【解決手段】第1基板2と、第1の基板2に形成される第1電極2a及び第2電極2bと、第1の基板2の上方に取り付けられる第1の半導体チップ5とを有する第1の半導体パッケージ1において、第1の半導体チップ5の上方に形成され、第1の半導体チップ5の第1側方で第1電極2aに接続される第1のリードフレーム11aを有する下部電極11と、下部電極11の上に形成される誘電体膜12と、誘電体膜12上に形成され、第1の半導体チップの第2の側方で第2電極13に接続される第2のリードフレーム13aを有する上部電極13と、を有するコンデンサ10を含む。
前記コンデンサにおいて、前記下部電極の前記第1のリードフレームは前記上部電極の前記第2のリードフレームとは平面視で重ならない領域を有する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
前記コンデンサの前記誘電体膜は、前記第1の半導体チップの上方において、前記下部電極と前記上部電極が対向する領域の一部に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
第1の半導体パッケージ内の第1の基板に取り付けられた第1の半導体チップの上面にコンデンサの下部電極を接着し、前記下部電極のうち前記第1の半導体チップから第1の側方に突出する第1のリードフレームを前記第1の基板上の第1電極の上方に配置する工程と、
前記下部電極の上に、接着剤を含む誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜の上に前記コンデンサの上部電極を載せ、前記上部電極のうち前記第1の半導体チップの第2の側方に突出する第2のリードフレームを前記第1の基板上の第2電極の上に配置する工程と、
前記上部電極を前記第1の半導体チップに向けて加圧した状態で加熱することにより、前記誘電体膜と前記下部電極を接着し、前記誘電体膜と前記上部電極を接着する工程と、
前記下部電極の前記第1のリードフレームと前記第1電極を接続し、前記上部電極の前記第2のリードフレームと前記第2電極を接続する工程と、
第2の半導体チップが搭載された第2の基板を有する第2の半導体パッケージを、導電性接続部材を介して前記第1の基板に接続する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【背景技術】
【0002】
パッケージオンパッケージ(PoP)は、例えば、論理回路が形成された半導体装置を回路基板上に搭載した第1の半導体パッケージの上に、SDRAM等の半導体記憶装置を回路基板上に搭載した第2の半導体パッケージを積層する構造を有している。これにより、半導体装置の高速信号化、性能向上、ボード面積縮小を図っている。このようなPoP型の半導体装置では、第1の半導体パッケージからバンプを介して上側の第2の半導体パッケージに電源を供給する構造を有している。
【0003】
DDR3以降の規格に適用した高速半導体メモリでは、動作電圧の低電圧化が進むため、小さい電圧変動でも正常に動作しない可能性がある。その対策として、下側の半導体パッケージの回路基板上にコンデンサを搭載し、論理回路半導体装置から上側の半導体パッケージに供給する電源にコンデンサを接続し、電源インピーダンスを小さくしている。このため、下側の半導体パッケージの回路基板では、半導体チップの周囲にコンデンサの搭載領域を確保する構造が採用されているが、コンデンサ領域を確保するために基板面積が増加する。
【0004】
これに対して、コンデンサを半導体チップの上に配置する構造が知られている。
【0005】
例えば、半導体パッケージの回路基板の上面に半導体チップをフリップチップ実装し、さらに半導体チップの上に薄膜コンデンサ付き基板部材を搭載する構造が知られている。薄膜コンデンサ付き基板部材は、セラミック製基板の下に形成される薄膜構造のコンデンサと、コンデンサの下に形成される保護絶縁膜と、保護絶縁膜の下に形成される端子を有している。端子は、保護絶縁膜内のビア、接続パッド等を介してコンデンサの電極に接続される。また、薄膜コンデンサ付き基板部材の他の構造として、コンデンサの上側電極に接続される可撓性端子と、コンデンサの下側電極に接続される電動性接着剤とを有する構造が知られている。伝導性接着剤は、半導体ベアチップの上面の接地層に接続される。
【0006】
別の例として、半導体素子の上に接着剤を介してコンデンサ等の受動部品を搭載することが知られている。この受動部品は、ボンディングワイヤを介して電気的に半導体素子上面側の端子や周囲の回路基板に接続される構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1(a)は、実施形態に係る半導体装置における第1の半導体パッケージの一例を示す平面図、
図1(b)は、
図1(a)に示す第1の半導体パッケージを一部断面で示す側面図、
図1(c)は、
図1(b)の一部を拡大して示した側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る半導体装置の一部を断面で示す側面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る半導体装置の電源回路図である。
【
図4】
図4(a)は、実施形態に係る半導体装置における電源接続用のコンデンサの電極のリードフレームの一部を示す平面図、
図4(b)は、
図4(a)に示す電極のリードフレームが接続される回路基板上の電極と配線を示す平面図、
図4(c)は、
図4(b)に示す電極の接続状態を示す側断面図である。
【
図5】
図5(a)は、実施形態に係る半導体装置において第1の半導体パッケージとその上に取り付けられるコンデンサの第1の変形例を示す平面図、
図5(b)は、
図5(a)に示す第1の変形例に係るコンデンサの電極及びリードフレームを示す部分平面図、
図5(c)は、
図5(a)に示す第1の変形例に係るコンデンサの電極及びリードフレームが接続される回路基板上の電極を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る半導体装置において第2の変形例に係るコンデンサを有する第1の半導体パッケージを示す平面図である。
【
図7】
図7は、半導体パッケージ内のコンデンサの比較例を示す側面図である。
【
図8】
図8(a)は、実施形態に係る半導体装置における第3の変形例に係るコンデンサの一部を示す側面図、
図8(b)は、実施形態に係る半導体装置における第4の変形例に係るコンデンサの一部を示す側面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る半導体装置における第5の変形例に係るコンデンサを一部断面で示す側面図である。
【
図10】
図10(a)〜(f)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程のうちコンデンサ形成工程の一例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
【0014】
図1(a)は、本実施形態に係る半導体装置における第1の半導体パッケージの一例を示す平面図、
図1(b)は、
図1(a)のI−I線の断面図、
図1(c)は、
図1(b)において破線で囲んだ部分の一部拡大側面図である。
【0015】
図1に示す第1の半導体パッケージ1は、第1の回路基板2とその上に取り付けられる第1の半導体チップ5、コンデンサ10などを有している。第1の回路基板2は、一辺が約8mm〜10mm程度の平面四角形に形成されるガラスエポキシなどの絶縁基材2iを有し、その表面と内部には、電極2a、2b、配線2c、2d、ビア2eなどが形成されている。また、絶縁基材2iの上下の両面に、保護絶縁膜2f、2g、例えばソルダーレジストが積層されている。また、保護絶縁膜2f、2gに形成された開口部(不図示)を通し、絶縁基材2iの上下の電極(不図示)に半田ボール3、4が接続されている。
【0016】
第1の回路基板2のうち後述する第2の半導体パッケージ21が接続される側の面の上の半田ボール4は、第1の半導体チップ5の周囲に複数配置される。なお、第1の回路基板2の代わりにシリコンインターポーザが使用されてもよい。
【0017】
第1の半導体チップ5は、第1の回路基板2の中央領域の表面の電極(不図示)に半田7を介してフリップチップ接続されている。半田7の周囲の空間は、アンダーフィル6により充填されている。また、第1の半導体チップ5の上には、絶縁性の接着剤8を介してコンデンサ10が接着されている。
【0018】
コンデンサ10は、第1の半導体チップ5に接着される下部電極11と、下部電極11の上に形成される誘電体膜12と、誘電体膜12の上に形成される上部電極13を有している。下部電極11、上部電極13は、例えば、銅、銅合金、鉄、鉄合金、ステンレス等の金属箔を成形して形成され、例えば約50μm〜200μmの厚さを有している。誘電体膜12は、例えば、チタン酸バリウム系などの誘電体材料を有する材料から形成され、例えば約50μm〜100μmの厚さを有している。なお、コンデンサ10は、第1の半導体チップ5と同じような厚さ、例えば約300μm、或いはそれ以下の厚さを有している。
【0019】
下部電極11は、その端部にリードフレーム11aを有し、さらにその先端部には複数の凸状の接続部11bが間隔をおいて形成されている。リードフレーム11aは、誘電体膜12及び第1の半導体チップ5の側方に突出する大きさに形成され、さらに、第1の半導体チップ5のからその側方の第1の回路基板2上の電極2aに向けて配置される。リードフレーム11は、第1の半導体チップ5の周縁部の近くで第1の回路基板2に向けて曲げられ、その先端の接続部11bは、半田9aにより電極2aに接続される。
【0020】
上部電極13の一端にもリードフレーム13aが形成され、その先端部には複数の凸状の接続部13bが間隔をおいて形成されている。リードフレーム13aは、誘電体膜12から側方に突出する大きさに形成され、さらに、誘電体膜12の側方から第1の半導体チップ5の縁部の上方を通って第1の回路基板2に向けて曲げられている。リードフレーム13aの先端の接続部13bは、半田9bにより電極2bに接続される。上部電極13のリードフレーム13aは、下部電極11のリードフレーム11aとは重ならないように外れた側方の位置に配置される。従って、第1の半導体チップ5を中心にすると、上部電極13のリードフレーム13aに接続される電極2bは、下部電極11のリードフレーム11aに接続される電極2aとは異なる向きに形成される。
【0021】
上記構造を有する第1の半導体パッケージ1の上には、
図2に例示するような第2の半導体パッケージ21が搭載され、これらによりPoP型の半導体装置が形成される。
【0022】
第2の半導体パッケージ21は、第2の半導体チップ25などが取り付けられる第2の回路基板22を有している。第2の回路基板22は、平面四角形に形成されるガラスエポキシなどの絶縁基材22iを有し、その表面と内部には、電極22a、22b、配線22c、22d、ビア22eなどが形成されている。また、絶縁基材22iの両面に、保護絶縁膜32f、32g、例えばソルダーレジストが積層されている。また、下側の保護絶縁膜32fに形成された開口部(不図示)を通し、絶縁基材22iの表面の電極(不図示)に、上記の半田ボール4が接続される。
【0023】
第2の半導体チップ25は、例えばSDRAMのような半導体メモリを有し、第2の回路基板22の中央領域の電極(不図示)に半田27を介してフリップチップ接続され、半田27の周囲の隙間にはアンダーフィル26が充填されている。また、第2の半導体チップ25とその周囲の保護絶縁膜22gは、例えばモールド樹脂28により封止されている。
【0024】
第2の半導体パッケージ21と第1の半導体パッケージ1が半田ボール4により接続されている状態で、上記のコンデンサ10は第2の半導体パッケージ21の下側の保護絶縁膜22fとの間に隙間が存在してもよいし、保護絶縁膜22fに接触してもよい。
図3に例示するように、第1の半導体パッケージ1に外部から供給される電力は、半田ボール4を通して第2の半導体パッケージ21に供給され、その電力供給系統のV
DD配線とV
SS配線の間にコンデンサ10が接続される。
【0025】
上記の半導体装置によれば、下部電極11、誘電体幕12及び上部電極13が積層されて形成された厚さの薄い扁平なコンデンサ10を接着剤8により第1の半導体チップ5の背面に接着した構造を有している。
【0026】
従って、PoP型の半導体装置において、第1の半導体パッケージ1上の第1の半導体チップ5と第2の半導体パッケージ21の間に形成される隙間に薄いコンデンサ10を配置しているので、半導体装置の小型化の妨げにならない。また、コンデンサ10の下部電極11と上部電極13のそれぞれ端部にリードフレーム11a、13aが形成され、それらを第1の半導体チップ5の反対向きの側方に配置し、第1の回路基板2の電極2a、2bに接続している。
【0027】
また、第1の半導体チップ5上でのワイヤーによるコンデンサ5の接続が不要になり、第1の半導体パッケージ1と第2の半導体パッケージ21の間の空間の高さを広げる必要がなく、半導体装置の小型化の妨げにならない。しかも、コンデンサ10の誘電体膜12の横方向で面積を変えることにより、配置領域を変えずに容量の変更が可能であり、設計の自由度を広げることができる。
【0028】
さらに、第1の半導体チップ5から下部電極11を介してコンデンサ10に伝導した熱は、リードフレーム11a、13aを介して横方向の空間に放出することができるので、放熱効率を高くすることができる。さらに、第1の半導体チップ5の少なくとも上を下部電極11と上部電極13により覆うので、電磁的シールドを図ることができる。さらに、第1の半導体チップ5の上面に電極パッドが無い構造であってもコンデンサ10を取り付けることができる。
【0029】
ところで、上記したコンデンサ10の下部電極11と上部電極13のそれぞれには、
図4(a)に示すようにリードフレーム11a、13aの先端に間隔をおいて複数の凸状の接続部11b、13bを形成している。このため、
図4(b)、(c)に示すように、接続部11b、13bが接続される電極2a、2bの間に配線2hを通すことができ、配線の自由度が高くなる。なお、
図4(b)では、保護絶縁膜2gを省略している。
図4(c)は、
図4(b)のII−II線の断面図である。
【0030】
図5(a)、(b)は、上部電極13のリードフレーム13aの先端縁13cの接続部の一部を突出させずに直線状に形成した変形例を示している。そのようなリードフレーム13aは、
図1(c)に示すと同じように、先端の接続部を上側に折り曲げて半田9bを介して電極2bに接続する。この場合、
図5(c)に示すように、リードフレーム13aの先端に接続される電極2bは帯状に長く形成される。このような構造によれば、リードフレーム13aと電極2bの接続面積が上記よりも増加するので、誘電体膜12の上から電極2bに至る部分の抵抗損失を減らすことができる。しかも、上部電極13を形成する際に凸状の接続部13bを形成する微細加工が不要となる。この場合、第1の回路基板2において電極2bと同じ層に形成される配線(不図示)は、電極2bを迂回して形成される。そのような構造は、下部電極11にも同様に採用することにより、同様な作用効果が得られる。
【0031】
図6は、本実施形態の変形例を示す平面図で、下部電極11のリードフレーム11aと上部電極13のリードフレーム13aの誘電体膜12からの突出方向を逆向きではなく、直交させた構造を示している。これにより、リードフレーム11a、13aと回路基板2上の電極2a、2bの接続位置は限定されるものではない。ただし、双方のリードフレーム11a、13aは、誘電体膜12を除く領域で重ならないように互いに外れた領域に配置される必要がある。リードフレーム11a、13aが誘電体膜12以外の領域で対向することにより寄生容量が増加することを防止するためである。
【0032】
ところで、
図7に示すように、上部電極13のうち誘電体膜12から横方向に突出するリードフレーム13aが短すぎ、或いは成形不良により第1の半導体チップ5に接触することが想定しうる。この場合、第1の半導体チップ5の縁の近傍に高い電界が発生し、第1の半導体チップ5に形成される回路に誤動作を生じさせるおそれがある。その対策として、
図8に示すような構造を採用してもよい。
【0033】
図8(a)は、上部電極13のリードフレーム13aのうち電極2bへの折り曲げ箇所を第1の半導体チップ5より外側に設定した構造を示している。また、
図8(b)は、誘電体膜12を第1の半導体チップの上から外側にはみ出して形成することにより、上部電極13のリードフレーム13aの折り曲げ箇所を自己整合的に第1の半導体チップ5に接触させないようにすることができる。
【0034】
このように、上部電極13のリードフレーム13aの曲げ箇所を第1の半導体チップ5より外側に配置することにより、第1の半導体チップ5と上部電極13のリードフレーム13aの接触を防止することができる。なお、下部電極11のリードフレーム11aについても、
図8(a)と同様な構造を採用することにより、リードフレーム11aを第1の半導体チップ5に接触することを防止することができる。
【0035】
図9は、下部電極11と上部電極13を第1の半導体チップ5の上面を覆う形状にするとともに、それらの間に形成される誘電体膜12の広さを調整して所望の容量を確保することができる構造を示している。この場合、下部電極11のリードフレーム11aと上部電極13のリードフレーム13aは、第1の半導体チップ5の外側で曲げる構造としている。そのような構造によれば、第1の半導体チップ5の上面は上側のリードフレーム11aと下側のリードフレーム13aにより電磁的にシールドされるので、外部の電磁界から第1の半導体チップ5をシールドすることができる。この場合のコンデンサ5の容量は、誘電体膜12の横方向の面積を調整することにより行われる。
【0036】
次に、
図10を参照して上記のコンデンサ10の形成方法の一例を説明する。
まず、
図10(a)に示すように、第1の回路基板2の上にフリップチップ実装された第1の半導体チップ5のうち露出している背面の上に接着剤8を塗布する。接着材8として、例えば、ダイボンディングに使用されるフィルム状接着剤、絶縁液状エポキシ接着剤等が使用される。また、第1の半導体チップ5の背面とコンデンサ10の下部電極11の間に寄生容量が発生するおそれのある場合には、接着材8としてAgペースト、半田材料等を使用してもよい。この場合、第1の半導体チップ5の背面は絶縁性保護膜(不図示)により覆われている。
【0037】
ここで、銅、銅合金、鉄、鉄合金、ステンレス等の金属泊を成形した下部電極11を用意する。成形された下部電極11は、第1の半導体チップ5上に載せられる平坦領域と、第1の半導体チップ5からはみ出してリードフレーム11aとなる部分と、を有している。下部電極11のリードフレーム11aは、第1の半導体チップ5の外側で下側に曲げられ、さらに先端の接続部11bを電極2aに接続できるように上側に折り曲げられている。
【0038】
次に、
図10(b)に示すように、成形された下部電極11のうちリードフレーム11aの先端の接続部11bを電極2aの上に半田9aを介して載せ、さらに平坦領域を上記の接着剤8を介して第1の半導体チップ5の背面に載せる。この後に、キュアにより接着材8とリードフレーム11aを接着する。
【0039】
次に、
図10(c)に示すように、下部電極11のうちリードフレーム11aを除く平坦領域の少なくとも一部に誘電体膜12を形成する。誘電体膜12として、例えば、半硬化性の接着剤に誘電体フィラーを詰めた素材をシート状に成型したものを使用する。例えば、チタン酸バリウムのような強誘電体粉末と接着剤を混合し、これをシート状に成形する。接着剤として、例えばエポキシ樹脂やシリコーン変性樹脂を用いた熱硬化タイプのものを使用する。
【0040】
ここで、銅、銅合金、鉄、鉄合金、ステンレス等で形成された金属泊を成形して形成された上部電極13を用意する。上部電極13は、第1の半導体チップ5の背面に配置される平坦領域と、誘電体膜12からはみ出してリードフレーム13aとなる部分と、を有している。上部電極13のリードフレーム13aは、第1の半導体チップ5の外側で曲げられ、さらに先端の接続部13bを電極2bに接続できるように折り曲げられる。
【0041】
次に、
図10(d)に示すように、上部電極13のうち平坦領域を誘電体膜12の上に載せるとともに、リードフレーム13aの曲げられた先端の接着部13bを回路基板2上の電極2bの上に半田9bを介して載せる。このような状態で、
図10(e)に示すように、上部電極13の上に加圧治具41を上部電極13の上に載せ、誘電体膜12に上部電極13を押圧し、同時に、上部電極13を介して下部電極11を第1の半導体チップ5に押圧しながら、加熱する。この場合の加圧力は1〜5kg程度とし、加熱温度は100℃〜200℃とする。
【0042】
なお、加圧の際に、誘電体膜12を焼成することが好ましく、このためには、例えば650℃以下の温度に設定する。この加熱処理温度が第1の半導体チップ5内の半導体回路に影響を及ぼす場合には、上記のように成型された下部電極11の平坦領域の上にシート状の誘電体膜12と上部電極13の平坦領域を順に重ね、加圧治具41で誘電体膜12を押圧しながら誘電体膜12を焼成すると同時に下部電極11と上部電極13に誘電体膜12を接着する。これにより、予めコンデンサ10を完成させておいて、接着剤8により下部電極11の平坦領域を第1の半導体チップ5の背面に接着してもよい。
【0043】
次に、回路基板2上の電極2aの上に半田9aを介して載せられた下部電極11のリードフレーム11aの端部の接続部11b及び半田9aの上にフラックスを塗布する。同様に、他の電極2bの上に半田9bを介して載せられた上部電極13のリードフレーム13aの接続部13b及び半田9bの上にフラックスを塗布する。その後に、
図10(f)に示すように、加熱治具42を用いて半田9a、9bを加熱してリフローする。これにより、下部電極11のリードフレーム11aの先端の接続部11bと電極9aは電気的に接続し、同時に、上部電極13のリードフレーム13aの先端の接続部13bと他の電極9bは電気的に接続する。
【0044】
なお、上記の実施形態では、半田4を介して第1の半導体パッケージ1と第2の半導体パッケージ21を接続したが、銅ピラーなどの導電性接続部材により接続してもよい。
【0045】
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解される。
【0046】
次に、本発明の実施形態について特徴を付記する。
(付記1)第1の基板と、前記第1の基板に形成される第1電極及び第2電極と、前記第1の基板の上方に取り付けられる第1の半導体チップとを有する第1の半導体パッケージと、前記第1の半導体チップの上方に形成され、前記第1の半導体チップの第1の側方で前記第1電極に接続される第1のリードフレームを有する下部電極と、前記下部電極の上に形成される誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成され、前記第1の半導体チップの第2の側方で前記第2電極に接続される第2のリードフレームを有する上部電極と、を有するコンデンサと、前記第1の基板に導電性接続部材を介して接続される第2の基板と、前記第2の基板の上方に取り付けられる第2の半導体チップとを有する前記第2の半導体パッケージと、を有する半導体装置。
(付記2)前記コンデンサにおいて、前記下部電極の前記第1のリードフレームは前記上部電極の前記第2のリードフレームとは平面視で重ならない領域を有する位置に配置されることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)前記第1のリードフレームは、前記第1の半導体チップに対して前記第2のリードフレーと直交する方向に配置されることを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置。
(付記4)前記コンデンサの前記誘電体膜は前記第1の半導体チップから前記第2の側方に突出して形成されることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記5)前記下部電極の前記第1のリードフレームと前記上部電極の前記第2のリードフレームの少なくとも一方の先端には、間隔をおいて突出する複数の接続部が形成されていることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記6)前記第1の半導体パッケージにおいて、前記複数の接続部の間の領域に配線が形成されていることを特徴とする付記5に記載の半導体装置。
(付記7)前記下部電極の第1のリードフレームと前記上部電極の前記第2のリードフレームのうち少なくとも一方の先端縁は直線状に形成され、前記先端縁に接続される前記第1電極と前記第2電極はストライプ状に形成されていることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記8)前記下部電極の前記第1のリードフレームは前記第1の半導体チップの前記第1の側方で前記第1電極に向けて曲げられ、前記上部電極の前記第2のリードフレームは前記第1の半導体チップの前記第2の側方で前記第2電極に向けて曲げられていることを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記9)前記コンデンサの前記誘電体膜は、前記第1の半導体チップの上方において、前記下部電極と前記上部電極が対向する領域の一部に形成されることを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記10)
第1の半導体パッケージ内の第1の基板に取り付けられた第1の半導体チップの上面にコンデンサの下部電極を接着し、前記下部電極のうち前記第1の半導体チップから第1の側方に突出する第1のリードフレームを前記第1の基板上の第1電極の上方に配置する工程と、前記下部電極の上に、接着剤を含む誘電体膜を形成する工程と、前記誘電体膜の上に前記コンデンサの上部電極を載せ、前記上部電極のうち前記第1の半導体チップの第2の側方に突出する第2のリードフレームを前記第1の基板上の第2電極の上に配置する工程と、前記上部電極を前記第1の半導体チップに向けて加圧した状態で加熱することにより、前記誘電体膜と前記下部電極を接着し、前記誘電体膜と前記上部電極を接着する工程と、前記下部電極の前記第1のリードフレームと前記第1電極を接続し、前記上部電極の前記第2のリードフレームと前記第2電極を接続する工程と、第2の半導体チップが搭載された第2の基板を有する第2の半導体パッケージを、導電性接続部材を介して前記第1の基板に接続する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。