【解決手段】磁着媒体積層手段70は、接着シートASに磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体MCを積層する。保持手段50は、剥離板40で剥離された接着シートASを保持する。そして、押圧手段60は、この接着シートASの接着面側を被着体WKに押圧して貼付する。保持手段50は、磁着媒体MCを磁着して接着シートASを保持可能な磁着手段52を備えている。
前記磁着媒体積層手段で積層された磁着媒体上に接着力を有する貼付材を積層する貼付材積層手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート貼付装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の自動貼り用ラベルでは、粘着材層に磁着可能な鉄粉を混在した専用の自動貼り用ラベルを用意する必要があり、磁着性を有しない汎用のラベルを用いることができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、汎用の接着シートであっても磁力により引き付けて(引き寄せて)保持し、被着体に貼付することが可能なシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一形態であるシート貼付装置は、剥離シートの一方の面に接着シートの接着面が仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記接着シートを前記剥離シートから剥離する剥離手段と、前記剥離手段で剥離された接着シートを保持する保持手段と、前記保持手段で保持した接着シートの接着面側を被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、前記接着シートに磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体を積層する磁着媒体積層手段を有し、前記保持手段は、前記磁着媒体を磁着して前記接着シートを保持可能な磁着手段を有する。
【0006】
また、本発明の別の一形態であるシート貼付装置は、剥離シートの一方の面に接着シートの接着面が仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記繰出手段で繰り出される原反の剥離シートから接着シートを一旦剥離して当該剥離シートまたは別の剥離シートに再度仮着する再仮着手段と、前記再仮着手段で再仮着された接着シートを前記剥離シートまたは別の剥離シートから剥離する剥離手段と、前記剥離手段で剥離された接着シートを保持する保持手段と、前記保持手段で保持した接着シートの接着面側を被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、前記再仮着手段で前記剥離シートから一旦剥離した前記接着シートの接着面に、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体を積層する磁着媒体積層手段を有し、前記保持手段は、前記磁着媒体を磁着して前記接着シートを保持可能な磁着手段を有する。
【0007】
さらに、前記磁着媒体積層手段で積層された磁着媒体上に接着力を有する貼付材を積層する貼付材積層手段を備えているようにしてもよい。
【0008】
本発明のさらに別の一形態であるシート貼付方法は、剥離シートの一方の面に接着シートの接着面が仮着された原反を繰り出す繰出工程と、前記接着シートを前記剥離シートから剥離する剥離工程と、前記剥離工程で剥離された接着シートを保持する保持工程と、前記保持工程で保持した接着シートの接着面側を被着体に押圧して貼付する押圧工程とを備え、前記保持工程の前の段階で、前記接着シートに磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体を積層する磁着媒体積層工程を有し、前記保持工程は、前記磁着媒体を磁着して前記接着シートを保持する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体を接着シートに積層するので、汎用の接着シートであっても磁力により引き付けて(引き寄せて)保持し、被着体に貼付することが可能となる。
【0010】
また、本発明によれば、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体を接着シートの接着剤層に積層するので、汎用の接着シートであっても磁力により引き付けて(引き寄せて)保持し、被着体に貼付することが可能となる。
【0011】
さらに、貼付材積層手段を備える場合、接着剤層に磁着媒体を積層することで接着剤層の接着性が低下しても、当該接着シートの接着性を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本明細書および図面におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は所定平面内の軸とし、Z軸は当該所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」が紙面に直交する手前方向であってY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0014】
図1において、本実施形態にかかるシート貼付装置10は、剥離シートRLの一方の面に接着シートASの接着面としての接着剤層AD層が仮着された原反RSを繰り出す繰出手段20と、繰出手段20で繰り出される原反RSの剥離シートRLから接着シートASを一旦剥離して当該剥離シートRLに再度仮着する再仮着手段30と、再仮着手段30で再仮着された接着シートASを剥離シートRLから剥離する剥離手段としての剥離板40と、剥離板40で剥離された接着シートASを保持する保持手段50と、保持手段50で保持した接着シートASの接着剤層AD層側を被着体WKに押圧して貼付する押圧手段60と、再仮着手段30で剥離シートRLから一旦剥離した接着シートASの接着剤AD層に、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体MCを積層する磁着媒体積層手段70と、接着シートASの形状を認識可能な認識手段80とを備え、ベルトコンベアや多関節ロボットなどにより構成されて被着体WKを搬送する搬送手段CVの上方に配置されている。
【0015】
なお、本願発明における磁性とは、磁気を帯びた性質、すなわち、外界からの磁気の影響がなくなっても磁石としての性質を残す性質であり、磁性を有する磁着媒体MCとしては、例えば、フェライト磁石やネオジム磁石などの硬磁性体が例示できる。
また、本願発明における磁着性とは、磁性を有することなく磁石によって引き付けられる性質、すなわち、外界からの磁気の影響がなくなると磁石としての性質がなくなる性質であり、磁着性を有する磁着媒体MCとしては、例えば、鉄やケイ素鋼などの軟磁性体が例示できる。
さらに、本願発明における磁着とは、磁力によって引き付ける(引き寄せる)ことを意味する。
【0016】
繰出手段20は、基材シートBSの一方の面に接着剤AD層が積層された接着シートASが剥離シートRLの一方の面に仮着された原反RSを支持する支持ローラ21と、原反RSまたは剥離シートRLを案内する複数のガイドローラ22と、駆動機器としての回動モータ23Aで駆動する駆動ローラ23との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ24と、図示しない駆動機器で駆動し、剥離シートRLを回収する回収ローラ25とを備えている。
【0017】
再仮着手段30は、剥離シートRLから接着シートASを一旦剥離する再仮着用剥離手段としての再仮着用剥離板31と、再仮着用剥離板31で接着シートASが一端剥離された剥離シートRLを案内する複数のガイドローラ32と、接着シートASが一端剥離された剥離シートRLと接着シートASとを再仮着する受けローラ33およびピンチローラ34とを備えている。
【0018】
保持手段50は、下面が接着シートASを支持する支持面51Aとされた支持プレート51と、支持プレート51内に設けられ、磁着媒体積層手段70で積層された磁着媒体MCを磁着して接着シートASを保持可能な磁着手段52とを備えている。磁着手段52としては、例えばフェライト磁石やネオジム磁石などの磁性を有する所謂永久磁石や、電磁石などが例示できる。
押圧手段60は、その出力軸61Aで支持プレート51を支持する駆動機器としての直動モータ61を備えている。
【0019】
磁着媒体積層手段70は、再仮着用剥離板31と受けローラ33との間に配置され、その上方を通過する接着シートASの接着剤AD層に磁着媒体MCを吹き付ける吹付手段71を備えている(
図2(a)参照)。磁着媒体MCとしては、例えば、磁性を有する材料を粉末化したり個片化したり微粒子化したりした粉体、および、例えば磁着性を有する材料を粉末化したり個片化したり微粒子化したりした粉体のうち少なくとも一方を含むものが例示でき、それらの粉体そのものでもよいし、接着剤や溶剤にそれら粉体を混合したものでもよい。
認識手段80は、再仮着用剥離板31よりも原反RSの繰出方向上流側に配置され、接着シートASの形状を認識可能な光学センサや撮像手段などによって構成されている。
【0020】
次に、シート貼付装置10を用いたシート貼付方法について説明する。
先ず、オペレータが原反RSを
図1に示すようにセットした後、認識手段80よりも原反繰出方向下流側にある接着シートASを剥離シートRLから剥離しておき、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータなどの入力手段を介して運転開始の信号を入力すると、繰出手段20が回動モータ23Aおよび図示しない駆動機器を駆動し、原反RSを繰り出す(繰出工程)。原反RSが繰り出されると、認識手段80により接着シートASの形状が認識され、当該認識手段80で認識された先頭の接着シートASが再仮着用剥離板31で一旦剥離され、当該接着シートASが磁着媒体積層手段70の上の所定位置に到達したことを光学センサや撮像手段などの図示しない検知手段が検知すると、磁着媒体積層手段70が吹付手段71を駆動し、接着シートASの剥離で表出した接着剤AD層に磁着媒体MCを吹き付けて当該接着剤AD層に磁着媒体MCを積層する(磁着媒体積層工程)。このとき、認識手段80の認識結果に基づいて接着シートASに磁着媒体MCが積層されるので、当該接着シートASの適切な位置に磁着媒体MCを積層することができる。
【0021】
このようにして、磁着媒体MCが積層された接着シートASは、受けローラ33とピンチローラ34とによって剥離シートRLに再仮着される(再仮着工程)。そして、再仮着後の接着シートASが剥離板40上の所定位置に到達したことを光学センサや撮像手段などの図示しない検知手段が検知すると、繰出手段20が回動モータ23A及び図示しない駆動機器の駆動を停止し、繰出手段20がスタンバイ状態となる。
【0022】
そして、搬送手段CVが被着体WKを支持プレート51の直下に配置して停止すると、保持手段50が磁着手段52を駆動するとともに(磁着手段52が永久磁石の場合、保持手段50は磁着手段52を特に駆動することはない)、繰出手段20が回動モータ23Aおよび図示しない駆動機器を駆動し、原反RSを繰り出す(繰出工程)。これにより、磁着媒体MCが積層された接着シートASが剥離板40で剥離されて(剥離工程)、
図1中実線で示す初期位置にある支持プレート51の支持面51Aで保持され(保持工程)、次の接着シートASが剥離板40上の所定位置に到達したことを図示しない検知手段が検知すると、繰出手段20が回動モータ23Aおよび図示しない駆動機器の駆動を停止し、再び繰出手段20がスタンバイ状態になる。このとき、当該次の接着シートASも上記と同様にして接着剤AD層に磁着媒体MCが積層されている。
【0023】
次いで、押圧手段60が直動モータ61を駆動し、支持プレート51を下降させ、接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する(押圧工程)。その後、保持手段50が磁着手段52の駆動を停止した後、押圧手段60が直動モータ61を駆動し、支持プレート51を初期位置に復帰させる。そして、搬送手段CVが、接着シートASが貼付された被着体WKを次工程の装置などに搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0024】
以上のような本実施形態によれば、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体MCを接着シートASの接着剤AD層に積層するので、汎用の接着シートASであっても磁力により引き付けて(引き寄せて)保持し、被着体WKに貼付することが可能となる。
【0025】
なお、本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、繰出手段は、剥離シートの一方の面に接着シートの接着面が仮着された原反を繰り出すことができるものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせて、その範囲内であればなんら限定されることはない(他の手段についての説明は省略する)。
【0026】
また、磁着媒体積層手段70は、
図2(b)に示すように、例えば、磁性を有する材料を線状にした線体、および、例えば、磁着性を有する材料を線状にした線体のうち少なくとも一方を含むものを磁着媒体MCとし、それら線体そのものを接着シートASの接着剤AD層に積層するものでもよいし、接着剤にそれら線体を混合したものを接着剤AD層に積層するものでもよい。
さらに、磁着媒体積層手段70は、
図2(c)に示すように、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する磁着媒体MCで画像を形成する構成でもよく、この場合、永久磁石の粉体や鉄の粉体など、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方が混入されたインクやトナーなどで画像を形成することができる。なお、この場合、磁着媒体積層手段70としては、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタ、ドットインパクトプリンタ、レーザプリンタ、銀塩写真プリンタ、各種刷版印刷機(凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、スクリーン印刷など)など、様々な方式の印刷(印字)手段を用いることができる。また、磁着媒体MCとして形成される画像は、文字、記号、図形、絵柄などの所定のメッセージ性を有するものや、特段のメッセージ性を有しない画像であってもよいし、さらに、磁着媒体MCとして形成される画像は、接着剤AD層の外縁部分のみや、角のある接着シートASの場合、当該角部のみ、更には、外縁部分や角部に加えて中央部に形成されてもよい。
【0027】
また、繰出手段20は、
図3(a)に示すように、再仮着用剥離板31で接着シートASが剥離された剥離シートRLを、ガイドローラ22を介して駆動機器としての回動モータ26Aで駆動される巻取ローラ26で回収するように構成し、再仮着手段は、別の剥離シートRL1の一方の面に貼付材AS1が仮着された原反RS1を支持する支持ローラ91と、ガイドローラ92とを備えた構成としてもよい。この場合、支持ローラ91と、ガイドローラ92とが、磁着媒体積層手段70で積層された磁着媒体MC上に接着力を有する貼付材AS1を積層する貼付材積層手段90Aとしても機能する。このような貼付材積層手段90Aは、再仮着用剥離板31で一旦剥離され、接着剤AD層に磁着媒体MCが積層された接着シートASが受けローラ33とピンチローラ34とによって別の剥離シートRL1に再仮着されるタイミングで、当該接着シートASと剥離シートRLとの間に貼付材AS1を介在させるようになっている。貼付材AS1としては、基材シートの両方の面に接着剤層が形成された両面接着シートを用いてもよいし、接着剤のみで形成されたシート状接着剤(両面接着シート)を用いてもよいし、基材シートの片方の面に接着剤層が形成された接着シートを用いてもよい。これにより、接着剤AD層に磁着媒体MCが積層されることで接着剤AD層の接着性能が低下しても、当該接着シートASの接着性能を維持することができる。なお、この場合、再仮着手段は、貼付材AS1が仮着されていない別の剥離シートRL1のみを支持ローラ91で支持して繰り出す構成としてもよい。
【0028】
また、
図3(b)に示すように、磁着媒体積層手段70で積層された磁着媒体MC上に貼付材AS1を積層する貼付材積層手段90Bを設けてもよい。このような貼付材積層手段90Bは、別の剥離シートRL1の一方の面に貼付材AS1が仮着された原反RS1を支持する支持ローラ93と、ガイドローラ94と、貼付材剥離手段としての貼付材剥離板95と、駆動機器としての回動モータ96Aで駆動する駆動ローラ96との間に剥離シートRL1を挟み込むピンチローラ97と、図示しない駆動機器で駆動し、剥離シートRL1を回収する回収ローラ98とを備えている。このような貼付材積層手段90Bは、上述と同様のタイミングで、接着シートASと剥離シートRLとの間に貼付材AS1を介在させるようになっている。なお、貼付材積層手段90Bは、
図3(b)中二点鎖線で図示するように、受けローラ33よりも原反RSの繰出方向上流側で、接着シートASが剥離された剥離シートRLに貼付材AS1を供給して仮着させてもよい。
さらに、例えば、磁性を有する材料を粉末化したり個片化したり微粒子化したりした粉体、および、例えば、磁着性を有する材料を粉末化したり個片化したり微粒子化したりした粉体のうち少なくとも一方を
図3(a)、(b)に示す貼付材AS1に含ませ、当該貼付材AS1を磁着媒体とし、磁着媒体積層手段70の代わりに、または、磁着媒体積層手段70と併用し、貼付材積層手段90A、90Bを磁着媒体積層手段とすることができる。この場合、接着シートASは、接着剤AD層があってもよいし、なくてもよく、接着剤AD層がない場合には、疑似接着等によって剥離シートRLに仮着されていればよい。
また、
図3(c)に示すように、接着シートASに磁着媒体MCを積層した後、当該磁着媒体MCの上に貼付材AS1を吹き付けて積層する貼付材積層手段90Cを設けてもよい。
さらに、貼付材AS1は、接着シートASの平面形状と同じ大きさでもよいし、接着シートASの平面形状よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
また、貼付材AS1は、1つの接着シートASに複数積層されてもよい。
【0029】
さらに、シート貼付装置10の再仮着手段30を省略し、
図4中実線で示すように、磁着媒体積層手段70で磁着媒体MCを基材シートBS上に吹き付けて積層したり、同図中二点鎖線で示すように、貼付材積層手段90Bで磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有する貼付材AS1を基材シートBS上に貼付して積層したり、それら両方を積層したりする構成のシート貼付装置10Aとしてもよい。この場合、磁着媒体MCは、磁性を有する粉体、および、磁着性を有する粉体のうち少なくとも一方を速乾性の接着剤や溶剤に含ませたものが例示できる。また、磁着媒体MCや貼付材AS1は、透明なものでもよいし半透明なものでもよいし、透明または半透明でないものでもよい。なお、磁着媒体MCと貼付材AS1との両方を基材シートBS上に積層する場合、貼付材AS1は、磁性および磁着性のうちの少なくとも一方を有していてもよいし、それら両方を有していなくてもよい。また、シート貼付装置10と、このシート貼付装置10Aとを合せて接着シートASの両面に磁着媒体MCや貼付材AS1を適宜な組合せで積層してもよい。
【0030】
また、磁着手段52が永久磁石を用いる場合、当該永久磁石の磁力(あるいは、磁着媒体MCの磁力や磁着力)は、接着シートASを支持プレート51で充分保持可能であり、しかも、被着体WKに接着シートASを貼付けた後は、当該接着シートASから容易に支持プレート51を離間可能であるような強さとするのが望ましい。なお、磁着手段52は、駆動機器を介して接着シートASに離間接近できる構成とし、当該接着シートASの着脱を実施してもよい。
【0031】
さらに、磁着手段52は、磁性を有するものを排除した磁着性の材料を含む構成としてもよく、この場合、磁着媒体積層手段70が磁性を有する材料を含む磁着媒体MCを接着シートASの接着剤AD層に積層する構成とすればよい。
また、磁着手段52が磁性を有するものを排除した磁着性の材料を含む構成とした場合、磁着媒体積層手段70が例えば鉄やケイ素鋼などの磁化可能な材料を含む磁着媒体MCを接着シートASの接着剤AD層に積層し、当該磁化可能な材料を磁化させる永久磁石、電磁石、着磁ヨーク、着磁コイルなどの磁力付与手段100を設けてもよい。磁力付与手段100は、磁性を有する材料を含む磁着媒体MCに対し、さらに磁化する構成でもよい。
さらに、被着体WKに貼付した磁着媒体MCの磁気を除去する共振減衰脱磁器、熱脱磁器、交流脱磁器などの磁気除去手段を設けてもよい。この場合、磁着媒体MCの磁気が被着体WKや他の装置などに何らかの悪影響をもたらすことを防止することができる。
【0032】
また、剥離手段、再仮着用剥離手段および貼付材剥離手段は、ローラによって構成してもよい。
さらに、押圧手段60は、支持面51Aで保持した接着シートASに支持プレート51側からエアを吹き付け、当該接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する構成でもよい。
また、認識手段80の配置位置は、磁着媒体積層手段70に対して原反RSの繰出方向上流側であればどこでもよい。
さらに、認識手段80を
図1中二点鎖線で示すように、磁着媒体積層手段70よりも原反RSの下流側に配置する場合、先頭の接着シートASが磁着媒体積層手段70上を通過するときには、磁着媒体積層手段70は磁着媒体MCを積層せずに、次の接着シートASから上述と同様にして磁着媒体積層手段70が磁着媒体MCを積層するようにすればよい。
また、認識手段80を設けずに、認識手段80の認識結果に基づくことなく接着シートASに磁着媒体MCを積層する構成としてもよい。
【0033】
さらに、被着体WKを移動させつつ、前記同様の接着シートASの貼付動作を行ってもよい。
また、被着体WKを他の装置で搬送する場合、本発明において搬送手段CVは不要であり、その他、本願発明の独立請求項に構成要件として記載されていない構成要素については、それぞれ必要に応じて採用すればよく、なくてもよい。
【0034】
さらに、本発明における接着シートAS、被着体WKの材質、種別、形状などは、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性などの接着形態に限定されることはなく、感熱接着性のものが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプなどの加熱手段を設ければよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤AD層だけの単層のもの、基材シートBSと接着剤AD層との間に中間層を有するもの、基材シートBSの上面にカバー層を有するなどの3層以上のもの、更には、基材シートBSを接着剤AD層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層または複層の中間層を有するものや、中間層のない単層または複層のものであってよい。また、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハなどの半導体ウエハ、回路基板、光ディスクなどの情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板など、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シートなどの任意のシート、フィルム、テープなどでもよい。
【0035】
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボットなどの電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダなどのアクチュエータなどを採用することができる上、それらを直接的または間接的に組み合せたものを採用することもできる(前記実施形態で例示したものと重複するものもある)