特開2015-205712(P2015-205712A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-205712流体容器装着アダプタ及び多段ヒンジ構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-205712(P2015-205712A)
(43)【公開日】2015年11月19日
(54)【発明の名称】流体容器装着アダプタ及び多段ヒンジ構造
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20151023BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20151023BHJP
【FI】
   B67D3/00 J
   B65D77/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-87650(P2014-87650)
(22)【出願日】2014年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】510202167
【氏名又は名称】Next Innovation合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】道脇 裕
【テーマコード(参考)】
3E067
3E082
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA02C
3E067BA11B
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC06B
3E067BC06C
3E067EA20
3E067EC08
3E067EE11
3E067FA04
3E067FB15
3E067FC01
3E067GD10
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082FF05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流体容器を収納して容易に移動させる。
【解決手段】開口部を有し、流体を収容する流体容器が収納される本体部10と、本体部10の長さ方向の一側面10aに形成され、本体部10に収納される流体容器の口部を外部に露出させる露出口12と、本体部10の流体容器を収納するための開口部を開閉する蓋部20と、蓋部20に設けられた蓋取手部31,32と、本体部10の下面に設けられた本体取手部とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を収容する流体容器を収納し得、上記流体容器を出し入れ可能とする開口部と、収納された上記流体容器の一部を外部に露出させ得る、上記開口部の成す開口面に対して異なる角度の開口面となるように設けられる露出口と、第一の取手部と、を有する本体部と、
上記本体部に設けられ、上記開口部を開閉し得、第二の取手部を有する蓋部と、
を備えることを特徴とする流体容器装着アダプタ。
【請求項2】
前記開口部の成す開口面に対する前記露出口の成す開口面の設定角度が略直角であることを特徴とする請求項1に記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項3】
前記蓋部は、前記本体部における、前記露出口に直交し且つ対向する各側面にそれぞれ対向して設けられ、観音開き式に開閉可能な一対の蓋半体で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項4】
前記第一の取手部と、前記第二の取手部とは、把持可能に延設されて成る把持部と該把持部の両端からそれぞれ該把持部に対して略直交して延設される基端部とを有して略コ字形に形成され、それぞれ互いに略直交した向きで設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項5】
前記第二の取手部は、一対を成す前記蓋半体のそれぞれに一つずつ設けられることを特徴とする請求項3に記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項6】
前記第二の取手部は、一対を成す前記蓋半体同士の境界部に沿って設けられることを特徴とする請求項3又は5に記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項7】
一対を成す前記蓋半体は、前記開口部の閉蓋時において、互いに嵌合し得て着脱自在に構成される嵌合部を有することを特徴とする請求項3に記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項8】
前記流体容器は口部を有し、上記口部を前記露出口に嵌込可能に構成され、前記蓋部には前記露出口に嵌め込まれた上記口部を、指示し且つ位置決めして保持する位置決め部が設けられることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項9】
前記第一の取手部及び/又は前記第二の取手部は、前記本体部及び/又は前記蓋部に設けられている前記基端部に、それぞれ回動自在に構成された多段のヒンジ部を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項10】
前記第一の取手部及び/又は前記第二の取手部は、前記本体部及び/又は前記蓋部に設けられている前記基端部に、回動自在に構成されたヒンジ部を有し、上記ヒンジ部は、基端部の延設直角方向に対して傾斜して設けられることを特徴とする請求項4乃至9の何れかに記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項11】
前記第二の取手部は、前記蓋部に設けられている前記基端部に、回動自在に構成されたヒンジ部を有し、上記ヒンジ部は、前記基端部の延設直角方向に対して傾斜して設けられる第一ヒンジ部と、上記第一ヒンジ部に対して略直交して設けられる第二ヒンジ部とから構成されることを特徴とする請求項4乃至9の何れかに記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項12】
前記第二の取手部は、前記蓋部に設けられている前記基端部のうち、前記露出口に近い側の前記基端部の延設長さが他方の前記基端部の延設長さよりも短く設定されることを特徴とする請求項4乃至11の何れかに記載の流体容器装着アダプタ。
【請求項13】
それぞれ独立に回動可能なヒンジ部が接近して複数段形成されて構成されることを特徴とする多段ヒンジ構造。
【請求項14】
互いに接近して設けられるヒンジ部の回転軸間の相対傾斜角が0°より大きく設定されて構成されることを特徴とする請求項13に記載の多段ヒンジ構造。
【請求項15】
互いに接近して設けられる一対のヒンジ部の回転軸間の相対傾斜角が略直角に設定されて構成されることを特徴とする請求項13又は14に記載の多段ヒンジ構造。
【請求項16】
ヒンジ連結される基部と、該基部から延設される回動部とから成るヒンジ連結部において、ヒンジ部が上記回動部の延設直角方向に対して傾斜した回転軸を有することを特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の多段ヒンジ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料等の流体を収容する流体容器を収納し得、装着対象に対して高精度且つ確実に位置決め装着可能とする流体容器装着アダプタ及び多段ヒンジ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
給液装置の一種であるウォータサーバは、例えば、水を収容する流体容器がサーバ本体の上側等に設けられた容器装着部に装着されると、流体容器からサーバ本体内の貯留容器に流体が流下されて貯留され、貯留容器で加熱又は冷却された後に、その流体が吐出孔から吐出される(例えば特許文献1〜3参照。)。
【0003】
このような給液装置において、ユーザは、満水の流体容器を容器装着部にセットするとき、流体容器を、口部が例えば下方を向くように回転させる等して容器装着部に対向するように回転させた後に上方の容器装着部まで持ち上げる等して、移動させる必要がある。このような満水の流体容器を容器装着部にセットする作業は、重量によっては大変な作業となる。更に、流体容器が可撓性を有する容器である場合には、容器の形状が変形するので把持し難く、より一層大変な作業となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−108277号公報
【特許文献2】特開2011−46446号公報
【特許文献3】特開2011−102146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、流体容器を収納することが出来ると共に、容易に移動させることが出来る流体容器装着アダプタ及び多段ヒンジ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る流体容器装着アダプタは、流体を収容する流体容器を収納し得、上記流体容器を出し入れ可能とする開口部と、収納された上記流体容器の一部を外部に露出させ得る、上記開口部の成す開口面に対して異なる角度の開口面となるように設けられる露出口と、第一の取手部と、を有する本体部と、上記本体部に設けられ、上記開口部を開閉し得、第二の取手部を有する蓋部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記開口部の成す開口面に対する前記露出口の成す開口面の設定角度が略直角であることを特徴とする。
【0008】
また、前記蓋部は、前記本体部における、前記露出口に直交し且つ対向する各側面にそれぞれ対向して設けられ、観音開き式に開閉可能な一対の蓋半体で構成されることを特徴とする。
【0009】
また、前記第一の取手部と、第二の取手部とは、把持可能に延設されて成る把持部と該把持部の両端からそれぞれ該把持部に対して略直交して延設される基端部とを有して略コ字形に形成され、それぞれ互いに略直交した向きで設けられることを特徴とする。
【0010】
また、前記第二の取手部は、一対を成す前記蓋半体のそれぞれに一つずつ設けられることを特徴とする。
【0011】
また、前記第二の取手部は、一対を成す前記蓋半体同士の境界部に沿って設けられることを特徴とする。
【0012】
また、一対を成す前記蓋半体は、前記開口部の閉蓋時において、互いに嵌合し得て着脱自在に構成される嵌合部を有することを特徴とする。
【0013】
また、流体容器は口部を有し、上記口部を前記露出口に嵌込可能に構成され、前記蓋部には前記露出口に嵌め込まれた上記口部を、指示し且つ位置決めして保持する位置決め部が設けられることを特徴とする。
【0014】
また、前記第一の取手部及び/又は前記第二の取手部は、前記本体部及び/又は前記蓋部に設けられている前記基端部に、それぞれ回動自在に構成された多段のヒンジ部を有することを特徴とする。
【0015】
また、前記第一の取手部及び/又は前記第二の取手部は、前記本体部及び/又は前記蓋部に設けられている前記基端部に、回動自在に構成されたヒンジ部を有し、上記ヒンジ部は、基端部の延設直角方向に対して傾斜して設けられることを特徴とする。
【0016】
また、前記第二の取手部は、前記蓋部に設けられている前記基端部に、回動自在に構成されたヒンジ部を有し、上記ヒンジ部は、前記基端部の延設直角方向に対して傾斜して設けられる第一ヒンジ部と、上記第一ヒンジ部に対して略直交して設けられる第二ヒンジ部とから構成されることを特徴とする。
【0017】
また、前記第二の取手部は、前記蓋部に設けられている前記基端部のうち、前記露出口に近い側の前記基端部の延設長さが他方の前記基端部の延設長さよりも短く設定されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る多段ヒンジ構造は、それぞれ独立に回動可能なヒンジ部が接近して複数段形成されて構成されることを特徴とする。
【0019】
また、互いに接近して設けられるヒンジ部の回転軸間の相対傾斜角が0°より大きく設定されて構成されることを特徴とする。
【0020】
また、互いに接近して設けられる一対のヒンジ部の回転軸間の相対傾斜角が略直角に設定されて構成されることを特徴とする。
【0021】
また、ヒンジ連結される基部と、該基部から延設される回動部とから成るヒンジ連結部において、ヒンジ部が上記回動部の延設直角方向に対して傾斜した回転軸を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、本体部の開口部から口部が露出口に挿通された状態で流体容器が本体部内に配設され、次いで、蓋部によって本体部の開口部が閉塞されることで、本体部内に流体容器を収納することが出来る。更に、本発明によれば、蓋部に蓋取手部が設けられ、本体部の下面に本体取手部が設けられているので、流体容器を容器装着部に装着するとき、流体容器を、容易に、口部が容器装着部に対向するように回転させて容器装着部まで持ち上げて移動させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】流体容器を示した斜視図である。
図2】開口部が開口された状態の流体容器装着アダプタを示した前方上方斜視図である。
図3】開口部が開口された流体容器装着アダプタを示した平面図である。
図4】開口部が閉塞された流体容器装着アダプタを示した前方上方斜視図である。
図5】係合凸部を示した斜視図である。
図6】開口部が開口された流体容器装着アダプタを示した底面図である。
図7】係合凹部を示した斜視図である。
図8】開口部が閉塞された流体容器装着アダプタを示した前方下方斜視図である。
図9】第一上部取手部及び第二上部取手部を示した正面断面図である。
図10】第一上部取手部及び第二上部取手部を示した斜視断面図である。
図11】流体容器装着アダプタの変形例を示した平面図である。
図12】流体容器装着アダプタの変形例を示した底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を適用した流体容器装着アダプタについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0025】
先ず、本発明を適用した流体容器装着アダプタに収納される流体容器100について説明する。
【0026】
この流体容器100は、図1に示すように、例えば、ミネラルウォータ等の流体を貯留する容器であって、先端に口部101が設けられており、この口部101がキャップ102で閉塞されている。そして、流体容器100は、先ず、例えば、流体容器装着アダプタ1に収納される。次いで、流体容器100は、ユーザ等によって口部101が下方を向くように回転される等して、ウォータサーバ等の給液装置の容器装着部に対向するように回転される。次いで、流体容器100は、口部101を下方に向けたまま、容器装着部まで持ち上げられる等して、給液装置に着脱可能に装着される。
【0027】
具体的に、流体容器100は、可撓性を有し、容量が可変の可撓性容器であって、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等の合成樹脂材料でブロー成形等によって成形されている。また、これらの合成樹脂シートを用いて製袋した容器であっても良い。更に、合成樹脂シートを用いる場合には、このシートは、同種又は異種の複数のシートの積層シートであっても良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の積層シートを用いることが出来る。また、複数枚の樹脂シートを重ね合わせて製袋したものであっても良い。この際、流体を水とする場合には、水と接する面は、臭いの発生しにくい素材を選択することが望ましい。また、キャップ102は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を成形してなる。
【0028】
なお、この流体容器100には、流体として、水、ミネラルウォータ等の他に、ジュース、コーヒー、紅茶などの清涼飲料、酒類、醤油、みりん、ドレッシング、味噌などの流体調味料、みそ汁やコーンスープなどの流体料理等を含む飲食料や、工業品等の流体、粘性流体、ゲル状体、スラリー状体などを収容することが出来る。
【0029】
更に、この流体容器100は、容量が可変の可撓性容器に限定されるものではなく、例えば合成樹脂材料をブロー成形等によって成形して成る容量が可変でないハード容器であっても良い。
【0030】
次に、上述した流体容器100を収納する流体容器装着アダプタ1について説明する。
【0031】
図2に示すように、流体容器装着アダプタ1は、流体容器100が収納される上面開口の箱状の本体部10と、本体部10の開口部を開閉する蓋部20とを備えている。
【0032】
本体部10は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂で設けられ、上面開口の箱状に形成されている。具体的に、本体部10は、長さ方向の前面10aと後面10b、幅方向の左側面10cと右側面10d、高さ方向の下面10eとで構成されている。更に、本体部10には、本体部10の強度を高めるために、左側面10cと下面10eと右側面10dとに亘って設けられた凸状又は凹状のリブ部11が長さ方向に所定の間隔をあけて複数個形成されている。
【0033】
また、図2に示すように、前面10aには、本体部10の内部に収納される流体容器100の口部101を外部に露出させる露出口12が形成されている。この露出口12は、例えばU字状に開口されて、本体部10の開口部と連設されている。更に、露出口12は、幅方向の大きさが流体容器100の口部101よりも大きく設けられている。従って、本体部10には、口部101を露出口12に挿通させると共にキャップ102を外部に露出させた状態で、流体容器100が収納される。
【0034】
また、図2に示すように、本体部10には、開口部を開閉する蓋部20が設けられている。更に、蓋部20は、本体部10と同様に、ポリプロピレン等の合成樹脂で設けられている。具体的に、蓋部20は、左側面10cに第一蓋ヒンジ部21を介して回動自在に設けられた第一蓋半体22と、右側面10dに第二蓋ヒンジ部23を介して回動自在に設けられた第二蓋半体24とで構成されている。すなわち、第一蓋半体22及び第二蓋半体24は、観音開き式に本体部10の開口部を開閉する。
【0035】
第一蓋半体22は、例えば、下面及び右側面が開口された箱状に形成されている。具体的に、第一蓋半体22は、前面22aと後面22bと左側面22cと上面22fとで構成されている。更に、第一蓋半体22は、幅方向の長さが本体部10の幅方向の長さの約半分程度に設けられている。更に、図3に示すように、第一蓋半体22には、強度を高めるために、左側面22cと上面22fとに亘って設けられた凸状又は凹状のリブ部25が長さ方向に所定の間隔をあけて複数個形成されている。なお、第一蓋半体22は、一つの第一蓋ヒンジ部21を介して左側面10cに設けられるようにしても良く、二つの第一蓋ヒンジ部21から成る二段ヒンジ部を介して左側面10cに設けられるようにしても良い。
【0036】
第二蓋半体24は、図2に示すように、例えば、下面及び左側面が開口された箱状に形成されている。具体的に、第二蓋半体24は、前面24aと後面24bと右側面24dと上面24fとで構成されている。更に、第二蓋半体24は、幅方向の長さが本体部10の幅方向の長さの約半分程度に設けられている。すなわち、第一蓋半体22と第二蓋半体24とを合わせた幅方向の長さが本体部10の幅方向の長さと略同じ長さとなる。更に、第二蓋半体24には、強度を高めるために、右側面24dと上面24fとに亘って凸状又は凹状のリブ部26が長さ方向に所定の間隔をあけて複数個形成されている。なお、第二蓋半体24は、一つの第二蓋ヒンジ部23を介して右側面10dに設けられるようにしても良く、二つの第二蓋ヒンジ部23から成る二段ヒンジ部を介して右側面10dに設けられるようにしても良い。
【0037】
また、図2に示すように、第二蓋半体24には、係合凸部27が設けられ、第一蓋半体22には、係合凸部27が係合される係合凹部28が設けられている。この係合凸部27は、図4に示すように、第一蓋半体22と第二蓋半体24とが本体部10の開口部を閉塞する際に係合凹部28に係合されることで、第一蓋半体22と第二蓋半体24とが簡単に開かないようにロックする。
【0038】
具体的に、図5に示すように、係合凸部27は、上面24fの幅方向の端部から幅方向に突出した突出片27aと、第二蓋半体24が本体部10の開口部を閉塞した際に開口部側となる突出片27aの裏面から面方向に突出した段差部27bと、段差部27bの幅方向の先端部に幅方向に突出した係合部27cと、係合部27cが幅方向に変形し易くするために、段差部27bに長さ方向に形成されたスリット27dとで構成されている。突出片27aは、例えば略矩形状に形成されている。段差部27bは、例えば幅方向は突出片27aと面一となるが長さ方向は突出片27aよりも一回り小さな矩形状に形成されている。係合部27cは、例えば円弧状に形成されている。スリット27dは、例えば長孔状に形成されている。そして、図4に示すように、係合凸部27は、第一蓋半体22と第二蓋半体24とが本体部10の開口部を閉塞する際に、第一蓋半体22の係合凹部28に収納されて係合される。
【0039】
係合凹部28は、図6及び図7に示すように、上面22fの幅方向の端部に形成され、第二蓋半体24の段差部27bが収納される収納貫通部28aと、上面22fの外部側の表面の収納貫通部28aの周囲に形成され、第二蓋半体24の突出片27aが収納される凹状の収納凹部28bと、上面22fの内部側の裏面の収納貫通部28aの周囲に形成され、第二蓋半体24の係合部27cが係合される凹状の被係合部28cとで構成されている。収納貫通部28aは、例えば第二蓋半体24の段差部27bと略同じ形状同じ大きさの略矩形状の貫通口である。収納凹部28bは、例えば第二蓋半体24の突出片27aとほぼ同じ形状同じ大きさの略矩形状の凹部である。更に、収納凹部28bは、突出片27aが収納された際に突出片27aと上面22fとが面一となるように設けられている。被係合部28cは、係合部27cと同様に、例えば円弧状の凹部である。そして、図4に示すように、係合凹部28は、第一蓋半体22と第二蓋半体24とが本体部10の開口部を閉塞する際に、第二蓋半体24の係合凸部27が収納されて係合される。更に、係合凹部28は、突出片27aが収納された際に突出片27aと上面22fとが面一となるように設けられているので、例えば流体容器100を容器装着部に装着した後に流体容器装着アダプタ1を覆う保護カバー等を取り付ける際に、保護カバーが引っ掛かり難く作業性が良く、更に、保護カバーを小型化することが出来る。
【0040】
なお、第二蓋半体24に係合凸部27が設けられ、第一蓋半体22に係合凹部28が設けられることに限定されるものではなく、第二蓋半体24に係合凹部28が設けられ、第一蓋半体22に係合凸部27が設けられるようにしても良い。
【0041】
また、突出片27a、段差部27b、係合部27c、スリット27d、収納貫通部28a、収納凹部28b、被係合部28cは、上記形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0042】
また、図4に示すように、第一蓋半体22の前面22aには、第一蓋半体22が本体部10の開口部を閉塞する際に、流体容器100の口部101を位置決めする第一位置決め部29が設けられている。更に、第二蓋半体24の前面24aには、第二蓋半体24が本体部10の開口部を閉塞する際に、流体容器100の口部101を位置決めする第二位置決め部30が設けられている。
【0043】
第一位置決め部29は、第一蓋半体22の前面22aの高さ方向の下端から下方に突設されている。更に、第一位置決め部29は、第一蓋半体22が本体部10の開口部を閉塞する際に、露出口12に挿入されて、露出口12に挿通されている流体容器100の口部101を押圧する。更に、第一位置決め部29の先端は、流体容器100の口部101に密接して流体容器100の口部101を均一に押圧するために、流体容器100の口部101の形状に対応するように湾曲形成されている。
【0044】
第二位置決め部30は、第二蓋半体24の前面24aの高さ方向の下端から下方に突設されている。更に、第二位置決め部30は、第二蓋半体24が本体部10の開口部を閉塞する際に、露出口12に挿入されて、露出口12に挿通されている流体容器100の口部101を押圧する。更に、第二位置決め部30の先端は、流体容器100の口部101に密接して流体容器100の口部101を均一に押圧するために、流体容器100の口部101の形状に対応するように湾曲形成されている。
【0045】
従って、第一蓋半体22と第二蓋半体24とが本体部10の開口部を閉塞する際には、第一位置決め部29及び第二位置決め部30が露出口12に挿通されて既に露出口12に挿通されている流体容器100の口部101を押圧することで、流体容器100の口部101を位置決めする。なお、第一位置決め部29及び第二位置決め部30は、流体容器100の口部101に形成された溝部に嵌合しつつ押圧するようにしても良い。これにより、第一位置決め部29及び第二位置決め部30は、より確実に位置決めすることが出来る。更に、第一位置決め部29及び第二位置決め部30は、流体容器100の口部101を押圧することに限定されるものではなく、流体容器100の口部101との間に隙間を設けるようにしても良い。
【0046】
また、図4に示すように、第一蓋半体22の上面22fには、流体容器装着アダプタ1を移動させる際に把持される第一蓋取手部31が設けられている。更に、第二蓋半体24の上面24fには、第一蓋取手部31と共に、流体容器装着アダプタ1を移動させる際に把持される第二蓋取手部32が設けられている。
【0047】
第一蓋取手部31は、図3に示すように、略コ字状又は略U字状に形成され、上面22fに長さ方向に向けて把持ヒンジ部33を介して回動自在に設けられている。更に、第一蓋取手部31は、流体容器100を収納した際の流体容器装着アダプタ1の重心よりも後面22b側に設けるようにすることが好ましい。
【0048】
また、第一蓋取手部31には、例えば凸状の把持係合部34が形成されている。この把持係合部34は、例えば第一蓋取手部31の把持部31aに外側に向けて突設された凸部であって、円弧状等に形成されている。更に、第一蓋半体22の上面22fには、第一蓋取手部31が収納可能な把持収納貫通部35が形成されている。この把持収納貫通部35は、例えば、第一蓋取手部31と同じ形状同じ大きさに形成された貫通口であり、ここでは第一蓋取手部31と同様に略コ字状又は略U字状等に形成されている。
【0049】
更に、上面22fの裏面側の把持収納貫通部35の周囲には、第一蓋取手部31が把持収納貫通部35に収納された際に把持係合部34に対応する位置に、把持係合部34と係合する凹状の把持収納係合部36が形成されている。この把持収納係合部36は、例えば、把持係合部34と同じ形状同じ大きさに形成され、ここでは把持係合部34と同様に円弧状等に形成されている。なお、把持係合部34及び把持収納係合部36は、円弧状であることに限定されるものではなく、係合可能であれば如何なる形状であっても良い。
【0050】
そして、把持係合部34は、第一蓋取手部31が把持収納貫通部35に収納された際に、把持収納係合部36に係合されることで、第一蓋取手部31を把持収納貫通部35内に保持する。その一方で、把持係合部34は、把持収納貫通部35の周囲に形成された把持取出貫通部37からユーザ等によって第一蓋取手部31が把持されて上面22fから離間する方向に所定の押圧力以上で回動されると、把持収納係合部36との係合状態を解除する。
【0051】
更に、第一蓋取手部31の把持部31aは、第一蓋取手部31が把持収納貫通部35に収納された際に、後面22b側が前面22a側よりも左側面22cに近接するように、長さ方向に対して傾斜して設けられている。従って、ユーザは、第一蓋取手部31を把持する際には第一蓋取手部31の把持部31aを手の平で受けることが出来るので、把持し易く、流体容器装着アダプタ1を移動させ易い。
【0052】
また、把持ヒンジ部33は、第一ヒンジ部33aと第二ヒンジ部33bとで構成されている。第一ヒンジ部33aは、前面22aから後面22bに向かうに連れて第一蓋取手部31に近接するように、長さ方向に対して傾斜して設けられている。第二ヒンジ部33bは、第一ヒンジ部33aの後面22b側の端部で交わり、第一ヒンジ部33aと略直交するように設けられている。すなわち、第二ヒンジ部33bは、前面22aから後面22bに向かうに連れて第一蓋取手部31から離間するように、長さ方向に対して傾斜して設けられている。
【0053】
従って、第一蓋取手部31は、図4に示すように、直交する第一ヒンジ部33a及び第二ヒンジ部33bをそれぞれ上面22fから離間するように外部側(谷折り)に折ることで、長さ方向に略平行で上面22fに対して略直交するように設けることが出来る。
【0054】
更に、第一蓋取手部31は、前面22a側の第一ヒンジ部33aが流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に下側となる前面22aから上側となる後面22bに向かうに連れて第一蓋取手部31に近接するように長さ方向に対して傾斜して設けられているので、ユーザが前面22aを下方に向けて第一蓋取手部31を持って流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に、前面22a側の第一ヒンジ部33aが、長さ方向に平行に設けられている場合又は長さ方向に対して左側面22cから離間するように長さ方向に対して傾斜して設けられている場合よりも、切れ難く裂け難い。更に、第一蓋取手部31は、前面22a側の第一ヒンジ部33aと後面22b側の第一ヒンジ部33aとが共に同じ形状で設けられているので、前面22a側の第一ヒンジ部33aと後面22b側の第一ヒンジ部33aとに分散して負荷がかかり、切れ難く裂け難い。
【0055】
第二蓋取手部32は、図3に示すように、略コ字状又は略U字状に形成され、上面24fに長さ方向に向けて把持ヒンジ部38を介して回動自在に設けられている。更に、第二蓋取手部32は、流体容器100を収納した際の流体容器装着アダプタ1の重心よりも後面24b側に設けるようにすることが好ましい。
【0056】
また、第二蓋取手部32には、例えば凸状の把持係合部39が形成されている。この把持係合部39は、例えば第二蓋取手部32の把持部32aに外側に向けて突設された凸部であって、円弧状等に形成されている。更に、第二蓋半体24の上面24fには、第二蓋取手部32が収納可能な把持収納貫通部40が形成されている。この把持収納貫通部40は、例えば、第二蓋取手部32と同じ形状同じ大きさに形成された貫通口であり、ここでは第二蓋取手部32と同様に略コ字状又は略U字状等に形成されている。
【0057】
更に、上面24fの裏面側の把持収納貫通部40の周囲には、第二蓋取手部32が把持収納貫通部40に収納された際に把持係合部39に対応する位置に、把持係合部39と係合する凹状の把持収納係合部41が形成されている。この把持収納係合部41は、例えば、把持係合部39とほぼ同じ形状同じ大きさに形成され、ここでは把持係合部39と同様に略円弧状等に形成されている。
【0058】
そして、把持係合部39は、第二蓋取手部32が把持収納貫通部40に収納された際に、把持収納係合部41に係合されることで、第二蓋取手部32を把持収納貫通部40内に保持する。その一方で、把持係合部39は、把持収納貫通部40の周囲に形成された把持取出貫通部42からユーザ等によって第二蓋取手部32が把持されて上面24fから離間する方向に所定の押圧力以上で回動されると、把持収納係合部41との係合状態を解除する。
【0059】
更に、第二蓋取手部32の把持部32aは、第二蓋取手部32が把持収納貫通部40に収納された際に、後面24b側が前面24a側よりも右側面24dに近接するように、長さ方向に対して傾斜して設けられている。従って、ユーザは、第二蓋取手部32を把持する際には第二蓋取手部32の把持部32aを手の平で受けることが出来るので、把持し易く、流体容器装着アダプタ1を移動させ易い。
【0060】
また、把持ヒンジ部38は、第一ヒンジ部38aと第二ヒンジ部38bとで構成されている。第一ヒンジ部38aは、前面24aから後面24bに向かうに連れて第二蓋取手部32に近接するように、長さ方向に対して傾斜して設けられている。第二ヒンジ部38bは、第一ヒンジ部38aの後面24b側の端部で交わり、第一ヒンジ部38aと略直交するように設けられている。すなわち、第二ヒンジ部38bは、前面24aから後面24bに向かうに連れて第二蓋取手部32から離間するように、長さ方向に対して傾斜して設けられている。
【0061】
従って、図4に示すように、第二蓋取手部32は、直交する第一ヒンジ部38a及び第二ヒンジ部38bをそれぞれ上面24fから離間するように外部側(谷折り)に折ることで、長さ方向に略平行で上面24fに対して略直交するように設けることが出来る。
【0062】
更に、第二蓋取手部32は、前面24a側の第一ヒンジ部38aが流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に下側となる前面24aから上側となる後面24bに向かうに連れて第二蓋取手部32に近接するように長さ方向に対して傾斜して設けられているので、ユーザが前面22aを下方に向けて第二蓋取手部32を持って流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に、前面24a側の第一ヒンジ部38aが、長さ方向に平行に設けられている場合又は長さ方向に対して右側面24dから離間するように長さ方向に対して傾斜して設けられている場合よりも、切れ難く裂け難い。更に、第二蓋取手部32は、前面24a側の第一ヒンジ部38aと後面24b側の第一ヒンジ部38aとが共に同じ形状で設けられているので、前面24a側の第一ヒンジ部38aと後面24b側の第一ヒンジ部38aとに分散して負荷がかかり、切れ難く裂け難い。
【0063】
また、図8に示すように、本体部10の下面10eには、流体容器装着アダプタ1を移動させる際に把持される本体取手部50が設けられている。この本体取手部50は、略コ字状又は略U字状に形成され、下面10eに幅方向に向けて幅方向に平行な把持ヒンジ部51を介して回動自在に設けられている。すなわち、本体取手部50は、第一蓋取手部31及び第二蓋取手部32と直交するように設けられている。
【0064】
また、図3に示すように、本体取手部50には、例えば凸状の把持係合部52が形成されている。この把持係合部52は、例えば本体取手部50の把持部50aに外側に向けて突設された凸部であって、円弧状等に形成されている。更に、本体部10の下面10eには、本体取手部50が収納可能な把持収納貫通部53が形成されている。この把持収納貫通部53は、例えば、本体取手部50と同じ形状同じ大きさに形成された貫通口であり、ここでは本体取手部50と同様に略コ字状又は略U字状等に形成されている。
【0065】
更に、下面10eの裏面側の把持収納貫通部53の周囲には、本体取手部50が把持収納貫通部53に収納された際に把持係合部52に対応する位置に、把持係合部52と係合する凹状の把持収納係合部54が形成されている。この把持収納係合部54は、例えば、把持係合部52とほぼ同じ形状同じ大きさに形成され、ここでは把持係合部52と同様に円弧状等に形成されている。なお、把持係合部52及び把持収納係合部54は、略円弧状であることに限定されるものではなく、係合可能であれば如何なる形状であっても良い。
【0066】
そして、把持収納係合部54は、本体取手部50が把持収納貫通部53に収納された際に把持係合部52に係合されることで、本体取手部50を把持収納貫通部53内に保持する。その一方で、把持収納係合部54は、把持収納貫通部53の周囲に形成された把持取出貫通部55からユーザ等によって本体取手部50が把持されて下面10eから離間する方向に所定の押圧力以上で回動されると、把持係合部52との係合状態を解除する。
【0067】
以上のような構成を有する流体容器装着アダプタ1は、射出成形等によって一体成形されて形成される。
【0068】
ここで、第一蓋半体22では、第一蓋取手部31が把持収納貫通部35に収納された際に把持係合部34と把持収納係合部36とが係合される。すなわち、第一蓋取手部31が把持収納貫通部35に収納された状態では、把持係合部34と把持収納係合部36との間に平面視で重複する箇所(以下、重複部)が生じ、このままでは、第一蓋取手部31は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することは出来ない。従って、第一蓋取手部31の初期形状を、第一蓋取手部31が把持収納貫通部35に収納された状態で設けるのではなく、図7図9図10に示すように、折目33cを中心に第一蓋取手部31を上面22fから離間するように上面22fに対して所定の角度外側に折り曲げて、図3に示すように、把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無いように設ける。この折目33cは、第一ヒンジ部33aと第二ヒンジ部33bとの交点から長さ方向に向けて設けられている。
【0069】
これにより、図3に示すように、第一蓋取手部31は、初期形状時においては把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無いので、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来る。更に、第一蓋取手部31は、初期形状時に上面22fに対して所定の角度を有するように形成されているので、初期形状時において把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無い状態としつつも、折目33cから先端部までの長さが折目33cから把持収納係合部36までの長さと略同じ長さとすることが出来る。従って、第一蓋取手部31は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来、把持収納貫通部35に収納させて、把持係合部34と把持収納係合部36とを係合させることが出来る。
【0070】
同様に、第二蓋半体24では、第二蓋取手部32が把持収納貫通部40に収納された際に把持係合部39と把持収納係合部41とが係合される。すなわち、第二蓋取手部32が把持収納貫通部40に収納された状態では、把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が生じ、このままでは、第二蓋取手部32は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することは出来ない。従って、第二蓋取手部32の初期形状を、第二蓋取手部32が把持収納貫通部40に収納された状態で設けるのではなく、図5図9図10に示すように、折目38cを中心に第二蓋取手部32を上面24fから離間するように上面24fに対して所定の角度外側に折り曲げて、図3に示すように、把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が無いように設ける。この折目38cは、第一ヒンジ部38aと第二ヒンジ部38bとの交点から長さ方向に向けて設けられている。
【0071】
これにより、図3に示すように、第二蓋取手部32は、初期形状時においては把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が無いので、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来る。更に、第二蓋取手部32は、初期形状時に上面24fに対して所定の角度を有するように形成されているので、初期形状時において把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が無い状態としつつも、折目38cから先端部までの長さが折目38cから把持収納係合部41までの長さと略同じ長さとすることが出来る。従って、第二蓋取手部32は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来、把持収納貫通部40に収納させて、把持係合部39と把持収納係合部41とを係合させることが出来る。
【0072】
また、本体部10の下面10eでは、本体取手部50が把持収納貫通部53に収納された際に、把持係合部52と把持収納係合部54とが係合される。すなわち、本体取手部50が把持収納貫通部53に収納された状態では、把持係合部52と把持収納係合部54との間に重複部を生じ、このままでは、本体取手部50は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することは出来ない。従って、本体取手部50の初期形状を、本体取手部50が把持収納貫通部53に収納された状態で設けるのではなく、把持ヒンジ部51を介して本体取手部50を下面10eから離間するように下面10eに対して所定の角度外側に折り曲げて、把持係合部52と把持収納係合部54との間に重複部が無いように設ける。
【0073】
これにより、本体取手部50は、初期形状時においては把持係合部52と把持収納係合部54との間に重複部が無いので、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来る。更に、本体取手部50は、初期形状時に下面10eに対して所定の角度を有するように形成されているので、初期形状時において把持係合部52と把持収納係合部54との間に重複部が無い状態としつつも、把持ヒンジ部51から先端部までの長さが把持ヒンジ部51から把持収納係合部54までの長さと略同じ長さとすることが出来る。従って、本体取手部50は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来、把持収納貫通部53に収納させて、把持係合部52と把持収納係合部54とを係合させることが出来る。
【0074】
次に、流体容器装着アダプタ1に流体容器100を収納して、給液装置に装着されるまでの一連の動きについて説明する。
【0075】
先ず、流体容器装着アダプタ1は、第一蓋半体22及び第二蓋半体24が外側に回動されて、本体部10の開口部が開口された状態で床等に載置される。この際、流体容器装着アダプタ1は、本体部10の下面10eと床とが接触するように、横に倒した状態で床に載置される。
【0076】
次いで、流体容器装着アダプタ1は、口部101が露出口12に挿通されると共にキャップ102が外部に露出された状態で、満水の流体容器100が本体部10内に収納される。
【0077】
次いで、流体容器装着アダプタ1は、第一蓋半体22及び第二蓋半体24が内側に回動されて、本体部10の開口部が閉塞される。次いで、流体容器装着アダプタ1は、段差部27bが収納貫通部28aに収納され、突出片27aが収納凹部28bに収納され、係合部27cが被係合部28cに係合されて、係合凸部27が係合凹部28に収納されつつ係合される。この際、流体容器装着アダプタ1は、第一位置決め部29及び第二位置決め部30が露出口12に挿通されて既に露出口12に挿通されている流体容器100の口部101を押圧する等して、流体容器100の口部101を位置決めする。
【0078】
以上のようにして、流体容器装着アダプタ1に流体容器100が収納される。
【0079】
次いで、流体容器100が収納された流体容器装着アダプタ1は、ユーザ等よって第一蓋取手部31及び第二蓋取手部32が把持される。そして、流体容器装着アダプタ1は、本体部10の下面10eと前面10aとの間の角部を中心にして、本体部10の後面10b側が傾けるようにして引き起こされて、流体容器100の口部101が下方を向くように回転される。
【0080】
次いで、流体容器装着アダプタ1は、ユーザ等の一方の手によって第一蓋取手部31及び第二蓋取手部32が把持された状態で、ユーザ等の他方の手によって本体取手部50が把持されて、流体容器100の口部101が下方を向いた状態で容器装着部まで持ち上げられる。そして、流体容器装着アダプタ1は、給液装置に装着される。
【0081】
以上のようにして、流体容器100が収納された流体容器装着アダプタ1が給液装置に着脱可能に装着される。
【0082】
以上のように、流体容器装着アダプタ1は、本体部10の開口部から口部101が露出口12に挿通されてキャップ102が外部に露出された状態で流体容器100が本体部10内に配設され、次いで、第一蓋半体22及び第二蓋半体24によって本体部10の開口部が閉塞されることで、本体部10内に流体容器100を収納することが出来る。更に、流体容器装着アダプタ1は、第一蓋半体22に第一蓋取手部31が設けられ、第二蓋半体24に第二蓋取手部32が設けられ、本体部10の下面10eに本体取手部50が設けられているので、流体容器100を容器装着部に装着する際に、流体容器100を、簡単に、口部101が下方を向くように回転させる等して口部101が容器装着部に対向するように回転させて容器装着部まで持ち上げることが出来、容易に移動させることが出来る。
【0083】
また、流体容器装着アダプタ1は、第一蓋半体22の第一蓋取手部31及び第二蓋半体24の第二蓋取手部32が本体部10の下面10eの本体取手部50と直交するように長さ方向Xに向けて設けられている。従って、流体容器装着アダプタ1は、例えば横に倒した状態で床等に載置されている流体容器100を、本体部10の下面10eと前面10aとの間の角部を中心にして本体部10の後面10b側だけを持ち上げて、流体容器100の口部101が下方を向くように回転させる際に、把持し易く、持ち上げ易い。
【0084】
また、第一蓋取手部31は、前面22a側の第一ヒンジ部33aが、流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に下側となる前面22aから上側となる後面22bに向かうに連れて第一蓋取手部31に近接するように傾斜して設けられている。従って、流体容器装着アダプタ1は、ユーザが第一蓋取手部31を持って流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に、前面22a側の第一ヒンジ部33aが、長さ方向に平行に設けられている場合又は長さ方向に対して第一蓋取手部31から離間するように傾斜して設けられている場合よりも、切れ難く裂け難い。更に、第二蓋取手部32は、前面24a側の第一ヒンジ部38aが前面24aから後面24bに向かうに連れて第二蓋取手部32に近接するように傾斜して設けられている。従って、流体容器装着アダプタ1は、ユーザが第二蓋取手部32を持って流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に、前面24a側の第一ヒンジ部38aが、長さ方向に平行に設けられている場合又は長さ方向に対して第二蓋取手部32から離間するように傾斜して設けられている場合よりも、切れ難く裂け難い。
【0085】
また、流体容器装着アダプタ1は、第一蓋取手部31の初期形状を、折目33cを中心に第一蓋取手部31を上面22fから離間するように上面22fに対して所定の角度外側に折り曲げて、把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無いように設けられている。これにより、第一蓋取手部31は、初期形状時においては把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無いので、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来る。更に、第一蓋取手部31は、初期形状時に上面22fに対して所定の角度を有するように形成されているので、初期形状時において把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無い状態としつつも、折目33cから先端部までの長さが折目33cから把持収納係合部36までの長さと略同じ長さとすることが出来る。従って、第一蓋取手部31は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来、把持収納貫通部35に収納させて、把持係合部34と把持収納係合部36とを係合させることが出来る。
【0086】
更に、流体容器装着アダプタ1は、第二蓋取手部32の初期形状を、折目38cを中心に第二蓋取手部32を上面24fから離間するように上面24fに対して所定の角度外側に折り曲げて、把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が無いように設けている。これにより、第二蓋取手部32は、初期形状時においては把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が無いので、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来る。更に、第二蓋取手部32は、初期形状時に上面24fに対して所定の角度を有するように形成されているので、初期形状時において把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が無い状態としつつも、折目38cから先端部までの長さが折目38cから把持収納係合部41までの長さと略同じ長さとすることが出来る。従って、第二蓋取手部32は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来、把持収納貫通部40に収納させて、把持係合部39と把持収納係合部41とを係合させることが出来る。
【0087】
更に、流体容器装着アダプタ1は、本体取手部50の初期形状を、把持ヒンジ部51を介して本体取手部50を下面10eから離間するように下面10eに対して所定の角度外側に折り曲げて、把持係合部52と把持収納係合部54との間に重複部が無いように設けている。これにより、本体取手部50は、初期形状時においては把持係合部52と把持収納係合部54との間に重複部が無いので、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来る。更に、本体取手部50は、初期形状時に下面10eに対して所定の角度を有するように形成されているので、初期形状時において把持係合部52と把持収納係合部54との間に重複部が無い状態としつつも、把持ヒンジ部51から先端部までの長さが把持ヒンジ部51から把持収納係合部54までの長さと略同じ長さとすることが出来る。従って、本体取手部50は、他の部材と共に射出成形等によって一体成形することが出来、把持収納貫通部53に収納させて、把持係合部52と把持収納係合部54とを係合させることが出来る。
【0088】
また、流体容器装着アダプタ1は、第一蓋半体22の前面22aに第一位置決め部29が設けられ、第二蓋半体24の前面24aに第二位置決め部30が設けられているので、第一蓋半体22と第二蓋半体24とが本体部10の開口部を閉塞する際、第一位置決め部29及び第二位置決め部30が露出口12に挿通されて既に露出口12に挿通されている流体容器100の口部101を押圧する等して、流体容器100の口部101を位置決めすることが出来る。従って、流体容器装着アダプタ1は、正確且つ確実に、流体容器100を容器装着部に装着することが出来る。
【0089】
なお、流体容器装着アダプタ1は、把持係合部34を、第一蓋取手部31の把持部31aに複数個設けるようにしても良い。更に、流体容器装着アダプタ1は、把持係合部39を、第二蓋取手部32の把持部32aに複数個設けるようにしても良い。更に、流体容器装着アダプタ1は、把持係合部52を、本体取手部50の把持部50aに複数個設けるようにしても良い。
【0090】
また、流体容器装着アダプタ1は、把持係合部34を、第一蓋取手部31の把持部31aの両側の連結部31bに少なくとも一つ設けるようにしても良い。更に、流体容器装着アダプタ1は、把持係合部39を、第二蓋取手部32の把持部32aの両側の連結部32bに少なくとも一つ設けるようにしても良い。更に、流体容器装着アダプタ1は、把持係合部52を、本体取手部50の把持部50aの両側の連結部50bに少なくとも一つ設けるようにしても良い。
【0091】
また、流体容器装着アダプタ1は、図11に示すように、把持係合部34を凹状に形成し、把持収納係合部36を凸状に形成するようにしても良い。更に、流体容器装着アダプタ1は、把持係合部39を凹状に形成し、把持収納係合部41を凸状に形成するようにしても良い。更に、流体容器装着アダプタ1は、図12に示すように、把持係合部52を凹状に形成し、把持収納係合部54を凸状に形成するようにしても良い。
【0092】
また、流体容器装着アダプタ1は、第一蓋取手部31の初期形状において、折目33cを中心に第一蓋取手部31を上面22fから離間するように上面22fに対して所定の角度外側に折り曲げて、把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無いように設けることに限定されるものではなく、図11に示すように、第一蓋取手部31の初期形状において、第一ヒンジ部33aと第二ヒンジ部33bとで構成される把持ヒンジ部33を介して、第一蓋取手部31を上面22fから離間するように上面22fに対して所定の角度外側に折り曲げて、把持係合部34と把持収納係合部36との間に重複部が無いように設けるようにしても良い。更に、流体容器装着アダプタ1は、第二蓋取手部32の初期形状において、第一ヒンジ部38aと第二ヒンジ部38bとで構成される把持ヒンジ部38を介して、第二蓋取手部32を上面24fから離間するように上面24fに対して所定の角度外側に折り曲げて、把持係合部39と把持収納係合部41との間に重複部が無いように設けるようにしても良い。
【0093】
また、流体容器装着アダプタ1は、流体容器100の口部101が下方を向くように回転させて持ち上げられることに限定されるものではなく、流体容器100の口部101が上方を向くように回転させて持ち上げられるようにしても良い。この際、第一蓋取手部31は、後面22b側の第一ヒンジ部33aが後面22bから前面22aに向かうに連れて第一蓋取手部31と近接するように長さ方向に対して傾斜して設けるようにする。同様に、第二蓋取手部32は、後面24b側の第一ヒンジ部38aが後面24bから前面24aに向かうに連れて第二蓋取手部32と近接するように長さ方向に対して傾斜して設けるようにする。すなわち、流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に下側となる第一ヒンジ部33aは、流体容器装着アダプタ1を持ち上げる際に下側となる本体部10の長さ方向の一方の面から上側となる他方の面に向かうに連れて、その蓋取手部に近接するように長さ方向に対して傾斜するように設けるようにする。更に、第一蓋取手部31及び第二蓋取手部32は、流体容器100を収納した際の流体容器装着アダプタ1の重心よりも前面22a,24a側に設けるようにすることが好ましい。
【符号の説明】
【0094】
1 流体容器装着アダプタ、10 本体部、10a 前面、10b 後面、10c 左側面、10d 右側面、10e 下面、11 リブ部、12 露出口、20 蓋部、21 第一蓋ヒンジ部、22 第一蓋半体、22a 前面、22b 後面、22c 左側面、22f 上面、23 第二蓋ヒンジ部、24 第二蓋半体、24a 前面、24b 後面、24d 右側面、24f 上面、25 リブ部、26 リブ部、27 係合凸部、27a 突出片、27b 段差部、27c 係合部、27d スリット、28 係合凹部、28a 収納貫通部、28b 収納凹部、28c 被係合部、29 第一位置決め部、30 第二位置決め部、31 第一蓋取手部、31a 把持部、31b 連結部、32 第二蓋取手部、32a 把持部、32b 連結部、33 把持ヒンジ部、33a 第一ヒンジ部、33b 第二ヒンジ部、33c 折目、34 把持係合部、35 把持収納貫通部、36 把持収納係合部、37 把持取出貫通部、38 把持ヒンジ部、38a 第一ヒンジ部、38b 第二ヒンジ部、38c 折目、39 把持係合部、40 把持収納貫通部、41 把持収納係合部、42 把持取出貫通部、50 本体取手部、50a 把持部、50b 連結部、51 把持ヒンジ部、52 把持係合部、53 把持収納貫通部、54 把持収納係合部、55 把持取出貫通部、100 流体容器、101 口部、102 キャップ
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図12