送中であれば、二次元コードはある期間にわたって表示されることが期待できる。1分未満では視聴者が二次元コードを撮影するのは不可能である。従って、少なくとも1分ごとの番組画面について二次元コードを含んでいないか判断すれば、二次元コードの放送を見逃す可能性は少ないと考えられる。むろん、この頻度は1分に限定されるものではなく、視聴者が変更できるようにしておいても良い。また、場合によっては全ての番組画面について実施するというのも不可能ではない。
【0051】
このようにして、いわゆる間引きされた番組画面毎に二次元コードが含まれていないか判断し、検出された場合には、CPUは、ステップS412にて、二次元コードを復号し、ステップS414にて、復号された情報はURL情報を含むと判断されれば、ステップS416にて、番組画面とURL情報とを番組情報に関連させて蓄積する。何を蓄積するかは視聴者の選択にゆだねても良い。番組画面が不要という場合は、URL情報だけでも構わない。この処理を、一日分の録画済みの番組について実施する。
【0052】
その後、CPUは、ステップS418にて、携帯端末60の連携ありと判断したタイミングで、ステップS420にて、蓄積してある番組画面とURL情報とを番組情報をLAN経由で連携されている携帯端末60に転送する。ステップS418の処理は、ステップS416の処理で蓄積した情報があり、その後、初めて携帯端末60を検出した時点を表している。例えば、メンテナンス後に、本テレビジョン10から携帯端末60をLAN24経由で捜索すると良い。また、捜索の処理はしないで携帯端末60からのアクセスを待機し、携帯端末60からのアクセスがあったときに、携帯端末60の連携ありと判断してもよい。
【0053】
この結果、携帯端末60には、一日分の録画番組含まれていた二次元コードに基づいて復元したURL情報が転送される。
このように、本実施例では、情報復元手段が、常時録画のように録画される番組画面の中から二次元コードの画像を検出し、同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元して、番組情報とともに蓄積している。そして、蓄積したURL情報を携帯端末60などに転送するようにしている。
【0054】
また、常時録画機能を備えている場合は、リモコン22のキャプチャキー22aを操作したときに、その時点での番組画面に加え、過去に遡った番組画面まで取得することができる。例えば、上述した実施例のステップS104でリモコンのキャプチャキーの押し下げを検知したときに、ステップS106にて、その時点での番組画面を取得(キャプチャ)するだけでなく、常時録画されている過去数分程度の番組画面を利用して二次元コードを検出しても良い。むろん、この場合も1分ごとの番組画面であったり、数十秒ごとの番組画面を切り出して取得するようにしても良い。そして、こらの複数の番組画面の中から二次元コードの画像を検出してURL情報に復元する。
【0055】
従って、キャプチャキー22aを操作したタイミングを含む時間的に所定の幅を有する番組画面を取得し、時間的に所定の幅を有する番組画面の中から二次元コードの画像を検出して同二次元コードに変換前のURL情報を含む情報に復元するといえる。
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
【0056】
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0057】
10…テレビジョン、11,11a1〜11a6…チューナ(デジタルチューナ)、12…デマルチプレクサ、13…マルチプレクサ、14…HDD、14a…URL情報、15…デコーダ、16…ドライバー、17…ディスプレイパネル、18…アンプ、19…スピーカ、21…操作パネル、22…リモコン、22a…キャプチャキー、22b…カーソルキー、23…ネットワークインターフェイス、24…LAN、25…無線LANユニット。
図1
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図7