【解決手段】自在車202を有する対象物を格納するラック101と、スタッカクレーン102とを備える自動倉庫100であって、ラック101は、移載方向に延びて配置され、車輪221を転動可能に挟む第一車輪ガイド112と、第一車輪ガイド112の隙間の下部に配置される第一転動面部111と、幅方向の他方側において車輪221が転動する第三転動面部113とを備え、スタッカクレーン102は、対象物200を押し引きにより移載する移載装置121と、第一車輪ガイド112に対応する第二車輪ガイド122と、第二車輪ガイド122の隙間の下部に配置される第二転動面部123とを備える。
本体と、前記本体の下部に取り付けられ、前記本体に対する車輪の旋回が可能な自在車とを有する対象物を格納部毎に格納するラックと、前記対象物を前記ラックに沿って搬送し、前記ラックとの間で前記対象物を移載するスタッカクレーンとを備える自動倉庫であって、
前記ラックは、
移載方向と水平面において直交する方向である幅方向における前記格納部の一方側において移載方向に延びて配置され、前記自在車の車輪を転動可能に挟む隙間を有する第一車輪ガイドと、
前記第一車輪ガイドの隙間の下部に配置され、前記車輪が転動する第一転動面部と、
前記格納部の幅方向の他方側において、前記自在車の車輪が転動する第三転動面部とを備え、
前記スタッカクレーンは、
押し出す方向に前記対象物と当接する押出部と、引き寄せる方向に前記対象物と当接する引き寄せ部とを備え、前記対象物を押し引きにより移載する移載装置と、
前記第一車輪ガイドに対応する第二車輪ガイドと、
前記第二車輪ガイドの隙間の下部に配置され、前記車輪が転動する第二転動面部とを備える
自動倉庫。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが昨今では、四輪とも自在車を備えたカゴ台車を用いる場合がある。このようなカゴ台車は、車輪の転動を規制した状態でラックに格納したとしても、四輪とも車輪が旋回してしまうため、安定した状態で格納することが困難となる。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、自在車を備えたカゴ台車のような対象物であっても安定した状態でラックに格納することのできる自動倉庫の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる自動倉庫は、本体と、前記本体の下部に取り付けられる自在車とを有する対象物を格納するラックと、前記対象物を前記ラックに沿って搬送し、前記ラックとの間で前記対象物を移載するスタッカクレーンとを備える自動倉庫であって、前記ラックは、移載方向と水平面において直交する方向である幅方向の一方側において移載方向に延びて配置され、前記自在車の車輪を転動可能に挟む隙間を有する第一車輪ガイドと、前記第一車輪ガイドの隙間の下部に配置され、前記車輪が転動する第一転動面部と、前記幅方向の他方側において、前記自在車の車輪が転動する第三転動面部とを備え、前記スタッカクレーンは、押し出す方向に前記対象物と当接する押出部と、引き寄せる方向に前記対象物と当接する引き寄せ部とを備え、前記対象物を押し引きにより移載する移載装置と、前記第一車輪ガイドに対応する第二車輪ガイドと、前記第二車輪ガイドの隙間の下部に配置され、前記車輪が転動する第二転動面部とを備えることを特徴とする。
【0008】
これによれば、自在車の車輪の旋回を規制した状態で対象物をラックに格納することができる。従って、全て車輪が自在車である対象物であったとしても、安定した状態で対象物をラックに格納することが可能となる。
【0009】
また、前記第三転動面部の幅は、前記第一転動面部の幅よりも広いものでもよい。
【0010】
また、前記押出部、および、前記引き寄せ部は、前記第一転動面部と前記第三転動面部との間の中心よりも前記第一転動面部に寄って配置されてもよい。
【0011】
これによれば、幅方向における車輪の間隔が異なるような複数種類の対象物に対しても柔軟に対応することができ、一つの自動倉庫で複数種類の対象物を格納することが可能となる。
【0012】
また、前記第一転動面部、および、前記第三転動面部は、移載方向においてスタッカクレーンから離れるに従い徐々に下がる傾斜面を備え、前記ラックはさらに、前記傾斜面に載置された前記対象物の下降方向の移動を規制するストッパを備えてもよい。
【0013】
これによれば、車輪を転動させてラックに格納した対象物であっても、移載方向において安定した状態で保管することが可能となる。
【0014】
また、前記第一転動面部と前記第三転動面部との間には、前記移載装置の伸縮機構部が通過するスリット部が設けられてもよい。
【0015】
これによれば、傾斜している転動面に載置されることによって傾斜した対象物の下部に移載装置の通過部を確保することができる。
【0016】
また、前記スタッカクレーンは、前記対象物を移載する際に、第一転動面部と第二転動面部との間に配置される橋梁部を備えてもかまわない。
【0017】
これによれば、対象物を移載する際に橋梁部が第一転動面部と第二転動面部との間を埋めるため、車輪を転動させて対象物を押し出し、また、引き寄せたとしても第一転動面部と第二転動面部との隙間に車輪が落ち込むことを防止できる。
【0018】
また、前記移載装置は、前記引き寄せ部を上下方向に出没させる出没機構を備えてもよい。
【0019】
これによれば、対象物がラックに傾斜状態で格納され引き寄せ部を通過させるための空間の高さが低い場合でも、没入状態の引き寄せ部を対象物の下部に通過させることができる。そして、対象物を通過した後に引き寄せ部を進出させることにより引き寄せ部を対象物に当接させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本願発明によれば、四輪が自在車である対象物をラックに格納した場合でも、対象物の自在車の車輪の旋回を固定的に保持することができ、安定した状態でラックに対象物を格納することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本願発明に係る自動倉庫の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係る自動倉庫の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0023】
図1は、対象物を格納し自動的に出し入れ可能な自動倉庫の一部を模式的に示す斜視図である。
【0024】
図2は、自動倉庫の一部を模式的に示す平面図である。
【0025】
これらの図に示すように、自動倉庫100は、搬入された対象物200を所定の格納部109に自動的にそれぞれ格納し、また、格納部109に格納している対象物200を自動的に搬出することができる装置であり、複数の格納部109を有するラック101と、スタッカクレーン102とを備えている。
【0026】
図3は、対象物を下方から模式的に示す斜視図である。
【0027】
これらの図に示すように、対象物200は、本体201と、本体201の下部に取り付けられる自在車202とを有し、ラック101の格納部109へ格納する対象となる物である。本実施形態の場合、対象物200は、いわゆるカゴ台車と称される物である。なお、対象物200は、空のカゴ台車を意味するばかりでなく、カゴ台車と当該カゴ台車に収容される荷物とを合わせた物も対象物200である。具体的に対象物200であるカゴ台車は、矩形の基台の周縁から網状の部材が立設されたものである。また、本実施の形態の場合、対象物200は、矩形の本体201の下部の四隅のそれぞれに自在車202が取り付けられている。
【0028】
図4は、自在車を模式的に示す側面図である。
【0029】
自在車202は、いわゆる自在キャスターと称される部材であり、車輪221と、ラジアル軸受222と、スラスト軸受223とを備えている。自在車202は、スラスト軸受223を介してラジアル軸受222が本体201に取り付けられたものであり、車輪221はラジアル軸受222に取り付けられている。従って自在車202の車輪221は、転動面Fに対して転動軸Hの周りを転動(θ1)し、かつ、ラジアル軸受222と共に本体201に対して旋回軸Vの周りを旋回(θ2)することができる。
【0030】
また、自在車202は、スラスト軸受223の回転軸である旋回軸Vと、ラジアル軸受222の回転軸である転動軸Hとが離れた状態で配置されており(偏心)、車輪221の向きによって、車輪221の位置は偏心距離Dの範囲で異なるものとなる。
【0031】
本実施形態の場合、自在車202は、車輪221の転動を規制することのできる転動ストッパ224を備えている。
【0032】
図5は、ラックの一部とスタッカクレーンとの関係を模式的に示す斜視図である。
【0033】
図6は、ラックの一部とスタッカクレーンとの関係を模式的に示す側面図である。
【0034】
図7は、ラックの一部とスタッカクレーンとの関係を模式的に示す平面図である。
【0035】
これらの図に示すように、ラック101は、対象物200を載置状態で格納する設備であり、第一車輪ガイド112と、第一転動面部111と、第三転動面部113とを備えている。
【0036】
第一車輪ガイド112は、移載方向(図中X軸方向)と水平面(図中XY平面)において直交する方向である幅方向(図中Y軸方向)における格納部109の一方側(本実施の形態の場合Y軸方向負側)において移載方向に延びて配置され、自在車202の車輪221を転動可能に挟む隙間を有するレールである。
【0037】
なお、
図1、
図2などにおいて、第一車輪ガイド112は一部のみが記載されており、他の第一車輪ガイド112の記載は省略されている。また
図2に示すように、1台のスタッカクレーン102を挟むように二つのラック101が配置されており、それぞれのラック101には第一車輪ガイド112が設けられている。また、自動倉庫100は、複数台のスタッカクレーン102と、これに対応する複数のラック101を備えてもよい。
【0038】
本実施の形態の場合、第一車輪ガイド112は、第一転動面部111の幅方向の側方に移載方向に沿って立設される一対の板状の部材であり、第一車輪ガイド112の高さは、自在車202のラジアル軸受222の下端部よりも低く設定されている。第一車輪ガイド112が有する隙間の幅は、自在車202の車輪221の幅よりも若干広く設定され、かつ、車輪221が自由に旋回できない程度の幅に設定されている。従って、スタッカクレーン102は、対象物200を押し引きすることにより車輪221が第一車輪ガイド112の隙間に嵌まり込んだ状態で第一転動面部111を転動させることができ、少ないエネルギーでスタッカクレーン102とラック101との間で対象物200を移載することができる。また、この移載の間、および、移載の前後においても、車輪221は、第一車輪ガイド112に拘束され旋回することなく所定の方向(移載方向)に維持されるため、安定した移載を実現することが可能となり、また、安定した格納状態を確保することが可能となる。
【0039】
また、第一車輪ガイド112は、スタッカクレーン102側に向かうに従い、車輪221が通過する領域から徐々に離れるように傾く面を有する第一テーパ部118をスタッカクレーン102側の先端部に備えている。これにより、スタッカクレーン102からラック101へ対象物200を移載する際に、自在車202の車輪221の方向が移載方向に対してずれた場合でも、第一テーパ部118に車輪221を沿わせることで車輪221を移載方向に沿うように調整することが可能となる。
【0040】
なお、本実施の形態では第一車輪ガイド112を板状の部材としたが、ブロック状の部材を二つ平行に並べたものや、ブロック状の部材に溝を設けたものなど、任意の態様を選択することが可能である。また、第一車輪ガイド112は、第一転動面部111と別体ばかりでなく、一体であってもかまわない。
【0041】
第一転動面部111は、第一車輪ガイド112の隙間の下部に配置され、車輪221が転動するラック101の部分である。また、対象物200を格納する際は、第一転動面部111は、対象物200を下方から保持している。
【0042】
本実施形態の場合、
図1に示すようにラック101は、上下方向(図中Z軸方向)、および、左右方向(図中Y軸方向)に複数の第一転動面部111を備えており、各第一転動面部111には第一車輪ガイド112が備えられ、対象物200を安定した状態で格納することができるものとなっている。
【0043】
第三転動面部113は、幅方向(図中Y軸方向)において第一転動面部111の反対側(他方側)に配置されており、自在車202の車輪221が転動するラック101の部分である。本実施の形態の場合、第三転動面部113の幅W2は、第一転動面部111の幅W1よりも広いものとなっている。具体的に、第三転動面部113の幅W2は、自在車202の偏心距離D以上であり、第一転動面部111の幅W1は、自在車202の車輪221の厚みよりも僅かに広い程度である。これにより、第一車輪ガイド112に拘束されない自在車202が第三転動面部113を転動しても脱輪することを防止することができる。
【0044】
さらに、第三転動面部113の幅は偏心距離Dよりも広い。これにより、幅方向に配置される二つの自在車202の距離が異なる対象物200を格納する場合でも、柔軟に対応することが可能となる。
【0045】
また、第一転動面部111、および、第三転動面部113は、
図6に示すように移載方向においてスタッカクレーン102から離れるに従い徐々に下がる傾斜面114を備えている。ラック101はさらに、傾斜面114に載置された対象物200の下降およびスタッカクレーン102から離れる方への進行を規制するストッパ119を備えている。
【0046】
本実施の形態のラック101は、対象物200が載置される第一転動面部111と第三転動面部113が傾斜していることにより、重力によって対象物200にはラック101の奥側(図中X軸正の方向)に向かって移動しようとする力が発生する。一方、対象物200の奥側の部分に当接するストッパ119は、前記力に抗してラック101の移動を規制する。以上によって、ラック101は、対象物200を所定の位置に維持し、振動などが発生しても対象物200を安定して格納し続けることが可能となる。
【0047】
なお、第一転動面部111の上面に自在車202の車輪221の転動を規制する車輪止めを設けてもよいが、車輪221の向きが一定では無い場合、車輪止めの間隔は、偏心距離D程度に設定される。これによれば、偏心距離D程度のあそびが発生するため、対象物200は振動などにより偏心距離D程度の間を移載方向に往復動することになる。しかし、第一転動面部111、および、第三転動面部113の少なくとも一方に傾斜面114を設ければ、車輪221の向きがいずれであっても対象物200を所定の位置に維持することが可能となる。
【0048】
なお、上記は車輪止めを設けることを排除するものでは無く、例えば第三転動面部113に車輪止めを設けてもかまわない。
【0049】
さらに本実施の形態の場合、ラック101は、第一転動面部111と第三転動面部113との間にスリット部115が設けられている。スリット部115は、移載装置121の伸縮機構部(いわゆるフォーク、詳細は後述)が通過する部分である。これによれば、対象物200の本体201の下方空間を広く確保することができ、伸縮機構部を容易に通過させることが可能となる。
【0050】
スタッカクレーン102は、対象物200をラック101に沿って搬送することができると共に、ラック101との間で対象物200を押し、または、引いて移載することのできる装置であり、移載装置121と、第二車輪ガイド122と、第二転動面部123とを備えている。
【0051】
本実施形態の場合、スタッカクレーン102は、
図1に示すように、ラック101に沿って幅方向(図中Y軸方向)に移動する台車141と、上下方向(図中Z軸方向)に延びて配置され台車141に取り付けられて台車141と共に水平方向に移動するマスト142と、マスト142に沿って上下方向に昇降する昇降台143と、スタッカクレーン102とを備えている。
【0052】
移載装置121は、移載方向に沿って伸縮する伸縮機構部124を備え、伸縮機構部124には押し出す方向に対象物200と当接する押出部125と、引き寄せる方向に対象物と当接する引き寄せ部126とが設けられている。本実施の形態の場合、押出部125は、対象物200のスタッカクレーン102に面する部分と当接し、伸縮機構部124が延びることで対象物200をラック101側へ押し出して移載する部分である。引き寄せ部126は、対象物200のスタッカクレーン102と反対側の面と当接し、伸縮機構部124が縮むことでラック101に格納された対象物200をスタッカクレーン102側へ引き寄せて移載する部分である。
【0053】
なお、本実施の形態の場合、自動倉庫100は、スタッカクレーン102の両側にラック101が配置されており、スタッカクレーン102の移載装置121は、いずれのラック101に対しても対象物200を移載することができるものとなっている。すなわち、移載装置121の伸縮機構部124は、一方のラック101側、および、他方のラック101側の両方に向かって伸縮することができる機構である。従って、一方側に延びる際に押出部125として機能する部分は、他方側に延びる際は引き寄せ部として機能し、一方側から縮む際に引き寄せ部126として機能する部分は、他方側から縮む際は押出部として機能する。
【0054】
本実施の形態の場合、押出部125、および、引き寄せ部126は、第一転動面部111と第三転動面部113との間、すなわちスリット部115の中心(
図7中一点鎖線)よりも第一転動面部111に寄って配置されている。これにより、幅方向(図中Y軸方向)に取り付けられる自在車202の距離が異なる対象物200を格納する場合でも、いずれの対象物200も安定した状態で移載することが可能となる。
【0055】
さらに、移載装置121は、押出部125、および、引き寄せ部126を上下方向に出没させる出没機構(図示せず)を備えている。これによれば、引き寄せ部126、または、引き寄せ部として機能する押出部125が対象物200の本体201の下方を通過する際に下方に没入することで本体201の下方の空間が低い場合でも伸縮機構部124を伸ばすことで引き寄せ部126を通過させることができ、本体201を通過した後、引き寄せ部126を上方に突出させることで対象物200のスタッカクレーン102と反対側の部分と当接することが可能となる。
【0056】
なお、出没機構は特に限定されるものでは無く、幅方向に配置した爪状の引き寄せ部126を移載方向を回転軸として回転させることで出没させても良く、カムやリンク機構を用いて引き寄せ部126を出没させてもかまわない。
【0057】
さらに出没機構は、押出部125や引き寄せ部126が取り付けられている伸縮機構部124の一部、または、全部を第二転動面部123に対し上下させることにより、押出部125や引き寄せ部126を出没させてもかまわない。
【0058】
なお、出没機構を備えない場合でも、昇降台143を昇降させることにより出没機構と同様の機能を実現できる場合もある。具体的には、第二転動面部123上に車輪221を載せた状態で押出部125および引き寄せ部126は対象物200の本体201と当接することができる高さに設けられており、昇降台143に対し出没することはない。スタッカクレーン102でラック101に格納された対象物200を受け取るときは、昇降台143を受け渡し位置よりも低い位置(引き寄せ部126が対象物200の本体201の下方を通過することができる位置)とした状態で移載装置121を引き寄せ部126が本体201を通過するまで伸ばす。そして、第一転動面部111と第二転動面部123とが同じ高さとなるまで昇降台143を上昇させる。以上により、本体201と引き寄せ部126とが係合可能な状態となり、この状態で移載装置121を縮めて対象物200を後に引き寄せる。スタッカクレーン102からラック101に対象物200を下ろす時は、前記と逆の動作をさせればよい。つまり、第一転動面部111と第二転動面部123とが同じ高さとなるように昇降台143を位置させ、移載装置121を伸ばして対象物200を押し出し、ラック101上に載置させる。その後、昇降台143を引き寄せ部126が本体201と係合しなくなる位置まで下降させてから移載装置121を縮めればよい。
【0059】
第二車輪ガイド122は、第一車輪ガイド112に対応する位置に配置される部材である。第二車輪ガイド122と、は、第一車輪ガイド112と同様の機能を有する部材であり、スタッカクレーン102で対象物200を搬送する際に、自在車202の車輪221の方向を規制し、搬送中の対象物200が不本意に揺れ動くことを防止するものである。なお、搬送中における対象物200の移載方向の移動は、押出部125、および、引き寄せ部126を対象物200に係合させることにより防止可能である。
【0060】
なお、第二車輪ガイド122は、第一車輪ガイド112の第一テーパ部118と対向する位置にテーパ部を設けてもかまわない。
【0061】
第二転動面部123は、第二車輪ガイド122の隙間の下部に配置され、対象物200の移載中においては、自在車202車輪221が転動する部分である。また、対象物200をラック101に沿って搬送する際は、第二転動面部123は、対象物200を下方から保持している。
【0062】
また、スタッカクレーン102は、第三転動面部113に対応する位置に、第四転動面部127を備えている。第四転動面部127は、第三転動面部113と同等の幅を備えている。
【0063】
さらに、本実施の形態の場合、スタッカクレーン102は、対象物200を移載する際に、第一転動面部111と第二転動面部123との間に配置され、スタッカクレーン102がラック101に沿って移動する際は、第一転動面部111と第二転動面部123との間に配置されない橋梁部128を備えている。
【0064】
橋梁部128は、対象物200をスタッカクレーン102とラック101との間で移載する際に第一転動面部111と第二転動面部123との間に自在車202の車輪221が落ち込むことを防止する部材である。
【0065】
なお、橋梁部128を、第一転動面部111と第二転動面部123との間に配置する機構は特に限定されるものでは無い。例えば、スタッカクレーン102の昇降台143からラック101に向かって出没するものでもよい。また、対象物200の搬送中は、橋梁部128は跳ね上げられた状態であり、対象物200を移載する際に橋梁部128が倒れて第一転動面部111と第二転動面部123とを橋渡しするものでもよい。
【0066】
また、橋梁部128を別途設けるのではなく、第二転動面部123および第四転動面部127自体を昇降台143に対してラック側へスライド移動させるものでも良い。その際は第二車輪ガイド122も一緒にスライド移動するのが好ましい。
【0067】
なお、橋梁部128は、第三転動面部113と第四転動面部127との間にも配置されてもかまわない。
【0068】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。