特開2015-205732(P2015-205732A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウェザーヘイブン グローバル リソーシズ リミテッドの特許一覧

特開2015-205732小型且つ高さが延長可能なコンテナおよびシェルタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-205732(P2015-205732A)
(43)【公開日】2015年11月19日
(54)【発明の名称】小型且つ高さが延長可能なコンテナおよびシェルタ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/12 20060101AFI20151023BHJP
【FI】
   B65D88/12 D
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-157314(P2015-157314)
(22)【出願日】2015年8月7日
(62)【分割の表示】特願2011-536715(P2011-536715)の分割
【原出願日】2009年11月20日
(31)【優先権主張番号】61/117,134
(32)【優先日】2008年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】515102080
【氏名又は名称】ウェザーヘイブン グローバル リソーシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WEATHERHAVEN GLOBAL RESOURCES LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ブライアン ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ソーン、グレン ブイ.
【テーマコード(参考)】
3E070
【Fターム(参考)】
3E070AA26
3E070DA01
3E070VA21
3E070WH01
3E070WH09
3E070WJ05
(57)【要約】
【課題】可搬式の折り畳み可能なシェルタを提供する。
【解決手段】剛体中空貨物コンテナと、回動壁部を含む垂直側面と、回動壁部を垂直位置に解放可能に固定するために、剛体中空貨物コンテナおよび回動壁部と結合される手段と、回動壁部を水平位置に維持するように、回動壁部を支持するように設けられる手段と、折り畳み可能なフレームと、回動壁部が下げられた水平位置にある場合に回動壁部の上方に支持されるように設けられる可撓性カバーとを備えるシェルタが提供される。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬式の折り畳み可能なシェルタであって、
a)対向端部、対向垂直側面、水平上部および底部、ならびに4個のコーナレール要素を含む剛体中空貨物コンテナであって、前記各コーナレール要素は、外側および内側伸縮要素を含み、前記各内側伸縮要素は、その上端が、前記水平上部に固定されると共に、前記外側伸縮要素内において、輸送のための下がり位置および輸送ではない場合の延長位置の間で可逆的に伸縮するように摺動可能であり、前記端部、前記側面、前記上部および底部は、前記内側伸縮要素が前記下がり位置にある時に、ISOシリーズ1貨物コンテナの最小規格よりも小さい外側高さ寸法及び外側幅寸法を有する剛体のコンテナを形成するために固定される、剛体中空貨物コンテナと、
b)回動壁部を含む、前記垂直側面のうちの少なくとも一つの垂直側面であって、前記回動壁部は、前記内側伸縮要素が前記輸送のための下がり位置にある場合に前記回動壁部が前記剛体中空貨物コンテナの前記垂直側面のうちの一つを形成する閉鎖垂直位置および開放水平位置の間で回動するために、同回動壁部の下縁に沿って、前記垂直側面にヒンジ接合され、また、前記回動壁部は外縁を有し、それによって、前記回動壁部が水平位置にある時に、開口が前記垂直側面に形成される、前記垂直側面のうちの少なくとも一つの垂直側面と、
c)前記回動壁部を前記垂直位置に解放可能に固定するために、前記剛体中空貨物コンテナおよび前記回動壁部と結合される手段と、
d)前記回動壁部を前記水平位置に維持するように、前記回動壁部を支持するように設けられる手段と
e)前記回動壁部が下げられた前記水平位置にあるとともに前記内側伸縮要素が前記延長位置にある場合に可撓性カバーを前記回動壁部の上方で支持するための折り畳み可能なフレームであって、前記折り畳み可能なフレームは前記回動壁部が下げられた前記水平位置にある時に前記回動壁部の前記外縁及び前記剛体中空貨物コンテナに取り外し可能に取り付けられ、
(f)前記回動壁部が下げられた前記水平位置にある場合に前記回動壁部の上方に支持されるように設けられる前記可撓性カバーであって、それにより、前記回動壁部が前記水平位置まで下げられた状態で、前記剛体中空貨物コンテナの内部に開口する閉じられた空間を前記回動壁部の上方に形成する、前記可撓性カバーと、
を含むことを特徴とするシェルタ。
【請求項2】
前記剛体中空貨物コンテナの高さ寸法は、前記内側伸縮要素が前記下がり位置にある時に、2.0メートル(78インチ)未満であることを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【請求項3】
前記剛体中空貨物コンテナの高さ寸法は、前記内側伸縮要素が前記下がり位置にある時に、約1.5メートル(60インチ)であることを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【請求項4】
前記各内側伸縮要素各々を、前記各外側伸縮要素内で可逆的に伸縮するように下げると共に延出させる動力手段を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【請求項5】
前記各内側伸縮要素を前記各外側伸縮要素内で可逆的に伸縮するように下げると共に延出させる前記動力手段は、油圧シリンダを含むことを特徴とする、請求項4に記載のシェルタ。
【請求項6】
前記回動壁部を上昇および下降させる手段を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【請求項7】
前記折り畳み可能なフレームは、剛体又は半剛体の梁を含み、該梁のいずれかの端部において、前記剛体中空貨物コンテナに取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【請求項8】
前記可撓性カバーは、布材料から構成されることを特徴とする、請求項7に記載のシェルタ。
【請求項9】
前記可撓性カバーは、前記水平上部の縁に沿って、前記開口の周りにおいて前記剛体中空貨物コンテナに、また前記垂直側面の縁に固定されることを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【請求項10】
前記折り畳み可能なフレームは、その下端において前記回動壁部に、またその上端において前記剛体中空貨物コンテナに固定される折り畳み可能なフレームを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【請求項11】
前記内側伸縮要素が前記延長位置にある時に、前記端部の上縁および前記水平上部の縁の間に延出する可撓性カバーを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシェルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物輸送コンテナ、可搬式シェルタの分野に関し、より詳細には、搬送用の剛体の貨物コンテナに折り畳まれる、剛体のフレーム区画部および可撓性の布区画部の両方を有する、折り畳み可能な可搬式シェルタに関する。
【背景技術】
【0002】
ISOコンテナ輸送チャネルを介して搬送され得る折り畳み可能な可搬式シェルタは、短期間の軍事または民間のプロジェクト、またはあまりにも遠隔であって現地での建設が非経済的であるプロジェクトに有用である。本出願人は、1998年6月9日に発行され、参照することにより本明細書において援用される特許文献1の主題である、商標名MECC(「Mobile Expandable Container Configura
tion」)で市販されている折り畳み可能な可搬式のコンテナ輸送型シェルタを開発した。その特許は、a)対向する垂直側面および水平の上部および底部を有し、ISO貨物コンテナの規格を満たす寸法および特徴を有する剛体中空コンテナ、b)閉鎖垂直位置および開放水平位置の間で回動するために、その下縁に沿ってヒンジ接合される回動壁部を備える垂直側面のうちの少なくとも1つの垂直側面、c)回動壁部を垂直位置に解放可能に固定する手段、d)回動壁部を水平位置に解放可能に保持する手段、e)回動壁部が下げられた水平位置にある間、前記回動壁部の上方に延出させられるように適合された可撓性布カバー、およびf)回動壁部が下げられた水平位置にある間、ヒンジ式に取り付けられた垂直側面の上方で布カバーを支持する手段を備える、可搬式の折り畳み可能なシェルタを開示している。
【0003】
MECCコンテナは、船、鉄道、またはトラック等の通常のISO輸送チャネルを介して搬送され得る。MECCコンテナは、フォークリフトまたはクレーンを使用して積み重ねられ、または積み込まれる。本願出願人のMECCコンテナは、幅2.44メートル(8フィート)、長さ6.1メートル(20フィート)、高さ2.44メートル(8フィート)の寸法を有しており、装備の搬送のために、軍隊によって広く用いられているが、より重要には、作業場および操作室又は指揮所として用いられている。MECCは、拡張可能なISO認定貨物コンテナであり、開放形態にある時に、おおよそ幅6.4メートル(21フィート)×長さ6.1メートル(20フィート)の床空間をもたらす。拡張されたMECCコンテナは、標準のISOコンテナの3倍の床面積を有するが、高さは同じ、すなわち2.6m(8.5フィート)または2.9m(9.5フィート)のままである。いくつかの用途に関しては、標準のISOコンテナよりも小さいコンテナとしてとして輸送され得るが、床面積の増加に加えて、またはその代わりに、高さの増加によって、シェルタまたは貯蔵設備に拡張可能であるシェルタを有することが望ましい。
【0004】
本願出願人は、また、標準のISOコンテナとして輸送され得るが、高さの増加によって、シェルタ又は貯蔵設備に拡張可能である拡張可能なシェルタ(以下、「本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタ」)を発明しており、これは、高さ延長可能なコンテナおよびシェルタと題されて、特許文献2として2008年11月10日に出願され、2009年5月14日に公表された国際特許出願PCT/CA2008/001987号の主題であり、この特許は、参照することにより本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,761,854号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/059432号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
広く用いられる軍事支援ヘリコプタは、CH47である。このヘリコプタは、必要とされる燃料装荷および航続距離に応じて、約10,000ポンドの貨物を持上げる能力を有するが、プラットホームの内寸がISOコンテナおよび航空機パレットよりも小さいので、大型貨物の大部分が外部で搬送される必要がある。全てのCH47型は、同じ貨物室寸法、即ち幅2.3メートル(90インチ)、高さ2.0メートル(78インチ)、および長さ9.3メートル(366インチ)を有する。前ドアは、わずかに幅0.9メートル(36インチ)および高さ1.7メートル(66インチ)にとどまる。ランプ開口は、幅2.3メートル(90インチ)および高さ2.0メートル(78インチ)であり、且つ、ランプ傾斜は、6.7度である。CH47によって、内部積荷として搬送されるのに十分に小型の拡張可能なコンテナシェルタは、目下存在しない。このような拡張可能なコンテナシェルタは、内部貨物の飛行機による輸送のために、軍事的耐空性規制を遵守することが必要とされる。支援されていない空輸末地に対して、航空機が移動させられる能力を有するという更なる要件が存在する。
【0007】
関連技術の前述の例、およびそれに関連する限定は、例示的であり、排他的ではないことが意図される。関連技術のその他の限定は、明細書を読み、図面を検討すれば、当該技術分野に属する者には明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の実施形態およびその態様は、代表的且つ例示的であり、範囲を制限することを意図しないシステム、ツール、および方法に関連して説明され、且つ示される。様々な実施形態において、1つまたは複数の上述された問題が、緩和されまたは解消され、他の実施形態は他の改善を対象にしている。
【0009】
従って、本発明は、輸送中でない時に、高さが延長させられ得ると共に、貨物軍事支援ヘリコプタ等の制限された貨物収容力を有するキャリヤで搬送されることが可能な貨物コンテナを提供する。本発明は、更に、輸送中でない時に、高さが延長させられ得ると共に、貨物軍事支援ヘリコプタ等の限られた貨物収容力を有するキャリヤで搬送されることが可能な折り畳み可能な可搬式コンテナシェルタを提供する。本発明は、ISOシリーズ1貨物コンテナの基準よりも小さく、且つ、コンテナの床空間を拡張させると共に、拡張させられた空間を取り囲み、また、屋根に高さの延長をもたらすために収縮自在な布カバーが備えられた1個またはそれ以上の折り畳み式側壁を有する小型コンテナを提供するために、標準的な貨物コンテナ構造を変形させる。コーナ支持体を可逆的に延出させることにより、屋根を上げる手段が設けられる。可撓性布カバーは、ヒンジ接合された垂直側面がその下がり水平位置にある間、ヒンジ接合された垂直側面の上方に延出させられるように適合され、且つ、ヒンジ接合された垂直側面が、下がり水平位置にある間、ヒンジ接合された垂直側面の上方で布カバーを支持する手段が設けられる。
【0010】
とりわけ、本発明は、ISOシリーズ1貨物コンテナの基準よりも小さく、高さが延長可能な小型コンテナを提供し、対向端部、対向垂直側面、水平上部および底部、ならびに4個のコーナレール要素を含み、各コーナレール要素は、外側および内側伸縮要素を含み、各内側伸縮要素は、その上端が水平上部に固定されると共に、外側伸縮要素内において、下降および延長位置の間で、可逆的に伸縮するように摺動可能である。端部、側面、上部および底部は、内側伸縮要素が下がり位置にある時に、ISOシリーズ1貨物コンテナの基準を満たさない外寸およびコーナフィッティング位置を有する剛体のコンテナを形成するために固定される。
【0011】
本発明は、更に、可搬式の折り畳み可能なシェルタを提供するものであり、a)ISOシリーズ1貨物コンテナの規格よりも小さく、高さが延長可能な剛体中空小型コンテナであって、対向端部、対向垂直側面、水平上部および底部、ならびに4個のコーナレール要素を含み、各コーナレール要素は、外側および内側伸縮要素を含み、各内側伸縮要素は、その上端が水平上部に固定されると共に、外側伸縮要素内において、下がりおよび伸長位置の間で、可逆的伸縮するように摺動可能であり、端部、側面、上部および底部は、内側伸縮要素が下がり位置にある時に、ISOシリーズ1貨物コンテナの規格よりも小さい外寸を有する剛体コンテナを形成するために固定される、コンテナと、b)回動壁部を含む、垂直側面のうちの少なくとも1個の垂直側面であって、回動壁部は、閉鎖垂直位置および開放水平位置の間で回動するために、回動壁部の下縁に沿って垂直側面にヒンジ接合され、それによって、回動壁部が水平位置にある時に、開口が垂直側面に形成される、垂直側面のうちの少なくとも1個の垂直側面と、c)回動壁部を垂直位置に解放可能に固定するたねに、コンテナおよび回動壁部と結合される手段と、d)回動壁部を水平位置に解放可能に保持するために、回動壁部を支持するように適合させられる手段と、e)回動壁部が下がり水平位置にある間、前記回動壁部の上方で、前記水平上部の縁から延出させられるように適合させられる可撓性カバーと、f)回動壁部が下がり水平位置にある間、前記可撓性カバーを回動壁部の上方で支持する手段とを含む。
【0012】
本発明は、更に、前段落で説明された可搬式の折り畳み可能なシェルタから、生活空間を取り囲む壁、床、および屋根を含むシェルタの構成方法を提供するものであり、a)一縁に沿ってヒンジ接合された少なくとも1個の回動側壁部を、閉鎖垂直位置から解放水平位置へ下降させる工程と、b)各内側伸縮要素をその完全伸長位置に延出させる工程と、c)各内側伸縮部材および可撓性カバー支持手段を、完全伸長位置で固定する工程とを含む。
【0013】
上述される例証態様および実施形態に加えて、更なる態様および実施形態が、図面を参照することにより、また、以下の詳細な説明を検討することにより明らかになる。
【0014】
例証実施形態は、図面の参照される図に示される。本明細書に開示される実施形態および図面は、限定的ではなく例証的であると考慮されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】輸送の準備が整った折り畳み状態における本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタを示す斜視図。
図2】側面が下げられている本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタを示す斜視図。
図3図2に示される油圧制御装置の詳細図。
図4】屋根が上昇させられると共にカバーが展開させられている本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタを示す斜視図。
図5図1のA−A線視断面図。
図6】中間支持体を示す詳細図。
図7】側面ラッチの開口およびウィンチハンドルの挿入を示す細部斜視図。
図8】側面開口を示す細部斜視図。
図9】側面の開口を示す更なる細部端面図。
図10】側面の水平化を示す細部斜視図。
図11A】コーナジャッキを示す平面図。
図11B】コーナジャッキを示す平面図。
図11C】コーナジャッキを示す平面図。
図12】コーナジャッキが所定位置ある折り畳み状態における本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタを示す斜視図。
図13】回動側壁の水平化延出部を示す詳細図。
図14】側壁が水平位置にある本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタを示す斜視図。
図15】コーナ固定ピンの斜視図。
図16】分解状態における屋根支持フレーム要素を示す斜視図。
図17】図示を簡易にするために、屋根が部分的に上昇させられると共に、下げられた側壁が取り除かれており、且つ、屋根カバーフレームが上昇のための位置で示される本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタを示す斜視図。
図18】図示を簡易にするために、屋根が完全に上昇させられると共に、屋根パネルが取り除かれており、且つ、屋根カバーフレームを部分上昇位置で示す本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタの斜視図。
図19】完全上昇位置にある屋根カバーフレームを示す細部斜視図。
図20】屋根カバーフレームヒンジロックを示す詳細図。
図21】屋根カバーフレームのウィング延出部への接合を示す詳細図。
図22図1のB−B線視断面図。
図23】コーナポストおよび油圧シリンダアセンブリを示す分解組立図。
図24】コーナポストおよび油圧シリンダアセンブリを示す分解組立図。
図25】輸送の準備ができている折り畳み状態における本発明の斜視図。
図26】側面が下げられている図25に示される本発明の斜視図。
図27】完全拡張状態における図25に示される本発明の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明において、特定の詳細は、当該技術分野に属する者により完全な理解をもたらすために記載される。しかしながら、周知の要素は、開示を不必要に不明確にすることを回避するために、図示又は説明されていないかもしれない。従って、説明および図面は、限定的な意味ではなく、例証的な意味で考えられるものである。
【0017】
図1から図24は、本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタを示しており、多くのその作動態様は、本発明の目的を達成するために、変更を伴い、目下請求されている発明に用いられる。図1を参照すると、折り畳み状態において、本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタは、ISO(国際標準化機構)規格に従う貨物コンテナ10を形成し、6.1メートル(20フィート)又は12.2メートル(40フィート)のいずれかである長さと、2.44メートル(8フィート)の幅と、2.6メートル(8.5フィート)又は2.9メートル(9.5フィート)の高さを有する。幅寸法は、3.05メートル(10フィート)程度である。貨物コンテナの構成に適用可能なISOおよび関連規格は、以下の出版物に見られる。
ISO1161 シリーズ1貨物コンテナ‐コーナフィッティング‐仕様
ISO1496−1 シリーズ1貨物コンテナ‐仕様および試験‐第1部:汎用の一般貨物コンテナ
ISO規格9000から9004−品質規格
国際鉄道連合(U.I.C.)
国際道路輸送(T.I.R.)
コンテナ安全条約(C.S.C.)
コンテナ10は、回動側壁12、屋根14、および端部16から形成される剛体側面11を有し、これら全ての表面は、断熱され得る。両方の側面11は、好適には、回動側壁12から形成されるが、一方の側面のみが、回動側壁12を有してもよい。金属底部側面レール20、上部側面レール21、金属交差部材22、金属垂直レール24、およびコーナフィッティング26は、輸送の間に構造の補強をもたらす。ポケット28は、フォークリフト車両のフォークを受入れるために設けられる。床張り19は、コンテナの底部18に設けられる(図2)。機械システム29は、コンテナ10の床、壁、又はその他の場所
に予め装着され得る。
【0018】
好適には、屋根14は、軟鋼又はコールテン鋼(Corten)からなる標準的なコンテナ屋根である。コーナフィッティング26は、鋳鋼から製造され、また、他のフレーム部材は、軟鋼から製造される。端壁16および側壁11は、硬質の断熱発泡体を包囲する鋼パネルの区画から形成される。床張り19は、好適には、ビニルの上部層を有する合板であり、側壁12の上面は、リノリウムの上方層を有する合板である。床および壁の断熱は、硬質ポリウレタンまたはポリスチレン発泡体であり、ガラス繊維バット断熱は、屋根14に使用される。
【0019】
2個の側壁12は、それらがラッチ40により保持された図1に示される垂直位置から、図2に示される水平位置へ回動するのを可能にするために、42において、その基部にそってヒンジ接合される。ヒンジおよび壁構造は、米国特許第5,761,854号明細書に記載されるように構成され得る。ラッチ40は、輸送の目的で剛体構造をもたらすために、垂直位置において、側壁12を固定し、ポケット28またはISOコーナフィッティング26を介して持上げられ得る。ラッチ40は、図1および図7に示されるように、ラッキング防止回転式固定バー、又は他の適当なラッチ装置であってよい。
【0020】
本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびコンテナは、好適には、フォークリフトまたはクレーンを使用して、タールマック、コンクリート、または締め固め土などの固い表面に配置される。図11および12に示されるように、コーナ水平化ジャッキ46が、垂直レール24およびコーナフィッティング26に取り付けられる。各ジャッキ46の本体48は、フット/ベースプレート延出部50の上に摺動して下げられる(図11A)。ジャッキのボルトヘッド52が、コーナ垂直レール24のキーホール54を貫通して押し込まれ、且つ、ジャッキが摺動して下ろされて、所定位置に固定する。次いで、ジャッキ46は、レール24に向かって回転され、且つ、ツイストロック56がコーナフィッティング26の孔に挿入されると共に、90度ねじられて固定し(図11B)、また、固定させるためにピン57が挿入される。次いで、延出部50を固定するために、フットベースプレート58が地面に下ろされ、且つ、ピン59が挿入される。図12を参照すると、ハンドル60がジャッキ46のソケットに挿入され、且つ、2つのジャッキを一度に回してコンテナを水平化するために、ハンドルが回される。
【0021】
側面12を下げる前に、大きな負荷がシェルタ内で支持されることを可能にするために、中間支持部62が、図5に示される位置64において、下側レール20に装着される。支持部62のフット63は、ナット65を回転することによって延長できるように、ねじ山が付けられている。コーナポストが7.62センチメートル(3インチ)より大きな等級の場所に、クリビング66が使用される。
【0022】
次いで、側面12が、図7および8に示されるように、米国特許第5,761,854号に記載されるようなウインチを使用して下げられる。ウインチ(図示なし)は、図7に示されるように、ハンドル68によって手動操作され得、または電気モータによって操作され得る。ウインチは、側面12の上方のコーナに取り付けられると共に、1つまたは複数のプーリの上を通り、コンテナの固定壁に取り付けられたウインチまで降りるケーブルまたはワイヤロープ70を巻き上げ、あるいは解放することによって側面12を上下させる。ウインチは、ワイヤロープが突然スリップするのを防止するために、ブレーキ機構を有し得る。ハンドル68は、ウインチ駆動装置69に挿入される。側面12を解放するために、固定バー40が回転されると共に、摺動されて下げられる。次いで、側面12は、安全ストラップ72(図9)がほぼピンと張るまで、ウインチで下げられる。次いで、安全ストラップ72がフックを外され、且つ、側面12が地面に接近するまで下げられる。次いで、側面は、ねじ山を付けられたフットプレート74(図10)、または側面12の
カラー78に嵌合すると共に、延出部76の孔80の1つに、ピン79によって保持される延出部76(図13)を使用して水平化される。
【0023】
側面が下げられると共に、水平化されると、屋根は以下のように持ち上げられることが可能となる。4つのコーナ各々にある固定ピン82が係脱される(図15)。固定ピン82は、各コーナ垂直レール24に隣接する交差部材22の内側表面に配置されると共に、スプリングボルト114を制御する(図23)。油圧ポンプは、オンスイッチを使用して電源を投入される(図3)と共に、手動制御装置33を使用して制御される。次いで、屋根は、図14に示されるように、わずかに、例えば500mm(18インチ)持ち上げられる。図16は、布カバー90を支持するためのヒンジ接合式フレームの分解された要素を示す。ヒンジ接合式フレームは、オフセット回動部品84、ヒンジ接合式Tアーチアセンブリ85、ヒンジ接合式Xアーチアセンブリ86、スペーサ87、稜部ポール88、およびトラスフレーム89を備える。ヒンジ接合式フレームは、図17に示されるように組み立てられると共に、屋根に接続される。オフセット回動部品は、各コーナ101において、上側レール21に取り付けられると共に、Tアーチ85が取り付けられる回動片103を有する。次いで、屋根は、油圧制御装置によって、完全な4フット延出部まで持ち上げられ、それによって、カバーフレームを、図18に示される位置に持ち上げる。次いで、各垂直の脚部のヒンジが、図19および20に示されるように固定され、且つ、垂直フレーム部材102の底部のスタッド100が、回動する床ウイング延出部12の床のカップ104に配置され(図21)、それによって剛体のカバー支持フレーム91が形成される。
【0024】
次いで、図4に示されるような布カバー90が、フレーム90の上に固定される。カバー90は、断熱加工できる防水PVC被覆ポリエステルなどから作られてよい。カバー90は、側壁12の縁部に沿って、またレール24,22の縁部に沿って取り付けられる。したがって、布カバー90は、ウイング延出部によって形成された床領域の上に、防水シールを提供する。布カバー90には、入口および出口の目的、また窓およびスクリーンの少なくともいずれかのために、ジッパー式開口96が設けられてよい。車両ランプ95が、車両の進入を可能にするために設けられてもよい。持ち上げられた屋根によって形成された端部開口92は、屋根14が下げられた時に、コンテナの内側に折りたたまれる、永久に取り付けられた布カバー94を有する。標準のドア17を、入口/出口として使用してもよい。
【0025】
構造体をその輸送形態に折り畳むために、前述の工程は逆に行われる。布カバー90が取り外され、フレーム91のヒンジが解放され、屋根が図17に示される位置に油圧によって下げられ、フレーム91が分解され、除去され、屋根が完全に下げられ、固定ピン82が係合され、且つ、側壁12がウインチによって垂直位置に持ち上げられる。次いで、側壁12が、ラッキング防止ラッチバー40によって、垂直位置にラッチ式に留められる。次いで、コンテナは、トラック、鉄道、船、ヘリコプタ、または飛行機によって、標準のISO貨物コンテナとして輸送され得る。
【0026】
屋根を持ち上げるために、コーナレールを延長するための油圧システムのさらなる詳細が、図22〜24に示される。内側ポスト110は、超高分子量パッド112と接触することによって中心に位置決めされる外側レール24の中空内部111の中で伸縮式に摺動する。油圧シリンダ116は、図24のように延長し、または図23のように後退するために、油圧制御装置33によって作動され、油圧接続部9を有し、且つ、符号2で内側ポストに、また符号3で外側ポストに取り付けられる。スプリングボルト114は、固定ピン82、または2つのスプリングボルト114を制御する図23に示されるような中央のハンドル115によって制御される。スプリングボルト114は、図15に示されるように、内側ポストが延出するのを防止し、或いは、油圧シリンダのコーナレールの力のもと
で延出するために、内側ポストを解放する。
【0027】
前述の高さ延長可能な構造は、1つまたは複数の回動側面または布カバーを備えないコンテナに適用されてもよい。その場合には、ヒンジを使用しないで、側面12は固定されてよい。延出するコンテナの屋根は、上記に説明したように、別の方式で動作する。固定されたカバーには、屋根が、上記に説明したコンテナの端部にある開口92に提供されたのと同じ様式で延長された場合に形成された、長手方向の開口が設けられてよい。このようにして、コンテナの内部空間が、輸送中でない場合に収納のために拡張できると共に、輸送のために標準のISO寸法に縮小できる。
【0028】
軍隊では、かなりの量の装備を搬送するために、航空機パレット(幅2.2メートル(88インチ)×長さ2.7メートル(108インチ)×高さ2.3メートル(90インチ))を利用するが、このパレットは、航空機の高さ制限に起因して、CH47ヘリコプタの内部に嵌らない。軍隊は、本願出願人のMECCおよび航空機パレットの両方のための操作機器を有する。本発明は、CH47ヘリコプタ等の航空機によるコンテナシェルタ航空輸送を内部でもたらすべく、航空機パレットの寸法制限と適合させるために、MECCを変更させる。
【0029】
図25を参照すると、本発明の小型コンテナ200は、その折り畳み状態で示されている。コンテナ200は、回動側壁202、屋根204、および端部206から形成される剛体側面を有する。コンテナ200の金属構造は、好適には、アルミニウムから製造され、且つ、全面が断熱されてよい。コンテナの好適な重量は、約1588キログラム(3500ポンド)である。両方の側面が、好適には、回動側壁202から形成されるが、一方の側面のみが回動側壁を有し、他方の側面は固定されてもよい。金属底部側面レール220、上部側面レール221、金属交差部材222、金属垂直レール224、およびコーナフィッティング226は、輸送の間に構造の補強をもたらす。ポケット228は、フォークリフト車両のフォークを受入れるために設けられる。床張り(図示なし)は、コンテナの底部218に設けられる(図25)。折り畳み状態において、コンテナ200は、航空機上で2個のパレット位置をとり、従って、コンテナは、2.7メートル(108インチ)の単一パレット長さではなく、約5.5メートル(216インチ)の長さである。折り畳まれた高さは、約1.5メートル(60インチ)であり、幅は約2.2メートル(86インチ)である。図27に示されるような拡張に際して、拡張させられたコンテナは、幅約4.4メートル(174インチ)から4.6メートル(182インチ)(床2.2メートル(86インチ)プラス2個のウイングの幅約1.2メートル(48インチ))および長さ5.5メートル(216インチ)の床空間をもたらす。図26および図27から分かるように、コンテナは高さを、折り畳み形態における1.5メートル(60インチ)(図25)から、延長形態における2.4メートル(96インチ)(図26および図27)に拡張させて、おおよそ2.1メートル(7フィート)である現今のMECCと同様の内部作用高さをもたらす。
【0030】
本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタのように、2個の側壁202は、それら側壁202がラッチ240によって保持されている図25に示される垂直位置から、図26に示される水平位置へ回動するのを可能にするために、符号242において、その基部に沿ってヒンジ接合される。ヒンジおよび壁構造は、米国特許第5,761,854号明細書に記載されるようであってよい。ラッチ240は、輸送目的で、ポケット228を介して、又はコーナフィッティング226によって持ち上げられ得る剛体構造をもたらすために、側壁202を垂直位置で固定する。ラッチ240は、ラッキング防止回転式固定バー、又は他の適当なラッチ装置であってよい。
【0031】
コンテナ200は、上述された本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェ
ルタと同じ方法で、コーナ水平化ジャッキ46、またことによれば中間支持体62およびクリビング66を用いて(図6図13)硬い表面上に配置される。次いで、側面202が、図7および図8に示されるように、また米国特許第5,761,854号明細書に記載されるような、また上述されるようなウインチを用いて、下げられる。次いで、側面は、上述されるように水平化される。上述される本願出願人の高さ延長可能なISOコンテナおよびシェルタとは異なり、図26に示されるような布カバー290は、コンテナ200内に収容されると共に、既に縁291,292および293に固定されている。カバー290は、側面202が持上げられた時に、コンテナの内側に折り畳まれる。上記のように、カバー290は、断熱され得る防水PVC被覆ポリエステル等から作られてよい。従って、布カバー290は、ウイング延出部によって形成される床領域の上に防水シールをもたらす。布カバー290には、入口および出口の目的、また窓およびスクリーンの少なくともいずれかのために、ジッパー式開口が設けられてよい。持ち上げられた屋根によって形成された端部開口294には、屋根204が下げられた時に、コンテナの内側に折り畳まれる布カバー296が取り付けられている。
【0032】
側面202が下げられると共に水平化されると、屋根が上昇させられ得る。上述された固定ピン82が使用されてよい。図22図24において上述されたように、屋根を上昇させるために、油圧システムおよび伸縮式コーナレールが用いられてよく、外側レール224の中空内部内で、内側ポスト210を伸縮式に摺動させて延出させる。或いは、電気機械式持上げ機器が用いられてよく、それにより、支柱は同時に上昇させられる。次いで、屋根204が、図26に示されるように上昇させられる。フレームアセンブリ250が組み立てられると共に、図27に示されるように、端縁223および225において、コンテナに連結され、それにより、剛体のカバー支持フレーム250が形成される。
【0033】
構造をその輸送形態に折り畳むために、前述の工程が逆に行われる。フレーム250が分解されると共に取り除かれ、屋根204が油圧により完全に下げられ、固定ピンが係合させられ、且つ側壁202が、ウインチにより、垂直位置に上昇させられる。次いで、側壁202は、ラッキング防止ラッチバー240によって、垂直位置にラッチ式にとめられる。次いで、コンテナは、貨物コンテナとして、ヘリコプタ又は航空機により輸送され得る。
【0034】
例えばヘリコプタ貨物室において運搬可能な小型コンテナの拡張可能性の利点は、その利用性を劇的に増加させることとなる。閉鎖形態にある時に、コンテナ200は、その内容物を保護することが可能である一方、開放に際して、増加させられた空間は、保管された装備、工具、予備品等への接近を可能にする。本発明をCH47ヘリコプタを介して戦場に迅速に配置し、航空機から移動させ、且つ、数分内に拡張させる能力は、軍司令部が戦闘状態になるのにかかる時間を大きく減少させる。全ての装備が完全に連結されているが、閉鎖形態内に安全に入れられた状態で、例えば、操作室としての本発明の利用は、コンテナが要求される位置に到達する数分内に、機能が完全に作動的となることを可能とする。試験の結果、本発明は、閉鎖形態から開放形態に、30分以内に展開させられ得た。
【0035】
様々な軍隊は、自らの経常在庫内において、本発明を移動させるために使用され得るかなり多くのコンテナ移動体を有する。これら移動体は、コンテナ設備を操作/移動させる能力をもたらす。一例には、CIGNYSにより製造されるS−280高速モビライザがある。設定されるいずれかのモビリティの利用は、本発明が、支援されていない空輸未地で利用されるのを可能にするが、低速変更物の利用は、ペイロードの著しい増加を可能にする。例えば、CH47ヘリコプタは、4536キログラム(10,000ポンド)のペイロードを有する。1588キログラム(3500ポンド)と推定されるコンテナ200、および612キログラム(1350ポンド)の重量を有する低速モビライザでは、コンテナ200内で運ばれる機器は、おおよそ2336キログラム(5150ポンド)となる
【0036】
多くの例証態様および実施形態が上記に記載されているが、当該技術分野に属する者であれば、その特定の変形、交換、付加、および小結合を認識できる。従って、本発明は、その真の精神および範囲内にあるこれら変形、交換、付加、および小結合の全てを含むと解釈されるように意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27