【解決手段】コネクタ10は、ベースフレーム1と第1カバー板2を備える。ベースフレーム1は、絶縁板3、複数のコンタクト4、及び一組の可動板51・52を備える。第1カバー板2は、ベースフレーム1の一方の面を開閉自在に、ベースフレーム1と連結している。外形の小さい第1カードC1を絶縁板3に載置すると、一組の可動板51・52で第1カードC1の配置が規制され、第1カードC1の接続端子とコンタクト4が位置合わせされる。そして、第1カバー板2を閉じると、第1カードC1をコンタクト4に接続できる。外形の大きい第2カードC2を第1カバー板2に収納して、第1カバー板2を閉じると、一組の可動板51・52に抗して、第2カードC2をコンタクト4に接続できる。
一方の面に接続端子を配列し、所定の外形を有する矩形の第1カードと、一方の面に前記接続端子を配列し、前記第1カードと板厚が同じであり、当該第1カードの外形より大きな外形を有する矩形の第2カードとが共用可能なカード用コネクタであって、
前記第1カード又は前記第2カードを導入可能に一方の面を開口した箱状のベースフレームと、
このベースフレームの一端部側と回転自在に連結し、前記ベースフレームの一方の面を開閉自在な第1カバー板であって、前記第2カードを他端部側から挿入して収納できる第1カバー板と、
前記ベースフレームの底部に配置され、少なくとも前記第1カードを載置自在な矩形の絶縁板と、
前記絶縁板に配置され、前記接続端子と電気接続する複数の片持ち状のコンタクトと、
前記絶縁板の両端部を囲うように当該絶縁板を間にして配置され、前記第1カードを前記絶縁板に載置すると、前記接続端子と前記コンタクトの位置関係を前記第1カードの外形から規定する略矩形の切り欠きを有すると共に、下降するように変位自在に前記ベースフレームの底部と連結した一組の可動板と、を備え、
前記第1カバー板は、
前記ベースフレームの底面と対向する第1主面部と、
この第1主面部の両翼が屈折して前記第2カードの両側面をスライド自在に案内する一対の第1側面部と、を有し、
これらの第1側面部には、互いに内側に屈折して、前記第2カードの両翼を当該第2カードの一方の面側から保持する一対の保持片を設けているカード用コネクタ。
一方の面に接続端子を配列し、所定の外形を有する矩形の第1カードと、一方の面に前記接続端子を配列し、前記第1カードと板厚が同じであり、当該第1カードの外形より大きな外形を有する矩形の第2カードとが共用可能なカード用コネクタであって、
前記第1カード又は前記第2カードを導入可能に一方の面を開口した箱状のベースフレームと、
このベースフレームの一端部側と回転自在に連結し、前記ベースフレームの一方の面を開閉自在な第2カバー板と、
前記ベースフレームの底部に配置され、少なくとも前記第1カードを載置自在な矩形の絶縁板と、
前記絶縁板に配置され、前記接続端子と電気接続する複数の片持ち状のコンタクトと、
前記絶縁板の両端部を囲うように当該絶縁板を間にして配置され、前記第1カードを前記絶縁板に載置すると、前記接続端子と前記コンタクトの位置関係を前記第1カードの外形から規定する略矩形の切り欠きを有すると共に、下降するように変位自在に前記ベースフレームの底部と連結した一組の可動板と、を備え、
前記第2カバー板は、
前記ベースフレームの底面と対向する第2主面部と、
この第2主面部の両翼が屈折して前記第2カードの他方の面から当該第2カードの両側面に進入自在な一対の第2側面部と、を有し、
前記第2カードを前記ベースフレームに載置して前記第2カバー板を閉じた状態では、前記第2主面部は、一組の前記可動板に抗して、前記第2カードを複数の前記コンタクトに向けて押圧している、カード用コネクタ。
前記金属板の一部をモールドして一組の前記可動板を成形すると共に、一組の前記可動板が前記ベースフレームの底部から傾斜支持されるように、前記金属板の一部を折り曲げ加工している、請求項5記載のカード用コネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によるカード用コネクタは、共通の接続端子を一方の面に配列し、板厚は同じであるが、外形が異なる2種類のカードを共用できる。しかし、特許文献1によるカード用コネクタは、miniSIMカードを接続しているときには、microSIMカード用のアダプタが不要であり、このアダプタを紛失してしまうという心配がある。
【0009】
又、特許文献1によるカード用コネクタは、アダプタに設けた開口を介して、microSIMカードの接続端子に片持ち状のコンタクトの接点が接触するように、構成しているので、アダプタを出し入れ(スライド)すると、アダプタの底面がコンタクトの接点を摺動するという問題がある。更に、アダプタがスライドすることで、コンタクトを必要以上に変形させる心配がある。
【0010】
特許文献2によるカード用コネクタは、外形の小さいカードを搭載可能なアダプタを用いていないので、このアダプタを紛失する心配が無く、コンタクトを必要以上に変形させる心配も無くなる。
【0011】
しかし、特許文献2によるカード用コネクタは、カードの端部を指先で把持してコネクタ本体に挿抜する、いわゆる、手差しタイプのカード用コネクタである。このような手差しタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に実装すると、背面カバー及びバッテリーを携帯電話機本体から取り外し、バッテリーを収容していた凹部側にカードを引き出すことになるので、カードの引き出し操作が容易でない、という問題がある。
【0012】
外形の小さいカードを搭載可能なアダプタを用いることなく、共通の接続端子を一方の面に配列し、板厚は同じであるが、外形が異なる2種類のカードを共用可能であり、かつ、カードの引き出し操作が容易なカード用コネクタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、外形の小さいカードを搭載可能なアダプタを用いることなく、外形が異なる2種類のカードを共用可能であり、これらのカードの引き出し操作が容易なカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、外殻を構成すると共に、外形の大きいカードを導入可能に一方の面を開口した箱状のベースフレーム、ベースフレームの一端部側と回転自在に連結し、ベースフレームの一方の面を開閉自在なカバー板、ベースフレームの底部に配置され、複数のコンタクトを有すると共に、外形の小さいカードを載置自在な絶縁板、及び、絶縁板の前後に配置され、外形の小さいカードの外形を規制する切り欠きを有すると共に、カバー板を閉じると外形の大きいカードに押されて、ベースフレームの底面に向かって移動自在な一対の可動板でカード用コネクタを構成することにより、これらの課題が解決可能なことを見出し、これに基づいて、以下のような新たなカード用コネクタを発明するに至った。
【0015】
(1) 一方の面に接続端子を配列し、所定の外形を有する矩形の第1カードと、一方の面に前記接続端子を配列し、前記第1カードと板厚が同じであり、当該第1カードの外形より大きな外形を有する矩形の第2カードとが共用可能なカード用コネクタであって、前記第1カード又は前記第2カードを導入可能に一方の面を開口した箱状のベースフレームと、このベースフレームの一端部側と回転自在に連結し、前記ベースフレームの一方の面を開閉自在な第1カバー板であって、前記第2カードを他端部側から挿入して収納できる第1カバー板と、前記ベースフレームの底部に配置され、少なくとも前記第1カードを載置自在な矩形の絶縁板と、前記絶縁板に配置され、前記接続端子と電気接続する複数の片持ち状のコンタクトと、前記絶縁板の両端部を囲うように当該絶縁板を間にして配置され、前記第1カードを前記絶縁板に載置すると、前記接続端子と前記コンタクトの位置関係を前記第1カードの外形から規定する略矩形の切り欠きを有すると共に、下降するように変位自在に前記ベースフレームの底部と連結した一組の可動板と、を備え、前記第1カバー板は、前記ベースフレームの底面と対向する第1主面部と、この第1主面部の両翼が屈折して前記第2カードの両側面をスライド自在に案内する一対の第1側面部と、を有し、これらの第1側面部には、互いに内側に屈折して、前記第2カードの両翼を当該第2カードの一方の面側から保持する一対の保持片を設けているカード用コネクタ。
【0016】
(1)の発明によるカード用コネクタは、矩形の第1カードと矩形の第2カードを共用できる。第1カードは、一方の面に接続端子を配列し、所定の外形を有している。第2カードは、一方の面に接続端子を配列し、第1カードと板厚が同じであり、第1カードの外形より大きな外形を有している。
【0017】
(1)の発明によるカード用コネクタは、箱状のベースフレームと第1カバー板を備えている。ベースフレームは、第1カード又は第2カードを導入可能に一方の面を開口している。第1カバー板は、ベースフレームの一端部側と回転自在に連結し、ベースフレームの一方の面を開閉自在としている。又、第1カバー板は、第2カードを他端部側から挿入して収納できる。
【0018】
又、(1)の発明によるカード用コネクタは、矩形の絶縁板、複数の片持ち状のコンタクト、及び一組の可動板を備えている。絶縁板は、ベースフレームの底部に配置されている。そして、絶縁板には、少なくとも第1カードを載置できる。コンタクトは、絶縁板に配置され、接続端子と電気接続できる。
【0019】
一組の可動板は、下降するように変位自在にベースフレームの底部と連結している。一組の可動板は、絶縁板の両端部を囲うように、絶縁板を間にして配置されている。又、一組の可動板は、略矩形の切り欠きを有している。これらの切り欠きは、第1カードを絶縁板に載置すると、接続端子とコンタクトの位置関係を第1カードの外形から規定できる。
【0020】
第1カバー板は、第1主面部と一対の第1側面部を有している。第1主面部は、ベースフレームの底面と対向できる。一対の第1側面部は、第1主面部の両翼が屈折している。そして、一対の第1側面部は、第2カードの両側面をスライド自在に案内できる。
【0021】
これらの第1側面部には、一対の保持片を設けている。一対の保持片は、互いに内側に屈折して、第2カードの両翼を第2カードの一方の面側から保持できる。
【0022】
(1)の発明によるカード用コネクタは、外形の小さい第1カードを一組の可動板の切り欠きに一致させて絶縁板に載置した後に、第1カバー板を閉じると、第1カードの一方の面に設けた接続端子がコンタクトに接触して、第1カードとカード用コネクタを電気接続できる。
【0023】
一方、(1)の発明によるカード用コネクタは、外形の大きい第2カードを第1カバー板に収納した後に、第1カバー板を閉じると、一組の可動板が下降して、第2カードの一方の面に設けた接続端子がコンタクトに接触して、第2カードとカード用コネクタを電気接続できる。
【0024】
(1)の発明によるカード用コネクタは、従来技術に用いたアダプタを使用することがないので、アダプタを紛失する心配が無くなる。又、(1)の発明によるカード用コネクタは、アダプタの底面がコンタクトの接点を摺動することなく、アダプタがスライドすることで、コンタクトを不要に変形させる心配が無くなる。更に、(1)の発明によるカード用コネクタは、いわゆる、開閉式のカード用コネクタであり、手差しタイプのカード用コネクタと比べて、カードの引き出し操作が容易である。
【0025】
(2) 一方の面に接続端子を配列し、所定の外形を有する矩形の第1カードと、一方の面に前記接続端子を配列し、前記第1カードと板厚が同じであり、当該第1カードの外形より大きな外形を有する矩形の第2カードとが共用可能なカード用コネクタであって、前記第1カード又は前記第2カードを導入可能に一方の面を開口した箱状のベースフレームと、このベースフレームの一端部側と回転自在に連結し、前記ベースフレームの一方の面を開閉自在な第2カバー板と、前記ベースフレームの底部に配置され、少なくとも前記第1カードを載置自在な矩形の絶縁板と、前記絶縁板に配置され、前記接続端子と電気接続する複数の片持ち状のコンタクトと、前記絶縁板の両端部を囲うように当該絶縁板を間にして配置され、前記第1カードを前記絶縁板に載置すると、前記接続端子と前記コンタクトの位置関係を前記第1カードの外形から規定する略矩形の切り欠きを有すると共に、下降するように変位自在に前記ベースフレームの底部と連結した一組の可動板と、を備え、前記第2カバー板は、前記ベースフレームの底面と対向する第2主面部と、この第2主面部の両翼が屈折して前記第2カードの他方の面から当該第2カードの両側面に進入自在な一対の第2側面部と、を有し、前記第2カードを前記ベースフレームに載置して前記第2カバー板を閉じた状態では、前記第2主面部は、一組の前記可動板に抗して、前記第2カードを複数の前記コンタクトに向けて押圧している、カード用コネクタ。
【0026】
(2)の発明によるカード用コネクタは、箱状のベースフレームと第2カバー板を備えている。ベースフレームは、第1カード又は第2カードを導入可能に一方の面を開口している。第2カバー板は、ベースフレームの一端部側と回転自在に連結し、ベースフレームの一方の面を開閉自在としている。
【0027】
又、(2)の発明によるカード用コネクタは、矩形の絶縁板、複数の片持ち状のコンタクト、及び一組の可動板を備えている。絶縁板は、ベースフレームの底部に配置されている。そして、絶縁板には、少なくとも第1カードを載置できる。コンタクトは、絶縁板に配置され、接続端子と電気接続できる。
【0028】
一組の可動板は、下降するように昇降自在にベースフレームの底部と連結している。一組の可動板は、絶縁板の両端部を囲うように、絶縁板を間にして配置されている。又、一組の可動板は、略矩形の切り欠きを有している。これらの切り欠きは、第1カードを絶縁板に載置すると、接続端子とコンタクトの位置関係を第1カードの外形から規定できる。
【0029】
第2カバー板は、第2主面部と一対の第2側面部を有している。第2主面部は、ベースフレームの底面と対向できる。一対の第2側面部は、第2主面部の両翼が屈折している。そして、一対の第2側面部は、第2カードの他方の面から第2カードの両側面に進入できる。
【0030】
そして、(2)の発明によるカード用コネクタは、第2カードをベースフレームに載置して第2カバー板を閉じた状態では、第2主面部は、一組の可動板に抗して、第2カードを複数のコンタクトに向けて押圧できる。
【0031】
(2)の発明によるカード用コネクタは、外形の小さい第1カードを一組の可動板の切り欠きに一致させて絶縁板に載置した後に、第2カバー板を閉じると、第1カードの一方の面に設けた接続端子がコンタクトに接触して、第1カードとカード用コネクタを電気接続できる。
【0032】
一方、(2)の発明によるカード用コネクタは、外形の大きい第2カードをベースフレームに載置した後に、第2カバー板を閉じると、一組の可動板が下降して、第2カードの一方の面に設けた接続端子がコンタクトに接触して、第2カードとカード用コネクタを電気接続できる。
【0033】
(2)の発明によるカード用コネクタは、従来技術に用いたアダプタを使用することがないので、アダプタを紛失する心配が無くなる。又、(2)の発明によるカード用コネクタは、アダプタの底面がコンタクトの接点を摺動することなく、アダプタがスライドすることで、コンタクトを不要に変形させる心配が無くなる。更に、(2)の発明によるカード用コネクタは、いわゆる、開閉式のカード用コネクタであり、手差しタイプのカード用コネクタと比べて、カードの引き出し操作が容易である。
【0034】
(3) 前記ベースフレームは、一方の端部の両翼に開口された一対の長穴と、他方の端部の両翼に設けられ、鉤状に切り欠かれた一対の係止溝と、を有し、一対の前記第1側面部は、内部に突出するように一方の端部に対向配置され、前記長穴と回動自在及び移動自在に連結する一対の回動軸と、他方の端部に設けられ、互いに外側に屈折して、一対の前記係止溝に係止可能な一対の係止片と、を有している、(1)記載のカード用コネクタ。
【0035】
(4) 前記ベースフレームは、一方の端部の両翼に開口された一対の長穴と、他方の端部の両翼に設けられ、鉤状に切り欠かれた一対の係止溝と、を有し、一対の前記第2側面部は、内部に突出するように一方の端部に対向配置され、前記長穴と回動自在及び移動自在に連結する一対の回動軸と、他方の端部に設けられ、互いに外側に屈折して、一対の前記係止溝に係止可能な一対の係止片と、を有している、(2)記載のカード用コネクタ。
【0036】
(5) 前記ベースフレーム及び複数の前記コンタクトは、展開板が成形された導電性を有する金属板からなり、この金属板の一部をモールドして前記絶縁板を成形すると共に、前記金属板の所定箇所を打ち抜き加工して、前記ベースフレームの底部から前記コンタクトを個別に分離している(1)から(4)のいずれかに記載のカード用コネクタ。
【0037】
(6) 前記金属板の一部をモールドして一組の前記可動板を成形すると共に、一組の前記可動板が前記ベースフレームの底部から傾斜支持されるように、前記金属板の一部を折り曲げ加工している、(5)記載のカード用コネクタ。
【発明の効果】
【0038】
本発明によるカード用コネクタは、共通の接続端子を一方の面に配列し、板厚は同じであるが、外形が異なる2種類の第1カードと第2カードを共用できる。又、本発明によるカード用コネクタは、アダプタを使用しないので、アダプタの紛失、又はコンタクトの破損を防止できる。更に、本発明によるカード用コネクタは、開閉式のカード用コネクタであり、手差しタイプのカード用コネクタと比べて、カードの引き出し操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第1カバー板を開いた状態図である。
【
図2】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、
図2(A)は、第1カバー板を開いた状態で、外形の小さい第1カードをベースフレームに配置した状態図であり、
図2(B)は、第1カバー板を開いた状態で、外形の大きい第2カードを第1カバー板に収納した状態図である。
【
図3】第1カードの斜視図であり、
図3(A)は、絶縁面を含む他方の面から第1カードを観た状態図、
図3(B)は、端子面を含む一方の面から第1カードを観た状態図である。
【
図4】第2カードの斜視図であり、
図4(A)は、絶縁面を含む他方の面から第2カードを観た状態図、
図4(B)は、端子面を含む一方の面から第2カードを観た状態図である。
【
図5】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図5(A)は、第1カバー板を開いた状態でのカード用コネクタの平面図、
図5(B)は、
図5(A)の右側面図、
図5(C)は、
図5(A)の左側面図である。
【
図6】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図6(A)は、第1カバー板を開いた状態でのカード用コネクタの正面図、
図6(B)は、
図6(A)の背面図、
図6(C)は、
図6(A)の下面図である。
【
図7】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図7(A)は、第1カバー板を閉じた状態でのカード用コネクタの平面図、
図7(B)は、
図7(A)の縦断面図である。
【
図8】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す縦断面図であり、第1カバー板を閉じて、第1カードがコンタクトに接続した状態図である。
【
図9】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す縦断面図であり、第1カバー板を閉じて、第2カードがコンタクトに接続した状態図である。
【
図10】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す平面図であり、
図10(A)は、絶縁板及び一組の可動板をモールド成形する前の状態図であり、
図10(B)は、絶縁板及び一組の可動板をモールド成形した状態図である。
【
図11】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第1カバー板をベースフレームにロックする前の状態図である。
【
図12】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第1カバー板をベースフレームにロックした状態図である。
【
図13】本発明の第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第2カバー板を開いた状態図である。
【
図14】第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、
図14(A)は、第2カバー板を開いた状態で、外形の小さい第1カードをベースフレームに配置した状態図であり、
図14(B)は、第2カバー板を開いた状態で、外形の大きい第2カードをベースフレームに配置した状態図である。
【
図15】第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図15(A)は、第2カバー板を開いた状態でのカード用コネクタの平面図、
図15(B)は、
図15(A)の右側面図である。
【
図16】第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図16(A)は、第2カバー板を開くと共に、第2カードをベースフレームに配置した状態でのカード用コネクタの平面図、
図16(B)は、
図16(A)の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0041】
[第1実施形態]
(カード用コネクタの構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるカード用コネクタの構成を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第1カバー板を開いた状態図である。
【0042】
図2は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、
図2(A)は、第1カバー板を開いた状態で、外形の小さい第1カードをベースフレームに配置した状態図であり、
図2(B)は、第1カバー板を開いた状態で、外形の大きい第2カードを第1カバー板に収納した状態図である。
【0043】
図3は、第1カードの斜視図であり、
図3(A)は、絶縁面を含む他方の面から第1カードを観た状態図、
図3(B)は、端子面を含む一方の面から第1カードを観た状態図である。
図4は、第2カードの斜視図であり、
図4(A)は、絶縁面を含む他方の面から第2カードを観た状態図、
図4(B)は、端子面を含む一方の面から第2カードを観た状態図である。
【0044】
図5は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図5(A)は、第1カバー板を開いた状態でのカード用コネクタの平面図、
図5(B)は、
図5(A)の右側面図、
図5(C)は、
図5(A)の左側面図である。
【0045】
図6は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図6(A)は、第1カバー板を開いた状態でのカード用コネクタの正面図、
図6(B)は、
図6(A)の背面図、
図6(C)は、
図6(A)の下面図である。
【0046】
(全体構成)
図1を参照すると、本発明の第1実施形態によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)10は、プリント基板9pの一方の面91pに実装している。
図1又は
図2(A)を参照すると、コネクタ10は、外形の小さい第1カードC1を絶縁板3に載置した後に、第1カバー板2を閉じると、第1カードC1とプリント基板9pを電気的に接続できる。
【0047】
一方、
図1又は
図2(B)を参照すると、コネクタ10は、外形の大きい第2カードC2を第1カバー板2に収納した後に(
図2(B)参照)、第1カバー板2を閉じると、第2カードC2とプリント基板9pを電気的に接続できる。
【0048】
図1を参照して、コネクタ10は、プリント基板9pの一方の面91pに設けたコンタクトパッド(図示せず)にコンタクト4のリード部を重ねてハンダ接合する、表面実装形コネクタを示している。又、コネクタ10は、第1カバー板2を開閉することで、第1カードC1又は第2カードC2をプリント基板9pに電気接続できる開閉式のカード用コネクタを示している。
【0049】
図3を参照すると、第1カードC1は、microSIMカードを示している。
図3において、第1カードC1は、絶縁性のプラスチック筐体ch1の内部にICチップ(図示せず)を収納している。このICチップは、筐体ch1の一方の面に貼り付けられた複数の金属箔に接続されている。そして、複数に区画されたこの金属箔が第1カードC1の接続端子ctとなっている。
【0050】
一方、
図4を参照すると、第2カードC2は、miniSIMカードを示している。
図4に示した第2カードC2は、
図3に示した第1カードC1と構造は同じである。又、第1カードC1と第2カードC2は、共通の接続端子ctを一方の面に配列している。第1カードC1と第2カードC2は、板厚が同じになっているが、第1カードC1の筐体ch1に対して、第2カードC2の筐体ch2は、その外形が一回り大きくなっている。
【0051】
図1又は
図2及び
図5又は
図6を参照すると、コネクタ10は、箱状のベースフレーム1と第1カバー板2を備えている。ベースフレーム1は、第1カードC1又は第2カードC2を導入可能に一方の面を開口している(
図3又は
図4参照)。第1カバー板2は、ベースフレーム1の一端部側と回転自在に連結し、ベースフレーム1の一方の面を開閉自在としている。又、第1カバー板2は、第2カードC2を他端部側から挿入して収納できる(
図4参照)。
【0052】
又、
図1又は
図2及び
図5又は
図6を参照すると、コネクタ10は、矩形の絶縁板3、六つの片持ち状のコンタクト4、及び一組の可動板51・52を備えている。絶縁板3は、ベースフレーム1の底部に配置している。そして、絶縁板3には、少なくとも第1カードC1を載置できる。絶縁板3には、六つのコンタクト4を配列している。コンタクト4は、第1カードC1又は第2カードC2の接続端子ctと電気接続できる(
図3又は
図4参照)。
【0053】
図1又は
図2及び
図5又は
図6を参照すると、一組の可動板51・52は、下降するように変位自在にベースフレーム1の底部と連結している。一組の可動板51・52は、絶縁板3の両端部を囲うように、絶縁板3を間にして配置されている。又、一組の可動板51・52は、略矩形の切り欠き51k・52kを有している。これらの切り欠き51k・52kは、第1カードC1を絶縁板3に載置すると、接続端子ctとコンタクト4の位置関係を第1カードC1の外形から規定できる。
【0054】
引き続き、第1実施形態によるコネクタの構成を説明する。
図7は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図6(A)は、第1カバー板を開いた状態でのカード用コネクタの正面図、
図6(B)は、
図6(A)の背面図、
図6(C)は、
図6(A)の下面図である。
【0055】
図7は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図7(A)は、第1カバー板を閉じた状態でのカード用コネクタの平面図、
図7(B)は、
図7(A)の縦断面図である。
【0056】
図8は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す縦断面図であり、第1カバー板を閉じて、第1カードがコンタクトに接続した状態図である。
図9は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す縦断面図であり、第1カバー板を閉じて、第2カードがコンタクトに接続した状態図である。
【0057】
図10は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す平面図であり、
図10(A)は、絶縁板及び一組の可動板をモールド成形する前の状態図であり、
図10(B)は、絶縁板及び一組の可動板をモールド成形した状態図である。
【0058】
図11は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第1カバー板をベースフレームにロックする前の状態図である。
図12は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第1カバー板をベースフレームにロックした状態図である。
【0059】
(ベースフレームの構成)
次に、ベースフレームの構成を説明する。
図10を参照すると、ベースフレーム1は、展開された導電性を有する金属板1pの主面部11の三方を直角に折り曲げた薄直方体の箱状に形成している。金属板1pの主面部11は、ベースフレーム1の底部に相当している。主面部11の両翼には、略平行に延びる一対の折り曲げ片12・12を形成している。
【0060】
又、
図10を参照すると、ベースフレーム1は、主面部11の一方の端部に折り曲げ片13を形成している。
図1を参照して、ベースフレーム1に対して第1カバー板2を開くと、後述する第1カバー板2の第1主面部21の一方の端部を折り曲げ片13に当接できる。そして、ベースフレーム1に対する第1カバー板2の最大開き角度を規定できる(
図5(B)又は
図5(C)参照)。
【0061】
図10を参照すると、一対の折り曲げ片12・12には、片持ち状の停止片14・14を形成している。これらの停止片14・14は、折り曲げ片13に対向配置されている。
図2(B)を参照して、第2カードC2を第1カバー板2に収納して、第1カバー板2を閉じた状態から、第1カバー板2をベースフレーム1の他方の端部に向かって移動すると、第2カードC2の先端縁の両端部が一対の停止片14・14に当接して、第2カードC2の必要以上の移動を阻止できる(
図9を参照)。
【0062】
更に、
図2又は
図7(A)を参照すると、一対の折り曲げ片12・12は、長穴12hと鉤状に切り欠かれた係止溝12kを設けている。一対の長穴12h・12hは、折り曲げ片12の一方の端部に開口している。一方、
図2を参照すると、第1カバー板2は、一対の回動軸22s・22sを一方の端部に有している。一対の回動軸22s・22sは、内部に突出するように、一対の第1側面部22・22の一方の端部に対向配置されている。一対の回動軸22s・22sを長穴12h・12hに嵌合することで、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を回動自在及び移動自在に連結できる。
【0063】
図1又は
図2を参照すると、一対の係止溝12k・12kは、折り曲げ片12の他方の端部に切り欠かれている。一方、第1カバー板2は、一対の係止片22n・22nを第1側面部22の他方の端部に設けている。一対の係止片22n・22nは、互いに第1側面部22の外側に屈折している。
【0064】
図1又は
図2に示した状態から第1カバー板2と閉じると、係止片22nを係止溝12kに導入できる(
図11参照)。
図11に示した状態から、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を他方の端部に向けて移動すると、係止片22nを係止溝12kに係止できる(
図12参照)。つまり、第1カバー板2をロックできる。
図12に示した状態から、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を一方の端部に向けて移動すると、係止片22nと係止溝12kの係合を解除でき、第1カバー板2を開くことができる。
【0065】
(第1カバー板の構成)
次に、第1カバー板の構成を説明する。
図1又は
図2及び
図5又は
図6を参照すると、第1カバー板2は、展開板(図示せず)の第1主面部21の両翼を直角に屈折した薄直方体の箱状に形成している。第1カバー板2を閉じた状態では、第1主面部21は、ベースフレーム1の底面と対向している。第1主面部21の両翼には、略平行に延びる一対の第1側面部22・22を形成している。第1側面部22は、第1主面部21の両翼に、断続して形成されている。
【0066】
図1又は
図2及び
図5又は
図6を参照すると、一対の第1側面部22・22は、第2カードC2の両側面をスライド自在に案内できる。又、一対の第1側面部22・22は、一対の保持片22a・22aを設けている。一対の保持片22a・22aは、互いに内側に屈折している。そして、一対の保持片22a・22aは、第2カードC2の両翼を第2カードC2の一方の面側から保持できる。
【0067】
図1又は
図2及び
図5又は
図6を参照すると、一対の第1側面部22・22は、回動軸22sと係止片22nを有している。一対の回動軸22s・22sを長穴12h・12hに嵌合することで、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を回動自在及び移動自在に連結できる。係止片22nは、係止溝12kに係止できる(
図12参照)。
【0068】
更に、
図7(A)を参照すると、第1主面部21には、複数の窓21wを開口しているので、窓21wを介して、第2カードC2の有無を確認できる(
図2参照)。第1主面部21の表面又は裏面には、第2カードC2の挿入方向を案内する表示を設けている。又、第1主面部21の表面には、第1カバー板2の係合方向又は解除方向を案内する表示を設けているので、便利である。
【0069】
(絶縁板の構成)
次に、絶縁板の構成を説明する。
図1から
図3を参照すると、絶縁板3は、絶縁性を有する合成樹脂を成形している。絶縁板3の外形は、第1カードC1と略同じであることが好ましい。絶縁板3には、第1カードC1を載置できる(
図8参照)。又、第1カバー板2に収納された第2カードC2を部分的に載置できる(
図9参照)。そして、絶縁板3は、六つのコンタクト4を配列している。
【0070】
図10を参照して、絶縁板3は、金属板1pの主面部11の一部をモールドして成形している。絶縁板3の中央部には、六つのコンタクト4を個別に分離するための窓3wを成形している(
図10(B)参照)。
【0071】
(コンタクトの構成)
次に、コンタクトの構成を説明する。
図10を参照すると、コンタクト4は、展開板(図示せず)が成形された導電性を有する金属板1pからなり、金属板1pを打ち抜き加工又は折り曲げ加工して、導電性を有する片持ち状のベローズコンタクトを得ることができる。コンタクト4を成形する金属板1pは、加工の容易性や、ばね特性、導電性などを考慮すれば、銅合金が好ましく用いられるが、銅合金に限定される訳ではない。コンタクト4の接点には、金などで部分メッキしてもよい。
【0072】
図10(A)を参照すると、六つのコンタクト4は、互いに繋がっているが、
図10(B)に示すように、金属板1pの主面部11をモールドして絶縁板3を成形すると共に、絶縁板3の開口された窓3wを介して、金属板1pを適宜に打ち抜き加工することで、六つのコンタクト4を個別に分離できる。
【0073】
図1又は
図2を参照すると、コンタクト4は、その固定部が絶縁板3に固定されている。一方、コンタクト4の自由部は、絶縁板3に形成された窓に撓み自在に収納されている。コンタクト4の自由部の頂点は、接続端子ctに接触可能な接点4aを形成している(
図7(B)参照)。
【0074】
図6(C)を参照すると、コンタクト4は、絶縁板3の背面側に露出するリード部を有している。これらのリード部は、プリント基板9pの一方の面91pにハンダ接合できる(
図1参照)。つまり、コネクタ10は、表面実装形のコネクタになっている。
【0075】
(可動板の構成)
次に、可動板の構成を説明する。
図10(B)を参照すると、可動板51は、絶縁性を有する合成樹脂を成形している。可動板51は、一対のアーム部材51a・51bで片持ち支持されている。
図10(A)を参照すると、一対のアーム部材51a・51bは、それらの先端部同士を連結部材51cで結合している。
【0076】
同様に、
図10(B)を参照すると、可動板52は、絶縁性を有する合成樹脂を成形している。可動板52は、一対のアーム部材52a・52bで片持ち支持されている。
図10(A)を参照すると、一対のアーム部材52a・52bは、それらの先端部同士を連結部材52cで結合している。
【0077】
図10(A)を参照して、一対のアーム部材51a・51bの一部を含む連結部材51cをモールドすることで、可動板51を成形している。そして、可動板51がベースフレーム1の底部から傾斜支持されるように、一対のアーム部材51a・51bの基端部を折り曲げ加工している(
図8参照)。
【0078】
同様に、
図10(A)を参照して、一対のアーム部材52a・52bの一部を含む連結部材52cをモールドすることで、可動板52を成形している。そして、可動板52がベースフレーム1の底部から傾斜支持されるように、一対のアーム部材52a・52bの基端部を折り曲げ加工している(
図8参照)。
【0079】
(カード用コネクタの作用)
次に、第1実施形態によるコネクタ10の動作を説明しながら、コネクタ10の作用及び効果を説明する。
【0080】
(第1カードとの接続)
図1を参照して、第1カバー板2を開いた状態で、ベースフレーム1の上方から絶縁板3に向けて、第1カードC1を絶縁板3に載置する(
図2参照)。
図2に示した状態では、一組の可動板51・52は、第1カードC1の接続端子ctとコンタクト4の位置関係を第1カードC1の外形から規定している。
【0081】
次に、
図7又は
図8及び
図11に示すように、第1カバー板2を閉じた状態では、第1カードC1の接続端子ctがコンタクト4を押圧することで(
図8参照)、コンタクト4を介して、第1カードC1とプリント基板9pを電気的に接続できる(
図1参照)。
【0082】
次に、
図11に示した状態から、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を他方の端部に向けて移動すると、係止片22nを係止溝12kに係止できる(
図12参照)。つまり、第1カバー板2をロックできる。
図12に示した状態から、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を一方の端部に向けて移動すると、係止片22nと係止溝12kの係合を解除して、第1カバー板2を開くことができ、第1カードC1をベースフレーム1から取り出すことができる(
図1参照)。
【0083】
(第2カードとの接続)
図1を参照して、第1カバー板2を開いた状態で、第2カードC2を第1カバー板2の他端部側から挿入して、第2カードC2を第1カバー板2に収納する(
図3参照)。次に、
図7又は
図9及び
図11に示すように、第1カバー板2を閉じた状態では、一組の可動板51・52に抗して、第2カードC2の接続端子ctがコンタクト4を押圧することで(
図9参照)、コンタクト4を介して、第2カードC2とプリント基板9pを電気的に接続できる(
図1参照)。
【0084】
次に、
図11に示した状態から、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を他方の端部に向けて移動すると、係止片22nを係止溝12kに係止できる(
図12参照)。つまり、第1カバー板2をロックできる。
図12に示した状態から、ベースフレーム1に対して、第1カバー板2を一方の端部に向けて移動すると、係止片22nと係止溝12kの係合を解除して、第1カバー板2を開くことができ、第2カードC2を第1カバー板2から取り出すことができる(
図1参照)。
【0085】
このように、第1実施形態によるコネクタ10は、共通の接続端子ctを一方の面に配列し、板厚は同じであるが、外形が異なる2種類の第1カードC1と第2カードC2を共用できる。又、実施形態によるコネクタ10は、アダプタを使用しないので、アダプタの紛失、又はコンタクトの破損を防止できる。更に、第1実施形態によるコネクタ10は、開閉式のカード用コネクタであり、手差しタイプのカード用コネクタと比べて、カードの引き出し操作が容易である。
【0086】
[第2実施形態]
(カード用コネクタの構成)
次に、本発明の第2実施形態によるカード用コネクタの構成を説明する。
図13は、本発明の第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、第2カバー板を開いた状態図である。
【0087】
図14は、第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、
図14(A)は、第2カバー板を開いた状態で、外形の小さい第1カードをベースフレームに配置した状態図であり、
図14(B)は、第2カバー板を開いた状態で、外形の大きい第2カードをベースフレームに配置した状態図である。
【0088】
図15は、第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図15(A)は、第2カバー板を開いた状態でのカード用コネクタの平面図、
図15(B)は、
図15(A)の右側面図である。
【0089】
図15は、第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図16(A)は、第2カバー板を開くと共に、第2カードをベースフレームに配置した状態でのカード用コネクタの平面図、
図16(B)は、
図16(A)の右側面図である。
【0090】
なお、第2実施形態によるカード用コネクタは、第1実施形態によるカード用コネクタに備わる第1カバー板を第2カバー板に変えたものであるので、第1実施形態と同じ構成品はその説明を省略すると共に、第1実施形態に用いた図面を援用することがある。
【0091】
(全体構成)
図13を参照すると、本発明の第2実施形態によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)20は、プリント基板9pの一方の面91pに実装している。
図13(A)を参照すると、コネクタ20は、外形の小さい第1カードC1を絶縁板3に載置した後に、第1カバー板2を閉じると、第1カードC1とプリント基板9pを電気的に接続できる。
【0092】
一方、
図13又は
図14(B)を参照すると、コネクタ20は、外形の大きい第2カードC2をベースフレーム1の一方の面に導入した後に(
図14(B)参照)、第1カバー板2を閉じると、第2カードC2とプリント基板9pを電気的に接続できる。
【0093】
図13又は
図14を参照すると、コネクタ20は、箱状のベースフレーム1と第2カバー板6を備えている。ベースフレーム1は、第1カードC1又は第2カードC2を導入可能に一方の面を開口している(
図3又は
図4参照)。第2カバー板6は、ベースフレーム1の一端部側と回転自在に連結し、ベースフレーム1の一方の面を開閉自在としている。
【0094】
又、
図13を参照すると、コネクタ20は、矩形の絶縁板3、六つの片持ち状のコンタクト4、及び一組の可動板51・52を備えている。絶縁板3は、ベースフレーム1の底部に配置している。そして、絶縁板3には、少なくとも第1カードC1を載置できる。絶縁板3には、六つのコンタクト4を配列している。コンタクト4は、第1カードC1又は第2カードC2の接続端子ctと電気接続できる(
図3又は
図4参照)。
【0095】
図13を参照すると、一組の可動板51・52は、下降するように変位自在にベースフレーム1の底部と連結している。一組の可動板51・52は、絶縁板3の両端部を囲うように、絶縁板3を間にして配置されている。又、一組の可動板51・52は、略矩形の切り欠き51k・52kを有している。これらの切り欠き51k・52kは、第1カードC1を絶縁板3に載置すると、接続端子ctとコンタクト4の位置関係を第1カードC1の外形から規定できる。
【0096】
又、
図10を援用すると共に
図14を参照すると、ベースフレーム1は、主面部11の一方の端部に折り曲げ片13を形成している。
図13を参照して、ベースフレーム1に対して第2カバー板6を開くと、後述する第2カバー板6の第2主面部61の一方の端部を折り曲げ片13に当接できる。そして、ベースフレーム1に対する第2カバー板6の最大開き角度を規定できる(
図15(B)参照)。
【0097】
図10を参照すると、一対の折り曲げ片12・12には、片持ち状の停止片14・14を形成している。これらの停止片14・14は、折り曲げ片13に対向配置されている。
図14(B)又は
図15を参照して、第2カードC2をベースフレーム1に導入して、第2カバー板6を閉じた状態から(
図9を援用)、第1カバー板2をベースフレーム1の他方の端部に向かって移動すると、第2カードC2の先端縁の両端部が一対の停止片14・14に当接して、第2カードC2の必要以上の移動を阻止できる。
【0098】
更に、
図13又は
図14(A)を参照すると、一対の折り曲げ片12・12は、長穴12hと鉤状に切り欠かれた係止溝12kを設けている。一対の長穴12h・12hは、折り曲げ片12の一方の端部に開口している。一方、
図13を参照すると、第2カバー板6は、一対の回動軸62s・62sを一方の端部に有している。一対の回動軸62s・62sは、内部に突出するように、一対の第2側面部62・62の一方の端部に対向配置されている。一対の回動軸62s・62sを長穴12h・12hに嵌合することで、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を回動自在及び移動自在に連結できる。
【0099】
図13又は
図14(A)を参照すると、一対の係止溝12k・12kは、折り曲げ片12の他方の端部に切り欠かれている。一方、第2カバー板6は、一対の係止片62n・62nを第1側面部22の他方の端部に設けている。一対の係止片62n・62nは、互いに第2側面部62の外側に屈折している。
【0100】
図13又は
図14に示した状態から第2カバー板6と閉じると、係止片62nを係止溝12kに導入できる。
図11を援用した状態から、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を他方の端部に向けて移動すると、係止片62nを係止溝12kに係止できる。つまり、第2カバー板6をロックできる。
図12を援用した状態から、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を一方の端部に向けて移動すると、係止片62nと係止溝12kの係合を解除でき、第2カバー板6を開くことができる。
【0101】
(第2カバー板の構成)
次に、第2カバー板の構成を説明する。
図13から
図16を参照すると、第2カバー板6は、展開板(図示せず)の第2主面部61の両翼を直角に屈折した薄直方体の箱状に形成している。第2カバー板6を閉じた状態では、第2主面部61は、ベースフレーム1の底面と対向している。第2主面部61の両翼には、略平行に延びる一対の第2側面部62・62を形成している。第2側面部62は、第2主面部61の両翼に、断続して形成されている。
【0102】
図14(B)又は
図16を参照すると、第2カードC2をベースフレーム1に載置して第2カバー板6を閉じると、一対の第2側面部62・62は、第2カードC2の他方の面から第2カードC2の両側面に進入できる。そして、一対の第2側面部62・62は、第2カードC2の両翼を第2カードC2の他方の面側から保持できる。
【0103】
図13から
図16を参照すると、一対の第2側面部62・62は、回動軸62sと係止片62nを有している。一対の回動軸62s・62sを長穴12h・12hに嵌合することで、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を回動自在及び移動自在に連結できる。係止片62nは、係止溝12kに係止できる(
図13参照)。
【0104】
(カード用コネクタの作用)
次に、第2実施形態によるコネクタ20の動作を説明しながら、コネクタ20の作用及び効果を説明する。
【0105】
(第1カードとの接続)
図13を参照して、第2カバー板6を開いた状態で、ベースフレーム1の上方から絶縁板3に向けて、第1カードC1を絶縁板3に載置する(
図14参照)。
図14に示した状態では、一組の可動板51・52は、第1カードC1の接続端子ctとコンタクト4の位置関係を第1カードC1の外形から規定している。
【0106】
次に、
図8を援用すると、第2カバー板6を閉じた状態では、第1カードC1の接続端子ctがコンタクト4を押圧することで、コンタクト4を介して、第1カードC1とプリント基板9pを電気的に接続できる(
図113参照)。
【0107】
次に、
図11を援用して、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を他方の端部に向けて移動すると、係止片62nを係止溝12kに係止できる(
図13参照)。つまり、第2カバー板6をロックできる。
図12を援用した状態から、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を一方の端部に向けて移動すると、係止片62nと係止溝12kの係合を解除して、第2カバー板6を開くことができ、第1カードC1をベースフレーム1から取り出すことができる(
図13参照)。
【0108】
(第2カードとの接続)
図13を参照して、第2カバー板6を開いた状態で、第2カードC2をベースフレーム1の一方の面に導入する(
図16参照)。次に、
図9を援用すると、第2カバー板6を閉じた状態では、一組の可動板51・52に抗して、第2カードC2の接続端子ctがコンタクト4を押圧することで、コンタクト4を介して、第2カードC2とプリント基板9pを電気的に接続できる(
図13参照)。
【0109】
次に、
図11を援用して、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を他方の端部に向けて移動すると、係止片62nを係止溝12kに係止できる(
図13参照)。つまり、第2カバー板6をロックできる。
図12を援用した状態から、ベースフレーム1に対して、第2カバー板6を一方の端部に向けて移動すると、係止片62nと係止溝12kの係合を解除して、第2カバー板6を開くことができ、第2カードC2をベースフレーム1から取り出すことができる(
図13参照)。
【0110】
このように、第2実施形態によるコネクタ20は、第1実施形態によるコネクタ10と同様の効果を奏するが、第1実施形態によるコネクタ10が第2カードC2を第1カバー板2に収納するのに対し、第2実施形態によるコネクタ20は、第2カードC2をベースフレーム1に載置して、第2カバー板6で押圧するという、構成と手順の違いがある。
【0111】
本発明によるカード用コネクタは、miniSIMカードとmicroSIMカードを共用可能なカード用コネクタを開示したが、本発明によるカード用コネクタは、実施形態に限定されない。本発明による技術的思想を応用すれば、microSIMカードとmicroSIMカードより小型のnanoSIMカードの共用も可能である。