特開2015-205714(P2015-205714A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-205714(P2015-205714A)
(43)【公開日】2015年11月19日
(54)【発明の名称】計量用キャップ及び容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/26 20060101AFI20151023BHJP
   G01F 19/00 20060101ALI20151023BHJP
【FI】
   B65D41/26
   G01F19/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-87675(P2014-87675)
(22)【出願日】2014年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000106324
【氏名又は名称】サンスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】計量面と液面との境界を容易に視認でき、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる液状物計量用のキャップ及び該キャップを備えた容器を提供することである。
【解決手段】液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップ1であって、頂壁15と、頂壁15の周縁部から下方に延びるように設けられ、容器本体の口部に固定するための嵌合部34を内周面32に設けた側壁16と、側壁16の内周面32と離隔して頂壁15の下面31から下方に突出するように設けられ、キャップ1に注ぎ込んだ液状物の液面との境界をキャップ1の開口部から目視可能な計量面として、少なくとも一部が凹面よりなる計量面を側面36に有する計量用凸部17と、を備えることを特徴とするキャップ1及びキャップ1を備えた容器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、前記容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、
頂壁と、
前記頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、前記容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、
前記側壁の内周面と離隔して前記頂壁の下面から下方に突出するように設けられ、前記キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界を前記キャップの開口部から目視可能な計量面として、少なくとも一部が凹面よりなる計量面を側面に有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【請求項2】
前記計量用凸部の断面積が、その突出方向に連続的に又は段階的に減少する請求項1に記載の計量用キャップ。
【請求項3】
前記計量用凸部の形状が、錐状又は錐台状である請求項2に記載の計量用キャップ。
【請求項4】
前記計量用凸部の形状が錐台状であり、その下面から下方に突出する突出部を有している請求項3に記載の計量用キャップ。
【請求項5】
液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、前記容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、
頂壁と、
前記頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、前記容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、
前記側壁の内周面と離隔して前記頂壁の下面から下方に突出するように設けられ、前記キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界を前記キャップの開口部から目視可能な計量面として、突出方向を軸心にして周回する螺旋面よりなる計量面を下面に有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【請求項6】
前記計量面が、前記計量用凸部の突出方向を軸心にして少なくとも一回転周回する螺旋面からなる請求項5に記載の計量用キャップ。
【請求項7】
液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、前記容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、
頂壁と、
前記頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、前記容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、
前記側壁の内周面と離隔して前記頂壁の下面から下方に柱状に突出するように設けられ、前記キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界を前記キャップの開口部から目視可能な計量面として、少なくとも一部が凹面又は凸面よりなる計量面を下面に有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【請求項8】
液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、前記容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、
頂壁と、
前記頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、前記容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、
前記側壁の内周面と離隔して前記頂壁の下面から下方に突出し、間隔を空けて環状に配置された複数の単位凸部からなり、前記キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界を前記キャップの開口部から目視可能な計量面として、前記複数の単位凸部の下面からなる計量面を有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【請求項9】
液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、前記容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、
頂壁と、
前記頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、前記容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、
前記側壁の内周面と離隔して前記頂壁の下面から下方に突出し、突出方向を軸心にしてその周りに放射状に配置された複数の板状の翼部からなり、前記キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界を前記キャップの開口部から目視可能な計量面として、前記複数の翼部の平面視放射状の下面からなる計量面を有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【請求項10】
前記翼部の突出方向寸法が、前記側壁の内周面に向けて連続的に又は段階的に減少又は増加する請求項9に記載の計量用キャップ。
【請求項11】
口部を有し、液状物が充填される容器本体と、
前記口部に嵌合手段を介して着脱可能に外嵌固定される請求項1〜10のいずれか1項に記載の計量用キャップと、を備えることを特徴とする容器。
【請求項12】
前記液状物が、洗口液、液状医薬部外品又は液状内服用医薬品である請求項11に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量用キャップ及び容器に関し、より詳しくは、液状物が充填される容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、液状物の計量が可能なキャップ及び該キャップを備える容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、洗口液、液状医薬部外品や衣料用洗剤、柔軟剤等の液状物を充填した容器本体の注ぎ口となる口部には、液状物を計量する目安になる目盛が内壁面に設けられ、倒立状態にして所定の液量を計量するためのキャップが外嵌固定されている。
【0003】
衣料用洗剤や柔軟剤等の光による劣化の少ない液状物のキャップは主に透明性材料からなり、目盛と液面との一致をキッャプの横方向から視認することができるが、洗口液や液状医薬部外品は、日光や蛍光灯等の光による劣化を防止する観点から、多くの場合非透明性材料からなるキッャプを用いているため、計量時にはキャップ開口部から液面を確認することになり、目盛と液面との一致を視認しづらくなっている。特に、非透明性材料からなるキャップで、無色透明の液状物を計量する場合は、液面の位置を視認するのは難しい。この場合、例えば、キャップを白色とし、かつ、液状物を不透明にしたり、濃色系に着色したりすることで、視認性はある程度向上するものの、十分満足できる水準にはならなかった。また、液状物の不透明化や着色が望ましくない場合もあるので、計量用キャップにおける液面の視認性のさらなる向上が望まれている。
【0004】
特許文献1は、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びる側壁と、頂壁下面から互いに離隔して突出する複数の柱状凸部と、側壁内周面に設けられた段差とからなり、柱状凸部の下面や段差面を液状物の計量面とし、柱状凸部の断面視形状や柱状凸部及び段差の頂壁からの高さが異なるように構成することにより、複数の異なる液量を計量可能にしたキャップを開示している。しかしながら、柱状凸部や段差の頂壁からの高さを変更しても、その差はわずかで遠近感に乏しいため、計量ミスが起き易い。また、柱状凸部の周囲では液状物を注ぎ込む際の液面の変化が少なく、柱状凸部の下面と液面との一致を視認し難いため、柱状凸部の下面を超えて液状物を注ぎ込んでしまう場合も多い。
【0005】
特許文献2は、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びる側壁と、側壁内周面に円環状に設けられ、周方向に所定の間隔を空けて複数の凹部が形成された段差とからなり、該段差を液状物計量用の目盛として用いるキャップを開示している。特許文献2には、該段差に設けられた凹部により液面が変化するので、計量が容易であると記載されている。しかしながら、現在市販されている液状物充填用容器のキャップは縦横3〜4cm程度と比較的小さく、該キャップに形成可能な凹部の寸法も小さくなるため、凹部による液面の大きな変化は得られず、液面の視認性を十分に向上させることはできない。
【0006】
特許文献3は、頂壁とその周縁部から下方に延びる側壁とからなり、液状物を計量するための目盛として、側壁内周面に円環状粗面を設けたキャップを開示している。しかしながら、このキャップを倒立状態にして液状物を注ぎ込む際の液面の変化が乏しいため、液面が円環状粗面の周辺に達したことを瞬時に判断することが難しい。特に、該キャップが不透明性材料で作製されている場合、円環状粗面の視認性が低下しかつ注ぎ込み中の液面の変化が乏しいことから、液状物を余分に注ぎ込み易くなる。特許文献2や特許文献3のように、側壁内周面に計量用の段差や粗面を設けても、液面の視認性向上には有効ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−28382号公報
【特許文献2】特開2013−124107号公報
【特許文献3】特開2003−212256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、計量面と液面との境界を容易に視認でき、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる液状物計量用キャップ及び該キャップを備えた容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、頂壁とその周縁部から下方に延びる側壁部とからなるキャップにおいて、頂壁の下面又は側面から下方に突出しかつ側壁内周面から離隔し、計量面として所定形状の側面を有する計量用凸部を形成することにより、目的に叶う計量用キャップが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記(1)〜(10)の計量用キャップ及び下記(11)〜(12)の容器を提供する。
【0011】
(1)液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、側壁の内周面と離隔して頂壁の下面から下方に突出するように設けられ、キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界をキャップの開口部から目視可能な計量面として、少なくとも一部が凹面よりなる計量面を側面に有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【0012】
上記(1)の計量用キャップによれば、頂壁の下面から下方に突出する計量用凸部の側面の少なくとも一部に凹面からなる斜面を液状物の計量面として設けることにより、液状物の注ぎ始めは液面の変化及び液面のキャップ開口部方向への上昇速度が大きいが、液状物を注ぎ入れるにつれて液面の変化が少なくなり、液面の上昇速度も遅くなるので、計量の終わりが近づいたことを察知し易くなる。また、計量用凸部の側面を凹面とすることにより、液状物を一定の割合で注いでいても、液面の上昇速度が比較的大きく変化し、かつ計量終了時における液面と凹面との境界付近の液厚が計量開始時よりも大きくなることにより、該境界の見た目の動き及び該境界付近の液面の明度に変化が生じるので、特に計量終了近辺領域における凹面と液面との境界を視認し易くなる。また、頂壁の下面から突出する計量用凸部を設けることにより、キャップの開口部をどの位置から見ても液面を明確に視認することができる。
【0013】
(2)計量用凸部の断面積が、その突出方向に連続的に又は段階的に減少する上記(1)の計量用キャップ。
上記(2)の計量用キャップによれば、計量用凸部がその突出方向に向けて連続的又は段階的に小さくなるので、液面の上昇速度の変化をより確実に察知することができ、所定の液量をより正確にかつ容易に計量できる。
【0014】
(3)計量用凸部の形状が、錐状又は錐台状である上記(2)の計量用キャップ。
上記(2)のような、断面積がその突出方向に連続的に又は段階的に減少する計量用凸部の形状としては、錐状又は錐台状であることが好ましい。
【0015】
(4)計量用凸部の形状が錐台状であり、その下面から下方に突出する突出部を有している上記(3)の計量用キャップ。
上記(4)の計量用キャップによれば、液面が錐台状部分の下面に到達した時点で、計量の終了が間近いことが予告されるので、所定の液量をより正確に計量できる。
【0016】
(5)液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、側壁の内周面と離隔して頂壁の下面から下方に突出するように設けられ、キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界をキャップの開口部から目視可能な計量面として、突出方向を軸心にして周回する螺旋面よりなる計量面を下面に有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【0017】
上記(5)の計量用キャップによれば、計量用凸部の下面に所定の螺旋面からなる斜面を計量面として設けることにより、計量面の傾斜をよりなだらかにし、かつ、その面積をさらに大きくすることができる。その結果、液状物の表面張力等の影響で、計量面と液面との境界の視認性が顕著に向上し、液面の上昇を明確に視認でき、所定の液量のより正確な計量が可能になる。また、上記(1)の計量用キャップと同様に、液状物を注ぎ込むにつれて、液面の変化が小さくなり、液面の上昇速度が遅くなるので、その点でも計量が容易になる。
【0018】
(6)計量面が、計量用凸部の突出方向を軸心にして少なくとも一回転周回する螺旋面からなる上記(5)の計量用キャップ。
上記(6)の計量用キャップによれば、計量面である螺旋面のなだらかさ及び面積を最大限にすることができ、計量時の螺旋面と液面との境界線の上昇速度を高め得るとともに、該境界線を大きくすることが可能であることから、液面の視線性のさらなる向上を図ることができる。
【0019】
(7)液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、側壁の内周面と離隔して頂壁の下面から下方に柱状に突出するように設けられ、キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界を前記キャップの開口部から目視可能な計量面として、少なくとも一部が凹面又は凸面よりなる計量面を下面に有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【0020】
上記(7)の計量用キャップによれば、柱状の計量用凸部の下面に凸面を設けることにより、液面が計量用凸部の下面に達した場合に、液状物の表面張力等の影響で、液面が凸面の表面を伝わるのを非常に視認し易くなるので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。また、柱状の計量用凸部の下面に凹面を設けることにより、液面が凹面の表面を伝わるのを非常に視認し易くなると共に、液状物が凹面に入ることにより、液面が盛り上がって波立った後に直ぐに波立ちがおさまるので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0021】
(8)液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、側壁の内周面と離隔して頂壁の下面から下方に突出し、間隔を空けて環状に配置された複数の単位凸部からなり、キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界を前記キャップの開口部から目視可能な計量面として、複数の単位凸部の下面からなる計量面を有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【0022】
上記(8)の計量用キャップによれば、間隔を空けて環状に配置された複数の単位凸部からなる計量用凸部を設け、複数の単位凸部の下面を計量面とすることにより、液状物を注ぎ込むと、複数の単位凸部の各下面が互いに離隔して液面上に突き出たように視認されるので、液面と各下面との一致を立体的に視認できるので、視認性が向上し、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0023】
(9)液状物充填用の容器本体の口部に着脱可能に外嵌固定され、容器本体から取り外し倒立状にして液状物を注ぎ込むことで、液状物を計量可能としたキャップであって、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びるように設けられ、容器本体の口部に固定するための嵌合部を内周面に設けた側壁と、側壁の内周面と離隔して頂壁の下面から下方に突出し、突出方向を軸心にしてその周りに放射状に配置された複数の板状の翼部からなり、キャップに注ぎ込んだ液状物の液面との境界をキャップの開口部から目視可能な計量面として、複数の翼部の平面視放射状の下面からなる計量面を有する計量用凸部と、を備えることを特徴とする計量用キャップ。
【0024】
上記(9)の計量用キャップによれば、突出方向を軸心にしてその周りに放射状に配置された複数の板状の翼部からなる計量用凸部を設け、複数の翼部の平面視放射状の下面を計量面とすることにより、立体的に視認し易い計量面になると共に、計量面の面積が大きくなるので、液面と計量面との一致を視認し易くなり、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0025】
(10)翼部の突出方向寸法が、側壁の内周面に向けて連続的に又は段階的に減少又は増加する上記(9)の計量用キャップ。
上記(10)の計量用キャップのうち、翼部の突出方向寸法が側壁の内周面に向かう方向に連続的又は段階的に減少するキャップによれば、各翼部の側壁内周面を臨む側面が斜面となり、液状物の表面張力等の影響で液面が該斜面の表面を伝わるのを非常に視認し易くなるので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。また、上記(10)の計量用キャップのうち、翼部の突出方向寸法が側壁の内周面に向かう方向に連続的又は段階的に増加するキャップによれば、各翼部の軸心を臨む側面が斜面となり、液面が該斜面の表面を伝わるのを非常に視認し易くなるので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0026】
(11)口部を有し、液状物が充填される容器本体と、口部に嵌合手段を介して着脱可能に外嵌固定される上記(1)〜(10)のいずれかの計量用キャップと、を備えることを特徴とする容器。
上記(11)の容器によれば、液状物が充填される容器本体の注ぎ口である口部に外嵌固定された計量用キャップを取り外して倒立し、該キャップに液状物を注ぎ込むことにより、適量の液状物をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0027】
(12)液状物が、洗口液、液状医薬部外品又は液状内服用医薬品である上記(11)の容器。
上記(12)の容器によれば、液状物が洗口液、液状医薬部外品又は液状内服用医薬品である場合でも、計量用キャップによる液状物の優れた計量性を損なうことなく、容器本体及び該キャップを不透明性材料で作製し、液状物の光による劣化等を防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、頂壁と、頂壁の周縁部から下方に延びる側壁部と、頂壁の下面から下方に突出しかつ側壁内周面から離隔し、所定形状の面を計量面として有する計量用凸部とからなり、液状物の計量をほぼ正確にかつ容易に実施できる計量用キャップ及び該キャップを備えた容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態の計量用キャップの構成を示す模式図である。
図2図1に示す計量用キャップの変形例の構成を示す模式図である。
図3図1に示す計量用キャップの変形例の構成を示す模式図である。
図4図1に示す計量用キャップの変形例の構成を示す模式図である。
図5】本発明の第2実施形態の計量用キャップの構成を示す模式図である。
図6図5に示す計量用キャップの変形例の構成を示す模式図である。
図7】本発明の第3実施形態の計量用キャップ及びその変形例の構成を示す模式図である。
図8】本発明の第4実施形態の計量用キャップ及びその変形例の構成を示す模式図である。
図9】本発明の第5実施形態の計量用キャップ及びその変形例の構成を示す模式図である。
図10図9に示す計量用キャップの変形例の構成を示す模式図である。
図11】本発明の第6実施形態の計量用キャップの構成を示す模式図である。
図12図11に示す計量用キャップの変形例の構成を示す模式図である。
図13】本発明の第7実施形態の計量用キャップの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の第1実施形態の計量用キャップ(以下、単に「キャップ」と呼ぶ。)1の構成を示す模式図である。(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での上面図、及び、(d)は(c)のX−X切断面における断面斜視図である。なお、本明細書では、倒立状態のキャップを想定して、各計量用凸部の下面を頂面と呼ぶことがある。本実施形態のキャップ1は、頂壁15と、頂壁15の周縁部から下方に延びる側壁16と、頂壁15の下面31から下方に突出し、側壁16の内周面32と離隔している計量用凸部17とを備え、後述するように、計量用凸部17の四方の側面36が凹面よりなることを特徴とする。
【0031】
キャップ1は有底円筒状の外形を有し、液状物が充填された容器本体(不図示)の注ぎ口である口部に着脱可能に外嵌固定され、例えば、容器本体からの液状物の漏出を防ぐとともに、容器本体から取り外して倒立状態にし、液状物を注ぎ込むことで、液状物の所定量を計量する機能を有している。キャップ1の外形は有底円筒状に限定されず、例えば、有底多角形状等の任意の形状とすることができる。キャップ1及び容器本体を構成する材料は透明性材料でも不透明性材料でも良いが、全ての液状物に利用できること等から、不透明性材料で構成することが好ましい。また、容器本体に充填される液状物としては特に限定されないが、例えば、洗口液、液状医薬部外品、液状内服用医薬、各種液状洗剤、衣類用柔軟剤、液状農薬等が挙げられる。
【0032】
頂壁15はほぼ円形状であるが、その形状は特に限定されず、例えば任意の多角形状などでも良い。
側壁16の外周面30には、周方向に所定の間隔を空けて複数の凹部33が配置され、液状物を充填する容器本体の口部へのキャップ1の着脱を容易にしている。凹部33の形状は本実施形態では三角形状であるが、任意の形状とすることができる。凹部33に代えて任意形状の凸部を設けてもよく、さらに凹部33や凸部を設けなくてもよい。
【0033】
また、側壁16の内周面32の所定位置には、キャップ1を容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部としてねじ山34が形成され、これを口部の外周面のねじ山に螺合させることにより、キャップ1が口部に外嵌固定される。また、本実施形態では、側壁16の内周面32におけるキャップ1の開口部近傍に段差が設けられている。この段差は、液面の視認性をさらに向上させる観点等から、横方向において、後述する計量用凸部17の頂面35と同じ位置に設けることが好ましいが、頂面35よりも高い位置又は低い位置にも設けることができ、設けなくてもよい。また、液面の視認性を一層向上させる観点等から、側壁16の内周面32における計量用凸部17の側面36に対向する領域を、キャップ1とは異なる色に着色することもできる。
【0034】
本実施形態では、キャップ1の外周面30において、頂壁15と側壁16との境界部分はなだらかな曲面で構成されているが、これに限定されず、平坦な面と、該面の周縁から該面に対してほぼ垂直下方に延びる筒状面とからなる外周面であっても良い。
【0035】
計量用凸部17は、頂壁15とほぼ同軸状に設けられ、形状がほぼ四角錘台状であり、ほぼ平坦面である頂面35と斜面である四方の側面36とを有している。
【0036】
頂面35は計量基準面であり、液面が頂面35とほぼ同じ高さになるまで液状物を注ぎ込むと、所定の液量を計量できる。頂面35は比較的大きな面積を有しているので、液状物の表面張力等が作用し易くなっている。すなわち、液面が頂面35を浸潤する直前に、液状物の表面張力等が作用し、わずかな時間ではあるが、液面による頂面35の浸潤が抑制されるので、液面が頂面35に達したことを視認し易くなる。頂面35を凸面又は凹面にすれば、さらにその効果が大きくなり、視認性がさらに向上する。
【0037】
四方の各側面36は計量用凸部17の軸心方向に凹んだ凹面であり、キャップ1に注ぎ込んだ液状物の液面との境界をキャップ1の開口部から目視可能な計量面(以下単に「計量面」とする)として機能する。側面36を凹面にすると、側面36の表面と液面との境界を容易に視認できるようになり、液面の位置が判り易くなる。側面36をよりなだらかにするか及び/又は側面36の面積をより大きくすることにより、液面の位置がさらに判り易くなる。また、一つの側面36とそれに隣接する側面36との間に稜線が形成されているので、この稜線により液面の視認性が一層向上する。側面36には、計量用凸部17の突出方向に延びる1又は複数の溝及び/又は凹部を形成することができる。このような溝や凹部の形成により、注ぎ始めの液面の変化が大きくなり、注ぎ終り前の変化のない液面との対比から、注ぎ終りのタイミングをさらに察知し易くなる。
【0038】
また、計量用凸部17が頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から突出し、さらに計量用凸部17の断面積がその突出方向に連続的に減少しているので、注ぎ始めは液面の変化(乱れ)及び液面の上昇速度が大きいが、注ぎ込むにつれて液面の変化が少なくなり、液面の上昇速度が小さくなる。その結果、計量の終了が間近いことを察知し、注ぎ込む量を加減することができるので、より正確な計量が可能になる。また、計量用凸部17を設けることにより、液面の視認性が顕著に向上し、液状物を無色透明にすることもできるので、容器本体に充填される液状物の設計自由度も向上する。
【0039】
本実施形態の計量用凸部17の形状は四角錐台状であるが、斜面である側面が凹面であれば特に限定されず、例えば、三角錐台、五角錐台、六角錐台等の多角錐台状や円錐台状等の任意の錐台状でもよく、さらに三角錐、四角錐等の多角錐や、円錐等の錐状であってもよい。
【0040】
また、本実施形態では、計量用凸部17及び側壁16の内周面32と離隔しかつ計量用凸部16の周囲を取り囲み、頂壁15の下面31から下方に突出する円環薄壁状の液漏れ防止部材を設けているが、該部材は設けても設けなくてもよい。
【0041】
図2図2A〜2D)はキャップ1の変形例であるキャップ2A〜2Dの構成を示す模式図である。図2A、2B及び2Dにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での上面図、及び、(d)は(c)のX−X切断面における断面斜視図である。図2Cにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のX−X切断面における断面斜視図である。図2C及び図2Dでは、キャップ2C、2Dを容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部であるねじ山の図示を省略する。
【0042】
図2Aに示すキャップ2Aは、頂壁15とほぼ同軸状にその下面31から下方に突出する計量用凸部17Aを有している。計量用凸部17Aは、下面31に繋がるほぼ四角柱状の基部37と、基部37に繋がるほぼ四角錐台状の突出部38とからなる。突出部38は、頂面39と四方の側面40とを有し、各側面40は計量用凸部17Aの軸心方向に凹んだ凹面となっている。キャップ2Aにおいて、頂面39が計量基準面となり、各側面40が計量面となっている。キャップ2Aは、キャップ1と同じ効果を有している。
【0043】
また、四角柱状の基部37を設けることで、液面との境界線が四角柱状の基部37から四角錐台状の突出部38に移行する際に、境界線に動的な変化が生じる。このような動的な変化は、計量者に計量の終わりが近づいてきたことの注意を喚起する。また、四角柱状の基部37を設けることで、突出部38の各側面40の曲率をより小さくすることができるため、液面の視認性をより一層向上させることができる。
【0044】
図2Bに示すキャップ2Bは、頂壁15とほぼ同軸状にその下面31から下方に突出し、突出方向の断面が一方向に長いほぼ長方形状である計量用凸部17Bを有している。計量用凸部17Bは、計量基準面である頂面41を長方形状にして面積を大きくしているので、頂面41と液面との一致がより視認し易くなっている。また、計量用凸部17Bの軸心方向に凹んだ凹面からなり、計量面として機能する四方の側面42、43のうち、計量用凸部17Bの厚み方向に対向する側面43の面積を大きくしているので、側面43と液面との境界が一層視認し易くなり、液面の上昇がより判り易くなる。キャップ2Bは、キッャブ1と同じ効果を有している。
【0045】
図2Cに示すキャップ2Cは、頂壁15の下面31から下方に突出し、幅方向における断面視形状がほぼ台形である計量用凸部17Cを有している。計量用凸部17Cは、計量基準面として頂面44を有しているので計量の終了を視認でき、また、計量面として凹面からなる斜面である側面45を有している。キャップ2Cは、キャップ1と同じ効果を有している。
【0046】
図2Dに示すキャップ2Dは、頂壁15の下面31から下方に突出し、四角錐台をその周方向に所定角度ねじった形状の計量用凸部17Dを有している。計量用凸部17Dは、計量基準面である頂面46と、計量面である、凹面からなる四方の側面47とを有している。なお、本実施形態では、一の側面47とそれに隣接する他の側面47との境界に形成される稜線が曲線になることから、稜線による液面の視認効果は若干低くなるものの、平坦な頂面46と凹面である各側面47とを設けることによる効果は、キャップ1やキャップ2A〜2Cと同等であり、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0047】
図3図3A〜3C)はキャップ1の変形例であるキャップ3A〜3Cの構成を示す模式図である。図3A及び3Cにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での上面図、及び、(d)は(c)のX−X切断面における断面斜視図である。図3Bにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のX−X切断面における断面斜視図である。なお、図3Cでは、キャップ3Cを容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部であるねじ山の図示を省略する。
【0048】
図3Aに示すキャップ3Aは、頂壁15とほぼ同軸状にその下面31から下方に突出し、ほぼ八角錐台状の形状を有する計量用凸部18Aを有している。計量用凸部18Aは、ほぼ八角形の頂面50を計量基準面として、また、凹面からなる八つの側面51を計量面としてそれぞれ有している。本実施形態では、頂面50を八角形とすることにより、頂面50を大面積とすることができるので、頂面50と液面との一致を視認し易くなっている。また、各側面51は、八つに分けられているのでその面積が比較的小さくなっているが、凹面になっているので、各側面51の表面と液面との境界の視認性は良好である。キャップ3Aは、キャップ1と同じ効果を有している。
【0049】
図3Bに示すキャップ3Bは、頂壁15とほぼ同軸状にその下面31から下方に突出し、ほぼ円錐台状の形状を有する計量用凸部18Bを有している。計量用凸部18Bは、計量基準面としてほぼ円形の頂面52を有し、計量面として凹状の円錐面からなる側面53を有している。本実施形態では、側面53が円錐面となっており、角錐台や角錐のような稜線を有していないが、頂面52が円形で大面積とすることが容易であり、かつ、側面53である円錐面が凹面となっていることから、液量をほぼ正確にかつ容易に計量することができる。キャップ3Bは、キャップ1と同じ効果を有している。
【0050】
図3Cに示すキャップ3Cは、頂壁15とほぼ同軸状にその下面31から下方に突出し、ほぼ円錐台の基本形状を有し、その四隅が直角三角錐状に切欠かれ、平面視十字状の計量用凸部18Cを有している。計量用凸部18Cは、計量基準面としてほぼ円形の頂面52を有し、計量面として帯状の凹面である四方の側面54を有している。計量用凸部18Cによれば、側面54により液面の上昇を確認しながら液状物を注ぎ込むことができ、液面が頂面52付近に達した時に、液面の頂面52への浸潤が一瞬抑制されるのを明確に視認できるので、正確な計量を行なうことができる。キャップ3Cは、キャップ1と同じ効果を有している。
【0051】
図4図4A〜4B)はキャップ1の変形例であるキャップ4A〜4Bの構成を示す模式図である。図4Aにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のX−X切断面における断面斜視図である。図4Bにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での上面図、及び、(d)は(c)のX−X切断面における断面斜視図である。
【0052】
図4Aに示すキャップ4Aは、頂壁15とほぼ同軸状にその下面31から下方に突出する計量用凸部19Aを有している。計量用凸部19Aは、凹面からなる四方の側面58を有するほぼ四角錐台状の基部55と、基部55の頂面57から下方に突出し、四角形状の平坦な頂面59を有する角柱部56とからなり、基部55の各側面58が計量面となり、角柱部56の頂面59が計量基準面となる。基部55の側面58により液面の上昇を確認しながら液状物を注ぎ込み、基部55の頂面57が液中に埋没した時点で計量の終了が近いことが予告され、角柱部56の頂面59まで液状物を注ぎ込むことが容易になるので、所定の液量をほぼ正確に計量できる。基部55及び角柱部56の高さの比率は適宜変更できる。本実施形態では、基部55の上に角柱部56を積み重ねて二段に構成しているが、複数の角柱及び/又は円柱を積み重ね、三段以上に構成してもよい。キャップ4Aは、キャップ1と同じ効果を有している。
【0053】
図4Bに示すキャップ4Bは、頂壁15とほぼ同軸状にその下面31から下方に突出する計量用凸部19Bを有している。計量用凸部19Bは、凹面からなる四方の側面58を有するほぼ四角錐台状の基部55と、基部55の頂面57から下方に突出し、基部55に対して周方向に約90度回転させた四角柱状の形状を有し、頂面61が平坦面である角柱部60とからなり、基部55の四方の側面58が計量面となり、角柱部60の頂面61が計量基準面となる。基部55と角柱部60との高さ(突出方向寸法)の比率は適宜変更できる。キャップ4Bも、キャップ1と同様に、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できるという効果を有している。
【0054】
図5は、本発明の第2実施形態のキャップ5の構成を示す模式図である。(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での上面図、及び、(d)は(c)のX−X切断面における断面斜視図である。
【0055】
キャップ5は、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、ほぼ円柱状の外形を有する計量用凸部20を有している。計量用凸部20は、平面視ほぼ円形であるその下面(頂面)が、その下端62aから上端62bに向けて計量用凸部20の突出方向の軸心回りに周回しながら緩やかに上昇する螺旋面62と、上端62bから螺旋面62に続く平坦面63とからなり、該下面の中心部分にはほぼ円形の平坦面である頂面64を有する円柱状突起が突出している。なお、螺旋面62の下端62aと平坦面63の螺旋面62と接しない側の端辺との間には、下端62aから計量用凸部20の突出方向に立ち上がって該端辺に続くほぼ平坦な壁面が形成されている。本実施形態では、平坦面63は設けずに、螺旋面62を軸心回りに一回転させるように構成してもよく、また、平坦面63の幅寸法に応じて螺旋面62の周回角度を調整してもよい。
【0056】
計量面として機能する螺旋面62を採用することにより、液面との境界線の上昇速度が高くなり、かつ、該境界線の長さも大きくなるので、螺旋面62の表面と液面との境界は非常に判別し易い。また、該境界線の上昇速度が高くなっても、螺旋面62の採用により、斜面長が第1実施形態のキャップ1に比べて顕著に大きくなっているので、計量ミスの発生が防止される。平坦面63は、例えば、計量がまもなく終了することを予告する機能を有している。頂面64は、例えば、計量基準面として機能する。螺旋面62により液面の位置を確認しながら液状物を注ぎ込み、液面が平坦面63に達した時点で間もなく計量が終了することを予告されるので、特別な注意を払うことなく液面が頂面64に達するまで液状物を注ぎ込むことができ、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0057】
図6図6A図6C)は、図5に示すキャップ5の変形例であるキャップ6A、6B、6Cの構成を示す模式図である。(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での上面図、及び、(d)は(c)のX−X切断面又はY−Y切断面における断面斜視図である。
【0058】
図6Aに示すキャップ6Aは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、ほぼ円柱状の外形を有する計量用凸部20Aを有している。計量用凸部20Aは、平面視ほぼ円形であるその下面が、計量面としての螺旋面62と、螺旋面62に続く平坦面63とからなり、該下面の中心部分にはほぼ円柱状の空洞65が形成されている。空洞65における計量用凸部20Aの突出方向の先端領域が計量基準面になる。螺旋面62及び平坦面63は計量用凸部20と同じ構成である。下面の中心部分に円筒状の空洞65を形成することにより、液面と空洞65の前記先端領域との境界を明確に判別でき、それにより、ほぼ所定の液量に達したことが分かるので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。なお、空洞65の容積は、計量する液状物の液性(例えば粘度)等を勘案して適宜設定される。
【0059】
図6Bに示すキャップ6Bは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、平面視がほぼ円形である計量用凸部20Bを有している。計量用凸部20Bは、下面(頂面)が螺旋面である柱状突起66と、柱状突起66に接して、断面視がほぼ板状であり(但し側壁16の内周面32に対向する側面は平面視ほぼ円弧状)、前記螺旋面よりも高い位置にほぼ平坦な頂面68を有する板状突起67とからなる。板状突起67は、側壁16の内周面32に対向しない側面が柱状突起66の螺旋面と接している。螺旋面は、計量用凸部20Bの突出方向を軸心にして板状突起67の前記側面の回りを周回して緩やかに上昇している。本実施形態では、螺旋面が計量面となり、頂面68が計量基準面となり、キャップ5と同様の効果を有している。
【0060】
本実施形態では、柱状突起66の頂面として設けられた螺旋面の螺旋軸を柱状突起66の軸心から外側方向に移動させることができる。例えば、柱状突起66の突出方向途中部において、螺旋面の螺旋軸を外側方向に移動させると、途中部が下端部及び上端部よりも大面積化した螺旋面を得ることができる。このような螺旋面に対して液状物を注ぐと、螺旋面上を上昇する液面との境界線の長さが、下端部では小さく、途中部では大きく、上端部では小さくと変化するので、液面との境界を一層視認し易くなる。
【0061】
図6Cに示すキャップ6Cは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出する計量用凸部20Cを有している。計量用凸部20Cは、板状突起67と、板状突起67の近傍に位置する一端から立ち上がって、板状突起67と接する他端に向けて、突出方向を軸心にしてその回りを緩やかに上昇しながら周回する螺旋面となっている円弧状突起69とからなる。円弧状突起69の下面(頂面)が螺旋面となっている。板状突起67は、キャップ6Bと同じ構成である。キャップ6Cは、円弧状突起69の螺旋面が計量面であり、板状突起67の頂面68が計量基準面であり、キャップ5と同じ効果を有している。
【0062】
図5及び図6に示す実施形態では、螺旋面を計量面とし、螺旋面に併設される柱状突起又は柱状の空洞又は板状突起の頂面を計量基準面としているが、例えば、螺旋面が計量用凸部の突出方向を軸心にして少なくとも一回転周回するように構成して計量面とし、螺旋面の上端を計量基準領域とするか又は螺旋面の上端に平坦面を設けて計量基準面としてもよい。これは、螺旋面表面と液面との境界の視認性が非常に良好であること等に基づいている。また、本実施形態では、キャップとは異なる色に着色した螺旋面を用いることにより、液面の視認性をより一層向上させることができる。
【0063】
図7図7A及び図7B)は、本発明の第3実施形態のキャップ7A及びその変形例であるキャップ7Bの構成を示す模式図である。図7に示す実施形態は、計量用凸部が間隔を空けて環状に配置された複数の単位凸部からなることを特徴としている。図7A及び図7Bにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のY−Y切断面における断面斜視図である。図7A及び図7Bでは、キャップ7A、7Bを容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部であるねじ山の図示を省略する。
【0064】
図7Aに示すキャップ7Aは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、間隔を空けて環状に配置された3個の円弧状単位凸部70からなる計量用凸部21Aを有し、各円弧状単位凸部70の頂面71が計量面及び計量基準面を兼ねている。キャップ7Aは、複数の頂面71を互いに離隔してほぼ円形に配置することにより、各頂面71と液面との一致を視認し易くなっているので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。本実施形態では、円弧状単位凸部70の個数は3個に限定されず、円弧状単位凸部70の幅方向寸法を適宜調整しながら、1又は複数の任意の個数とすることができる。
【0065】
図7Bに示すキャップ7Bは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、間隔を空けて環状に配置され、かつ側壁16の内周面32に向けてその突出方向側端部が傾斜した3個の円弧状単位凸部72からなる計量用凸部21Bを有している。円弧状単位凸部72の内周面32とは非対向側の側面(内面)が傾斜した凹面となり、該側面と液面との境界が非常に視認し易くなるので、計量面として利用できると共に、円弧状単位凸部72のほぼ平坦な頂面73が計量面及び計量基準面を兼ねている。キャップ7Bは、キャップ7Aと同じ効果を有している。
【0066】
図8図8A及び図8B)は、本発明の第4実施形態のキャップ8A及びその変形例であるキャップ8Bの構成を示す模式図である。図8に示す実施形態は、計量用凸部がその突出方向を軸心にしてその周りに放射状に配置された複数の板状翼部からなることを特徴としている。図8A及び図8Bにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のX−X又はY−Y切断面における断面斜視図である。図8Aでは、キャップ8Aを容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部であるねじ山の図示を省略する。
【0067】
キャップ8Aは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、突出方向を軸心にしてその周りに放射状に配置され、その軸心部分で互いに連結された8個の板状翼部74からなる計量用凸部22Aを有している。本実施形態では、8個の板状翼部74の頂面が繋がって形成される平面視放射状の頂面75が計量面及び計量基準面を兼ねている。キャップ8Aは、頂面75が放射状でありかつその面積が大きくなっていることにより、頂面75を立体的に視認し易くなるので、頂面75と液面との一致を視認し易く、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。また、本実施形態では、板状翼部74の個数は3以上の任意の個数とすることができる。
【0068】
キャップ8Bは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、突出方向を軸心にしてその周りに放射状に十字に配置され、その軸心部分で互いに連結された4個の板状翼部76からなる計量用凸部22Bを有している。本実施形態では、4個の板状翼部76の頂面が繋がって形成される平面視十字状の頂面77が計量面及び計量基準面を兼ねている。頂面77は、十字状の形状を有しかつ大面積化され、立体的な視認が容易になっているので、キャップ8Bはキャップ8Aと同じ効果を有している。
【0069】
図9図9A及び図9B)は、本発明の第5実施形態のキャップ9A及びその変形例であるキャップ9Bの構成を示す模式図である。図9に示す実施形態は、複数の板状翼部からなる計量用凸部において、板状翼部の高さ(突出方向)寸法が、側壁16の内周面32に向けて連続的に減少することを特徴としている。図9Aにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のY−Y切断面における断面斜視図である。図9Bにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での上面図、及び、(d)は(c)のY−Y切断面における断面斜視図である。
【0070】
図9Aに示すキャップ9Aは、計量用凸部23Aを有している。計量用凸部23Aは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、その突出方向を軸心にしてその周りに放射状に十字に配置され、その軸心部分において互いに連結された4個の板状翼部78からなる。各板状翼部78は、その高さ(突出方向)寸法が軸心から側壁16の内周面32に向かう方向に徐々に減少し、その頂面78aはなだらかに傾斜する凹面となっている。計量用凸部23Aは、さらに、その軸芯部分におけるほぼ円形の平坦な面である頂面79を有し、頂面79に続いて各板状翼部78の頂面78aが四方に延びている。本実施形態のキャップ9Aは、頂面79が計量面及び計量基準面を兼ね、各頂面78aが補助的に計量面として機能するので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0071】
図9Bに示すキャップ9Bは、計量用凸部23Bを有している。計量用凸部23Bは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、その突出方向を軸心にしてその周りに放射状に十字に配置され、その軸心部分において互いに連結された4個の板状翼部80からなる。各板状翼部80は、その高さ(突出方向)寸法が軸心から側壁16の内周面32に向かう方向に徐々に減少し、その頂面81はなだらかに傾斜する凸面となっている。計量用凸部23Bは、その軸芯部分におけるほぼ平坦な面に続いて各板状翼部80の頂面81が四方に延びた頂面を有している。本実施形態のキャップ9Bは、計量用凸部23Bの頂面が計量面及び計量基準面を兼ね、各頂面81が計量面として補助的に機能するので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0072】
図10図10A図10C)は、図9に示すキャップ9A、9Bの変形例であるキャップ10A、10B、10Cの構成を示す模式図である。図10に示す実施形態は、複数の板状翼部からなる計量用凸部において、板状翼部の高さ(突出方向)寸法が、側壁16の内周面32に向けて連続的に増加することを特徴としている。図10A図10Cにおいて、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のX−X切断面における断面斜視図である。図10では、キャップ10A、10B、10Cを容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部であるねじ山の図示を省略する。
【0073】
図10Aに示すキャップ10Aは、計量用凸部24Aを有している。計量用凸部24Aは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、その突出方向を軸心にしてその周りに放射状に十字に配置され、その軸心部分において互いに連結された4個の板状翼部82からなる。各板状翼部82の頂面(下面)は、内周面32に対向する側の所定寸法の端部である平坦な第1頂面83aと、第1頂面83aに続いて、軸心方向に向けてなだらかに傾斜する凹面である第2頂面83bとからなる。各板状翼部82の高さ(突出方向)寸法が計量用凸部24Aの軸心から側壁16の内周面32に向けて徐々に増加することにより、第2頂面83bが構成される。4個の第2頂面83bは、計量用凸部24Aの軸心部分において連結されている。本実施形態のキャップ10Aは、計量用凸部24Aの第1頂面83aが計量面及び計量基準面を兼ね、第2頂面83bが計量面として補助的に機能するので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0074】
図10Bに示すキャップ10Bは、計量用凸部24Bを有している。計量用凸部24Bは、各板状翼部82の軸心部分での連結部分の高さ(突出方向)寸法が、計量用凸部24Aよりも低位となり、かつ、各板状翼部82の高さ(突出方向)寸法が計量用凸部24Bの軸心から側壁16の内周面32に向けて徐々に増加する割合が、計量用凸部24Aよりも大きくなっている以外は、計量用凸部24Aと同じ構成を有している。計量用凸部24Bによれば、傾斜した凹面である第2頂面83bの面積が計量用凸部24Aよりもさらに大きくなり、液面の視認性が一層向上するので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0075】
図10Cに示すキャップ10Cは、その突出方向を軸心にして放射状(又は円環状)に配置され、内周面32側の端部に所定寸法の平坦面である頂面85を有する8個の板状翼部84からなる計量用凸部24Cを有している。各板状翼部84は計量用凸部24Cの下端部では連結され、上端部及びその近傍では隙間を介して離隔しており、その内部に窪みを形成している。下端部の連結部分の高さ(突出方向)寸法が計量用凸部24Bよりもさらに低位となり、かつ、計量用凸部24Cの軸心から側壁16の内周面32に向けて各板状翼部84の高さ(突出方向)寸法が増加する割合が計量用凸部24Bよりもさらに大きくなっている。計量用凸部24Cによれば、頂面85が計量面及び計量基準面になると共に、各板状翼部84の軸心を臨む傾斜した凹面が計量面として補助的に機能する。
【0076】
計量用凸部24Cによれば、液面が板状翼部84の頂面85に近づいて計量終了間際になると、液状物が板状翼部84間の隙間から窪みに流れ込むことによって、視覚的な予告機能となるだけでなく、液面の上昇速度を低下させることができるので、より正確な計量を実現できる。
【0077】
図9及び図10に示す実施形態では、板状翼部78、80、82、84の高さ(突出方向)寸法が、その軸心から側壁16の内周面32に向けて連続的に減少又は増加するように構成しているが、これに限定されず、段階的に減少又は増加(例えば階段状)するように構成しても、液面の視認性を向上させ、ほぼ正確な液量を容易に計量できる。
【0078】
図11は、本発明の第6実施形態のキャップ11の構成を示す模式図である。図11に示す実施形態は、計量用凸部の下面(頂面)が計量面としての凸面からなることを特徴としている。図11において、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のX−X切断面における断面斜視図である。図11では、キャップ11を容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部であるねじ山の図示を省略する。
【0079】
キャップ11は、計量用凸部25を有している。計量用凸部25は、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、ほぼ半球面である凸面からなる頂面を有する円柱状突起86と、該円柱状突起86を中心にして対称位置に配置された6個の円柱状突起86とからなる。円柱状突起86の数は特に限定されず、単又は任意の複数個とすることができる。本実施形態では、円柱状突起86の凸面からなる頂面が計量基準面及び計量面となる。複数の、凸面からなる頂面を設けることにより、頂面を伝う液面の視線性が向上し、所定の液量をほぼ正確に計量できる。また、本実施形態では、柱状部分を円柱状に構成しているが、頂面が凸面であれば柱状部分の形状は特に限定されず、三角柱、四角柱等の多角柱状としてもよい。
【0080】
図12図12A及び図12B)は、図11に示すキャップ11の変形例であるキャップ12A、12Bの構成を示す模式図である。図12に示す実施形態は、計量用凸部の下面(頂面)が計量面としての凸面又は凹面からなることを特徴としている。図12において、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のY−Y切断面における断面斜視図である。
【0081】
図12Aに示すキャップ12Aは、計量用凸部26Aを有している。計量用凸部26Aは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、その先端部分がほぼ半球状の凸面であり、かつ平坦面である頂面87aを有する円柱状突起87からなる。円柱状突起87は、図11に示す円柱状突起86に比べて十分に大径であり、その先端部分を半球状の凸面とすることにより、凸面の面積が非常に大きくなるので、液面の視認性が顕著に向上する。本実施形態では、頂面87aが計量基準面となり、先端部分の半球状の凸面が計量面となるので、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0082】
図12Bに示すキャップ12Bは、計量用凸部26Bを有している。計量用凸部26Bは、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、その頂面が凹面89を有する角柱状突起88からなる。本実施形態では、角柱状突起88の頂面が計量基準面となり、凹面89が計量面となる。凹面89に液状物が入り込む直前に、液状物の凹面89への入り込みを抑制する力が瞬間的に働き、凹面89と液面とを明確に判別できるので、所定の液量に達したことを判別し易くなっている。図12に示す本実施形態では、円柱状又は四角柱状の計量用凸部を用いているが、これに限定されず、四角柱状を除く任意の多角柱状とすることができる。
【0083】
実施形態では、例えば液面の視認性を一層向上させるために、キャップ12Aにおいて、円柱状突起87の先端部分の半球状凸面の外周面をキャップ12Aとは異なる色に着色したり、またキャップ12Bにおいて、角柱状突起88頂面の凹面89の内壁面をキャップ12Bとは異なる色に着色したりしてもよい。
【0084】
図13は、本発明の第7実施形態のキャップ13の構成を示す模式図である。図13に示す実施形態は、計量用凸部27が傾斜した凹面を側面として有する円筒状突起90からなることを特徴としている。図13において、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での上面図、及び、(c)は(b)のX−X切断面における断面斜視図である。図13では、キャップ11を容器本体の口部に外嵌固定するための嵌合部であるねじ山の図示を省略する。
【0085】
図13に示すキャップ13は、計量用凸部27を有している。計量用凸部27は、頂壁15とほぼ同軸状に頂壁15の下面31から下方に突出し、厚み寸法がその突出方向(頂壁15の下面31から頂面92に向かう方向)に向かって連続的に小さくなり、傾斜した凹面である内周面91及び円環状の平坦面である頂面92を有する円筒状突起90からなっている。キャップ13では、円環状頂面92が計量基準面及び計量面となり、内周面91が計量面として補助的に機能する。頂面92は、厚み方向に幅を有する平坦面となり、円環状に形成されているので、頂面92と液面との一致を立体的に視認し易くなっている。また、内周面91が傾斜した凹面として形成されているので、内周面91と液面との境界を非常に視認し易くなっている。したがって、本実施形態のキャップ13は、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。また、円筒状突起90を設けているが、これに限定されず、形状が三角柱、四角柱、六角柱等の多角柱状の筒体であり、頂面が平坦面であり、筒体内部の内周面が傾斜した凹面となった筒状突起を設けてもよい。
【0086】
上記した図2図13の各キャップ2A〜2D、3A〜3C、4A〜4B、5、6A〜6C、7A〜7B、8A〜8B、9A〜9B、10A〜10C、11、12A〜12B、13は、計量用凸部17に代えて、それぞれ計量用凸部17A、17B、17C、17D、18A、18B、18C、19A、19B、20、20A、20B、20C、21A、21B、22A、22B、23A、23B、24A、24B、24C、25、26A、26B、27を有する以外は、キャップ1と同じ構成を有し、さらにキャップ1と同じ変形例を有することができる。また、上記した各キャップ1、2A〜2D、3A〜3C、4A〜4B、5、6A〜6C、7A〜7B、8A〜8B、9A〜9B、10A〜10C、11、12A〜12B、13において、容器本体の口部に嵌合するための嵌合部として、ねじ山を設けた例を示したが、これに限定されず、従来から知られている容器本体の口部とキャップとの嵌合手段をいずれも利用できる。
【0087】
本発明の別の実施形態である容器は、液状物をキャップに注ぎ込むための口部を有する液状物充填用の容器本体と、該口部に嵌合手段を介して着脱可能に外嵌固定されるキャップとを備え、キャップが上記した本発明のキャップであることを特徴とする。
【0088】
本発明の容器に充填される液状物としては、特に限定されず、例えば、洗口液、液状医薬部外品、液状内服用医薬品、液状洗剤、液状農薬等が挙げられるが、洗口液、液状医薬部外品、液状内服用医薬品等が好ましい。
【0089】
本発明の容器は、上記した所定の計量用凸部を有する本発明のキャップを倒立状態にして液状物の計量に用いることにより、液面の視線性が向上し、所定の液量をほぼ正確にかつ容易に計量できるので、不透明性材料から構成してもよい。不透明性材料から構成することにより、変質等を伴うことなく、耐光性が十分ではない液状物を長期間にわたって安定的に保存できるようになる。
【符号の説明】
【0090】
1、2A、2B、2C、2D、3A、3B、3C、4A、4B、5、6A、6B、6C、7A、7B、8A、8B、9A、9B、10A、10B、10C、11、12A、12B、13 キャップ
15 頂壁
16 側壁
17、17A、17B、17C、17D、18A、18B、18C、19A、19B、20、20A、20B、20C、21A、21B、22A、22B、23A、23B、24A、24B、24C、25、26A、26B、27 計量用凸部
30 外周面
31 下面
32 内周面
33 凹部
34 ねじ山
35、39、41、44、46、50、52、57、59、61、64、68、71、73、75、77、78a、79、81、83a、83b、85、87a 頂面
36、40、42、43、45、47、51、53、54、58 側面
37、55 基部
38 突出部
56、60 角柱部
62 螺旋面
63 平坦面
65 空洞
66 柱状突起
67 板状突起
70、72 円弧状単位凸部
74、76、78、80、82、84 板状翼部
86、87 円柱状突起
88 角柱状突起
89 凹面
90 円筒状突起
91 内周面
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13