【解決手段】サーバ300は、少なくとも1つのイベントを含む条件部と少なくとも1つのアクションを含む結果部とを有するトリガルールを用いて、前記イベントに応じて、トリガルールの条件部のトリガ条件が満たされたか否かを判定する。さらに、サーバ300は、トリガ条件が満たされたトリガルールに定められたアクションを当該家電機器に対して指示するよう、機器操作信号発生装置410に指示する。アクションがトグル型の電源切替リモコンコマンドを用いる家電機器に対する電源ON指示または電源OFF指示である場合、サーバ300または機器操作信号発生装置410が電源タップ430の測定した当該家電機器の使用電力に基づいて当該家電機器の現在の電源状態を確認して電源切替指示の要否を判断する。
通信ネットワークに接続されたサーバと、家電機器に電源を供給すると共に前記家電機器の使用電力を定期的に測定し、使用電力情報を生成する機能を有する電源タップと、前記家電機器を制御する無線信号を発生する機器操作信号発生装置とを用いて、所望の家電機器を自動的に制御するための家電機器制御方法であって、
前記サーバが、少なくとも1つのイベントを含む条件部と少なくとも1つのアクションを含む結果部とを有するトリガルールを用いて、前記イベントの発生に応じて、前記トリガルールの条件部のトリガ条件が満たされたか否かを判定するステップと、
前記トリガ条件が満たされたトリガルールに定められたアクションを当該家電機器に対して指示するよう、前記サーバが前記機器操作信号発生装置に指示するステップと、
前記アクションがトグル型の電源切替リモコンコマンドを用いる家電機器に対する電源ON指示または電源OFF指示である場合、前記サーバまたは前記機器操作信号発生装置が前記電源タップの測定した当該家電機器の使用電力に基づいて当該家電機器の現在の電源状態を確認して電源切替指示の要否を判断するステップとを備える
ことを特徴とする家電機器制御方法。
前記サーバは、前記アクションとして、トグル型の電源切替リモコンコマンドを用いる家電機器に対して電源ON指示を行う際、前記家電機器の使用電力情報に基づいて前記家電機器の現在の電源状態がOFFであると確認されたとき前記機器操作信号発生装置に電源切替信号を発生させ、トグル型の電源切替リモコンコマンドを用いる家電機器に対して電源OFF指示を行う際、前記家電機器の使用電力情報に基づいて前記家電機器の現在の電源状態がONであると確認されたとき前記機器操作信号発生装置に電源切替信号を発生させる
請求項1に記載の家電機器制御方法。
前記機器操作信号発生装置は、前記サーバから、トグル型の電源切替リモコンコマンドを用いる家電機器に対する電源ON指示を受けた場合、前記家電機器の使用電力情報に基づいて前記家電機器の現在の電源状態がOFFであると確認されたとき、前記無線信号発生手段により前記電源切替信号としての無線信号を発生し、前記サーバからトグル型の電源切替リモコンコマンドを用いる家電機器に対する電源OFF指示を受けた場合、前記家電機器の使用電力情報に基づいて前記家電機器の現在の電源状態がONであると確認されたとき、前記無線信号発生手段により前記電源切替信号としての無線信号を発生する
請求項1に記載の家電機器制御方法。
前記イベントは、前記電源タップに接続された少なくとも1台の家電機器について、前記電源タップにより測定された当該家電機器の使用電力に基づいて発生された電源タップ由来のイベント、前記家電機器のリモコン操作に応じて発生したリモコン由来のイベント、特定の物理量を検出するセンサにより発生したセンサ由来のイベントのいずれかを含む請求項1〜3のいずれかに記載の家電機器制御方法。
前記電源タップ由来のイベントは、前記電源タップに代えて、前記機器操作信号発生装置が前記電源タップから受信した使用電力情報に基づいて発生することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の家電機器制御方法。
前記トリガルールは、前記イベントとして、前記電源タップ由来のイベント、前記リモコン由来のイベント、および前記センサ由来のイベントのうちの少なくとも2つをAND条件として含み、
前記サーバは、前記少なくとも2つのイベントのAND条件が満たされたとき、前記トリガルールのアクションを実行するステップ
をさらに備える請求項4〜7のいずれかに記載の家電機器制御方法。
前記サーバは、前記アクションとして、予め指定されたメールアドレスにアクションの実行に関する情報を通知する電子メールを送信するステップをさらに備えた請求項1〜8のいずれかに記載の家電機器制御方法。
前記サーバは、前記ユーザ端末に対して、前記トリガルールを設定するためのユーザインターフェース画面情報を提供する請求項1〜10のいずれかに記載の家電機器制御方法。
家電機器に電源を供給すると共に前記家電機器の使用電力を定期的に測定し、使用電力情報を生成する機能を有する電源タップと、前記家電機器を制御する無線信号を発生する機器操作信号発生装置とを用いて、所望の家電機器を自動的に制御するための家電機器制御システムにおいて利用される、通信ネットワークに接続されるサーバであって、
少なくとも1つのイベントを含む条件部と少なくとも1つのアクションを含む結果部とを有するトリガルールを設定するトリガルール設定手段と、
前記イベントに応じて、前記トリガルールの条件部のトリガ条件が満たされたか否かを判定し、前記トリガ条件が満たされたトリガルールに定められたアクションを当該家電機器に対して指示するよう前記機器操作信号発生装置に指示するトリガルール処理手段とを備え、
前記トリガルール処理手段は、前記アクションがトグル型の電源切替リモコンコマンドを用いる家電機器に対する電源切替指示である場合前記電源タップの測定した当該家電機器の使用電力に基づいて当該家電機器の現在の電源状態を確認して電源切替指示の要否を判断する
ことを特徴とするサーバ。
前記家電機器に電源を供給すると共に前記家電機器の使用電力を定期的に測定し、使用電力情報を生成する機能を有する電源タップから定期的に報告される使用電力情報を受信し、蓄積する使用電力情報蓄積手段と、
前記電源タップの複数の接続口のどの接続口にどの家電機器が接続されたかを管理する管理手段を備える請求項13に記載のサーバ。
前記管理手段は、前記ユーザ端末からのユーザの入力操作に基づいて、前記機器操作信号発生装置と、前記電源タップと、前記電源タップの接続口に接続された家電機器の種別情報とを対応づけて登録する手段を有する請求項14に記載のサーバ。
前記アクションとして、予め指定されたメールアドレスに、アクションの実行に関する情報を通知する電子メールを送信する手段をさらに備えた請求項13〜17のいずれかに記載のサーバ。
前記家電機器が前記電源タップに接続されているか否かによって、前記ユーザインターフェース画面に表示される条件部の選択肢を変更する手段を備えた請求項20に記載のサーバ。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0039】
図1に、本実施の形態における家電機器制御システムの概略構成を示す。
【0040】
このシステムは、ユーザ端末100、ホーム(家庭)H、およびサーバ300が、インターネットのような通信ネットワーク200で相互に接続されて構成される。
【0041】
ユーザ端末100は、スマートフォン(またはタブレット)、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ(PC)等のユーザが指示や情報を入力したり、情報を出力(表示等)したりすることができるデバイスである。
【0042】
本実施の形態におけるユーザ端末100は、ユーザが外出先等から通信ネットワーク200を介して、ホームH内の所望の家電機器を遠隔制御するために利用することができる。外出先では携帯型の端末が好ましいが、据え置き型のPCも、本発明におけるユーザ端末100として機能しうる。その他、近年提案されているメガネに装着する小型ユーザ端末としてのメガネ型デバイスや、ユーザの腕に装着する腕時計型デバイス、カーナビゲーション装置のような車載デバイス(車の中)等のデバイスも、ユーザ端末として機能しうる。
【0043】
サーバ300は、通信ネットワーク200に接続され、ユーザ端末100による家電機器400の遠隔制御および自動制御等のサービスを提供するための装置である。サーバ300は、複数のホームHに対して、すなわち複数のユーザに対して、同サービスを提供することができる。
【0044】
図1のホームH内には、家電機器400(400a〜400f)、ステーション410、電源タップ430(単にタップともいう)を有する。
【0045】
家電機器400としては、電源プラグの接続口としてのコンセント(アウトレット)毎に使用電力測定機能を有するタップ430に接続された家電機器(A〜C,F)400a〜400c,400fと、タップ430に接続されていない家電機器(D)400dとが混在している。また、リモコン401(401a〜401d)によるリモコン操作が可能な家電機器(A〜D)400a〜400dとそうでない家電機器(F)400fとが混在している。この例では、家電機器として、テレビ受信機、AV(Audio-Video)レコーダ、エアコン、照明器具、電子レンジを挙げている。
【0046】
上述したように、家電機器の中には、電源ONと電源OFFのリモコン信号(赤外線信号)が同じ(電源ON/OFFの交互切替、いわゆるトグル)で区別が付かないものと、電源ONと電源OFFの信号が違うものがある。リモコンコマンドで電源ON/OFFが区別できる家電機器としては、例えば、エアコン、照明器具、自動掃除機、扇風機、加湿器、シャッターなどがある。また、リモコンコマンドで電源ON/OFFが区別できない家電機器としては、テレビ、AVレコーダなど(主にAV系家電機器)がある。
【0047】
本実施の形態では、これらの家電機器の少なくとも1台は、そのリモコン応答機能として、いわゆるトグル型の電源操作、すなわち、電源切替信号を受けて電源ONと電源OFFとを交互に切り替える機能を有しているものとする。
【0048】
タップ430は、各家電機器400に対して電源(電力)を供給するための接続口としてのコンセントを好ましくは複数有し、各接続口に接続された各家電機器400の消費電力(使用電力量)を逐次測定して、使用電力情報として出力する機能を有する機器操作信号発生装置である。このような装置としては、いわゆるスマートタップと呼ばれるものが知られている。
【0049】
ステーション410は、ユーザ端末100からの遠隔制御に従ってサーバ経由で、またはサーバからの自動制御に従って、指定された家電機器400に対して、指示に対応した無線信号を発生する機器操作信号発生装置である。本実施の形態では、ステーション410は無線信号を発生するのみならず、リモコン401から発生された無線信号を受信する機能を有する。
【0050】
また、無線信号として赤外線信号を用いる例を示すが、制御対象の家電機器が電磁波(電波)を利用した信号を利用するいわゆる無線リモコンに対応する場合には、無線信号としてそのような赤外線以外の無線信号を用いることもできる。
【0051】
なお、後述するように、ステーション410とタップ430と通信ネットワーク200との接続関係は、図示の形態以外に他の形態も考えられる。
【0052】
この家電機器制御システムでは、ユーザ端末100から通信ネットワーク200を経由して、直接的にホームHに制御信号を送信するのではなく、サーバ300(単にサーバともいう)が仲介して、制御信号をホームHへ送信する。
【0053】
すなわち、ユーザ端末100は、リモコンとして動作する際、その表示画面上に、目的の家電機器用のリモコン操作画面を表示する。リモコン操作画面に対するユーザの操作に応じて、その家電機器を制御する指示を行うと、その指示(コマンド)はサーバ300に伝えられる。サーバ300は、この指示に応じて、当該家電機器の制御信号を生成し、ホームH内のステーション410へ送信する。
【0054】
その際、サーバ300は、ユーザ端末から受信した指示が電源切替指示であれば、ステーション410に対して、単に電源切替のための無線信号を発生するよう指示する。その指示が電源ONまたは電源OFFであれば、サーバ300はタップ430からの電力使用情報に基づいて当該家電機器の現在の電源状態を確認する。サーバ300は、この確認結果に基づいて、ステーション410に対して、電源切替のための無線信号(ここでは赤外線信号)を発生するよう指示する。このような電源状態の確認は、後述するように、サーバ300の代わりにステーション410が行うことも可能である。
【0055】
タップ430は、通常、複数のコンセントを有し、好ましくは周期的に、各コンセントに接続された家電機器の使用電力量を測定し、その測定データを使用電力情報として外部へ出力(送信)する。使用電力情報は、測定の都度、出力してもよいし、複数回の測定毎(例えば1分〜30分の間の所定の時間毎)に、それら複数回の測定データをまとめて出力するようにしてもよい。
図1の例では、タップ430は使用電力情報をステーション410へ送信し、ステーション410がこの使用電力情報を中継してサーバ300へ送信する。
【0056】
本実施の形態ではまた、タップ430は、イベント発生機能を有する。イベントとは、何らかの変化または状態が発生することを意味し、タップ430においては、接続されたいずれかの家電機器に特定の電源状態が発生すること、つまり、個々のコンセントに接続された家電機器の使用電力に基づいて、予め指定されたイベント発生条件が満足されることを意味する。イベント発生条件は、サーバ300からイベント発生条件情報としてタップ430に提供される。タップ430には、初期的にまたは事後的に、イベント発生条件の判定処理を実行する処理プログラムがインストールされる。イベントは、後述するトリガ条件の判断要素となるので、トリガイベントともいう。
【0057】
サーバ300は、どのタップのどの接続口にどのような家電機器が接続されたかを管理する管理手段を備える。この管理手段は、ユーザ端末からのユーザの入力操作に基づいて、ステーション410と、タップ430と、このタップ430の接続口に接続された家電機器400の種別情報とを対応づけて登録する手段を有する。
【0058】
また、サーバ300は、家電機器を操作するための操作画面情報、および、後述のトリガルールをユーザが設定するためのユーザインターフェース画面情報を保持し、ユーザ端末100からの要求に応じて当該ユーザ端末に当該画面情報を供給する。
【0059】
さらに、サーバ300は、タップ430から取得された各家電機器の最新の使用電力情報に基づいて、それらの現在(最新)の電源状態を管理する。すなわち、サーバ300は、家電機器の取得された最新の使用電力情報に基づいて、当該家電機器の電源状態を判定し、特定の家電機器の自動制御の際にその電源状態を確認する。その電源状態の変化を反映させるよう、ユーザ端末用の当該家電機器の操作画面情報を更新する。家電機器の電源状態は、好ましくは、ユーザ端末100の表示画面上に表示される当該家電機器の操作画面を構成する操作画面情報に反映される。ユーザ端末100が操作画面情報を予め保持している場合には、ユーザ端末100は、電源状態の変化をその操作画面情報に反映させるための情報として電源状態情報をサーバ300から受信する。
【0060】
このように、ユーザ端末100は、家電機器400を操作するための操作画面情報を外部(例えばサーバ300)からその都度受信し、または予め保持しておき、リモコンモード時に表示画面上に表示する。家電機器の操作画面情報には、その家電機器の取得された現在の電源状態情報に基づいて、その電源状態が反映される。例えば、ユーザ端末100は、操作画面上に電源状態をテキスト、記号または図形等で表す。その具体例については後述する。電源状態の操作画面情報への反映を、サーバ側、端末側のいずれで行うかは、操作画面情報の持ち方に依存する。いずれにせよ、電源状態が最終的に端末の操作画面上に反映されれば足りる。
【0061】
ステーション410と通信ネットワーク200の間は有線接続の場合を示したが、無線LAN等の無線インターフェースを利用することも可能である。
【0062】
図2は、家電機器制御システムの変形例の概略構成を示す。
図1に示した要素と同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0063】
この構成では、ホームHに、センサ(X〜Z,W)440(440a〜440d)を追加している。この例では、センサ440a〜440dは、それぞれ、人感センサ、温度センサ、ドアセンサ(例えば冷蔵庫の開閉センサ)、モーションセンサである。各センサは、ステーション410と無線通信を行い、ステーション410を介してサーバ300とデータの授受を行う機能を有する端末であり、本実施の形態ではセンサ端末とも呼ぶ。モーションセンサは、ユーザ(人間)の動作を感知するセンサであり、その形態としては、リング(指輪)型、リストバンド(腕輪)型等のものが考えられる。そのハードウェアとしては、加速度センサ、ジャイロセンサ等が利用できる。
【0064】
上述したタップ430も、使用電力を検出する機能を有し、ステーション410とデータの授受を行うので、センサ端末の一種とみなせる。
【0065】
次に、家電機器制御システムの各部の構成例を説明する。
【0066】
図3は、機器操作信号発生装置としてのステーション410の概略のハードウェア構成例を示している。
【0067】
ステーション410は、制御部411、記憶部412、赤外線送受信部413、無線通信部414、表示部415、および、通信部416を備えている。
【0068】
制御部411は、ステーション410の各部の制御および必要なデータ処理を実行するためのCPU等のプロセッサを含む。
【0069】
記憶部412は、制御部411が実行するための各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)および必要なデータを不揮発的に記憶するEEPROM、フラッシュROM、また、一時記憶領域および作業領域を提供するRAM等のメモリを有する。
【0070】
赤外線送受信部413は、無線信号発生手段として、サーバ300がユーザ端末100から受信した指示(コマンド)に対応して出力した制御信号に応じて、特定の家電機器を制御する無線信号としての赤外線信号を発生する機能を有するのみならず、無線信号受信手段として、リモコン401a〜401dから射出された赤外線信号(リモコンコマンド)を受信する機能(赤外線リモコン受信機能)を有する。受信したリモコンコマンドは通信部416を介してサーバ300へ送信される。
【0071】
無線通信部414は、ステーション410が他の機器(この場合、タップ430)との間で無線通信を行うための部位であり、タップ430から各家電機器400の使用電力情報を受信する。
【0072】
表示部415は、ステーション410の動作状態を表示するためのインジケータを構成する部位であり、例えば、LED、LCD等の表示デバイスで構成される。
【0073】
もう一つの通信部416は、サーバ300と通信を行うためのものであり、例えばLANコントローラにより構成される。このLANコントローラは、ホームH内に配置された例えばルータ(図示せず)を介して通信ネットワーク200に接続される。本実施の形態では、通信部416は、タップ430から受信した使用電力情報を通信ネットワーク200経由で、サーバ300へ転送する情報転送手段を構成する。
【0074】
図4は、サーバ300の具体的な構成例を示す。この例では、サーバ300は、通信部310、表示部320、入力部330、データ処理部340、記憶部350、および時計部360を備える。
【0075】
通信部310は、通信ネットワーク200に接続され、ユーザ端末等と相互の通信を行うための部位であり、例えばルータ等の通信デバイスにより構成される。
【0076】
表示部320は、ユーザ(サーバ保守員等)に対して表示インターフェースを提供するためのLCD等の表示デバイスである。入力部330は、ユーザ(サーバ保守員等)に対して入力インターフェースを提供するためのキーボード等の入力デバイスである。
【0077】
データ処理部340は、サーバ300の各部の制御および必要な処理を実行するための制御部であり、CPU等により構成される。本実施の形態におけるデータ処理部340は、ユーザ別機器登録管理部341、ユーザ操作確認・応答・指示発生部342、機器使用電力量管理部343、画面データ管理部344、ユーザ管理部345、トリガルール設定部346、およびトリガルール処理部347を構成している。
【0078】
ユーザ別機器登録管理部341は、ユーザ毎にホームH内に保有している家電機器等の登録管理を行う部位であり、ユーザ別機器登録テーブル351に情報を保存・管理する。
【0079】
ユーザ操作確認・応答・指示発生部342は、ユーザ端末100からの要求に応じて、家電機器400の少なくとも現在の電源状態情報を当該ユーザ端末へ応答する応答手段を構成している。ユーザ操作確認・応答・指示発生部342は、また、ユーザ端末100からの指示に応じて、後述のコマンド・信号パターン対応テーブル353を参照して家電機器400を制御する制御信号をステーション410(機器操作信号発生装置)へ送信する指示発生手段を構成している。
【0080】
機器使用電力量管理部343およびユーザ別使用電力量データベース(DB)355は、タップから定期的に報告される使用電力情報を受信し、蓄積する使用電力情報蓄積手段を構成している。
【0081】
画画面データ管理部344は、記憶部350内の画面データ記憶部356に、リモコン画面データを制御対象別に保存・管理するとともに、トリガルールをユーザが設定するためのユーザインターフェース画面データを保存・管理する。ユーザの環境や状態によって変化する画面データ(例えば、後述するメニューの選択肢のデータ)は、その提供時に、予め用意された基本的な画面データに加えてその都度生成することができる。
【0082】
ユーザ管理部345は、記憶部350内の登録ユーザデータベース(DB)357の登録および更新を管理する。
【0083】
トリガルール設定部346は、ユーザインターフェース画面を用いたトリガルールの設定登録等の処理を行う。
【0084】
トリガルール処理部347は、トリガルール設定部346で設定され、トリガルールDB359に保存されたトリガルールの判定および実行等の処理を行う。
【0085】
記憶部350は、データ処理部340が実行するための各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)および必要なデータを不揮発的に記憶し、また、一時記憶領域および作業領域を提供するHDD、ROMやRAM等の記憶装置である。この実施の形態では、記憶部350は、ユーザ別機器登録テーブル351、コマンド・信号パターン対応テーブル353、ユーザ別使用電力量データベース(DB)355、画面データ記憶部356、登録ユーザDB357、およびトリガルールDB359を有している。
【0086】
ユーザ別機器登録テーブル351は、ユーザ(ホームH)毎の制御対象の各家電機器とタップ430のコンセントとの対応関係を保持したデータテーブルである。このテーブルは、各ユーザが、制御対象の家電機器を登録する際に、ユーザの入力する情報に基づいて、サーバ300により作成される。このテーブルの具体例については後述する。
【0087】
コマンド・信号パターン対応テーブル353は、制御対象の家電機器毎の制御コマンドに、その赤外線信号パターンを対応づけて登録(記憶)したデータテーブルである。好ましくは、主要なメーカーの家電機器の主要な種別(テレビ、エアコン、照明器具、AVレコーダ等)については、予め登録される。未登録の家電機器については、事後的にその制御コマンドの赤外線信号パターンを登録することができる。
【0088】
ユーザ別使用電力量データベース(DB)355は、各ユーザの登録された家電機器の使用電力量を定期的に測定して得られたデータを保存するデータベースである。「定期的」とは、例えば、予め決められた時間間隔や決まった時刻である。「予め決められた時間間隔」とは、例えば、数秒ないし1分程度の周期である。ユーザがこの時間間隔を可変設定できるようにしてもよい。
【0089】
画面データ記憶部356は、制御対象別、すなわち、各メーカーの家電機器の種別毎の典型的なリモコン画面のデータを記憶している。このリモコン画面のデータは、好ましくはタッチ操作できる各種のボタンを含む操作画面データとして構成される。タッチパネルを有さないユーザ端末については、フォーカスやカーソルを利用したキー操作または任意のユーザインターフェースによる操作を可能とする操作画面データとすることができる。画面データ記憶部356は、家電機器を操作するための操作画面データに加えて、さらに、トリガルールをユーザが設定するためのユーザインターフェース画面データを記憶することができる。
【0090】
登録ユーザDB357は、サーバ300により提供される家電機器制御システムを利用するためのユーザ情報を保存する。このユーザ情報は、少なくとも、ユーザを一意に特定するためのユーザIDおよび認証のためのパスワード、メールアドレス等を含む。
【0091】
トリガルールDB359は、トリガルール設定部346により設定されたトリガルールをユーザ対応に保存・管理するデータベースである。
【0092】
時計部360は、カレンダーおよび時刻の管理、タイマー管理等の機能を有する部位である。
【0093】
図5に、本実施の形態における電源タップとしてのタップ430の構成例を示す。
【0094】
タップ430は、制御部431、記憶部432、電力モニタ部434、電源部433、表示部435、通信部436、無線通信部437、および時計部438を備える。
【0095】
制御部431は、タップ430の各部の制御および必要なデータ処理を実行するためのCPU等のプロセッサを含む。
【0096】
記憶部432は、制御部431が実行するための各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)および必要なデータを不揮発的に記憶し、一時記憶領域および作業領域を提供するROMやRAM等のメモリである。
【0097】
電源部433は、商用電源に接続するためのプラグ433aから供給される交流電圧を、タップ430の各部に必要な動作電圧に変換するとともに、商用電源の複数個の接続口(コンセント)433bを有する。接続口433bの個数は4個の場合を示しているが、その個数は4個に限るものではない。1個でもよいが、1台のステーションで複数の家電機器を制御できるようにするためには、複数個が好ましい。
【0098】
電力モニタ部434は、各接続口433b毎に、接続された家電機器400の使用電力量を逐次測定(監視)する部位である。ここに「逐次」とは上述したように、定期的および個別に指示されたときを含む。制御対象の家電機器400の動作電源は、これらの接続口433bから取得することにより、各家電機器の使用電力情報を取得することができる。
【0099】
表示部435は、タップ430の動作状態を表示するためのインジケータを構成する部位であり、例えば、LED、LCD等の表示デバイスで構成される。
【0100】
もう一つの通信部436は、サーバ300等の外部のデバイスと通信を行うためのものであり、例えばLANコントローラにより構成される。この通信部436は、後述する別の接続形態において利用されるものであり、接続形態に拠っては不要である。
【0101】
無線通信部437は、他の機器、例えば、ステーション410との間で無線通信を行うための部位であり、測定された各家電機器400の使用電力情報を送信出力する。
【0102】
時計部438は、カレンダーおよび時刻の管理、タイマー管理等の機能を有する部位である。時計部438はタップ430においてこれらの機能が必要ない場合には削除してもよい。
【0103】
図2に示した人感センサ、温度センサ、ドアセンサ(開閉センサ)、モーションセンサ等の各種センサの構成については特に図示しないが、タップ430の電力モニタ部434の代わりにセンサデバイスが備えられたものと等価である。
【0104】
図6は、ユーザ端末100の構成例を示している。ユーザ端末100が、スマートフォンかタブレットか携帯電話端末かPCか、等によって、外形や表示画面サイズ、必要な部品が異なるが、
図6には基本的な機能部を示す。
【0105】
ユーザ端末100は、制御部101、記憶部102、入力部104、表示部105、通信部106、音声処理部107、および時計部108を有する。
【0106】
制御部101は、CPU等のプロセッサを有し、所定の各部と接続され、記憶部102に格納されたプログラムを実行することにより端末100の各部を制御し、各種の機能(手段)を実現する。
【0107】
記憶部102には、OS、ブラウザやアプリケーションのようなコンピュータプログラムの他、フォント等の固定的なデータを不揮発的に格納している領域の他、制御部101により作業領域、データの一時記憶領域として利用される領域を含む。さらに、記憶部102は、サーバ300から取得されたリモコン画面やトリガルールを設定するためのユーザインターフェース画面を構成するデータ(操作画面情報)等を不揮発的に記憶する領域を含む。
【0108】
入力部104は、ユーザがユーザ端末100に対して、各種の指示やデータを入力するためのユーザインターフェースであり、表示部105の表示画面に重なったタッチ入力領域を有するタッチパネルを含む。タッチパネルに加えて、または代えて、電源キー、通話キー、テンキー、カーソル操作キー等の各種キーを含みうる。また、入力部104は、ユーザの音声指示を受け付ける音声入力手段や、ユーザのジェスチャー(指や手の動き)による指示を受け付けるセンサも含みうる。このようなセンサとしては、加速度センサやジャイロセンサの他、CCD,CMOSセンサなどの撮影画像認識手段を含みうる。
【0109】
表示部105は、ユーザ端末100がユーザに対して表示情報を提供するためのユーザインターフェースであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示デバイスを含む。
【0110】
通信部106は、通信ネットワーク200に接続するための部位であり、アンテナを介して第3世代(3G),第4世代(4G)等の携帯電話無線システムにおける基地局との間での無線通信を行い、基地局を介して通信相手との間で通話やデータ通信を行うための処理部である。その他、通信部106としては、無線LAN、BLUETOOTH(登録商標)等、既存の任意の通信手段を利用することができる。
【0111】
音声処理部107は、通話や音楽プレーヤ機能のための機能部であり、マイク111aおよびスピーカ111bを備える。その他、図示しないが、個々のユーザ端末に固有の機能部を備えることができる。本実施の形態において、電源状態を音声で出力するような場合には、制御部101が音声出力メッセージを生成し、音声処理部107を介してスピーカ111bから音声として出力される。
【0112】
時計部108は、カレンダーおよび時刻の管理、タイマー管理等の機能を有する部位である。
【0113】
本実施の形態では、ユーザ端末100からホーム内の指定した家電への遠隔制御が行えるとともに、所望のトリガルールの設定・更新を行うことができる。
【0114】
近年、スマートフォンやタブレットと呼ばれるユーザ端末が普及している。このようなユーザ端末では、いわゆるテンキーやキーボード(ハードウェア)が存在せず、タッチパネルを兼ねた比較的広い表示画面を有する入力・表示デバイスを備えている。このようなユーザ端末では、リモコンの複数のボタンが配置された操作面を擬似的に表示画面上に再現することができる。すなわち、表示画面上に表示された各種ボタンをタッチすることにより、ほぼ、リモコンと同様の操作が可能となり、操作が容易となる。
【0115】
上述したように、テレビなどの既存の家電機器においては、リモコンの操作面に単一の電源ボタン(電源スイッチ)が配置され、この電源ボタンを押すたびに電源切替信号が発生し、電源ONと電源OFFが交互に切り替えられるいわゆるトグル型のものがある。通常、ユーザは、リモコンをテレビの方向に向けて操作する。したがって、テレビの現在の電源状態はユーザが目視で直接確認できるので、このようなトグル型の電源ボタンでも何ら支障がない。
【0116】
しかしながら、外出先からユーザ端末を用いて自宅の家電機器を制御する場合には、制御対象の家電機器が見えない。そのため、トグル型の電源ボタンを操作する場合、現在の電源の状態が分からなければ、その操作が電源ONを指示するものか、電源OFFを指示するものかが明確に判別できないという問題が生じる。
【0117】
次に、タッチパネルを兼ねた表示画面を有するユーザ端末100を利用し、その表示画面に擬似的に操作ボタン等を配置して構成したリモコン操作画面の例を説明する。すなわち、入力部104としてタッチパネルを利用し、ユーザが画面上の操作ボタンやタブを直接タッチすることにより、操作が行える。
【0118】
図7に示したリモコン操作画面600は、タブ610a,610bで複数の家電機器(この例ではテレビとエアコン)の操作画面を切り替えられるようになっている。但し、家電機器の切替は、タブの利用に限るものではない。
【0119】
テレビの操作画面は、実際のリモコンと同様に、電源切替ボタン601、音声増ボタン602、音声減ボタン603、消音ボタン604、入力切替ボタン605、画面表示ボタン606、テンキー(ここでは1〜9)608を有する。なお、ボタン607は、本発明に直接関係しないが、テレビ番組表におけるユーザ操作を容易にするための番組表操作ボタンである。
【0120】
これらに加えて、この操作画面には、さらに、状態確認ボタン609を設けている。また、その家電機器の現在の電源状態(確認された最新の電源状態)を"ON"または"OFF"の表示619で表わしている。電源状態の表示619は、文字(テキスト)に限るものではなく、記号や図形等、他の表示形態であってもよい。
【0121】
状態確認ボタン609は、ユーザがこのボタンを操作することにより、当該家電機器400の現在の電源状態を確認するためのものである。すなわち、このボタンは、家電機器の現在の電源状態を確認するための、操作画面上に表示される特定のボタンまたはメニューを含む指示手段を構成する。状態確認ボタン609の操作により確認された電源状態は表示619に反映される。表示619は"ON"または"OFF"の場合のみを示したが、起動時などに未確定の(確定前の)状態を表す文字(記号)、例えば"---"を表示したり、あるいはブランク(非表示)としたりしてもよい。
【0122】
図示しないが、指示手段として、状態確認ボタンの代わりに、表示画面上に開かれるメニュー等の選択手段により状態確認指示を選択できるようにしてもよい。
【0123】
本実施の形態の一態様として、このようなリモコン操作画面の画面データは、サーバ300に用意しておき、ユーザがユーザ端末100でリモコンモードを起動したときに、サーバ300からWEBデータとしてユーザ端末100に配信され表示されることを想定している。WEBデータには、各種ボタンの操作をサポートするユーザインターフェースを実現するための所定のスクリプトを含んでいる。この代わりに他の態様として、ユーザ端末100に、出荷時に、または、出荷後にユーザの要求に応じて、リモコン操作画面データを含むリモコンモード専用のアプリケーションをインストールしてもよい。
【0124】
一般に、単一の電源切替ボタン601で家電機器400の電源をON/OFFする場合、現在の電源状態によって電源切替ボタン601の操作が電源ONを指示するか、電源OFFを指示するかが変わってくる。すなわち、電源OFFの状態で電源切替ボタン601を操作すれば、電源ON指示がなされ、電源ONの状態で電源切替ボタン601を操作すれば、電源OFF指示がなされる。
【0125】
そこで、ユーザは、状態確認ボタン609を操作することにより、テレビの現在の電源状態を確認することができる。例えば、自宅のテレビの電源を付けっぱなしで外出したことに気づいたような場合、あるいは、テレビの電源をOFFしたか否か記憶が定かでないような場合、外出先で状態確認ボタン609を操作することにより、現在のテレビの電源状態を確認することができる。もし、ON状態にあれば、電源切替ボタン601を操作することにより、電源をOFFすることができる。また、電源OFF指示に応じて確実に電源がOFFされたことを確認するために、電源切替ボタン601の操作後に、状態確認ボタン609を操作することもできる。
【0126】
エアコンについても、同様の電源切替ボタンおよび状態確認ボタンを設けることができる。例えば、冬場に帰宅する所定時間前に、外出先から電源をONさせるような用途において、電源切替ボタン601および状態確認ボタン609を用いて、自宅のエアコンを確実に遠隔制御することが可能となる。
【0127】
照明器具についても同様であり、防犯のために、日没後に外出先から自宅の照明器具を点灯させるような用途に利用可能である。
【0128】
図8は、電源用の操作ボタンとして、単一の電源切替ボタン601に代えて、電源ONを指示するための電源ONボタン601aと電源OFFを指示するための電源OFFボタン601bを別個に設けたリモコン操作画面600aを示している。状態確認ボタン609と電源状態の表示619については、
図7の場合と同様である。
【0129】
図8のリモコン操作画面600aの場合、ユーザは、現在の電源状態がOFFであることを確認した後に電源ONボタン601aを操作し、現在の電源状態がONであることを確認した後に電源OFFボタン601bを操作することになる。但し、電源切替ボタン601を利用するリモコンを備えた家電機器400については、家電機器400へ与える電源制御のための赤外線信号は相変わらず「電源切替」赤外線信号である。そこで、電源ONボタン601aと電源OFFボタン601bが操作された場合、ユーザ端末100の外部、例えば、サーバ300の側で適正に対処する必要がある。すなわち、現在の電源状態を確認して、その確認結果に応じて電源切替指示を実行する。
【0130】
このリモコン操作画面600bにおいては、
図8に示したように、電源ONボタン601aと電源OFFボタン601bを別個に設けているが、電源状態表示619の代わりに、電源ONボタンと電源OFFボタンの表示属性の変化により電源状態を表すようにしてもよい。すなわち、現在の電源状態に応じて、操作可能な(または操作して意味のある)ボタンと、操作不能な(または操作して意味のない)ボタンの表示属性を異ならせるようにしてもよい。例えば、操作可能なボタンを通常の表示輝度で表示し、操作不能なボタンの表示輝度を低下して表示する。具体的には、電源状態がONであるとき、電源ONボタンの表示輝度を低下(グレーアウト)させ、電源OFFボタンのみが操作可能であることを示す。逆に、電源状態がOFFであるとき、電源OFFボタンの表示輝度を低下させ、電源ONボタンのみが操作可能であることを示す。これにより、表示された電源操作ボタンを見るだけで、いずれのボタンが有効か、すなわち、現在の電源状態がONかOFFかが直ちに分かる。
【0131】
図示しないが、操作不能なボタンは画面から消去し、操作可能なボタンのみを表示する態様もありうる。この態様は、操作不能なボタンの輝度を0にまで低下させた場合と捉えることもできる。
【0132】
ここで、本実施の形態において用いられる、サーバの記憶部350内の各種データについて、その具体例を概念的に説明する。それらのデータ構造やデータ項目は説明のための例示であり、本発明はその細部に限定されるものではない。
【0133】
図9は、ユーザ別機器登録テーブル351の構成例を示している。このユーザ別機器登録テーブル351は、ユーザID毎に、使用しているステーションの識別情報である「ステーションID」、制御対象の家電機器の「機器種別」および「メーカー」、使用しているタップの識別情報である「タップID」、タップ等の「ポート番号(#)(コンセント番号(#))」、その家電機器の最新の「状態」、「ON/OFF閾値」、「イベント発生条件」の各項目を保持している。これらの一部の項目は、ユーザによる家電機器の登録時に項目内容が設定され、他の項目は事後的に追加設定される。「状態」は家電機器について「電源状態」を示すが、センサについてはON/OFF等の状態を示すようにしてもよい。「状態」については、サーバにおいて各家電機器の最新の電源の状態が認識される度に、その内容が反映されるよう更新される。「ON/OFF閾値」は家電機器の使用電力に基づいて、その家電機器の電源がON状態にあるかOFF状態にあるかを判定するための電力閾値である。「イベント発生条件」は当該機器(センサ端末を含む)に割り当てられたイベントの識別子(イベントID)および具体的な条件であり、後述する。「ON/OFF閾値」、「イベント発生条件」の項目はトリガルールの設定時等に設定される。
【0134】
図10は、コマンド・信号パターン対応テーブル353の構成例を示している。このコマンド・信号パターン対応テーブル353は、テレビ(TV)やエアコン、照明器具等の機器種別(機器ID)毎に、メーカー、コマンド(コマンド番号)およびこのコマンドに対応する赤外線信号パターンデータを保持している。このようなデータは、主要なメーカーの家電機器について既知であり、サーバに初期的に用意しておくことができる。新たな家電機器について、サーバの保守員によって事後的に追加することも可能である。なお、電源切替信号を受けて電源ONと電源OFFとを交互に切り替える機能を有する家電機器について、コマンドと赤外線信号パターンデータとは厳密な意味で1対1には対応せず、後述するような所定の処理により条件付きで特定の赤外線信号パターンデータと対応づけられる場合もありうる。
【0135】
また、新たな家電機器についてのデータの追加は、ユーザ端末のユーザによって、実際のリモコンから出力される赤外線パターンをステーションで学習することにより、サーバに対して行うこともできる。そのために、ステーションには、自身に備えた赤外線リモコン受信機能を用いて、各コマンドの赤外線パターンデータを学習する機能を付加する。このようにユーザが追加するデータは、コマンド・信号パターン対応テーブル353において、他のユーザに開放してもよいし、代わりに、ユーザ別に保存し、当該ユーザのみが使用できるようにしてもよい。
【0136】
図11は、使用電力量データベース(DB)355の構成例を示している。この使用電力量データベース(DB)355は、ユーザID毎に、かつ、タップIDおよびコンセント#毎に、日時データと使用電力量データ(w)とが対に蓄積されていく。サーバ300は、各家電機器400について、その現在の使用電力量データが得られる度に、そのデータに基づいて、その電源の現在状態を判定する。現在状態が電源ON状態か電源OFF状態かは、使用電力量の閾値判定によって行うことができる。リモコン操作を受け付ける家電機器は電源OFF時にも待機電力と呼ばれるある程度の電力を消費している。各家電機器の電源の現在状態の判定は、その待機電力の想定される最大値より大きく、かつ、電源ON時の最低使用電力よりも小さい特定の値を閾値として用いて行うことができる。このようにして判定された電源の現在状態は、ユーザ別機器登録テーブル351の「状態」に反映される。本実施の形態において電源状態判定に使用する閾値としては、家電機器の機器種別やメーカーによらず、予め定めた固定値を用いる方法と、機器種別やメーカーに応じて個別に定める方法とがありうる。タップの使用電力の高度な使い方として、例えば設定画面(図示せず)上で、ユーザが閾値を可変設定できるようにすれば、電源ON状態において使用電力の違いによる動作や機能の違いを認識することが可能となる。また、リモコンの電源操作による場合には電源のONまたはOFFへの切り替わりしか認識できないが、タップによる使用電力に基づく場合は電源の多様な状態を認識できる利点がある。
【0137】
なお、ユーザID、タップIDおよびコンセント番号#が分かれば、そこに接続されている家電機器が何であるかは
図9に示したユーザ別機器登録テーブル351を参照することにより判明するが、便宜上、使用電力量データベース(DB)355にも機器種別等のデータを保持してもよい。
【0138】
図12(a)(b)は、それぞれ、本実施の形態におけるトリガルールの形式およびトリガルールDBの形式の一例を示している。
【0139】
図12(a)に示すように、1つのトリガルールは、条件部と結果部とを有する。条件部は、少なくとも1つのイベントIDを含む。このイベントIDは、リモコン操作によるイベントの場合、リモコンコマンドそのものであってもよい。イベントIDを複数含む場合には、AND条件として、それらのイベントIDのイベントが重複して発生したことを表す。条件部には「時間指定」を含みうる。時間指定は、特定の日時の場合と、特定の時間帯の場合がありうる。結果部は、少なくとも1つのアクションを含む。アクションは、このトリガルールによるリモコン操作対象の家電機器を一意に表す機器IDと、その家電機器に対するリモコンコマンドを一意に表すコマンド番号とにより構成される。1つのトリガルールが複数のアクションを含む場合、複数のアクションが並行して指示される。OR条件についてはトリガルールを複数作成すれば足りるので、この例では、条件部でのOR条件のイベントの記述は行っていない。勿論、ANDやOR等の演算子記号を用いて、1つのトリガルールの条件部において複数のイベントのAND条件やOR条件(およびそれらの組み合わせ)を定めることも可能である。
【0140】
図12(b)に示すように、トリガルールDB359(
図4)は、
図12(a)に示したような複数のトリガルールを、ルールID(ルール番号)を付して、読み出し可能に蓄積して管理するものである。
【0141】
ここで、
図13により、本実施の形態における「イベントID」について説明する。本実施の形態では、イベントの発生はタップ430やセンサ440などのセンサ端末での測定(または検出)された物理量に基づいて判断される。その判定処理は、センサ端末において行う場合と、その物理量を受け取った側、例えばステーション410やサーバ300において行う場合とが考えられる。
【0142】
図13は、イベント発生の判定処理をセンサ端末で行う場合の説明図である。
図13(a)に示すように、センサ端末のサーバ300への登録時またはその後の所定の時点で、サーバ300からセンサ端末に対してイベント発生条件情報を提供する。イベント発生条件情報は
図13(b)に例示するように、イベントID番号と、ポート番号(またはコンセント番号)、モード、設定値Aおよび設定値Bを含む次式で表される。
【0143】
イベントIDxx=[ポート番号(コンセント番号),モード,設定値A,設定値B]
【0144】
この式の意味は、このイベント発生条件情報を受け取ったセンサ端末のポート番号(またはコンセント番号)で指定されたポート(またはコンセント)について、モード番号で指定される判定内容に従って、イベント発生の有無を判定するものである。ポートが単数であれば、「ポート番号」は省略されてもよい。
【0145】
モード0は、タップ430のような使用電力の測定を行うセンサ端末ではなく、センサ440のようなセンサ端末を対象とするものである。この例では、センサ440の出力が設定値Aに一致したか否かを判定するモードである。このモード0では、設定値Aとして、ON(1)またはOFF(0)を指定する。センサ440のセンシング動作は周期的または連続的に行う。センシングの判定結果のサーバへの出力(報告)はセンシングの度に行ってもよいし、判定結果が変化した場合にのみ行うようにしてもよい。
【0146】
モード1〜4はタップ430に対するもので、設定値A(W)、または、設定値A(W)およびB(秒)を用いる。具体的には、モード1は、指定されたポート番号(コンセント番号)の使用電力(W)が設定値Aより大きいか否かを判定するモードである。モード2は、指定されたポート番号(コンセント番号)の使用電力(W)が設定値Aより小さいか否かを判定するモードである。モード3は、設定値Aより大きい状態が設定値B(秒)以上続いたか否かを判定するモードである。モード4は、設定値Aより小さい状態が設定値B(秒)以上続いたか否かを判定するモードである。変形例として、設定値A1(W)および設定値A2(W)を用いて、使用電力(W)が設定値A1より大きくかつ設定値A2(W)より小さい範囲にあるか否かを判定するモードを設けてもよい。設定値の個数は2個に限るものではなく、3個以上であってもよい。例えば、設定値A1(W)および設定値A2(W)および設定値B(秒)を用いて、使用電力(W)が設定値A1より大きくかつ設定値A2(W)より小さい範囲にある状態が設定値B(秒)以上続いたか否かを判定するモードを設けることも可能である。
【0147】
モードの種類としては、モード0〜4に限るものではなく、さらに他のモードを用意してもよい。例えば、モーションセンサに対するモードとして、検出対象のジェスチャー毎にモードを設け、そのジェスチャーが検出されたときに当該イベントIDをサーバへ出力することができる。ジェスチャーは上述した撮影画像認識手段としてのセンサで検出することもできる。リモコンコマンドの代替手段として、特定の電気機器、例えばテレビ装置の電源操作やチャンネル操作をジェスチャーにより行うことが可能である。
【0148】
このように、イベント発生条件情報はモードの指定を含み、モードに応じてイベント発生条件が変更される。これにより、電源タップ等に、イベントの発生機能を持たせるだけでなく、そのイベント発生条件を可変設定することが可能となる。いずれのモードであれ、そのイベント発生条件が満たされたとき、センサ端末は、イベントIDxxをサーバ300へ送出する。サーバ300はイベントIDxxを受信したとき、当該センサ端末でこのイベントIDxxおよび他のイベントの発生状況に基づいて、すべてのトリガルールの判定処理が実行される。モーションセンサ等について、特定のモードにおいて、イベントIDを出力する代わりに、モーションセンサ等で検出されたジェスチャーを表すジェスチャーID(コード)をサーバに送付するようにしてもよい。
【0149】
図14に、ユーザ端末100に表示される機器登録画面500の例を示す。この機器登録画面500は、ユーザ端末100からサーバ300にアクセスすることにより例えばWEBデータとして取得され、表示部に表示される。ユーザは、自身が遠隔制御の対象としたい家電機器について、使用するステーションの選択(ステーションID)501、対象機器の選択(種別)502、メーカーの選択503、タップの選択(タップID)504、およびタップのコンセント番号505を、それぞれ、選択肢から選択し、または入力する。各項目の設定後に登録ボタン506を指示すると、この機器登録画面の内容をサーバ300のユーザ別機器登録テーブル351に登録される。キャンセルボタン507は、機器登録を途中で中止する場合に指示するボタンである。
【0150】
なお、この機器登録画面500は、タップに接続する家電機器を登録するための画面であるが、タップに接続しない家電機器やセンサ端末を登録する用途に利用することも可能である。その場合、「対象機器の選択」や「メーカの選択」にセンサ端末も選択可能とするとともに、「タップの選択」および「タップのコンセント番号」については空欄または「不使用」などの内容を登録可能とする。
【0151】
次に、ユーザが家電機器の自動制御のためのトリガルールを設定登録するためのユーザインターフェースについて説明する。
【0152】
図15に、トリガルールのイベントおよびアクションの選択画面例を示す。この例では、2個のイベント入力エリアと、2個のアクションの入力エリアを有する入力画面を示している。選択するイベントは1個だけであってもよい。3個以上のイベントを入力する場合は、「イベント追加」ボタンからイベントの入力欄を追加することができる。複数のイベントが入力された場合、上述したように、それらはAND条件で判定される。各イベントは、登録された家電機器やセンサ端末等の「イベントソース」と、そのイベントの内容である「イベント」とによって定義される。この例ではイベントソースの選択肢として、TV、AVレコーダ、エアコン、電子レンジ、照明器具、人感センサ、温度センサ、…を示している。
【0153】
各アクションは、制御対象となる「対象家電」とそれに実行させる「アクション」とによって定義される。選択するアクションは1個だけであってもよい。3個以上のアクションを入力する場合は、「アクション追加」ボタンからアクションの入力欄を追加することができる。
【0154】
イベントとアクションが入力された状態でOKボタンが指示されると、サーバに対して、そのイベントとアクションを組み合わせたトリガルールの設定登録が行われる。キャンセルボタンが指示されると、トリガルールの設定登録が中止される。
図16(a)に示すように、イベントソースの入力欄をユーザが指示(例えばタッチ)すると、選択肢が列記されたプルダウンメニューが表示される。
図9に示したユーザ別機器登録テーブル351に登録された家電機器が選択肢として表示される。
図16(b)に示すように、このプルダウンメニューの選択肢の中から選択されたイベントソースが当該入力欄に表示される。
【0155】
「イベント」についても、その入力欄をユーザが指示(例えばタッチ)すると、選択肢が列記されたプルダウンメニューが表示され、選択されたイベントが当該入力欄に表示される。このような選択肢はイベントソースとして選択された家電機器に対して予め用意されたものが表示される。すなわち、イベントソースに何が選択されたかによって、「イベント」に表示されるプルダウンメニューの内容が変わりうる。この例では、「TV」に関するイベントの選択肢として、「電源がONになった」「電源がOFFになった」「CH1ボタンが押された」「CH2ボタンが押された」…「CH12ボタンが押された」「VOL UPボタンが押された」「VOL DOWNボタンが押された」「消音ボタンが押された」…が示されている。「電源がONになった」「電源がOFFになった」は、基本的には、タップ430の使用電力に基づくイベントであり、他はリモコン操作に基づくイベントである。電源ONと電源OFFで独立したリモコンコマンドを有し、かつ、タップ430に接続されない家電機器については、イベントの選択肢として、「電源ONボタンが押された」「電源OFFボタンが押された」という項目を設けてもよい。
【0156】
図17は、アクションの選択例を示している。アクションは、「対象家電」と「アクション」によって定義される。本実施の形態では、「対象家電」としては、登録されたリモコン操作可能な家電機器が選択肢としてプルダウンメニューが表示される。「アクション」としては、その対象家電のリモコンコマンドが選択肢としてプルダウンメニューが表示される。但し、電源関連のリモコンコマンドについては、トグル型の電源切替ボタンを有する家電機器についても「電源をONする(電源ON)」「電源をOFFする(電源OFF)」という選択肢が用意される。
【0157】
図18は、イベントの変形例を示している。この変形例は、イベントの選択欄において、イベント毎に、時間条件を設定できるようにしたものである。この例では、各イベントの「時間」ボタンを指示することにより、
図19に示すように、時間入力欄が出現する。この時間入力欄は、ユーザが、開始時分と終了時分とを指定できるようになっている。開始時分のみであれば時刻指定となり、開始時分と終了時分の両方を指定すれば時間帯指定となる。この例では、毎日の時間指定を想定しているが、月日や曜日を併せて指定できるようにしてもよい。
【0158】
なお、
図18に示した時間ボタンの代わりに、
図19に示した時間入力欄が初めから用意されたユーザインターフェース画面であってもよい。
【0159】
図20は、他のイベントおよびアクションの選択例を示している。
図20(a)は、「イベントソース1」として「温度センサ」が選択され、対応する「イベント1」として、「30℃以上が10分続いた」が選択される様子を示している。
図20(b)は、アクションの「対象家電1」として「エアコン」が選択され、対応する「アクション1」として「電源をONする」が選択された例を示している。このような選択肢は予め用意されたもの以外にも、ユーザが事後的に新たな選択肢を設定できるようにしてもよい。
【0160】
図21は、複数のイベントが選択された場合の例を示している。この例では、「イベントソース1」として「温度センサ」、その「イベント1」として「30℃以上が10分続いた」が選択され、「イベントソース2」として「人感センサ」、その「イベント2」として「人が感知された」が選択された様子を示している。対応するアクションとしては、「対象家電1」として「エアコン」が選択され、その「アクション1」として「電源をONする」が選択された様子を示している。
【0161】
図22は、アクションの変形例を示している。この変形例では、アクションの選択において、「メール通知要否」の項目が追加されている。これは、予め登録された宛先(例えば登録ユーザのメールアドレス)に対して、アクションの実行に関する情報、例えば、当該トリガルールに基づくアクションが実行されたことを通知するか否かを選択するものである。メール通知の内容としては、例えば、どのようなイベントに基づいてどのようなアクションが実行されたかを知らせるものである。
【0162】
このようなメール通知は、ユーザのリモコン操作に起因してトリガルールに基づくアクションが実行された場合には、登録しておいたトリガルールが働いたことを確認できる意味がある。また、直接的なユーザの操作によらずに発生したイベントに起因してトリガルールに基づくアクションが実行された場合にも、ユーザの注意を喚起する意味がある。
【0163】
ここで、本実施の形態におけるトリガルールとして以下に幾つか例示する。トリガルールはこれらに限られるものではなく、多種多様なものが考えられる。
(1)タップによる使用電力増加に基づいてエアコンが電源ONの状態にあることが検出されている状態で、タップによる使用電力増加に基づいて電子レンジのスイッチが入ったことが検出されたとき、エアコンの電源をOFFする。これにより、ブレーカーが落ちることを防ぐことができる。
(2)リモコンコマンドに基づいて照明器具の電源がOFFになったとき(リモコン信号)、テレビの電源もOFFする。リモコンコマンドは、家電機器に対して直接的に実行されるリモコン操作によるリモコンコマンドと、サーバから機器操作信号発生装置経由で実行される操作によるリモコンコマンドのいずれをも含む。このトリガルールのイベントとして、照明器具の電源OFFに加えて時間帯情報をAND条件で追加することも考えられる。例えば、照明器具を電源OFF(リモコン)かつ時間帯(23時から02時)ならば、テレビを電源OFFする。
(3)部屋の温度が30℃以上である状態が10分以上経過したとき、人感センサがONである(またはONとなった)ことが検出されたら、エアコンの電源をONする。(この前提として、冷暖房の別や温度の設定は行われているものとする。)
(4)テレビが電源ON(タップ)の状態で、電子レンジが電源ON(タップ)となったとき、エアコンを電源OFFする。
【0164】
次に、
図23により、ユーザ端末でのトリガルール入力処理のフローを説明する。この処理は、サーバ300のトリガルール設定部346(
図4)により実行される。
【0165】
ユーザは、トリガルールを設定する際、ユーザ端末上で、上述したユーザインターフェース画面を開いて、イベントの入力(S10)とアクションの入力(S20)を行う。イベント入力では、イベントソースを指定し(S11)、これに対応するイベントの内容を指定する(S12)。アクションの入力では、対象家電機器を指定し(S21)、そのアクションの内容を指定する(S22)。このようにして入力されたトリガルールはサーバへ送信される(S30)。
【0166】
図24により、センサ端末(タップまたはセンサ等)でのイベント発生条件判定処理のフローを説明する。この処理はタップ430の場合、その制御部431(
図5)により実行される。
【0167】
センサ端末は、サーバからイベント発生条件情報を受信したとき(S41,Yes)、これを内部のメモリ等の記憶部432に保存する(S42)。
【0168】
時計部438のタイマー機能により設定されたタイマー周期が到来する度に(S43)、一つのポートのセンサ出力を確認し(S44)、保存されているイベント発生条件情報および確認されたセンサ出力に基づいて、当該ポートのイベント発生条件を判定して、その結果を保持する(S45)。
【0169】
その後、次のポートがあれば(S46)、ポート番号をインクリメントして(S48)、ステップS44へ戻る。次のポートがなければ、イベント発生条件が満足されたポートについて、そのイベントIDをステーション経由でサーバへ送信する(S47)。その後、ステップS41へ戻る。
【0170】
図25により、サーバでのトリガルール処理のフローを説明する。この処理は、サーバ300のトリガルール処理部347により実行される。
【0171】
サーバは、随時、各種イベントの受信を行う(S51)。より具体的には、タップからイベントID、すなわち電源タップ由来のイベントを受信(S511)、ステップS52へ移行する。リモコンコマンドとしてのリモコンの赤外線信号(パターンデータ)、すなわちリモコン由来のイベントを受信したとき(S512)、そのコマンドを解釈してイベントIDに変換し(S513)、ステップS52へ移行する。センサからイベントID、すなわちセンサ由来のイベントを受信したとき(S514)、ステップS52へ移行する。リモコンコマンドについては、S513でコマンドを解釈してイベントIDに変換することなく、その赤外線パターンデータをそのまま利用するようにしてもよい。この場合、サーバが赤外線パターンデータをイベントとして認識する。
【0172】
その後、受信したイベントに応じて、すべてのトリガルールの判定処理を行う(S52)。トリガ条件を満足したトリガルールが存在しない場合(S53,No)、ステップS51へ戻る。
【0173】
トリガ条件を満足したトリガルールが存在する場合(S53,Yes)、当該アクションを実行する(S54)。その後、最初のステップS51へ戻る。
【0174】
なお、ステーションは、家電機器の専用のリモコンからのリモコンコマンドを受信・認識し、受信したリモコンコマンドをサーバに通知する。リモコンの赤外線信号(パターンデータ)は、150バイトのデータであるが、これをそのまま生のデータとしてサーバへ伝送してもよいし、短い一意なデータまたはイベントIDの形式のデータに変換して伝送してもよい。勿論、このようなデータは、トリガルールの条件部のデータと一致判定できるよう、条件部のデータと形式を一致させるものとする。
【0175】
トリガ条件判定処理S52において、複数のイベントを含むトリガルールについては、一方のイベントを状態として捉える必要がある場合がある。例えば、テレビが電源ONの状態で、電子レンジの電源が入ったことが検出されたとき、エアコンの電源をOFFする、というトリガルールがある。このようなトリガルールの判定処理では、一方のイベント(この例ではテレビ)については「電源がONになった」というイベントが維持されている間、他のイベント(この例では電子レンジ)の発生を待機する状態に入る。トリガルールの最後のイベントが追加的に発生したとき、そのトリガルールのトリガ条件が満足されたことになる。
【0176】
図26に、ステップS52のトリガ条件判定の処理フローを示す。
【0177】
まず、最初のトリガルールの第1のトリガイベントが発生したか否かを監視する(S521)。発生したら、当該トリガルールに次のトリガイベントが存在するか否かを調べる(S522)。次のトリガイベントが存在すれば、当該トリガルールの先のイベントは維持されているか否かを確認する(S523)。維持されていなければ、当該トリガルールのトリガ条件が満たされなかったと判定し(S525)、ステップS527へ移行する。先のイベントが維持されていれば、当該トリガイベントが発生したか否かを監視する(S524)。発生すれば、ステップS522に戻る(A)。
【0178】
ステップS522で当該トリガルールに次のトリガイベントが存在しないと判断された場合、当該トリガルールのトリガ条件が満たされたと判断する(S526)。その後、ステップS527へ進む。
【0179】
ステップS527では、判定対象となる次のトリガルールが存在するか否かをチェックする。次のトリガルールがなければ、本処理を終了する。次のトリガルールがあれば、最初のステップS521へ戻る。
【0180】
図27に、ステップS54のアクション実行処理について、トグル型の電源切替リモコンコマンドを考慮した詳細フローを示す。
【0181】
まず、当該トリガルールの実行対象のアクションが電源アクションであるか否かをチェックする(S541)。電源アクションでなければ、ステップS548へ移行し、当該ユーザの当該ステーションに対して当該アクションに対応するリモコンコマンドの出力を指示する。実行対象のアクションが電源アクションであれば、当該家電機器のリモコンの電源ボタン(電源スイッチ)はトグル型か否かをチェックする(S542)。これは、当該家電機器のコマンド・信号パターン対応テーブル353(
図10)を参照することにより認識できる。
【0182】
トグル型でなければ、上記ステップS548へ移行する。トグル型であれば、タップの測定した使用電力に基づいて当該家電機器の現在の電源状態を確認する(S543)。この確認は、基本的にはユーザ別機器登録テーブル351の当該ユーザの当該機器の「状態」を参照することにより行える。但し、ユーザ別機器登録テーブル351の「状態」の更新周期によっては、サーバ300からタップ430に最新の状態または測定値を確認するようにしてもよい。
【0183】
当該アクションが「電源ON」であれば、当該家電機器が現在電源OFF状態であるとき(S545,Yes)、当該ステーションに対して、当該家電機器への電源切替リモコンコマンドの出力指示を発行する(S547)。現在電源OFF状態でなければ、すなわち電源ON状態であれば、目的は既に達成されているので、当該アクションは実行しない。
【0184】
当該アクションが「電源OFF」であれば(S544,No)、当該家電機器が現在電源ON状態であるとき(S546,Yes)、当該ステーションに対して、当該家電機器への電源切替リモコンコマンド出力指示を発行する(S547)。現在電源ON状態でなければ、すなわち電源OFF状態であれば、目的は既に達成されているので、当該アクションは実行しない。
【0185】
その後、実行すべき次のアクションがあれば(S549)、最初のステップS541へ戻る。次のアクションがなければ、このアクション実行処理を終了する。
【0186】
なお、本実施の形態において、家電機器の電源ON状態や電源OFF状態をトリガイベントとするとき、サーバ300は、その家電機器がタップ430に接続されていれば使用電力に基づいて判断するイベント発生条件情報を設定する。家電機器がタップ430に接続されていない場合、その家電機器が非トグル型電源ボタンのリモコンを採用していれば、リモコンコマンドに起因するイベント発生条件情報を設定する。トグル型電源ボタンのリモコンを採用している家電機器についてはタップ430に接続されていない場合には、その電源関連イベントをトリガイベントとして設定することを抑止する。
【0187】
そのために、例えば、トリガルールの設定登録のユーザインターフェース画面において、トグル型の電源切替リモコンコマンドしか有さない家電機器に対するアクションの選択肢として、電源関連イベントを表示しないかまたは、いわゆるグレーアウトのような選択不能状態の表示とする。トグル型の電源切替リモコンコマンドしか有さない家電機器については、タップ430に接続されていることを前提として電源ONや電源OFFのトリガイベントの指定を許容する。
【0188】
図28(a)(b)(c)は、ステーション410とタップ430と通信ネットワーク200の相互の接続関係の3つの形態を示している。上述した形態は、
図28(a)のステーション経由接続の形態であり、タップ430がステーション410を介して通信ネットワーク200に接続される。
【0189】
図28(b)はタップ経由接続の形態を示す。この形態では、ステーション410がタップ430を介して通信ネットワーク200に接続される。この場合、
図5に示した通信部436が必要となる。ステーション410については、通信部416(
図3)が不要となる。
【0190】
図28(c)は平行接続の形態を示す。この形態では、タップ430とステーション410が平行にそれぞれPC(またはゲートウェイ)450を介して通信ネットワーク200に接続される。
【0191】
このような形態の違いにより、上述した動作は適宜変更される。
【0192】
例えば、
図27の処理では電源切替制御に関するアクションをサーバ300の実行する処理として説明したが、
図28(a)(b)に示したステーション経由接続およびタップ経由接続のように、ステーション410とタップ430とが相互に接続された形態では、サーバ300に代わってステーション410が同等の処理を実行することも可能である。
【0193】
図29にこのようなステーションの変形例の概略処理を表したフローチャートを示す。これは
図28(c)の形態に対応する。
【0194】
ステーションは、サーバから何らかの制御信号を受領したとき(S61,Yes)、その指示が電源ON指示であるか否かをチェックする(S62)。電源ON指示であれば(S62,Yes)、当該家電機器が現在電源OFF中であるかをチェックする(S63)。このチェックでは、当該家電機器の現在の電源状態をタップまたはサーバから確認する。電源OFF中であれば、当該家電機器に対して、電源切替赤外線信号を出力する(S64)。電源OFF中でなければ、最初のステップへ戻る。
【0195】
ステップS65では、受領した指示が電源OFF指示であるか否かをチェックする。電源OFF指示でなければ、後続のステップへ移行する。電源OFF指示であれば、当該家電機器が現在電源ON中であるか否かをチェックする(S66)。このチェックでは、当該家電機器の現在の電源状態をタップまたはサーバから確認する。これにより、電源ON中であれば、当該家電機器に対して、電源切替赤外線信号を出力する(S67)。電源ON中でなければ、最初のステップへ戻る。ステップS67の実行後は最初のステップへ戻る。
【0196】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外に種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、ユーザインターフェース画面におけるイベントやアクションの選択肢をプルダウンメニューとして示したが、メニューの表示や選択の形式は図示のものに限定されるものではない。
【0197】
上記実施の形態で説明した機能をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラムおよびプログラムをコンピュータ読み取り可能に格納した記録媒体も本発明に含まれる。プログラムを供給するための「記録媒体」としては、例えば、磁気記憶媒体(フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等)、光ディスク(MOやPD等の光磁気ディスク、CD、DVD等)、半導体ストレージなどを挙げることができる。
【0198】
なお、トリガイベントとして、タップ(およびセンサ)によるイベントと、リモコンコマンドによるイベントとを混在して取り扱える点は、トグル型のリモコン操作を考慮するか否かに関わらず、独立した特徴である。この観点からは、本発明は次のように把握することもできる。
(1)通信ネットワークに接続されたサーバと、家電機器に電源を供給すると共に前記家電機器の使用電力を定期的に測定し、使用電力情報を生成する機能を有する電源タップと、前記家電機器を制御する無線信号を発生する機器操作信号発生装置とを用いて、所望の家電機器を自動的に制御するための家電機器制御方法であって、
前記サーバが、前記電源タップに接続された少なくとも1台の家電機器について、前記電源タップにより測定された当該家電機器の使用電力に基づいて発生された電源関連の第1種のイベントを受領するステップと、
リモコン操作が可能な少なくとも1台の家電機器について、リモコン操作に応じて発生したリモコンコマンドを前記サーバが第2種のイベントとして受領するステップと、
前記サーバが、予め設定されたトリガルールのトリガ条件が満たされたか否かを前記第1種および第2種のイベントに基づいて判定するステップと、
前記サーバが、前記トリガ条件が満たされたトリガルールに定められたアクションを当該家電機器に対して指示するよう前記機器操作信号発生装置に指示するステップと
を備えた家電機器制御方法。
【0199】
(2)前記トリガルールは、前記第1種および第2種のイベントの少なくとも1つまたは複数について定められたトリガ条件と、該トリガ条件が満たされたことに応じて特定の家電機器で実行されるべきアクションとを対応づけていることを特徴とする(1)に記載の家電機器制御方法。
【0200】
(3)前記サーバが、イベント発生条件情報を前記電源タップに送出するステップと、
前記電源タップが前記イベント発生条件情報を受信し、保存するステップと、
前記電源タップが前記イベント発生条件情報に基づいてイベントの発生の有無を判断するステップとをさらに備えた(1)または(2)に記載の家電機器制御方法。
【0201】
(4)前記イベント発生条件情報はモードの指定を含み、前記モードに応じてイベント発生条件が変更される(3)に記載の家電機器制御方法。
【0202】
(5)前記電源関連の第1種のイベントを発生するステップは、前記電源タップに代えて、前記機器操作信号発生装置において前記電源タップから受信した使用電力情報に基づいて実行されることを特徴とする(4)に記載の家電機器制御方法。
【0203】
(6)前記リモコン操作は、前記家電機器に対して直接的に実行されるリモコンによる操作と、前記サーバから前記機器操作信号発生装置経由で実行される操作とを含む(1)〜(5)のいずれかに記載の家電機器制御方法。
【0204】
(7)特定の物理量を検出するセンサが第3種のイベントを発生するステップと、
前記サーバが、前記第3種のイベントを受領するステップとをさらに備え、
前記トリガルールは、前記第1種、第2種および第3種のイベントの少なくとも1つまたは複数について定められたトリガ条件と、該トリガ条件が満たされたことに応じて特定の家電機器で実行されるべきアクションとを対応づけており、
前記サーバにおける判定ステップでは、前記第1種、前記第2種および前記第3種のイベントに基づいて、前記トリガルールのトリガ条件が満たされたか否かを判定する
ことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の家電機器制御方法。
【0205】
(8)前記第3種のイベントを発生するステップは、前記センサに代えて、前記機器操作信号発生装置において前記センサから受信したセンサ出力に基づいて実行されることを特徴とする(7)に記載の家電機器制御方法。
【0206】
(9)前記トリガルールのアクションは、前記リモコンを備えた少なくとも家電機器に対するリモコンコマンドに対応する(1)〜(8)のいずれかに記載の家電機器制御方法。
【0207】
(10)前記サーバは、前記アクションとして、予め指定されたメールアドレスにアクションの実行に関する情報を通知する電子メールを送信するステップをさらに備えた(1)〜(9)のいずれかに記載の家電機器制御方法。
【0208】
(11)前記トリガルールのトリガ条件として、時間(時刻または時間帯)を含む(1)〜(10)のいずれかに記載の家電機器制御方法。
【0209】
(12)前記サーバは、前記ユーザ端末に対して、前記トリガルールを設定するためのユーザインターフェース画面情報を提供する(1)〜(11)のいずれかに記載の家電機器制御方法。
【0210】
(13)前記家電機器が前記電源タップに接続されているか否かによって、ユーザインターフェース画面に表示される条件部の選択肢を変更するよう前記ユーザインターフェース画面情報を提供する(12)に記載の家電機器制御方法。
【0211】
(14)通信ネットワークを介して、家電機器を制御する無線信号を発生する機器操作信号発生装置と接続されるサーバであって、
前記家電機器に電源を供給すると共に前記家電機器の使用電力を定期的に測定し、使用電力情報を生成する機能を有する電源タップに接続された少なくとも1台の家電機器について、前記電源タップにより測定された当該家電機器の使用電力に基づいて電源関連の第1種のイベントと、リモコン操作が可能な少なくとも1台の家電機器について、リモコン操作に応じて発生したリモコンコマンドを第2種のイベントとして受領する手段と、
予め設定されたトリガルールのトリガ条件が満たされたか否かを前記第1種および第2種のイベントに基づいて判定し、前記トリガ条件が満たされたトリガルールに定められたアクションを当該家電機器に対して指示するよう前記機器操作信号発生装置に指示するトリガルール実行手段と
を備えたサーバ。
【0212】
(15)前記トリガルールは、前記第1種および第2種のイベントの少なくとも1つまたは複数について定められたトリガ条件と、該トリガ条件が満たされたことに応じて特定の家電機器で実行されるべきアクションとを対応づけていることを特徴とする(14)に記載のサーバ。
【0213】
(16)前記サーバは、イベント発生条件情報を前記電源タップに送出する手段と、
前記電源タップから、前記イベント発生条件情報に基づいて発生したイベントを受領する手段とを備えた(15)に記載のサーバ。
【0214】
(17)前記イベント発生条件情報はモードの指定を含み、前記モードに応じてイベント発生条件の判定方法を指定する(16)に記載のサーバ。
【0215】
(18)特定の物理量を検出するセンサから第3種のイベントを受領する手段をさらに備え、
前記トリガルールは、前記第1種、第2種および第3種のイベントの少なくとも1つまたは複数について定められたトリガ条件と、該トリガ条件が満たされたことに応じて特定の家電機器で実行されるべきアクションとを対応づけており、
前記第1種のイベントと、前記第2種および第3種のイベントに基づいて、前記トリガルールのトリガ条件が満たされたか否かを判定する
ことを特徴とする(14)〜(17)のいずれかに記載のサーバ。
【0216】
(19)通信ネットワークに接続されたサーバと、
家電機器に電源を供給すると共に前記家電機器の使用電力を測定し、使用電力情報を生成する機能を有する電源タップと、
前記通信ネットワークに接続された機器操作信号発生装置とを備え、
前記電源タップは、前記電源タップに接続された少なくとも1台の家電機器について、前記電源タップにより測定された当該家電機器の使用電力に基づいて電源関連のイベントを発生し、
前記サーバは、
前記電源タップに接続された少なくとも1台の家電機器について、当該家電機器の使用電力に基づいて判定された所定の電源状態の判定結果に基づいて電源関連の第1種のイベントと、リモコンを備えた少なくとも1台の家電機器からのリモコン操作に応じて発生したリモコンコマンドとしての第2種のイベントを受領し、前記第1種および第2種のイベントに基づいて、前記トリガルールのトリガ条件が満たされたか否かを判定するとともに、前記トリガ条件が満たされたトリガルールに定められたアクションを当該家電機器に対して指示するよう前記機器操作信号発生装置に指示する
ことを特徴とする家電機器制御システム。