特開2015-209944(P2015-209944A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-209944(P2015-209944A)
(43)【公開日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】PTO搭載車両
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/02 20060101AFI20151027BHJP
   F16H 59/50 20060101ALI20151027BHJP
   F16H 63/46 20060101ALI20151027BHJP
   F16D 48/02 20060101ALI20151027BHJP
【FI】
   F16H61/02
   F16H59/50
   F16H63/46
   F16D25/14 640A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-93096(P2014-93096)
(22)【出願日】2014年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】303002158
【氏名又は名称】三菱ふそうトラック・バス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小関 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】森元 繁幸
【テーマコード(参考)】
3J057
3J552
【Fターム(参考)】
3J057GA80
3J057GB13
3J057GB19
3J057GC09
3J057GE07
3J057HH04
3J057JJ07
3J552MA04
3J552MA13
3J552MA17
3J552NA04
3J552NB01
3J552PA02
3J552PA20
3J552RA02
3J552RB28
3J552SA26
3J552SB35
3J552UA00
3J552UA03
3J552VB00W
(57)【要約】
【課題】PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じて、適切なギヤ入れ制御を実行可能なPTO搭載車両を提供する。
【解決手段】PTO搭載車両は、車両に搭載される変速装置と、前記変速装置に接続及び遮断され、前記変速装置の動力を外部に取り出すためのPTO装置と、前記PTO装置を前記変速装置に接続及び遮断するためのPTOスイッチと、前記変速装置のギヤ段を制御するための変速制御装置と、前記PTOスイッチの切り替えに応じ前記PTO装置の接続及び遮断を制御するためのPTO制御装置とを備え、前記変速制御装置は、前記PTO装置の前記変速装置への接続又は遮断の状態に応じたギヤ入れ制御を行うように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される変速装置と、
前記変速装置に接続及び遮断され、前記変速装置の動力を外部に取り出すためのPTO装置と、
前記PTO装置を前記変速装置に接続及び遮断するためのPTOスイッチと、
前記変速装置のギヤ段を制御するための変速制御装置と、
前記PTOスイッチの切り替えに応じ前記PTO装置の接続及び遮断を制御するためのPTO制御装置と
を備え、
前記変速制御装置は、前記PTO装置の前記変速装置への接続又は遮断の状態に応じたギヤ入れ制御を行うように構成されることを特徴とするPTO搭載車両。
【請求項2】
前記変速制御装置は、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れタイミングを早めるように構成されることを特徴とした請求項1に記載のPTO搭載車両。
【請求項3】
前記車両に備えられる外部機構と、
前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置と
をさらに備え、
前記変速制御装置は、
前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れタイミングを早めるように構成されることを特徴とした請求項2に記載のPTO搭載車両。
【請求項4】
前記変速制御装置は、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れ力を大きくするように構成されることを特徴とした請求項1〜3の何れか一項に記載のPTO搭載車両。
【請求項5】
前記車両に備えられる外部機構と、
前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置と
をさらに備え、
前記変速制御装置は、
前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れ力を大きくするように構成されることを特徴とした請求項4に記載のPTO搭載車両。
【請求項6】
前記変速装置に動力を与えるための動力装置と、
前記動力装置と前記変速装置の間に備えられる前記変速装置への動力を接続及び遮断するためのクラッチと、
前記クラッチの接続及び遮断を制御するためのクラッチ装置と
をさらに備え、
前記クラッチ制御装置は、前記変速装置のギヤ入れ制御をダブルクラッチ制御で行い、前記ダブルクラッチ制御を行うとき、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記クラッチの接量又は前記クラッチの回転数の少なくともどちらか一方を大きくするように構成されることを特徴とした請求項1〜5の何れか一項に記載のPTO搭載車両。
【請求項7】
前記車両に備えられる外部機構と、
前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置と
をさらに備え、
前記クラッチ制御装置は、
前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記クラッチ接量または前記クラッチの回転数の少なくともどちらか一方を大きくするように構成されることを特徴とした請求項6に記載のPTO搭載車両。
【請求項8】
前記変速制御装置は、前記変速装置のギヤ入れ制御のリトライ判定時間を設定可能なリトライ判定時間装置を含み、
前記リトライ判定時間装置は、
前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記リトライ判定時間を大きく設定するように構成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のPTO搭載車両。
【請求項9】
前記車両に備えられる外部機構と、
前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置と
をさらに備え、
前記リトライ判定時間装置は、
前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置の前記リトライ判定時間を大きく設定するように構成されることを特徴とした請求項8に記載のPTO搭載車両。
【請求項10】
前記変速制御装置は、前記変速制御装置のギヤ入れ制御のリトライ回数の上限値を設定可能なリトライ回数上限値装置を含み、
前記リトライ回数上限値装置は、
前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記リトライ回数を大きく設定するように構成されることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のPTO搭載車両。
【請求項11】
前記車両に備えられる外部機構と、
前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置と
をさらに備え、
前記リトライ回数上限値装置は、
前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置の前記リトライ回数を大きく設定するように構成されることを特徴とした請求項10に記載のPTO搭載車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はPTO搭載車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダンプ車、ごみ収集車、及びコンクリートミキサー車等の荷役作業に用いられる特殊車両として、エンジンからの動力を走行以外の目的で取り出すPTO(Power take off)が備えられたPTO搭載車両が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、PTO装置を変速機に接続して走行中にシフトチェンジ操作が行われたとき、PTO装置を遮断するPTO遮断手段判定手段を設けたPTO搭載車両が開示されている。また、例えば、特許文献2には、車両の状態に応じてPTO装置を接続するかどうかを判定するPTO駆動判定手段を設けたPTO搭載車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−28285号公報
【特許文献2】特開2003−25860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、PTO装置が変速装置に接続されているとき、変速装置にかかる負荷が大きくなっている。変速装置に負荷がかかった状態で、ドライバがシフトチェンジを操作すると、ギヤ入れのショックが大きくなってしまう、又は、ギヤ入れに要する時間が長くなってしまう等、ダンプ車の商品性が悪化するという問題があった。
【0006】
さらに、PTO装置が変速装置に接続されているとき、ドライバが、ダンプレバーを操作し、ダンプの荷台を昇降させているとき、PTO装置に接続されている変速装置にさらに大きな負荷がかかる。このような状態で、ドライバがシフトチェンジ操作をすると、ダンプレバーを操作していないときと比べて、さらにギヤ入れのショックがより大きくなってしまう、又は、ギヤ入れに要する時間がより長くなってしまう等、ダンプ車の商品性がさらに悪化するという問題があった。
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じて、適切なギヤ入れ制御を実行可能なPTO搭載車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るPTO搭載車両は、車両に搭載される変速装置と、前記変速装置に接続及び遮断され、前記変速装置の動力を外部に取り出すためのPTO装置と、前記PTO装置を前記変速装置に接続及び遮断するためのPTOスイッチと、前記変速装置のギヤ段を制御するための変速制御装置と、前記PTOスイッチの切り替えに応じ前記PTO装置の接続及び遮断を制御するためのPTO制御装置とを備え、前記変速制御装置は、前記PTO装置の前記変速装置への接続又は遮断の状態に応じたギヤ入れ制御を行うように構成される。
【0009】
上記(1)の実施形態に係るPTO搭載車両は、変速装置に接続及び遮断され、変速装置の動力を外部に取り出すためのPTO装置と、PTO装置を変速装置に接続又は遮断するためのPTOスイッチと、変速装置のギヤ段を制御する変速制御装置と、PTOスイッチの切り替えに応じ、PTO制御装置の接続及び遮断を制御するPTO制御装置とを備える。変速制御装置は、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じたギヤ入れ制御を行うように構成される。
このため、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じ、変速装置にかかる負荷に適したギヤ入れ制御を行うことができる。ギヤ入れ制御のとき、特に、変速装置のシンクロ機構に過剰な力がかかることを防止し、PTO搭載車両の商品性の向上を図ることができる。
【0010】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の実施形態において、前記変速制御装置は、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れタイミングを早めるように構成される。
【0011】
上記(2)の実施形態によれば、変速制御装置は、PTO装置が変速装置と接続されている場合、PTO装置が変速装置と遮断されている場合に比べ、変速装置のギヤ入れタイミングを早めるように構成される。
PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されていない場合と比べ、変速装置にかかる負荷が大きい。このため、ギヤ入れ時にクラッチを遮断した際、PTO装置が変速装置に接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、PTO装置が接続されるカウンタシャフトの回転数が急速に低下する。そして、クラッチが遮断されている状態が続くと、カウンタシャフトの回転数が大幅に低下し、PTO装置が変速装置と遮断されているときと同じタイミングでギヤ入れを開始した場合、結果としてギヤ入れしにくい状態でギヤ入れする状況に陥り、例えばPTO搭載車両の停車状態では、カウンタシャフトの回転が停止した状態でのギヤ入れとなり、ギヤ入れが難しくなる。
よって、PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れタイミングを早めることによって、ギヤ入れしにくい状況に陥る前に、すなわち停車状態であればカウンタシャフトの回転が停止する前(例えば、ある規定回転数(以下、規定回転数1)になった場合)ギヤ入れ制御を開始する。このように、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れタイミングの制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0012】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の実施形態において、前記車両に備えられる外部機構と、前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置とをさらに備える。そして、前記変速制御装置は、外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れタイミングを早めるように構成される。
【0013】
上記(3)の実施形態によれば、PTO搭載車両は、外部機構と、外部機構作動装置とをさらに備える。そして、変速制御装置は、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、変速装置のギヤ入れタイミングを早めるように構成される。
ドライバが外部機構作動装置を操作して外部機構を作動させている場合は、外部機構を作動させていない場合と比べて、ギヤ入れ時にクラッチを遮断した際に、PTO装置に接続されるカウンタシャフトの回転数が更に急速に低下する。そして、クラッチが遮断されている状態が続くと、カウンタシャフトの回転数が更に大幅に低下し、ギヤ入れ開始のタイミングをさらに逸し、ギヤ入れがより一層難しくなってしまう。
よって、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れタイミングを更に早めることによって、ギヤ入れしにくい状況に陥る前に、すなわち停車状態であればカウンタシャフトの回転が停止する前(例えば、規定回転数1になった場合)に、ギヤ入れ制御を開始する。このように、PTO装置が変速装置に接続されている場合であっても、外部機構の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れタイミングの制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0014】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れか1つの実施形態において、前記変速制御装置は、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れ力を大きくするように構成される。
【0015】
上記(4)の実施形態によれば、変速制御装置は、PTO装置が変速装置と接続されている場合、PTO装置が変速装置と遮断されている場合に比べ、変速装置のギヤ入れ力を大きくするように構成される。
PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、変速装置にかかる負荷が大きい。変速装置に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに大きな力を必要とする。
よって、PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、変速装置のギヤ入れ力を大きくする。このように、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れ力の制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0016】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の実施形態において、PTO搭載車両は、車両に備えられる外部機構と、外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置とをさらに備える。そして、変速制御装置は、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、変速装置のギヤ入れ力を大きくするように構成される。
【0017】
上記(5)の実施形態によれば、PTO搭載車両は、外部機構と、外部機構作動装置とをさらに備える。そして、前記変速制御装置は、前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置のギヤ入れ力を大きくするように構成される。
ドライバが外部機構作動装置を操作して外部機構を作動させている場合は、外部機構を作動させていない場合と比べ、変速装置にかかる負荷が大きい。変速装置に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに大きな力を必要とする。
よって、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、変速装置のギヤ入れ力を大きくする。このように、PTO装置が変速装置に接続されている場合であっても、外部機構の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れ力の制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0018】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の何れか1つの実施形態において、前記変速装置に動力を与えるための動力装置と、前記動力装置と前記変速装置の間に備えられる前記変速装置への動力を接続及び遮断するためのクラッチと、前記クラッチの接続及び遮断を制御するためのクラッチ制御装置とをさらに備える。そして、前記クラッチ制御装置は、前記変速装置のギヤ入れ制御をダブルクラッチ制御で行い、前記ダブルクラッチ制御を行うとき、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記クラッチ接量または前記クラッチの回転数の少なくともどちらか一方を大きくするように構成される。
【0019】
上記(6)の実施形態によれば、動力装置と、クラッチと、クラッチ制御装置をさらに備える。そして、クラッチ制御装置は、変速装置のギヤ入れ制御をダブルクラッチ制御で行い、前記ダブルクラッチ制御を行うとき、PTO装置が変速装置と接続されている場合、PTO装置が変速装置と遮断されている場合に比べ、前記クラッチ接量または前記クラッチの回転数の少なくともどちらか一方を大きくするように構成される。
PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べて、変速装置にかかる負荷が大きい。このため、ギヤ入れ時にクラッチを遮断した際、PTO装置が変速装置に接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べて、PTO装置が接続されるカウンタシャフトの回転数が急速に低下する。そして、クラッチが遮断されている状態が続くと、カウンタシャフトの回転数が大幅に低下し、例えば停車状態では、カウンタシャフトの回転が停止した状態に陥りやすくなり、ゆえにカウンタシャフトの回転が停止した状態でのギヤ入れとなる状況に陥りやすくなり、ギヤ入れが難しくなる。そのため、ダブルクラッチ制御によりギヤ入れしにくい状況を解消する必要がある。
よって、PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れ制御時におけるダブルクラッチ制御時(ギヤがニュートラルの状態でクラッチを繋ぎクラッチ回転数を上昇させ、ギヤ入れしにくい状況を解消するための制御)のクラッチ接量を大きくすることやクラッチ回転数を高めることによって、ギヤ入れしにくい状況を適切に解消できる。このように、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(クラッチストローク制御やクラッチ回転数制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0020】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の実施形態において、前記車両に備えられる外部機構と、前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置とをさらに備える。そして、前記クラッチ制御装置は、前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記クラッチ接量または前記クラッチの回転数の少なくともどちらか一方を大きくするように構成される。
【0021】
上記(7)の実施形態によれば、PTO搭載車両は、外部機構と、外部機構作動装置とをさらに備える。そして、クラッチ制御装置は、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記クラッチ接量または前記クラッチの回転数の少なくともどちらか一方を大きくするように構成される。
ドライバが外部機構作動装置を操作して外部機構を作動させている場合は、外部機構を作動させていない場合と比べて、ギヤ入れ時にクラッチを遮断した際に、PTO装置に接続されるカウンタシャフトの回転数が更に急速に低下する。そして、クラッチが遮断されている状態が続くと、カウンタシャフトの回転数が更に大幅に低下し、例えば停車状態では、カウンタシャフトの回転が停止した状態に陥りやすくなり、ゆえにカウンタシャフトの回転が停止した状態でのギヤ入れとなる状況に陥りやすくなり、ギヤ入れがより一層難しくなってしまう。
よって、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れ制御時におけるダブルクラッチ制御時(ギヤがニュートラルの状態でクラッチを繋ぎクラッチ回転数を上昇させ、ギヤ入れしにくい状況を解消するための制御)のクラッチ接量を大きくすることやクラッチ回転数を更に高めることによって、ギヤ入れしにくい状況を適切に解消できる。このように、PTO装置が変速装置に接続されている場合であっても、外部機構の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(クラッチストローク制御やクラッチ回転数制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0022】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の何れか1つの実施形態において、前記変速制御装置は、前記変速装置のギヤ入れ制御のリトライ判定時間を設定可能なリトライ判定時間装置を含む。そして、前記リトライ判定時間装置は、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記リトライ判定時間を大きく設定するように構成される。
【0023】
上記(8)の構成によれば、変速制御装置のリトライ判定時間装置は、PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、リトライ判定時間を大きく設定するように構成される。
PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、変速装置にかかる負荷が大きい。変速装置に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れ完了までに長い時間を要する。
よって、PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れ制御をやり直す判定時間であるところのリトライ判定時間を大きく設定する。このように、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ判定時間の制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0024】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の実施形態において、前記車両に備えられる外部機構と、前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置とをさらに備える。そして、前記リトライ判定時間装置は、前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置の前記リトライ判定時間を大きく設定するように構成される。
【0025】
上記(9)の実施形態によれば、PTO搭載車両は、外部機構と、外部機構作動装置とをさらに備える。そして、リトライ判定時間装置は、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、変速装置のリトライ判定時間を大きく設定するように構成される。
ドライバが外部機構作動装置を操作して外部機構を作動させている場合は、外部機構を作動させていない場合と比べ、変速装置にかかる負荷が大きい。変速装置に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに長い時間を要する。
よって、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れ制御をやり直す判定時間であるところのリトライ判定時間を大きく設定する。このように、PTO装置が変速装置に接続されている場合であっても、外部機構の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ判定時間の制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0026】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)何れか1つの実施形態において、前記変速制御装置は、前記変速制御装置のギヤ入れ制御のリトライ回数の上限値を設定可能なリトライ回数上限値装置を含む。そして、前記リトライ回数上限値装置は、前記PTO装置が前記変速装置と接続されている場合、前記PTO装置が前記変速装置と遮断されている場合に比べ、前記リトライ回数を大きく設定するように構成される。
【0027】
上記(10)の構成によれば、変速制御装置のギヤ入れ制御のリトライ回数の上限値を設定可能なリトライ回数上限値装置を含む。そして、リトライ回数上限値装置は、PTO装置が変速装置と接続されている場合、PTO装置が変速装置と遮断されている場合に比べ、リトライ回数を大きく設定するように構成される。
PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、変速装置にかかる負荷が大きい。変速装置に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れ完了までに多くの試行回数を要する場合がある。
よって、PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れ制御をやり直した試行回数であるところのリトライ回数の上限値を大きく設定する。このように、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ回数の上限値の制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0028】
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の実施形態において、前記車両に備えられる外部機構と、前記外部機構を作動させるために操作するための外部機構作動装置と
をさらに備える。そして、前記リトライ回数上限値装置は、前記外部機構作動装置が操作されている場合は、前記外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、前記変速装置の前記リトライ回数を大きく設定するように構成される。
【0029】
上記(11)の実施形態によれば、PTO搭載車両は、外部機構と、外部機構作動装置とをさらに備える。そして、リトライ回数上限値装置は、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、変速装置のリトライ回数を大きく設定するように構成される。
ドライバが外部機構作動装置を操作して外部機構を作動させている場合は、外部機構を作動させていない場合と比べ、変速装置にかかる負荷が大きい。変速装置に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに多くの試行回数を要する場合がある。
よって、外部機構作動装置が操作されている場合は、外部機構作動装置が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れ制御をやり直した試行回数であるところのリトライ回数の上限値を大きく設定する。このように、PTO装置が変速装置に接続されている場合であっても、外部機構の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ回数の上限値の制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【発明の効果】
【0030】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、PTO装置の変速装置への接続又は遮断の状態に応じて、適切なギヤ入れ制御を実行可能なPTO搭載車両が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の幾つかの実施形態に係るPTO搭載車両の全体構成を示した全体概略構成図である。
図2図2は、本発明の幾つかの実施形態に係るPTO搭載車両の一例である荷台を備えたダンプ車の概略図である。
図3図3は、PTO制御装置からの指示によって実行されるPTO係合状態判定制御の一例を示したフローチャートである。
図4図4は、図3におけるPTO係合状態判定の結果に応じたギヤ入れ制御パターン選択の一例を示す図である。
図5図5は、変速制御装置からの指示によって実行されるギヤ入れ制御の一例を示したフローチャートである。
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている、又は、図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単に説明例に過ぎない。
【0033】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に係るPTO搭載車両の全体構成を示した全体概略構成図である。PTO搭載車両は、例えば、ダンプ車、ごみ収集車、及びコンクリートミキサー車等の荷役作業に用いられる特殊車両である。PTO制御システム10は、動力装置であるエンジン1と、該エンジン1の動力系下流側に位置し、エンジン1の回転駆動(動力)を変換する変速装置(例えば、機械式自動変速機等、M/Tと略称されることもある。)2と、エンジン1と変速装置2との間に介装され、エンジン1の回転駆動力を変速装置2に伝達、又は、遮断を行うクラッチ3と、エンジン1の回転数(出力)を制御するエンジン制御装置6と、変速装置2の側壁に装着されエンジン1からの動力を車両走行以外の外部機構に動力を伝達(接続)、又は、遮断するPTO装置であるトランスミッションPTO(以後、T/M PTOと略称する。)23と、運転席のメータクラスタ40に配置され、T/M PTO23を変速装置2へ接続、又は、遮断操作するためのPTOスイッチ41と、PTOスイッチ41のON―OFFに基づいてT/M PTO23の接続、又は、遮断を制御するPTO制御装置51と、車両走行以外の動力装置の作動、又は、停止をPTO制御装置51に伝達する外部機構作動指示装置45を備えている。また、本実施形態では、PTO制御装置51は、変速制御装置5に内蔵された状態になっている。
なお、動力装置としては、上述したエンジン1に代えて、またはこれと合わせて、電動モータを採用することも出来る。
【0034】
また、変速制御装置5には、タイマー装置35が電気的に接続されている。タイマー装置35は、ギヤ入れ制御において、変速制御装置5により制御され、ギヤ入れ制御開始時点からの時間経過をカウントするための装置である。
【0035】
外部機構作動指示装置45は、外部作動センサ46と外部機構作動装置47を備えている。PTO搭載車両の外部機構49を作動させるとき、ドライバは、外部機構作動装置47を操作する。外部作動センサ46は、ドライバによる外部機構作動装置47の操作を検知して、PTO制御装置51に検知信号を送信する。検知信号を受信したPTO制御装置51は、外部機構49を作動させるようにT/M PTO23を制御する。
【0036】
図2は、本発明の幾つかの実施形態に係るPTO搭載車両の一例を示した概略図である。PTO車両(ダンプ車)50は、外部機構(荷台)49を備える。ドライバは、外部機構作動装置(ダンプレバー)47を作動させて、作業を行う。
【0037】
変速装置2は、燃費効率のよい手動変換機と同様の構造をした機械式変速機21と、該機械式変速機21のギヤレンジを変換指示するシフト指示装置53と、機械式変速機21の上部に配設され、機械式変速機21のギヤレンジの変速を行うギヤシフトユニット(GSU)22と、クラッチ3の伝達、又は、遮断の制御と同期して、遮断的にギヤシフトユニット22によって機械式変速機21のギヤレンジ(変速段)を変速制御する変速制御装置5と、機械式変速機21の変速レンジの変速後のギヤレンジを表示する認識装置であるギヤシフトインジケータ54と、クラッチ3の伝達、又は、遮断の制御を行うクラッチ制御装置52と、クラッチ制御装置52の制御に基づいてクラッチ3を接続(伝達)、又は、遮断を実施するクラッチアクチュエータ31と、機械式変速機21の出力軸部に装着され、車両が停止状態にあるか否かを判断する停車状態判断装置である車速センサ25と、を備えている。
【0038】
さらに、変速制御装置5には、エンジン1の回転数rpmを検出し、エンジン制御装置6を介して回転数センサ11の信号、車両の走行路面の状況を検知する勾配センサ12からの信号がそれぞれ入力される。ドライバが所望の運転感覚を得るために、エンジンン出力を操作するアクセル装置15が配設されている。アクセル装置15は、ドライバが踏込むアクセルペダル16と、アクセルペダル16の踏込量を検知してエンジン制御装置6に信号を出力するアクセルセンサ17を備えている。
【0039】
シフト指示装置53は、前進走行を自動変速させるDレンジ、後退走行のRレンジ、及び、ニュートラルNを有した自動走行パターンと、前進走行をマニュアル操作するマニュアル操作パターンとを選択して操作可能な構成となっている。
【0040】
自動走行パターンの場合、変速制御装置5は、アクセルペダル16の踏込量、車速、及び、機械式変速機21の現状のギヤレンジなどに基づいて、最適な燃費、及び、運転感覚が得られるように、予め求められたマップに沿って、機械式変速機21の変速レンジを得るように自動制御する。
【0041】
一方、マニュアル操作パターンの場合、変速制御装置5は、ドライバがシフト指示装置53の操作レバー(図示省略)の所望の変速レンジになるように繰返し操作することにより、操作レバーの下部に配設された信号発信機(図示省略)から信号が変速制御装置5に送信され、変速制御装置5は変速指示に沿った変速レンジになるようギヤシフトユニット22を制御するようになっている。
【0042】
ここで、クラッチ制御装置52によるダブルクラッチ制御の一例について説明する。ダブルクラッチ制御は、クラッチ3を切断し、変速装置2のギヤをニュートラルにし、クラッチ3を接続する。次いで、エンジン1によりクラッチ3の回転数を上昇させた後にクラッチ3を切断し、再びクラッチ3を接続する手順で実行される制御である。
【0043】
図3は、PTO制御装置51からの指示によって実行されるPTO係合状態判定の一例を示したフローチャートである。
【0044】
PTO制御装置51は、PTOが作動状態か否か判定する(S1)。S1の処理において、PTO制御装置51は、T/M PTO23のギヤと変速装置2のギヤが係合しているか否か判定する。T/M PTO23のギヤと変速装置2のギヤが非係合であると判定された場合(S1:NO)、PTOギヤ非係合状態(条件aとする。)と判定される(S3)。
【0045】
一方、S1の処理において、PTO制御装置51が、T/M PTO23のギヤと変速装置2のギヤが係合していると判定した場合(S1:YES)、続いて、PTO制御装置51は、ダンプレバー(外部機構作動装置47)操作があったか否か判定する(S2)。ダンプレバー操作がなかったと判定された場合(S2:NO)、PTOギヤ係合状態かつダンプレバー非操作(条件bとする。)と判定される(S4)。
【0046】
また、S2の処理において、ダンプレバー操作があったと判定された場合(S2:YES)、PTOギヤ係合状態かつダンプレバー操作(条件cとする)と判定される(S5)。
【0047】
条件a PTOギヤ非係合状態
T/M PTO23のギヤと変速装置2のギヤが非係合、つまり、遮断の状態である。この場合、変速装置2にかかる負荷は、条件bや条件cの場合よりも小さい。
【0048】
条件b PTOギヤ係合状態かつダンプレバー非操作
T/M PTO23のギヤと変速装置2のギヤが係合、つまり、接続の状態である。且つ、ドライバが、外部機構作動装置(ダンプレバー)47を操作していない状態である。この場合、変速装置2にかかる負荷は、条件aの場合よりも大きく、条件cの場合よりも小さい。
【0049】
条件c PTOギヤ係合状態かつダンプレバー操作
T/M PTO23のギヤと変速装置2のギヤが係合、つまり、接続の状態である。且つ、ドライバが、外部機構作動装置(ダンプレバー)47を操作して、PTO搭載車両(ダンプ車)50の外部機構(荷台)49を昇降させている状態である。この場合、変速装置2にかかる負荷は、条件a、条件bの場合よりも大きい。
【0050】
上述のように、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合(条件b、条件c)、T/M TPO23が変速装置2と遮断されている場合(条件a)よりも変速装置2にかかる負荷が大きい。エンジン1の動力が、車両の走行のためだけではなく、T/M PTO23に接続される外部機構49を作動させるためにも使用されるからである。
T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合、ドライバがシフト指示装置53を操作して車両の変速を試みるとき、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べて、変速装置2のシンクロ機構に過大な負荷をかけてしまうことがある。
【0051】
図4は、図3におけるPTO係合状態判定の結果に応じたギヤ入れ制御パターン選択の一例を示す図である。
【0052】
ギヤ入れ制御パターン選択部60は、判定部61を備え、ギヤシフト制御部62、ダブルクラッチ制御部63、及び、リトライ制御部64を備える。判定部61は、PTO係合状態判定の結果(例えば、条件a、条件b、条件c)に基づいて各制御部を制御する。
【0053】
ギヤシフト制御部62は、ギヤ入れタイミング選択部71とギヤ入れ力選択部72を備える。ダブルクラッチ制御部63は、ダブルクラッチ制御選択部73を備える。リトライ制御部64は、リトライ判定時間選択部74、及び、リトライ回数上限値選択部75を備える。
【0054】
各選択部には、条件a、条件b、条件cに対応したマップが記憶されている。ギヤ入れタイミング選択部71には、ギヤ入れタイミングマップ71a,71b,71cが記憶されている。ギヤ入れ力選択部72には、ギヤ入れ力マップ72a,72b,72cが記憶されている。ダブルクラッチ制御選択部73には、ダブルクラッチ制御マップ73a,73b,73cが記憶されている。リトライ判定時間選択部74には、リトライ判定時間マップ74a,74b,74cが記憶されている。リトライ回数上限値選択部75には、リトライ回数上限値マップ75a,75b,75cが記憶されている。
【0055】
例えば、変速装置2にかかる負荷の大きさは、条件a<条件b<条件cであるので、ギヤ入れタイミングマップ71a,71b,71cには、この順にギヤ入れのタイミングを早くする制御方法が記憶されている。
【0056】
幾つかの実施形態では、上述したように、変速制御装置5は、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合に比べ、変速装置2のギヤ入れタイミングを早めるように構成される。
T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されていない場合と比べ、変速装置2にかかる負荷が大きい。このため、ギヤ入れ時にクラッチ3を遮断し、かつ、ギヤをニュートラルとした際、T/M PTO23が変速装置2に接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、T/M PTO23が接続されるカウンタシャフトの回転数が急速に低下する。そして、クラッチ3が遮断されている状態が続くと、T/M PTO23との接続が遮断されているときと同じタイミングでギヤ入れを開始したのでは、結果としてギヤ入れしにくい状態でギヤ入れする状況に陥り、例えば停車状態では、カウンタシャフトの回転が停止した状態でのギヤ入れとなり、ギヤ入れが難しくなる。
よって、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れタイミングを早めることによって、ギヤ入れしにくい状況に陥る前に、すなわち停車状態であればカウンタシャフトの回転数が停止する前に(例えば、規定回転数1になった場合)ギヤ入れ制御を開始する。このように、T/M PTO23の変速装置2への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れタイミングの制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0057】
また、幾つかの実施形態では、上述したように、PTO搭載車両は、外部機構49と、外部機構作動装置47とをさらに備える。そして、変速制御装置5は、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、変速装置2のギヤ入れタイミングを早めるように構成される。
ドライバが外部機構作動装置47を操作して外部機構49を作動させている場合は、外部機構49を作動させていない場合と比べて、ギヤ入れ時にクラッチ3を遮断し、かつ、ギヤをニュートラルとした際に、T/M PTO23に接続されるカウンタシャフトの回転数が更に急速に低下する。そして、クラッチ3が遮断されている状態が続くと、カウンタシャフトの回転数が更に大幅に低下し、ギヤ入れ開始のタイミングをさらに逸し、ギヤ入れがより一層難しくなってしまう。
よって、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れタイミングを更に早めることによって、ギヤ入れしにくい状況でのギヤ入れとならないように、例えば停車状態であればカウンタシャフトの回転が停止する前に(規定回転数1よりも高い回転数である規定回転数2になった場合)、ギヤ入れ制御を開始する。このように、T/M PTO23が変速装置2に接続されている場合であっても、外部機構49の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れタイミングの制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0058】
ギヤ入れ力マップ72a,72b,72cには、この順にギヤ入れ力を大きくする制御方法が記憶されている。
【0059】
幾つかの実施形態では、上述したように、変速制御装置5は、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合に比べ、変速装置2のギヤ入れ力を大きくするように構成される。
T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、変速装置2にかかる負荷が大きい。変速装置2に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置2に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに大きな力を必要とする。
よって、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、変速装置2のギヤ入れ力を大きくする。このように、T/M PTO23の変速装置2への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れ力の制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0060】
また、幾つかの実施形態では、上述したように、PTO搭載車両は、外部機構49と、外部機構作動装置47とをさらに備える。そして、変速制御装置5は、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、変速装置2のギヤ入れ力を大きくするように構成される。
ドライバが外部機構作動装置47を操作して外部機構49を作動させている場合は、外部機構49を作動させていない場合と比べ、変速装置2にかかる負荷が大きい。変速装置2に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置2に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに大きな力を必要とする。
よって、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、変速装置2のギヤ入れ力を大きくする。このように、T/M PTO23が変速装置2に接続されている場合であっても、外部機構49の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(ギヤ入れ力の制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0061】
ダブルクラッチ制御マップ73a,73b,73cには、この順にダブルクラッチ制御時のクラッチ3の接量やクラッチ3の回転数を大きくする制御方法が記憶されている。例えば、クラッチ3の回転数の規定値である規定回転数1、規定回転数2などが記憶されている。
【0062】
幾つかの実施形態では、上述したように、動力装置(エンジン1)と、クラッチ3とをさらに備える。そして、変速装置2は、クラッチ3の接続及び遮断を制御するためのクラッチ制御装置52を含み、クラッチ制御装置52は、変速装置2のギヤ入れ制御を行うとき、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合に比べ、クラッチ3の回転数を大きくするように構成される。
T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べて、変速装置2にかかる負荷が大きい。このため、ギヤ入れ時にクラッチ3を遮断し、かつ、ギヤをニュートラルとした際、T/M PTO23が変速装置2に接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べて、T/M PTO23が接続されるカウンタシャフトの回転数が急速に低下する。そして、クラッチ3が遮断されている状態が続くと、カウンタシャフトの回転数が大幅に低下し、例えば停車状態では、カウンタシャフトの回転が停止した状態に陥りやすくなり、ゆえにカウンタシャフトの回転が停止した状態でのギヤ入れとなる状況に陥りやすくなり、ギヤ入れが難しくなる。このような状況では、ギヤ入れ制御を継続してもギヤ入れできないままとなる状況があり、一般的にギヤをニュートラルのままクラッチ3を繋げてクラッチ3の回転数を上昇させ、それに連動して機械的に接続されているカウンタシャフトの回転数が上昇し、ギヤ入れしにくい状況を解消するダブルクラッチ制御ことが知られている。
そのため、ギヤ入れ制御中にカウンタシャフトの回転が停止した状態がある一定時間(例えば、1秒)継続し、ギヤ入れ制御が完了しない場合は、ギヤをニュートラル状態のままクラッチを繋ぎ、クラッチ3の回転数が規定値まで上昇したらクラッチ3を切り、再びギヤ入れ制御を開始する(ギヤ入れのリトライを実施する)手段を取る。
【0063】
なお、この時のクラッチ3の繋ぎ方は変速装置2にかかる負荷に応じて変えることが望ましく、例えば変速装置2にかかる負荷が大きくなるほどクラッチ3の接量を大きくする、クラッチ3を繋いで上昇するクラッチ3の回転数の規定値を大きくするといった手段がある。
よって、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れ制御時におけるダブルクラッチ制御時のクラッチ3の接量を大きくすることやクラッチ3を繋いでクラッチ3の回転数を高めることによって、ギヤ入れしにくい状況を適切に解消し、次のギヤ入れ制御再実施が円滑に行えてギヤ入れが完了できるように処置できる。このように、T/M PTO23の変速装置2への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(クラッチストローク制御やクラッチ回転数制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0064】
また、幾つかの実施形態では、上述したように、PTO搭載車両は、外部機構49と、外部機構作動装置47とをさらに備える。そして、クラッチ制御装置52は、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、クラッチ3の接量や回転数を大きくするように構成される。
ドライバが外部機構作動装置47を操作して外部機構49を作動させている場合は、外部機構49を作動させていない場合と比べて、ギヤ入れ時にクラッチ3を遮断し、かつ、ギヤをニュートラルとした際に、T/M PTO23に接続されるカウンタシャフトの回転数が更に急速に低下する。そして、クラッチ3が遮断されている状態が続くと、カウンタシャフトの回転数が更に大幅に低下し、例えば停車状態では、カウンタシャフトの回転が停止した状態に陥りやすくなり、ゆえにカウンタシャフトの回転が停止した状態でのギヤ入れとなる状況に陥りやすくなり、ギヤ入れがより一層難しくなってしまう。
【0065】
よって、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れ制御時におけるダブルクラッチ制御時のクラッチ3の接量を大きくすることやクラッチ3を繋いで上昇させるクラッチ3の回転数を更に高めることによって、ギヤ入れしにくい状況を適切に解消し、次のギヤ入れ制御再実施が円滑に行えてギヤ入れが完了できるように処置できる。このように、T/M PTO23が変速装置2に接続されている場合であっても、外部機構49の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(クラッチストローク制御やクラッチ回転数制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0066】
リトライ判定時間マップ74a,74b,74cには、この順に、リトライ判定時間を大きくする設定する制御方法が記憶されている。
【0067】
幾つかの実施形態では、上述したように、変速制御装置5のリトライ判定時間装置(リトライ判定時間選択部74)は、PTO装置が変速装置と接続されている場合は、PTO装置が変速装置と遮断されている場合と比べ、リトライ判定時間を大きく設定するように構成される。
PTO装置が変速装置と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、変速装置2にかかる負荷が大きい。変速装置2に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置2に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れ完了までに長い時間を要する。
よって、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れ制御をやり直す判定時間であるところのリトライ判定時間を大きく設定する。このように、T/M PTO23の変速装置2への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ判定時間の制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0068】
また、幾つかの実施形態では、上述したように、PTO搭載車両は、外部機構49と、外部機構作動装置47とをさらに備える。そして、リトライ判定時間装置(リトライ判定時間選択部74)は、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、変速装置2のリトライ判定時間を大きく設定するように構成される。
ドライバが外部機構作動装置47を操作して外部機構49を作動させている場合は、外部機構49を作動させていない場合と比べ、変速装置2にかかる負荷が大きい。変速装置2に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置2に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに長い時間を要する。
よって、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れ制御をやり直す判定時間であるところのリトライ判定時間を大きく設定する。このように、T/M PTO23が変速装置2に接続されている場合であっても、外部機構49の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ判定時間の制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0069】
リトライ回数上限値マップ75a,75b,75cには、この順に、リトライ回数の上限値を大きく設定する制御方法が記憶されている。
【0070】
幾つかの実施形態では、上述したように、変速制御装置5のギヤ入れ制御のリトライ回数の上限値を設定可能なリトライ回数上限値装置(リトライ回数上限値選択部75)を含む。そして、リトライ回数上限値装置(リトライ回数上限値選択部75)は、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合に比べ、リトライ回数を大きく設定するように構成される。
T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、変速装置2にかかる負荷が大きい。変速装置2に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置2に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れ完了までに多くの試行回数を要する場合がある。
よって、T/M PTO23が変速装置2と接続されている場合は、T/M PTO23が変速装置2と遮断されている場合と比べ、ギヤ入れ制御をやり直した試行回数であるところのリトライ回数の上限値を大きく設定する。このように、T/M PTO23の変速装置2への接続又は遮断の状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ回数の上限値の制御)を実行することで、快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性を向上させることが出来る。
【0071】
また、幾つかの実施形態では、上述したように、PTO搭載車両は、外部機構49と、外部機構作動装置47とをさらに備える。そして、リトライ回数上限値装置(リトライ回数上限値選択部75)は、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、変速装置2のリトライ回数を大きく設定するように構成される。
ドライバが外部機構作動装置47を操作して外部機構49を作動させている場合は、外部機構49を作動させていない場合と比べ、変速装置2にかかる負荷が大きい。変速装置2に大きな負荷がかかっている状態では、変速装置2に小さな負荷しかかかっていいない場合と比べ、そのギヤ入れに多くの試行回数を要する場合がある。
よって、外部機構作動装置47が操作されている場合は、外部機構作動装置47が操作されていない場合に比べ、ギヤ入れ制御をやり直した試行回数であるところのリトライ回数の上限値を大きく設定する。このように、T/M PTO23が変速装置2に接続されている場合であっても、外部機構49の操作状態に応じた適切なギヤ入れ制御(リトライ回数の上限値の制御)を実行することで快適なギヤ入れを可能とし、PTO搭載車両の商品性をより一層向上させることが出来る。
【0072】
例えば、PTO係合状態判定の結果、条件bとなった場合、判定部61は、ギヤ入れタイミングマップ71b、ギヤ入れ力マップ72b、ダブルクラッチ制御マップ73b、リトライ判定時間マップ74b、リトライ回数上限値マップ75bが選択されるように、ギヤ入れタイミング選択部71、ギヤ入れ力選択部72、ダブルクラッチ制御選択部73、リトライ判定時間選択部74、リトライ回数上限値選択部75を制御する。
【0073】
上記の例は、全ての選択部でマップが選択されているが、その必要はない。例えば、判定部61は、ギヤ入れタイミング選択部71とダブルクラッチ制御選択部73からマップが選択されるように、ギヤシフト制御部62とダブルクラッチ制御部63を制御してもよい。また、判定部61は、リトライ判定時間選択部74からマップが選択されるように、リトライ制御部64のみを制御してもよい。
【0074】
変速装置2のシンクロ機構への過大な負荷を抑えるために、ギヤ入れのタイミングやギヤを入れる力を調整することによって、ギヤ入れを完了するのが望ましい。なぜならば、ギヤ入れのタイミングを早めたりギヤ入れ力を大きくしてギヤ入れを行った場合、変速装置2のシンクロ機構にかかる負荷が大きくなるおそれがあるので、初めからギヤ入れタイミングを早めたりギヤ入れ力を大きくしてギヤ入れを行うのはあまり望ましくない。
【0075】
例えば、リトライ回数が所定値未満の場合、ギヤ入れのタイミングを早めたり、ダブルクラッチ制御によって、ギヤ入れ制御を行う。これにより、変速装置2のシンクロ機構にかかる負担を抑え、快適なギヤ入れが可能となり、PTO搭載車両の品質性を高めることができる。
【0076】
また、例えば、リトライ回数が所定値以上の場合、ギヤ入れ力を大きくするギヤ入れ制御を行う。一般的にリトライ回数が多くなると、変速装置2にかかる負荷が大きくなる場合があるので、ギヤ入れ力を大きくして、快適なギヤ入れが可能となり、PTO搭載車両の品質性を高めることができる。このとき、ギヤ入れ力を大きくすると共にリトライ判定時間を長く設定してもよい。このようなギヤ入れ力を大きくするギヤ入れ制御を行う場合、ギヤ入れ完了まで長い時間を要する場合が多いので、リトライ判定時間を長く設定することによって更に快適で確実なギヤ入れが可能となる。
【0077】
図5は、変速制御装置5からの指示によって実行されるギヤ入れ制御の一例を示したフローチャートである。このギヤ入れ制御は、ギヤ入れ制御パターン選択部60において選択されたマップの情報に基づいて実行される。
【0078】
変速制御装置5は、ギヤ入れ制御開始時からの経過時間のカウントを開始する(S1)。変速制御装置5は、タイマー装置35を制御して、経過時間のカウントを行う。タイマー装置35によってカウントされる経過時間は、後に、リトライ判定時間との比較に使用される。
【0079】
変速制御装置5は、ギヤ入れを開始する(S2)。変速制御装置5は、ギヤ入れタイミング選択部71、又は、ギヤ入れ力選択部72が選択したマップの情報に基づいて、ギヤ入れを行う。
【0080】
変速制御装置5は、ギヤ入れが完了したか否か判定する(S3)。ギヤ入れが完了したと判定された場合(S3:YES)、ギヤ入れ制御を終了する。
【0081】
一方、ギヤ入れが完了していないと判定された場合(S3:NO)、変速制御装置5は、ギヤ入れ回数をインクリメントする(S4)。
【0082】
変速制御装置5は、リトライ回数が上限値以上か否か判定する(S5)。リトライ回数上限値選択部75が選択したマップの情報により設定されるリトライ回数が上限値未満であると判定された場合(S5:NO)、変速制御装置5は、タイマー装置35によってカウントされた経過時間がリトライ判定時間以上であるか否か判定する(S6)。リトライ判定時間は、リトライ判定時間選択部74が選択したマップの情報により設定される。
【0083】
変速制御装置5のクラッチ制御装置52は、ダブルクラッチ制御選択部73が受信したマップの情報に基づいて、ダブルクラッチ制御を行う(S7)。その後、再び、ギヤ入れを試みる(S2)。
【0084】
また、S5の処理において、リトライ回数が上限値以上であると判定された場合(S5:YES)、又は、S6の処理において、タイマー装置35によってカウントされた経過時間がリトライ判定時間以上であると判定された場合(S6:YES)、変速制御装置5は、ギヤ入れを強制終了する(S8)。このとき、変速制御装置5は、ギヤ入れが強制終了されたことを報知する報知手段を備えていてもよい。この場合、ギヤシフトインジケータ54を点滅(例えば、N点滅)させることや、他の報知手段によって、ギヤ入れ接続の強制終了をドライバに報知することができる。そして、変速制御装置5は、ギヤ入れ制御を終了する。
【0085】
以上のように、本発明の少なくとも一実施形態に係るPTO搭載車両は、変速装置2に接続及び遮断され、変速装置2の動力を外部に取り出すためのT/M PTO23と、T/M PTO23を変速装置2に接続又は遮断するためのPTOスイッチ41と、変速装置2のギヤ段を制御する変速制御装置5と、PTOスイッチ41の切り替えに応じ、T/M PTO23の接続及び遮断を制御するPTO制御装置51とを備える。変速制御装置5は、T/M PTO23の変速装置2への接続又は遮断の状態に応じたギヤ入れ制御を行うように構成される。
このため、T/M PTO23の変速装置2への接続又は遮断の状態に応じ、変速装置2にかかる負荷に適したギヤ入れ制御を行うことができる。ギヤ入れ制御のとき、特に、変速装置2のシンクロ機構に過剰な力がかかることを防止し、PTO搭載車両の商品性の向上を図ることができる。
【0086】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0087】
例えば、上記実施形態では、クラッチ制御をダブルクラッチ制御としているが、請求項に記載のない限り、これに限定されるものではない。
【0088】
また、本発明は、シングルクラッチトランスミッションやデュアルクラッチトランスミッションなどに適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、あらゆる仕様のPTO搭載車両に適用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 エンジン
2 変速装置
3 クラッチ
5 変速制御装置
6 エンジン制御装置
10 PTO制御システム
11 回転数センサ
12 勾配センサ
15 アクセル装置
16 アクセルペダル
17 アクセルセンサ
21 機械式変速機
22 ギヤシフトユニット
23 T/M PTO
25 車速センサ
31 クラッチアクチュエータ
35 タイマー装置
40 メータクラスタ
41 PTOスイッチ
45 外部機構作動指示装置
46 外部作動センサ
47 外部機構作動装置
49 荷台
50 ダンプ車
51 PTO制御装置
52 クラッチ制御装置
53 シフト指示装置
54 ギヤシフトインジケータ
60 ギヤ入れ制御パターン選択部
61 判定部
62 ギヤシフト制御部
63 ダブルクラッチ制御部
64 リトライ制御部
71 ギヤ入れタイミング選択部
72 ギヤ入れ力選択部
73 ダブルクラッチ制御選択部
74 リトライ判定時間選択部
75 リトライ回数上限値選択部
図1
図2
図3
図4
図5