【解決手段】起立し且つロック手段でロックされるワーク高位置支持姿勢と、折り畳まれて基台2a上に支持されるワーク低位置支持姿勢との間で起伏運動するように構成された二組の中折れ平行リンク機構3L,3Rそれぞれに対応させて、ワーク支持台4側に二組の突っ張り部材43bが、前記中折れ平行リンク機構の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられ、ワーク支持台4を外部のリフターによって平行降下させたとき、中折れ平行リンク機構3L,3Rがワーク高位置支持姿勢とワーク低位置支持姿勢との間の中間姿勢になったときに、ワーク支持台4側から垂下している垂直姿勢の突っ張り部材43bが、当該ワーク支持台4と基台2aとの間で突っ張って、ワーク支持台4を中間高さで支持する。
ワーク支持台と基台とを連結する二組の中折れ平行リンク機構を備え、前記ワーク支持台が外部のリフターによって平行昇降移動させられることにより、二組の前記中折れ平行リンク機構が、起立したワーク高位置支持姿勢と、折り畳まれて基台上に支持されるワーク低位置支持姿勢との間で起伏運動するように構成され、前記ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構を前記基台に対して固定するロック手段が併設されているワーク支持装置において、二組の前記中折れ平行リンク機構のそれぞれに対応させて、ワーク支持台側に突っ張り部材が、前記中折れ平行リンク機構の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられ、前記ワーク支持台を外部のリフターによって平行降下させたとき、前記中折れ平行リンク機構がワーク高位置支持姿勢とワーク低位置支持姿勢との間の中間姿勢になったときに、ワーク支持台側から垂下している垂直姿勢の前記突っ張り部材が、当該ワーク支持台と前記基台との間で突っ張って、ワーク支持台を中間高さで支持するように構成され、前記突っ張り部材が前記基台との間で突っ張る前に吊下げ支軸の周りに揺動傾斜せしめられたときは、ワーク支持台の平行降下に伴って当該突っ張り部材が基台上に倒伏するように構成された、ワーク支持装置。
前記中折れ平行リンク機構は、荷重支持用の第1二連リンクと、この第1二連リンクに対して当該第1二連リンクの屈曲倒伏方向とは反対側に位置する姿勢制御用の第2二連リンク、及び第1第2両二連リンクの中間支軸どうしを連結する中間リンク部材から構成され、前記突っ張り部材は、前記第1二連リンクのワーク支持台側の支軸の周りに揺動自在に吊り下げられている、請求項1に記載のワーク支持装置。
前記基台上には、ワーク支持台側から垂下している垂直姿勢の前記突っ張り部材の下端に嵌合して当該突っ張り部材を支持する嵌合支持部が設けられている、請求項1又は2に記載のワーク支持装置。
前記突っ張り部材の下端部には、ワーク支持台側から垂下している垂直姿勢では基台上に当接しないが、ワーク支持台の平行降下に伴って当該突っ張り部材が基台上で倒伏するときには、基台上に当接して転動するローラーが軸支されている、請求項1〜3の何れか1項に記載のワーク支持装置。
前記突っ張り部材を基台上で倒伏させるときの当該突っ張り部材の揺動方向は、当該突っ張り部材が併設された前記中折れ平行リンク機構の屈曲倒伏方向と同一方向である、請求項1〜4の何れか1項に記載のワーク支持装置。
前記突っ張り部材は、その吊下げ支軸の周りでの揺動と一定範囲内での昇降とが可能なように吊り下げられ、この突っ張り部材には、ワーク支持台の支持部が設けられ、当該突っ張り部材がワーク支持台と前記基台との間で突っ張って、当該突っ張り部材に対してワーク支持台が前記一定範囲内で相対的に下降したとき、この突っ張り部材の前記支持部がワーク支持台を中間高さで支持するように構成された、請求項1〜5の何れか1項に記載のワーク支持装置。
前記中折れ平行リンク機構は、荷重支持用の第1二連リンクと、この第1二連リンクに対して当該第1二連リンクの屈曲倒伏方向とは反対側に位置する姿勢制御用の第2二連リンク、及び第1第2両二連リンクの中間支軸どうしを連結する中間リンク部材から構成され、二組の前記中折れ平行リンク機構の内の一方の中折れ平行リンク機構は、ワーク支持台の互いに平行な両側辺の内、一方の側辺中央部に配置されると共に、他方の中折れ平行リンク機構は、ワーク支持台の互いに平行な両側辺の内、他方の側辺両端部に振り分け配置され、一方の側辺中央部の中折れ平行リンク機構には、並列する2つの第1二連リンクが設けられると共に、これら2つの第1二連リンクのワーク支持台側の支軸の両端それぞれに前記突っ張り部材が揺動自在に吊り下げられ、他方の側辺両端部の中折れ平行リンク機構には、それぞれ第1二連リンクが設けられると共に、これら2つの第1二連リンクのワーク支持台側の支軸それぞれに前記突っ張り部材が揺動自在に吊り下げられている、請求項1〜6の何れか1項に記載のワーク支持装置。
ワーク支持台と基台とを連結する二組の中折れ平行リンク機構を備え、前記ワーク支持台が外部のリフターによって平行昇降移動させられることにより、二組の前記中折れ平行リンク機構が、起立したワーク高位置支持姿勢と、折り畳まれて基台上に支持されるワーク低位置支持姿勢との間で起伏運動するように構成され、前記ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構を前記基台に対して固定するロック手段が併設されているワーク支持装置において、二組の前記中折れ平行リンク機構のそれぞれに、その中折れ関節部から当該中折れ平行リンク機構の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられた突っ張り部材が設けられ、前記ワーク支持台を外部のリフターによって平行降下させたとき、前記中折れ平行リンク機構がワーク高位置支持姿勢とワーク低位置支持姿勢との間の中間姿勢になったときに、中折れ平行リンク機構の中折れ関節部から垂下している垂直姿勢の前記突っ張り部材が、当該中折れ関節部と前記基台との間で突っ張って、ワーク支持台を中間高さで支持するように構成され、前記突っ張り部材が前記基台との間で突っ張る前に、その吊下げ支軸の周りに揺動傾斜せしめられたときは、ワーク支持台の平行降下に伴って当該突っ張り部材が基台上に倒伏するように構成された、ワーク支持装置。
前記中折れ平行リンク機構は、荷重支持用の第1二連リンクと、この第1二連リンクに対して当該第1二連リンクの屈曲倒伏方向とは反対側に位置する姿勢制御用の第2二連リンク、及び第1第2両二連リンクの中間支軸どうしを連結する中間リンク部材から構成され、前記突っ張り部材は、前記第1二連リンクの中間支軸の周りに揺動自在に吊り下げられている、請求項8に記載のワーク支持装置。
前記突っ張り部材を基台上で倒伏させるときの当該突っ張り部材の揺動方向は、当該突っ張り部材が併設された前記中折れ平行リンク機構の屈曲倒伏方向と同一方向である、請求項8又は9に記載のワーク支持装置。
前記突っ張り部材には、前記第1二連リンクの中間支軸から垂下している垂直姿勢にあるとき、第2二連リンクの中間支軸と同心状に当該第2二連リンクに設けられた張出し部材の周縁に隣接する揺動制限部材が設けられている、請求項8〜10の何れか1項に記載のワーク支持装置。
前記突っ張り部材の下端部には、中折れ平行リンク機構の中折れ関節部から垂下している垂直姿勢では基台上に当接しないが、ワーク支持台の平行降下に伴って当該突っ張り部材が基台上で倒伏するときには、基台上に当接して転動するローラーが軸支されている、請求項8〜11の何れか1項に記載のワーク支持装置。
前記中折れ平行リンク機構は、荷重支持用の第1二連リンクと、この第1二連リンクに対して当該第1二連リンクの屈曲倒伏方向とは反対側に位置する姿勢制御用の第2二連リンク、及び第1第2両二連リンクの中間支軸どうしを連結する中間リンク部材から構成され、二組の前記中折れ平行リンク機構の内の一方の中折れ平行リンク機構は、ワーク支持台の互いに平行な両側辺の内、一方の側辺中央部に配置されると共に、他方の中折れ平行リンク機構は、ワーク支持台の互いに平行な両側辺の内、他方の側辺両端部に振り分け配置され、一方の側辺中央部の中折れ平行リンク機構には、並列する2つの第1二連リンクが設けられると共に、これら2つの第1二連リンクの共通中間支軸の中央部に前記突っ張り部材が揺動自在に吊り下げられ、他方の側辺両端部の中折れ平行リンク機構には、それぞれ第1二連リンクが設けられると共に、これら2つの第1二連リンクの中間支軸それぞれに前記突っ張り部材が揺動自在に吊り下げられている、請求項8〜12の何れか1項に記載のワーク支持装置。
ワーク支持台と基台とを連結する二組の中折れ平行リンク機構を備え、前記ワーク支持台が外部のリフターによって平行昇降移動させられることにより、二組の前記中折れ平行リンク機構が、起立したワーク高位置支持姿勢と、折り畳まれて基台上に支持されるワーク低位置支持姿勢との間で起伏運動するように構成され、前記ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構を前記基台に対して固定するロック手段が併設されているワーク支持装置において、二組の前記中折れ平行リンク機構のそれぞれには、ワーク支持台側に前記中折れ平行リンク機構の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられた第1突っ張り部材と、各中折れ平行リンク機構の中折れ関節部から当該中折れ平行リンク機構の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられた第2突っ張り部材が設けられ、前記ワーク支持台を外部のリフターによって平行降下させたとき、前記中折れ平行リンク機構がワーク高位置支持姿勢とワーク低位置支持姿勢との間の中間姿勢になったときに、吊下げ支軸から垂下している垂直姿勢の前記第1突っ張り部材と前記第2突っ張り部材が前記基台との間で突っ張って、これら第1及び第2両突っ張り部材がワーク支持台を中間高さで支持するように構成され、これら第1及び第2両突っ張り部材が前記基台との間で突っ張る前にそれぞれ吊下げ支軸の周りに揺動傾斜せしめられたときは、ワーク支持台の平行降下に伴ってこれら第1及び第2両突っ張り部材が基台上に倒伏するように構成された、ワーク支持装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来周知のワーク支持装置の構成では、支持するワークを、中折れ平行リンク機構がワーク高位置支持姿勢でロック手段によりロックされたときの最高高さと、中折れ平行リンク機構が基台上に倒伏したときの最低高さの2段階で支持することが出来るだけであって、ワークに対する作業内容から都合の良い中間高さで支持させようとしても出来ない。勿論、中折れ平行リンク機構がワーク高位置支持姿勢と基台上に倒伏したワーク低位置支持姿勢との中間姿勢にあるときに、当該中折れ平行リンク機構を、それ以上の倒伏運動を阻止するように第2のロック手段でロックすることも考えられるが、この第2のロック手段でロックされた中折れ平行リンク機構は、倒伏V字形に大きく屈曲した姿勢になっているので、この中折れ平行リンク機構のリンク部材に過大な曲げ力が作用することになり、自動車車体のような大型大重量のワークの安全な支持には適していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできるワーク支持装置を提案するものであって、第一発明に係るワーク支持装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、ワーク支持台(4)と基台(2a)とを連結する二組の中折れ平行リンク機構(3L,3R)を備え、前記ワーク支持台(4)が外部のリフターによって平行昇降移動させられることにより、二組の前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)が、起立したワーク高位置支持姿勢と、折り畳まれて基台(2a)上に支持されるワーク低位置支持姿勢との間で起伏運動するように構成され、前記ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構(3L,3R)を前記基台(2a)に対して固定するロック手段(34)が併設されているワーク支持装置において、二組の前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)のそれぞれに対応させて、ワーク支持台(4)側に突っ張り部材(43a,43b)が、前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられ、前記ワーク支持台(4)を外部のリフターによって平行降下させたとき、前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)がワーク高位置支持姿勢とワーク低位置支持姿勢との間の中間姿勢になったときに、ワーク支持台(4)側から垂下している垂直姿勢の前記突っ張り部材(43a,43b)が、当該ワーク支持台(4)と前記基台(2a)との間で突っ張って、ワーク支持台(4)を中間高さで支持するように構成され、前記突っ張り部材(43a,43b)が前記基台(2a)との間で突っ張る前に吊下げ支軸(上端支軸(19))の周りに揺動傾斜せしめられたときは、ワーク支持台(4)の平行降下に伴って当該突っ張り部材(43a,43b)が基台(2a)上に倒伏する構成になっている。
【0006】
又、第二発明に係るワーク支持装置は、ワーク支持台(4)と基台(2a)とを連結する二組の中折れ平行リンク機構(3L,3R)を備え、前記ワーク支持台(4)が外部のリフターによって平行昇降移動させられることにより、二組の前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)が、起立したワーク高位置支持姿勢と、折り畳まれて基台(2a)上に支持されるワーク低位置支持姿勢との間で起伏運動するように構成され、前記ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構(3L,3R)を前記基台(2a)に対して固定するロック手段(34,34a,34b)が併設されているワーク支持装置において、二組の前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)のそれぞれに、その中折れ関節部(中間支軸(21))から当該中折れ平行リンク機構(3L,3R)の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられた突っ張り部材(90,90a,90b)が設けられ、前記ワーク支持台(4)を外部のリフターによって平行降下させたとき、前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)がワーク高位置支持姿勢とワーク低位置支持姿勢との間の中間姿勢になったときに、中折れ平行リンク機構(3L,3R)の中折れ関節部(中間支軸(21))から垂下している垂直姿勢の前記突っ張り部材(90,90a,90b)が、当該中折れ関節部(中間支軸(21))と前記基台(4)との間で突っ張って、ワーク支持台(4)を中間高さで支持するように構成され、前記突っ張り部材(90,90a,90b)が前記基台(2a)との間で突っ張る前に、その吊下げ支軸(中間支軸(21))の周りに揺動傾斜せしめられたときは、ワーク支持台(4)の平行降下に伴って当該突っ張り部材(90,90a,90b)が基台(2a)上に倒伏する構成となっている。
【0007】
更に、第三発明に係るワーク支持装置は、ワーク支持台(4)と基台(2a)とを連結する二組の中折れ平行リンク機構(3L,3R)を備え、前記ワーク支持台(4)が外部のリフターによって平行昇降移動させられることにより、二組の前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)が、起立したワーク高位置支持姿勢と、折り畳まれて基台(2a)上に支持されるワーク低位置支持姿勢との間で起伏運動するように構成され、前記ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構(3L,3R)を前記基台(2a)に対して固定するロック手段(34,34a,34b)が併設されているワーク支持装置において、二組の前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)のそれぞれには、ワーク支持台(4)側に前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられた第1突っ張り部材(43a,43b)と、各中折れ平行リンク機構(3L,3R)の中折れ関節部(中間支軸(21))から当該中折れ平行リンク機構(3L,3R)の起伏運動方向に揺動自在に吊り下げられた第2突っ張り部材(90,90a,90b)が設けられ、前記ワーク支持台(4)を外部のリフターによって平行降下させたとき、前記中折れ平行リンク機構(3L,3R)がワーク高位置支持姿勢とワーク低位置支持姿勢との間の中間姿勢になったときに、吊下げ支軸(上端支軸(19),中間支軸(21))から垂下している垂直姿勢の前記第1突っ張り部材(43a,43b)と前記第2突っ張り部材(90,90a,90b)が前記基台(2a)との間で突っ張って、これら第1及び第2両突っ張り部材がワーク支持台を中間高さで支持するように構成され、これら第1及び第2両突っ張り部材(43a,43b)(90,90a,90b)が前記基台(2a)との間で突っ張る前にそれぞれ吊下げ支軸(上端支軸(19),中間支軸(21))の周りに揺動傾斜せしめられたときは、ワーク支持台(4)の平行降下に伴ってこれら第1及び第2両突っ張り部材(43a,43b)(90,90a,90b)が基台(2a)上に倒伏する構成となっている。
【発明の効果】
【0008】
上記第一発明〜第三発明に係るワーク支持装置において、ワーク支持台上に積載されたワークを最高高さで支持させるときは、そのワーク支持台を外部のリフターによって、二組の前記中折れ平行リンク機構が起立したワーク高位置支持姿勢となるまで平行に上昇させた後に、前記ロック手段を働かせて、二組の前記中折れ平行リンク機構を起立したワーク高位置支持姿勢でロックすれば、ワーク支持台を外部のリフターによる支持から解放させても、ワーク支持台を最高高さで安定的に支持させることが出来る。このとき、基台上に倒伏状態にあった突っ張り部材は、中折れ平行リンク機構がワーク高位置支持姿勢に向かって起立動作するのに伴って吊下げ支軸によって引き起こされ、中折れ平行リンク機構がワーク低位置支持姿勢とワーク高位置支持姿勢との間の中間支持姿勢を超えた時点で、吊下げ軸から垂下する垂直姿勢になって基台上から離れるので、中折れ平行リンク機構が起立したワーク高位置支持姿勢になったときには、突っ張り部材は、吊下げ軸から吊り下げられた状態にある。
【0009】
最低高さのワーク支持台上に搭載されたワークを、最高高さと最低高さの間の中間高さで支持させるときは、前記突っ張り部材が吊下げ軸から垂下する垂直姿勢になるまで、ワーク支持台を外部のリフターによって平行に上昇させた後に、その支持するワーク支持台を前記リフターにより降下させて、吊下げ軸から垂下する垂直姿勢の突っ張り部材の下端を基台上に当接させる。この状況で外部のリフターをワーク支持台の支持から解放させると、ワーク支持台側の荷重は、基台との間で突っ張り状態にある垂直姿勢の突っ張り部材を介して基台側に支持され、当該ワーク支持台の位置(姿勢)は、屈曲姿勢にある中折れ平行リンク機構によって一定に保たれるので、ワーク支持台上に搭載されたワークは、中間高さで安定的に支持される。上記のように最高高さで支持されているワーク(ワーク支持台)を前記中間高さに切り換えるときは、ワーク支持台を外部のリフターで支持した状態で前記ロック手段によるロックを解除した後、当該リフターによりワーク支持台を平行に降下させると、吊下げ軸から垂下する垂直姿勢の突っ張り部材の下端が基台上に当接して、自動的に上記の中間高さでの支持状態に切り換わる。
【0010】
最高高さで支持されているワーク(ワーク支持台)を最低高さに切り換えるときは、上記のようにワーク支持台を外部のリフターで支持した状態で前記ロック手段によるロックを解除した後、当該リフターによりワーク支持台を平行に降下させるのであるが、吊下げ軸から垂下する垂直姿勢の突っ張り部材の下端が基台上に当接する以前に、当該突っ張り部材を外部の操作部材などにより吊下げ軸の周りに傾動させて、そのまま降下させても突っ張り部材が基台との間で突っ張り状態にならないで、基台上を傾斜方向に滑ってしまう状況に変化させた上で、前記リフターによりワーク支持台を最低高さまで平行に降下させれば良い。ワーク支持台が最低高さに達したときには、中折れ平行リンク機構はワーク最低高さ支持姿勢に屈曲して基台上に倒伏した状態でワーク支持台を支持し、突っ張り部材も基台上に倒伏した状態になっている。
【0011】
中間高さで支持されているワーク(ワーク支持台)を最低高さに切り換えるときは、基台上との間で突っ張り状態にある垂直姿勢の突っ張り部材の下端が基台上から浮上する高さまで、外部のリフターによりワーク支持台を一旦上昇させ、この状態で、前記のように突っ張り部材を外部の操作部材などにより吊下げ軸の周りに傾動させた後に、前記リフターによりワーク支持台を最低高さまで平行に降下させれば良い。
【0012】
以上のように使用出来る上記第一発明〜第三発明の構成によれば、昇降駆動手段を持たない中折れ平行リンク機構によって支持されたワーク支持台を、ロック手段によって中折れ平行リンク機構がワーク高位置支持姿勢でロックされたときの最高高さと、中折れ平行リンク機構が基台上に倒伏したワーク低位置支持姿勢にあるときの最低高さとの間の中間高さにおいても、必要に応じて安定的に支持させることが出来る。しかも、中折れ平行リンク機構を、起立したワーク高位置支持姿勢と基台上に倒伏したワーク低位置支持姿勢との間の屈曲姿勢において、第二のロック手段によりロックさせるのではなく、突っ張り部材によりワーク支持台の降下を受止めさせる構成であるから、構造が極めて簡単であり、非常に安価に実施することが出来る。
【0013】
特に第一発明によるときは、突っ張り部材によりワーク支持台を中間高さで支持させたとき、当該ワーク支持台側の荷重が、屈曲状態にある中折れ平行リンク機構のリンクに曲げ応力を生じさせるように作用することは実質的に無いように構成することが出来、中折れ平行リンク機構自体に対する補強対策は不要である。又、第二発明によるときは、突っ張り部材の長さを短くすることが出来る。更に、第三発明によれば、支持位置の異なる二種類の突っ張り部材の突っ張り作用により、中折れ平行リンク機構内の遊び(がた)に起因するワーク支持台の揺れを大幅に抑制し、ワーク支持台を中間高さにおいても安定させて、安全にワークを支持させることが出来る。
【0014】
具体的には、前記中折れ平行リンク機構は、荷重支持用の第1二連リンクと、この第1二連リンクに対して当該第1二連リンクの屈曲倒伏方向とは反対側に位置する姿勢制御用の第2二連リンク、及び第1第2両二連リンクの中間支軸どうしを連結する中間リンク部材から構成されるが、上記第一発明又は第三発明を実施する場合、前記突っ張り部材(第三発明では第1突っ張り部材)は、前記第1二連リンクのワーク支持台側の支軸の周りに揺動自在に吊り下げることが出来る。又、第二発明又は第三発明を実施する場合、前記突っ張り部材(第三発明では第2突っ張り部材)は、前記第1二連リンクの中間支軸の周りに揺動自在に吊り下げることが出来る。この構成によれば、中折れ平行リンク機構を構成するために不可欠な支持を利用して突っ張り部材を取り付けることが出来、突っ張り部材を吊り下げるための専用の支軸を別に設ける場合と比較して、部品点数が少なくなり、構造がシンプルになる。
【0015】
上記第一発明又は第三発明を実施する場合、前記基台上には、ワーク支持台側から垂下している垂直姿勢の突っ張り部材(第三発明では第1突っ張り部材)の下端に嵌合して当該突っ張り部材を支持する嵌合支持部を設けることが出来る。この構成によれば、垂直姿勢の突っ張り状態にある突っ張り部材が、振動などにより基台上で揺動方向に不測に滑動して、突っ張り作用が解除されてしまう危険を確実に回避出来、安全性を高めることが出来る。勿論、この構成を、第二発明における突っ張り部材(第三発明では第2突っ張り部材)に適用することも可能である。
【0016】
又、上記第一発明〜第三発明を実施する場合、前記突っ張り部材(第三発明では第1突っ張り部材と第2突っ張り部材)の下端部には、ワーク支持台側から垂下している垂直姿勢では基台上に当接しないが、ワーク支持台の平行降下に伴って当該突っ張り部材が基台上で倒伏するときには、基台上に当接して転動するローラーを軸支しておくことが出来る。この構成によれば、突っ張り時には影響しないローラーを利用して、突っ張り部材の倒伏動作を円滑に行わせることが出来る。又、前記突っ張り部材を基台上で倒伏させるときは、吊り下げられている垂直姿勢の突っ張り部材を所定角度だけ倒伏方向に傾動させる必要があるが、突っ張り部材を基台上で倒伏させるときの当該突っ張り部材の揺動方向を、当該突っ張り部材が併設された前記中折れ平行リンク機構の屈曲倒伏方向と同一方向とすることにより、第一発明又は第三発明における突っ張り部材(第三発明では第1突っ張り部材)においては、当該中折れ平行リンク機構の屈曲により生じるワーク支持台下側の空間を利用して、突っ張り部材を外部のプッシャーなどで容易に突き押しすることが出来、第二発明における突っ張り部材(第三発明では第2突っ張り部材)においては、屈曲倒伏する中折れ平行リンク機構から遠ざかる方向に揺動させることになるので、やはり外部のプッシャーなどで突き押しするのに都合が良い。
【0017】
第一発明又は第三発明における突っ張り部材(第三発明では第1突っ張り部材)は、その吊下げ支軸の周りでの揺動と一定範囲内での昇降とが可能なように吊り下げ、この突っ張り部材には、ワーク支持台の支持部を設けておき、当該突っ張り部材がワーク支持台と前記基台との間で突っ張って、当該突っ張り部材に対してワーク支持台が前記一定範囲内で相対的に下降したとき、この突っ張り部材の前記支持部がワーク支持台を中間高さで支持するように構成することが出来る。この構成によれば、突っ張り部材を揺動自在に軸支する支軸にワーク支持台側の大荷重を作用させないで済む。勿論、この構成を、第二発明における突っ張り部材(第三発明では第2突っ張り部材)に適用することも可能である。
【0018】
又、第二発明又は第三発明を実施する場合、前記突っ張り部材(第三発明では第2突っ張り部材)には、この突っ張り部材が前記第1二連リンクの中間支軸から垂下している垂直姿勢にあるとき、第2二連リンクの中間支軸側の端部に設けられた張出し部材(係止板(35,36))の、当該中間支軸と同心状の周縁に隣接する揺動制限部材を設けておくことが出来る。この構成によれば、中折れ平行リンク機構が基台上に屈曲倒伏するとき、垂直姿勢にあった前記突っ張り部材が、屈曲倒伏する中折れ平行リンク機構の下側へ揺動するのを確実に防止することが出来る。この場合に第2二連リンクの中間支軸側の端部に設けられる前記張出し部材は、実施例において詳述するように、前記ロック手段(34)を構成する係止板(35,36)、即ち、係合部(40)が係脱自在な被係合凹部(35b,36b)を周面に備えた係止板(35,36)で兼用させることが望ましい。
【0019】
先に説明したように、前記中折れ平行リンク機構が、荷重支持用の第1二連リンクと、この第1二連リンクに対して当該第1二連リンクの屈曲倒伏方向とは反対側に位置する姿勢制御用の第2二連リンク、及び第1第2両二連リンクの中間支軸どうしを連結する中間リンク部材から構成される場合、二組の前記中折れ平行リンク機構の内の一方の中折れ平行リンク機構は、ワーク支持台の互いに平行な両側辺の内、一方の側辺中央部に配置すると共に、他方の中折れ平行リンク機構は、ワーク支持台の互いに平行な両側辺の内、他方の側辺両端部に振り分け配置し、一方の側辺中央部の中折れ平行リンク機構には、並列する2つの第1二連リンクを設け、他方の側辺両端部の中折れ平行リンク機構には、それぞれ第1二連リンクを設けることが出来る。
【0020】
この構成では、第一発明の突っ張り部材や第三発明における第1突っ張り部材は、ワーク支持台の一方の側辺中央部において並列する2つの第1二連リンクのワーク支持台側の支軸の両端それぞれに揺動自在に吊り下げると共に、ワーク支持台の他方の側辺両端部に振り分けられた各第1二連リンクのワーク支持台側の支軸それぞれに揺動自在に吊り下げることが出来る。又、第二発明の突っ張り部材や第三発明における第2突っ張り部材は、ワーク支持台の一方の側辺中央部において並列する2つの第1二連リンクの共通中間支軸の中央部に揺動自在に吊り下げると共に、ワーク支持台の他方の側辺両端部に振り分けられた各第1二連リンクの中間支軸それぞれに揺動自在に吊り下げることが出来る。これらの構成によれば、ワーク支持台を最低高さで支持するために、各中折れ平行リンク機構が基台上に屈曲倒伏したとき、ワーク支持台の一方の側辺中央部の中折れ平行リンク機構をワーク支持台の他方の側辺両端部の中折れ平行リンク機構が両側から挟むような状態になるので、ワーク支持台の両側辺間の間隔がそれほど広くなくとも、中折れ平行リンク機構をワーク支持台の下側空間内に収まるように構成することが出来る。しかもそれぞれ2つの第1二連リンクを備えた巾広の二組の中折れ平行リンク機構を、ワーク支持台の両側辺に、当該両側辺に沿って互いに位置をずらせて配設した場合と比較して、第一発明では、ワーク支持台の一方の側辺中央部の2つの突っ張り部材と、ワーク支持台の他方の側辺両端部の各突っ張り部材の、合計4本の突っ張り部材によって、ワーク支持台を中間高さで安定良く支持させることが出来、第二発明では、ワーク支持台の一方の側辺中央部の1つの突っ張り部材と、ワーク支持台の他方の側辺両端部の各突っ張り部材の、合計3本の突っ張り部材によって、ワーク支持台を中間高さで安定良く支持させることが出来る。勿論、第三発明によれば、一層安定良く、安全にワーク支持台を中間高さで支持させることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のワーク支持装置の第一実施例を、一定走行経路上を走行する搬送台車上に設置した実施例について説明する。従って、この実施例では、ワーク支持装置の基台2aは、搬送台車2の床となる。
図1において、走行経路に沿って敷設されたガイドレール1によって構成された一定走行経路上を走行する搬送台車2は、一対の中折れ平行リンク機構3L,3Rによってワーク支持台4を支持しており、この搬送台車2の走行経路は、ワーク支持台4上に積載されているワーク(自動車車体など)Wを低位置で支持して搬送するエリアA1、ワークWを高位置で支持して搬送するエリアA2、ワークWを中間高さ位置で支持して搬送するエリアA3に分けられ、エリアA1,A2間には、ワークWを高位置まで上げるための第一ワーク支持高さ変更装置M1、エリアA2,A3間とエリアA3,A1間には、ワークWの支持高さを下げるための第二ワーク支持高さ変更装置M2が配設されている。尚、図では、各エリアA1〜A3の経路長さをワーク1つの長さ程度に短くして示しているが、実際には、各エリアでの作業に必要な経路長さが確保される。
【0023】
搬送台車2が備える一対の中折れ平行リンク機構3L,3Rとこれに支持されるワーク支持台4について、その詳細構造を
図2〜
図6に基づいて説明するが、以下の実施例の説明では、搬送台車2の走行方向(台車走行方向F)と平行な方向を前後方向、台車走行方向Fに対し直交する水平方向を左右方向と表現している。而して、一対の中折れ平行リンク機構3L,3Rによって支持されるワーク支持台4は、前後方向に長く且つ左右対称に配置された一対の鋼管利用の棒状水平部材5,6と、これら各棒状水平部材5,6の前後両端部から内側(相手の棒状水平部材5b,5aのある側)に片持ち状に突設させたワーク支持座7a,7b及び8a,8bによって構成されている。このワーク支持台4を支持する一対の中折れ平行リンク機構3L,3Rは、当該ワーク支持台4の一対の棒状水平部材5,6を各別に支持するものであって、構造自体は左右対称であるが、
図3に示すように、これら中折れ平行リンク機構3L,3Rの前後方向の巾より若干広い距離だけ前後方向に位置がずらされており、左側の中折れ平行リンク機構3Lは、左側の棒状水平部材5の前端側ワーク支持座7aに隣接する位置を支持し、右側の中折れ平行リンク機構3Rは、右側の棒状水平部材6の後端側ワーク支持座8bに隣接する位置を支持している。
【0024】
各中折れ平行リンク機構3L,3R(両中折れ平行リンク機構3L,3Rは左右対称構造であるから、
図4〜
図6では、右側の中折れ平行リンク機構3Rのみを示している)は、内外に並列する第1二連リンクと第2二連リンクによって構成されているが、この実施例では、内側の二連リンクを第1二連リンク、外側の二連リンクを第2二連リンクとしている。内側の第1二連リンク9a,9bは、台車走行方向Fの前後方向に並列し、搬送台車2の側方から見て一対並設され、外側の第2二連リンク10は、搬送台車2の側方から見て一対の第1二連リンク9a,9b間のほぼ中央に配設されている。一対の第1二連リンク9a,9bは荷重支持用のもので、太い角鋼管から成る柱状本体11,12の両端に軸受け部材11a,11b及び12a,12bを固着した上下2本の柱状リンク部材13,14から構成され、第2二連リンク10は、その起伏方向に板面が沿う上下2本の板状リンク部材15,16から構成されている。
【0025】
一対の第1二連リンク9a,9bの各下側柱状リンク部材14は、搬送台車2上に取り付けられた軸受け17a,17bに、下端の軸受け部材12bを介して互に同心状の下端支軸18a,18bにより揺動自在に軸支され、各上側柱状リンク部材13は、上端の軸受け部材11aを介して共通の長尺上端支軸19の両端に支承されている。この長尺上端支軸19は、ワーク支持台4の棒状水平部材5,6の内側に平行に配置されたもので、棒状水平部材5,6から内向きに突設された軸受け板20a,20bに両端が支持されている。第1二連リンク9a,9bの上下2本の柱状リンク部材13,14どうしは、その上下両軸受け部材11b,12aを介して共通の長尺中間支軸21の両端部に支承されて相対揺動自在に連結されている。尚、
図6に示すように、第1二連リンク9a,9bの上下2本の柱状リンク部材13,14が長尺中間支軸21の軸心方向にずれないで1本の連続した柱状体となり得るように、軸受け部材11b,12aの長尺中間支軸21が貫通する軸受け部は、第1二連リンク9a,9bの揺動方向から見て、柱状本体11,12の巾の中心線に対して左右両側に位置するように巾が狭められた状態で長尺中間支軸21の軸心方向に並列している。又、各軸受け部材11b,12aの前記軸受け部は、長尺中間支軸21の軸心方向から見たとき、柱状リンク部材13,14の第2二連リンク10のある側の角に、ほぼ1/4円弧分ほどが食い込むように突設されている。
【0026】
第2二連リンク10の下側板状リンク部材16は、搬送台車2上に取り付けられた軸受け22に下端支軸23によって揺動自在に軸支され、第2二連リンク10の上側板状リンク部材15は、ワーク支持台4の棒状水平部材5,6と第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19との間に架設された中間軸受け板24に上端支軸25により揺動自在に軸支されている。前記上端支軸25は、ワーク支持台4の棒状水平部材5,6の真下に位置している。そして第2二連リンク10の上下両板状リンク部材15,16の重なり端部を相対揺動自在に連結する長尺中間支軸26の両端は、一対の第1二連リンク9a,9bの長尺中間支軸21に、一対の中間リンク部材27a,27bによって連結されている。前記第2二連リンク10の上側板状リンク部材15の上端を軸支する中間軸受け板24は、第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19に完全に固着されているのではなく、当該長尺上端支軸19に対し若干の上下方向の遊びが得られるように、ルーズに係止されている。
【0027】
上記構成の中折れ平行リンク機構3L,3Rにおいて、全ての支軸18a,18b,19,21,23,25,26は、台車走行方向Fと平行な前後方向向きであって、当該中折れ平行リンク機構3L,3Rを台車走行方向F(前後方向)から見たとき、同一リンクの上下両端を軸支する支軸21,18a/18b間、支軸19,21間、支軸25,26間、及び支軸26,23間の縦方向距離は互に等しく、これら各リンクの上下両端を軸支する支軸で内外(左右方向)に隣り合う支軸19,25間、支軸21,26間、及び支軸18a/18b,22間の横方向距離は、前記縦方向距離よりも十分に短く且つ互に等しい。従って、中折れ平行リンク機構3L,3Rを台車走行方向F(前後方向)から見たとき、支軸19,21,26,25は、縦長の上側平行四辺形の各頂点に位置し、支軸21,18a/18b,23,26は、前記上側平行四辺形の下辺と共通の上辺を有する縦長の下側平行四辺形の各頂点に位置することになる。尚、上記縦長の上下両平行四辺形の3つの短辺が、第2二連リンク10側の外側頂点が第1二連リンク9a,9b側の内側頂点より低くなるように、内側の各支軸19,21,18a/18bの高さよりも外側の各支軸25,26,23の高さが低くなるように構成している。
【0028】
又、
図10に示すように、一対の第1二連リンク9a,9bの下側柱状リンク部材14を搬送台車2側の下端支軸18a/18bの周りに内側へ倒伏させて、当該下側柱状リンク部材14の上端の軸受け部材12aを基台2a(搬送台車2の床、以下同じ)で受け止めさせたとき、当該下側柱状リンク部材14の下端の軸受け部材12bの側面が搬送台車2側の軸受け17a,17bの水平表面で受け止められ、当該下側柱状リンク部材14が基台2aとほぼ平行な水平姿勢となり、この下側柱状リンク部材14に対して上側柱状リンク部材13を長尺中間支軸21の周りに外側へ回動させて下側柱状リンク部材14の上に重ねたとき、当該上側柱状リンク部材13の上端の軸受け部材11aが下側柱状リンク部材14の下端の軸受け部材12b上で受け止められて、当該上側柱状リンク部材13もほぼ水平姿勢となるように構成している。一方の第2二連リンク10は、その上下の板状リンク部材15,16が一対の第1二連リンク9a,9bの間で長尺中間支軸26を頂点にV字状に折り畳まれ、一対の第1二連リンク9a,9bの上端の長尺上端支軸19と外側の第2二連リンク10の上端支軸25とによって、ワーク支持台4(各ワーク支持座7a〜8b)をほぼ水平に支持することになる。このときの中折れ平行リンク機構3L,3Rの折り畳み姿勢が、ワーク低位置支持姿勢となる。
【0029】
ワーク支持台4の各ワーク支持座7a〜8bには、支持するワークWの底部に設けられた位置決め用孔などに嵌合してワークWとの間の水平方向の相対滑りを防止する位置決め用ピンなどを備えた支持具28a,28b及び29a,29bが突設されている。この各ワーク支持座7a〜8bは、平面視では、
図3に示すように、第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19の延長軸線上又はその近傍に位置し、そして中折れ平行リンク機構3L,3Rの各支軸の軸心方向から見たときは、
図2、
図10〜
図12などに示すように、第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19と重なるかその近傍の高さに位置するように、棒状水平部材5,6から内側へ片持ち状に突設させている。従って、中折れ平行リンク機構3L,3Rが基台2a上に折り畳まれたワーク低位置支持姿勢にあるとき、ワーク支持台4(ワーク支持座7a〜8b)が支持するワークWの荷重を、各ワーク支持座7a〜8bから棒状水平部材5,6、軸受け板20a,20b、長尺上端支軸19、軸受け部材11a,12b、及び軸受け17a,17bを介して、基台2aにより受け止めさせることが出来、中折れ平行リンク機構3L,3Rを構成する全てのリンクに曲げ力として作用させないで済む。又、長尺上端支軸19を除く各支軸18a,18b,21,25,26に剪断力を作用させることもない。
【0030】
中折れ平行リンク機構3L,3Rが
図10に示すワーク低位置支持姿勢にある状態から、支持するワーク支持台4を平行に上昇移動させると、内側へ折り畳まれていた中折れ平行リンク機構3L,3Rが、ワーク支持台4と一体の上端リンク部材、即ち、軸受け板20a,20b,24を介して真上に平行に引き上げられ、一対の第1二連リンク9a,9bの下側柱状リンク部材14が下端支軸18a,18bの周りに、そして第2二連リンク10の下側板状リンク部材16が下端支軸23の周りに、それぞれ上方外向きに揺動すると共に、一対の第1二連リンク9a,9bの上側柱状リンク部材13が長尺中間支軸21の周りに、そして第2二連リンク10の上側板状リンク部材15が長尺中間支軸26の周りに、それぞれ上方内向きに揺動して、中折れ平行リンク機構3L,3Rが起立姿勢に変化してゆく。
【0031】
上記の中折れ平行リンク機構3L,3Rの起立姿勢への変化は、
図11に示すように、中折れ平行リンク機構3L,3Rが、第1二連リンク9a,9bの各支軸19,21,18a/18b及び第2二連リンク10の各支軸25,26,23が垂直一直線上に並ぶ起立限界、即ち、垂直起立姿勢までである。従って、中折れ平行リンク機構3L,3Rが垂直起立姿勢に達したところでワーク支持台4に対する持ち上げ操作を停止し、次に垂直起立姿勢(又はその直前の姿勢)にある中折れ平行リンク機構3L,3Rを、その中間リンク部材27a,27bの辺りを水平外向きに引っ張って、第1二連リンク9a,9bの下端支軸18a/18bと長尺上端支軸19を結ぶ垂直線を長尺中間支軸21が外側へ超えるまで、そして第2二連リンク10の下端支軸23と上端支軸25を結ぶ垂直線を長尺中間支軸26が外側へ超えるまで、中折れ平行リンク機構3L,3Rの姿勢を変化させると、後はワーク支持台4を平行降下させるのに伴って、当該中折れ平行リンク機構3L,3Rは、その中間リンク部材27a,27bの位置が外側へ突出する逆向きのくの字形に変化するように屈曲し始める。
【0032】
中折れ平行リンク機構3L,3Rには、この中折れ平行リンク機構3L,3Rの姿勢を上記の起立限界を反対側へ超える逆くの字形に変化させるための被操作部として、一対の中間リンク部材27a,27bの内、台車走行方向Fの後ろ側の中間リンク部材27bの外端部、即ち、第2二連リンク10側の長尺中間支軸26のある外端部から下向きに突出片30が一体に突設されている。又、先に説明したように、中折れ平行リンク機構3L,3Rが垂直起立姿勢を超えて反対側へ一定角度くの字形に屈曲した姿勢、即ち、
図2に示すワーク高位置支持姿勢に達したとき、
図5及び
図12に示すように、第1二連リンク9a,9bにおける上下両柱状リンク部材13,14の長尺中間支軸21を軸支する軸受け部材11b,12aに設けられた当接面11c,12cが、長尺中間支軸21の内側(第2二連リンク10のある側とは反対側)で互に当接して、それ以上の中折れ平行リンク機構3L,3Rの屈曲を阻止すると共に、第1二連リンク9a,9bにおける下側柱状リンク部材14の下端の軸受け部材12bに設けられた当接面12dが軸受け17a,17bの水平表面で受け止められ、それ以上の下側柱状リンク部材14の外側への揺動を阻止するように構成されている。更に、
図5に示すように、第1二連リンク9a,9bにおける上側柱状リンク部材13の上端軸受け部材11aの側面に、第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19を支持する軸受け板20a,20bの内側面に付設された受け部材31a,31bが当接して、ワーク支持台4の棒状水平部材5,6が第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19の周りで下方に回動するのを阻止し、第2二連リンク10の上下両板状リンク部材15,16に荷重が圧縮方向に作用するのを防止している。
【0033】
中折れ平行リンク機構3L,3Rには、
図5及び
図12に示すワーク高位置支持姿勢でこれら中折れ平行リンク機構3L,3Rの屈曲運動を不能にするロック手段34が設けられている。このロック手段34は、
図2B、
図4、及び
図5に示すように、第2二連リンク10の上下各板状リンク部材15,16の中間長尺支軸26側の端部に連設された2枚の係止板35,36と、一対の互に隣接する第1二連リンク9a,9bと中間リンク部材27a,27bとの間で中間長尺支軸21に揺動自在に支持された可動アーム37a,37bと、この一対の可動アーム37a,37bの先端部間に中間長尺支軸21と平行に架設した支軸38に回転自在に外嵌させた円筒体39から成る係合部40と、各可動アーム37a,37bとこれに隣接する各中間リンク部材27a,27bとの間に張設されて、各可動アーム37a,37bを長尺中間支軸26に接近する方向に付勢する引張コイルバネ41a,41bから構成されている。各係止板35,36は、中間長尺支軸26と同心状の周面35a,36aを有し、これら周面35a,36aに、係合部40が嵌合する被係合凹部35b,36bが形成されている。
【0034】
上記構成のロック手段34における2枚の係止板35,36は、中折れ平行リンク機構3L,3Rの起伏運動に伴う第2二連リンク10の上下両板状リンク部材15,16の長尺中間支軸26の周りの相対揺動運動に伴って、これら上下両板状リンク部材15,16と一体に長尺中間支軸26の周りで回動するのであるが、中折れ平行リンク機構3L,3Rが
図12に示すワーク高位置支持姿勢になったときに初めて、
図5に示すように、2枚の係止板35,36の被係合凹部35b,36bが周方向に関して位置が合致し、1つの被係合凹部を形成するように構成され、この1つになった被係合凹部35b,36b内に、2枚の係止板35,36の周面35a,36aに引張コイルバネ41a,41bの付勢力で圧接していた可動アーム37a,37bの先端の係合部40(円筒体39)が嵌合して、中折れ平行リンク機構3L,3Rの起伏運動を阻止するように構成されている。
【0035】
又、中折れ平行リンク機構3L,3Rには、この中折れ平行リンク機構3L,3Rで支持されるワーク支持台4を、
図10に示すワーク低位置支持姿勢の中折れ平行リンク機構3L,3Rで支持される低位置と、
図12に示すワーク高位置支持姿勢の中折れ平行リンク機構3L,3Rで支持される高位置との間の高さで支持させるための中間位置支持手段42が併設されている。この中間位置支持手段42は、一対の第1二連リンク9a,9bの両側で長尺上端支軸19の両端部によって吊り下げられて重力により垂直垂下姿勢を保持する一対の帯板状の突っ張り部材43a,43bと、この突っ張り部材43a,43bを垂直姿勢で受け止める保持部材44a,44bから構成されている。
【0036】
一対の帯板状の突っ張り部材43a,43bの上端部には、この突っ張り部材43a,43bの長さ方向に長い長孔45a,45bが設けられ、一対の第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19の両端には、この長尺上端支軸19の両端部を支持する軸受け板20a,20bから外側に同心状に突出する小径軸部19a,19bが一体に形成されており、この小径軸部19a,19bに前記長孔45a,45bが昇降及び回転自在に嵌合することにより、突っ張り部材43a,43bが長尺上端支軸19の両端部に吊り下げられている。この突っ張り部材43a,43bの下端には、この突っ張り部材43a,43bより小巾で且つ下端が斜めにカットされた嵌合軸部46a,46bが、当該突っ張り部材43a,43bの延長方向に一体に突設されると共に、突っ張り部材43a,43bの下端部外側面から、前記嵌合軸部46a,46bの尖端の外側位置まで延出する軸受け板部47a,47bが連設され、この軸受け板部47a,47bの先端の側部に水平軸周りに回転自在なローラー48a,48bが軸支されている。
【0037】
突っ張り部材43a,43bを垂直姿勢で受け止める保持部材44a,44bは、第1二連リンク9a,9bの下端支軸18a,18bを各別に支持する軸受け17a,17bの外側面に付設されて基台2aに支持されており、これら保持部材44a,44bには、垂直に降下する突っ張り部材43a,43bの嵌合軸部46a,46bが差し込まれる、垂直向きの凹溝から構成された嵌合支持部49a,49bが設けられている。この嵌合軸部46a,46bが嵌合支持部49a,49bに差し込まれるとき、軸受け板部47a,47bとローラー48a,48bは、保持部材44a,44bの外側を降下するだけで、当該保持部材44a,44bとは干渉しない。
【0038】
ワーク支持台4が平行に降下するのに伴って中折れ平行リンク機構3L,3Rが内側に折り畳まれるとき、当該中折れ平行リンク機構3L,3Rの長尺上端支軸19から吊り下げられている突っ張り部材43a,43bが垂直垂下姿勢で降下し、当該突っ張り部材43a,43bの下端の嵌合軸部46a,46bが保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bに差し込まれる。この結果、
図18に示すように、突っ張り部材43a,43bの下端が保持部材44a,44bの上端面で支持された状態で突っ張り部材43a,43bが垂直に保持される。この後のワーク支持台4の降下に伴って、突っ張り部材43a,43bの上端の長孔45a,45bに対して長尺上端支軸19の両端の小径軸部19a,19bが降下して、図示のように長孔45a,45bの下端に達したとき、ワーク支持台4側の軸受け板20a,20bの下側辺を長尺上端支軸19の真下位置で受け止めるワーク支持台支持部50a,50bが、各突っ張り部材43a,43bの内側面に付設された部材によって構成されている。従って、ワーク支持台4側の荷重は、棒状水平部材5,6から軸受け板20a,20b、ワーク支持台支持部50a,50b、突っ張り部材43a,43b、及び保持部材44a,44bを介して搬送台車2に受け止められ、中折れ平行リンク機構3L,3Rの各リンク部材には直接作用しない。
【0039】
尚、突っ張り部材43a,43bに隣接する第1二連リンク9a,9bの上側柱状リンク部材13には、その内側辺から側方に延出して突っ張り部材43a,43bを受け止める支持部材51a,51bが付設されている。この支持部材51a,51bは、中折れ平行リンク機構3L,3Rが
図2に示すワーク高位置支持姿勢にあるとき、突っ張り部材43a,43bが第1二連リンク9a,9bの上側柱状リンク部材13から内側へ離れた状態で垂下して、長尺上端支軸19の周りで揺動するのを防止するものである。この支持部材51a,51bの存在により、ワークWを高位置で支持した状態で搬送台車2が走行するときに突っ張り部材43a,43bが左右横方向に揺れ動くのを防止し、作業者が高位置で支持されたワークWの下側に入り込んで作業を行う場合の安全性も高めることが出来る。更に、ワーク支持台4の各ワーク支持座7a〜8bの下側には、被支持部52a,52bが設けられている。これら各被支持部52a,52bは、各ワーク支持座7a〜8bの棒状水平部材5,6への取付け基部に隣接する位置に付設された、搬送台車2の走行方向に長い角材状部材によって構成している。
【0040】
次に、搬送台車2の走行経路に併設される第一ワーク支持高さ変更装置M1の一実施例を、
図7〜
図12に基づいて説明すると、この第一ワーク支持高さ変更装置M1は、搬送台車2の定停止位置の左右両側に設けられた、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rと姿勢切換え用補助手段54L,54Rから構成されている。
【0041】
ワーク昇降操作用リフター53L,53Rは、互に左右対称構造のものであって、搬送台車2の走行経路に向かって延出し且つ互に連動して昇降する、台車走行方向Fに並列する一対の昇降アーム55a,55bと、これら昇降アーム55a,55bの先端に水平旋回自在に設けられた旋回アーム56a,56bを備え、これら各旋回アーム56a,56bの先端に、ワーク支持台4の各ワーク支持座7a〜8bに設けられている前記被支持部52a,52bを支持する支持部57a,57bが設けられたものである。前記一対の昇降アーム55a,55bは、共通の昇降体58に片持ち状に取り付けられており、この昇降体58は、床面上に設置された基台59上に立設された垂直フレーム60に、昇降ガイドレール61を介して昇降自在に支持されている。昇降体58の昇降駆動手段は、昇降体58を下降限位置と上昇限位置との間で昇降移動させることが出来ると共に、設定された中間停止位置でも自在に停止させることが出来るものであれば如何なる構成のものであっても良い。例えば昇降体58を吊り下げるチエンなどの吊り索を引き上げ繰り出し操作する吊り索方式、ラックピニオンギヤ方式、スクリューシャフト方式、流体圧シリンダー方式など、任意の構成のものが利用出来る。
【0042】
前記旋回アーム56a,56bは、昇降アーム55a,55bの先端上側に垂直支軸62a,62bの周りに回転自在に軸支された回転ボス部63a,63bから固着突設されたもので、昇降アーム55a,55bの下側辺高さまで垂下した後に水平前方へ延出するL字形のものであって、この旋回アーム56a,56bの先端側面に支持板64が付設され、この支持板64の上辺に形成された凹溝部によって前記支持部57a,57bが構成されている。旋回アーム56a,56bの駆動手段65a,65bは、旋回アーム56a,56bを、昇降アーム55a,55bの先端から直角横向きとなる退避姿勢と、昇降アーム55a,55bの延長向きである支持作用姿勢との間で水平に往復揺動させることが出来るものであれば如何なる構成のものであっても良いが、この実施例の駆動手段65a,65bは、昇降アーム55a,55bの先端近傍側部に付設された減速機付きモーター66a,66bと、前記回転ボス部63a,63bの下端に同心状に固着された扇形ギヤ67a,67b、及び前記減速機付きモーター66a,66bの垂直出力軸に取り付けられて前記扇形ギヤ67a,67bに咬合するピニオンギヤ68a,68bから構成され、減速機付きモーター66a,66bによりピニオンギヤ68a,68bを正逆回転駆動することにより、扇形ギヤ67a,67b及び回転ボス部63a,63bを介して旋回アーム56a,56bを退避姿勢と支持作用姿勢との間で水平にほぼ90度の範囲で往復揺動させることが出来る。
【0043】
姿勢切換え用補助手段54L,54Rは、前記一対の昇降アーム55a,55bの間に配設されたもので、前記昇降体58の昇降経路と搬送台車2の走行経路との間の空間を通って垂直に起立するように基台59から突設された垂直支柱69、当該垂直支柱69に支持されて搬送台車2の走行経路側へ片持ち状に延出する水平フレーム70、この水平フレーム70上に付設されたスライドガイドレール71とこれに嵌合するスライドブロック72とを介して搬送台車2の走行方向に対し直交する左右水平方向に往復移動自在に支持された往復移動体73、この往復移動体73を往復移動させる駆動手段74、及び往復移動体73の先端に支軸75aにより軸支された逆止片75から構成されている。往復移動体73を往復移動させる駆動手段74も、往復移動体73を前進限と後退限との間で往復移動させることが出来るものであれば如何なる構成のものであっても良いが、この実施例の駆動手段74は、前記往復移動体73の側部に当該往復移動体73の移動方向と平行に付設されたラックギヤ76と、水平フレーム70の側部に取り付けられた減速機付きモーター77と、この減速機付きモーター77の垂直出力軸に取り付けられて前記ラックギヤ76に咬合するピニオンギヤ78から構成され、減速機付きモーター77によりピニオンギヤ78を正逆回転駆動することにより、ラックギヤ76を介して往復移動体73を進出移動又は後退移動させることが出来る。
【0044】
搬送台車2の走行経路に併設される第二ワーク支持高さ変更装置M2の一実施例を、
図13〜
図19に基づいて説明すると、この第二ワーク支持高さ変更装置M2は、搬送台車2の定停止位置の左右両側に配設されたワーク昇降操作用リフター79L,79Rと、これら各リフター79L,79Rに併設されたプッシャー80L,80R、このプッシャー80L,80Rに取り付けられたロック解除手段81L,81R、及び中間位置支持手段42を操作する操作手段82L,82Rから構成されている。この第二ワーク支持高さ変更装置M2のワーク昇降操作用リフター79L,79Rは、先に説明した第一ワーク支持高さ変更装置M1におけるワーク昇降操作用リフター53L,53Rと全く同一のものであるから、同一符号を付して説明は省略する。
【0045】
プッシャー80L,80Rは、先に説明した第一ワーク支持高さ変更装置M1に設けられた姿勢切換え用補助手段54L,54Rの往復移動体73の先端に、逆止片75に代えて押圧盤83を取り付け、往復移動体73の前進移動により押圧盤83が、ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構3L,3Rの外側への突曲頂部、即ち、第2二連リンク10における上下両板状リンク部材15,16及び中間リンク部材27a,27bの長尺中間支軸26で軸支される部分の突曲外側面の内、少なくとも1つのリンク部材の突曲外側面を内側へ水平に押圧移動させるように構成したものである。図示の実施例に示した押圧盤83は、上下両板状リンク部材15,16の長尺中間支軸26で軸支される部分の突曲外側面を同時に押圧移動させることが出来る大きさの、弾性材から成るものである。
【0046】
ロック解除手段81L,81Rは、ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構3L,3Rが備える前記ロック手段34の係合部40を引張コイルバネ41a,41bの付勢力に抗して2枚の係止板35,36の被係合凹部35b,36bから離脱させる可動操作板84によって構成されている。この可動操作板84は、前記プッシャー80L,80Rの押圧盤83を先端に備えた往復移動体73の先端上側で、押圧盤83よりも台車走行方向Fの後ろ側で且つ往復移動体73の前進方向に突出するように付設されたもので、板面が垂直で往復移動体73の移動方向と平行に配置された板材の先端に、往復移動体73の前進移動により、突出片30を備えた中間リンク部材27bと可動アーム37bとの間に可動操作板84が進入して、当該可動操作板84の先端の作用面84aが係合部40(円筒体39)を押圧移動させるように構成したものである。
【0047】
図15に示すように、中折れ平行リンク機構3L,3Rをワーク高位置支持姿勢でロックしているロック手段34の係合部40(円筒体39)は、2枚の係止板35,36の被係合凹部35b,36b内に嵌合しているが、この状態での係合部40(円筒体39)は、当該係合部40を支持する一対の可動アーム37a,37bの揺動中心である長尺中間支軸21の軸心に対して上方に位置しているので、理論的には、係合部40(円筒体39)を可動操作板84の先端の作用面84aにより内側(長尺中間支軸21のある側)へ水平に押圧すれば、可動アーム37a,37bに長尺中間支軸21を中心とする上向きの回転力が引張コイルバネ41a,41bの付勢力に抗して作用し、この可動アーム37a,37bが上方に揺動して係合部40(円筒体39)が被係合凹部35b,36bから上方に離脱することになる。しかしながら、この可動操作板84などにかかる負荷を小さくするために、図示のように、可動操作板84の先端の作用面84aを、係合部40(円筒体39)を上方へ掬い上げながら内側へ押圧するカム形状に形成することが出来る。
【0048】
勿論、場合によっては、可動操作板84を係合部40(円筒体39)に直接作用させるのではなく、当該係合部40よりも上方に位置し且つ可動アーム37a,37bと連動する被操作部を別に設け、この被操作部を可動操作板84の先端の作用面84aで内側へ水平に押圧移動させることにより、可動アーム37a,37bを介して係合部40(円筒体39)を被係合凹部35b,36bから上方に離脱させるように構成することも可能である。
【0049】
中間位置支持手段42の操作手段82L,82Rは、プッシャー80L,80Rよりも下側に配設されたもので、先に説明した第一ワーク支持高さ変更装置M1に設けられた姿勢切換え用補助手段54L,54Rの往復移動体73の先端に、逆止片75に代えて、中間位置支持手段42の一対の突っ張り部材43a,43bを押して傾動させるバー85を平面視T字状に取り付けたものである。前記バー85は、一対の突っ張り部材43a,43bの並列方向(台車走行方向F)と平行で、当該一対の突っ張り部材43a,43bを同時に押し操作出来る長さを有するものである。尚、この操作手段82L,82Rの往復移動体73とその駆動手段74を支持する水平フレーム70は、プッシャー80L,80R(水平フレーム70)を支持する垂直支柱69を利用して設置しても良いし、このプッシャー80L,80Rの垂直支柱69とは別に、操作手段82L,82R専用の垂直支柱を使用して設置しても良い。
【0050】
次に、以上のように構成された本発明のワーク搬送台車と、第一ワーク支持高さ変更装置M1及び第二ワーク支持高さ変更装置M2の使用方法について説明する。ワーク(自動車車体など)Wを低位置で支持して搬送する
図1のエリアA1では、各搬送台車2上の左右一対の中折れ平行リンク機構3L,3Rは、
図10に示すように、内側に折り畳まれて台車床面2上に倒伏したワーク低位置支持姿勢にあり、この状態では
図3に示すように、折り畳まれた両中折れ平行リンク機構3L,3Rの内側半分程度の領域、即ち、内端に位置する長尺中間支軸21から第1二連リンク9a,9bの上側柱状リンク部材13の長さ方向のほぼ中央付近までの領域が、搬送台車2の走行方向に重なるように隣接している。このとき、中折れ平行リンク機構3L,3Rが備える中間位置支持手段42の突っ張り部材43a,43bは、
図10に示すように、長尺上端支軸19から長尺中間支軸21のある方向に延出した状態で、その先端側が、基台2a上に当接しているローラー48a,48bを介して基台2aに支持された状態にある。そして、ワーク支持台4の各ワーク支持座7a〜8bは、折り畳まれて上下に重なった状態の第1二連リンク9a,9bの最大高さ程度、基台2aから上方に離れた位置で、ワーク低位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構3L,3Rによって水平に支持されている。
【0051】
自動車車体などのワークWは、その長さ方向が台車走行方向Fと平行になる向きでその左右両側辺の前後2箇所が、ワーク支持台4の4つのワーク支持座7a〜8b上に載置される。このとき、各ワーク支持座7a〜8bの支持具28a,28b及び29a,29bがワークW側の所定位置に係合して、ワークWとワーク支持台4との間の水平方向の相対滑りが阻止され、左側の中折れ平行リンク機構3Lで支持されているワーク支持台4の左側部分(棒状水平部材5とその前後両端のワーク支持座7a,7b)と、右側の中折れ平行リンク機構3Rで支持されているワーク支持台4の右側部分(棒状水平部材6とその前後両端のワーク支持座8a,8b)とが、支持するワークWによって一体化される。勿論、積載されるワークWと干渉しないで且つワークWの底部に対する作業の邪魔にならない状態で、左右両棒状水平部材5,6を適当な連結部材で連結一体化しておいても良い。
【0052】
図示の搬送台車2は、台車走行方向Fの前後長さよりも左右方向の巾が大きな横長矩形状である。従って、積載したワークWの左右両側に大きく張り出す搬送台車2の左右両側部によって、積載したワークWの中央領域の左右両側部に対する作業用床を確保出来るものであるが、積載したワークWの前後両端部が搬送台車2の台車走行方向Fの前後に大きく張り出すことになる。この状態での搬送台車2は、左右巾方向に走行させることにより、この搬送台車2の走行経路の両側に隣接する地上側床面をワークWの前後両端部の下側に大きく入り込ませることが出来るので、これら地上側床面を利用して、ワークWの前後両端部の下側に部品台車などを入り込ませることが出来、エンジンや前後の車軸ユニットの取付け作業などに好適であるが、
図1に示すように、積載したワークWの長さ方向(搬送台車2の長さの短い巾方向)に走行させるときは、
図1に仮想線で示すように、搬送台車2と一体に走行させることが出来る前後補助台車2B,2Cを必要に応じて組み合わせて使用することも出来る。何れにしても、第一ワーク支持高さ変更装置M1や第二ワーク支持高さ変更装置M2が併設された走行経路では、搬送台車2は、積載したワークWの長さ方向(搬送台車2の長さの短い巾方向)である台車走行方向Fに走行させることになる。
【0053】
図1のワーク(自動車車体など)Wを低位置で支持して搬送するエリアA1を走行する搬送台車2は、第一ワーク支持高さ変更装置M1に対する定位置で停止される。このとき第一ワーク支持高さ変更装置M1は、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rの昇降体58(昇降アーム55a,55b)が下降限位置にあって且つ旋回アーム56a,56bが、
図7及び
図8に仮想線で示す直角横向きの退避姿勢にあり、姿勢切換え用補助手段54L,54Rの往復移動体73が後退限位置にある。搬送台車2が定位置で停止したならば、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rの下降限位置にある昇降アーム55a,55bに対し、駆動手段65a,65bを稼働させて旋回アーム56a,56bを昇降アーム55a,55bの延長向きである支持作用姿勢まで90度水平旋回させる。この結果、
図8〜
図10に示すように、各旋回アーム56a,56bの先端の支持部57a,57bが、搬送台車2上のワーク低位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構3L,3Rで支持されているワーク支持台4の4つのワーク支持座7a〜8bと基台2aとの間の空間内に水平に回転して入り込むと共に、各ワーク支持座7a〜8bの被支持部52a,52bの真下位置で停止するように構成されている。
【0054】
次に、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rの昇降体58(昇降アーム55a,55b)を下降限位置から上昇させ、旋回アーム56a,56bの先端の支持部57a,57bをワーク支持台4側の各ワーク支持座7a〜8bの被支持部52a,52bに嵌合させて支持した状態で、当該ワーク支持台4をその上で積載されているワークWと共に持ち上げさせる。このようにして、昇降体58(昇降アーム55a,55b)の上昇運動によりワーク支持台4をワークWと共に平行に上昇させると、ワーク支持台4に連結されている左右一対の中折れ平行リンク機構3L,3Rが、ワーク低位置支持姿勢から引き上げられて徐々に展開起立してゆく。そして中折れ平行リンク機構3L,3Rが先に説明した垂直起立姿勢(起立限界)に達すると、それ以上ワーク支持台4を上昇させることが出来なくなり、ワーク支持台4が上昇限に達したことになるので、この時点で(若しくは若干手前で)ワーク昇降操作用リフター53L,53Rの昇降体58(昇降アーム55a,55b)の上昇を停止させる。
【0055】
上記のようにして中折れ平行リンク機構3L,3Rが垂直起立姿勢(起立限界)又はその直前の姿勢になったとき、
図8及び
図11に示すように、当該中折れ平行リンク機構3L,3Rの中間リンク部材27bの後端下側に被操作部として設けられている突出片30の側方に、姿勢切換え用補助手段54L,54Rの後退限位置にある往復移動体73の先端の逆止片75が位置しているので、次にこの姿勢切換え用補助手段54L,54Rの駆動手段74を稼働させ、先端の逆止片75が、
図11に仮想線で示すように突出片30より内側に入り込んだ進出限に達するまで往復移動体73を進出移動させる。逆止片75が突出片30の下を内側へ通過するときは、当該逆止片75が突出片30により支軸75aの周りに倒されて通過し、通過後に重力又はバネ力で元の作用姿勢に起立する。次に駆動手段74により往復移動体73を後退移動させると、作用姿勢に起立している逆止片75が突出片30を内側から外向きに押すことになるので、垂直起立姿勢(起立限界)又はその直前の姿勢にあった中折れ平行リンク機構3L,3Rが、
図12に示すように、長尺中間支軸21,26のある中間部位が外側へ突曲する逆くの字形に変形する。勿論、この中折れ平行リンク機構3L,3Rの垂直起立姿勢からの屈曲変形は、ワーク支持台4の降下を伴わなければ実現しないので、逆止片75が突出片30を外向きに押圧移動するのに伴わせて、ワーク支持台4を支持して上昇限位置にあるワーク昇降操作用リフター53L,53Rの昇降体58を降下させなければならない。
【0056】
上記操作により、ワーク支持台4の降下に伴わせて、中折れ平行リンク機構3L,3Rを垂直起立姿勢から中間部位が外側へ突曲する逆くの字形に変形させることにより、当該中折れ平行リンク機構3L,3Rが
図12に示すワーク高位置支持姿勢に達し、先に説明した通り、それ以上のワーク支持台4の降下を伴う中折れ平行リンク機構3L,3Rの屈曲運動が阻止されると同時に、ロック手段34が働いて、中折れ平行リンク機構3L,3Rがワーク高位置支持姿勢に固定されることになる。尚、姿勢切換え用補助手段54L,54Rの往復移動体73は、中折れ平行リンク機構3L,3Rがワーク高位置支持姿勢に達する少し前に後退移動が停止され、
図12に示すように、中折れ平行リンク機構3L,3Rがワーク高位置支持姿勢で固定されたときは、逆止片75は、停止した突出片30より内側に少し離れた位置で停止している。
【0057】
以上のようにして、中折れ平行リンク機構3L,3Rをワーク低位置支持姿勢からワーク高位置支持姿勢に切り換えたならば、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rの昇降体58を適当距離だけ降下させ、旋回アーム56a,56bの先端の支持部57a,57bをワーク支持座7a〜8b側の被支持部52a,52bから下方に離脱させる。この結果、積載しているワークWによって一体化されているワーク支持台4の左右両側辺(左右両棒状水平部材5,6)が、ワーク高位置支持姿勢で固定された状態の中折れ平行リンク機構3L,3Rによって支持されることになり、ワーク支持台4上のワークWは、基台2aから高位置まで持ち上げられた状態で安定良く支持されることになる。適当高さまで降下させたワーク昇降操作用リフター53L,53Rの旋回アーム56a,56bは、減速機付きモーター66を稼働させて、支持作用姿勢から直角横向きの退避姿勢に戻すことにより、ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構3L,3Rから外側へ退避するので、次段のエリアA2に向けて搬送台車2の前進走行を開始させることが出来る。
【0058】
尚、姿勢切換え用補助手段54L,54Rの逆止片75は、ワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構3L,3Rの突出片30から少し内側に離れた位置にあり、しかもその逆止片75とこれを先端に軸支している往復移動体73の後方側(台車走行方向Fとは逆方向)には、搬送台車2の前進走行によって逆止片75とこれを先端に軸支している往復移動体73とぶつかり合うような障害物が何も存在しないので、作用済みの位置に逆止片75が残っている状態のままで搬送台車2の前進走行を開始させることが出来る。搬送台車2が第一ワーク支持高さ変更装置M1から完全に離れたならば、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rの旋回アーム56a,56bが退避姿勢に戻されている状態の昇降体58(昇降アーム55a,55b)を元の下降限位置まで降下させると共に、姿勢切換え用補助手段54L,54Rの往復移動体73を逆止片75と共に元の後退限位置まで後退させ、次の作業に備えさせれば良い。
【0059】
図1に示す、ワークWを高位置で支持してエリアA2を走行する搬送台車2は、次の第二ワーク支持高さ変更装置M2に対する定位置で停止される。このとき第二ワーク支持高さ変更装置M2は、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58(昇降アーム55a,55b)が上昇限位置より少し低い中間所定高さにあって且つ旋回アーム56a,56bが直角横向きの退避姿勢にあり、プッシャー80L,80R及び操作手段82L,82Rの各往復移動体73が後退限位置にある。搬送台車2が定位置で停止したならば、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降アーム55a,55bに対し旋回アーム56a,56bを支持作用姿勢まで90度水平旋回させる。この結果、
図15に仮想線で示すように、各旋回アーム56a,56bの先端の支持部57a,57bが、搬送台車2上のワーク高位置支持姿勢にある中折れ平行リンク機構3L,3Rで支持されているワーク支持台4の4つのワーク支持座7a〜8bの直下に水平に回転して入り込むと共に、各ワーク支持座7a〜8bの被支持部52a,52bの真下位置で停止するように構成されている。
【0060】
次に、
図14に示すように、プッシャー80L,80Rの往復移動体73を進出移動させ、ロック解除手段81L,81Rの可動操作板84を作動させる。即ち、プッシャー80L,80Rの往復移動体73が進出移動することにより、押圧盤83と一体に進出移動する可動操作板84の先端の作用面84が、押圧盤83よりも先に、ロック手段34における係合部40(円筒体39)に作用し、先に説明したように当該係合部40を第2二連リンク10側の2枚の係止板35,36の被係合凹部35b,36bから上方に離脱させ、中折れ平行リンク機構3L,3Rに対するロックを解除させる。中折れ平行リンク機構3L,3Rに対するロックが解除させても、中折れ平行リンク機構3L,3Rは先に説明したようにワーク高位置支持姿勢に保たれているが、ロック解除が行われたときに、ワーク支持台4がワーク昇降操作用リフター79L,79Rで支持されているように、当該ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降アーム55a,55bを上昇させ、各旋回アーム56a,56bの先端の支持部57a,57bを各ワーク支持座7a〜8bの被支持部52a,52bに下から嵌合させる。そしてロック解除完了と同時又はこれより遅れて昇降アーム55a,55bを更に上昇させ、当該ワーク昇降操作用リフター79L,79Rにより、ワークWと共にワーク支持台4を持ち上げさせる。
【0061】
上記のようにロック解除完了後にワーク昇降操作用リフター79L,79Rによりワーク支持台4を持ち上げさせるとき、可動操作板84と一体に進出移動していた押圧盤83が中折れ平行リンク機構3L,3Rの中間屈曲部の外側面(第2二連リンク10の長尺中間支軸26で軸支される端部外側面)に到達しているので、そのままプッシャー80L,80Rの往復移動体73を進出移動させる。この結果、ワーク支持台4が持ち上げられるのに伴って、中折れ平行リンク機構3L,3Rがワーク高位置支持姿勢から先に説明した垂直起立姿勢(
図11参照)に変化するので、この時点でワーク昇降操作用リフター79L,79Rによるワーク支持台4の持ち上げ作用を停止し、引き続いてワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58を下降に切り換え、一旦持ち上げたワーク支持台4の降下を開始させる。一方、プッシャー80L,80Rの押圧盤83は、前記のように中折れ平行リンク機構3L,3Rの中間屈曲部を内側へ押圧移動させているので、
図16に示すように、ワーク支持台4の降下に伴って、中折れ平行リンク機構3L,3Rが垂直起立姿勢から内側へくの字形に屈曲する姿勢に変化してゆく。
【0062】
中折れ平行リンク機構3L,3Rが垂直起立姿勢から内側へくの字形に屈曲する姿勢に変化した時点で、プッシャー80L,80Rの往復移動体73を後退移動させて、押圧盤83とロック解除手段81L,81Rの可動操作板84を元の後退限位置に戻す。一方、
図17に示すように、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降アーム55a,55bの降下に伴って、支持されているワーク支持台4が引き続き平行に降下してゆくが、このとき図示のように、中折れ平行リンク機構3L,3Rが備える中間位置支持手段42の一対の突っ張り部材43a,43bは、第1二連リンク9a,9bの長尺上端支軸19に吊り下げられて垂直垂下姿勢で降下している。この突っ張り部材43a,43bの真下には、基台2a上の保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bが位置しているので、ワーク支持台4が所定高さまで降下したとき、突っ張り部材43a,43bの下端の嵌合軸部46a,46bが保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49b内に差し込まれ、最終的には、先に説明したようにワーク支持台4の各ワーク支持座7a〜8bがそれぞれ突っ張り部材43a,43bで支持される中間高さ位置で安定する。このとき中折れ平行リンク機構3L,3Rは、ワーク支持台4の高さで決まる内側への屈曲姿勢にあって、突っ張り部材43a,43bにより中間高さ位置で支持されているワーク支持台4の各ワーク支持座7a〜8bの台車走行方向Fの揺れの防止と姿勢を安定させるのに役立っている。
【0063】
上記のようにワーク支持台4が中間位置支持手段42を介して中間高さ位置で支持されたならば、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58を更に下降させて、旋回アーム56a,56bの先端の支持部57a,57bをワーク支持座7a〜8bの被支持部52a,52bから下方に離脱させた後に、旋回アーム56a,56bを退避姿勢に切り換え、この第二ワーク支持高さ変更装置M2の位置から搬送台車2が前進走行して離れた後にワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58を元の待機高さまで昇降移動させておけば良い。
【0064】
図1に示す、ワークWを中間高さ位置で支持して搬送するエリアA3を走行する搬送台車2は、次のエリアA1との間の第二ワーク支持高さ変更装置M2に対する定位置で停止される。このエリアA3,A1間に設置された第二ワーク支持高さ変更装置M2は、先に説明したエリアA2,A3間に設置された第二ワーク支持高さ変更装置M2と同一のものである。このエリアA3,A1間に設置された第二ワーク支持高さ変更装置M2では、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58(昇降アーム55a,55b)は、ワークWを中間高さ位置で支持しているワーク支持台4(
図18参照)よりも少し低い中間所定高さで待機し、旋回アーム56a,56bは、直角横向きの退避姿勢にある。勿論、プッシャー80L,80R及び操作手段82L,82Rの各往復移動体73は後退限位置にある。
【0065】
搬送台車2が定位置で停止したならば、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降アーム55a,55bに対し旋回アーム56a,56bを支持作用姿勢まで90度水平旋回させる。この状態でワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58を上昇移動させて、突っ張り部材43a,43bにより中間高さ位置で支持されているワーク支持台4の4つのワーク支持座7a〜8bを、エリアA2,A3間に設置された第二ワーク支持高さ変更装置M2と同様に、各旋回アーム56a,56bにより支持して平行に持ち上げ上昇させる。このワーク支持台4の平行上昇移動に伴って、中折れ平行リンク機構3L,3Rが屈曲姿勢を起立方向に変化させながら引き上げられ、基台2a側の保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bに差し込まれていた突っ張り部材43a,43bが、その上端の長孔45a,45bの上端と長尺上端支軸19の小径軸部19a,19bとの当接により、ワーク支持台4と一体に上昇する長尺上端支軸19により引き上げられることになる。こうして突っ張り部材43a,43bの下端の嵌合軸部46a,46bが保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bから完全に抜け出る高さまでワーク支持台4が持ち上げられたところで、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58の上昇を停止させる。
【0066】
このとき、第二ワーク支持高さ変更装置M2が備える操作手段82L,82Rのバー85が、上記のようにして保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bから引き抜かれて中折れ平行リンク機構3L,3Rの長尺上端支軸19に吊り下げられた状態の突っ張り部材43a,43bの中間高さ位置で待機しているので、次にこの操作手段82L,82Rの往復移動体73を駆動手段74により進出移動させ、
図19Aに示すように、当該バー85の両端部で突っ張り部材43a,43bの中間高さを内側へ押し移動させる。この結果、突っ張り部材43a,43bが中折れ平行リンク機構3L,3Rの長尺上端支軸19の周りで内側へ傾動して、その下端のローラー48a,48bなどが基台2a側の保持部材44a,44bから内側に外れたならば、所定高さで一旦停止していたワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58を降下させ、このワーク昇降操作用リフター79L,79Rの旋回アーム56a,56bで支持しているワーク支持台4を平行に下降させる。この結果、このワーク支持台4と一体に降下する突っ張り部材43a,43bが、進出限位置で停止しているバー85によって更に内側へ傾動しながら降下し、
図19Bに示すように、突っ張り部材43a,43bの下端のローラー48a,48bが基台2aに着床する。
【0067】
上記のように突っ張り部材43a,43bの下端のローラー48a,48bが基台2aに着床するか又はそれが確実になった時点で、操作手段82L,82Rの往復移動体73を駆動手段74により元の後退限位置まで後退移動させ、バー85を突っ張り部材43a,43bから外側へ逃がして待機位置まで後退させる。この状態で更にワーク昇降操作用リフター79L,79Rの昇降体58を下降限位置まで降下させて、ワーク支持台4を低位置まで平行に降下させるが、このとき突っ張り部材43a,43bは、ワーク支持台4の降下に伴って、下端のローラー48a,48bが基台2a上を内側へ転動しながら突っ張り部材43a,43bが基台2aに接近するように倒伏する。そして
図10に示すように、降下するワーク支持台4によって中折れ平行リンク機構3L,3Rが完全に折り畳まれて基台2a上に倒伏し、ワーク支持台4が、先に説明したように中折れ平行リンク機構3L,3Rの軸受け部材11a,12bを介して基台2aに支持される低位置に到達する。この後、低位置で支持されているワーク支持台4から下側に少し離れた状態で停止している旋回アーム56a,56bを退避姿勢まで水平回転させることにより、ワーク支持台4を中間高さ位置から低位置へ切り換える作業が完了するので、搬送台車2を前進走行させて、折り畳まれた中折れ平行リンク機構3L,3R上のワーク支持台4により低位置で支持されるワークWを次段のエリアA1に送り込むことが出来る。
【0068】
尚、エリアA2,A3間に設置した第二ワーク支持高さ変更装置M2は、ワークWを高位置から中間高さ位置まで下げるための専用装置として使用するのであれば、中間位置支持手段42の操作手段82L,82Rは不要であり、無くすことが出来る。同様に、エリアA3,A1間に設置した第二ワーク支持高さ変更装置M2は、ワークWを中間高さ位置から低位置まで下げるための専用装置として使用するのであれば、プッシャー80L,80R及びロック解除手段81L,81Rは不要であり、これらを無くすことが出来る。
【0069】
しかしながら、中間位置支持手段42の操作手段82L,82Rを備えたエリアA2,A3間の第二ワーク支持高さ変更装置M2は、ワークWを高位置から低位置まで直接下げるための装置としても利用することが出来る。この場合は、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rによってワーク支持台4を低位置まで降下させることになるが、エリアA3,A1間に設置した第二ワーク支持高さ変更装置M2における操作手段82L,82Rのバー85の進出移動と同じタイミングで操作手段82L,82Rのバー85を進出移動させ、中折れ平行リンク機構3L,3R側の中間位置支持手段42である突っ張り部材43a,43bを、その下端の嵌合軸部46a,46bが保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bに差し込まれる前に内側へ傾動させ、そのままワーク支持台4を低位置まで降下させれば良い。又、プッシャー80L,80R及びロック解除手段81L,81Rを備えたエリアA3,A1間の第二ワーク支持高さ変更装置M2は、エリアA3の終端までワークWを高位置で支持して搬送した搬送台車2上の中折れ平行リンク機構3L,3Rを、ワーク高位置支持姿勢からワーク低位置支持姿勢に切り換えて、ワークWを低位置に切り換える場合にも利用することが出来る。
【0070】
中折れ平行リンク機構3L,3Rが完全に折り畳まれて基台2a上に倒伏した状態、即ち、ワーク支持台4が低位置にある状態から、ワーク支持台4を平行上昇移動させると、
図10に示すように、ローラー48a,48bが着床した完全倒伏姿勢にある突っ張り部材43a,43bの上端部(長孔45a,45bの上端位置)が、中折れ平行リンク機構3L,3Rの垂直に上昇する長尺上端支軸19によって引き上げられてゆく過程で、前記ローラー48a,48bが基台2a上から保持部材44a,44b上に乗り上げ、最後は垂直垂下姿勢で吊り上げられるから、ワーク支持台4を低位置から上昇させるときは、中間位置支持手段42の突っ張り部材43a,43bに対する特別な操作は不要である。
【0071】
従って、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rさえ利用すれば、ワークWを低位置で支持するワーク支持台4を、
図18に示す中間高さ位置まで上昇させて、先に説明した要領で、中間位置支持手段42の突っ張り部材43a,43bと保持部材44a,44bとで支持させることが出来る。換言すれば、第一ワーク支持高さ変更装置M1又は第二ワーク支持高さ変更装置M2は、ワークWを低位置で支持するワーク支持台4を中間高さ位置に移すための手段としても利用することが出来る。
【0072】
更に、第一ワーク支持高さ変更装置M1に、ワーク昇降操作用リフター53L,53Rと姿勢切換え用補助手段54L,54Rに加えて、第二ワーク支持高さ変更装置M2のプッシャー80L,80R、ロック解除手段81L,81R、及び中間位置支持手段42の操作手段82L,82Rの全てを組み込むことが出来るならば、搬送台車2の走行経路中に設定されるワーク支持台4の支持高さの変更地点の全てに、同一構成のワーク支持高さ変更装置を設置して、任意の支持高さ間でのワーク支持台4の移動を実現出来る。
【0073】
次に本発明に係るワーク支持装置の第二実施例を、
図20〜
図30に基づいて説明する。この第二実施例では、
図20及び
図22に示すように、左右二組の中折れ平行リンク機構3L,3Rの内、一方の中折れ平行リンク機構3Lは、ワーク支持台4の左右一対の棒状水平部材5,6の内、一方の棒状水平部材5の長さ方向の中央部に配設され、他方の中折れ平行リンク機構3Rは、ワーク支持台4の他方の棒状水平部材6の長さ方向の両端部に振り分けられた構造となっている。即ち、中折れ平行リンク機構3Lは、基本的に、第一実施例における中折れ平行リンク機構3Lの位置を変えただけのものであるが、他方の中折れ平行リンク機構3Rは、その一対の第1二連リンク9a,9bが棒状水平部材6の長さ方向の両端部に振り分けられ、この各第1二連リンク9a,9bに対して、第2二連リンク10a,10b、ロック手段34a,34b、及び中間位置支持手段42a,42bが併設されている。
【0074】
以下、具体構造を説明すると、
図22、
図24、及び
図25に示すように、中折れ平行リンク機構3Lに対向する位置の両側2つに振り分けられた中折れ平行リンク機構3Rの各第1二連リンク9a,9bの中間支軸21は、内側に突出した端部によって1つの中間リンク部材27を片持ち状に軸支し、この中間リンク部材27の遊端部に、第2二連リンク10a,10bにおける板状リンク部材15,16の互いに重なる端部が中間支軸26によって片持ち状に軸支されている。又、ロック手段34a,34bは、第2二連リンク10a,10bにおける板状リンク部材15,16の端部に一体に形成されて互いに重なる前記係止板35,36、この係止板35,36を前記中間リンク部材27との間で挟むように、前記中間支軸21の遊端部に片持ち状に支持された1つの可動アーム37、この可動アーム37の先端部に片持ち状に軸支された前記係合部40、及びこの係合部40を前記係止板35,36の中間支軸26と同心状の周面35a,36aに形成された被係合凹部35b,36bに嵌合させるように、前記係合部40の支軸38の遊端と中間リンク部材27との間に掛張された1つの引張コイルバネ41から構成されている。
【0075】
一方の中折れ平行リンク機構3Lに併設される中間位置支持手段42は、一対の第1突っ張り部材43a,43bと1つの第2突っ張り部材90を備え、他方の中折れ平行リンク機構3Rに併設される中間位置支持手段42a,42bは、一対の第1突っ張り部材43a,43bと一対の第2突っ張り部材90a,90bを備えている。各第1突っ張り部材43a,43bは、第一実施例のものと同一作用を行う同一構造のものであって、各第1二連リンク9a,9bの外側に、上端支軸19の周りの揺動と一定範囲内の昇降運動とが可能に吊り下げられ、各第1二連リンク9a,9bの基台2a側の保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bに対して垂直に挿脱自在な嵌合軸部46a,46bとローラー48a,48bを備えている。
【0076】
中折れ平行リンク機構3Lに併設された1つの第2突っ張り部材90は、
図22及び
図23に示すように、互いに並列する第1二連リンク9a,9b間で長尺中間支軸21に支持された2つの中間リンク部材27a,27b間において、前記長尺中間支軸21の周りに揺動自在に吊り下げられている。他方の中折れ平行リンク機構3Rに併設された一対の第2突っ張り部材90a,90bは、
図22、
図24、及び
図25に示すように、第1二連リンク9a,9bのそれぞれから内側に突出している各中間支軸21の突出部に、当該中間支軸21の突出部に支持されている中間リンク部材27と可動アーム37との中間位置において、当該中間支軸21の周りに揺動自在に吊り下げられている。
【0077】
これら各第2突っ張り部材90,90a,90bは、前記中折れ平行リンク機構3L,3Rの起伏運動方向に板面が平行になる巾広の帯状板から構成されたもので、その下端には、垂直姿勢にあるときに基台2aに面接触出来る下端面91と、この下端面91に対し、中折れ平行リンク機構3L,3Rがワーク高位置支持姿勢からワーク低位置支持姿勢に変化するときの屈曲倒伏方向とは反対側の角部に、前記中間支軸21と平行な支軸によって軸支されたローラー92を備えている。このローラー92は、第2突っ張り部材90,90a,90bが、その下端面91が基台2aに面接触する垂直姿勢にあるときには、基台2aから少し浮き上がっている。更に、各第2突っ張り部材90,90a,90bの基部には、中折れ平行リンク機構3L,3Rがワーク高位置支持姿勢にあるときに、第2二連リンク10,10a,10bの中間支軸26と同心状の係止板35,36の周面35a,36aに隣接する揺動制限部材93が付設されている。この揺動制限部材93は、各第2突っ張り部材90,90a,90bの基部を中間支軸26と平行に貫通する状態で固着された1本のピンの両端部で形成されている。
【0078】
尚、第一実施例における中折れ平行リンク機構3L,3Rのロック手段34の可動アーム37a,37bは、その先端部に両持ちで支持された係合部40(円筒体39)をロック解除手段81L,81Rの可動操作板84で突き押しすることによりロック解除出来るように構成したが、この第二実施例における中折れ平行リンク機構3L,3Rのロック手段34,34a,34bの可動アーム37,37a,37bは、
図23〜
図25に示すように、先端を係合部40より長く延出させて尖らし、係合部40ではなく、この可動アーム37,37a,37bの先端を突き押ししてロック解除することも可能に構成している。又、第一実施例では、中折れ平行リンク機構3L,3Rを垂直に起立する姿勢から反対側へ屈曲させてワーク高位置支持姿勢に切り換えるための被操作部として、中間リンク部材27bの端部に下向きの突出片30を形成しているが、この第二実施例における前記被操作部は、
図23〜
図25に示すように、中間リンク部材27,27bの端部に下向きに連設された突出片30の端部に水平横向きに突設した被操作用ピン30aで構成している。従ってこの第二実施例では、第一実施例の
図12に示した姿勢切換え用補助手段54L,54Rを使用する場合、当該姿勢切換え用補助手段54L,54Rの逆止片75を、前記被操作用ピン30aに対して係合させれば良い。
【0079】
以上のように構成されたワーク支持装置は、第一実施例に示したワーク支持装置と基本的に同じ機能を有するものであって、同様の切換え操作により、
図21に示すように、ロック手段34,34a,34bによってワーク高位置支持姿勢にロックされた状態の中折れ平行リンク機構3L,3Rによってワーク支持台4を最高高さで支持する状態、
図22及び
図26に示すように、基台2aに屈曲倒伏したワーク低位置支持姿勢の中折れ平行リンク機構3L,3Rによってワーク支持台4を最低高さで支持する状態、及び
図28で示すように、中間位置支持手段42,42a,42bによってワーク支持台4を中間高さで支持する状態の三通りに自在に切り換えて使用することが出来るのであるが、第一実施例に対して追加された第2突っ張り部材90,90a,90bの動作について説明する。
【0080】
図21に示すワーク支持台4を最高高さで支持する状態では、第2突っ張り部材90,90a,90bは、各第1二連リンク9a,9bの中間支軸21から垂直に吊り下げられた状態にあるが、この状態から
図27に示すように、ワーク支持台4の降下に伴って中折れ平行リンク機構3L,3Rが内側へ屈曲倒伏してゆくとき、第2突っ張り部材90,90a,90bの揺動制限部材93が、当該第2突っ張り部材90,90a,90bの基部の外側に位置する第2二連リンク10,10a,10bの中間支軸26の周りに位置する2枚重ね状態の係止板35,36の周面35a,36aに隣接しているので、振動などで仮に第2突っ張り部材90,90a,90bが中間支軸21の周りで外側へ揺動する方向の外力を受けたとしても、この第2突っ張り部材90,90a,90bの外側への揺動は、揺動制限部材93と係止板35,36の周面35a,36aとの当接により阻止されている。そして、
図28に示すように、中間位置支持手段42,42a,42bの各第1突っ張り部材43a,43bが、その下端の嵌合軸部46a,46bが基台2a側の保持部材44a,44bの嵌合支持部49a,49bに対して垂直に嵌合して支持され、これら第1突っ張り部材43a,43bのワーク支持台支持部50a,50bがワーク支持台4側の軸受け板20a,20bを支持したとき、中間位置支持手段42,42a,42bの各第2突っ張り部材90,90a,90bの下端面91が基台2aに当接して、各第1二連リンク9a,9bの中間支軸21を所定高さで支持することになる。
【0081】
上記作用により、中間位置支持手段42,42a,42bによってワーク支持台4を中間高さで支持する、
図28で示す状態では、中間位置支持手段42,42a,42bの各第1突っ張り部材43a,43bによってワーク支持台4が直接支持されると同時に、ワーク中間位置支持姿勢にある屈曲状態の中折れ平行リンク機構3L,3Rにおける第1二連リンク9a,9bの中間支軸21の位置を各第2突っ張り部材90,90a,90bが支持する状態になる。従って、ワーク支持台4側の荷重は、各第1突っ張り部材43a,43bを介して基台2aで受け持たせることになるが、このとき、各第1突っ張り部材43a,43bを含む中折れ平行リンク機構3L,3Rの各軸支部や嵌合箇所の遊び(がた)に起因してワーク支持台4が不安定に揺れ動くことは、当該中折れ平行リンク機構3L,3Rの中心部である中間支軸21が、第2突っ張り部材90,90a,90bによって直接基台2aで支持されていることにより、確実に防止することが出来る。
【0082】
上記のワーク支持台4を中間高さで支持する状態(
図28に示す状態)から、
図22及び
図26に示すように、基台2a上に屈曲倒伏したワーク低位置支持姿勢の中折れ平行リンク機構3L,3Rによってワーク支持台4を最低高さで支持する状態に切り換えるときは、第一実施例において説明した通り、ワーク昇降操作用リフター79L,79Rによってワーク支持台4を中間高さから一旦所定高さだけ持ち上げ、その後、操作手段82L,82Rによって第1突っ張り部材43a,43bを内側へ傾動させるのであるが、このとき、基台2aから所定高さだけ吊り上げられた状態の第2突っ張り部材90,90a,90bを、第1突っ張り部材43a,43bと同様に内側へ傾動させる。この第2突っ張り部材90,90a,90bに対する操作手段94としては、操作手段82L,82Rの往復移動体73と同様の往復移動体95を利用し、当該往復移動体95により第2突っ張り部材90,90a,90bを内側へ突き押しして傾動させることが出来る。この場合、第2突っ張り部材90,90a,90bに横向きに突出するピンなどにより構成された被操作部96を設けておき、この被操作部96を往復移動体95の先端面で突き押しするように構成することが出来る。
【0083】
図29に示すように、第1突っ張り部材43a,43bと第2突っ張り部材90,90a,90bとを内側へ所定角度だけ傾動させたならば、後は、
図30に示すように、操作手段82L,82R,94の往復移動体73,95を後退移動させると共に、ワーク支持台4をワーク昇降操作用リフター79L,79Rによって平行に下降させれば良い。このとき、第2突っ張り部材90,90a,90bは、第1突っ張り部材43a,43bと同様に、ローラー92が基台2a上を転動しながら当該基台2a上に倒伏することになる。従って、ワーク低位置支持姿勢の中折れ平行リンク機構3L,3Rによってワーク支持台4を最低高さで支持する状態では、
図22に示すように、第1突っ張り部材43a,43bは、二つ折り状態の第1二連リンク9a,9bの側方に並列する状態になるが、第2突っ張り部材90,90a,90bは、二つ折り状態の第2二連リンク10,10a,10bの中間折曲部(中間支軸26の位置)からこれら第2二連リンクの延長方向に突出する状態になる。
【0084】
上記のように中間位置支持手段42,42a,42bのそれぞれは、第一突っ張り部材43a,43bと第2突っ張り部材90,90a,90bの両方を組み合わせて実施するのが好ましいが、第一実施例のように第一突っ張り部材43a,43bのみを利用して実施することや、第2突っ張り部材90,90a,90bのみを利用して実施することも可能である。又、ワーク支持台4を支持する二組の中折れ平行リンク機構3L,3Rの構成に関しても、第一実施例の構成と上記実施例の構成の2種類に限定されるわけではない。例えば、ワーク支持台の巾が広ければ、第一実施例における同一構造の二組の中折れ平行リンク機構3L,3Rを、互いに対向し合う位置に対称に配設することも可能である。
【0085】
又、本発明に係るワーク支持装置は、搬送台車2上に設置されるワーク支持装置に限定されない。例えば、本発明に係るワーク支持装置を定位置に複数台並設し、これらワーク支持装置の列に沿って走行可能な、フォークリフトトラックのようなリフターとの組み合わせで実施することも可能なものである。