【解決手段】本発明は、袋状の編地に樹脂材が付与された土木用袋体100であって、編地からなる編地部5と、樹脂材からなる樹脂部6と、を有し、樹脂部6のうち編地部5の外側に付着した外側樹脂部6aの厚みが、樹脂部6のうち編地部の内側に付着した内側樹脂部6bの厚みよりも大きい土木用袋体100である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の袋体を含む従来の編地からなる袋体は、収容物を収容した状態で、長期的に用いる場合、袋体の耐久性が十分とはいえない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、摩耗や衝撃を受けるような環境下でも耐久性に優れる土木用袋体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、少なくとも樹脂部のうち編地部の外側に付着した外側樹脂部の厚みを、樹脂部のうち編地部の内側に付着した内側樹脂部の厚みよりも大きくすることにより、上記課題を効率良く解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、(1)袋状の編地に樹脂材が付与された土木用袋体であって、編地からなる編地部と、樹脂材からなる樹脂部と、を有し、樹脂部のうち編地部の外側に付着した外側樹脂部の厚みが、樹脂部のうち編地部の内側に付着した内側樹脂部の厚みよりも大きい土木用袋体に存する。
【0009】
本発明は、(2)編地のストランドに対して樹脂材が円筒状に付与されている上記(1)記載の土木用袋体に存する。
【0010】
本発明は、(3)少なくとも上端部及び下端部から一定の距離を置いた中腹部の編地のストランドに対して樹脂材が円筒状に付与されている上記(1)記載の土木用袋体に存する。
【0011】
本発明は、(4)樹脂部の厚みが10mm以下である上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の土木用袋体に存する。
【0012】
本発明は、(5)断面における編地部と、樹脂部との面積の比が、1:0.2〜3.0である上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の土木用袋体に存する。
【0013】
本発明は、(6)編地部の空隙部が多角形状であり、空隙率が50〜90%である上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の土木用袋体に存する。
【0014】
本発明は、(7)編地がマルチフィラメント糸からなる上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の土木用袋体に存する。
【0015】
本発明は、(8)樹脂材がポリウレタン又はポリウレアであり、編地のストランドの単位質量あたりの樹脂材の目付けが0.1〜2.0g/gである上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の土木用袋体に存する。
【0016】
本発明は、(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の土木用袋体の製造方法であって、編地を吊り下げる吊り下げ工程と、編地に対し、該編地の側面から吹付具を用いて樹脂材を吹き付ける吹付工程と、を有する土木用袋体の製造方法に存する。
【0017】
本発明は、(10)吊り下げ工程が、編地の口部を開いた状態で吊り下げる工程である上記(9)記載の土木用袋体の製造方法に存する。
【0018】
本発明は、(11)吊り下げ工程において、編地の側面の少なくとも2箇所を外方に引っ張った状態とする上記(9)又は(10)に記載の土木用袋体の製造方法に存する。
【0019】
本発明は、(12)吹付工程において、編地を周方向に回転させながら、樹脂材を吹き付ける上記(9)〜(11)のいずれか1つに記載の土木用袋体の製造方法に存する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の土木用袋体においては、樹脂部を形成することにより、砂や石等が編地の隙間に入り込むこと防止することができ、外側樹脂部の厚みを、内側樹脂部の厚みよりも大きくすることにより、外方から砂や石等による摩耗や衝撃を受けるような環境下で長期的に用いられる場合であっても、十分な耐久性を発揮することが可能となる。
一方で、収容物と土木用袋体とが擦れ合うことによる摩耗は、外方からの砂や石等による摩耗や衝撃よりも小さいので、内側樹脂部の厚みは、外側樹脂部の厚みよりも小さくする。
このとき、耐久性の観点から、樹脂部(外側樹脂部及び内側樹脂部)の厚みは10mm以下とすることが好ましい。
【0021】
本発明の土木用袋体においては、編地のストランドに対して樹脂材が円筒状に付与されている場合、樹脂部の剥離が抑制され、耐久性がより向上する。
なお、少なくとも上端部及び下端部から一定の距離を置いた中腹部の編地のストランドに対して樹脂材が円筒状に付与されていればよい。これにより、収容物が収容された場合に負荷がかかりやすい中腹部を的確に補強することができる。
【0022】
本発明の土木用袋体においては、断面における編地部と、樹脂部との面積の比を、上記範囲内とすることにより、取扱い性を損なうことなく、上述した効果を十分に発揮することができる。
【0023】
本発明の土木用袋体においては、編地部の空隙部を多角形状とし、空隙率を上記範囲内とすることにより、柔軟性に優れるものとなる。
【0024】
本発明の土木用袋体においては、編地をマルチフィラメント糸からなるものとすることにより、編地と樹脂材との密着性をより向上させることができる。
【0025】
本発明の土木用袋体においては、樹脂材をポリウレタン又はポリウレアとし、編地のストランドの単位質量あたりの樹脂材の目付けを上記範囲内とすることにより、編地特有の柔軟性を維持することができる。
【0026】
本発明の土木用袋体の製造方法は、吊り下げ工程と吹付工程とを経ることにより、手前側の編地部の外側に多くの樹脂材を付与することができ、且つ、手前側の編地部の空隙部を通過した樹脂材により、奥側の編地部の内側にも樹脂材を付与することができる。これにより、上述した耐久性に優れる土木用袋体を製造することができる。
このとき、吊り下げ工程において、編地の口部を開いた状態で吊り下げ、吹付工程を行うことにより、編地に対して樹脂材をより均一に付着させることができる。
また、吊り下げ工程において、編地の側面の少なくとも2箇所を外方に引っ張った状態とすることにより、吹付工程において、樹脂材を編地の内部にまで付着させることが可能となる。
さらに、吹付工程において、編地を周方向に回転させながら、該編地に対し、吹付具を用いて樹脂材を吹き付けることにより、編地全体に簡単且つ均一に樹脂材を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0029】
図1は、本実施形態に係る土木用袋体を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る土木用袋体100は、逆三角錐状の本体部1と、本体部1の口部11に編目を交互に挿通するようにして取り付けられた吊りロープ2と、該吊りロープ2の上側に編目を交互に挿通するようにして取り付けられた口縛りロープ3とを備える。
なお、通常、吊りロープ2と口縛りロープ3とは平行となるように取り付けられている。
【0030】
本体部1は、上端部及び下端部から一定の距離を置いた編地の中腹部Pに樹脂材が編地のストランドの長手方向に沿って円筒状に付与された構造となっている。すなわち、上端部から一定の距離を上部、下端部から一定の距離を下部、上部と下部との間を中腹部Pとした場合に、中腹部Pの編地にのみ樹脂材が付与されている。
【0031】
ここで、上端部からの一定の距離(上部の上下方向の長さ)は、本体部1の全長の距離の30%以下の距離であり、20%以下の距離であることが好ましい。
また、下端部からの一定の距離(下部の上下方向の長さ)は、本体部1の全長の距離の30%以下の距離である。
【0032】
土木用袋体100においては、中腹部Pの編地に樹脂材が付与されているので、玉石、割栗石、砕石、砂利石等の収容物が収容された状態で、例えば、河岸等に施工した場合、負荷がかかりやすい中腹部Pを的確に補強することができる。
このとき、樹脂部6は編地部5に対してストランドの長手方向に円筒状に付与されているので、樹脂部6の剥離が抑制され、耐久性がより向上する。
また、上部の編地には樹脂材が付与されていないので、柔軟性が低下せず、口縛りロープ3により、土木用袋体100の口部11を締め込む操作が容易に行える。
さらに、下部の編地は、収容物を収容した後、所定の位置に長期的に配置する場合、収容物の底になる部位であるため、砂や石等による摩耗や衝撃を受けにくい。したがって、軽量化の観点から、必ずしも下部の編地には樹脂材が付与されていなくてもよい。
【0033】
土木用袋体100において、編地は、ラッシェル編機により編成されるラッシェル編地が用いられる。
ここで、上記編地は、多数の繊維を寄り合わせたマルチフィラメント糸からなっている。このため、編地と樹脂材との密着性をより向上させることができる。
【0034】
編地を編成する編糸としては、ポリオレフィン繊維糸、ポリエステル繊維糸、ポリアミド繊維糸、ポリアクリル繊維糸等の合繊繊維糸、又は、綿糸、麻糸等の天然繊維糸等が挙げられる。なお、これらは、単独で又は混繊して使用してもよい。
【0035】
樹脂材としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等の合成樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタンゴム等のゴム系樹脂が挙げられる。なお、これらは、単独で又は混合して使用してもよい。
これらの中でも、弾力性及び耐久性の観点から、樹脂材は、ポリウレタン又はポリウレアであることが好ましい。
【0036】
本体部1において、編地のストランドの太さが3〜4cmの場合、ストランド長さ1cmあたりの樹脂材の目付けが0.4〜3.0g/cmであることが好ましい。
樹脂材の目付が0.4g/cm未満であると、目付が上記範囲内にある場合と比較して、強度や耐久性が十分に向上しない場合があり、樹脂材の目付が3.0g/cm超えると、目付が上記範囲内にある場合と比較して、重量が大きくなると共に、編地特有の柔軟性が損なわれるので取扱い性が悪くなる。
【0037】
本体部1は、ストランドTによって形成された部分が空隙部Sとなっている。すなわち、本体部1は、格子状に多数の矩形の空隙部Sを有している。
ここで、本体部1の空隙率は、50〜90%であることが好ましい。
本体部1の空隙率が50%未満であると、空隙率が上記範囲内にある場合と比較して、柔軟性が不十分となる場合があり、本体部1の空隙率が90%を超えると、空隙率が上記範囲内にある場合と比較して、収容物の動きの自由度が向上するので、収容物と本体部1とが擦れることにより、土木用袋体の破損が生じる恐れがある。
【0038】
図2は、本実施形態に係る土木用袋体の本体部の一部を示す断面図である。
図2に示すように、本体部1は、編地からなる編地部5と、樹脂材からなる樹脂部6と、を有し、編地部5を芯とし、樹脂部6が編地部5を被覆するように付与された芯鞘構造となっている。
【0039】
本体部1において、断面における編地部5と、樹脂部6との面積の比は、1:0.2〜3.0であることが好ましい。
断面における編地部5と、樹脂部6との面積の比が、編地部5が1である場合、樹脂部6が0.2未満であると、面積の比が上記範囲内にある場合と比較して、耐久性が十分に向上しない場合があり、断面における編地部5と、樹脂部6との面積の比が、編地部5が1である場合、樹脂部6が3.0を超えると、面積の比が上記範囲内にある場合と比較して、編地特有の柔軟性が幾分か損なわれるので取扱い性が悪くなる。
【0040】
本体部1においては、樹脂部6のうち編地部5の外側に付着した外側樹脂部6aの厚みH1が、樹脂部6のうち編地部の内側に付着した内側樹脂部6bの厚みH2よりも大きくなっている。
【0041】
ここで、河岸等の現場に施工された場合を考えると、内側樹脂部6bは、収容物と本体部1とが擦れ合うことにより摩耗され土木用袋体100が破損することを防止する。
また、収容物は比較的安定しているので、収容物と本体部1とが擦れ合うことによる摩耗は比較的小さい。
したがって、軽量化の観点からも、内側樹脂部6bの厚みH2は、外側樹脂部6aの厚みH1よりも小さくすることが望ましい。
具体的には、内側樹脂部6bの厚みH2は、1.0〜3.5mmであることが好ましい。
【0042】
一方で、外側樹脂部6aは、砂や流石等による摩耗や衝撃により土木用袋体100が破損することを防止する。
ここで、長期的に使用する場合を考慮すると、水の流れを受けて移動する砂や石等による摩耗や衝撃が極めて大きいため、外側樹脂部6aの厚みH1は、内側樹脂部6bの厚みH2よりも大きくすることが望ましい。
具体的には、外側樹脂部6aの厚みH1は、1.5〜4.0mmであることが好ましい。
【0043】
また、外側樹脂部6aの厚みと、内側樹脂部6bの厚みとの比は、内側樹脂部6bの厚みを1とした場合、外側樹脂部6aの厚みは、1より大きく3.0以下であることが好ましい。
【0044】
これらのことにより、土木用袋体100は、それ自体の重量の増大化を抑制すると共に、摩耗や衝撃を受けるような環境下で長期的に用いられる場合であっても、十分な耐久性を発揮することが可能となる。
【0045】
内側樹脂部6bの厚みH2及び外側樹脂部6aの厚みH1は、厚みが10mm以下であることが好ましく、1.0〜4.0mmであることがより好ましい。
厚みが10mmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、耐久性がそれ以上向上せず、単に重量が大きくなるという欠点がある。
【0046】
吊りロープ2及び口縛りロープ3は、公知のロープを適宜採用することができる。
【0047】
本実施形態に係る土木用袋体100は、袋型根固め工、護岸工、仮設工等に好適に用いられる。
【0048】
次に、本実施形態に係る土木用袋体100の製造方法について説明する。
図3は、本実施形態に係る土木用袋体の製造方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態に係る土木用袋体100の製造方法は、編地を吊り下げる吊り下げ工程S1と、編地に対し、該編地の側面から吹付具を用いて樹脂材を吹き付ける吹付工程S2と、を有する。
【0049】
図4は、本実施形態に係る土木用袋体の製造方法において、編地に樹脂材を吹き付けた場合、編地に対する樹脂材の付与のされ方を説明するための模式図である。
図4に示すように、本実施形態に係る土木用袋体100の製造方法においては、編地を吊り下げた状態で(吊り下げ工程S1)で、該編地の側面から吹付具を用いて樹脂材を吹き付けるので(吹付工程S2)、吹き付ける手前側の編地部5aの外側により多くの樹脂材を付与することができる。
また、手前側の編地部5aの空隙部を通過した樹脂材により、奥側の編地部5bの内側にも樹脂材を付与することができる。これにより、積極的に外側樹脂部の厚みが、内側樹脂部の厚みよりも大きい土木用袋体を製造することができる。
【0050】
以下、各工程について更に詳細に説明する。
図5の(a)は、本実施形態に係る土木用袋体の製造方法における吊り下げ工程を説明するための概略斜視図であり、(b)は、他の例である。
図5の(a)に示すように、吊り下げ工程S1は、編地を吊り下げる工程である。
吊り下げ工程S1においては、まず、吊り下げられた円形の枠体15から等間隔となるように複数のフック12を吊り下げる。
そして、該フック12を編地の口部11の引掛けることにより、口部11を開いた状態で編地が吊り下げられる。
口部11を開いた状態とすることにより、編地を膨らませた状態にでき、後述する吹付工程S2において、編地に対して樹脂材をより均一に付着させることが可能となる。
また、編地はその重さにより、編み目が広がった状態で樹脂材を付与できるので、尚更樹脂材を均一に付着させることが可能となる。
【0051】
また、
図5の(b)に示すように、吊り下げられた矩形状の枠体13と、枠体13に取り付けられた支持具14とからから等間隔となるように複数のフック12を吊り下げ、該フック12を編地の口部11の引掛けることにより、口部11を開いた状態で編地を吊り下げてもよい。このように、このとき、編地の口部11は可及的円形に近い状態で吊り下げることが好ましい。
【0052】
また、吊り下げられた編地は、側面の少なくとも2箇所にロープをフック等で引掛けて、外方に引っ張った状態とする。これにより、後述する吹付工程S2において、樹脂材を編地の内部にまで付着させることが可能となる。
【0053】
吹付工程S2は、吊り下げられた編地に対し、吹付具を用いて樹脂材を吹き付ける工程である。
ここで、吹付具の構造は特に限定されず、公知のノズル装置や吹付ガン等を適宜採用することができる。
【0054】
吹付工程S2おいては、編地を周方向に回転させながら、編地に対し、吹付具を用いて樹脂材を吹き付ける。これにより、編地の周方向に対し、簡単且つ均一に樹脂材を付与することが可能となる。なお、このとき、上述した上部及び下部には樹脂材を吹き付けず、中腹部Pに樹脂材が吹き付けられる。
こうして、本実施形態に係る土木用袋体100が得られる。
図6は、得られた土木用袋体100の本体部の一部を示す写真である(ブルーシートに載置した状態)。
【0055】
次に、本実施形態に係る土木用袋体100の使用方法の一例について説明する。
図7の(A)〜(D)は、本実施形態に係る土木用袋体の使用方法を説明するための説明図である。
まず、
図7の(A)に示すように、上面視で円形の型枠Kの内側面に沿うようにして土木用袋体100を取り付ける。このとき、土木用袋体100の口部11は、型枠Kの上縁周囲に沿って保持しておく。
そして、
図7の(B)に示すように、玉石、割栗石、砕石、砂利石等の収容物Wを土木用袋体100に投入する。
【0056】
次に、
図7の(C)に示すように、収容物Wの所定量を投入した後、吊りロープ2にフックFで張力を与えた状態で、該吊りロープ2の上方に備わった口縛りロープ3により口部11を閉じる。このとき、フックFの操作はクレーン等を使って行い、土木用袋体100の底部が地面から少し浮上る程度まで吊り上げて吊りロープ2に張力を与え土木用袋体100の編地の弛みをなくすことが好ましい。
そして、
図7の(D)に示すように、口縛りロープ3により口部11を閉じた後は、型枠Kから土木用袋体100を脱型させ、吊り上げて必要な場所(置き場等)に移動させる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0058】
例えば、本実施形態に係る土木用袋体100においては、吊りロープ2と、口縛りロープ3とを備えているが必須の構成ではなく、土木用袋体100とは別体であってもよい。
また、吊りロープ2と口縛りロープ3とは平行となるように取り付けられているが、これに限定されるものではない。
【0059】
本実施形態に係る土木用袋体100においては、上端部から一定の距離を上部、下端部から一定の距離を下部、上部と下部との間を中腹部Pとした場合に、中腹部Pの編地にのみ樹脂材が付与されているが、これに限定されない。すなわち、中腹部P及び下部に樹脂材が付与されていてもよく、全体(中腹部P、上部及び下部)に樹脂材が付与されていてもよい。
【0060】
本実施形態に係る土木用袋体100において、本体部1は、格子状に多数の矩形の空隙部Sを有しているが、空隙部Sの形状は矩形に限定されず、多角形状であればよい。
例えば、空隙部の形状は、ひし形や六角形状等であってもよい。
【0061】
本実施形態に係る土木用袋体100の製造方法の吊り下げ工程S1においては、吊り下げられた平板状のパネル13と、パネル13に取り付けられた支持具14とから等間隔となるように複数のフック12を吊り下げ、該フック12を編地の口部11の引掛けることにより吊り下げているが、口部11を開いた状態で編地を吊り下げ可能であれば、吊り下げ方法はこれに限定されない。
また、吊り下げ工程において、編地の側面の少なくとも2箇所を外方に引っ張った状態としているが、必須の操作ではない。
【0062】
本実施形態に係る土木用袋体100の製造方法の吹付工程S2おいては、編地を周方向に回転させながら、編地に対し、吹付具を用いて樹脂材を吹き付けているが、編地を中心に、吹付具を編地の周方向に回転させながら、樹脂材を吹き付けてもよい。