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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-209257(P2015-209257A)
(43)【公開日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/32 20060101AFI20151027BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20151027BHJP
【FI】
   B65D41/32 A
   B65D51/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-94000(P2014-94000)
(22)【出願日】2014年4月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】桑原 和仁
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠明
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084BA01
3E084BA09
3E084CA01
3E084CB01
3E084CC08
3E084DA01
3E084DB09
3E084EA04
3E084EB03
3E084EC09
3E084FA09
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB08
3E084GB12
3E084GB17
3E084KA12
(57)【要約】
【課題】容器本体の口部に対する嵌合力を高め、容器本体の密封性を高めること。
【解決手段】内容物が収容される容器本体2の口部2aの上端開口を覆う天壁部10と、口部内に嵌合されるシール筒11と、口部に外装される装着筒12と、装着筒を装着筒の径方向外側から囲繞する囲繞筒13と、装着筒と囲繞筒とを破断可能に連結する弱化部14とを備え、装着筒の内周面には外部に連通する連通路30が開口しているキャップ1を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体の口部の上端開口を覆う天壁部と、
前記天壁部に一体に連結され、前記口部内に嵌合されるシール筒と、
前記天壁部に一体に連結され、前記口部に外装される装着筒と、
前記装着筒を前記装着筒の径方向外側から囲繞する囲繞筒と、
前記装着筒と前記囲繞筒とを破断可能に連結する弱化部と、を備え、
前記装着筒の内周面には、外部に連通する連通路が開口していることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
請求項1に記載のキャップにおいて、
前記装着筒の内周面には、前記口部に形成された係合部に係合する被係合部が形成され、
前記連通路は、前記装着筒の内周面において、前記被係合部よりも上方に位置する部分に開口していることを特徴とするキャップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のキャップにおいて、
前記装着筒には、上方及び径方向外側の双方向に一体に開口する凹部が形成され、
前記連通路の開口部は、前記凹部を画成する内面のうち、上方を向く面と径方向外側を向く面との接続部分に一体に形成されていることを特徴とするキャップ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記天壁部には、前記天壁部における厚さ方向の中間部に前記天壁部の全域に亘って一体にガスバリア層が形成され、
前記ガスバリア層の外周端は、前記シール筒よりも径方向外側に達していることを特徴とするキャップ。
【請求項5】
請求項4に記載のキャップにおいて、
前記天壁部は、有頂筒状に形成されると共に、前記シール筒の内側に配置され、且つ前記シール筒に環状連結部を介して連結され、
前記ガスバリア層は、前記天壁部、前記環状連結部及び前記シール筒のそれぞれの厚さ方向の中間部に全域に亘って一体に形成されていることを特徴とするキャップ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記装着筒と前記囲繞筒とを連結すると共に、前記囲繞筒を前記装着筒に対して上方に向けて回動自在に連結するヒンジ片を備えていることを特徴とするキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
ドリンク剤等で使用される飲みきりタイプの飲料容器や、詰め替え容器等に多用されるキャップは、種々のものが提供されているが、例えば下記特許文献1に示されるように、ビン口内壁に嵌合する胴部と、胴部の上部を塞ぐ円盤部と、円盤部を径方向外側から囲むと共に、円盤部の一部に一体的に連結された環状把持部と、円盤部と環状把持部とを破断可能に連結する弱化部と、を備えたキャップが知られている。
このキャップによれば、環状把持部を引き上げることで、弱化部を破断させながら円盤部を介して胴部に外力を伝えることができ、該胴部をビン口内から取り外して開封を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4152717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のキャップでは、胴部がビン口内壁に単に嵌合しているだけであるので嵌合力が弱く、環状把持部の引き上げ操作をせずともキャップの全体がビン口から外れてしまう、或いはビン口との間に隙間が生じるおそれがあった。従って、密封性に改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、容器本体の口部に対する嵌合力を高め、容器本体の密封性を高めることができるキャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係るキャップは、内容物が収容される容器本体の口部の上端開口を覆う天壁部と、前記天壁部に一体に連結され、前記口部内に嵌合されるシール筒と、前記天壁部に一体に連結され、前記口部に外装される装着筒と、前記装着筒を前記装着筒の径方向外側から囲繞する囲繞筒と、前記装着筒と前記囲繞筒とを破断可能に連結する弱化部と、を備え、前記装着筒の内周面には外部に連通する連通路が開口していることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、シール筒及び装着筒が容器本体の口部を内外から挟み込んでいるので、口部に対する嵌合力を高めることができる。しかも、囲繞筒が装着筒を径方向外側から囲繞してガードしているので、外力が装着筒に対して直接的に伝わり難い。そのため、例えば外力によって装着筒が径方向外側に向けて拡径変形することを抑制することができる。従って、口部に対する強固な嵌合力を維持することができ、容器本体の密封性を高めることができる。
また、装着筒の内周面に連通路が開口しているので、この連通路を利用して洗浄に用いる液体(例えば洗浄液や冷却水等)を外部と口部の外周面との間で流動させることができ、洗浄作業に適切に対応することが可能となる。従って、利便性に優れたキャップとすることができる。
【0008】
なお、弱化部を破断して囲繞筒を取り外すと共に、シール筒及び装着筒を容器本体の口部から取り外すことで、容器本体の開封を行うことができる。このように、開封に伴って弱化部が破断するので、例えば弱化部が囲繞筒及び装着筒の各上端部同士を連結する場合には、弱化部の破断の有無を確認することで、使用前において不正な開封が行われたか否かを容易且つ確実に把握することができる。
【0009】
(2)前記装着筒の内周面には、前記口部に形成された係合部に係合する被係合部が形成され、前記連通路は、前記装着筒の内周面において、前記被係合部よりも上方に位置する部分に開口しても良い。
【0010】
この場合には、装着筒を口部に対してより強固に装着させることができるので、容器本体の密封性をさらに高めることができる。また、連通路が装着筒の内周面において被係合部よりも上方に位置する部分に開口しているので、被係合部に影響されることなく洗浄に用いる上記液体の排出や、口部の外周面への該液体の供給を行うことができ、上述した洗浄作業時における作用効果をより確実に奏功することができる。
【0011】
(3)前記装着筒には、上方及び径方向外側の双方向に一体に開口する凹部が形成され、前記連通路の開口部は、前記凹部を画成する内面のうち、上方を向く面と径方向外側を向く面との接続部分に一体に形成されても良い。
【0012】
この場合には、洗浄に用いる上記液体の排出や口部の外周面への該液体の供給をさらにスムーズに行うことができる。また、凹部と共に連通路を容易に形成することが可能になるので、キャップを成型する金型構造の複雑化を抑えつつ、キャップの容易な形成に繋げることができる。
【0013】
(4)前記天壁部には、前記天壁部における厚さ方向の中間部に前記天壁部の全域に亘って一体にガスバリア層が形成され、前記ガスバリア層の外周端は、前記シール筒よりも径方向外側に達していても良い。
【0014】
この場合には、容器本体の口部の上端開口を覆う天壁部にガスバリア層が形成されているので、例えばガス(酸素や二酸化炭素等)、湿気等の水分、紫外線等の光、内容物の匂い成分等が天壁部を透過することを抑えることができる。従って、内容物の品質維持に繋げることができる。特に、ガスバリア層の外周端がシール筒よりも径方向外側に達しているので、より確実なバリア性を確保することができる。
【0015】
(5)前記天壁部は、有頂筒状に形成されると共に、前記シール筒の内側に配置され、且つ前記シール筒に環状連結部を介して連結され、前記ガスバリア層は、前記天壁部、前記環状連結部及び前記シール筒のそれぞれの厚さ方向の中間部に全域に亘って一体に形成されていても良い。
【0016】
この場合には、天壁部が有頂筒状に形成されてシール筒の内側に配置されているので、シール筒のがたつきをなくし、容器本体の口部に対してシール筒をより安定に嵌合させることができる。従って、容器本体の密封性をさらに向上させ易い。
【0017】
(6)前記装着筒と前記囲繞筒とを連結すると共に、前記囲繞筒を前記装着筒に対して上方に向けて回動自在に連結するヒンジ片を備えていても良い。
【0018】
この場合には、ヒンジ片回りに囲繞筒を引き上げるように回動させることで、弱化部を破断できると共に、装着筒が径方向外側に向けて変形するような外力を、ヒンジ片を介して装着筒に加え易い。従って、容器本体の口部に対する嵌合力を弱めることができ、キャップの全体を容器本体の口部からスムーズに取り外し易い。従って、開封操作をより容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、容器本体の口部に対する嵌合力を高めることができ、容器本体の密封性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るキャップの第1実施形態を示す上面図である。
図2図1に示すA−A線に沿ったキャップの縦断面図である。
図3図2に示す連通路の周辺を拡大した断面図である。
図4図2に示す状態から囲繞筒を上方に向けて回動させた状態を示す図である。
図5】第1実施形態の変形例を示すキャップの上面図である。
図6図5に示すB−B線に沿ったキャップの縦断面図である。
図7】本発明に係るキャップの第2実施形態を示す上面図である。
図8図7に示すC−C線に沿ったキャップの縦断面図である。
図9図8に示す連通路の周辺を拡大した断面図である。
図10】本発明に係るキャップの第3実施形態を示す上面図である。
図11図10に示すD−D線に沿ったキャップの縦断面図である。
図12図11に示す連通路の周辺を拡大した断面図である。
図13図10に示すキャップの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るキャップの第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のキャップ1は、内容物が収容される容器本体2の口部2aの上端開口を覆う有頂筒状の天壁部10と、口部2a内に嵌合されるシール筒11と、口部2aに外装される装着筒12と、装着筒12を囲繞する囲繞筒13と、装着筒12と囲繞筒13とを破断可能に連結する第1弱化部14及び第2弱化部15の2つの弱化部と、を備えている。
【0022】
なお、容器本体2、天壁部10、シール筒11、装着筒12及び囲繞筒13は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、この容器軸Oに沿った天壁部10側を上側、容器本体2側を下側という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0023】
天壁部10は、円板状の天板部10aと、天板部10aの外周縁から下方に向けて延びた周壁部10bと、で有頂筒状に形成されており、シール筒11の内側に配置されている。周壁部10bは、シール筒11の径方向内側に配置され、シール筒11に対して間隔をあけて向かい合っている。周壁部10bの下端部とシール筒11の下端部とは、環状連結部16を介して連結されている。これにより、有頂筒状の天壁部10とシール筒11とは一体に連結されている。
【0024】
シール筒11の上端部と装着筒12の上端部とは、容器本体2の口部2aの開口端縁上に配置された環状のフランジ部17を介して連結されている。これにより装着筒12は、フランジ部17及びシール筒11を介して天壁部10に一体に連結されている。
これらシール筒11及び装着筒12は、例えば打栓によって、シール筒11と装着筒12との間に形成された環状溝20内に口部2aが入り込むことで、口部2aに対して嵌合固定されている。この際、シール筒11及び装着筒12は、口部2aを内外から挟み込んでいるので、強固な嵌合力で口部2aに装着されている。
【0025】
なお、シール筒11は、容器本体2の口部2a内に例えば液密又は気密に嵌合されており、容器本体2内を確実に密封している。装着筒12は、口部2aに対してアンダーカット嵌合されている。具体的には、装着筒12の下端部における内周面には、口部2aの外周面に形成された第1係合突起(係合部)21に係合する第2係合突起(被係合部)22が径方向内側に向けて突出しており、第2係合突起22が第1係合突起21に対してアンダーカット嵌合されている。
なお、第1係合突起21及び第2係合突起22は、環状に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
【0026】
囲繞筒13は、装着筒12を径方向外側から囲み、且つ装着筒12との間に環状の隙間を確保する筒状に形成されている。なお、囲繞筒13の容器軸Oに沿った長さ及び厚みは、図示の例では装着筒12と同等とされている。
【0027】
囲繞筒13と装着筒12とは、ヒンジ片23を介して分離不能に連結されていると共に、上述した第1弱化部14及び第2弱化部15によって破断可能に連結されている。
【0028】
ヒンジ片23は、装着筒12の下端部における外周面と囲繞筒13の下端部における内周面とを連結するように形成されていると共に、囲繞筒13を装着筒12に対して上方に向けて回動自在に連結している。なおヒンジ片23は、周方向に延びた円弧状に形成され、装着筒12と囲繞筒13とを互いに部分的に連結している。
これにより、囲繞筒13は、ヒンジ片23回りに上方に向けて回動することで、装着筒12を囲繞した状態から、装着筒12に対して上方に離間するように移動可能とされている(図4参照)。
【0029】
なお、ヒンジ片23の位置は特に限定されるものではないが、上述のように装着筒12の下端部と囲繞筒13の下端部とを連結する位置に形成することが好ましい。このようにすることで、囲繞筒13を回動させた際に、囲繞筒13側の第2係合突起22を径方向外側に向けて引っ張り易く、第1係合突起21と第2係合突起22との嵌合を解除し易くなる。そのため、後述する容器本体2の開封操作を容易に行うことが可能となる。
【0030】
また、囲繞筒13には、該囲繞筒13の回動操作を容易に行うための指掛け片24が形成されている。この指掛け片24は、容器軸Oを挟んでヒンジ片23とは反対側に位置する部分から径方向外側に向けて突出するように形成されている。
【0031】
第1弱化部14は、装着筒12の下端部における外周面から径方向外側に向かって突出するように形成されており、囲繞筒13の下端部における内周面に連結されている。この第1弱化部14は、囲繞筒13が装着筒12を囲繞している状態を安定化させるためのものであり、囲繞筒13の回動操作に伴って破断する。
図示の例では、第1弱化部14は、平面形状が囲繞筒13に向けて先細りとなる台形形状に形成されている。但し、この場合に限定されるものではなく適宜変更して構わない。また、第1弱化部14は、少なくとも1つだけ形成されていれば良いが、周方向に間隔をあけて複数形成されていることが好ましい。
【0032】
図示の例のように、第1弱化部14の平面形状を、囲繞筒13に向けて先細りとなる台形形状とした場合には、第1弱化部14の厚みが囲繞筒13に向けて漸次薄肉となるように形成することが好ましい。このようにすることで、第1弱化部14の破断が容易となる。さらに、この場合には、第1弱化部14の破断予定端14aを、囲繞筒13との連結部分(囲繞筒13と第1弱化部14との境界部分)に位置させることができる。これにより、囲繞筒13の回動操作によって第1弱化部14が破断した際、該第1弱化部14の破断痕を装着筒12側に残すことができる。従って、例えば囲繞筒13そのものに指を掛けながら囲繞筒13を回動操作した場合、第1弱化部14の破断痕による不快な刺激を使用者に与えることを抑制することができる。
【0033】
但し、第1弱化部14の破断予定端14aが装着筒12との連結部分に位置するように、第1弱化部14を形成しても構わない。また、破断予定端14aは、第1弱化部14の幅や厚みを適宜変更して、平面形状を変化させることによって容易に形成することが可能であるが、それ以外に、例えば薄肉部、ミシン目状の穿孔、或いはスリット状の切れ込み等を設けることで形成しても良い。
【0034】
第2弱化部15は、装着筒12の上端部と囲繞筒13の上端部とを連結するように形成されている。この第2弱化部15は、第1弱化部14と同様に、囲繞筒13が装着筒12を囲繞している状態を安定化させるためのものであり、囲繞筒13の回動操作に伴って破断する。
図示の例では、第2弱化部15は、天板部10aと同じ平面内において周方向に沿って円弧状に延びた薄肉の板状に形成されており、容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように2つ形成されている。この際、2つの第2弱化部15は、容器軸O方向から見て、ヒンジ片23と指掛け片24とを結んだ仮想線に対して直交した位置に配置されている。従って、囲繞筒13を回動操作した際、第2弱化部15は、指掛け片24側に位置する一方の周端15a側から破断が始まり、破断予定線15cにそってヒンジ片23側に位置する他方の周端15bまで破断が進行する。
【0035】
図示の例では、破断予定線15cを装着筒12の外周面に一致させている。但し、破断予定線15cを囲繞筒13の内周面に一致させても構わない。
破断予定線15cを装着筒12の外周面に一致させた場合には、第2弱化部15の破断痕は囲繞筒13側に残ることになる。これに対して、破断予定線15cを囲繞筒13の内周面に一致させた場合には、第2弱化部15の破断痕は装着筒12側に残ることになる。
また、第2弱化部15の破断を容易にするために、破断予定線15cを、例えばミシン目状の穿孔、或いはスリット状の切れ込み等によって形成しても良い。
【0036】
また、装着筒12の下端部における外周面には、第1弱化部14に対して周方向に隣接した位置に保護突起29が形成されている。
この保護突起29は、使用者の指先を第1弱化部14の破断痕から保護して、使用者に不快な刺激を与えることを抑制するものであって、第1弱化部14と同程度突出するように形成されている。従って、第1弱化部14の破断痕が囲繞筒13側に残る場合には、保護突起29を囲繞筒13側に形成する必要がある。いずれにしても、保護突起29は、第1弱化部14の破断痕が残る側の部材に設ければ良い。
【0037】
図示の例では、保護突起29は、周方向に延びるように円弧状に形成されていると共に、第1弱化部14を周方向から挟むように、複数形成されている。但し、保護突起29の形状や数は、適宜変更して構わない。例えば第1弱化部14の上方又は下方に位置する部分に、第1弱化部14に隣接して保護突起29を形成しても良い。つまり、第1弱化部14に隣接する位置であれば、保護突起29の形成位置は特に限定されるものではない。
なお、保護突起29が第1弱化部14に隣接して形成されるとは、数ミリ程度の微小な間隔で離間して位置する場合や、第1弱化部14に一体的に連結している場合を含む。
【0038】
ところで、上述のように構成されたキャップ1には、装着筒12の内周面に、外部に連通する連通路30が開口していると共に、天壁部10にガスバリア層35が形成されている。
【0039】
連通路30は、装着筒12に形成された凹部31を通じて外部に連通している。この凹部31は、装着筒12の上端部に形成されていると共に、上方及び径方向外側の双方向に一体に開口するように形成されている。
図示の例では、凹部31は容器軸O方向から見た平面視で四角形状に開口するように形成されていると共に、周方向に間隔をあけて複数形成されている。連通路30は、図3に示すように、装着筒12の内周面に開口する開口部30aが、凹部31を画成する内面のうち、上方を向く面31aと径方向外側を向く面31bとの接続部分に一体に形成されている。そして、連通路30は、装着筒12の内周面において第2係合突起22よりも上方に位置する部分に開口している。
【0040】
図2に示すように、ガスバリア層35は、天壁部10における厚さ方向の中間部に該天壁部10の全域に亘って一体に形成されている。具体的には、ガスバリア層35は、有頂筒状の天壁部10、環状連結部16及びシール筒11のそれぞれの厚さ方向の中間部に全域に亘って一体に形成されている。その際、ガスバリア層35は、外周端がシール筒11よりも径方向外側に達するように形成されている。
【0041】
なお、ガスバリア層35は、例えばガス(酸素や二酸化炭素等)や、湿気等の水分、紫外線等の光、内容物の匂い成分等の透過を規制するバリア性を有する樹脂であり、バリアする対象物に応じて適宜選択される。例えば、ガスに対するバリア性を発揮させる場合には、ナイロン系樹脂やエチレンビニルアルコール共重合体樹脂等が挙げられ、特に、酸素バリア性を発揮させる場合には、メタキシレンジアミン系ナイロンやエチレンビニルアルコール共重合体樹脂等を基材とした酸素吸収性樹脂や、鉄系の酸素吸収材をオレフィン樹脂等に練り込んだ樹脂を使用することができる。
また、例えば水分に対するバリア性を発揮させる場合には、環状ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、紫外線等に対する遮光性を発揮させる場合には、紫外線吸収剤を含有させた樹脂層や着色樹脂層等が挙げられる。
【0042】
(キャップの使用)
次に、上述したように構成されたキャップ1を使用する場合について説明する。
はじめに、キャップ1の装着時、図1及び図2に示すように、シール筒11及び装着筒12が容器本体2の口部2aを内外から挟み込んだ状態で、キャップ1が口部2aに嵌合固定されているので、口部2aに対する嵌合力を高めることができる。しかも、囲繞筒13が装着筒12を径方向外側から囲繞してガードしているので、外力が装着筒12に対して直接的に伝わりにくい。そのため、例えば外力によって、装着筒12が径方向外側に向けて拡径変形することを抑制することができる。従って、口部2aに対する強固な嵌合力を維持することができ、容器本体2の密封性を高めることができる。
【0043】
また、装着筒12の内周面に連通路30が開口しているので、例えば容器本体2内に内容物を充填した後、洗浄液によって口部2aを洗浄したときに、連通路30を通して洗浄液を外部に容易に排出することが可能となる。
或いは、例えば内容物を熱充填した場合には、口部2aにキャップ1を装着した後、冷却水をかけることで容器本体2の全体を冷却する場合がある。この場合においても、連通路30を通して冷却水をキャップ1の外部から口部2aの外周面に向けて供給することができるので、冷却中に冷却水を利用して口部2aの洗浄も同時に行うことが可能となる。
なお、上述した冷却を必要としない場合、内容物の充填後、口部2aの外周面を洗浄する前に口部2aにキャップ1を装着したときであって、連通路30を通して洗浄液をキャップ1の外部から口部2aの外周面に向けて供給することができるので、やはり洗浄を適切に行うことができる。
このように、冷却水又は洗浄液のいずれかを使用した場合や、キャップ1の装着タイミングが洗浄の前又は後の場合であったとしても、洗浄作業に適切に対応することができ、利便性に優れたキャップ1とすることができる。
【0044】
特に、連通路30は、上方及び径方向外側の双方に一体に開口する凹部31を通じて外部に連通するので、洗浄に用いる液体(洗浄液や冷却水)の排出や、口部2aの外周面への該液体の供給をスムーズに行うことができる。また、凹部31と共に連通路30を容易に形成することが可能となるので、キャップ1を成型する金型構造の複雑化を抑えつつ、キャップ1の容易な形成に繋げることができる。
さらに、連通路30は、装着筒12の内周面において第2係合突起22よりも上方に位置する部分に開口しているので、第2係合突起22に影響されることなく上記液体の排出や口部2aの外周面への上記液体の供給を行うことができ、上述した洗浄作業に伴う作用効果をより確実に奏功することができる。
【0045】
また、ガスバリア層35を具備しているので、例えばガス(酸素や二酸化炭素等)、湿気等の水分、紫外線等の光、内容物の匂い成分等が天壁部10を透過することを抑えることができ、内容物の品質維持に繋げることができる。特に、ガスバリア層35の外周端がシール筒11よりも径方向外側に達しているので、より確実なバリア性を確保することができる。
【0046】
次に、キャップ1を取り外す場合には、図4に示すように、ヒンジ片23回りに囲繞筒13を引き上げるように回動させる。これにより、第1弱化部14及び第2弱化部15を回動に伴って徐々に破断させることができる。そして、囲繞筒13を回動操作しながら、或いは回動操作後、例えば囲繞筒13を斜め上方に引っ張ることで、装着筒12が径方向外側に向けて変形するような外力を、ヒンジ片23を介して装着筒12に加えることができる。従って、容器本体2の口部2aに対する嵌合力を弱めることができ、キャップ1の全体を容器本体2の口部2aからスムーズに取り外すことができる。これにより、容器本体2の開封を行うことができる。
【0047】
また、開封時、第1弱化部14及び第2弱化部15が破断するので、これら第1弱化部14及び第2弱化部15の破断の有無を確認することで、使用前において不正な開封が行われたか否かを容易且つ確実に把握することができる。
特に、第2弱化部15は、上方に位置しているので、第1弱化部14に比べて容易に視認し易く、破断の有無を一目で把握することができる。そのため、不正な開封が行われたか否かをさらに容易に把握し易い。
【0048】
なお、キャップ1を取り外す場合、囲繞筒13の回動操作により第1弱化部14及び第2弱化部15を破断させた後、囲繞筒13をそのまま利用するのではなく、例えば指先等で装着筒12に外力を加えることで、容器本体2の口部2aから取り外しても構わない。この場合、上述したように装着筒12に保護突起29が形成されているので、第1弱化部14の破断痕による指先への不快な刺激を抑制することができる。従って、この場合であっても開封操作をスムーズに行える。
【0049】
なお、上述した第1実施形態では、天壁部10を有頂筒状に形成したが、この場合に限定されるものではない。例えば、図5及び図6に示すように、平坦な円板状に形成された天壁部41を有するキャップ40としても構わない。この場合の天壁部41は、外周端が容器本体2の口部2aの開口端縁上に位置しており、外周端に装着筒12の上端部が一体に連結されている。また、シール筒11は、天壁部41から下方に向けて延びるように形成されている。
【0050】
このように構成されたキャップ40であっても、同様の作用効果を奏功することができる。但し、天壁部を有頂筒状に形成してシール筒11の内側に配置した場合には、シール筒11のがたつきをなくして、容器本体2の口部2aに対してシール筒11をより安定に嵌合させ易い。従って、容器本体2の密封性を向上させ易いのでより好ましい。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明に係るキャップの第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0052】
図7図9に示すように、本実施形態のキャップ50は、装着筒12が囲繞筒13よりも上方に突出するように、装着筒12及び囲繞筒13の高さが調整されている。図示の例では、第1実施形態に比べて、囲繞筒13の高さが低く形成されており、これにより装着筒12のうち上半分程度が囲繞筒13の上方に突出している。
【0053】
そして、装着筒12のうち囲繞筒13の上方に突出している部分には、スリット状の連通路51が形成されている。この連通路51は、装着筒12の外周面から内周面に向かうに従い漸次開口高さが小さくなる断面テーパ状とされ、且つ周方向に延びた円弧状に形成されている。従って、連通路51の開口部51aは、装着筒12の内周面に横長に開口している。
なお、連通路51は、装着筒12のうち囲繞筒13の上方に突出している部分に形成されているので、例えばキャップ50を成型した後に、連通路51だけを後加工により容易に形成することが可能である。
【0054】
このように構成されたキャップ50であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。特に本実施形態のキャップ50の場合には、第1実施形態における凹部31が不要であるので、ガスバリア層35の外周端を第1実施形態よりもさらに径方向外側に延ばすことが可能である。従って、バリア性をさらに向上させ易い。
なお、図示の例では、ガスバリア層35が装着筒12の上端部付近まで延びているが、ガスバリア層35を装着筒12の厚さ方向の中間部に全域に亘って一体に形成し、装着筒12の下端部まで延ばしても良い。
【0055】
(第3実施形態)
次に、本発明に係るキャップの第3実施形態について説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0056】
図10図12に示すように、本実施形態のキャップ60は、上方及び径方向外側の双方に一体に開口する凹部31が、周方向に連続的に延びるように形成されている。図示の例では、凹部31は、装着筒12の3/4周を若干超える程度、周回するように周方向に沿って延びている。
本実施形態の連通路61は、周方向に沿って延びるスリット状とされ、周方向に間隔をあけて複数形成されている。この際、各連通路61の開口部61aは、第1実施形態と同様に、凹部31を画成する内面のうち、上方を向く面31aと径方向外側を向く面31bとの接続部分に一体に形成されている。但し、各連通路61の開口部61aは、径方向外側を向く面31bに周方向に切れ込みを入れるように形成されている。
【0057】
また、図13に示すように、装着筒12のうちヒンジ片23が連結されている部分の一部は、肉厚が他の部分よりも薄く形成された薄肉部62とされ、容易に破断が可能とされている。この薄肉部62は、縦長に形成され、上端部がヒンジ片23側に位置する連通路61に達している。
【0058】
このように構成されたキャップ60によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、さらに以下の作用効果を奏功することができる。
すなわち、キャップ60を取り外すにあたって、ヒンジ片23回りに囲繞筒13を回動させた後、例えば囲繞筒13を捩じりながら斜め上方に引っ張ることで、薄肉部62を破断させることができ、さらに複数の連通路61の開口部61aを利用しながら凹部31に沿って装着筒12をフランジ部17から切り離すことができる。従って、装着筒12を帯状に延ばすことができ、容器本体2の口部2aの外周面から装着筒12を離脱させることができる。また、帯状に延びた装着筒12を介して囲繞筒13の引っ張り力をフランジ部17、シール筒11及び天壁部10に伝えることができる。
【0059】
従って、キャップ60の全体を容器本体2の口部2aからさらに容易に取り外すことができ、開封操作をスムーズに行うことができる。
このように、連通路61を洗浄時における洗浄口として利用するだけでなく、キャップ60の取り外し時における装着筒12の切り離しのアシスト部として利用することができ、多機能性を持たせることができる。
【0060】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0061】
例えば、上記各実施形態では、ヒンジ片23を介して装着筒12と囲繞筒13とを分離不能に連結したが、ヒンジ片23は必須な構成ではなく具備しなくても構わない。この場合には、第1弱化部14及び第2弱化部15を破断しながら、囲繞筒13を取り外せば良い。
また、保護突起29についても必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。但し、指先を第1弱化部14の破断痕から保護することができるので具備することが好ましい。
【0062】
また、上記各実施形態では、第1弱化部14及び第2弱化部15の両方を具備したが、いずれか一方だけを具備するだけも良い。但し、使用前に、囲繞筒13の姿勢を安定化させることができるので、第1弱化部14及び第2弱化部15の両方を具備することが好ましい。
【符号の説明】
【0063】
1、40、50、60…キャップ
2…容器本体
2a…容器本体の口部
10、41…天壁部
11…シール筒
12…装着筒
13…囲繞筒
14…第1弱化部(弱化部)
15…第2弱化部(弱化部)
16…環状連結部
21…第1係合突起(係合部)
22…第2係合突起(被係合部)
23…ヒンジ片
30、51、61…連通路
31…凹部
31a…凹部の上方を向く面
31b…凹部の径方向外側を向く面
35…ガスバリア層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13