【実施例】
【0034】
次に、実施例、比較例により上述したダイレクトブロー容器1について説明する。
【0035】
(実施例1)
ダイレクトブロー容器1の原料樹脂として、樹脂Aを56重量部、樹脂Bを40重量部、無機系フィラー成分Cを4重量部で二軸押出機にて溶融混練した後ペレタイズした樹脂ペレットとし、ダイレクトブロー成形機を用いて下記の成形条件でブロー成形した。
【0036】
樹脂Aは、高密度ポリエチレン系樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名サンテックB470(密度=0.949g/cm
3、MFR=0.3g/10min,190℃)である。
樹脂Bは、高分子型帯電防止剤(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名エンティラMK400(密度=0.965g/cm
3、MFR=0.6g/10min,180℃)である。
無機系フィラーは関東化学社製、酸化亜鉛(Cat.No48041−01)である。
【0037】
成形条件
・押出機サイズ:Φ50、L/D=25
・シリンダ温度設定(C1:190℃、C2:210℃、C3:220℃、C4:220℃)
・ダイス径:Φ37.5
・コア径:Φ32.8
【0038】
成形されたダイレクトブロー容器1のピンチオフ強度を測定したところ、0.83kg/mm
2にてピンチオフ部からの破断が確認された。
【0039】
MFRは、JIS K−7210に準じて測定した値である。
ピンチオフ強度は、ダイレクトブロー容器1のピンチオフ部を幅20mmで切出し(
図2参照)、オリエンテック社製、テンシロン万能試験機RTC−1325Aにて引張速度10mm/minにて引張、ピンチオフ部が破断する最大点荷重をピンチオフ部の面積で除した値である。
【0040】
(実施例2)
ダイレクトブロー容器1の原料樹脂として、樹脂A、B、は実施例1と同条件であり、無機系フィラー成分Dを4重量部に変更し、同条件でペレタイズ、ブロー成形した。
無機系フィラー成分Dは浅田製粉社製、タルクJM−209(平均粒径3.9μm)である。
成形されたダイレクトブロー容器1のピンチオフ強度は1.17kg/mm
2であった。
【0041】
(実施例3)
ダイレクトブロー容器1の原料樹脂として、樹脂A、B、は実施例1と同条件であり、無機系フィラー成分Eを4重量部に変更し、同条件でペレタイズ、ブロー成形した。
無機系フィラー成分Eは浅田製粉社製、タルクJA−24R(平均粒径6〜9μm)である。
成形されたダイレクトブロー容器1のピンチオフ強度は0.69kg/mm
2であった。
【0042】
(実施例4)
ダイレクトブロー容器1の原料樹脂として、樹脂A、B、は実施例1と同条件であり、無機系フィラー成分Fを4重量部に変更し、同条件でペレタイズ、ブロー成形した。
無機系フィラー成分Fは浅田製粉社製、タルクJA−80R(平均粒径10〜14μm)である。
成形されたダイレクトブロー容器1のピンチオフ強度は0.77kg/mm2であった。
【0043】
(比較例1)
ダイレクトブロー容器1の原料樹脂として、樹脂Aを100重量部で溶融混練した以外は、実施例1と同条件にてダイレクトブロー容器1を成形した。
成形されたダイレクトブロー容器1のピンチオフ強度測定を実施したが、荷重1.12kg/mm
2の時点で、ピンチオフ部以外の薄肉部からの降伏が確認された。
【0044】
(比較例2)
ダイレクトブロー容器1の原料樹脂として、樹脂Aを60重量部、樹脂Bを40重量部である以外は、実施例1と同条件でペレタイズ、ブロー成形した。
成形されたダイレクトブロー容器1のピンチオフ強度は0.45kg/mm
2であった。
【0045】
実施例1〜4、比較例1、2における試験結果を表1に示す。表1には、実施例1〜4、比較例1、2のダイレクトブロー容器1を成形する際に使用した樹脂材料のブレンド比率、ピンチオフ肉厚、ピンチオフ強度測定による最大点荷重、及びピンチオフ強度を示している。
【0046】
【表1】
【0047】
表1に示すように、成形されたダイレクトブロー容器1に高分子型帯電防止剤をブレンドすることで、ピンチオフ強度が低下することが判明した。
また、無機フィラー成分を添加することでピンチオフ強度が向上することが判明した。中でも平均粒径が4μm程度のタルクを添加することでピンチオフ強度が最も向上することが判明した。