【解決手段】 給電ユニットに装着される給電子であり、並設されたワイヤ群に一括で接触することで当該ワイヤ群に電圧を供給する円柱状の給電子であって、前記円柱状の給電子の内側は前記給電子の外周の部材よりも電気的に低抵抗の部材であり、前記円柱状の軸方向の給電子の両端にも当該低抵抗の部材が設けられており、前記円柱状の軸方向の給電子の両端に設けられた当該低抵抗の部材が、前記給電ユニットが備える固定部材により固定されることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るマルチワイヤ放電加工装置1を前方から見た外観図である。尚、
図1に示す各機構(各手段)の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0020】
本発明の実施の形態に係るマルチワイヤ放電加工システムは、マルチワイヤ放電加工装置1、電源ユニット(電源装置)15、加工液供給装置18から構成されている。
【0021】
マルチワイヤ放電加工システムは、放電により、並設された複数本のワイヤ7(ワイヤ電極)の間隔で被加工物5(シリコンインゴットなど)を薄片にスライスすることができる。
【0022】
マルチワイヤ放電加工装置1は、電源ユニット15と電線(電圧印加線)を介して接続されており、電源ユニット15から供給される電力により作動する。
【0023】
マルチワイヤ放電加工装置1は、不図示のサーボモータにより駆動される被加工物の送り装置3が上下方向に移動することにより、被加工物の送り装置3に接着部4(たとえば、導電性接着剤)により接着されている被加工物5を上下方向に移動することができる。
【0024】
また、マルチワイヤ放電加工装置1は、本発明のワイヤ放電加工装置の適用例であり、ワイヤと被加工物との間で発生する放電により被加工物を加工する。
【0025】
本発明の実施の形態では、被加工物5が下方向に移動することで、被加工物5とワイヤ7とが接近し、被加工物5とワイヤ7との間で放電が発生し、被加工物5の放電加工を行う。このとき、被加工物5とワイヤ7との間の間隙(放電ギャップ(被加工物5とワイヤ7との間の隙間))には加工液が満たされており、この加工液が所定幅の電気抵抗値を有していることから、被加工物5とワイヤ7との間で放電が発生し、被加工物5の放電加工を行うことができる。
【0026】
また、被加工物の送り装置3をワイヤ7よりも下部へ設け、被加工物5を上方向へ移動させることにより、被加工物5とワイヤ7との間で放電加工を行わせるようにすることも可能である。
【0027】
本実施の形態では、被加工物5の一例としてシリコンインゴットを用いて説明するが、SIC(炭化シリコン)などの、絶縁体ではない他の材料(導体又は半導体)を用いることもできる。
【0028】
マルチワイヤ放電加工装置1は、
図1に示すように、マルチワイヤ放電加工装置1の土台として機能するブロック19と、ブロック19の上部の装置内に設置されている、ブロック2と、被加工物の送り装置3と、接着部4と、被加工物5と、加工液供給口701を備えた加工液槽6と、メインローラ8と、ワイヤ7と、メインローラ9と、給電ユニット10と、給電子11とを備えている。
【0029】
15は、電源ユニット(電源装置)であり、3は、サーボモータを制御する放電サーボ制御回路が放電の状態に応じて効率よく放電を発生させるために放電ギャップを一定の隙間に保つように制御し、また被加工物5の位置決めを行い、放電加工を進行させる。
【0030】
被加工物の送り装置3は、接着部4により接着(接合)されている被加工物5を上下方向に移動する機構を備えた装置であり、被加工物の送り装置3が下方向に移動することにより、被加工物5をワイヤ7に近づけることが可能となる。
【0031】
18は、加工液供給装置であり、放電加工部の冷却、加工チップ(屑)の除去に必要な加工液をポンプにより加工液槽6に加工液供給口701を介して供給すると共に、加工液中の加工チップの除去、イオン交換樹脂による比抵抗または電導度(1μS〜250μS)の管理、液温(20℃付近)の管理を行う。加工液には、主に水が使用されるが、放電加工油を用いることもできる。本実施の形態では、加工液の例として水を用いるが、放電加工油でもよい。
【0032】
8,9はメインローラであり、メインローラには、所望する厚さで加工出来るようにあらかじめ決められたピッチ、数で溝が形成されており、ワイヤ供給ボビンからの張力制御されたワイヤが2つのメインローラに必要数巻きつけられ、巻き取りボビンへ送られる。ワイヤ速度は100m/minから900m/min程度が用いられる。
【0033】
メインローラ9が回転することによりメインローラ9に巻きつけられたワイヤ7を走行させる。
【0034】
2つのメインローラが同じ方向でかつ同じ速度で連動して回転することにより、不図示のワイヤ繰出し部から送られた1本のワイヤ7がメインローラ(2つ)の外周を周回し、並設されている複数本のワイヤ7(ワイヤ群)を同一方向に走行させることができる。
【0035】
ワイヤ7は、1本の繋がったワイヤであり、図示しないボビンから繰り出され、メインローラ8、9の外周面のガイド溝(図示しない)に嵌め込まれながら、当該メインローラの外側に多数回(最大で2000回程度)螺旋状に巻回された後、図示しないボビンに巻き取られる。
【0036】
加工液槽6は、所定の範囲の比抵抗(電気伝導度)に管理された水を、並設されたワイヤ7(ワイヤ電極とも言う)と被加工物5とが近接する放電ギャップの位置(放電点)に加工液として供給している。
【0037】
加工液槽6は、被加工物5とワイヤ7との間の放電に用いられる加工液が貯留される加工液槽であって、被加工物5とワイヤ7との間に加工液槽6内の加工液が位置するように設けられている。
【0038】
加工液槽6内への加工液の供給は、加工液槽6の下部に備えられた加工液供給口701(加工液供給部とも言う。)から行われる。
【0039】
給電ユニット10は、電源ユニット15から電線を介して給電子11に対して電圧を印加し、当該電圧が印加される給電子11を装着して固定する給電装置である。
【0040】
給電ユニット10は、円柱の形状、又は円筒の形状(中空を有する形状)の給電子を装着し、ワイヤ群の走行方向に対して垂直方向(ワイヤ群が並んでいる幅方向)と平行になるように、給電子の(円柱又は円筒の)軸の傾きを調整する軸方向調整機構と、ワイヤ群の走行方向に対して垂直に給電子を押し当てるために、給電子(円柱又は円筒)をワイヤに対して平行に移動させる機構とを備えている。
【0041】
給電子11の表面のみ、又は内部を含む全ては、機械的摩耗に強く、導電性がある超硬合金が使用されている。
【0042】
メインローラ8,9の間の中央部の上部に、被加工物5が配置され、被加工物5は被加工物の送り装置3に取付けられており、被加工物の送り装置3が上下方向に移動することにより、被加工物5が上下方向に移動し、被加工物5の加工を行う。
【0043】
また、メインローラ8,9間の中央部に加工液槽6を設け、ワイヤ7および被加工物5を加工液槽6内の加工液に浸漬し、放電加工部の冷却、加工チップの除去を行う。
【0044】
また、ワイヤ7は、電気伝導体であり、電源ユニット15から電圧が供給された給電ユニット10の給電子11と、ワイヤ7とが接触することにより、当該供給された電圧が給電子11からワイヤ7に印加される。(給電子11を介してワイヤ7に電圧を印加している。)
【0045】
そして、ワイヤ7と、被加工物5との間で放電が起き、被加工物5を加工し(放電加工を行い)、薄板状の加工物(例えばシリコンウエハ)を作成することが可能となる。
次に、
図2について、説明する。
図2は、
図1に示した給電子11の外形を示す図である。
【0046】
図2の(a)は、給電子11の斜視図であり、
図2の(b)は、給電子11の側面図であり、
図2の(c)は、給電子11の平面図である。
図2に示すように、給電子11は、円柱の形状である。
【0047】
すなわち、
図2に示す給電ユニット10に装着される給電子11であり、並設されたワイヤ群に一括で接触することで当該ワイヤ群に電圧を供給する円柱状の給電子である。
【0048】
このように、給電子を円柱状にすることで、ワイヤ群にまとめて給電することが可能となり、給電子11とワイヤ群とが接触することによるワイヤ群のダメージを低減すると共に、給電子の円の全ての外周を、ワイヤ群と接触する部分として利用することが可能となるため、給電子の交換頻度を少なくし、給電子を長く使用することが可能となる。
次に、
図3について、説明する。
【0049】
図3は、
図1に示した給電子11と給電ユニット10が備える給電子固定ブロック301の側面図である。
【0050】
すなわち、
図3は、マルチワイヤ放電加工装置1を前方から見た場合の給電子11と給電ユニット10が備える給電子固定ブロック301の図である。
【0051】
図3に示すように、給電子11の円柱の外周に、複数のワイヤ7(ワイヤ群)が接触している。
【0052】
また、給電子固定ブロック301は、給電子を固定するためのブロックであり、給電子11を装着できるように、給電子11の円柱の円と同じ形状の凹みが形成されている。
【0053】
また、
図3に示すように、給電子11の円の中心点が、給電子固定ブロック301の内部に位置するように、給電子固定ブロック301に彫り(凹み)が形成されており、給電子11を、給電子11の円柱の軸方向にスライドさせて給電子固定ブロック301に装着することが可能となる。
【0054】
ただ、単に、給電子11の円柱の軸方向にスライドさせて給電子固定ブロック301に装着しただけでは、走行するワイヤ群に接触したことで給電子11が回転することも考えられる。そのため、給電子11の回転を防止するために、給電子を固定するための固定ねじ302を設けている。
【0055】
固定ねじ302は、給電子固定ブロック301に設けられたねじ穴から挿入され、給電子11に接触させることで、給電子11を固定する。
【0056】
次に、
図4、
図5、
図6、
図7を用いて、
図1に示した給電子11と、給電ユニット10が備える給電子固定ブロック301、及び給電子固定ブロック支持部402について説明する。
【0057】
図4は、
図1に示した給電子11と給電ユニット10が備える給電子固定ブロック301、及び給電子固定ブロック支持部402の側面図である。
【0058】
図5は、
図1に示した給電子11と給電ユニット10が備える給電子固定ブロック301、及び給電子固定ブロック支持部402の側面図であって、給電子固定ブロック支持部402が、給電子11とワイヤとの平行を維持したまま、鉛直方向に移動した図である。
図6は、給電子11が装着された給電ユニット10を上部から見た図である。
図7は、給電子11が装着された給電ユニット10を右側から見た図である。
【0059】
図4に示すように、給電ユニット10は、給電子固定ブロック301、及び給電子固定ブロック支持部402を備えている。
【0060】
給電子固定ブロック支持部402は、電源ユニット15から電線を介して給電子に供給される電圧が、給電ユニット10の土台であるブロック19に漏電させないための絶縁プレート403を更に備えている。
【0061】
また、
図6に示すように、給電子固定ブロック301と給電子固定ブロック支持部402は、締結用ねじ602により締結されている。
【0062】
本実施例では、給電子固定ブロック301と給電子固定ブロック支持部402とが別体でねじ等により締結されている例を示しているが、給電子固定ブロック301と給電子固定ブロック支持部402とが一体となり、一体になったものを給電ユニット10とすることもできる。
【0063】
給電子固定ブロック支持部402は、固定ねじ401と、レバー404と、固定ねじ405と、シャフト406と、固定ねじ407と、カム408と、シャフト固定部409と、プレート501と、プレート601とを備えている。
【0064】
固定ねじ401は、
図4〜7に示すように、プレート601とプレート501とを締結し、プレート501を重力方向上部に回転移動させるための支持部(回転軸)となる。
【0065】
また、レバー404は、楕円の形状のカム408と締結(結合)しているシャフト406と、固定ねじ407により締結されている。
【0066】
レバー404が備えているシャフト固定部409、及びシャフト406には、固定ねじ407のねじ穴があり、固定ねじ407により、シャフト406とレバー404が締結されている。
【0067】
また、固定ねじ405は、プレート501が、固定ねじ401を軸として回転した状態を維持するために設けられており、固定ねじ405を締めることで、レバー404を固定するためのねじである。
【0068】
シャフト406は、前後方向のプレート601の穴(シャフト406を通す穴)に装着されている。そして、シャフト406は、楕円の形状のカム408と結合している。
【0069】
そのため、
図5に示すように、レバー404を、シャフト406を軸に、左回転させると、カム408がプレート501に接触して、プレート501を固定ねじ401からシャフト604の直線を軸にして、プレート501を左回転させることで、給電子11を重力方向上部に移動させることが可能となる。
【0070】
シャフト406を中心にカム408を回転させる際に、固定ねじ405も、
図5の通り、左回転する。この固定ねじ405が移動するためにプレート601には円弧状の溝が設けられている。
【0071】
プレート501は、給電子固定ブロック301と締結用ねじ602により締結されている。
【0072】
プレート601は、給電子固定ブロック支持部402の前側、及び後側に、それぞれ設けられており、プレート501と固定ねじ401とシャフト604により締結されている。
【0073】
また、高さ調整用ねじ603は、給電子固定ブロック301を、ワイヤ群の走行方向に対して垂直方向(ワイヤ群が並んでいる幅方向)と平行になるように、プレート501と給電子固定ブロック301との間の高さを調整するものである。ここで、高さ調整用ねじ603は、軸方向調整機構の適用例である。
【0074】
図8は、給電子11が装着された給電ユニット10を左側がら見た図であって、ワイヤ群と給電子11とが平行になっていない様子を示す図である。
【0075】
図8では、ワイヤと給電子11との間の距離(L1)よりも、ワイヤと給電子11との間の距離(L2)の方が短くなっている。
【0076】
そのため、後側の高さ調整用ねじ603をしめることで、後方の給電子固定ブロック301とプレート501との間の距離を長くし、ワイヤ群と給電子11とを平行にすることが出来るようになる。
【0077】
後側の高さ調整用ねじ603をしめることで、後方の給電子固定ブロック301とプレート501との間の距離を長くし、ワイヤ群と給電子11とを平行にした図が
図9である。
【0078】
図9は、給電子11が装着された給電ユニット10を右側から見た図であって、後側の高さ調整用ねじ603をしめることで、後方の給電子固定ブロック301とプレート501との間の距離を長くし、ワイヤ群と給電子11とを平行にした図である。
【0079】
このように、ワイヤ群と給電子11とを平行にして、
図5に示すように、レバー404を左回転させることで、給電子11とワイヤ群とを平行に接触させることが可能となる。
次に、給電子11の変形例について説明する。
【0080】
これまで説明した給電子11は、
図10の(a)に示すように、超硬合金1001から構成されていることを前提に説明したが、給電子11の内部を、
図10の(b)に示すように、銅1002やステンレスなどの部材で構成するようにすることもできる。
【0081】
また、
図10の(c)に示すように、給電子11の内部を空(中空1003)にすることもできる。
図10は、複数の形態の給電子11の側面図である。
【0082】
図10の(b)に示したように、給電子11の内部を銅1002やステンレスなどの部材で構成し、外周を超硬合金1001で構成した給電子11の斜視図(a)、側面図(b)、平面図(C)を
図11に示す。
【0083】
図11に示すように、超硬合金1001の内部は銅1002が充填されており、給電子の超硬合金1001の軸方向の距離よりも長めに、銅1002が設けられている。
【0084】
すなわち、11に示す給電子は、給電ユニットに装着される給電子であり、並設されたワイヤ群に一括で接触することで当該ワイヤ群に電圧を供給する円柱状の給電子である。
【0085】
そして、円柱状の給電子の内側は、給電子の外周の部材(超硬合金1001)よりも電気的に低抵抗の部材(銅1002やステンレス)であり、円柱状の軸方向の給電子の両端にも当該低抵抗の部材が設けられている。
【0086】
このように、給電子11の内部を、超硬合金1001より安価で電気抵抗の低い銅1002やステンレスなどの部材で構成し、外周を超硬合金1001で構成することにより、安価に給電子を製作することができる。
【0087】
次に、
図10の(c)に示したように、給電子11の内部を空(中空1003)にし、外周を超硬合金1001で構成した給電子11の斜視図(a)、側面図(b)、平面図(C)を
図12に示す。
【0088】
このように中空1003を有する給電子11を用いる場合には、超硬合金1001より安価で電気抵抗の低い銅1002やステンレスなどの部材であるシャフト1301を、
図13に示すように挿入することで、給電子11の中心部の部材を再利用することが可能となる。
【0089】
また、この場合も、
図11で説明したように、給電子の超硬合金1001の軸方向の距離よりも長いシャフト1301が用いられる。
【0090】
シャフト1301は、ワイヤの本数に従ってシャフト1301の長さを調整する調整部を備えており、ワイヤの本数に従ってシャフト1301の長さを任意に短くしたり長くしたりすることができる。
【0091】
そのため、
図13に示す円筒状の給電子を複数、シャフト1301の中空に通すことで、ワイヤの本数に柔軟に対応することが可能となる。
【0092】
すなわち、シャフト1301は、複数の円筒状の給電子の軸方向の長さよりも長いシャフトである。
【0093】
図14で説明する固定部材(給電子固定用ねじ401)は、シャフト1301が、複数の円筒状の給電子に挿入され、当該挿入されたシャフトの両端、又はいずれか一方を押圧することにより複数の給電子を固定することもできる。
【0094】
次に、このような給電子を給電子固定ブロック301に固定する方法について、説明する。
【0095】
図14、
図15に示すように、給電子固定ブロック301と、銅1002、又はシャフト1301とを給電子固定用ねじ401で締結する。
【0096】
シャフト1301は、円筒状の給電子に挿入されるシャフトであって、給電子の部材よりも電気的に低抵抗の部材で構成され、給電子の軸方向の長さよりも長いシャフトである。
【0097】
これにより、給電子11を固定し、ワイヤが走行することにより給電子が回転することを防ぐことができる。また、
図3で示した固定ねじ302を用いる必要がなくなり、給電子の外周表面を固定ねじ302で傷つけるおそれも低減できる。
【0098】
このように、円柱状の軸方向の給電子の両端に設けられた当該低抵抗の部材が、給電ユニット10が備える固定部材(給電子固定用ねじ401)により固定される。
【0099】
また、給電ユニット10は、シャフトが、円筒状の給電子に挿入され、当該シャフトの両端、又はいずれか一方を押圧することにより給電子を固定する固定部材(給電子固定用ねじ401)を備えている。
【0100】
そして、給電子の両端に設けられた低抵抗の部材(銅やステンレス、又はシャフト(銅やステンレス))に、電源ユニットから電圧が供給される電線が接続されている。
【0101】
本実施形態で説明している電気的に低抵抗の部材は、銅、又はステンレスを含む材料を含む。
【0102】
図13、
図14に示した円柱状の給電子は、その円柱状の軸方向への給電子の長さを調整する調整部を備えている。
【0103】
例えば、この調整部は、給電子を多段構造にして、スライドさせることで、給電子の長さを伸ばしたり、短くしたりすることが可能である。
【0104】
次に、
図16は、給電子11の側面にマークを付した給電子の一例を示す図である。
【0105】
図16に示すように、給電子の側面にマークを付けることにより、給電子を回転した距離を容易に把握することが可能となる。
【0106】
また、本実施例に記載した全ての給電子は、給電子の円柱状、又は円筒状の軸方向への給電子の長さを調整する調整部を備えており、ワイヤの本数に従って給電子の長さを自由に長くしたり、短くしたりすることができる。