特開2015-209271(P2015-209271A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-209271(P2015-209271A)
(43)【公開日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/24 20060101AFI20151027BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20151027BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20151027BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20151027BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20151027BHJP
【FI】
   B65D47/24 Z
   B65D47/32 Z
   B65D83/00 G
   B65D47/06 A
   B65D1/02 111
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-94210(P2014-94210)
(22)【出願日】2014年4月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】角田 義幸
【テーマコード(参考)】
3E014
3E033
3E084
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB04
3E014PC04
3E014PC07
3E014PD15
3E014PE15
3E014PF09
3E033AA01
3E033BA13
3E033BB08
3E033CA20
3E033DA03
3E033DC10
3E033FA03
3E033GA02
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084DC03
3E084KA03
3E084KB03
(57)【要約】
【課題】意図しない内容液の注出が防止できる二重容器を提案する。
【解決手段】本発明の二重容器は、内層体1に通じる注出筒部4bを有する隔壁4aと、通気口2cを取り囲むベースと、発泡体12に対して空気路Tからの空気を導入する空気導入口11f、発泡体12に対して注出筒部4bからの内容液を導入する液導入口10f、及び注出筒部4bに摺動可能に当接し注出筒部4bの軸線Oに沿うスライドを可能とする摺動筒部10aを有するノズルヘッド9と、隔壁4aに着座及び離反する弁体6bを有する空気用逆止弁6とを備え、ノズルヘッド9は、隔壁4aに近づく向きへのスライドによって摺動筒部10aと隔壁4aとで弁体6bを挟持するとともに液導入口10fを注出筒部4bで閉鎖する一方、隔壁4aから離れる向きへのスライドによって摺動筒部10aを弁体6bから離隔させるとともに液導入口10fを開放することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液を収容する減容変形自在な内層体と、口部周壁を貫通する通気口を有し該内層体との相互間に該通気口に通じる内部空間を形成する外層体と、該外層体への押圧に伴い該内層体の内容液及び該内部空間の空気を通過させて内容液を発泡させる発泡体を有し、該口部周壁に装着される注出キャップとを備える二重容器であって、
前記注出キャップは、
前記内層体の上部開口を覆うとともに該内層体に通じる注出筒部を有する隔壁と、
前記通気口を取り囲んで前記口部周壁に保持されるとともにその内側に該隔壁を収めるベースと、
該隔壁及び該ベースとの間で該通気口につながる空気路を形成するとともに、前記発泡体に対して該空気路からの空気を導入する空気導入口と、該発泡体に対して該注出筒部からの内容液を導入する液導入口とを有し、更に該液導入口を取り囲んで該注出筒部の外周面に摺動可能に当接し該注出筒部の軸線に沿うスライドを可能とする摺動筒部を有するノズルヘッドと、
該隔壁に着座及び離反することで該空気路を閉鎖及び開放する弁体を有する空気用逆止弁とを備え、
該ノズルヘッドは、該隔壁に近づく向きへのスライドによって該摺動筒部と該隔壁とで該弁体を挟持するとともに該液導入口を該注出筒部で閉鎖する一方、該隔壁から離れる向きへのスライドによって該摺動筒部を該弁体から離隔させるとともに該液導入口を開放する二重容器。
【請求項2】
前記ノズルヘッドは、前記摺動筒部、及び該摺動筒部と同心二重配置になるシール筒部をともに一体に連結するとともに前記注出筒部と前記発泡体との間を区画する区画壁を有し、該区画壁は、該シール筒部と該摺動筒部との間に前記液導入口を備え、該ノズルヘッドの該隔壁に近づく向きへのスライドによって該注出筒部を該シール筒部と該摺動筒部の間に入り込ませて該液導入口を閉鎖する請求項1に記載の二重容器。
【請求項3】
前記ノズルヘッドは、前記注出筒部と前記発泡体との間を区画するとともに前記摺動筒部を一体に連結し、該摺動筒部の内側に前記液導入口を有する区画壁を有し、
前記注出筒部は、該注出筒部に一体に連結するとともに前記内層体からの内容液を該液導入口に通す連通口を備える連結部と、該連結部に一体に連結するとともに該ノズルヘッドの該隔壁に近づく向きへのスライドによって該液導入口を閉鎖する棒状部とを有する請求項1に記載の二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液を収容する減容変形自在な内層体と、内層体を内側に収めて容器の外殻を形成する外層体とを備え、内容液の注出に伴って内層体のみが減容する二重容器に関するものであり、特に、内容液を泡状にして注出することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧水などの化粧料や、シャンプーやリンス或いは液体石鹸、また食品調味料や薬品などを収納する容器としては、内容液を収容する減容変形自在な内層体と、内層体を内側に収めて容器の外殻を形成する外層体とを備え、外層体の胴部を押圧することで内容液を注出する一方、押圧解除後は胴部が復元し、内層体と外層体との間に外気を導入して内層体を減容できるようにした二重容器(デラミ容器、積層剥離容器とも言う)が知られている。例えば特許文献1には、このような二重容器にフォーマーキャップを装着して、内容液を泡状にして注出することができるスクイズタイプの容器が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−149327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなスクイズタイプの容器では、例えば流通時に誤って落下させてしまったり強い振動が加わったりして胴部に力が加わると、内容液が意図せず注出されてしまうおそれがある。このため、流通時や店頭での陳列時には胴部に力が加わっても簡単には内容液が注出されることがない一方で、使用時には簡便な操作で注出可能な状態に切り替えることができる、新たな二重容器が求められていた。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、胴部に力が加わっても簡単には内容液が注出されることがない注出不能状態と、胴部に力を加えれば内容液が泡状に注出できる注出可能状態とを簡単に切り替えることができる、新たな二重容器を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内容液を収容する減容変形自在な内層体と、口部周壁を貫通する通気口を有し該内層体との相互間に該通気口に通じる内部空間を形成する外層体と、該外層体への押圧に伴い該内層体の内容液及び該内部空間の空気を通過させて内容液を発泡させる発泡体を有し、該口部周壁に装着される注出キャップとを備える二重容器であって、
前記注出キャップは、
前記内層体の上部開口を覆うとともに該内層体に通じる注出筒部を有する隔壁と、
前記通気口を取り囲んで前記口部周壁に保持されるとともにその内側に該隔壁を収めるベースと、
該隔壁及び該ベースとの間で該通気口につながる空気路を形成するとともに、前記発泡体に対して該空気路からの空気を導入する空気導入口と、該発泡体に対して該注出筒部からの内容液を導入する液導入口とを有し、更に該液導入口を取り囲んで該注出筒部の外周面に摺動可能に当接し該注出筒部の軸線に沿うスライドを可能とする摺動筒部を有するノズルヘッドと、
該隔壁に着座及び離反することで該空気路を閉鎖及び開放する弁体を有する空気用逆止弁とを備え、
該ノズルヘッドは、該隔壁に近づく向きへのスライドによって該摺動筒部と該隔壁とで該弁体を挟持するとともに該液導入口を該注出筒部で閉鎖する一方、該隔壁から離れる向きへのスライドによって該摺動筒部を該弁体から離隔させるとともに該液導入口を開放する二重容器である。
【0007】
前記ノズルヘッドは、前記摺動筒部、及び該摺動筒部と同心二重配置になるシール筒部をともに一体に連結するとともに前記注出筒部と前記発泡体との間を区画する区画壁を有し、該区画壁は、該シール筒部と該摺動筒部との間に前記液導入口を備え、該ノズルヘッドの該隔壁に近づく向きへのスライドによって該注出筒部を該シール筒部と該摺動筒部の間に入り込ませて該液導入口を閉鎖することが好ましい。
【0008】
前記ノズルヘッドは、前記注出筒部と前記発泡体との間を区画するとともに前記摺動筒部を一体に連結し、該摺動筒部の内側に前記液導入口を有する区画壁を有し、
前記注出筒部は、該注出筒部に一体に連結するとともに前記内層体からの内容液を該液導入口に通す連通口を備える連結部と、該連結部に一体に連結するとともに該ノズルヘッドの該隔壁に近づく向きへのスライドによって該液導入口を閉鎖する棒状部とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ノズルヘッドを隔壁に近づく向きへスライドさせることによって、摺動筒部と隔壁とで弁体を挟持して空気路を閉鎖することができるとともに液導入口を注出筒部で閉鎖することができる(注出不能状態)。また、ノズルヘッドを隔壁から離れる向きへのスライドさせることによって、摺動筒部を弁体から離隔させるとともに該液導入口を開放することができる(注出可能状態)。すなわち、ノズルヘッドをスライドさせるだけの簡単な操作で、注出不能状態と注出可能状態とを切り替えることができる。
【0010】
特に、ノズルヘッドに、摺動筒部及びシール筒部を一体に連結するとともに注出筒部と発泡体との間を区画する区画壁を設け、区画壁に、シール筒部と摺動筒部との間において液導入口を設け、ノズルヘッドの隔壁に近づく向きへのスライドによって、注出筒部をシール筒部と摺動筒部の間に入り込ませて液導入口を閉鎖する場合、或いは、ノズルヘッドに、注出筒部と発泡体との間を区画するとともに摺動筒部を一体に連結し、且つ摺動筒部の内側に液導入口を有する区画壁を設け、注出筒部に、この注出筒部に一体に連結するとともに内層体からの内容液を液導入口に通す連通口を備える連結部と、連結部に一体に連結するとともにノズルヘッドの隔壁に近づく向きへのスライドによって液導入口を閉鎖する棒状部とを設ける場合は、注出キャップの構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に従う二重容器の一実施形態を示す、注出不能状態での断面図である。
図2図1に示す二重容器の注出可能状態での断面図である。
図3】本発明に従う二重容器の他の実施形態を示す、注出不能状態での断面図である。
図4図3に示す二重容器の注出可能状態での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。なお、本明細書、特許請求の範囲、及び要約書において、「上」とは、外層体の口部周壁に対してノズルヘッドが位置する側であり、「下」とは、その反対側である。
【0013】
図1は、本発明に従う二重容器の一実施形態を示す。本実施形態の二重容器は、内容液を収容する内層体1と、内層体1を内側に収める外層体2と、外層体2に装着される注出キャップ3を備えている。注出キャップ3は、中栓4と、移動弁体5と、空気用逆止弁6と、ベース7と、外気導入用逆止弁8とを備え、更にノズルヘッド9を備えている。ノズルヘッド9は、ホルダー10と、ノズルヘッド本体11と、発泡体12とを備えている。更に本実施形態の二重容器は、オーバーキャップ13を備えている。
【0014】
内層体1は、その内側に内容液を収容する収容空間Sと、この収容空間Sにつながる上部開口1aを備えている。内層体1は薄肉の合成樹脂製であって、減容変形自在となっている。
【0015】
外層体2は、円筒状の口部周壁2aに、図示を省略する復元自在な可撓性を有する胴部、及び胴部の下端を閉鎖する底部を連結したものである。口部周壁2aの外面には雄ねじ部2bを設けている。また、口部周壁2aには、内層体1との間に形成される内部空間に空気を取り込むための貫通孔(通気口)2cを設けていて、更に、通気口2cを設けた外面には、上下方向に雄ねじ部2bを切り欠く溝部2dを設けている。
【0016】
本実施形態において内層体1と外層体2は、相互に相溶性が低い合成樹脂を剥離可能に積層させたものである。図示は省略するが内層体1と外層体2との間には、上下方向に延在して内層体1と外層体2とを部分的に接合する、1本或いは複数本の接着帯を設けてもよい。なお、このような内層体1と外層体2は、内層体1の合成樹脂素材と外層体2の合成樹脂素材とが積層されたパリソンを、ブロー成形することによって得ることができるが、他にも、試験管状に形成したプリフォームを2軸延伸ブロー成形することや、外層体及び内層体を個別に形成し、その後、内層体を外層体内に装着するようにしたものでもよい。
【0017】
中栓4は、内層体1の上部開口1aを覆う板状の隔壁4aを備えている。隔壁4aには、上下を貫通させた円筒状の注出筒部4bが設けられている。注出筒部4bの下端部は、下方に向けて縮径する縮径部4cとなっている。また隔壁4aの下面には、口部周壁2aの内面との間で内層体1を挟む円筒状のシール壁4dが設けられている。隔壁4aの上面には、上方を開放させた凹部4eが設けられていて、凹部4eを形成する隔壁4aの面には、溝部4fが設けられている。更に、隔壁4aの縁部には、上方へ向けて延在する縁壁4gが設けられていて、縁壁4gの根元には、貫通孔4hが設けられている。
【0018】
注出筒部4b内には、本実施形態では球状となる移動弁体5が設けられている。移動弁体5は、縮径部4cに着座することで、収容空間Sをシールすることができる。また、移動弁体5は、外層体2を起立姿勢から傾倒姿勢に姿勢変更することで縮径部4cから離反し、外層体2の胴部を押圧することによって注出筒部4bとの隙間を通して内容液を収容空間Sから注出することができる。
【0019】
空気用逆止弁6は、円筒状となる環状壁6aの内面に、円板状となる薄肉の弁体6bを一体に連結したものである。環状壁6aは、凹部4eに嵌め込まれて保持される。なお、環状壁6aと溝部4fとの間には、空気の通る通路が形成される。また弁体6bは、隔壁4aの上面に対して気密に当接していて、通常は環状壁6aと溝部4fとの間の通路を閉鎖しているが、この通路内を通る空気の圧力が高まると隔壁4aから離反して通路を開放する。
【0020】
ベース7は、通気口2cを取り囲み、その下端部を口部周壁2aの外面に気密に当接させる円筒状の外周壁7aを備えている。外周壁7aの内面には、雄ねじ部2bに対応する雌ねじ部7bが設けられている。なお、ねじに代えてアンダーカットで保持するようにしてもよい。外周壁7aの上部には、径方向内側に延在する天壁7cが設けられ、天壁7cの内縁部には、下方に向けて延在して環状壁6aを抜け止め保持する円筒状の内部周壁7dが設けられている。
【0021】
また天壁7cには、内部周壁7dの径方向外側において、外界へ通じる貫通孔(外気導入口)7eが設けられている。また、外気導入口7eの周囲には、下方に向けて延在する円筒状のガイド壁7fが設けられていて、ガイド壁7fには、径方向内側に向けて突出する凸部7gが設けられている。
【0022】
外周壁7aには、その上方において、上下方向に延在するとともに径方向内側へ凹ませた凹所7hと、凹所7hよりも延在長さが大きく且つ深さが深いガイド溝7iが設けられている。
【0023】
外気導入用逆止弁8は、本実施形態では球状となっていて、ガイド壁7fの内側に設けられている。外気導入用逆止弁8は、通常、天壁7cの下面から離反して凸部7gによって抜け止め保持されていて、外層体2を傾倒姿勢に姿勢変更すると、天壁7cの下面に当接して外気導入口7eを閉鎖することができる。
【0024】
ホルダー10は、注出筒部4bの外面に摺動可能に当接して、ホルダー10を注出筒部4bの軸線(本実施形態では口部周壁2aの軸線Oに一致する)に沿ってスライドすることができる円筒状の摺動筒部10aを備えている。なお、ホルダー10が下方にスライドした際に弁体6bは、隔壁4aの上面と摺動筒部10aの下面との間で挟持される。これによって、環状壁6aと溝部4fとの間の通路を通る空気の流れが確実に遮断される。
【0025】
ホルダー10は、注出筒部4bの上方を覆って注出筒部4bの内側と注出筒部4bの上方とを区画する区画壁10bを備えていて、摺動筒部10aは、区画壁10bに一体に連結している。摺動筒部10aの径方向内側には、区画壁10bに一体に連結するとともに、摺動筒部10aと同心二重配置となる円筒状のシール筒部10cが設けられている。シール筒部10cの外面には、例えば突起等を設けて注出筒部4bの内面に液密に当接するようにしている。更にシール筒部10cの径方向内側には、区画壁10bに一体に連結するとともに移動弁体5の抜け出しを防止する棒状のストッパー10dが設けられている。
【0026】
ホルダー10の上面には、凹部10eが設けられている。また摺動筒部10aとシール筒部10cとの間には、区画壁10bを貫通して凹部10eに通じる貫通孔(液導入口)10fが設けられている。
【0027】
ノズルヘッド本体11は、ベース7の上方を取り囲む周壁11aと、周壁11aの上部に一体に連結する上壁11bを備えている。周壁11aの内面には、凹所7hに入り込んでノズルヘッド本体11を抜け止め保持する突起11cと、ガイド溝7iに入り込んでノズルヘッド本体11を回り止め保持するリブ11dが設けられている。
【0028】
上壁11bの下面には、下方に向けて延在する円筒状の筒状壁11eが一体に設けられている。筒状壁11eの外面には、例えば突起等が設けられていて、内部周壁7dの内面に摺動可能且つ気密に当接するように構成されている。また筒状壁11eの内面には、ホルダー10を嵌合保持する突起等が設けられているとともに、ホルダー10の外面との間で空気が流れる通路を形成している。この通路は、空気導入口11fを介して凹部10eに通じている。すなわち、中栓4、ベース7、及びノズルヘッド本体11の間には、内層体1と外層体2の間に形成される内部空間から通気口2c、溝部2d、貫通孔4h、溝部4f、及び離反した弁体6bと隔壁4aとの間に形成される隙間を通り、ホルダー10と筒状壁11eとの相互間に形成される通路を経て空気導入口11fに至る空気路Tが形成される。
【0029】
更に上壁11bの下面には、外気導入口7eを閉鎖する環状のシール壁11gが設けられている。
【0030】
上壁11bの上面には、上方へ向けて延在する円筒状のノズル11hが設けられている。ノズル11hの内面には突起11iが設けられている。
【0031】
発泡体12は、例えばスポンジやフェルト、焼結多孔質体のような、内側に多数の間隙を有するものである。発泡体12は、本実施形態では円柱状であって、凹部10eに配置され、突起11iによって抜け止め保持される。これにより発泡体12には、液導入口10fからの内容液と空気導入口11fからの空気とが、それぞれ個別に導入される。
【0032】
オーバーキャップ13は、板状の頂壁13aと、頂壁13aの縁部から下方に向けて延在する外周壁13bとを備えている。外周壁13bの内面には、周壁11aの下端に係合する突起(上部突起)13cと、外周壁7aの下端に係合する下部突起13dとが設けられている。また、頂壁13aの下面には、ノズル11hの内面に当接する環状のシール壁13eを備えている。
【0033】
このような形態となる二重容器は、図1に示すようにノズルヘッド本体11が下方に向けてスライドした状態(注出不能状態)において、弁体6bは、隔壁4aの上面と摺動筒部10aの下面との間で挟持され、液導入口10fは、注出筒部4bに液密に当接するシール筒部10cによって、収容空間Sに対して閉鎖されている。このため、外層体2の胴部が押圧されることがあっても、収容空間Sの内容液が簡単に注出されてしまうことがなくなる。なお、外気導入口7eは、シール壁11gによって閉鎖されているので、内部空間の空気が外界に漏れ出すことはない。
【0034】
内容液を注出する際には、まずオーバーキャップ13を取り外す。ここで、上部突起13cは周壁11aの下端に係合しているので、オーバーキャップ13の取り外しに伴って、図2に示すようにノズルヘッド本体11を一緒に引き上げることができる(注出可能状態に変位する)。このような構成にすれば、ノズルヘッド本体11を引き上げる作業が不要になるので、使い勝手がよくなる。
【0035】
そして、外層体2を傾倒姿勢に姿勢変更することによって、縮径部4cに着座していた移動弁体5が、ストッパー10dに向けて移動する。また外気導入用逆止弁8は、天壁7cの下面に当接して外気導入口7eを閉鎖するので、内部空間と外界とは非連通になる。ここで外層体2の胴部を押圧すると、内部空間の空気を介して収容空間Sが加圧され、収容空間S内の内容液は、注出筒部4bと移動弁体5との隙間を通り、液導入口10fを経て発泡体12に至る。また、内部空間の空気は加圧されているので、弁体6bは隔壁4aから離反する。このため、内部空間の空気は空気路Tを通り、空気導入口11fを経て発泡体12に至る。これにより内容液は、発泡体12内を移動するにつれて空気と混ざり合いつつ発泡して、ノズル11hから注出される。
【0036】
内容液を注出した後は、外層体2の胴部への押圧を解除して外層体2を元の起立姿勢に姿勢変更する。ここで外層体2は、それ自身の復元力により元の形状に戻ろうとするため、内部空間は負圧状態となり、弁体6bは隔壁4aに着座する。また外気導入用逆止弁8は、その自重でもって天壁7cの下面から離反して、外気導入口7eを開放する。これにより外気は、外気導入口7eから貫通孔4h、溝部2d、及び通気口2cを経て、内部空間に導入される。これにより内層体1が減容変形したまま、外層体2のみが復元する。
【0037】
また、外層体2を元の起立姿勢に戻すことや、外層体2の胴部への押圧を解除することに伴う収容空間S内の減圧によって、移動弁体5は縮径部4cに向けて移動し、着座する。これにより、摺動筒部10aの内側に残留した内容液が注出筒部4b内に引込まれ、発泡体12を介してノズル11h内に残留する泡を内側に引込むことができる(サックバック機能)ので、ノズル11hからの液だれを防止することができる。
【0038】
次に、本発明に従う二重容器の他の実施形態について、図3を参照しつつ説明する。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部位は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態の中栓54は、内層体1の上部開口1aを覆う板状の隔壁54aを備えている。隔壁54aには、上下を貫通させた円筒状の注出筒部54bが設けられている。注出筒部54bの内側上部には、上方へ向けて起立する棒状部54cが設けられていて、注出筒部54bと棒状部54cとの間を、周方向に間隔をあけて設けられる複数の連結部54dで連結している。連結部54dの相互間には、連通口54eが形成される。なお、注出筒部54bと棒状部54cとの間を板状の連結部で連結し、この連結部に貫通孔を設けて連通口としてもよい。また、中栓54にも上述した中栓4と同様のシール壁4d、縁壁4g、貫通孔4hが設けられている。
【0040】
空気用逆止弁56は、先に述べた実施形態の空気用逆止弁6と同様の構成になる環状壁6a、弁体6bを有するとともに、環状壁6aの外面に、円板状となる薄肉の外側弁体56aを一体に連結したものである。環状壁6aの下部には、隔壁4aの上面との間で空気の通る通路を形成する溝部56bが設けられている。
【0041】
ベース57は、通気口2cを取り囲み、その下端部を口部周壁2aの外面に気密に当接させる円筒状の外周壁57aを備えている。外周壁57aの内面には、雄ねじ部2bに対応する雌ねじ部57bが設けられている。外周壁7aの上部には、径方向内側に延在する天壁57cが設けられ、天壁57cには、外界へ通じる貫通孔(外気導入口)57dが設けられている。また、天壁57cの下面には、環状壁6aの内側に入り込んで空気用逆止弁56を保持する環状壁57eが設けられている。ここで外側弁体56aは、天壁57cの上面に気密に当接していて、通常は外気導入口57dを閉鎖している。
【0042】
また、天壁57cの内縁には、上方に向けて起立する内側周壁57fが設けられていて、内側周壁57fの径方向外側には、外側周壁57gが設けられている。外側周壁57gの外面には、突起57hが設けられている。
【0043】
ホルダー60は、円筒状の周壁60aを有し、その内側下部に、3点弁の如き形態(平板状の弁体を3つの弾性片で支持している)となる液用逆止弁60bを備えている。なお、液用逆止弁60bには、1点弁等を採用してもよい。また、周壁60aの内側上部には、発泡体12を配置する凹部60cが設けられている。周壁60aの外面には、凹部60cに連通する空気導入口60dが設けられている。
【0044】
ノズルヘッド本体61は、外側周壁57gを取り囲む周壁61aと、その外縁部を周壁61aよりも径方向外側に突出させつつ周壁61aの上部に一体に連結する上壁61bを備えている。周壁61aの内面には、ノズルヘッド本体61を上方へスライドした際に突起57hによって抜け止め保持される凸部61cが設けられている。
【0045】
上壁61bの内縁には、その内側にホルダー60を配置する円筒状のノズル61dが設けられている。ノズル61dの下方周壁には、空気導入口60dに連通する貫通孔61eが設けられている。これにより中栓54、ベース57、及びノズルヘッド本体61の間には、内層体1と外層体2の間に形成される内部空間から通気口2c、溝部2d、貫通孔4h、溝部56b、及び離反した弁体6bと隔壁54aとの間に形成される隙間を通り、貫通孔61eを経て空気導入口60dに至る空気路Tが形成される。
【0046】
またノズル61dの下端には、注出筒部54bと発泡体12との間を区画する区画壁61fが設けられていて、区画壁61fの中央部には、液用逆止弁60bによって閉鎖、開放する液導入口61gが設けられている。また区画壁61fの下面には、液導入口61gを取り囲むとともに注出筒部54bの外面に摺動可能に当接して、ノズルヘッド本体61を注出筒部54bの軸線(口部周壁2aの軸線Oに一致する)に沿ってスライドすることができる円筒状の摺動筒部61hが設けられている。なお、ノズルヘッド本体61が下方にスライドした際に弁体6bは、隔壁54aの上面と摺動筒部61hの下面との間で挟持される。これによって、溝部56bを通る空気の流れが確実に遮断される。
【0047】
オーバーキャップ63は、板状の頂壁63aと、頂壁63aの縁部に連結するとともに上方の小径部と下方の大径部との間を拡径部でつないだ外周壁63bとを備えている。外周壁63bの大径部における内面には、上壁61bの外縁部に係合する突起63cが設けられている。また頂壁63aの上面には、上方に向けて延在する上部筒部63dが設けられ、上部筒部63dの上端には、外向きフランジ63eが設けられている。
【0048】
本実施形態の二重容器は、図3に示すようにノズルヘッド本体61が下方に向けてスライドした状態(注出不能状態)において、弁体6bは、隔壁54aの上面と摺動筒部61hの下面との間で挟持され、液導入口61gは、棒状部54cによって収容空間Sに対して閉鎖されている。このため、本実施形態においても、外層体2への不用意な押圧によって収容空間Sの内容液が簡単に注出されてしまうことがない。
【0049】
内容液を注出するにあたっては、まずオーバーキャップ63を取り外す。本実施形態でもオーバーキャップ63を取り外すと、突起63cによって、図4に示すようにノズルヘッド本体61を引き上げることができる。
【0050】
そして、外層体2を傾倒姿勢に姿勢変更するとともに外層体2の胴部を押圧すると、内部空間の空気を介して収容空間Sが加圧され、収容空間S内の内容液は、注出筒部54b、
連通口54e、液導入口61gを通り、液用逆止弁60bにおける弾性片間の隙間を経て発泡体12に至る。また、内部空間の空気は空気路Tを通り、空気導入口60dを経て発泡体12に至る。これにより内容液は、発泡体12内を移動するにつれて空気と混ざり合いつつ発泡して、ノズル11hから注出される。
【0051】
内容液を注出した後は、外層体2の胴部への押圧を解除することによって外層体2が復元しようとするため、内部空間は負圧状態となり、弁体6bは隔壁54aに着座する。一方、外側弁体56aは天壁57cの上面から離反するため、外気導入口57dが開放する。これにより外気は、外気導入口57dから貫通孔4h、溝部2d、及び通気口2cを経て内部空間に導入され、内層体1が減容変形したまま外層体2のみを復元することができる。
【0052】
本発明に従う二重容器は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で種々の変更が可能である。例えば、オーバーキャップ13、63に設けた突起13c、63cを廃止して、ノズルヘッド本体11、61を指等で直接スライドさせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、胴部に力が加わっても簡単には内容液が注出されることがない注出不能状態と、胴部に力を加えれば内容液が泡状に注出できる注出可能状態とを簡単に切り替えることができるので、意図しない内容液の注出が防止できる上、使い勝手のよい新規の二重容器を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0054】
1 内層体
1a 上部開口
2 外層体
2a 口部周壁
2b 雄ねじ部
2c 通気口
2d 溝部
3 注出キャップ
4 中栓
4a 隔壁
4b 注出筒部
4c 縮径部
4d シール壁
4e 凹部
4f 溝部
4g 縁壁
4h 貫通孔
5 移動弁体
6 空気用逆止弁
6a 環状壁
6b 弁体
7 ベース
7a 外周壁
7b 雌ねじ部
7c 天壁
7d 内部周壁
7e 外気導入口
7f ガイド壁
7g 凸部
7h 凹所
7i ガイド溝
8 外気導入用逆止弁
9 ノズルヘッド
10 ホルダー
10a 摺動筒部
10b 区画壁
10c シール筒部
10d ストッパー
10e 凹部
10f 液導入口
11 ノズルヘッド本体
11a 周壁
11b 上壁
11c 突起
11d リブ
11e 筒状壁
11f 空気導入口
11g シール壁
11h ノズル
11i 突起
12 発泡体
13 オーバーキャップ
13a 頂壁
13b 外周壁
13c 上部突起(突起)
13d 下部突起
13e シール壁
54 中栓
54a 隔壁
54b 注出筒部
54c 棒状部
54d 連結部
54e 連通口
56 空気用逆止弁
56a 外側弁体
56b 溝部
57 ベース
57a 外周壁
57b 雌ねじ部
57c 天壁
57d 外気導入口
57e 環状壁
57f 内側周壁
57g 外側周壁
57h 突起
60 ホルダー
60a 周壁
60b 液用逆止弁
60c 凹部
60d 空気導入口
61 ノズルヘッド本体
61a 周壁
61b 上壁
61c 凸部
61d ノズル
61e 貫通孔
61f 区画壁
61g 液導入口
61h 摺動筒部
63 オーバーキャップ
63a 頂壁
63b 外周壁
63c 突起
63d 上部筒部
63e フランジ
S 収容空間
T 空気路
O 口部周壁の軸線(注出筒部の軸線)
図1
図2
図3
図4