特開2015-208352(P2015-208352A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-208352(P2015-208352A)
(43)【公開日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】ミル付き容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/28 20060101AFI20151027BHJP
   A47J 42/24 20060101ALI20151027BHJP
【FI】
   A47J42/28
   A47J42/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-89486(P2014-89486)
(22)【出願日】2014年4月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000111487
【氏名又は名称】ハウス食品グループ本社株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 郁也
(72)【発明者】
【氏名】岸上 晴男
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所望の吐出量と粒度を得るために必要な回転トルクを低減してミルの挽き操作を容易にしたミル付き容器を提供する。
【解決手段】、ミル3に、内側グラインダ6と内側グラインダ6の外側に同軸かつ相対回転自在に配置される円筒状の外側グラインダ7とを設け、内側グラインダ6の外周面に、螺旋状に延びるとともに周方向に向けて等間隔に並ぶ3枚の刃6cを設け、外側グラインダ7の内周面に、内周面の全周を11等分したピッチで周方向に向けて並ぶ5枚の刃7bからなる第1刃群と、内周面の全周を11等分したピッチで周方向に向けて並ぶ4枚の刃7bからなり第1刃群との間にそれぞれ内周面の全周を11等分した1ピッチ分の間隔を空けて配置される第2刃群とを設け、第1刃群および第2刃群を構成する刃7bの先端カット角αをそれぞれ110度とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状の内容物を収容する容器本体と該容器本体の口部に装着されたミルとを備えたミル付き容器であって、
前記ミルは、内側グラインダと該内側グラインダの外側に同軸かつ相対回転自在に配置される円筒状の外側グラインダとを有し、
前記内側グラインダは、その外周面に、螺旋状に延びるとともに周方向に向けて等間隔に並ぶ3枚の刃を備え、
前記外側グラインダは、その内周面に、該内周面の全周を11等分したピッチで周方向に向けて並ぶ5枚の刃からなる第1刃群と、該内周面の全周を11等分したピッチで周方向に向けて並ぶ4枚の刃からなり前記第1刃群との間にそれぞれ前記内周面の全周を11等分した1ピッチ分の間隔を空けて配置される第2刃群とを備え、
前記第1刃群および前記第2刃群を構成する刃の先端カット角がそれぞれ110度とされていることを特徴とするミル付き容器。
【請求項2】
前記内側グラインダおよび前記外側グラインダがそれぞれ樹脂材料により形成されている、請求項1に記載のミル付き容器。
【請求項3】
前記内側グラインダに設けられる3枚の刃のリード角がそれぞれ140度である、請求項1または2に記載のミル付き容器。
【請求項4】
前記内側グラインダに設けられる3枚の刃の刃先が丸められている、請求項1〜3の何れか1項に記載のミル付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状の内容物を収容する容器本体と該容器本体の口部に装着されたミルとを備えたミル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
胡椒や山椒、胡麻などの粒状の香辛料等を内容物として収容する容器としては、その容器本体の口部に挽き器とも呼ばれるミルが装着され、容器本体に収容した内容物をミルにより粉末状に挽いて吐出するミル付き容器が知られている。
【0003】
このようなミル付き容器に用いられるミルは、外周面に複数の刃を備えた内側グラインダと内周面に複数の刃を備えた外側グラインダとを有している。内側グラインダは外側グラインダの内側に同軸かつ相対回転自在に配置されており、容器本体に対してミルを下側とした倒立姿勢で内側グラインダを外側グラインダに対して相対回転させることにより、自重により外側グラインダと内側グラインダとの間に入り込んだ内容物を内側グラインダと外側グラインダとの間で粉末状に挽いて外部に吐出することができるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−61837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、容器本体に装着されるミルとして、内側グラインダや外側グラインダを樹脂製としたものが多く用いられている。
【0006】
しかしながら、樹脂製のミルでは、例えば胡椒のように粒径が2.7mm〜6.0mmと比較的大きく且つ不揃いで硬度が比較的高い内容物を挽く場合、所望の吐出量と粒度を得ようとすると、内側グラインダを外側グラインダに対して相対回転させるのに必要な回転トルクが非常に高くなってミルの挽き操作が困難になるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような点を解決することを課題とするものであり、その目的は、所望の吐出量と粒度を得るために必要な回転トルクを低減してミルの挽き操作を容易にしたミル付き容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のミル付き容器は、粒状の内容物を収容する容器本体と該容器本体の口部に装着されたミルとを備えたミル付き容器であって、前記ミルは、内側グラインダと該内側グラインダの外側に同軸かつ相対回転自在に配置される円筒状の外側グラインダとを有し、前記内側グラインダは、その外周面に、螺旋状に延びるとともに周方向に向けて等間隔に並ぶ3枚の刃を備え、前記外側グラインダは、その内周面に、該内周面の全周を11等分したピッチで周方向に向けて並ぶ5枚の刃からなる第1刃群と、該内周面の全周を11等分したピッチで周方向に向けて並ぶ4枚の刃からなり前記第1刃群との間にそれぞれ前記内周面の全周を11等分した1ピッチ分の間隔を空けて配置される第2刃群とを備え、前記第1刃群および前記第2刃群を構成する刃の先端カット角がそれぞれ110度とされていることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記構成において、前記内側グラインダおよび前記外側グラインダがそれぞれ樹脂材料により形成されているのが好ましい。
【0010】
本発明は、上記構成において、前記内側グラインダに設けられる3枚の刃のリード角がそれぞれ140度であるのが好ましい。
【0011】
本発明は、上記構成において、前記内側グラインダに設けられる3枚の刃の刃先が丸められているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内側グラインダおよび外側グラインダに設けられる刃の形状、枚数および配置を最適化したことにより、所望の吐出量と粒度を得るために必要な回転トルクを低減してミルの挽き操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態であるミル付き容器の正面図である。
図2図1に示すミル付き容器のミルの部分のみをA−A線に沿って切り欠いた断面図である。
図3】(a)は図2に示す内側グラインダの平面図、(b)は同図(a)におけるB−B線に沿う断面図、(c)は同底面図である。
図4】(a)は図2に示す外側グラインダの平面図、(b)は同図(a)におけるC−C線に沿う断面図、(c)は同底面図である。
図5】外側グラインダの刃の数および形状を種々変更し、ミルの操作に必要なトルク、吐出量および挽き切り判定を比較した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
【0015】
図1に示す本発明の一実施の形態であるミル付き容器1は、胡椒や山椒、胡麻など、粒径が2.7mm〜6.0mmの粒状の内容物を収容し、これらの内容物を粉末状に挽いて吐出するものである。このミル付き容器1は、容器本体2とミル3とを備える。
【0016】
図2に示すように、容器本体2は口部2aを備えた壜状に形成され、その内部に上記のような胡椒等の粒状の内容物を収容する。口部2aは円筒状に形成され、その外周面にはミル3を装着するための雄ねじ2bが一体に設けられている。容器本体2は、例えばガラスや樹脂材料等により形成することができる。本実施の形態においては、容器本体2は底面が平坦とされ、口部2aを上方に向けて開口させた起立姿勢で自立することができる。
【0017】
ミル3は挽き器とも呼ばれるものであり、容器本体2の口部2aに装着されて容器本体2に収容された粒状の内容物を挽いて(粉砕して)粉末状にして外部に吐出することができる。本実施の形態では、ミル3は、例えば硬質のプラスチック等の樹脂材料により形成された樹脂製ミルとなっている。ミルに適した樹脂材質としては、例えば、ポリアセタール(別名ポリオキシメチレン、POM)やポリカーボネート(PC)が挙げられる。図2に示すように、ミル3は内側筒体4と外側筒体5とを備えている。
【0018】
内側筒体4は樹脂材料により容器本体2の口部2aよりも一回り大径の円筒状に形成されており、その下端側の内周面に設けられた雌ねじ4aが容器本体2の口部2aに設けられた雄ねじ2bにねじ結合されることにより、容器本体2の口部2aにねじ付け固定されている。なお、内側筒体4の内周面の雌ねじ4aの上方側には鍔状のストッパ片4bが一体に設けられ、このストッパ片4bが容器本体2の口部2aの開口端に当接することにより内側筒体4の口部2aへのねじ込み位置が規定されている。
【0019】
内側筒体4の下端側には、外周面が下方に向けて縮径する形状に形成された滑り止め部4cが設けられ、この滑り止め部4cの外周面にはその全周に亘って縦目ローレット加工が施されている。本実施の形態では、滑り止め部4cの外周面に縦目ローレット加工を施すようにしているが、例えば綾目ローレット加工等の他の滑り止め加工を施す構成とすることもできる。
【0020】
外側筒体5は内側筒体4と同様に樹脂製となっており、内側筒体4の滑り止め部4cの外周面に滑らかに連なる湾曲した外周面を備えた円筒状に形成されている。外側筒体5は内側筒体4の外側に同軸に装着され、その内周面が内側筒体4の外周面に摺接することで内側筒体4に対して相対回転することができる。また、外側筒体5は、その下端が内側筒体4の滑り止め部4cの上端に当接し、上端側に設けられた段差部5aが内側筒体4の上端に当接するとともに、その内周面に設けられた環状凸部5bが内側筒体4の外周面に設けられた環状係止部4dにアンダーカット係合することにより、内側筒体4に対して軸方向(上下方向)に位置決めされている。
【0021】
外側筒体5の天壁5cにはその軸心から下方に向けて突出する円筒状の固定軸5dが一体に設けられ、この固定軸5dには内側グラインダ6が固定されている。固定軸5dに固定された内側グラインダ6は内側筒体4の内側に配置されている。
【0022】
図3に示すように、内側グラインダ6は樹脂材料により略円錐状の外形形状に形成されており、その軸心にはこれを貫通する固定孔6aが設けられている。図2に示すように、内側グラインダ6は固定孔6aに外側筒体5の固定軸5dが圧入等されることにより固定軸5dに固定されている。図3(a)に示すように、固定孔6aの内周面には複数条(図示する場合では8条)のリブ6bが一体に設けられ、図2に示すように、これらのリブ6bが外側筒体5の固定軸5dの外周面に設けられた複数の係止リブ5eに係合することにより、内側グラインダ6は固定軸5dつまり外側筒体5に対して廻り止めされている。したがって、外側筒体5を内側筒体4に対して相対回転させると、内側グラインダ6も内側筒体4の内側で内側筒体4に対して相対回転する。
【0023】
図3(b)、(c)に示すように、内側グラインダ6の外周面には3枚の刃6cが一体に設けられている。これらの刃6cは、それぞれ140度のリード角で螺旋状に延びるとともに、周方向に向けて等間隔に並べて配置されている。つまり、これらの刃6cは3条ねじの形態に構成されている。また、これらの刃6cの径方向外側となる刃先にはRが付けられ、つまり、刃6cの刃先はそれぞれ丸められている。
【0024】
また、内側グラインダ6の大径側(上端側)の所定範囲における外周面には、3枚の刃6cよりも細かく形成されるとともに刃6cと同一のリード角で螺旋状に延びる多数の溝歯6dが周方向に等間隔に並べて設けられている。図示する場合では、溝歯6dは35条ねじの形態に構成されている。
【0025】
図2に示すように、内側グラインダ6の外側には外側グラインダ7が設けられている。図4に示すように、外側グラインダ7は樹脂材料により円筒状に形成されており、図2に示すように、内側筒体4の内側に圧入等により固定されて内側グラインダ6の外側に同軸に配置されている。なお、外側グラインダ7と内側筒体4のストッパ片4bとの間には、位置決め用のスペーサSが配置されている。図4に示すように、外側グラインダ7の外周面には上下方向に延びる複数条のリブ7aが設けられ、図2に示すように、これらのリブ7aが内側筒体4の内周面に設けられた複数の係止リブ4eに係合することにより、外側グラインダ7は内側筒体4に対して廻り止めされている。したがって、外側筒体5を内側筒体4に対して相対回転させることにより、内側グラインダ6を外側グラインダ7に対して相対回転させることができる。
【0026】
外側グラインダ7の下端側における内周面は下方に向けて拡径するように傾斜しており、この傾斜した内周面には9枚の刃7bが一体に設けられている。これらの9枚の刃7bは外側グラインダ7の内周面の全周を周方向に11等分したピッチで周方向に向けて連続して並ぶ5枚の刃7bからなる第1刃群8aと、同様に外側グラインダ7の内周面の全周を11等分したピッチで周方向に向けて連続して並ぶ4枚の刃7bからなる第2刃群8bとに分けて配置されている。第1刃群8aと第2刃群8bとの2つの間の部分は、それぞれ外側グラインダ7の内周面の全周を周方向に11等分した1ピッチ分に相当する間隔が空けられている。つまり、外側グラインダ7の内周面には、その内周面に11枚の刃を周方向に等間隔に並べて設けた構成から2枚の刃を取り除いた配置で9枚の刃7bが設けられている。
【0027】
図4(c)に示すように、第1刃群8aおよび第2刃群8bを構成するそれぞれ刃7bの先端カット角αはそれぞれ110度とされている。なお、図4(c)においては、便宜上、1つの刃7bの先端カット角αのみを示す。
【0028】
また、外側グラインダ7の上端側の内周面には、9枚の刃7bよりも細かい多数の溝歯7cが周方向に等間隔に並んで設けられている。
【0029】
内側グラインダ6は外側グラインダ7の内側に同軸に配置され、その3枚の刃6cの下端側の部分は外側グラインダ7の9枚の刃7bの上端側の部分に対向している。また、内側グラインダ6の3枚の刃6cの上端側の部分および多数の溝歯6dは、外側グラインダ7の多数の溝歯7cに対向している。内側グラインダ6と外側グラインダ7との間には隙間が設けられ、この隙間を通して内側グラインダ6と外側グラインダ7との間で挽かれた内容物は容器本体2の側から外側筒体5の天壁5cの側に通過することができる。外側筒体5の天壁5cにはミル3つまり内側グラインダ6と外側グラインダ7とにより挽かれた内容物を排出する複数の排出孔5fが設けられている。
【0030】
なお、符号9は外側筒体5の天壁5cを覆って排出孔5fを閉塞するキャップである。このキャップ9は、例えばヒンジ(不図示)を介して外側筒体5の天壁5cに開閉自在に装着された構成とすることができる。
【0031】
このようなミル付き容器1を使用するときは、キャップ9を開き、容器本体2を上側とし、ミル3を下側とした倒立姿勢の状態とし、内側筒体4の滑り止め部4c及び/又は容器本体2を片方の手で保持しつつ、他方の手で外側筒体5を内側筒体4に対して相対回転させることで、内側グラインダ6を外側グラインダ7に対して相対回転させる。容器本体2に収容された内容物は自重で内側グラインダ6と外側グラインダ7との間に入り込むので、内側グラインダ6と外側グラインダ7との間で挽かれて(粉砕されて)、排出孔5fから粉末状となって吐出される。
【0032】
ここで、本発明のミル付き容器1では、外側グラインダ7の内周面に設けられた第1刃群8aと第2刃群8bとの間にその全周の1ピッチ分の隙間を2箇所設けているので、これらの隙間に比較的粒径が大きい粒状の内容物を入り込ませ、隙間に入り込んだ内容物を内側筒体4と外側筒体5を周方向に相対回転させて、内側グラインダ6に設けられた螺旋状の刃6cで粗く砕くことができる。また、粗く砕いた内容物を、内側グラインダ6に設けられた螺旋状の刃6cにより排出孔5fの側に導きながら、内側グラインダ6の刃6cと外側グラインダ7の刃7bとの間で細かく挽くことができる。このとき、外側グラインダ7の刃7bの先端カット角を110度と比較的大きな角度としているので、様々な粒径の内容物に対しても、外側グラインダ7の刃7bが内容物に噛み込む際に生じる抵抗を低減して、内側グラインダ6を外側グラインダ7に対して相対回転させるために必要なトルクを低減させることができる。
【0033】
一方、外側グラインダ7の内周面全周の1ピッチ分の隙間の数を2箇所よりも多く設けると隙間に入り込む粒状の内容物の数が増え、また、内側グラインダ6の刃6cを3枚よりも多く設けると粒状の内容物が刃6cに引っ掛かる機会が多くなり、どちらの場合も内側グラインダ6を外側グラインダ7に対して相対回転させるために必要なトルクが増大してしまうので好ましくない。
【0034】
他方で、外側グラインダ7に設ける内周面全周の1ピッチ分の隙間の数を1箇所にすると隙間に入り込む粒状の内容物の数が減り、また、内側グラインダ6に設ける刃6cの数を3枚よりも少なくすると粒状の内容物が刃6cに引っ掛かる機会が減り、どちらの場合も内側グラインダ6を外側グラインダ7に対して相対回転させるために必要なトルクは減少するものの、所望の吐出量が得られず、粒度も粗くなるので好ましくない。
【0035】
なお、内容物の粒径が中程度または比較的小さい場合は、上記した比較的粒径が大きい粒状の内容物の場合と同様に、外側グラインダ7の第1刃群8aと第2刃群8bとの間の隙間に内容物を入り込ませて内側グラインダ6に設けられた螺旋状の刃6cで粗く砕いてから、当該螺旋状の刃6cにより排出孔5fの側に導き、内側グラインダ6の刃6cと外側グラインダ7の刃7bとの間でさらに細かく挽くことができる他、第1刃群8aと第2刃群8bとの間の隙間に入り込むことなく、直接、内側グラインダ6の刃6cと外側グラインダ7の刃7bとの間で細かく砕くこともできる。
【0036】
また、本実施の形態では、内側グラインダ6の刃6cの先端を丸めた形状としているので、内容物をせん断ではなくすり潰しにより破断させるようにして、様々な粒径の内容物に対して内側グラインダ6の刃6cが内容物に噛み込むことを防止し、内側グラインダ6を外側グラインダ7に対して相対回転させるために必要なトルクをさらに低減させることができる。また、内側グラインダ6の刃6cの螺旋のリード角を140度とすることにより、内側グラインダ6の刃6cが内容物に噛み込むことをさらに確実に防止しつつ、内容物を効率よく排出孔5fに向けて案内することができる。
【0037】
このように、本発明のミル付き容器1では、内側グラインダ6と外側グラインダ7を樹脂材料により形成した樹脂製のミル3により、粒径が2.7mm〜6.0mmの粒状の内容物を所望の吐出量と粒度となるように挽く際における、内側グラインダ6を外側グラインダ7に対して相対回転させるために必要となるトルクを低減させて、その挽き操作を容易にすることができる。
【0038】
内側グラインダ6の刃6cと外側グラインダ7の刃7bとの間で粉砕された内容物は内側グラインダ6の螺旋状の3枚の刃6cによりさらに排出孔5fの側に導かれ、内側グラインダ6の刃6cと外側グラインダ7の溝歯7cとの間および内側グラインダ6の溝歯6dと外側グラインダ7の溝歯7cとの間でさらに細かく挽かれて粉末状とされ、排出孔5fから外部に吐出される。
【0039】
次に、内側グラインダ6の形状はそのままに、外側グラインダ7の刃7bの数および形状を種々変更して、ミル3の操作に必要な「トルク」、「吐出量」および「挽き切る」の3項目の判定を比較した実験の結果を図5に示す。
【0040】
本実験においては、「トルク」は、ミル3を操作する使用者の体感によりその操作に必要な回転トルクの大小を○、△、×で判定した。「吐出量」は、容器本体2に粒径が2.7mm〜6.0mmの粒状の内容物を満杯に充填した状態で外側筒体5(内側グラインダ6)を内側筒体4(外側グラインダ7)に対して10回転させたときに挽かれて吐出される内容物の吐出量(g)を測定するとともに、これを○、△、×で判定した。「挽き切る」は、容器本体2に内容物を1粒入れた状態で外側筒体5(内側グラインダ6)を内側筒体4(外側グラインダ7)に対して10回転させ、内容物を挽き切れたか否かを○、×で判定した。なお、刃の「形状」の欄における左側の記載は刃の先端カット角である。また、外側グラインダ7は、「全周の等分したピッチ数」の欄に記載されたピッチ数に対応した枚数の刃7bが当該ピッチで配置される構成とされるが、刃の「形状」の欄に刃削除の枚数が記載されている場合には、「全周の等分したピッチ数」の欄に記載のピッチ数から「形状」の欄に記載された削除した刃の枚数を引いた数が実際の刃の数となる。
【0041】
図5に示すように、本発明のミル付き容器1に用いられるミル3における外側グラインダ7のように、外側グラインダの刃の数を、周方向に等間隔に並ぶ11枚の刃から2枚の刃を削除した9枚とし、その先端カット角を110度とした場合には、「トルク」の判定が○、「吐出量」は0.6gとなり判定が○、「挽き切る」は、10回の実験で10回とも挽き切ることができ、その判定が○であり、全ての判定が○となったことから総合評価は○であった。
【0042】
これに対して、外側グラインダの刃の数および形状を本発明のミル付き容器1に用いられるミル3の外側グラインダ7とは異なる構成とした他の複数の比較例では、何れも、「トルク」、「吐出量」および「挽き切る」の何れか1つ以上の項目が△または×の判定となり、総合評価が○となるものはなかった。
【0043】
このように、この実験の結果から、本発明のミル付き容器1のミル3のように、内側グラインダ6を螺旋状に延びるとともに周方向に向けて等間隔に並ぶ3枚の刃6cを備えた構成とし、内側グラインダ6の外側に同軸かつ相対回転自在に配置される外側グラインダ7を、周方向に等間隔に並ぶ11枚の刃から2枚の刃を削除した9枚の刃7bを有し、それぞれの刃7bの先端カット角αが110度とされた構成とすることにより、他の比較例と比較して、所望の吐出量および挽き切り条件を満たしつつ、ミル3の操作に必要な回転トルクを小さくすることができるという特段の効果が得られることが解った。
【0044】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0045】
例えば、外側グラインダ7を内側筒体4とともに容器本体2の口部2aに固定し、内側グラインダ6を外側筒体5とともに回転操作される構成としているが、内側グラインダ6を内側筒体4とともに容器本体2の口部2aに固定し、外側グラインダ7を外側筒体5とともに回転操作される構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 ミル付き容器
2 容器本体
2a 口部
2b 雄ねじ
3 ミル
4 内側筒体
4a 雌ねじ
4b ストッパ片
4c 滑り止め部
4d 環状係止部
4e 係止リブ
5 外側筒体
5a 段差部
5b 環状凸部
5c 天壁
5d 固定軸
5e 係止リブ
5f 排出孔
6 内側グラインダ
6a 固定孔
6b リブ
6c 刃
6d 溝歯
7 外側グラインダ
7a リブ
7b 刃
7c 溝歯
8a 第1刃群
8b 第2刃群
9 キャップ
S スペーサ
α 先端カット角
図1
図2
図3
図4
図5