【解決手段】島端表示装置7は、LED報知部32を液晶表示部31に対して回動させることで、表示画面31aの表示角度を任意の角度へと調整可能となり、汎用性に富む構成となる。この場合、LED報知部32は取付フレーム35により遊技島11に固定的に設置されることから、液晶表示部31の角度を調整しても従来の所謂代表ランプと同様に固定的な配置となり、従業員がその報知を見逃す虞を低減できる。
表示手段は、表示領域を第1表示領域と、第2表示領域とに区分可能であり、第1表示領域にて前記補助表示を行っている際に、第2表示領域にて遊技者向けの表示を行うことを特徴とする請求項5に記載した遊技場用表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技情報表示システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には、多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に1対1で対応する対応する周辺機器として、遊技装置2及び表示装置3が設置されている。これら遊技機1、遊技装置2及び表示装置3は、中継装置4に接続されている。この場合、2台の遊技機1、2台の遊技装置2及び2台の表示装置3は、1台の中継装置4で中継されており、中継装置4は、LAN5を介して管理装置6及び島端表示装置7に接続されている。
【0018】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード6a、モニタ6b、図示しないプリンタ等を備えて構成されている。管理装置6は、上記した遊技機1、遊技装置2、表示装置3等(これらを遊技機側の機器とする)の状況を管理する。これら遊技機側からの出力は、中継装置4による何れの遊技機側から出力された信号であるかを識別可能な識別信号(機器ID)を含む。
【0019】
こうして、管理装置6は、遊技機側からの信号に基づいて、遊技機1を含む各機器の状況や、遊技者毎の遊技価値の大きさ(持玉・貯玉(会員の場合))を記憶管理する。また、詳しくは後述するように、島端表示装置7(遊技場用表示装置)は、遊技機側から各種信号が入力されることで、各機器の状態を遊技機1単位で識別して特定し、遊技情報等の各種情報を表示するようになっている。尚、遊技場内には、所謂パチスロ機も含めて例えば数百台の遊技機1が設置されており、それぞれ管理装置6の管理対象或いは島端表示装置7の特定・表示対象となっている。
【0020】
遊技機1として
図1に示すCR(カードリーダ)パチンコ機は、盤面13に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル14、上部受皿15、下部受皿16を有すると共に、盤面13に、液晶表示部17、普図入賞口18、第1始動口19、第2始動口20、大入賞口21を有する。この遊技機1は、以下に示すように動作する。
【0021】
(1)第1始動口19は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口20は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口19,20への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部17にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0022】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0023】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/360であり、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口21を開放する。1Rの上限入賞数は10玉であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0024】
(4)確変中は大当り確率が1/31に向上すると共に、第2始動口20への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
【0025】
(5)第2始動口20は普図入賞口18への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり、時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口20の入賞率が高くなる。
【0026】
遊技装置2は、遊技装置2の状態等を示す状態表示部22、紙幣(貨幣)の投入を受け付ける紙幣投入口23、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、持玉及び貯玉を払出すための払出釦25、払出された玉が通過する払出ノズル26、一般カード(ICカード)10や会員カード(図示略)が挿入されるカード挿入口27を備えている。遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機として構成されており、遊技機1の下部受皿16の下方に位置する着脱可能な計数受皿28等を備えている。また、遊技装置2は、カード挿入口27に対して複数(例えば10枚)の一般カード10がストック可能に挿入される。
【0027】
上記した遊技機側からは以下の遊技信号が出力される。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼働信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0028】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0029】
始動信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部17におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力され、信号入力に応じて図柄変動を特定するので、「始動信号数×1」をスタート回数として特定する。尚、始動口19,20に入賞したことを示す信号としても良い。尚、アウト信号やセーフ信号も同様であるが、始動信号等の入力から所定期間を稼働状態として特定するため、アウト信号同様に、セーフ信号も含め稼働状態を特定可能な稼働信号となる。
【0030】
大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号である。大当り状態中にレベル出力される状態信号であるので、大当り信号の入力中を大当り状態中として特定する。
【0031】
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口20の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号であるので、特別状態信号の入力中を特別状態中として特定する。また、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0032】
尚、遊技機側からは、上記した遊技信号の他、売上げを特定可能な売上信号や、遊技機側の異常状態の検出信号等が出力され、例えば遊技機側で玉詰まり等の異常が検出されると、その検出信号(異常信号)が出力される。
【0033】
表示装置3は、データ表示部3a及び複数の操作スイッチ部3b、並びにリモコン受光部3cを備える。データ表示部3aには、遊技機1から表示装置3に入力される信号に基づき集計した遊技情報等、各種の情報が表示される。複数の操作スイッチ部3bは、データ表示部3aの表示内容を切替えたり、遊技者が遊技場の従業員を呼出すため等に操作される。また、従業員が携帯するリモコン12によって、後述する空台信号等の種々の信号が、表示装置3のリモコン受光部3cに向けて送信される。リモコン12は、例えば表示装置3用及び島端表示装置7用として兼用され、島端表示装置7のリモコン受光部(図示略)に向けた信号の送信が可能とされているが、それぞれ別個のリモコンを用いる構成としてもよい。
【0034】
さて、遊技場内には、遊技島11毎に複数(例えば40台)の遊技機1が設置されており、各遊技機島11の島端には島端表示装置7が設けられている。本実施形態では、
図2に例示するように遊技島11の島端を入口側とし、且つ同図の矢印方向に見た側を正面とした場合、遊技島11における右側の20台の遊技機1に対応する島端表示装置7Rと、左側の20台の遊技機1に対応する島端表示装置7Lとが、当該遊技島11上部に取付けられるものとする。
【0035】
また、本実施形態の島端表示装置7Rと島端表示装置7L(これらを島端表示装置7と総称する)は、何れも構成物品を同じくし、その組付態様(後述の第1取付態様と第2取付態様)が異なる構成にある。そこで、以下では説明の便宜上、島端表示装置7Rを主として説明する。
図4(a)及び(b)は、島端表示装置7Rの正面図及び平面図を示している。同図に示すように、島端表示装置7Rは、遊技場の従業員向けの報知を行うためのLED報知部32(報知部)と、遊技者向けの情報を表示するための液晶表示部31(表示部)とを備える。
【0036】
LED報知部32は、その枠体33における上枠33aと下枠33bとの間に、透明樹脂製のケース体34を備え、全体として縦長な直方体状をなしている。ケース体34内には、枠体33における縦枠33c(
図2参照)に沿って上下方向に並べて配置されたLED群が収容されている。LED群は例えば、遊技島11における右側の20台の遊技機1に対応する20個のLEDからなる。これらLEDの配列について、
図4(b)では説明の便宜上「1,2,3,…,18,19,20」の数字で示している。当該LEDは、例えば何れの光源(発光体)も発光色の可変可能なフルカラーLED(多色LED)で構成されている。このように、LED報知部32では、視野角が広い(略360度)報知手段としてLEDを用い、その点灯或いは点滅により従業員向けの報知状態となる。
【0037】
LED報知部32の外郭は、
図4で左側部分の縦枠33c並びに上下の枠33a,33b以外の部分をケース体34とし、そのケース体34の横断面が「コ」字状をなす。即ち、LED報知部32において、透明なケース体34は、その前面34a側と側面34b側(
図5参照)、そして後面(背面側)34c側をも囲う形状とする。このため、
図4(a)に示すように、LED報知部32を遊技島11の角部11aから張出すように設ければ、LED群の視認可能な範囲を可及的に拡げることができる。
【0038】
LED報知部32の後面側には、縦枠33cと一体をなす取付フレーム35(基礎取付手段)が設けられている。取付フレーム35は、縦枠33cの後面において左側に位置し、上下方向に延びる長尺な板状をなしている。取付フレーム35には、その板厚方向に貫通する取付孔35aが上方から下方にわたって複数設けられている。LED報知部32(島端表示装置7R)は、遊技島11に対して、
図2や
図4(a)に示すように位置合せをした上で、取付孔35aに挿通されるネジ(図示略)により取付け固定される。
【0039】
そして、LED報知部32の縦枠33cには、液晶表示部31を回動可能に支持する回動手段としての回動軸部材37が配設されている。
図4(b)に示すように、回動軸部材37は、上枠33a左側の取付凹部39aと下枠33b左側の取付凹部39bとの間にわたって上下方向に延びる棒状をなす。回動軸部材37は、上下の取付凹部39a,39bにて中心軸線Cの周りに回動可能に支持されている。回動軸部材37の上端には、中心軸線Cと直交する方向に延びる取付アーム37aが設けられ、下端には、当該取付アーム37aと同じ方向に延びる取付アーム37bが設けられている。取付アーム37a,37bは、何れも幅狭な板状或いは延出片状をなし、それぞれ板厚方向に貫通する貫通孔38,38(
図5参照)が形成されている。
【0040】
前記液晶表示部31は、後述する取付穴49Ra,49Rbに取付アーム37a,37bが挿入された状態で、それぞれの貫通孔38,38に挿通されるネジ40,40により取付けられるようになっている。こうして、取付アーム37a,37bは、回動軸部材37を介してLED報知部32に設けられた報知部取付手段を構成する。
【0041】
取付アーム37a,37b(或いは回動軸部材37)は、その回動時に枠体33の取付凹部39a,39aで係止されることで回動範囲が規制される。この場合、
図4(a)にαで示す取付アーム37a,37bの回動範囲は、例えば液晶表示部31の表示画面31aが正面を向く正面位置(
図7(a)参照)と、表示画面31aが例えば90度横を向く側面位置(
図7(c)参照)との間で回動するように設定されている。尚、島端表示装置7Rは、液晶表示部31の正面位置で、当該表示部31の前面とLED報知部32の前面とが揃い、液晶表示部31の側面位置で、当該表示部31の後面とLED報知部32の左側面とが揃う。これにより、外観意匠性に優れたものとなる。尚、液晶表示部31の回動範囲αは90度に限らず、適宜変更してもよい。
【0042】
液晶表示部31は、その枠体50の前面側に表示画面31aを備え、全体として縦長な矩形板状をなしている。表示画面31aは、例えばフルカラー表示が可能で且つ上下方向に延びる縦型の液晶ディスプレイからなる。表示画面31aは、
図3に示すように遊技者向けの各種情報を表示する表示手段である。また、液晶表示部31は、表示画面31aの前面側にタッチパネル31bを備えるタッチパネル式のものである。
【0043】
図4(a)に示すように、液晶表示部31全体の高さ(つまり枠体50の高さ)は、LED報知部32全体の高さ(つまり枠体33の高さ)と同じ寸法になるように設定されている。液晶表示部31の枠体50において、表示画面31aを囲う枠部分51は、上枠51a、下枠51b、右枠51c及び左枠51dからなる縦長な矩形枠状をなしている。枠部分51の左右の両側部には、取付アーム37a,37bと対応する位置に取付穴49Ra,49Rb、49La,49Lbが設けられている。取付アーム37a,37bは、右側の取付穴49Ra,49Rbと左側の取付穴49La,49Lbとに選択可能に挿入される。
【0044】
即ち、枠部分51の右枠51cには、上端つまり上枠51a寄りの部位に取付穴49Raが形成され、下端つまり下枠51b寄りの部位に取付穴49Rbが形成されている。これら取付穴49Ra,49Rbは何れも右端側が開放され、上枠51a或いは下枠51bに沿って左右方向へ延びている。これと同様に、枠部分51の左枠51dにも、上端側に取付穴49Laが形成され、下端側に取付穴49Lbが形成されている。これら取付穴49La,49Lbは、何れも左端側が開放され、左右方向へ延びている。これら4つの取付穴49Ra〜49Lbは、枠部分51において相互に左右対称且つ上下対称をなすように形成されている。尚、液晶表示部31で表示される画像、或いは枠体33における枠部分51以外の部分は上下非対称である(
図3或いは
図4(a)参照)。
【0045】
詳しくは後述するが、右側の取付穴49Ra,49Rbは、LED報知部32に対して液晶表示部31を左側に配置する第1取付態様で組付ける場合、つまり島端表示装置7Rとして用いる際に使用される(
図5参照)。一方、左側の取付穴49La,49Lbは、LED報知部32に対して液晶表示部31を右側に配置する第2取付態様で組付ける場合、つまり島端表示装置7Lとして用いる際に使用される(
図6参照)。
【0046】
上枠51a及び下枠51bには、取付穴49Ra〜49Lbに夫々対応する位置にネジ40用の穴部(
図4(a)に上枠51aの一対の穴部55のみ図示)が設けられている。ここで、液晶表示部31をLED報知部32へ第1取付態様で組付ける際、上側の取付穴49Raに取付アーム37aが挿入されると共に、下側の取付穴49Rbに取付アーム37bが挿入される。この挿入状態で、取付アーム37a,37bの貫通孔38,38に挿通されたネジ40,40が穴部55,55に螺挿される。これにより、液晶表示部31は、LED報知部32に対し、取付穴49Ra,49Rbにて取付アーム37a,37bと接合した状態で取付けられ、中心軸線Cの周りに回動する。上記した取付穴49Ra〜49Lb、ネジ40及び穴部55は、液晶表示部31における表示部取付手段を構成し、そのうち右側の取付穴49Ra,49Rb、ネジ40及び穴部55を第1取付手段、左側の取付穴49La,49Lb、ネジ40及び穴部55を第2取付手段とする。また、上記した報知部取付手段及び表示部取付手段は、LED報知部32と液晶表示部31とを分離可能に接合する取付手段である。
【0047】
図示は省略するが、島端表示装置7Rは、マイクロコンピュータを主体に構成された制御部を内蔵する。島端表示装置7Rの制御部は、LED報知部32の報知制御手段並びに液晶表示部31の表示制御手段として構成され、上記したLED報知部32の報知状態で、液晶表示部31で当該報知状態の補助表示を行うようになっている。また、制御部は、表示画面31aの表示領域を、遊技島11の遊技機1の配置に対応付けて区分すると共に、その区分した一の表示領域(分割領域)にて、該当する遊技機1に係る情報の画像を表示する(
図3(a)〜(c)参照)。以下、液晶表示部31の表示画面31aに表示される各画像について説明する。
【0048】
図3(a)は、表示画面31aにおける機種名表示画像を示している。機種名表示画像では、「機種名」、「種別」、「タイプ」、「設置台数」、及び「遊技場からのお知らせ」の各表示60a、60b、60c、60d、60fがなされる。「機種名」の表示60aは、遊技島11に導入されている遊技機1の機種名であり、「種別」の表示60bは、貸単価の種別、或いは遊技玉やメダルの種別を表す。「タイプ」の表示60cは、所謂MAXタイプ、ミドルタイプといったスペックや大当り確率等を表し、「設置台数」の表示60dは、当該遊技島11における遊技機1の設置台数を表す。「遊技場からのお知らせ」の表示60fは、例えば新台を入れ替える予定がある等、遊技場からのお知らせがある場合、その旨(近日新台入替)を遊技者に知らせるものである。既に遊技島11に新台が導入されている場合、該当する機種が「新台」であることを表わす表示60eが付加される。
【0049】
尚、島端表示装置7Rは、その表示内容や設定を行うための設定手段(操作入力部)が設けられており、種別、タイプや、各種の設定等の変更が可能であるが、管理装置6にて操作入力された情報を受信して設定するようにしても良い。また、上記のように、遊技島11に複数の機種が導入されている場合、その機種毎に表示領域が区分される。具体的には例えば、遊技島11右側の20台の遊技機1は、遊技島11の奥方から順に機種Aの10台と、機種Bの5台と、機種Cの5台とが並ぶ配置にある旨を示す。この場合、機種名表示画像では、機種A〜Cの配置に対応させて、上側から順に機種毎の表示を当該機種A〜Cの割合(台数)に応じて区分線Lにより区分した表示領域に表示する。このように、機種名表示画像では、遊技島11における遊技機1の位置関係と機種毎の設置台数の割合に合わせて区分される。機種名表示画像は、表示画面31aにおける通常時の待機表示画像として表示される。
【0050】
島端表示装置7Rは、例えばタッチパネル31bのタッチ操作がなされた場合、或いは当該装置7Rの内蔵する人感センサ(図示略)により遊技者を検出した場合、
図3(b)に示す台データ一覧画像を表示する。台データ一覧画像の表示領域についても、遊技島11の遊技機1の配置に対応付けて区分線Lで区分しており、遊技島11奥方から手前側までの遊技機1のデータを、当該表示領域の上方から下方にわたって表示する。この表示領域には例えば、遊技機1毎に割り当てられた4桁の台番の表示61aと、その遊技機1の機種名の表示61bと、ゲージの表示61cと、稼働状態の表示61dとがなされる。このうち、稼働状態の表示61dは、「空台」や「特賞中」(特賞は大当りを示す)等、現在の遊技機1の状態を表わす。また、ゲージの表示61cは、「大当回数」等を表す計数データ項目を含み、表示対象の上限を示す基準値を超えた場合に「OVER」の文字情報や矢印等の図表が付される。尚、「空台」は、遊技場の従業員がリモコン12操作により、前記表示装置3のリモコン受光部3cに向けて送信すると、その信号を島端表示装置7Rにおいて該当する遊技機1の空台として特定される。
【0051】
図3(c)は、遊技場の従業員による前記リモコン12操作により表示されるカードストック画像を示している。カードストック画像は、各遊技装置2に対応付けて区分された分割領域に、各遊技装置2の一般カード10のストック枚数を表す。各分割領域には、対応する遊技機1の台番の表示62aと、稼働状態の表示62bと、遊技装置2のストック枚数の表示62cとがなされる。台番や稼働状態の表示62a,62bは、台データ一覧画面等と同様に、台データ一覧画像と同様に表示される。ストック枚数の表示62cは、各遊技装置2での一般カード10の残枚数を数字と図で表示する。こうして、一の島端表示装置7Rで、遊技島11における一般カード10の残枚数を視認でき、従業員の作業負担が軽減される。また、カードストック画像の分割領域の区分とLED報知部32のLEDの配列とが対応するため、一般カード10の残枚数が不足、或いは過剰している旨を残枚数とその基準値とを比較することで特定し、その旨を分割領域の表示と併せて、該当するLEDの点灯、或いは点滅により報知するようにしてもよい。尚、カードストック画像は、リモコン操作の無い状態で継続して所定時間(例えば10秒)表示されたとき、又は画面タッチがなされたとき遷移前の画像に復帰する。
【0052】
島端表示装置7Rでは、遊技機側からの入力信号等に基づき、所定の事象つまりイベント(処理要求)があると判断した場合、イベント画像に遷移する。
図3(d)に示すように、イベント画像の表示領域は、機種名表示画像の表示60a〜60eの横方向の表示倍率を縮小して、左側のヴィジュアル表示領域63aと、上側の経過時間表示領域63bと、下側のイベント内容表示領域63cとを設けてなり、
図3(a)同様に遊技者向けの表示を行いつつも遊技場の従業員に対する報知の補助表示も行っている。尚、ヴィジュアル表示領域63aは、LED報知部32側つまり右側に寄せるように、イベント画像の右側領域への表示切替えが可能に設定しても良い。
【0053】
島端表示装置7Rは、ヴィジュアル表示領域63aを台データ一覧画像等と同様に遊技島11における遊技機1の設置台数に応じて区分し、係る遊技機側の状態を遊技機1毎の表示領域で表示する。
図3(d)の例では、ヴィジュアル表示領域63aで台番「1024」〜「1039」を表示しているが、例えば図示しないスクロールキーの操作により(或いはイベント内容表示領域63cを非表示として)、20台分の台番「1024」〜「1043」が表示される。ヴィジュアル表示領域63aでは例えば、前記イベントとして呼出、点検、不正、サービス呼出が発生した場合、該当する分割領域にてイベントの種類毎に異なる表示態様(例えば呼出は緑、点検は黄、不正は赤のような色分け等)で表示する。これらのイベントは、遊技機側からの出力信号(前記異常信号等を含む)に基づき島端表示装置7Rにより特定されるものであり、「呼出」は、表示装置3の操作スイッチ部3bの操作による従業員の呼出、「不正」は、遊技機側に対する各種の不正行為、「点検」は予め設定された点検項目に対応する。
【0054】
ヴィジュアル表示領域63aでは、遊技島11でイベントが複数発生したとき、その対応順を従業員が識別できるように、イベントの発生順に該当する分割領域に番号を表示する。
図3(d)では、「1025」「1031」「1036」の台番の遊技機1について、夫々同一のイベント(例えば(呼出))があり、その呼出が「1036」「1031」「1025」の順に発生した場合の表示例を示している。このように、イベントの発生した台番に対応する分割領域に呼出順の番号が表示されると共に、これら3つの分割領域の背景画像が、いずれも呼出に対応した同じ色(例えば緑)で表示され、他の分割領域の背景画像の色と異ならせる。これにより、従業員は、表示色の緑で呼出がなされていること、並びに「1」〜「3」の数字により「1036」「1031」「1025」の順で対応することを一目で視認できる。また、例えば「1036」の台番で呼出と点検の表示要求がなされた場合、ヴィジュアル表示領域63aでは、予め設定されたイベント表示の優先順位(例えば不正>呼出>点検)に従い「呼出」に対応した色で表示される。
【0055】
経過時間表示領域63bには、上記したイベントが発生してからの経過時間が表示される。遊技島11でイベントが複数発生したとき、経過時間表示領域63bには、最初に発生したイベントの経過時間が表示される。イベント内容表示領域63cは、遊技島11において発生した呼出、点検、不正の詳細を文字情報等で表示する。尚、表示内容はリモコン12の操作や画面タッチ等の操作により優先順位に従って対象となる台番(イベント)が切替り、操作がない場合は最も優先順位の高い台番が表示対象となる。
図3(d)のイベント内容表示領域63cでは、「呼出」の詳細について、該当する「台番」、経過時間、周辺機器の状態の表示例を示している。上記のように「1036」の台番で呼出と点検の表示要求がなされた場合、
図3(d)のように「呼出詳細63c」として併発している点検内容(例えば貸出機たる遊技装置2の点検項目として「カード詰りも発生しています」)を表示する。
【0056】
一方、LED報知部32は、前記画像の分割領域と同様、遊技島11奥方の遊技機1から順に、上端のLEDから下端のLEDが台番にそれぞれ対応付けられている。LED報知部32は、遊技島11でイベントが発生した場合、イベント毎に予め設定された報知態様で報知する。このときのLEDの発光色は、対応するヴィジュアル表示領域63aの分割領域と同じ色、つまり呼出は緑、点検は黄、不正は赤というように、イベントに応じて異なる色で点灯する。また、遊技島11でイベント(例えば呼出)が複数発生したとき、対応するLEDは、その呼出順が1番目、2番目、3番目であると、高速点滅、中速点滅、低速点滅というように、対応する表示色で異なる点滅パターンとなるように設定されている。
【0057】
こうして、LED報知部32は、イベントが発生すると、その台番に対応するLEDを点灯、或いは点滅させることで報知状態となり、併せて液晶表示部31は、表示画面31aのヴィジュアル表示領域63aにおいて該当する分割領域が上記した表示状態となる。このとき、表示画面31aでは、ヴィジュアル表示領域63aやイベント内容表示領域63c(何れも第1表示領域に相当)にて、LED報知部32の報知を補助(或いは報知内容を補完)するような従業員向けの補助表示が行われると共に、他の表示領域(第2表示領域としての機種名表示画像の表示60a〜60e領域)では遊技者向けの表示が行われることとなる。
【0058】
尚、
図3(e)は、遊技島11において何れかの遊技機1に大当りが発生した場合、表示画面31aに表示される画像を示している。この画像は、遊技島11において例えば大当りの累積回数が10回に達した場合等、所定大当り回数で所定時間表示するようにしても良い。
【0059】
続いて、上記構成の作用について、一対の島端表示装置7R,7Lを、遊技島11に対して
図2に示すように設置する場合を例に説明する。
まず、上記のように分離(切り離し)可能な液晶表示部31とLED報知部32とについて、第1取付態様で島端表示装置7Rを組付けるものとする。この場合、
図5に示すように、液晶表示部31の右枠51cを、LED報知部32の回動軸部材37(同図では省略)に沿わせるようにして位置合せを行い、右枠51cの取付穴49Raに回動軸部材37上端の取付アーム37aを挿入すると共に、右枠51cの取付穴49Rbに回動軸部材37下端の取付アーム37bを挿入する。この挿入状態で、液晶表示部31の上枠51a及び下枠51bの穴部55,55にネジ40,40をそれぞれ螺挿することで、取付アーム37a,37bを固定する(
図4(a)参照)。これにより、LED報知部32に対し、左側に液晶表示部31を取付けることで、島端表示装置7Rとして組付けることができる。
【0060】
島端表示装置7Rは、
図2の遊技島11の島端に向かって右上の位置で、取付フレーム35の取付孔35aに挿通されるネジ(図示略)により取付け固定される。こうして設置された島端表示装置7Rは、液晶表示部31を回動軸部材37の周りに回動させることで、
図7(a)に示す正面位置と
図7(c)に示す側面位置との間で液晶表示部31の向きを変え、或いは島端に対して液晶表示部31を任意の傾斜角度に調整することができる(
図4(a)、
図7(b)参照)。
【0061】
これに対し、島端表示装置7Lを組付ける場合、
図6に示すように、LED報知部32について、上端の取付アーム37aが下端に、下端の取付アーム37bが上端に位置するように、180度上下に反転させる。これにより、天地を逆にしたLED報知部32に対し、右側に液晶表示部31を配置し、その左枠51dを回動軸部材37(
図6では省略)に沿わせるようにして位置合せを行う。こうして、左枠51dの取付穴49Laに上端となった取付アーム37bを挿入すると共に、左枠51dの取付穴49Lbに下端となった取付アーム37aを挿入する。この挿入状態で、液晶表示部31の上枠51a及び下枠51bの穴部55,55にネジ40,40をそれぞれ螺挿することで、取付アーム37a,37bを固定する。こうして、LED報知部32に対し右側に液晶表示部31を配置した第2取付態様で、島端表示装置7Lとして組付けることができる。
【0062】
上記した第1取付態様と第2取付態様とでは、
図5と
図6との対比から明らかなように、液晶表示部31の上下方向が同一であり、その上枠51aが上側のままとなる上下の位置関係が維持される一方、LED報知部32の上下方向が異なる(つまり前記反転により姿勢が180度変更される)。このように構成しても、LED報知部32の外形は上下対称であり、前記設定手段によりLED群への出力を上下に反転させる(従ってLEDの配列を上下反転させたように発光する)報知設定が可能とされている。よって、LED報知部32では、第1、第2の取付態様如何に関わらず、液晶表示部31との接合と、遊技機1の並びに対応した報知とを好適に行うことができる。
【0063】
島端表示装置7Lは、
図2の遊技島11の島端に向かって左上の位置で、取付フレーム35の取付孔35aに挿通される前記ネジにより取付け固定される。こうして設置された島端表示装置7Lについても、回動軸部材37の周りに回動させることで、
図8(a)に示す正面位置と
図8(c)に示す側面位置との間で液晶表示部31の向きを変え、或いは島端に対して液晶表示部31を任意の傾斜角度に調整することができる(
図8(b)参照)。従って、島端表示装置7R,7Lにおいて、視野角の広い(略360度)LED報知部32を固定したまま、視野角の狭い(最大でも180度)液晶表示部31の向きを、その設置環境に応じて調整することができ、双方31,32の視認性が良く且つ使い勝手がよいものとすることができる。
【0064】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
島端表示装置7R,7Lは、遊技者向けの情報を表示する表示手段を設けた液晶表示部31と、この表示部31をLED報知部32に対して回動可能とする回動軸部材37とを備えるため、液晶表示部31の表示角度を任意の角度に調整可能となり、汎用性に富む構成となる。この場合、LED報知部32は取付フレーム35により遊技島11に固定的に設置されることから、液晶表示部31の角度を調整しても従来の所謂代表ランプと同様に固定的な配置となり、従業員がその報知を見逃す虞を低減できる。
【0065】
液晶表示部31の第1取付手段(取付穴49Ra、取付穴49Rb等)でLED報知部32へと取付けた第1取付態様と、第2取付手段(取付穴49La、取付穴49Lb等)でLED報知部32へと取付けた第2取付態様とで、LED報知部32と液晶表示部31との上下方向の関係が異なる(何れか一方を上下に反転させた関係となる)ように構成することで、液晶表示部31とLED報知部32との配置関係を選択可能とした。これによれば、LED報知部32と液晶表示部31との対応関係を異ならせることで、1製品(島端表示装置7R,7L)にて遊技島11の右側の面と左側の面へ対応させることができる。
【0066】
前記第1取付態様と第2取付態様とで、液晶表示部31の上下方向が同一である一方、LED報知部32の上下方向が異なるように構成することで、LED報知部32に対して液晶表示部31を右側に配置するのか左側に配置するのかを選択可能とした。これによれば、液晶表示部31の上下を反転させる必要がないので、その画像の反転処理も行う必要がなく、簡単な構成とすることができる。
【0067】
回動手段である回動軸部材37を基礎取付手段(取付フレーム35)により遊技島11に取付けられるLED報知部32に設けることで、液晶表示部31の安定的な回動乃至支持が可能となる。
LED報知部32が報知状態となった場合に、液晶表示部31により補助表示を行うため、従来の代表ランプでは点灯や点滅だけでイベントの発生を把握していた従業員が、補助表示により詳細な状態を確認した上でイベントに対応可能となる。また、補助表示を行っていても遊技者向けの表示を行うため、イベントの発生の有無による遊技者の違和感を低減させることができる。
【0068】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたりしてもよい。
報知手段としてLEDを例示したが、例えば電球等を採用する等、どのような報知手段を採用しても良い。同様に表示手段も液晶以外に有機ELやプラズマディスプレイ等、どのような構成を採用しても良い。また、報知手段として液晶等を採用したり、表示手段としてLED等を採用しても良い。
【0069】
報知部における報知は従業員向けの報知が可能であれば、例えば新台情報や遊技情報等の表示を開始する際や表示中等に点滅等を行うことで遊技者向けの報知を行う場合があっても良い。
取付アーム37a,37bを設けることにより報知部と表示部とを接合させたが、報知部と表示部とに取付手段が設けられれば、必ずしも取付アーム37a,37bを報知部に設ける必要はなく、例えば表示部に取付アーム、報知部に取付穴を設けたり、電磁石等により接合する等しても良い。尚、少なくとも一方の取付手段が他方の取付手段に対して複数必要となる。
【0070】
報知部を上下対称、表示部を上下非対称とすることで違和感なく複数の遊技島11の面へと対応可能とすることを例示したが、報知部を上下非対称としたり、表示部を上下対称としたりしても、多少の違和感はあるが、汎用性を保つことは可能である。また、表示部における表示を反転させる等、処理が複雑にはなるが、表示部について画像の上下を反転可能とすれば表示部と報知部とを分離可能とする必要なく複数の遊技島11の面へと対応可能となる。
【0071】
報知部を上下非対象とする一方、表示部を上下対称として画像を上下反転可能とし、両者の対応関係を変更しても良い。この場合、報知部ではなく表示部の上下を入替えて接合(或いは支持)することになる。即ち、両者の対応関係を変更する場合に、表示部と報知部のいずれの上下を変更しても良い。
【0072】
報知部に対して表示部の角度を変更可能であれば必ずしも表示手段と報知手段とを分離可能に構成する必要はない。
取付アーム37a,37bを180度回動可能として、報知部を上下反転させることなく報知部に対して右側と左側の双方へと回動可能に構成すれば、報知部を上下に反転させる必要がなくなり、この場合も報知部を上下非対称としても違和感がなくなる。この場合、基礎取付手段の配置変更や、報知部と表示部との位置バランスを保つために回動部をスライドさせる構成等が必要になる場合もあるが、必要となる場合には適宜、構成を付け加えれば良い。
【0073】
また、遊技者等の悪戯や外観等を考慮して、取付穴49Ra〜49Lb等の取付穴のうち、取付アーム37a,37bが挿入されない取付穴について、目隠し用の蓋等を用いても良い。
報知部と表示部との上下の長さを略同一としたが、一方を他方よりも長くしたり短くしても良いし、例えば報知部を複数に分割する等して、1つの表示部に対して複数の報知部を設けて1製品とする構成としても良い。
【0074】
対象となる遊技機として、例示した以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等を対象としても良い。スロットマシンの場合、遊技価値はメダルとなり、スタートはゲームとなる。また、遊技媒体を用いない、点数による遊技を可能とする所謂封入式やクレジット式を対象としても良く、これらを考慮し、遊技媒体と点数とを包含する遊技価値と表現する場合がある。
【0075】
遊技機のスペックや設定値等、例示した全ての数値、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。勿論、その他の遊技情報も、直接的、間接的を問わず適宜最適な特定方法にて特定すれば良い。更に、中継装置4や表示装置3等にて行う等、各種情報処理はどのように分担しても良い。また、例示した構成は変形例を含めどのように組み合わせても良いし、適宜、行わなくても良い。