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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-206143(P2015-206143A)
(43)【公開日】2015年11月19日
(54)【発明の名称】プレッサ装置を備えた横編機
(51)【国際特許分類】
   D04B 15/82 20060101AFI20151023BHJP
【FI】
   D04B15/82 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-88793(P2014-88793)
(22)【出願日】2014年4月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000151221
【氏名又は名称】株式会社島精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】宮井 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】森田 真人
【テーマコード(参考)】
4L054
【Fターム(参考)】
4L054AA01
4L054DA04
4L054NA01
(57)【要約】
【課題】ハーフプレッサを揺動自在にかつスライド自在に構成しても構造をシンプルかつコンパクトにできるプレッサ装置を備えた横編機を提供する。
【解決手段】選択用バット161の走行軌道160上に突出する作用位置と走行軌道上から退避する不作用位置とに揺動自在に変換されるハーフプレッサ42を有するプレッサ装置4を備える。走行軌道160に沿って互いに平行な枠体40上の第1及び第2軸44,45に対しそれぞれの軸線方向へスライド自在に支持したスライドブロック46を、第1軸44上のハーフプレッサ42を係合した状態でハーフプレッサ42を伴いスライド用ソレノイド49によりスライドさせる。第1軸44の軸線回りに支持部材47を揺動自在に支持し、この支持部材47のスライド溝471でハーフプレッサ42をスライド自在に支持した状態で、支持部材47を揺動用ソレノイド48で揺動させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針床の長手方向に並列される複数の針溝にそれぞれ配置された編針に備えられるバットの走行軌道上に突出して当該バットを針溝内に沈み込ませる作用位置と、前記バットの走行軌道上から退避して前記バットに作用しない不作用位置と、に揺動自在に変換されるプレッサを有するプレッサ装置を備えた横編機であって、
前記プレッサ装置は、
その枠体に取り付けられ、かつ前記バットの走行軌道に沿って互いに平行に延びる第1及び第2軸と、
前記第1及び第2軸に対しそれぞれの軸線方向へスライド自在に支持され、前記第1軸に支持された前記プレッサを係合した状態で当該プレッサを伴いスライドするスライドブロックと、
前記枠体に取り付けられ、前記スライドブロックをスライドさせるスライド用アクチュエータと、
前記第1軸の軸線回りに揺動自在に支持され、前記プレッサを前記スライドブロックのスライド方向と同じ方向へスライド自在に支持するスライド溝を有する支持部材と、
前記枠体に取り付けられ、前記プレッサを前記スライド溝に支持した状態で前記支持部材を揺動させる揺動用アクチュエータと、
を備えていることを特徴とするプレッサ装置を備えた横編機。
【請求項2】
前記揺動用アクチュエータ及び前記スライド用アクチュエータとしては、プランジャを進退させる揺動用及びスライド用ソレノイドがそれぞれ適用され、
前記スライド用ソレノイドは、そのプランジャの進退量を前記両軸の軸線方向へのスライド量に変換する変換部材を介して前記スライドブロックに連結されており、
前記支持部材は、当該支持部材を介して前記プレッサを作用位置及び不作用位置のいずれか一方に変換可能に付勢する付勢手段を備え、前記揺動用ソレノイドのプランジャの進出時に当接して前記プレッサを作用位置及び不作用位置のいずれか他方に変換していることを特徴とする請求項1に記載のプレッサ装置を備えた横編機。
【請求項3】
前記プレッサ装置は、前記プレッサを前記第1軸上のスライド方向両端位置でそれぞれ逆戻り方向へスライド不能にロックするロック手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレッサ装置を備えた横編機。
【請求項4】
前記ロック手段は、
前記枠体に設けられ、前記第1及び第2軸の軸線と直行する軸回りに揺動自在に支持された揺動体と、
前記揺動体より第1軸上のスライド方向両端位置側へ向かってそれぞれ突出する第1及び第2ロック片と、
前記揺動体にプランジャが連結され、このプランジャの進退量によって前記揺動体をその軸回りに正逆揺動するロック用ソレノイドと、
前記スライドブロックのスライド方向両側にそれぞれ設けられ、前記揺動体を正逆揺動させて第1又は第2ロック片を係合する一対の係合部と、
を備え、
前記プレッサが前記第1軸上のスライド方向両端位置の一方から他方へスライドする際、前記ロック用ソレノイドのプランジャの進出又は退入により前記揺動体が正逆揺動して第1ロック片が前記一方の係合部から離脱し、前記プレッサがスライド方向両端位置の他方側へスライドしてスライド方向両端位置の他方へ到達したときに前記揺動体の第2ロック片が前記他方の係合部に係合することを特徴とする請求項3に記載のプレッサ装置を備えた横編機。
【請求項5】
前記プレッサは、前記スライドブロックにそれぞれ係合した状態で2つ設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のプレッサ装置を備えた横編機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編針に備わるバットへの作用位置と不作用位置とに揺動自在に変換されるプレッサを有するプレッサ装置を備えた横編機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のプレッサ装置は、針床の長手方向に並列される複数の針溝にそれぞれ配置された編針に備わるバットの走行軌道上に突出して当該バットを針溝内に沈み込ませる作用位置と、バットの走行軌道上から退避して当該バットに作用しない不作用位置と、に揺動自在に変換されるプレッサを有している。
【0003】
そして、このようなプレッサにおいては、バットの走行軌道に沿ってスライド自在に構成されたものが知られている(特許文献1参照)。この場合、プレッサがスライド自在となれば、バットにプレッサが作用する位置をカムシステムの中心側に寄せることも可能となる。これにより、カムシステム間のピッチを詰めてキャリッジの往復ストロークを短くし、編成効率の向上、及びキャリッジの小型化・軽量化を図れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−140715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プレッサを揺動自在にかつスライド自在に構成する場合、それぞれの動作が互いに異なる方向に行われるため、プレッサ装置の構造がきわめて複雑なものとなる上、大型化するおそれがある。
【0006】
本発明は、プレッサを揺動自在にかつスライド自在に構成しても構造をシンプルでかつコンパクトにすることができるプレッサ装置を備えた横編機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明では、針床の長手方向に並列される複数の針溝にそれぞれ配置された編針に備えられるバットの走行軌道上に突出して当該バットを針溝内に沈み込ませる作用位置と、前記バットの走行軌道上から退避して前記バットに作用しない不作用位置と、に揺動自在に変換されるプレッサを有するプレッサ装置を備えた横編機を前提とする。そして、前記プレッサ装置に、その枠体に取り付けられ、かつ前記バットの走行軌道に沿って互いに平行に延びる第1及び第2軸と、前記第1及び第2軸に対しそれぞれの軸線方向へスライド自在に支持され、前記第1軸に支持された前記プレッサを係合した状態で当該プレッサを伴いスライドするスライドブロックと、前記枠体に取り付けられ、前記スライドブロックをスライドさせるスライド用アクチュエータと、前記第1軸の軸線回りに揺動自在に支持され、前記プレッサを前記スライドブロックのスライド方向と同じ方向へスライド自在に支持するスライド溝を有する支持部材と、前記枠体に取り付けられ、前記プレッサを前記スライド溝に支持した状態で前記支持部材を揺動させる揺動用アクチュエータと、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、前記スライド用アクチュエータ及び前記揺動用アクチュエータとして、プランジャを進退させるスライド用及び揺動用ソレノイドをそれぞれ適用する。そして、前記スライド用ソレノイドを、そのプランジャの進退量を前記両軸の軸線方向へのスライド量に変換する変換部材を介して前記スライドブロックに連結する。一方、前記支持部材は、当該支持部材を介して前記プレッサを作用位置及び不作用位置のいずれか一方に変換可能に付勢する付勢手段を備え、前記揺動用ソレノイドのプランジャの進出時に当接して前記プレッサを作用位置及び不作用位置のいずれか他方に変換することが好ましい。
【0009】
また、前記プレッサ装置は、前記プレッサを前記第1軸上のスライド方向両端位置でそれぞれ逆戻り方向へスライド不能にロックするロック手段を備えることが好ましい。
【0010】
また、前記ロック手段に、前記枠体に設けられ、前記第1及び第2軸の軸線と直行する軸回りに揺動自在に支持された揺動体と、前記揺動体より第1軸上のスライド方向両端位置側へ向かってそれぞれ突出する第1及び第2ロック片と、前記揺動体にプランジャが連結され、このプランジャの進退量によって前記揺動体をその軸回りに正逆揺動するロック用ソレノイドと、前記スライドブロックのスライド方向両側にそれぞれ設けられ、前記揺動体を正逆揺動させて第1又は第2ロック片を係合する一対の係合部と、を設ける。そして、前記プレッサが前記第1軸上のスライド方向両端位置の一方から他方へスライドする際、前記ロック用ソレノイドのプランジャの進出又は退入により前記揺動体が正逆揺動して第1ロック片が前記一方の係合部から離脱し、前記プレッサがスライド方向両端位置の他方側へスライドしてスライド方向両端位置の他方へ到達したときに前記揺動体の第2ロック片が前記他方の係合部に係合することが好ましい。
【0011】
更に、前記プレッサを、前記スライドブロックにそれぞれ係合した状態で2つ設けていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
バットの走行軌道に沿って平行に延びる第1及び第2軸の軸線方向へスライドブロックを第1軸のプレッサと共にスライド用アクチュエータによりスライドさせ、プレッサをスライド溝にスライド自在に支持した支持部材を揺動用アクチュエータにより第1軸の軸線回りに揺動させることで、スライド溝にスライド自在に支持した状態のプレッサを支持部材毎揺動させることができる。これにより、プレッサのスライド方向の動作が当該プレッサの揺動姿勢に関わらず支持部材のスライド溝内で許容され、プレッサ装置の構造をシンプルでかつコンパクトにすることができる。
【0013】
また、プランジャの進退量をスライドブロックのスライド量に変換部材を介して変換し、プレッサを作用位置及び不作用位置のいずれか一方に付勢手段の付勢力により変換する一方、付勢手段の付勢力に抗してプランジャの進出時にプレッサを作用位置及び不作用位置のいずれか他方に変換することで、支持部材とプランジャとの間にプランジャの進退量に連動した連結関係が不要となる。これにより、プレッサ装置の構造をよりシンプルでかつよりコンパクトにすることができる。更に、揺動用アクチュエータ及びスライド用アクチュエータにそれぞれソレノイドを用いれば、プレッサ装置を安価に提供することができる。
【0014】
また、プレッサをロック手段により第1軸上のスライド方向両端位置でそれぞれ逆戻り方向へスライド不能にロックすることで、プレッサをスライド方向両端位置で確実に位置決めすることができる。
【0015】
また、ロック手段のソレノイドのプランジャの進退量により揺動体を揺動させ、プレッサがスライド方向両端位置の一方から他方へスライドする際、揺動体の第1ロック片を、ロック用ソレノイドのプランジャの進出又は退入により正逆揺動して一方の係合部から離脱させる。そして、プレッサがスライド方向両端位置の他方側へスライドしてスライド方向両端位置の他方へ到達したときに揺動体の第2ロック片を前記他方の係合部に係合することで、スライド方向両端位置で揺動体の第1又は第2ロック片と、一方又は他方の係合部とを係合させて、プレッサを簡単な構成でスライド方向両端位置にて確実に位置決めすることができる。
【0016】
更に、プレッサを、スライドブロックにそれぞれ係合した状態で2つ設けることで、スライドブロックのスライドに応じて2つのプレッサを等間隔のままスライドさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係るプレッサ装置を備えた横編機における編針とカムシステムとの対応状態を示す概略説明図である。
図2】プレッサ装置のハーフプレッサを第1スライド位置までスライドさせてロック手段によりロックさせた状態での正面図である。
図3図2のプレッサ装置の平面図である。
図4図2のプレッサ装置の要部を示し、(a)は要部の正面図、(b)はハーフプレッサの作用位置での右側面図、(c)はハーフプレッサの不作用位置での右側面図である。
図5】ハーフプレッサを第2スライド位置までスライドさせてロック手段によりロックさせた状態でのプレッサ装置の要部を示し、(a)は要部の平面図、(b)は要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態に係るプレッサ装置を備えた横編機における編針とカムシステムとの対応状態を示す概略説明図を示している。
【0020】
本発明の横編機は、カムシステムのうち、ハーフプレッサ装置の構成に特徴があり、これら以外の構成は、従来から用いられる一般的な横編機と同一である。なお、図1における一点鎖線は、カムシステムの中心線である。
【0021】
横編機は、少なくとも前後一対の針床と、各針床に並設される多数の針溝のそれぞれに配置される編針1と、針床の長手方向に沿って往復運動するキャリッジとを備える。キャリッジにはカムシステム2が搭載されており、このカムシステム2により編針1に編成動作(ニット、タック、ミス、および前後の針床間での目移し)を行なわせる。
【0022】
これらの編成動作は、カムシステム2と共にキャリッジに備わる選針アクチュエータ3による選針と相俟って行われる。図1では、説明の便宜上、カムシステム2の一部のみを示す。また、図中には、目移しを行う際、編針1に備わる一部のバット151,152,161がカムシステム2上に描く走行軌道を示す。
【0023】
横編機の編針1は、フックを有するニードル本体14と、ニードル本体14を針溝の長手方向に進退させるニードルジャック15と、ニードルジャック15を進退させるか否かを制御するセレクトジャック16と、針溝の長手方向におけるセレクトジャック16のポジションを変化させるセレクタ17とを有する。このような編針1は、揺動式の選針アクチュエータ3による二段階の選針を受けて、その選針の結果とカムシステム2の状態に応じた編成動作を行う。編針1の選針は、選針アクチュエータ3により選針されたセレクタ17により行われる。セレクトジャック16のポジションには、Bポジション、Bポジションよりも歯口側(ニードル本体14側)のHポジション、Hポジションよりも歯口側のAポジションの3つがある。
【0024】
カムシステム2は、特開2012−140715号公報に示すような従来公知のものであって、固定ニードルレイジングカム20と、この固定ニードルレイジングカム20の中間部に形成された受け用トランスファーカム21と、出没可能な可動ニードルレイジングカム23と、この可動ニードルレイジングカム23の左右に一対設けられた度山カム25,26と、可動ニードルレイジングカム23の突出時に没入する一方没入時に突出するトランスファーカム28と、常時突出しているトランスファーカム29とを備える。
【0025】
ニードルジャック15は、セレクトジャック16のポジション、及び後述するプレッサ装置4の作用の有無に応じてニードル本体14を針溝沿いに移動させ、編成用バット151および目移し用バット152を備える。これらバット151,152にカムシステム2の各カム20,21,23,25,26,28,29が適宜作用することで、ニードルジャック15が針溝に沿って進退し、編成動作が行われる。
【0026】
次に、プレッサ装置4の詳細な構成を図2図5に基づいて説明する。図2は、プレッサ装置4のハーフプレッサを第1スライド位置までスライドさせてロック手段によりロックさせた状態での正面図、図3はプレッサ装置4の平面図をそれぞれ示している。また、図4はプレッサ装置の要部を示し、(a)は要部の正面図、(b)はハーフプレッサの作用位置での右側面図、(c)はハーフプレッサの不作用位置での右側面図をそれぞれ示している。更に、図5はハーフプレッサを第2スライド位置までスライドさせてロック手段によりロックさせた状態でのプレッサ装置の要部を示し、(a)は要部の平面図、(b)は要部の正面図をそれぞれ示している。
【0027】
これらの図2図5において、プレッサ装置4は、カムシステム2の中心線上に配置されたタックプレッサ41と、このタックプレッサ41を挟んで配置されたプレッサとしてのハーフプレッサ42,42とを備えている。この2つのハーフプレッサ42は、カムシステム2の中心線に対し対称に配置されている。また、各プレッサ41,42は、プレッサ装置4の枠体40に取り付けられた第1及び第2軸44,45のうちの第1軸44の軸線回りに揺動自在に支持されている。第1及び第2軸44,45は、セレクトジャック16の先端部に形成される選択用バット161の走行軌道160に沿って互いに平行に延びている。そして、各ハーフプレッサ42は、そのカムシステム2の中心線に対し内側となる内側部分がそれぞれ二又状の支持部421を介して第1軸44に対しその軸線回りに揺動自在にかつ軸線方向にスライド自在に支持されている。この場合、各ハーフプレッサ42は、キャリッジによるカムシステム2の移動方向に対しその後行側にスライド移動して位置決めされている。具体的には、各ハーフプレッサ42は、カムシステム2が図1で示す左方向に移動する際には後行側となる右側にスライド移動して後述する第1スライド位置(図1に実線で示す位置)に位置付けられる。一方、カムシステム2が図1で示す右方向に移動する際には後行側となる左側に各ハーフプレッサ42がスライド移動して後述する第2スライド位置(図1に二点鎖線で示す位置)に位置付けられる。つまり、各ハーフプレッサ42は、カムシステム2の移動方向に応じてその中心線に対し線対称に移動する。
【0028】
プレッサ装置4は、第1及び第2軸44,45をそれぞれ挿通して当該両軸44,45に対しそれぞれの軸線方向へスライド自在に支持されたスライドブロック46を備えている。このスライドブロック46の長手方向両端は、第1軸44に対し支持腕461を介してスライド自在に支持される。そして、支持腕461は、各ハーフプレッサ42の支持部421の間に挟まれて係合され、これによってスライドブロック46がハーフプレッサ42を伴い第1及び第2軸44,45の軸線方向へスライドする。これにより、スライドブロック46のスライドに応じて2つのハーフプレッサ42,42を等間隔のままスライドさせることができる。
【0029】
また、プレッサ装置4は、第1軸44の両端部に支持された支持部材47を備えている。この支持部材47は、第1軸44に対しその軸線回りに揺動自在に支持された支持部474と、この支持部474より第1軸44の周方向の互いに略直交する向きへそれぞれ突出する第1及び第2突片470,472とを備え、側面視で略L字状を呈している。支持部474は、第1軸44の軸線方向で一対に分割され、これに合わせて第1及び第2突片470,472の基端部をそれぞれ二又状に形成している。また、支持部材47の第1突片470の先端には、スライドブロック46のスライド方向と同じ方向へ延びるスライド溝471が設けられている。そして、ハーフプレッサ42は、そのカムシステム2の中心線に対し外側となる外側部分が第1突片470のスライド溝471にスライド自在に支持されて、スライドブロック46のスライド移動に伴う移動を可能にしている。この場合、第2軸45は、支持部材47間に配置されて第1軸44よりも短尺とされ、第1軸44の軸端部において揺動する支持部材47との干渉を回避している。
【0030】
更に、プレッサ装置4は、各ハーフプレッサ42をそれぞれ個別に揺動させる2つの揺動用アクチュエータとしての揺動用ソレノイド48と、スライドブロック46を第1スライド位置(図2及び図3に示す位置)と第2スライド位置(図5に示す位置)とにスライドさせるスライド用アクチュエータとしてのスライド用ソレノイド49とを備えている。また、第1軸44は、支持部材47よりも外側の軸支部406と、支持部材47よりも内側の軸支部402とでそれぞれ支持されている。そして、スライドブロック46は、スライド用ソレノイド49によるスライド時に軸支部402に対し当接し、第1スライド位置又は第2スライド位置よりも第1軸44の両端へのスライドが規制されている。
【0031】
揺動用ソレノイド48及びスライド用ソレノイド49は、それぞれ枠体40に取り付けられている。揺動用ソレノイド48のプランジャ481は、支持部材47の第2突片472に常時当接し、進出時にハーフプレッサ42を作用位置(図4の(b)に示す位置)に変換する。この場合、スライド溝471にスライド自在に支持した状態のハーフプレッサ42を支持部材47毎揺動させることができる。これにより、ハーフプレッサ42のスライド方向の動作が当該ハーフプレッサ42の揺動姿勢に関わらず支持部材47のスライド溝471内で許容され、プレッサ装置4の構造をシンプルでかつコンパクトにすることができる。
【0032】
スライド用ソレノイド49は、そのプランジャ491の進退量を両軸44,45の軸線方向へのスライド量に変換する変換部材43を介してスライドブロック46に連結されている。変換部材43は、枠体40に上下方向へ延びる軸部材401回りに正逆揺動自在に支持された支柱部430と、この支柱部430より軸部材401の周方向の互いに略直交する向きへそれぞれ突出する第1及び第2突片431,432とを備え、平面視で略L字状を呈している。この場合、変換部材43は、軸部材401回りに正揺動(図3では時計回り)し、軸部材401回りに逆揺動(図3では反時計回り)するものとする。
【0033】
また、第1突片431の先端は、プランジャ491にピン492を介して支持されている一方、第2突片432の先端が、スライドブロック46の孔部462に係合されている。そして、変換部材43は、スライド用ソレノイド49のプランジャ491の進出により軸部材401回りに逆揺動し、スライドブロック46を第2スライド位置側(図2及び図3では左側)へスライドさせる。一方、変換部材43がスライド用ソレノイド49のプランジャ491の退入により軸部材401回りに正揺動すると、スライドブロック46を第1スライド位置側(図2及び図3では右側)へスライドさせる。なお、スライド用ソレノイド49のプランジャ491の進出により変換部材43が軸部材401回りに逆揺動してスライドブロック46を第1スライド位置側(図2及び図3では右側)へスライドさせ、変換部材43がスライド用ソレノイド49のプランジャ491の退入により軸部材401回りに正揺動してスライドブロック46を第2スライド位置側(図2及び図3では左側)へスライドさせてもよい。
【0034】
また、各支持部材47は、第1軸44に巻回された付勢手段としての付勢スプリング473を備えている。この付勢スプリング473は、一対の支持部474間に収容されている。また、各支持部材47は、揺動用ソレノイド48のプランジャ481の進出時にハーフプレッサ42を作用位置に変換し、プランジャ481の退入時に付勢スプリング473の付勢力によってハーフプレッサ42を不作用位置(図4の(c)に示す位置)に変換している。これにより、支持部材47とプランジャ481との間にプランジャ481の進退量に連動した連結関係が不要となり、プレッサ装置4の構造をよりシンプルでかつよりコンパクトにすることができる。更に、揺動用ソレノイド48及びスライド用ソレノイド49を用いれば、プレッサ装置4を安価に提供することができる。
なお、各支持部材47が、揺動用ソレノイド48のプランジャ481の進出時にハーフプレッサ42を不作用位置に変換し、プランジャ481の退入時に付勢スプリング473の付勢力によってハーフプレッサ42を作用位置に変換していてもよい。
【0035】
プレッサ装置4は、ハーフプレッサ42を第1軸44上のスライド方向両端位置で逆戻り方向へスライド不能にロックするロック手段5を備えている。このロック手段5は、枠体40に支持された揺動体52を備えている。この揺動体52は、第1及び第2軸44,45の軸線と直行して上下方向へ延びる揺動軸51回りに正逆揺動自在に支持された略円柱状の基部521と、この基部521より第1スライド位置側(図3では右側)へ延びる第1突出片522と、基部521より第2スライド位置側(図3では左側)へ延びて先端が二分岐する第2及び第3突出片523,524とを備えている。この場合、揺動体52は、揺動軸51回りに正揺動(図3では時計回り)し、揺動軸51回りに逆揺動(図3では反時計回り)するものとする。
【0036】
また、ロック手段5は、枠体40に取り付けられ、かつ揺動体52の第1突出片522の先端にピン540を介してプランジャ541が連結されたロック用ソレノイド54を備えている。このロック用ソレノイド54は、プランジャ541の進退量によって揺動体52をその揺動軸51回りに正逆揺動させている。揺動体52の基部521の揺動軸方向一側端(図2では下端)には、第1及び第2スライド位置側へ向かってそれぞれ突出する第1及び第2ロック片551,552が一体的に設けられている。この揺動体52の基部521の揺動軸方向一側端は、枠体40の正面(図2では手前側の面)に凹設された凹部403に位置している。凹部403は、スライドブロック46のスライド方向に長尺に形成されている。
【0037】
更に、ロック手段5は、第1及び第2ロック片551,552の先端を係合する第1及び第2係合部561,562を備えている。この第1及び第2係合部561,562は、スライドブロック46のスライド方向両側となる枠体40の凹部403の長手方向両側にそれぞれ設けられている。凹部403の長手方向両側は、枠体40の正面に対し段差状の縦壁により阻まれ、第1及び第2ロック片551,552の先端との係合を可能にしている。また、凹部403の長手方向両側の縦壁の上縁は、ロック用ソレノイド54のプランジャ541の進退量によって揺動体52を揺動軸51回りに正逆揺動させた際に、揺動体52の第1及び第2ロック片551,552の先端をスライドブロック46のスライドに伴い摺動させる第1及び第2摺動面404,405として形成されている。この場合、凹部403の長手方向両側端間の長さは、第1及び第2ロック片551,552の先端同士の間の長さよりも短く設定され、これによって、スライドブロック46のスライドに伴い、第1ロック片551の先端が第1摺動面404を摺動する一方、第2ロック片552の先端の先端が第2摺動面405を摺動する。
【0038】
各ハーフプレッサ42は、第1スライド位置から第2スライド位置までスライドする際、ロック用ソレノイド54のプランジャ541の進出により正揺動されて第1ロック片551の先端が第1係合部561から離脱してロック手段5によるロックが解除される。このとき、各ハーフプレッサ42は、スライド用ソレノイド49のプランジャ491の進出により変換部材43が逆揺動してスライドブロック46と共に第2スライド位置側へスライドし、第2スライド位置に到達したときに第2ロック片552の先端が第2摺動面405上から第2係合部562に係合してロック手段5によるロックが行われる。一方、各ハーフプレッサ42が第2スライド位置から第1スライド位置までスライドする際、ロック用ソレノイド54のプランジャ541の退入により逆揺動されて第2ロック片552の先端が第2係合部562から離脱する。このとき、各ハーフプレッサ42は、スライド用ソレノイド49のプランジャ491の没入により変換部材43が正揺動してスライドブロック46と共に第1スライド位置側へスライドし、第1スライド位置に到達したときに第1ロック片551の先端が第1摺動面404上から第1係合部561に係合してロック手段5によるロックが行われる。これにより、各ハーフプレッサ42が第1及び第2スライド位置の一方に位置しているときに当該各ハーフプレッサ42を逆戻り方向(第1及び第2スライド位置の他方)へスライド不能にロックし、各ハーフプレッサ42を簡単な構成で第1及び第2スライド位置に確実に位置決めすることができる。
【0039】
更に、ロック手段5は、揺動体52の正逆揺動位置を検出するセンサ57を備えている。このセンサ57は、枠体40に取り付けられ、揺動体52が正逆揺動した際の第2及び第3突出片523,524の位置をそれぞれ検出している。ロック手段5は、第1及び第2ロック片551,552の先端と第1及び第2係合部561,562との係合の成否を判定できるようにしている。図3中58は、タックプレッサ41をプランジャ581の進出により作用位置に変換するタックプレッサ用ソレノイドであって、タックプレッサの不作用位置への変換がプランジャ581の退入時に付勢スプリング(図示せず)の付勢力により行われる。なお、タックプレッサ41がプランジャ581の進出により不作用位置に変換され、タックプレッサの作用位置への変換がプランジャ581の退入時に付勢スプリングの付勢力により行われるようにしてもよい。
【0040】
なお、本実施の形態では、プレッサ装置4にタックプレッサ41を挟んで2つのハーフプレッサ42,42を備えた場合について述べたが、タックプレッサ41及び2つのハーフプレッサ42のうちのいずれか2つを備えたプレッサ装置、又は単一のハーフプレッサ42のみを備えたプレッサ装置に適用してもよい。
【0041】
また、本実施の形態では、揺動用アクチュエータ及びスライド用アクチュエータとして、揺動用ソレノイド48及びスライド用ソレノイド49を用いたが、小型モータとその出力軸に取り付けられた偏心カムとが、支持部材を揺動させる揺動用アクチュエータ、スライドブロックをスライドさせるスライド用アクチュエータとしてそれぞれ用いられていてもよく、偏心カムに摺接する支持部材の揺動量及びスライドブロックのスライド量が偏心カムの偏心量に応じて変更される。また、小型モータの出力軸に取り付けられたピニオンと支持部材及びスライドブロックに取り付けられたラックとが、支持部材を揺動させる揺動用アクチュエータ、スライドブロックをスライドさせるスライド用アクチュエータとしてそれぞれ用いられていてもよく、ピニオンとラックとの噛み合いにより支持部材の揺動量及びスライドブロックのスライド量が変更される。
【0042】
更に、本実施の形態では、第1及び第2軸44,45をそれぞれ挿通してスライドブロック46を両軸44,45に対しそれぞれの軸線方向へスライド自在に支持したが、第1及び第2軸に対しスライドブロックがスライド自在な構成、例えば両軸に対して係合する係合凹部や別途の係合部などを用いてスライド自在に支持されていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 編針
160 走行軌道
161 選択用バット
4 プレッサ装置
40 枠体
42 ハーフプレッサ
43 変換部材
44 第1軸
45 第2軸
46 スライドブロック
47 支持部材
471 スライド溝
473 付勢スプリング
48 揺動用ソレノイド
481 プランジャ
49 スライド用ソレノイド
491 プランジャ
5 ロック手段
51 揺動軸
52 揺動体
54 ロック用ソレノイド
541 プランジャ
551 第1ロック片
552 第2ロック片
561,562 第1及び第2係合部
図1
図2
図3
図4
図5