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特開2015-20947印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法及びそれを含む印刷回路基板用樹脂組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-20947(P2015-20947A)
(43)【公開日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法及びそれを含む印刷回路基板用樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C01F 7/02 20060101AFI20150106BHJP
   C25D 11/04 20060101ALI20150106BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20150106BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20150106BHJP
【FI】
   C01F7/02 A
   C25D11/04 E
   C08K3/22
   H05K1/03 610R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-252475(P2013-252475)
(22)【出願日】2013年12月5日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0083745
(32)【優先日】2013年7月16日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】シン,サン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リ,キュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウン シル
(72)【発明者】
【氏名】キャン,ヨン イル
【テーマコード(参考)】
4G076
4J002
【Fターム(参考)】
4G076AA02
4G076AB16
4G076BA17
4G076BA46
4G076BC10
4G076DA02
4J002CD021
4J002CD041
4J002CD051
4J002CD061
4J002CD071
4J002DE146
4J002FD206
4J002GQ05
(57)【要約】
【課題】粉末のサイズを従来のnmからμmにスケールアップして、絶縁破壊電圧及び熱伝導度が高くなる効果を奏することができる印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法及びそれを含む印刷回路基板用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法は、アルミニウムを陽極酸化処理してアルミナ膜を形成する段階と、前記アルミナ膜を溶融及び粉砕してアルミナ粉末を形成する段階と、を含むものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムを陽極酸化処理してアルミナ膜を形成する段階と、
前記アルミナ膜を溶融及び粉砕してアルミナ粉末を形成する段階と、を含む印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法。
【請求項2】
前記アルミニウムは、箔(foil)またはシート(sheet)形態である、請求項1に記載の印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法。
【請求項3】
前記アルミナ膜を形成する段階の前に、
アルミニウムを洗浄する段階をさらに含む、請求項1に記載の印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法。
【請求項4】
前記アルミナ粉末を形成する段階の後に、
粉末中の鉄を除去する段階をさらに含む、請求項1に記載の印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法。
【請求項5】
前記アルミナ粉末を形成する段階の前に、
アルミナ膜を粉砕する段階をさらに含む、請求項1に記載の印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法により製造されたアルミナ粉末をフィラーとして含む印刷回路基板用樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の方法により製造されたアルミナ粉末をフィラーとして含む絶縁層と、
前記絶縁層に形成された回路層と、を含む印刷回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法及びそれを含む印刷回路基板用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
放熱基板は、ベース金属上に熱伝導性PPGと銅(Cu)箔を積層することで製作され、PPGは、通常、樹脂とセラミックフィラーを混合して製造される。
【0003】
従来のPPGの場合、樹脂にアルミナ、窒化アルミニウム等の粉末が混合される。
【0004】
アルミナ(Al)は、分子量が101.96、比重が3.965、融点が2072℃の白色粉末であって、六方晶の結晶構造を有する。大部分のアルミナは、ボーキサイト(bauxite)鉱物を原料としてバイヤー(Bayer)工程により製造されており、高い耐熱性、耐化学性、耐食性、及び高強度などを有するため、耐摩耗材、スパークプラグ、絶縁碍子、研磨材、耐火物、セラミックタイル、ガラス、切削工具、生体材料、触媒担体、フィルタ、熱交換器部品、樹脂フィラー(resin filler)、繊維などに幅広く用いられている。
【0005】
代表的な製造方法であるバイヤー工程では、水酸化ナトリウム(NaOH)が用いられるが、最終粉末に多量のナトリウム(Na)不純物が含有されているため、絶縁が要求される電子部品に用いることは困難であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の一目的は、陽極酸化処理法を用いて高純度のアルミナ粉末を製造する方法を提供することにあり、他の目的は、前記製造されたアルミナ粉末を印刷回路基板用PPGのフィラーとして用いる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例による印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法は、アルミニウムを陽極酸化処理してアルミナ膜を形成する段階と、前記アルミナ膜を溶融及び粉砕してアルミナ粉末を形成する段階と、を含む。
【0008】
前記アルミニウムは、箔(foil)またはシート(sheet)形態であることができる。
【0009】
前記アルミナ膜を形成する段階の前に、アルミニウムを洗浄する段階をさらに含む。
【0010】
前記アルミナ粉末を形成する段階の後に、粉末中の鉄を除去する段階をさらに含む。
【0011】
前記アルミナ粉末を形成する段階の前に、アルミナ膜を粉砕する段階をさらに含む。
【0012】
本発明の他の実施例による印刷回路基板用樹脂組成物は、前記製造されたアルミナ粉末をフィラーとして含む。
【0013】
本発明のさらに他の実施例による印刷回路基板は、前記製造されたアルミナ粉末をフィラーとして含む絶縁層と、前記絶縁層に形成された回路層と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施例によると、陽極酸化処理法によりアルミナ粉末を製造してPPGのフィラーとして用いるにあたり、粉末のサイズを従来のnmからμmにスケールアップして、絶縁破壊電圧及び熱伝導度が高くなる効果を奏することができる。
【0015】
また、陽極酸化処理法によりアルミナ粉末を製造すると、高純度のアルミナ粉末を製造することができるため、不純物を含有しないという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例による印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法を順に示したフローチャートである。
図2】本発明の一実施例による印刷回路基板用樹脂組成物の製造工程を順に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0019】
(印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法)
図1は、本発明の一実施例による印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法を順に示したフローチャートである。
【0020】
本発明の一実施例による印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法は、次のとおりである。
【0021】
まず、アルミニウムを準備する。
【0022】
この際、前記アルミニウムは、箔(foil)またはシート(sheet)形態であることができる。ここで、前記箔(foil)形態は数十μmの厚さと定義し、前記シート(sheet)形態は数百μmの厚さと定義することができる。
【0023】
次に、アルミニウムを洗浄する工程を行う。
【0024】
前記アルミニウムを洗浄する工程は、アルミニウムの表面の不純物を除去する工程であって、前記アルミニウムの表面のスクラッチを減少させ、均一な面を維持するために行う。
【0025】
具体的に、界面活性剤を用いて表面の異物を洗浄したり、酸性またはアルカリ性溶液に前記アルミニウムを浸すことで、表面の反応物を除去することができる。
【0026】
次に、前記アルミニウムに陽極酸化処理工程を行って、非晶質アルミナ膜を形成する。
【0027】
陽極酸化処理法は、通常、アルミニウム母材を酸性電解質中に浸漬した状態で、電気分解反応により陽極で発生する酸素がアルミニウム母材の表面と反応することでアルミナ酸化膜が形成されるようにする。しかし、陽極酸化処理法により形成されたアルミナ酸化膜は、蜂の巣状に形成されて多数の気孔を有するため、通常、気孔を封止するためのシール(sealing)処理を行う。沸騰水または酢酸ニッケルなどの金属塩を用いたシール処理により、薄い陽極酸化処理酸化膜の場合にも約500V以上の絶縁性を確保することができる。陽極酸化処理法は、この発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば容易に分かるため、追加的な詳細な説明は省略する。
【0028】
この際、前記陽極酸化処理工程に用いられる電解質溶液は、当業界に公知された如何なる溶液も使用可能である。
【0029】
また、前記アルミニウムの表面及びアルミニウムの内部全体を酸化処理することができる。
【0030】
ここで、高純度の非晶質アルミナ膜を形成することができる。
【0031】
次に、前記非晶質アルミナ膜を溶融する。
【0032】
この際、前記非晶質アルミナ膜を粉砕する工程をさらに行ってもよい。
【0033】
ここで、本発明では、アーク炉(Arc Furnace)を用いているが、アルミナ膜を溶融することができる適正温度を有する如何なる炉も使用可能である。
【0034】
次に、前記溶融されたアルミナ溶液を鋳型に流し込んで固化させるインゴット(ingot)を行う。
【0035】
前記インゴットの形態は、特に限定されない。
【0036】
次に、前記インゴット工程により形成されたアルミナを粉砕することで、結晶質アルミナ粉末を製造する。
【0037】
この際、前記アルミナ粉末は、数十μmのサイズに形成することができる。
【0038】
この過程で、前記粉砕されたアルミナ粉末をサイズ毎に分類する過程を行うことができる。
【0039】
アルミナの製造のために従来に用いていたゾルゲル(sol−gel)法を用いる場合、数十μmのサイズのアルミナ粉末を製造することが不可能であるが、本発明の方法によると、所望のサイズに粉砕できる長所がある。
【0040】
また、従来は、バイヤー(Bayer)法を用いて数十μmのサイズのアルミナ粉末を製造することができたが、高純度のアルミナを製造することは不可能であった。そのため、本発明は、陽極酸化処理法を行って高純度のアルミナ粉末及びμmのサイズのアルミナ粉末を製造することで、従来の問題点を解決することができるという長所がある。
【0041】
次に、前記粉砕されたアルミナ粉末中の鉄成分を除去する工程を行う。
【0042】
具体的に、本発明では、磁石を用いて鉄成分を除去することができる。
【0043】
(印刷回路基板用樹脂組成物)
図2は、本発明の一実施例によるアルミナ粉末をフィラーとして含む印刷回路基板用樹脂組成物の製造工程を説明するためのフローチャートである。
【0044】
まず、アルミニウムを準備する。
【0045】
この際、前記アルミニウムは、箔(foil)またはシート(sheet)形態であることができる。ここで、前記箔(foil)形態は数十μmの厚さと定義し、前記シート(sheet)形態は数百μmの厚さと定義することができる。
【0046】
次に、アルミニウムを洗浄する工程を行う。
【0047】
前記アルミニウムを洗浄する工程は、アルミニウムの表面の不純物を除去する工程であって、前記アルミニウムの表面のスクラッチを減少させ、均一な面を維持するために行う。
【0048】
具体的に、界面活性剤を用いて表面の異物を洗浄したり、酸性またはアルカリ性溶液に前記アルミニウムを浸すことで、表面の反応物を除去することができる。
【0049】
次に、前記アルミニウムに陽極酸化処理工程を行って、非晶質アルミナ膜を形成する。
【0050】
陽極酸化処理法は、通常、アルミニウム母材を酸性電解質中に浸漬した状態で、電気分解反応により陽極で発生する酸素がアルミニウム母材の表面と反応することでアルミナ酸化膜が形成されるようにする。しかし、陽極酸化処理法により形成されたアルミナ酸化膜は、蜂の巣状に形成されて多数の気孔を有するため、通常、気孔を封止するためのシール(sealing)処理をする。沸騰水または酢酸ニッケルなどの金属塩を用いたシール処理により、薄い陽極酸化処理酸化膜の場合にも約500V以上の絶縁性を確保することができる。陽極酸化処理法は、この発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば容易に分かるため、追加的な詳細な説明は省略する。
【0051】
この際、前記陽極酸化処理工程に用いられる電解質溶液は、当業界に公知された如何なる溶液も使用可能である。
【0052】
また、前記アルミニウムの表面及びアルミニウムの内部全体を酸化処理することができる。
【0053】
ここで、高純度の非晶質アルミナ膜を形成することができる。
【0054】
次に、前記非晶質アルミナ膜を溶融する。
【0055】
この際、前記非晶質アルミナ膜を粉砕する工程をさらに行ってもよい。
【0056】
ここで、本発明では、アーク炉(Arc Furnace)を用いているが、アルミナ膜を溶融することができる適正温度を有する如何なる炉も使用可能である。
【0057】
次に、前記溶融されたアルミナ溶液を鋳型に流し込んで固化させるインゴット(ingot)を行う。
【0058】
前記インゴットの形態は、特に限定されない。
【0059】
次に、前記インゴット工程により形成されたアルミナを粉砕することで、結晶質アルミナ粉末を製造する。
【0060】
この際、前記アルミナ粉末は、数十μmのサイズに形成することができる。
【0061】
この過程で、前記粉砕されたアルミナ粉末をサイズ毎に分類する過程を行うことができる。
【0062】
アルミナの製造のために従来に用いていたゾルゲル(sol−gel)法を用いる場合、数十μmのサイズのアルミナ粉末を製造することが不可能であるが、本発明の方法によると、所望のサイズに粉砕できる長所がある。
【0063】
また、従来は、バイヤー(Bayer)法を用いて数十μmのサイズのアルミナ粉末を製造することができたが、高純度のアルミナを製造することは不可能であった。そのため、本発明は、陽極酸化処理法を行って高純度のアルミナ粉末及びμmのサイズのアルミナ粉末を製造することで、従来の問題点を解決することができるという長所がある。
【0064】
次に、前記粉砕されたアルミナ粉末中の鉄成分を除去する工程を行う。
【0065】
具体的に、本発明では、磁石を用いて鉄成分を除去することができる。
【0066】
次に、前記製造されたアルミナ粉末に樹脂を混合する工程を行う。
【0067】
ここで、前記製造されたアルミナ粉末は、フィラーとして樹脂と混合して絶縁層をなすことができる。
【0068】
具体的に、ボールミル、ミキシングなどの通常の混合方式を用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0069】
前記樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、及び脂環式型エポキシ樹脂からなる群から選択される一つ以上であることを特徴とする。
【0070】
ここで、前記製造されたアルミナ粉末の樹脂組成物中の含量は、70〜90重量%であることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0071】
(印刷回路基板)
本発明の一実施例による印刷回路基板は、前記図1及び図2に図示された方法で製造されたアルミナ粉末をフィラーとして含む絶縁層と、前記絶縁層上に形成された回路層と、を含む。
【0072】
本発明の一実施例によると、陽極酸化処理法によりアルミナ粉末を製造して絶縁層、例えばPPG(prepreg)のフィラーとして用いるにあたり、粉末のサイズを従来のnmからμmにスケールアップして、絶縁破壊電圧及び熱伝導度が高くなる効果を奏することができる。
【0073】
また、陽極酸化処理法によりアルミナ粉末を製造する際に、高純度のアルミナ粉末を製造することができるため、不純物を含有しないという長所がある。
【実施例】
【0074】
以下、下記実施例及び比較例を参照して、本発明をより具体的に説明するが、これに本発明の範疇が限定されるものではない。
【0075】
表1は、本発明の前記陽極酸化処理工程により製造された20μmのサイズのアルミナ粉末を絶縁フィルムのフィラーとして86重量%混合した際のBDV(絶縁破壊電圧)を測定したデータである。
【0076】
表1において、低ソーダ20μmフィラーは、当業界に公知されたバイヤー工程により製造されたアルミナ粉末であり、高純度nmフィラーは当業界に公知されたゾルゲル工程により製造されたアルミナ粉末である。
【0077】
ここで、前記低ソーダ20μmフィラー及び高純度nmフィラーを絶縁フィルムのフィラーとしてそれぞれ86重量%混合した際のBDV(絶縁破壊電圧)を測定したデータである。
【0078】
BDV(絶縁破壊電圧)を測定する際に、絶縁フィルムの厚さは100μmにして測定した。
【0079】
この際、本発明の前記陽極酸化処理工程により製造された20μmのサイズのアルミナ粉末を絶縁フィルムのフィラーとして混合する場合が、バイヤー工程、ゾルゲル工程により製造されたアルミナ粉末を絶縁フィルムのフィラーとして混合する場合より高いBDV(絶縁破壊電圧)を示すことを確認することができた。
【0080】
また、表2は、本発明の前記陽極酸化処理工程により製造された20μmのサイズのアルミナ粉末を絶縁フィルムに86重量%混合した際の熱伝導度を測定したデータである。
【0081】
表2において、低ソーダ20μmフィラーは、当業界に公知されたバイヤー工程により製造されたアルミナ粉末であり、高純度nmフィラーは、当業界に公知されたゾルゲル工程により製造されたアルミナ粉末である。
【0082】
ここで、前記低ソーダ20μmフィラー及び高純度nmフィラーを、絶縁フィルムのフィラーとしてそれぞれ86重量%混合した際の熱伝導度を測定したデータである。
【0083】
熱伝導度を測定する際に、絶縁フィルムの厚さは100μmにして測定した。
【0084】
この際、本発明の前記陽極酸化処理工程により製造された20μmのサイズのアルミナ粉末を絶縁フィルムのフィラーとして混合する場合が、バイヤー工程、ゾルゲル工程により製造されたアルミナ粉末を絶縁フィルムのフィラーとして混合する場合より高い熱伝導度値を示すことを確認することができた。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0088】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、印刷回路基板のフィラー用アルミナ粉末の製造方法及びそれを含む印刷回路基板用樹脂組成物に適用可能である。
図1
図2