【課題】振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのを抑制することが可能なプロジェクタおよびヘッドアップディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】このヘッドアップディスプレイ装置(プロジェクタ)100は、光源部1と、光源部1からの光を走査する光走査部2と、を備える。また、光源部1は、レーザ光源10と、レーザ光源10を保持するための保持部材20と、保持部材20に保持された光源を固定するための固定部材30と、を含む。そして、ヘッドアップディスプレイ装置100では、固定部材30と保持部材20とが溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。
前記保持部材側係合部と前記固定部材側係合部とが係合した状態で、前記保持部材側係合部と前記固定部材側係合部とが溶着されることによって、前記光源が固定されている、請求項3に記載のプロジェクタ。
前記凸状部が前記凹状部に挿入されて係合した状態で、前記凸状部の先端部と、前記先端部と対向する前記凹状部の底面とが離間している、請求項5に記載のプロジェクタ。
前記固定部材は、前記光源に対して前記保持部材とは反対側に配置され、前記光源を挟み込んだ状態で押えるための押え部と、前記押え部よりも前記光源側に突出する前記凸状部と、を有し、
前記保持部材は、前記凸状部と係合する前記凹状部を有し、
前記凸状部が前記凹状部に挿入されて係合した状態で、かつ、前記固定部材の押え部と前記保持部材とにより前記光源を挟み込んだ状態で、前記固定部材と前記保持部材とが溶着されることによって、前記光源が固定されている、請求項5または6に記載のプロジェクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の光ヘッド装置では、レーザ光源が接着剤により接着固定されているため、たとえばレーザ光源からの熱により接着剤からアウトガスが発生する場合がある。この場合には、発生したアウトガスがレーザ光源に付着することに起因して、光ヘッド装置の光学性能が低下するという不都合がある。また、上記不都合を解消するために、接着剤により接着固定することなく、圧入部に圧入されることのみによりレーザ光源が固定(保持)される場合が考えられる。しかし、この場合には、外部からの振動、衝撃など、または、温度変化による圧入部の熱膨張などに起因して、圧入部によるレーザ光源を保持する力が低下してしまう場合がある。この場合には、圧入部に固定(保持)されたレーザ光源に位置ずれが生じてしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、接着剤を用いずに光源を固定可能で、かつ、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのを抑制することが可能なプロジェクタおよびヘッドアップディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面によるプロジェクタは、光源部と、光源部からの光を走査する光走査部とを備え、光源部は、光源と、光源を保持するための保持部材と、保持部材に保持された光源を固定するための固定部材とを含み、固定部材と保持部材とが溶着されることによって、光源が固定されている。
【0008】
この発明の第1の局面によるプロジェクタでは、上記のように、固定部材と保持部材とが溶着されることにより、光源が固定されている。これにより、光源を保持するための保持部材と、保持部材に保持された光源を固定するための固定部材とが溶着により一体化されるので、接着剤を用いずに光源を固定することができる。このため、溶着により保持部材と一体化された固定部材が、外部からの振動、衝撃および温度変化などに起因して保持部材に対して位置ずれしてしまうのを抑制することができる。これにより、保持部材と固定部材とにより光源を固定した状態を容易に維持することができる。これらの結果、接着剤を用いずに光源を固定可能で、かつ、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、固定部材と保持部材とが光源を挟み込んだ状態で、互いに溶着されることによって、光源が固定されている。このように構成すれば、固定部材と保持部材とにより光源を挟み込む分、光源を強固に固定することができる。したがって、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのをより確実に抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、保持部材は、保持部材側係合部を有し、固定部材は、保持部材側係合部と係合するための固定部材側係合部を有し、保持部材側係合部と固定部材側係合部とが係合した状態で、固定部材と保持部材とが溶着されることによって、光源が固定されている。このように構成すれば、保持部材と固定部材とが溶着される際に、保持部材と固定部材とを係合させて互いの位置を溶着される際の位置に容易に配置および仮固定することができるので、保持部材と固定部材とを確実に溶着することができる。その結果、不十分な溶着によって固定部材により光源が十分に固定されないことに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのも抑制することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、保持部材側係合部と固定部材側係合部とが係合した状態で、保持部材側係合部と固定部材側係合部とが溶着されることによって、光源が固定されている。このように構成すれば、係合のための保持部材側係合部と固定部材側係合部とが溶着されるので、保持部材側係合部および固定部材側係合部以外に溶着のための溶着部を設ける必要がない。したがって、保持部材と固定部材とを簡素な構成とすることができる。
【0012】
上記保持部材側係合部と固定部材側係合部とが係合する構成において、好ましくは、保持部材側係合部および固定部材側係合部の一方および他方は、それぞれ、凸状部および凹状部を含み、凸状部が凹状部に挿入されて係合した状態で、固定部材と保持部材とが溶着されることによって、光源が固定されている。このように構成すれば、保持部材側係合部と固定部材側係合部の係合とを、凹凸形状の係合という簡素な構成とすることができるので、保持部材と固定部材とをより簡素な構成とすることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、凸状部が凹状部に挿入されて係合した状態で、凸状部の先端部と、先端部と対向する凹状部の底面とが離間している。このように構成すれば、凸状部と凹状部とを係合させる際に、凸状部の先端部と凹状部の底面とが接触することがないので、凸状部を凹状部に係合させるための係合位置まで、確実に、凸状部を挿入することができる。これにより、凸状部および凹状部が互いに係合した状態で溶着により光源が固定された場合に、光源が凸状部および凹状部の係合方向に位置ずれするのを抑制することができる。
【0014】
上記保持部材側係合部および固定部材側係合部の一方および他方がそれぞれ凸状部および凹状部を含む構成において、好ましくは、固定部材は、光源に対して保持部材とは反対側に配置され、光源を挟み込んだ状態で押えるための押え部と、押え部よりも光源側に突出する凸状部と、を有し、保持部材は、凸状部と係合する凹状部を有し、凸状部が凹状部に挿入されて係合した状態で、かつ、固定部材の押え部と保持部材とにより光源を挟み込んだ状態で、固定部材と保持部材とが溶着されることによって、光源が固定されている。このように構成すれば、固定部材の押え部と保持部材とにより光源を挟み込む分、光源を強固に固定することができるとともに、光源を強固に固定した状態で、保持部材の凹状部と固定部材の凸状部とを係合させることができる。その結果、保持部材と固定部材とにより光源を強固に固定した状態で、保持部材と固定部材とを溶着することができるので、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのをさらに確実に抑制することができる。
【0015】
この発明の第2の局面によるヘッドアップディスプレイ装置は、光源部と、光源部からの光を走査する光走査部とを備え、光源部は、光源と、光源を保持するための保持部材と、保持部材に保持された光源を固定するための固定部材とを含み、固定部材と保持部材とが溶着されることによって、光源が固定されている。
【0016】
この発明の第2の局面によるヘッドアップディスプレイ装置では、固定部材と保持部材とが溶着されることによって、光源が固定されている。これにより、第2の局面のヘッドアップディスプレイ装置においても、接着剤を用いずに光源を固定可能で、かつ、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、接着剤を用いずに光源を固定可能で、かつ、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材に保持された光源に位置ずれが生じてしまうのを抑制することが可能なプロジェクタおよびヘッドアップディスプレイ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態によるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100の構成について説明する。なお、ヘッドアップディスプレイ装置100は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。
【0021】
本発明の第1実施形態によるHUD装置100は、
図1に示すように、自動車600などの輸送用機器に搭載されるHUD装置である。
【0022】
詳細には、HUD装置100は、カーナビゲーション情報および自動車600の速度情報などの運転に関する情報を含む画像を形成する光を、フロントガラスなどのスクリーン601に投影(照射)するように構成されている。これにより、ユーザ(運転者)は、HUD装置100により投影されて、スクリーン601において反射された画像を形成する光を視認して、自動車600の外側でスクリーン601の前方に画像の虚像を視認することが可能である。
【0023】
次に、
図2を参照して、HUD装置100の具体的な構成について説明する。
【0024】
HUD装置100は、光源部1と、光走査部2と、表示制御部3とを備えている。
【0025】
ここで、第1実施形態では、光源部1は、3つ(青(B)、赤(R)および緑(G))のレーザ光源10(10a、10bおよび10c)と、3つのレーザ光源10をそれぞれ保持するための樹脂製の3つの保持部材20と、3つの保持部材20にそれぞれ保持された3つのレーザ光源10をそれぞれ固定するための樹脂製の3つの固定部材30とを含んでいる。また、このHUD装置100では、固定部材30と保持部材20とが超音波溶着されることによって、レーザ光源10が保持部材20に固定されている。なお、レーザ光源10は、本発明の「光源」の一例である。この固定部材30と保持部材20とによるレーザ光源10の固定の詳細については、後述する。
【0026】
また、光源部1は、光学部40を含んでいる。光学部40は、3つ(青(B)、赤(R)および緑(G))のレーザ光を合成して各々のレーザ光の光軸を揃えるための3つのプリズム41a、41bおよび41cと、プリズム41a、41bおよび41cからのレーザ光を集光するためのレンズ42とを有する。
【0027】
光源部1では、レーザ光源10aは、青色のレーザ光を3つのプリズム41a、41bおよび41cおよびレンズ42を通過させて光走査部2に照射するように構成されている。また、レーザ光源10bは、赤色のレーザ光をプリズム41b、41cおよびレンズ42を通過させて光走査部2に照射するように構成されている。また、レーザ光源10cは、緑色のレーザ光をプリズム41cおよびレンズ42を通過させて光走査部2に照射するように構成されている。
【0028】
光走査部2は、レーザ光源10からの光を水平走査方向に走査するための水平光走査部2aと、レーザ光源10からの光を垂直走査方向に走査するための垂直光走査部2bとを含んでいる。水平光走査部2aおよび垂直光走査部2bは、それぞれ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーにより構成されている。
【0029】
光走査部2では、水平光走査部2aは、レーザ光源10からの光をMEMSミラーにより反射させて、垂直光走査部2bを介して、自動車600(
図1参照)のスクリーン601に対して水平走査方向に走査するように構成されている。また、垂直光走査部2bは、水平光走査部2aにおいて反射された光をMEMSミラーにより反射させて、自動車600のスクリーン601に対して垂直走査方向に走査するように構成されている。これにより、光走査部2は、レーザ光源10からの光をスクリーン601に対して、水平走査方向および垂直走査方向に走査するように構成されている。その結果、画像を形成する光が、スクリーン601に投影(照射)される。
【0030】
表示制御部3は、外部から入力される映像信号に基づいて、映像の投影を制御するように構成されている。具体的には、表示制御部3は、外部から入力される映像信号に基づいて、光走査部2(2aおよび2b)の駆動を制御するとともに、レーザ光源10(10a、10bおよび10c)によるレーザ光の照射を制御するように構成されている。これにより、表示制御部3は、光走査部2およびレーザ光源10を制御して、スクリーン601に対して画像を投影する制御を行うように構成されている。
【0031】
次に、
図3〜
図9を参照して、固定部材30と保持部材20とによるレーザ光源10の固定の詳細について、具体的な構成に基づいて説明する。その後、
図10および
図11を参照して、固定部材30と保持部材20とによるレーザ光源10の固定の方法について説明する。なお、それぞれ3つずつ設けられるレーザ光源10、保持部材20および固定部材30では、レーザ光源10から出射されるレーザ光の色が異なる以外は、略同一の構成であるので、以下の説明では特に3つを区別することなく記載する。
【0032】
光源部1では、
図3に示すように、固定部材30と保持部材20とにより固定されたレーザ光源10(10a、10bおよび10c)は、光源部1のハウジング(筐体)50に取り付けられるように構成されている。また、固定部材30と保持部材20とにより固定されたレーザ光源10は、光源部1のハウジング50(筐体)に取り付けられた状態で、光学部40にレーザ光を照射するように構成されている。光源部1では、光学部40を通過したレーザ光は、ハウジング50の開口部51から出射されて、光走査部2(
図2参照)に照射される。以下、レーザ光源10、保持部材20および固定部材30の構成について説明する。
【0033】
レーザ光源10は、
図4、
図5および
図7に示すように、レーザ光を出射するための発光部11と、発光部11を支持するためのステム12と、レーザ光源10に電力を供給するための3つの端子部13を有している。また、発光部11、ステム12および端子部13は、それぞれ、金属材料により形成されている。
【0034】
発光部11は、ステム12の下端面12aからZ2方向側に向かって延びるとともに、直径R3を有する略円柱形状に形成されている。また、発光部11には、ステム12とは反対側(Z2方向側)の端部に、図示しない出射窓が設けられている。発光部11から出射されるレーザ光は、図示しない出射窓を介して、光学部40(
図3参照)に照射される。
【0035】
ステム12は、Z方向に延びるとともに、発光部11の直径R3よりも大きい直径R2を有する略円柱形状に形成されている。また、ステム12には、略円柱形状の径方向の外周縁において、Z方向に延びる2つの溝部12bおよび12cが設けられている。なお、溝部12bは断面V字形状に形成され、溝部12cは断面矩形形状に形成されている。
【0036】
3つの端子部13は、ステム12の上端面12dからZ1方向側に向かって延びるように形成されている。レーザ光源10では、図示しない電源から端子部13に電力が供給されることによって、発光部11からレーザ光が出射される。
【0037】
保持部材20は、
図4、
図5および
図8に示すように、圧入部21と、開口部22と、受け面部23と、3つの凹状部24と、突起部25aおよび25bとを有している。
【0038】
圧入部21は、レーザ光源10のステム12が圧入されて、レーザ光源10を保持するように構成されている。圧入部21は、平面視で(Z1方向側から見て)略円状に形成されている。また、略円状の圧入部21は、レーザ光源10のステム12の直径R2よりも圧入可能な程度に若干小さい直径R4を有している。また、圧入部21は、保持部材20の上端面20aから受け面部23まで、Z2方向側に向かってくぼむように形成されている。
【0039】
開口部22は、圧入部21に圧入されたレーザ光源10の発光部11を収納するように構成されている。開口部22は、平面視で略円状に形成されている。また、略円状の開口部22は、レーザ光源10の発光部11の直径R3よりも十分に大きく、かつ、圧入部21の直径R4よりも小さい直径R5を有している。また、開口部22は、受け面部23から保持部材20の下端面20bまで、Z2方向側に向かって貫通するように形成されている。
【0040】
受け面部23は、圧入部21に圧入されたレーザ光源10のZ2方向側の位置を決めるように構成されている。受け面部23は、圧入部21のZ2方向側の端部から開口部22のZ1方向側の端部まで延びるように形成されている。また、受け面部23は、
図9に示すように、レーザ光源10のステム12が圧入部21に圧入された際に、ステム12の下端面12aと当接することによって、レーザ光源10のZ2方向側の位置決めが行われるように構成されている。
【0041】
凹状部24は、固定部材30の後述する凸状部32と係合するように構成されている。凹状部24は、平面視で略円状の圧入部21の径方向の内周縁において、所定の間隔(約120度の角度間隔)で3つ設けられている。また、3つの凹状部24は、それぞれ、平面視で略円状の圧入部21の内周縁において、径方向の外側に向かってくぼむとともに、径方向とは交差する方向に幅W2(
図8参照)を有するように形成されている。また、凹状部24の底面24aは、受け面部23の面と略同じ高さ位置(Z方向の位置)において、受け面部23と連続するように形成されている。なお、凹状部24は、本発明の「保持部材側係合部」の一例である。
【0042】
突起部25aおよび25bは、ステム12の溝部12bおよび12cとそれぞれ係合するように構成されている。突起部25aおよび25bは、それぞれ、平面視で略円状の圧入部21の内周縁において、径方向の内側に向かって突出するように形成されている。また、突起部25aは断面V字形状に形成され、突起部25bは断面矩形形状に形成されている。すなわち、突起部25aおよび25bは、レーザ光源10のステム12が圧入部21に圧入される際に、それぞれ、ステム12の溝部12bおよび12cと係合することによって、レーザ光源10の回転(Z方向に延びる回転軸線周りの回転)を規制するように構成されている。
【0043】
固定部材30は、
図4〜
図6に示すように、環状に形成された環状部31と、保持部材20の3つの凹状部24と係合するための3つの凸状部32とを有している。
【0044】
環状部31は、円環状に形成されている。また、環状部31は、レーザ光源10のステム12の直径R2よりも小さい内径(内側の円の直径)R1を有している。また、環状部31の下端面31aは、レーザ光源10のステム12が圧入部21に圧入された際に、レーザ光源10のステム12の上端面12dと当接するとともに、レーザ光源10を挟み込んだ状態でZ1方向側から押えるように構成されている。すなわち、環状部31の下端面31aは、
図9に示すように、レーザ光源10に対して保持部材20の受け面部23とは反対側(Z1方向側)に配置されている。なお、環状部31の下端面31aは、本発明の「押え部」の一例である。
【0045】
凸状部32は、環状部31の径方向の内周縁において、凹状部24と対応するように、所定の間隔(約120度の角度間隔)で3つ設けられている。また、3つの凸状部32は、環状部31の内周縁において、径方向の外側に向かって若干くぼんだ位置に形成されている。これにより、3つの凸状部32は、
図9に示すように、ステム12と干渉することなく、保持部材20の凹状部24と係合することが可能である。なお、凸状部32は、本発明の「固定部材側係合部」の一例である。
【0046】
また、3つの凸状部32は、各々、環状部31の下端面31aよりもレーザ光源10側(Z2方向側)に突出するように構成されている。また、3つの凸状部32は、各々、凹状部24の幅W2と対応する方向に幅W1(
図6参照)を有するように形成されている。この際、幅W1は、凹状部24の幅W2よりも圧入可能な程度に若干大きい。すなわち、3つの凸状部32は、それぞれ、3つの凹状部24に圧入(挿入)されて係合するように形成されている。
【0047】
ここで、第1実施形態では、保持部材20と固定部材30とは、
図9に示すように、凸状部32が凹状部24に圧入(挿入)されて係合した状態で、受け面部23と環状部31の下端面31aとによりレーザ光源10を挟み込むように構成されている。そして、HUD装置100の光源部1では、凸状部32が凹状部24に圧入(挿入)されて係合した状態で、かつ、受け面部23と環状部31の下端面31aとにより金属製のレーザ光源10を挟み込んだ状態で、樹脂製の固定部材30と樹脂製の保持部材20とが超音波溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。
【0048】
具体的には、第1実施形態のHUD装置100では、凸状部32が凹状部24に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部32と凹状部24との当接する領域(溶着領域)が超音波溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。より具体的には、HUD装置100では、互いに当接する凸状部32の外側面32aおよび側面32bと、凹状部24の底面24aに沿って立ち上がる内側面24bとが超音波溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。
【0049】
また、第1実施形態のHUD装置100では、
図9に示すように、凸状部32が凹状部24に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部32の先端部32cと、先端部32cと対向する凹状部24の底面24aとが離間している。また、HUD装置100では、凸状部32が凹状部24に圧入(挿入)されて係合した状態で、内側面32dがステム12の外側面12eと当接している。
【0050】
次に、
図10および
図11を参照して、固定部材30と保持部材20とによるレーザ光源10の固定の方法について説明する。
【0051】
図10では、レーザ光源10を固定する前の状態を示している。レーザ光源10を固定する前の状態では、レーザ光源10が保持部材20の圧入部21上に配置されているとともに、レーザ光源10のステム12上(上端面12d上)に固定部材30が配置されている。この際、レーザ光源10の溝部12bおよび12cの位置と、保持部材20の突起部25aおよび25bとの位置とがそれぞれ対応するように、レーザ光源10が保持部材20の圧入部21上に配置される。また、圧入部21の直径R4がレーザ光源10のステム12の直径R2よりも圧入可能な程度に若干小さいので、圧入部21上にレーザ光源10が載置される。また、開口部22の直径R5がレーザ光源10の発光部11の直径R3よりも十分に大きいので、開口部22の内側の空間に発光部11が配置される。
【0052】
また、固定部材30の環状部31の内径R1がレーザ光源10のステム12の直径R2よりも小さいので、環状部31の下端面31aのうち内側の一部がステム12の上端面12dの対応する領域と当接して、ステム12上に固定部材30が載置される。
【0053】
そして、
図10の状態で、超音波溶着機90の超音波ホーン91により、固定部材30の上端面が圧入方向に押圧される。これにより、レーザ光源10のステム12が保持部材20の圧入部21に圧入されて保持されるとともに、固定部材30の凸状部32が保持部材20の凹状部24に圧入されて係合される。
【0054】
図11では、レーザ光源10を固定した状態を示している。レーザ光源10を固定した状態では、レーザ光源10のステム12の下端面12aが保持部材20の受け面部23と当接してZ2方向に位置決めされているとともに、レーザ光源10のステム12の上端面12dが固定部材30の環状部31の下端面31aによりZ1方向側から押えられている。これにより、凸状部32が凹状部24に圧入(挿入)されて係合した状態で、かつ、受け面部23と環状部31の下端面31aとにより金属製のレーザ光源10を挟み込んだ状態となる。この際、凸状部32の先端部32cと、先端部32cと対向する凹状部24の底面24aとは、離間している。
【0055】
そして、
図11の状態で、超音波溶着機90の超音波ホーン91からの超音波により、凸状部32と凹状部24の当接する領域(溶着領域)が溶融される。その結果、凸状部32と凹状部24とが超音波溶着されて、レーザ光源10が固定される。
【0056】
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0057】
第1実施形態では、上記のように、固定部材30と保持部材20とが溶着されることにより、レーザ光源10が固定されている。これにより、レーザ光源10を保持するための保持部材20と、保持部材20に保持されたレーザ光源10を固定するための固定部材30とが溶着により一体化されるので、接着剤を用いずにレーザ光源10を固定することができる。このため、溶着により保持部材20と一体化された固定部材30が外部からの振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材20に対して位置ずれしてしまうのを抑制することができる。これにより、保持部材20と固定部材30とによりレーザ光源10を固定した状態を容易に維持することができる。これらの結果、接着剤を用いずにレーザ光源10を固定可能で、かつ、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材20に保持されたレーザ光源10に位置ずれが生じてしまうのを抑制することができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100の光源部1では、固定部材30と保持部材20とがレーザ光源10を挟み込んだ状態で、互いに溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。これにより、固定部材30と保持部材20とによりレーザ光源10を挟み込む分、レーザ光源10を強固に固定することができる。したがって、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材20に保持されたレーザ光源10に位置ずれが生じてしまうのをより確実に抑制することができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、HUD装置100では、凹状部24と凸状部32とが係合した状態で、固定部材30と保持部材20とが溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。これにより、保持部材20と固定部材30とが溶着される際に、保持部材20と固定部材30とを係合させて互いの位置を溶着される際の位置に容易に配置および仮固定することができるので、保持部材20と固定部材30とを確実に溶着することができる。その結果、不十分な溶着に固定部材30によりレーザ光源10が十分に固定されないことに起因して、保持部材20に保持されたレーザ光源10に位置ずれが生じてしまうのも抑制することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、HUD装置100では、凹状部24と凸状部32とが係合した状態で、凹状部24と凸状部32とが溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。これにより、係合のための凹状部24と凸状部32とが溶着されるので、凹状部24および凸状部32以外に溶着のための溶着部を設ける必要がない。したがって、保持部材20と固定部材30とを簡素な構成とすることができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、HUD装置100では、凸状部32が凹状部24に挿入されて係合した状態で、固定部材30と保持部材20とが溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。これにより、凹状部24と凸状部32との係合を、凹凸形状の係合という簡素な構成とすることができるので、保持部材20と固定部材30とをより簡素な構成とすることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、HUD装置100では、凸状部32が凹状部24に挿入されて係合した状態で、凸状部32の先端部32cと、先端部32cと対向する凹状部24の底面24aとが離間している。これにより、凸状部32と凹状部24とを係合させる際に、凸状部32の先端部32cと凹状部24の底面24aとが接触することがないので、凸状部32を凹状部24に係合させるための係合位置まで、確実に、凸状部32を挿入することができる。これにより、凸状部32および凹状部24が互いに係合した状態で溶着によりレーザ光源10が固定された場合に、レーザ光源10が凸状部32および凹状部24の係合方向(Z方向)に位置ずれするのを抑制することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、HUD装置100では、凸状部32が凹状部24に挿入されて係合した状態で、かつ、固定部材30の環状部31の下端面31aと保持部材20の受け面部23とによりレーザ光源10を挟み込んだ状態で、固定部材30と保持部材20とが溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。これにより、固定部材30の環状部31の下端面31aと保持部材20の受け面部23とによりレーザ光源10を挟み込む分、レーザ光源10を強固に固定することができるとともに、レーザ光源10を強固に固定した状態で、保持部材20の凹状部24と固定部材30の凸状部32とを係合させることができる。その結果、保持部材20と固定部材30とによりレーザ光源10を強固に固定した状態で、保持部材20と固定部材30とを溶着することができるので、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材20に保持されたレーザ光源10に位置ずれが生じてしまうのをさらに確実に抑制することができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、
図1、
図2および
図12を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、保持部材120の凹状部124とおよび固定部材130の凸状部132が圧入(挿入)方向側に向かって徐々に内側に向かうように形成されている例について説明する。なお、凹状部124および凸状部132は、それぞれ、本発明の「保持部材側係合部」および「固定部材側係合部」の一例である。
【0065】
本発明の第2実施形態によるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置200の光源部101は、
図1および
図2に示すように、レーザ光源10と、レーザ光源10を保持するための樹脂製の保持部材120と、保持部材120に保持されたレーザ光源10を固定するための樹脂製の固定部材130とを備えている。そして、このHUD装置200では、上記第1実施形態と同様に、固定部材130と保持部材120とが超音波溶着されることによって、レーザ光源10が保持部材120に固定されている。なお、レーザ光源10は、上記第1実施形態と同様に、3つ(青(B)、赤(R)および緑(G))設けられているとともに、保持部材120と、固定部材130とも、レーザ光源10に対応して3つずつ設けられている。また、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、ヘッドアップディスプレイ装置200は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。
【0066】
第2実施形態では、保持部材120は、
図12に示すように、2つの凹状部124を有している。2つの凹状部124は、所定の間隔(約180度の角度間隔)を有する位置において対向するように設けられている。また、2つの凹状部124は、それぞれ、固定部材130の後述する2つの凸状部132が圧入(挿入)されて係合するように形成されている。また、2つの凹状部124の内側面124bは、それぞれ、固定部材130の凸状部132が圧入(挿入)される圧入(挿入)方向側に向かって徐々に内側(レーザ光源10側)に向かうように形成されている。
【0067】
また、第2実施形態では、固定部材130は、
図12に示すように、2つの凸状部132を有している。2つの凸状部132は、環状部31の内側の円の径方向の外周縁において、凹状部124と対応するように、所定の間隔(約180度の角度間隔)を有する位置において対向するように設けられている。また、2つの凸状部132は、それぞれ、2つの凹状部124に圧入(挿入)されて係合するように形成されている。具体的には、2つの凸状部132は、各々、圧入(挿入)方向側に向かって徐々に内側(レーザ光源10側)に向かうように形成されている。
【0068】
また、HUD装置200では、上記第1実施形態と同様に、凸状部132が凹状部124に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部132の先端部132cと、先端部132cと対向する凹状部124の底面124aとが離間している。また、HUD装置200では、凸状部132が凹状部124に圧入(挿入)されて係合した状態で、先端部132cがステム12の外側面12eと当接している。
【0069】
そして、このHUD装置200では、凸状部134が凹状部124に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部134と凹状部124との当接する領域(溶着領域)が超音波溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。
【0070】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
第2実施形態では、上記のように、固定部材130と保持部材120とが溶着されることによって、レーザ光源10が固定されることにより、上記第1実施形態と同様に、接着剤を用いずにレーザ光源10を固定可能で、かつ、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材120に保持されたレーザ光源10に位置ずれが生じてしまうのを抑制することができる。
【0073】
また、第2実施形態では、上記のように、保持部材120の凹状部124および固定部材130の凸状部132を、各々、圧入(挿入)方向側に向かって徐々に内側(レーザ光源10側)に向かうように形成する。そして、凹状部124に圧入(挿入)されて係合するように凸状部134を形成する。そして、凸状部132が凹状部124に圧入(挿入)されて係合した状態で、先端部132cがステム12の外側面12eと当接するように凸状部132を形成する。これにより、固定部材120と保持部材130とが超音波溶着される際に、溶融された凸状部132をレーザ光源10のステム12側に向かって滑らせることができるので、レーザ光源10をより強固に固定することができる。
【0074】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0075】
(第3実施形態)
次に、
図1、
図2、
図13および
図14を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態とは異なり、保持部材220の凹状部224および固定部材230の凸状部232が略周状に形成されている例について説明する。なお、凹状部224および凸状部232は、それぞれ、本発明の「保持部材側係合部」および「固定部材側係合部」の一例である。
【0076】
本発明の第3実施形態によるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置300の光源部201は、
図1および
図2に示すように、レーザ光源10と、レーザ光源10を保持するための樹脂製の保持部材220と、保持部材220に保持されたレーザ光源10を固定するための樹脂製の固定部材230とを備えている。そして、このHUD装置300では、上記第1実施形態と同様に、固定部材230と保持部材220とが超音波溶着されることによって、レーザ光源10が保持部材220に固定されている。なお、レーザ光源10は、上記第1および第2実施形態と同様に、3つ(青(B)、赤(R)および緑(G))設けられているとともに、保持部材220と、固定部材230とも、レーザ光源10に対応して3つずつ設けられている。また、上記第1および第2実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、ヘッドアップディスプレイ装置300は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。
【0077】
第3実施形態では、保持部材220は、
図13および
図14に示すように、平面視で略円状を有するとともに、略周状の凹状部224を有している。また、保持部材220は、平面視で略円状の凹状部224の外周縁において、径方向の内側に向かって突出するとともに、レーザ光源10の溝部12bおよび12cと係合するための2つの突起部225aおよび225bを有している。
【0078】
また、第3実施形態では、固定部材230は、
図13および
図14に示すように、平面視で略円状を有するとともに、周状の凸状部232を有している。また、固定部材230は、平面視で略円状の凸状部232の内周縁において、径方向の内側に向かってくぼむとともに、保持部材220の突起部225aおよび225bと係合するための2つの溝部233aおよび233bを有している。
【0079】
また、第3実施形態では、固定部材230の凸状部232は、レーザ光源10の溝部12bおよび12cと、保持部材220の突起部225aおよび225bとが係合した状態で、レーザ光源10のステム12および保持部材220の凹状部224と係合するように形成されている。この際、固定部材230の凸状232は、レーザ光源10のステム12の外側面12eと保持部材220の凹状部224の内側面224bとの間に圧入されることによって、係合されている。
【0080】
また、HUD装置300では、凸状部232がステム12の外側面12eと凹状部224の内側面224bとの間に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部232の先端部232cと、先端部232cと対向する凹状部224の底面224aとが離間している。また、HUD装置300では、凸状部232がステム12の外側面12eと凹状部224の内側面224bとの間に圧入(挿入)されて係合した状態で、内側面232dがステム12の外側面12eと当接している。
【0081】
そして、このHUD装置300では、周状の凸状部232が周状の凹状部224に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部232と凹状部224との当接する領域(溶着領域)が超音波溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。
【0082】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0083】
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0084】
第3実施形態では、上記のように、固定部材230と保持部材220とが溶着されることによって、レーザ光源10が固定されることにより、上記第1実施形態と同様に、接着剤を用いずにレーザ光源10を固定可能で、かつ、振動、衝撃および温度変化などに起因して、保持部材220に保持されたレーザ光源10が位置ずれしてしまうのを抑制することができる。
【0085】
また、第3実施形態では、上記のように、HUD装置300では、周状の凸状部232が周状の凹状部224に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部232と凹状部224との当接する領域が超音波溶着されることによって、レーザ光源10が固定されている。これにより、周状の凸状部232と周状の凹状部224とにより、当接する領域を広範囲にわたって確保することができるので、当接する領域(溶着領域)が広い分、保持部材220と固定部材230とをより強固に溶着させることができる。
【0086】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0087】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0088】
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100(200、300)としてのプロジェクタに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、HUD装置としてのプロジェクタ以外のプロジェクタにも適用可能である。たとえば、PCまたはテレビジョン装置などの外部機器からの映像を投影するプロジェクタに本発明を適用してもよい。
【0089】
また、上記第1〜第3実施形態では、輸送用機器に搭載されるHUD装置100(200、300)に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、輸送用機器に搭載されるHUD装置以外のHUD装置に適用可能である。なお、本発明のHUD装置(プロジェクタ)は、振動、衝撃などが加えられ易い輸送用機器に搭載される装置として特に好適である。
【0090】
また、上記第1〜第3実施形態では、保持部材20(120、220)と固定部材30(130、230)とを、超音波溶着により溶着した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、保持部材と固定部材とを、超音波溶着以外の溶着方法により溶着してもよい。たとえば、保持部材と固定部材とを、振動溶着またはレーザ溶着により溶着してもよい。
【0091】
また、上記第1実施形態では、保持部材20により保持された状態で、レーザ光源10がハウジング50に取り付けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レーザ光源を光源部のハウジングにより直接的に保持してもよい。この場合、ハウジングは、本発明の「保持部材」の一例である。
【0092】
また、上記第1〜第3実施形態では、保持部材20(120、220)と固定部材30(130、230)とが、凹状部24(224、324)と凸状部32(132、232)との凹凸形状により係合した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凹凸形状以外の形状により係合してもよい。
【0093】
また、上記第1〜第3実施形態では、保持部材20(120、220)と固定部材30(130、230)とにおいて、係合部としての凹状部24(224、324)と凸状部32(132、232)とが超音波溶着により溶着された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、保持部材と固定部材とにおいて、係合部以外の部分が溶着されてもよい。たとえば、係合部以外に溶着のための溶着部を設けてもよい。
【0094】
また、上記第1実施形態では、それぞれ3つの凹状部24と凸状部32とが、上記第2実施形態では、それぞれ2つの凹状部124と凸状部132とが、上記第3実施形態では、1つの凹状部224と凸状部232とが設けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凹状部と凸状部とを、4つ以上設けてもよい。
【0095】
また、上記第1〜第3実施形態では、凸状部32(132、232)が凹状部24(124、224)に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部32(132、232)の先端部32c(132c、232c)と、凹状部24(124、224)の底面24a(124a、224a)とが離間するように形成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凸状部が凹状部に圧入(挿入)されて係合した状態で、凸状部の先端部と、凹状部の底面とが当接するように形成してもよい。