特開2015-20778(P2015-20778A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-20778(P2015-20778A)
(43)【公開日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】シャツ折り畳み形状維持具
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/18 20060101AFI20150106BHJP
【FI】
   B65D85/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-149905(P2013-149905)
(22)【出願日】2013年7月18日
(71)【出願人】
【識別番号】594164690
【氏名又は名称】アーキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100178342
【弁理士】
【氏名又は名称】土田 新
(72)【発明者】
【氏名】大道 七海男
(72)【発明者】
【氏名】青木 誠治
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA15
3E068BB01
3E068CC20
3E068CE02
3E068DD04
3E068DD20
3E068EE01
3E068EE02
3E068EE11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】台紙自体も更に節減して経済性と作業性の向上を図るとともに台紙にシャツをより確実に且つ薄く固定する。
【解決手段】台紙2をシャツの背面側に位置させて、背当て部21をシャツの後身頃の上部に当て、シャツを背当て部の左右の辺部に沿って幅方向に背当て部の背面側に折り返すとともに、背当て部の背面側に位置した左右の袖を折り畳んで、折り畳んだ袖の上端部を前記押さえ片28で挟んで押さえた後、シャツの幅方向に折り返された裾部を丈方向に折り返し、裾部を折り返したシャツを背当て部の下辺部に沿って丈方向に2つ折りにして、裾部が内側になったシャツの折り返し上端を保持板部23に形成した裾固定部29に固定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャツの後身頃の上部に当てられる上下に長手の略長方形状の背当て部と、前記背当て部の上端に首部を介して連設されるとともに前記首部を基点として前記台紙の背面側に折り返される裾固定部を形成した保持板部を有するとともに前記背当て部の上部に切込みを入れることによって形成されて前記保持板部の折返し部に沿って上端を基点として折り曲げることによって背当て部から突出される襟差し込み部を形成し、且つ前記襟差し込み部の下方に切込みを入れることによって形成された上端を起点として開く押さえ片とを備えているシャツの折り畳み型となる紙製の台紙と、前記台紙に折り畳んだ状態で固定されたシャツの襟を整形する紙製の襟整形部材と、からなり、
前記台紙をシャツの背面側に位置させて、前記背当て部をシャツの後身頃の上部に当て、シャツを背当て部の左右の辺部に沿って幅方向に背当て部の背面側に折り返すとともに、前記背当て部の背面側に位置した左右の袖を折り畳んで、折り畳んだ袖の上端部を前記押さえ片で挟んで押さえた後、前記シャツの幅方向に折り返された裾部を丈方向に折り返し、該裾部を折り返したシャツを背当て部の下辺部に沿って丈方向に2つ折りにして、裾部が内側になったシャツの折り返し上端を前記保持板部に形成した裾固定部に固定することによりシャツを台紙に固定し、さらに前記襟整形部材を挿入配置して第1ボタンを閉じたシャツの襟における折り重ね部内側に前記背当て部から突出させた襟差し込み部を重ねて差し込み襟の形状を整形することを特徴とするシャツ折り畳み形状維持具。
【請求項2】
前記台紙における前記裾固定部が前記首部を基点として前記台紙の背面側に折り返される保持板部に形成された開閉可能なフラップを有する掛止窓であることを特徴とする請求項1記載のシャツ折り畳み形状維持具。
【請求項3】
前記保持板部の折返し部に沿って上端を基点として折り曲げることによって背当て部から突出される襟差し込み部に、切込みを入れることによって形成された上端を起点として開く表示片を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のシャツ折り畳み形状維持具。
【請求項4】
前記襟整形部材が紙製でシャツの襟の内部に重合する幅と長さを有して両端を襟先の角度に合わせた細長台形で帯状で、長さ方向の所定間隔で縦方向にわたる複数のすじ押しまたはミシン目状の刃入れが形成されていることを特徴とする請求項1,2または3記載のシャツ折り畳み形状維持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャツを折り畳んだ状態で販売する際に、シャツの折り畳み形状を維持するために使用されるシャツ折り畳み形状維持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワイシャツなどのような美麗な形態を特徴とするシャツは、装着した場合
を想像できるような状態に折り畳んで透明の包装袋などに収容した状態で販売されており、シャツが皺にならず且つシャツの襟や袖の形態さらには生地や模様なども包装したままで確認でき、加えて商品価値が高まるだけでなく運搬、保管、展示などにも適しているという多くの利点を有している。
【0003】
ところで、前記のように、折り畳んだ状態でシャツの形状を維持するために各種の形状の台紙や、襟整形部材などのシャツ折り畳み形状維持具が用いられている。
【0004】
このようなシャツ折り畳み形状維持具としてはシャツ全体を支持する台紙や、折り畳んだ部位を固定するための硬質合成樹脂製のピンや、襟を美麗に整形するための板状或いは蝶ネクタイ状の襟整形部材など使用目的や使用部位に合わせて複数種類を適宜選択して用いられているものが多く見受けられる。
【0005】
そのため、異なる材料のものを用いる場合には製造ルートも異なることもあり、発注、在庫の管理や組み立て作業などにも負担が生じることになる。
【0006】
購入者も、使用時には材質や使用箇所が異なる各種のシャツ折り畳み形状維持具を一々取り外すとともに地域のゴミ処理手段によっては分別処理が必要な場合もあり、負担にもなっており、特に合成樹脂製のものは燃焼による環境汚染の問題もあり、ピンやクリップのような小さなパーツは小さな子供が誤って飲み込んでしまうという心配もある。
【0007】
一方、たとえば特開2008−222264号公報に提示されているように、硬質合成樹脂のピンや板材などを用いないばかりか簡単且つ短時間でシャツを折り畳んで折り畳み形状維持する優れたシャツ折り畳み形状維持具が提示されている。
【0008】
ところで前記公報に提示されているような従来の折り畳み形状維持具に用いられているシャツを固定するための台紙は、例えば図8に示したように、折り畳んだシャツ4a全体を固定するための台紙2aが、シャツ4aの後身頃41aの上部に当てられる上下に長手の長方形状の背当て部21aと、背当て部21aの上端部に首部22aを介して連設された左右に長手の保持板部23aとを備えるものであり、例えば特開2007−276857号公報などに提示されているシャツ折り畳み形状維持具における台紙のように別部材としての裾固定部材を必要としないことから部品の製造や管理が容易であるばかりか作業も簡単できわめて便利なものである。
【0009】
また、前記公報に提示されている従来のシャツ折り畳み形状維持具は、例えば図8(a)に示すように、折り畳んだシャツ全体を固定するための台紙2aと襟の内側に挿着される襟整形部材3aとからなり、台紙2aは、シャツ4aの後身頃41aの上部に当てられる上下に長手の長方形状の背当て部21aと、背当て部21aの上端部に首部22aを介して連設された左右に長手の保持板部23aとを備えるものであり、図8(b)に示すように保持板部23aを上に向けた姿勢でシャツ4aの背面側に位置させ、台紙2aの背当て部21aをシャツ4aの後身頃41aの上部に中心位置を合わせて当て、図7(c)に
示すように、ワイシャツ4aの左右の一方の側、例えば左側を背当て部21aの左の辺部に沿って幅方向に背当て部21aの背面側に折り返し、背当て部21aの背面側に位置した左の袖42aを背当て部21a上で折り畳み、同様に、シャツ4aの他方の側の右側を背当て部21aの右の辺部に沿って幅方向に背当て部21aの背面側に折り返し、背当て部21aの背面側に位置した左の袖42aを背当て部21a上で折り畳んで押さえ片24aで挟むことによって押さえるものである。
【0010】
そして、図7(d)に示すように、折り畳まれたシャツ4aの裾43aを丈方向に折り返し、裾43aが内側になったシャツ4aの折り返し上端を背当て部21aの上端に合わせて台紙2aの保持板部23aを首部22aで背面側に折り返してシャツ4aの上に重ねるとともに、図7(e)に示すように保持板部22aの両端部を幅方向内側に折り返して、シャツ4aと裾43aとの間に挿入するものであり、比較的幅広な保持板部23aが必要であり、材料費の低減が望まれるとともに、固定作業も保持板部23aの両端部を幅方向内側に折り返して、シャツ4aと裾43aとの間に挿入するなど煩雑な面もある。
【0011】
一方、前記台紙とともに用いられる襟整形部材としては、適宜の厚さを有する細長の合成樹脂板を屈曲させて襟の内側や折り込み部に差し込むものが一般的であり、台紙との材質の違いによる価格を含めた管理や廃棄の問題がある。それだけでなく、この従来の襟整形部材は屈曲させた際に生じる硬質の合成樹脂材により整形される整形部材自身が有する弾力が作用することになる。
【0012】
そのため、使用時に中央部を屈曲させて丸みを付けたりする必要があり作業が面倒であるとともに、板材が有する直線性から施行した襟整形部材が全体として外側方向へ開くことから襟の平面外観が円形に広がってしまい、襟が有する本来の形状を呈していない、という問題もある。
【0013】
更にまた、従来の折り畳み形状維持具において、硬質合成樹脂製のU形クリップなどが用いられているが、U形クリップは幅が狭いことから1つでは固定力が弱く所定位置に固定しがたいばかりかシャツへの取付跡や皺がついてしまうという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2008-222264号公報
【特許文献2】特開2007-276857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は前記従来のシャツの折り畳み形状維持具を台紙を含めて紙製に統一して材質の異なる部品を用いている従来品の製造ならびに廃棄の不便さを解消するとともに、特に、台紙自体も更に節減して経済性と作業性の向上を図るとともに台紙にシャツをより確実に且つ薄く固定可能とし、加えてシャツの襟を真円に近づけて整形可能であるばかりか袖口も美麗に且つ所定位置に確実に固定可能なシャツの折り畳み形状維持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するためになされた本発明は、シャツの後身頃の上部に当てられる上下に長手の略長方形状の背当て部と、前記背当て部の上端に首部を介して連設されるとともに前記首部を基点として前記台紙の背面側に折り返される裾固定部を形成した保持板部を有するとともに前記背当て部の上部に切込みを入れることによって形成されて前記保持板部の折り返し部に沿って上端を基点として折り曲げることによって背当て部から突出され
る襟差し込み部を形成し、且つ前記襟差し込み部の下方に切込みを入れることによって形成された上端を起点として開く押さえ片とを備えているシャツの折り畳み型となる紙製の台紙と、前記台紙に折り畳んだ状態で固定されたシャツの襟を整形する紙製の襟整形部材と、からなり、前記台紙をシャツの背面側に位置させて、前記背当て部をシャツの後身頃の上部に当て、シャツを背当て部の左右の辺部に沿って幅方向に背当て部の背面側に折り返すとともに、前記背当て部の背面側に位置した左右の袖を折り畳んで、折り畳んだ袖の上端部を前記押さえ片で挟んで押さえた後、前記シャツの幅方向に折り返された裾部を丈方向に折り返し、該裾部を折り返したシャツを背当て部の下辺部に沿って丈方向に2つ折りにして、裾部が内側になったシャツの折り返し上端を前記保持板部に形成した裾固定部に固定して台紙と固定し、さらに前記背当て部から突出させた襟差し込み部を予め第1ボタンを閉じて前記襟整形部材を挿入配置したシャツの襟における折り重ね部内側に重ねて差し込み襟の形状を整形することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、前記台紙と、襟整形部材を紙製とすることにより、製造ならびに使用後の廃棄などにおいて従来の硬質合成樹脂板やU形クリップなどを用いるものに比べて経済面、環境面で有利であり、加えて、クリップやピンのようにシャツの素材を損傷したり皺を付けることもなく、子供などが誤飲してしまうという心配もなく、紙製の台紙と、襟整形部材と、袖固定部材とを用いて均質なシャツの折り畳み形状維持具を提供することができる。
【0018】
また、本発明において、前記台紙における前記裾固定部が前記首部を基点として前記台紙の背面側に折り返される保持板部に形成された開閉可能なフラップを有する掛止窓であることを特徴とする場合には、更に、台紙自体の削減を図ることができるとともに折り畳み作業の簡易化を図り、更には全体として薄く確実に折り畳むことが可能である。
【0019】
更に本発明における前記保持板部の折り返し部に沿って上端を基点として折り曲げることによって背当て部から突出される襟差し込み部に、切込みを入れることによって形成された上端を起点として開く表示片を備えることにより、従来のような包装したシャツの首周りの寸法や体型サイズなどの別途印刷したラベル用の別部材である小片を襟に挟み込む手間や別途制作した別部材である紐付きラベルをボタンに係着させるなどの工程が不要であり、また、特に見やすい奥襟の外側に表示されるので顧客も希望のサイズのものを選択しやすい。
【0020】
加えて、本発明において、前記襟整形部材が紙製でシャツの襟の内部に重合する幅と長さを有して両端を襟の傾斜に合わせた細長台形で帯状で、長さ方向の所定間隔で縦方向にわたる複数のすじ押しまたはミシン目状の刃入れが形成されていることにより、襟に合わせて屈曲させることで商品についての襟形状に合わせて自然な形に整形可能である。尚、本発明では前記複数のすじ押しを襟整形部材の天地の部分に余白を設けて天地端まで形成していない。そのため、すじ押しの曲げ効果を発揮させることを可能としたまま、襟成形部材がすじ押し部分で折れたりして丸く形成できないことを防止している。
【0021】
更にまた、本発明は、前記襟整形部材は端部に使用するシャツの襟回りに合わせて簡単に切り取り可能な切取線が形成されており、シャツの襟サイズに合わせて容易に対応可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、台紙を含めて紙製に統一して材質の異なる部品を用いることなく、製造ならびに廃棄の不便さを解消し、台紙自体も更に節減して経済性と作業性の向上を図るとともに台紙にシャツをより確実に且つ薄く固定可能とし、加えてシャツの襟を真円に近づけて整形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態に係る平面図である。
図2図1に示した実施の形態についてのシャツ折り畳み形状維持具を用いてシャツを折り畳む際の適用状態を示すものであり、(a)はシャツの背面側から適用するところを示す説明図、(b)はシャツの正面側から適用するところを記す説明図である。
図3図1に示した実施の形態を用いてシャツを折り畳む工程を示す説明図である。
図4図1に示した実施の形態を用いてシャツを折り畳む工程を示す説明図である。
図5図1に示した実施の形態を用いてシャツを折り畳む工程を示す説明図である。
図6図1に示した実施の形態を用いてシャツを折り畳む工程を示す説明図である。
図7図1に示した実施の形態を用いてシャツを折り畳む工程を示す説明図である。
図8】従来例を工程とともに示した説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を図面に示す好ましい実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明であるシャツ折り畳み形状維持具1を例えば長袖のワイシャツについて実施した場合の好ましい実施形態の一例を示す平面図、図2はシャツ折り畳み形状維持具1をシャツ5に適用する位置を示す説明図であり、本実施形態であるシャツ折り畳み形状維持具1は、シャツ5の折り畳みと固定を行う台紙2と、襟51の整形を行う襟整形部材3から形成される。尚、本発明であるシャツ折り畳み形状維持具1を構成する前記台紙2、襟整形部材3はそれぞれ個別の部品としても従来品に比べて著しい作用・効果を奏するものである。
【0026】
そして、台紙2は例えばいわゆるボール紙もしくは類似した厚紙(必要であれば裏面または表面を含めて表面加工してもよい)で形成されて、シャツ5の後身頃53の上部に当てられる上下に長手の長方形状の背当て部21と、背当て部21の上端部に首部22を介して連設された保持板部23とを備える。背当て部21は、幅がシャツ5の幅の約2分の1強、長さがシャツ5の丈の約2分の1弱の寸法の略長方形の形状を有し、左右上辺はシャツ5の左右上辺に沿った傾斜を有している。
【0027】
また、背当て部21に保持板部23を連設する首部22には、水平方向に延びる折り返し部24が形成されて折り返し部24において首部22を基点として台紙2の背面側に折り返せるようになっている。また、前記背当て部21における保持板部23の下方には折り畳んだシャツ5の袖55を係止するための押さえ片28が形成されている。この押さえ片28は切欠部が内側に形成した半円形の係止部27,27が形成されてはずれにくく形成されている。
【0028】
更に、台紙2の保持板部23には、下辺において開閉可能なほぼ横長台形を呈するフラップ231を有する掛止窓からなる裾固定部29が形成されているとともに前記折り返し部24を挟んだ前記保持板部23に対向する位置(図示下方)に前記折り返し部24に沿って上端を基点として上方へ向けて折り曲げることによって背当て部21から突出される襟差し込み部25が形成されている。この襟差し込み部25はシャツ5の襟51とこれに通した襟整形部材3との間の隙間に挿入するためのものである。
【0029】
特に、本実施の形態では、前記襟差し込み部25には裏面に例えばサイズ(S、M,L)、(首回り)、(裄丈)(素材)などの情報を表示した表示片26が切込みを入れることによって上端を起点として開くように形成されている。尚、表示に関しては直接印刷することも可能であるが、例えばシールなどを用いることにより汎用性が確保でき、無駄もなくすことができる。
【0030】
また、前記襟整形部材3は、従来の合成樹脂により形成されたものとほぼ同様に、襟の内部に重合する幅と長さを有して両端を襟の傾斜(例えば30度の角度)に合わせた天地対称細長台形でボール紙もしくは類似の厚紙により形成されており、長さ方向の所定間隔で縦方向にわたる複数のすじ押し31が形成されており、襟51の折り返し部に差し込んで装着されるものである。尚、前記すじ押し31は、中心部分においては広間隔(例えば20〜40mm)であって、両端部においては狭間隔(例えば10〜15mm)に形成されていることから丸めたときに真円に近い形状を呈するものである。特に、本実施の形態では襟整形部材3に形成されたすじ押し31は天地の端部分にまで到達しておらず隙間(余白)を形成しているのですじ押し31部分で鋭角に折れ曲がることなく全体として丸く折り曲げることができる。尚、本実施の形態では襟整形部材3にすじ押し31を形成したが、すじ押し31は例えばミシン目状の刃入れなど他の同様効果を生じる手段により形成してもよい。
【0031】
更に、前記襟整形部材3は、前記台紙2とほぼ同様なボール紙もしくは類似した厚紙により形成されているので襟51が不自然に形作られるという心配がない。
【0032】
以上の構成を有する本実施の形態であるシャツ折り畳み形状維持具1を用いてシャツ5を折り畳んで、折り畳み形状を維持させるには、先ず、図2に示すように襟整形成部材3をシャツ5の襟51の内側に通し第1ボタンを閉じる。このとき、本実施の形態では襟整形部材3は従来のような硬質合成樹脂材により形成されたものと異なりボール紙もしくは類似した厚紙により形成されていることから自身には弾性を有しておらず、確実にシャツ5の襟51を円形に支持させることができる。特に、本実施の形態では襟整形部材3は縦方向に複数の且つ折り曲げ箇所に応じて間隔を有してすじ押し31を形成しているので変形することなく確実に円形に曲げることが可能であり、襟51を自然な状態に整形することができる。尚、本実施の形態では細い首回りの商品に対応するように予め両端に切取線32,32を形成してある。従って、使用するシャツ5の首回りに合わせてそのまま使用、或いは一方または両端の切取線32において余分な部分を切り取ることで各種の首回りサイズに対応可能である。
【0033】
そして、次に、図3に示すように、台紙2の背当て部21をシャツ5の後身頃53の上部に中心位置を合わせて当てるとともに、シャツ5の左右の一方の側、例えば左側を背当て部21の左の辺部に沿って幅方向に背当て部21の背面側に折り返し、背当て部21の背面側に位置した左の袖55を背当て部21で折り畳み、同様に、図4に示すようにシャツ5の他方の側の右側を背当て部21の右の辺部に沿って幅方向に背当て部21の背面側に折り返し、背当て部21の背面側に位置した右の袖55を背当て部21上で折り畳む。このとき、袖55が動かないように背当て部21に切込みを入れることによって形成された上端を起点として開く押さえ片28で押さえるが、本実施の形態では押さえ片28は切欠部が内側に形成した半円形の係止部27,27が形成されているので袖55をこれらの係止部27,27に係止することにより確実に固定される。
【0034】
次に、図5に示すように、表示片26を形成した襟差し込み部25を残したまま、保持板部23を折り返し部24において下方に折り曲げ反転させて前記台紙2を保持板部23が上方位置となるような姿勢でシャツ5背面側に位置させ、台紙2の保持板部23を折り返し部24において下方へと折り返し、逆に、襟差し込み部25を上方へ立設させて襟5
1の合わせ部に下方から差し込み前記襟整形部材3に重ねて奥襟部分を支持する。同時に襟差し込み部25に形成した表示片26を反対側に折り曲げて襟51の外側に露出させる。尚、前記表示片26には予めサイズなどを表示したラベルを貼付させてもよく(図示せず)、或いは台紙2に予め印刷しておいてもよい(図示せず)。
【0035】
そして、折り畳まれたシャツ5の裾部57をシャツ5の丈が背当て部21のタテ方向の下部にあたる折り畳み位置58で裾部57を丈方向に二つに折り返し、シャツ5の折り返し上端を背当て部21の上端に位置している開閉可能なフラップ231を有する掛止窓である裾固定部29に差し込み固定する(図6および図7に示した状態)。
【0036】
特に、本実施の形態では折り畳んだシャツ5の裾部57を裾固定部29に差し込み固定することから予め裾部57を比較的幅狭に折り畳んでおくとよい。
【0037】
また、本実施の形態では、前記掛止窓である裾固定部29は台紙2の一部を繋げて折り返し部24として切り込みにより形成したことから裾固定部29には必然的に前記フラップ231が併設されているが、このフラップ231を製造過程で切り離す場合には製造工程で切り取り片が生じるので処理が煩雑となると言う問題が生じる。反面、フラップ231は裾固定部29に差し込み固定した折り畳んだ裾部57が膨らむのを阻止したり裏面側の美観を生じさせる役目もある。
【0038】
尚、本実施の形態ではシャツ4の左側を先に畳む場合を示したが、前記従来例で示したように右側を先に折り畳んでも同様に実施することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1 シャツ折り畳み形状維持具、2 台紙、3 襟整形部材、5 シャツ、21 背当て部、22 首部、23 保持板部、231 フラップ、24 折り返し部、25 襟差し込み部、26 表示片、27 係止部、28 押さえ片、29 裾固定部、31 すじ押し、32 切り取り線、51 襟、52 袖口、53 後身頃、55 前身頃
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8