【解決手段】蒸気発生装置1は、蒸発タンク111及び水ヘッダ112を有するタンク部11と、蒸発タンク111の内部に配置されるチューブ12と、チューブ12に供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁19と、蒸発タンクの内部に配置されチューブ12に水を噴霧する噴霧ノズル13と、水ヘッダ112の内部に貯留された水を噴霧ノズル13に供給する噴霧水供給ライン16と、噴霧水ポンプ161と、蒸気供給ライン20と、蒸気供給ラインを流通する蒸気の圧力を測定する蒸気圧測定部21と、蒸気圧測定部21により測定される蒸気の圧力が第1基準圧力を超えた場合に噴霧水ポンプ161を停止させると共に、チューブ12に熱源流体が供給されないように流量調整弁19を制御する制御部30と、を備える。
内部において蒸気が生成される蒸発タンク、及び該蒸発タンクの下方に設けられ、前記蒸発タンクの内部において蒸発しなかった水が貯留される水ヘッダを有するタンク部と、
前記蒸発タンクの内部に水平方向に延びて配置され、内部に熱源となる熱源流体が流通するチューブと、
前記チューブに供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁と、
前記蒸発タンクの内部における前記チューブよりも上方に配置され、該チューブに水を噴霧する噴霧ノズルと、
前記水ヘッダの内部に貯留された水を前記噴霧ノズルに供給する噴霧水供給ラインと、
前記噴霧水供給ラインに設けられる噴霧水ポンプと、
前記蒸発タンクにおいて生成された蒸気を外部に供給する蒸気供給ラインと、
前記蒸気供給ラインを流通する蒸気の圧力を測定する蒸気圧測定部と、
前記蒸気圧測定部により測定される蒸気の圧力が第1基準圧力を超えた場合に前記噴霧水ポンプを停止させると共に、前記チューブに熱源流体が供給されないように前記流量調整弁を制御する制御部と、を備える蒸気発生装置。
前記制御部は、前記蒸気圧測定部により測定される蒸気の圧力が前記第1基準圧力よりも小さい第2基準圧力を下回った場合に前記噴霧水ポンプを起動させると共に、前記チューブに熱源流体を供給するように前記流量調整弁を制御する請求項1に記載の蒸気発生装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、蒸気発生装置には、発生させた蒸気の圧力が所定の設定圧力を超えた場合に異常が発生したと判断し、蒸気発生装置の運転を緊急停止させる異常停止機能が設けられている。そして、蒸気発生装置が緊急停止された場合、その後の再起動を手動で行う必要があり、蒸気発生装置の管理が煩雑となる。ここで、蒸気発生装置で発生させた蒸気の圧力は、例えば、蒸気使用機器による蒸気の消費量が大きく減少した場合にも上昇する。そのため、蒸気発生装置を、運転異常以外の原因により緊急停止させないように制御することが求められている。
【0006】
従って、本発明は、発生させた蒸気の圧力を好適に制御できる蒸気発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、内部において蒸気が生成される蒸発タンク、及び該蒸発タンクの下方に設けられ、前記蒸発タンクの内部において蒸発しなかった水が貯留される水ヘッダを有するタンク部と、前記蒸発タンクの内部に水平方向に延びて配置され、内部に熱源となる熱源流体が流通するチューブと、前記チューブに供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁と、前記蒸発タンクの内部における前記チューブよりも上方に配置され、該チューブに水を噴霧する噴霧ノズルと、前記水ヘッダの内部に貯留された水を前記噴霧ノズルに供給する噴霧水供給ラインと、前記噴霧水供給ラインに設けられる噴霧水ポンプと、前記蒸発タンクにおいて生成された蒸気を外部に供給する蒸気供給ラインと、前記蒸気供給ラインを流通する蒸気の圧力を測定する蒸気圧測定部と、前記蒸気圧測定部により測定される蒸気の圧力が第1基準圧力を超えた場合に前記噴霧水ポンプを停止させると共に、前記チューブに熱源流体が供給されないように前記流量調整弁を制御する制御部と、を備える蒸気発生装置に関する。
【0008】
また、前記制御部は、前記蒸気圧測定部により測定される蒸気の圧力が前記第1基準圧力よりも小さい第2基準圧力を下回った場合に前記噴霧水ポンプを起動させると共に、前記チューブに熱源流体を供給するように前記流量調整弁を制御することが好ましい。
【0009】
また、蒸気発生装置は、前記チューブに熱源流体を供給する熱源流体供給ラインと、前記チューブから排出された熱源流体が流通する熱源流体排出ラインと、前記熱源流体供給ラインと前記熱源流体排出ラインとを接続し、該熱源流体供給ラインを流通する熱源流体を前記熱源流体排出ラインにバイパスさせるバイパスラインと、を更に備え、前記流量調整弁は、前記熱源流体供給ライン、前記蒸気発生装置及び前記バイパスラインを接続し、前記チューブ側に流れる熱源流体の流量及び前記バイパスライン側に流れる熱源流体の流量を調整可能な三方弁により構成されることが好ましい。
【0010】
また、前記タンク部は、複数の前記蒸発タンクと、該複数の蒸発タンクそれぞれに接続される一つの前記水ヘッダと、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の蒸気発生装置によれば、発生させた蒸気の圧力を好適に制御できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の蒸気発生装置の好ましい一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の蒸気発生装置1は、
図1に示すように、ガスエンジン200のジャケット冷却水の排熱等の比較的低温の熱源流体を利用して蒸気を発生させる。この蒸気発生装置1は、タンク部11と、タンク部11の内部に配置されるチューブ12及び噴霧ノズル13と、熱源流体供給ラインとしての温水供給ライン14と、熱源流体排出ラインとしての温水排出ライン15と、噴霧水供給ライン16と、補給水ライン17と、バイパスライン18と、流量調整弁としての三方弁19と、蒸気供給ライン20と、制御部30と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0014】
タンク部11は、蒸気発生装置1における本体部分を構成する。このタンク部11は、蒸発タンク111と、水ヘッダ112と、を備える。蒸発タンク111は、蒸気を発生させる。水ヘッダ112は、蒸発タンク111の下方に配置される。水ヘッダ112は、蒸発タンク111の内部で蒸気にならなかった水を貯留する。
タンク部11の内部は負圧もしくは低圧(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG程度)に維持され、蒸発タンク111の内部において蒸気が生成される。蒸発タンク111の上部には、後述の蒸気供給ライン20の基端部が接続される。
また、蒸発タンク111には、安全弁113が設けられる。安全弁113は、タンク部11の内部の圧力が所定の圧力を超えた場合に、蒸気を外部に放出してタンク部11の内部の圧力を低下させる。
以上の蒸発タンク111と水ヘッダ112とは、配管114を介して接続される。より具体的には、配管114の上端部は、蒸発タンク111の下面に接続される。また、配管114の下端部は、水ヘッダ112の上部に接続される。
【0015】
チューブ12は、蒸発タンク111の内部に水平方向に延びて配置される。より具体的には、チューブ12は、蒸発タンク111の内部において、水平方向に所定間隔をあけて複数本配置されると共に、高さ方向にも所定間隔をあけて複数本配置される。このチューブ12の内部には、熱源流体としての温水が流通する。
【0016】
噴霧ノズル13は、蒸発タンク111の内部におけるチューブ12よりも上方に配置される。この噴霧ノズル13は、チューブ12に向けて水を噴霧する。
温水供給ライン14は、チューブ12に熱源となる温水を供給する。温水供給ライン14の上流側は、熱源となる温水を供給するガスエンジン200等に接続される。温水供給ライン14の下流側は、チューブ12の一端部に接続される。
【0017】
温水排出ライン15は、チューブ12の内部を流通し、熱源として利用された温水を外部に排出する。温水排出ライン15の上流側は、チューブ12の他端部に接続される。温水排出ライン15の下流側は、ガスエンジン200等に接続される。
噴霧水供給ライン16は、水ヘッダ112と噴霧ノズル13とを接続し、水ヘッダ112の下部に貯留された水を、噴霧水として噴霧ノズル13に供給する。噴霧水供給ライン16には、噴霧水ポンプ161が配置されている。
噴霧水ポンプ161は、水ヘッダ112に貯留された水を噴霧ノズル13まで汲み上げる。
【0018】
補給水ライン17は、水ヘッダ112と水を貯留している貯留槽等(図示せず)とを接続する。補給水ライン17は、水ヘッダ112に補給水を供給する。この補給水ライン17には、補給水ポンプ171が配置される。
補給水ポンプ171は、貯留槽等から供給された水を昇圧して水ヘッダ112の内部に供給する。
【0019】
バイパスライン18は、温水供給ライン14と温水排出ライン15とを接続する。
三方弁19は、温水供給ライン14とチューブ12との接続部分の近傍に配置され、温水供給ライン14、チューブ12及びバイパスライン18を接続する。三方弁19は、温水供給ライン14からチューブ12側に流れる温水の量及びバイパスライン側に流れる温水の流量を調整する。即ち、三方弁19により温水供給ライン14からバイパスライン18への流路を閉止した状態(全開状態)では、温水供給ライン14を流通する温水は、全量チューブ12側に流れる。この状態からバイパスライン18への流路を開くように三方弁19の開度を調整すると、温水供給ライン14を流通する温水の一部は、バイパスライン18側に流れる。また、三方弁19により温水供給ライン14からチューブ12への流路を閉止した状態(全閉状態)では、温水供給ライン14を流通する温水は、全量バイパスライン18側に流れる。このように、三方弁19の開度を調整することで、チューブ12側に流れる温水の流量を調整できる。
【0020】
蒸気供給ライン20は、蒸発タンク111の内部において発生した蒸気を導出する。蒸気供給ライン20の下流側は、エゼクタや蒸気圧縮機等(図示せず)に接続される。
蒸気供給ライン20には、蒸気圧測定部としての蒸気圧センサ21が配置される。蒸気圧センサ21は、蒸気供給ライン20の内部における蒸気の圧力を測定する。
【0021】
以上の蒸気発生装置1によれば、三方弁19により温水供給ライン14からバイパスライン18への流路を閉止した状態では、まず、ガスエンジン200等から熱源となる温水(例えば、約90℃)が、温水供給ライン14を通じてチューブ12に供給される。チューブ12に供給された温水は、蒸発タンク111の内部に配置されたチューブ12に導入される。
一方、蒸発タンク111の内部においては、噴霧ノズル13からチューブ12に向けて、噴霧水が噴霧される。また、タンク部11の内部は、負圧もしくは低圧(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG程度)に維持されている。これにより、チューブ12を流通する温水は、噴霧水によって熱を奪われて85℃程度まで降温し、温水排出ライン15を通じて排出される。
【0022】
また、温水が流通するチューブ12には、噴霧ノズル13から80℃程度の水が噴霧されることで、表面に薄い液膜が形成される。このように、タンク部11の内部が負圧に維持された状態において、チューブ12の表面に薄い液膜が形成されることによって、チューブ12の内部を流通する温水と、噴霧ノズル13によって噴霧される水との温度差が比較的小さい場合(例えば、約10℃)であっても効率的に蒸気を生成することが可能になる。
【0023】
蒸発タンク111の内部で生成された蒸気は、蒸気供給ライン20を通って導出される。蒸気供給ライン20には、例えば、蒸気昇圧装置(図示せず)が接続され、蒸発タンク111の内部で生成された蒸気は、この蒸気昇圧装置により昇圧された後、蒸気使用設備に供給される。
蒸発タンク111の内部で蒸気にならなかった水は、蒸発タンク111の下方に配置された水ヘッダ112に貯留される。水ヘッダ112に貯留された水は、噴霧水供給ライン16を通じて、噴霧水ポンプ161によって噴霧ノズル13まで汲み上げられ、再びチューブ12に噴霧される。
水ヘッダ112に貯留される水が少なくなった場合には、補給水ライン17から水ヘッダ112に補給水が補給される。
【0024】
次に、制御部30について説明する。制御部30は、上述の各種ポンプの動作や弁の開閉を制御することで蒸気発生装置1の動作を制御する。また、制御部30は、蒸気圧センサ21により測定される圧力が予め設定された異常判定圧力(例えば、80kPa)を超えた場合、蒸気発生装置1を緊急停止させる。
【0025】
ところで、例えば、蒸気供給ライン20の下流側において蒸気が使用されない場合、蒸気発生装置1による蒸気の生成が継続されると、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力は上昇していく。このような場合、蒸気圧センサ21により測定される圧力が異常判定圧力を超えると、制御部30は、蒸気発生装置1に異常が発生していないにもかかわらず、蒸気発生装置1を緊急停止させてしまう。蒸気発生装置1が緊急停止された場合、その後の再起動を手動で行う必要があり、蒸気発生装置1の管理が煩雑となる。
【0026】
そこで、本実施形態では、制御部30に、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力に基いて蒸気発生装置1を待機状態とする待機制御を行わせる。
より具体的には、制御部30は、蒸気圧センサ21により測定される蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力が予め設定された第1基準圧力を超えた場合に噴霧水ポンプ161を停止させると共に、チューブ12に温水が供給されないように三方弁19を制御する。
ここで、蒸気発生装置1は、蒸発に用いられなかった水が貯留される水ヘッダ112をチューブ12が配置される蒸発タンク111の下方に配置しているので、チューブ12への水の噴霧を停止させ、チューブ12の内部への温水の供給を停止させることで、蒸気の生成を速やかに停止させられる。これにより、発生させた蒸気の圧力を好適に制御できるので、第1基準圧力として、蒸気発生装置を緊急停止させる設定圧力よりも低い圧力(例えば、65kPa)を設定することで、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力が異常判定圧力を超えないように蒸気発生装置1の運転を制御できる。
【0027】
また、制御部30は、蒸気圧センサ21により測定される蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力が第1基準圧力よりも小さい第2基準圧力(例えば、20kPa)を下回った場合に、噴霧水ポンプ161を起動させると共に、チューブ12に温水を供給するように三方弁19を制御する。これにより、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力が十分に低下した場合に、チューブ12の内部への温水の供給を再開させ、また、チューブ12への水の噴霧を再開させられるので、蒸気発生装置1による蒸気の生成を速やかに再開させられる。
【0028】
このように、本実施形態では、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力が第1基準圧力を超えた場合に速やかに蒸気の生成を停止させ、また、蒸気の圧力が第2基準圧力を下回った場合に速やかに蒸気の生成を再開させる待機制御により、蒸気の圧力を好適に制御できる蒸気発生装置1を実現している。
【0029】
尚、本実施形態の蒸気発生装置1は、上述した蒸気供給ライン20における蒸気の圧力に基づいた待機制御を行う他、以下のような場合にも待機制御を行う。
例えば、蒸気発生装置1がガスエンジン200のジャケット冷却水を熱源流体として使用し、蒸気発生装置1により生成された低圧蒸気を、蒸気供給ライン20を介して蒸気昇圧装置(図示せず)に供給する蒸気システムの一部を構成する場合、制御部30は、ガスエンジン200の運転信号に基いて待機制御を行う。即ち、制御部30は、ガスエンジン200からの運転信号が取得されなかった場合、噴霧水ポンプ161を停止させると共に、チューブ12に温水が供給されないように三方弁19を制御する。
【0030】
また、制御部30は、蒸気昇圧装置から吐出される吐出蒸気の圧力に基いて待機制御を行う。即ち、制御部30は、吐出蒸気の圧力が所定の閾値(例えば、750KPa)以上となった場合、蒸気発生装置1における蒸気の生成が過剰であると判断し、噴霧水ポンプ161を停止させると共に、チューブ12に温水が供給されないように三方弁19を制御する。
【0031】
更に、制御部30は、蒸気昇圧装置の運転信号に基いても待機制御を行う。即ち、制御部30は、蒸気昇圧装置に運転確認信号を送信しこの運転確認信号に対する運転応答信号が取得されなかった場合、又は蒸気昇圧装置からの運転状態信号が取得されなかった場合に、噴霧水ポンプ161を停止させると共に、チューブ12に温水が供給されないように三方弁19を制御する。
【0032】
以上説明した本実施形態の蒸気発生装置1によれば、以下のような効果を奏する。
【0033】
(1)蒸気発生装置1を、内部に温水が流通するチューブ12が配置され、チューブ12に水を噴霧することで蒸気を生成する蒸発タンク111と、この蒸発タンク111の下方に配置され蒸発タンク111の内部において蒸発しなかった水を貯留する水ヘッダ112と、チューブ12に供給される温水の流量を調整する三方弁19と、チューブ12に噴霧される水を昇圧する噴霧水ポンプ161と、蒸発タンク111において生成された蒸気を外部に供給する蒸気供給ライン20と、この蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力を測定する蒸気圧センサ21と、蒸気圧センサ21により測定される蒸気の圧力が第1基準圧力を超えた場合に噴霧水ポンプ161を停止させると共に、チューブ12に温水が供給されないように三方弁19を制御する制御部30と、を含んで構成した。これにより、蒸気圧センサ21により測定される蒸気の圧力が第1基準圧力を超えた場合に、チューブ12への水の噴霧を停止させると共に、チューブ12の内部への温水の供給を停止させられる。ここで、本実施形態の蒸気発生装置1は、蒸発に用いられなかった水が貯留される水ヘッダ112をチューブ12が配置される蒸発タンク111の下方に配置しているので、チューブ12への水の噴霧を停止させ、チューブ12の内部への温水の供給を停止させることで、蒸気の生成を速やかに停止させられる。よって、発生させた蒸気の圧力を好適に制御できるので、第1基準圧力として、蒸気発生装置1を緊急停止させる異常判定圧力よりも低い圧力を設定することで、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力が異常判定圧力を超えないように蒸気発生装置1の運転を制御できる。
【0034】
(2)制御部30に、蒸気圧センサ21により測定される蒸気の圧力が第1基準圧力よりも小さい第2基準圧力を下回った場合に噴霧水ポンプ161を起動させると共に、チューブ12に温水を供給するように三方弁19を制御させた。これにより、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力が十分に低下した場合に、チューブ12の内部への温水の供給を再開させ、また、チューブ12への水の噴霧を再開させられるので、蒸気発生装置1による蒸気の生成を速やかに再開させられる。
【0035】
(3)蒸気発生装置1を、温水供給ライン14と、温水排出ライン15と、バイパスライン18とを含んで構成し、流量調整弁を、これら3つのラインにつながる三方弁19により構成した。これにより、三方弁19の開度を制御することで、蒸気発生装置1に供給される温水の流量を容易に調整できるので、本発明の蒸気発生装置1を簡易な構成で実現できる。
【0036】
以上、本発明の蒸気発生装置1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、タンク部11を、一つの蒸発タンク111及び一つの水ヘッダ112により構成したが、これに限らない。即ち、タンク部を、複数の蒸発タンクと、一つの水ヘッダとを含んで構成し、水ヘッダに、複数の蒸発タンクで蒸発しなかった水を貯留させてもよい。これにより、一つの水ヘッダに貯留された水の量を監視することで、蒸気発生装置における水の供給等を制御できる。よって、複数の蒸発タンクにより蒸気発生装置を構成した場合であっても、蒸気発生装置の管理を容易に行える。
【0037】
また、本実施形態では、蒸発タンク111と水ヘッダ112とを異なる容器により構成し、これらを配管114により接続したが、これに限らない。即ち、タンク部を一つの容器により構成し、水に浸からない上部にチューブを配置してこの上部を蒸発タンクとし、下部を水ヘッダとして構成してもよい。
【0038】
また、本実施形態では、蒸気圧センサ21を蒸気供給ライン20に配置して蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力を測定したが、これに限らない。即ち、蒸気供給ライン20を流通する蒸気の圧力は、タンク部(蒸発タンク)における蒸気の圧力と等しいため、蒸気圧センサ21をタンク部(蒸発タンク)に配置してもよい。
【0039】
また、本実施形態では、熱源流体として温水を用いたが、これに限らない。即ち、熱源流体として、排ガスや空気等の他の流体を用いてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、流量調整弁を三方弁19により構成したが、これに限らない。即ち、流量調整弁を、複数の弁を組み合わせて構成してもよい。