【解決手段】第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第1の導電性部材201および第1電極501を含む給電パスと、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104、第2の導電性部材202および第2電極502を含む給電パスとが形成される。第1の捻り梁101に流れる電流と第4の捻り梁104に流れる電流とに作用する磁界を発生する第1磁石群が配置される。また、第2の捻り梁102に流れる電流と第3の捻り梁103に流れる電流とに作用する磁界を発生する第2磁石群が配置される。これにより振動部21が捻り振動を起こす。
前記第1の捻り梁は前記第1の導電性部材の一端側に結合しており、前記第2の捻り梁は前記第1の導電性部材の他端側に結合していることを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
前記第3の捻り梁は前記第2の導電性部材の一端側に結合しており、前記第4の捻り梁は前記第2の導電性部材の他端側に結合していることを特徴とする請求項1または2に記載の振動素子。
前記第1の捻り梁は前記第1の導電性部材の一端側に結合しており、前記第2の捻り梁は前記第1の導電性部材の前記一端側に結合していることを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
前記第3の捻り梁は前記第2の導電性部材の一端側に結合しており、前記第4の捻り梁は前記第2の導電性部材の前記一端側に結合していることを特徴とする請求項1または5に記載の振動素子。
前記第1電極は前記圧電材の第1面側に設けられており、前記第2電極は前記圧電材の第2面側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の振動素子。
前記第1電極は前記圧電材の第1面側に設けられており、前記第2電極も前記圧電材の第1面側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の振動素子。
前記圧電材のうち前記第1電極と前記第3電極とが対向している部分と、前記第2電極と前記第3電極とが対向している部分とでは、異なる方向に分極していることを特徴とする請求項10に記載の振動素子。
前記駆動回路は、前記ミラー部の回転振動周波数の2倍の周波数の信号と4倍の周波数の信号とを重畳して前記駆動信号を生成することを特徴とする請求項12に記載の光走査装置。
請求項12ないし14のいずれか1項に記載の光走査装置を備え、当該光走査装置によって走査された光によってスクリーンに画像を投影することを特徴とする画像投影装置。
請求項12ないし14のいずれか1項に記載の光走査装置と像担持体とを備え、当該光走査装置によって走査された光によって当該像担持体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[光走査装置]
図1(a)は光走査装置を構成する振動素子11を例示している。
図1(b)は振動素子11の構成例を示している。振動素子11は、振動部21とそれを揺動(回転振動)可能に支持する導電性を有する第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104を有している。圧電材401は、第1電極501と第2電極502とを少なくとも有する。
図1(b)によれば、第1電極501は圧電材401の第1面側に設けられており、第2電極502は圧電材401の第2面側に設けられている。第1電極501には第1の導電性部材201が結合している。第1の導電性部材201は、たとえば、円形の平板である。第1の導電性部材201には導電性の第1の捻り梁101および第2の捻り梁102が結合している。この例では、第1の捻り梁101は第1の導電性部材201の一端側に結合しており、第2の捻り梁102は第1の導電性部材201の他端側に結合している。
【0014】
第2電極502には第2の導電性部材202が結合している。第2の導電性部材202は、たとえば、中央に空間のある枠体である。このような枠体は軽量化の点で有利である。なお、第2の導電性部材202も円形の平板であってもよい。第2の導電性部材202には、導電性の第3の捻り梁103および第4の捻り梁104が結合している。この例では、第3の捻り梁103は第2の導電性部材202の一端側に結合しており、第4の捻り梁104は第2の導電性部材202の他端側に結合している。
【0015】
ミラー部材301は、第1の導電性部材201を介して圧電材401に固定されている。圧電材401は、第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第1の導電性部材201および第1電極501を含む給電パスと、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104、第2の導電性部材202および第2電極502を含む給電パスとを通じて印加された電圧にしたがって変形する。つまり、圧電材401の第1電極501と第2電極502との間に電圧を印加することで、圧電材401が変形する。ミラー部材301は、圧電材401の変形に伴って曲率が変化する。
【0016】
第1磁石群は、第1の捻り梁101に沿って配置された第1磁石601と、第4の捻り梁104に沿って配置された第4磁石604とを有している。第1磁石群は、第1の捻り梁101および第4の捻り梁104に流れる電流と作用する磁界を発生する。第2磁石群は、第2の捻り梁102に沿って配置された第2磁石602と、第3の捻り梁103に沿って配置された第3磁石603とを有している。第2磁石群は、第3の捻り梁103および第2の捻り梁102に流れる電流と作用する磁界を発生する。第2磁石群は、第1磁石601と第2磁石602を有している。電流と磁界とが作用することで、捻じり振動の元となるローレンツ力が発生する。
【0017】
第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104の各端部の一方は筐体などに固定されており、他方は導電性部材に固定されている。第1の捻り梁101と第4の捻り梁104は並行するように配置されており、これらが一体の捻り梁として捻り変形する。また、第2の捻り梁102と第3の捻り梁103は並行するように配置されており、これらが一体の捻り梁として捻り変形する。それによって振動部21におけるミラー部材301の反射方向が変化し、光走査が行われる。
【0018】
図2は光走査装置1の断面図である。駆動回路801で生成された駆動信号は第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104に印加される。第1の捻り梁101に対して印加される電圧をV1とし、第2の捻り梁102に対して印加される電圧をV2とし、第3の捻り梁103に対して印加される電圧をV3とし、第4の捻り梁104に対して印加される電圧をV4とする。第1の捻り梁101から第1の導電性部材201を通して第2の捻り梁102へ電位差(V1−V2)に応じた電流I1が通電される。これが第1の給電パスとなる。また、第3の捻り梁103から第2の導電性部材202を通して第4の捻り梁104へ電位差(V3−V4)に応じた電流I2が通電される。これが第2の給電パスとなる。第1磁石601および第4磁石604によって磁界H1が発生する。また、第2磁石602および第4磁石603によって磁界H2が発生する。磁界H1、H2に対して電流I1、I2が作用する。その結果、第1の捻り梁101と第4の捻り梁104の組に捻りトルクが生じる。同様に、第3の捻り梁103と第2の捻り梁102の組に捻りトルクが生じる。その結果、振動部21の回転振動が励起される。
【0019】
第1の導電性部材201の電位は夫々(V1+V2)/2となる。第2の導電性部材202の電位は(V3+V4)/2となる。これらの電位差が第1電極501と第2電極502の間に生じ、圧電材401の内部に電界Eが発生する。電界Eの大きさに応じて圧電材401が伸縮し、ミラー部材301の曲率が変化してミラー部材301の焦点および曲率が可変となる。すなわち、振動部21は曲率可変ミラー部として機能する。ミラー部材301の曲率を制御することで走査光のビームウエスとの位置を調整できる。
【0020】
図3は駆動回路801で生成される駆動信号の一例を示している。ある周波数の信号S1に対して2倍の周波数を持つ信号をS2とする。なお、S1は信号S1の振幅も表すものとする。同様に、S2は信号S2の振幅も表すものとする。上述した電圧V1は(S1+S2)/2であり、電圧V2は(−S1+S2)/2であり、電圧V3は(S1−S2)/2であり、電圧V4は(−S1−S2)/2である。このとき、電位差(V2−V1)、または、(V4−V3)は信号S1となり、信号S1に応じた電流Iが捻り梁に通電される。また、第1の導電性部材201と第2の導電性部材202の電位差はS2となり、捻り梁に通電される電流の2倍の周波数を持つ信号が圧電材401に印加される。
図3に示した駆動信号により、光走査の周波数に対して2倍の周波数で曲率変化を光走査装置1が実現される。
【0021】
本実施例によれば、第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104、第1の導電性部材201および第2の導電性部材202が配線として機能する。よって、配線が不要となり、配線の断線問題が発生しない。また、配線と電極との接合部が存在しないため、接合部とその周囲との物理特性の違いが発生せず、曲率を安定的に設定しやすくなる。
【0022】
[他の構造の振動素子]
図4は振動素子12を示している。振動素子11と共通する部分の説明は省略する。振動素子12でも、第1電極501は圧電材401の第1面側に設けられており、第2電極502は圧電材401の第2面側に設けられている。ミラー部材301は第1の導電性部材201に固定されている。第1の導電性部材201は第1電極に電気的に接続されている(つまりこれらは導通している)。第2電極502は第2の導電性部材202に電気的に接続されているとともに、固定されている。
【0023】
第1の捻り梁101は第1の導電性部材201の一端側に結合しており、第2の捻り梁102も第1の導電性部材201の一端側に結合している。同様に、第3の捻り梁103は第2の導電性部材202の一端側に結合しており、第4の捻り梁104も第2の導電性部材202の一端側に結合している。このように、第1の捻り梁101と第2の捻り梁102が並行して配置されている。また、第3の捻り梁103と第4の捻り梁104が並行して配置されている。つまり、4本の並行する梁が一体の捻り梁群として機能する。
【0024】
第1磁石601は第1の捻り梁101および第3の捻り梁103に沿って配置されている。第2磁石602は第2の捻り梁102および第4の捻り梁104に沿って配置されている。第1磁石601および第2磁石602によって発生する磁界Hに対して、第1の捻り梁101および第2の捻り梁102に流れる電流が作用し、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104に流れる電流が作用する。これにより捻り振動が発生する。
【0025】
振動素子12では振動部21を片側のみで支持する構成(片持ち支持構造)となるが、捻り梁が4本の並行する梁で構成されているために撓み剛性が高い。また、ミラー部材301に垂直な方向に撓み振動するモードおよび平行な方向に撓み振動するモードも共振周波数が高い。そのため、撓み振動による異常振動などが発生し難い。また、全体サイズを小さくでき、磁石の数を減らせるメリットもある。
【0026】
図5(a)は振動素子13を示す斜視図である。
図5(b)は振動素子13の構成例を示す図である。
図5(c)は振動部21の構成例を示す断面図である。振動素子11または振動素子12と共通する部分の説明は省略する。
図5(b)が示すように圧電材401の第1面側に設けられた電極が第1電極501と第2電極502とに分割されている。電極の分割に合わせて、圧電材401の第1面側に設けられる導電性部材も第1の導電性部材201と第2の導電性部材202とに分割されている。分割された電極の形状と導電性部材との形状は基本的に一致しているものとする。ミラー部材301は第1の導電性部材201と第2の導電性部材202とに固定されている。圧電材401の第2面側には第3電極503が設けられている。
【0027】
第1磁石群は、第1の捻り梁101に沿って配置された第1磁石601と、第4の捻り梁104に沿って配置された第4磁石604とを有している。第1磁石群は、第1の捻り梁101および第4の捻り梁104に流れる電流と作用する磁界を発生する。第2磁石群は、第2の捻り梁102に沿って配置された第2磁石602と、第3の捻り梁103に沿って配置された第3磁石603とを有している。
【0028】
図5(c)が示すように、圧電材401のうち第1電極501と第3電極503とが対向している部分と、第2電極502と第3電極503とが対向している部分とでは、異なる方向に分極している。第1電極501と第3電極503とが第1コンデンサを形成しており、第2電極502と第3電極503とが第2コンデンサを形成している。これらのコンデンサは直列に接続されている。第1電極501と第2電極502との間に電圧を印加することで極板間に電界Eが発生して圧電材401が伸縮し、ミラー部材301の曲率を変化させる。このような分極は、圧電材401の製造時において、分割して形成された第1電極501と第2電極502の間に圧電材401の抗電界以上の電界を印加することで実現される。この構成では、圧電材401の第2面側に配置されるものがなく、圧電材401と他の部材で理想的なユニモルフ構造が実現される。よって、ミラー部材301の全体で曲率がほぼ一様となり、反射光のビーム形状に歪みを生じ難い光走査装置1を実現できる。
【0029】
[材料など]
捻り梁に用いられる材料としては、金属材料の他、カーボンを混合した樹脂材料など導電性材料であれば特に限定されるものではないが、繰り返し耐久性や耐衝撃性の観点から、SUS301やSUS631等のステンレスや銅合金、Co(コバルト)−Ni(ニッケル)基合金などの金属材料が採用されてもよい。その中でもSPRON(登録商標)510に代表されるCo−Ni−Cr(クロム)−Mo(モリブデン)合金などの時効硬化型Co−Ni基合金は特に疲労限が高く、繰り返し応力が加わる光走査装置には都合がよい。また、Co−Ni基合金は耐熱性や耐食性も高いため、通電やそれによる発熱が材料特性に影響を与えることは小さく、その点においても捻り梁に通電を行う光走査装置には適切であろう。さらに、Co−Ni基合金は内部摩擦が小さいという特徴もあり、振動素子11〜13を共振させて回転振動させる際のQ値が高く、駆動に要する消費電力を低減できる利点もある。Co−Ni−Cr−Mo合金を用いる場合には、加工率50%以上、より好ましくは90%以上の圧延加工、または、線引き加工により加工硬化処理を施した後、形状加工を行い、500〜600℃程度の温度で時効硬化処理が施されてもよい。最終的なヤング率や硬度は、加工率と時効熱処理の温度および時間で調整も可能である。形状加工には、エッチング加工やプレス加工、レーザー加工、ワイヤー放電加工等を用いることができる。加工硬化処理や形状加工において、その仕上がり具合によっては表面付近の内部摩擦が増加し、振動素子のQ値が低下してしまうことがある。そのような場合には、時効硬化処理前にエッチング処理を行うのが良く、目標寸法に対して大きめに形状加工を施したのち、硝酸系のエッチャントなどを用いて仕上げの形状加工を施すのが好ましい。また、加工硬化処理や形状加工時に生じた微少なクラックや表面の荒れがある場合にも、振動素子のQ値低下や耐久性低下の問題が生じる。そのような場合には、時効硬化処理前に電界研磨処理を行うのが良く、リン酸系やエチレングリコール系の液を用いた電界研磨処理によって表面を平滑化するのが好ましい。
【0030】
導電性部材201、202は、生産性の観点から、夫々捻り梁と同一材料で一体構造であるのが好ましい。しかしこれに限定されるものではなく、金属材料など導電性材料で形成して捻り梁と接合しても良い。接合する際には、形状加工を簡素化できることから捻り梁に線材を用いるのが好ましく、また、接合部の耐久性向上のために接合する線材の端部に鍛造などによって接合面を形成するのが好ましい。
【0031】
圧電材401には、圧電定数の大きいチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が好適に用いられる。しかし、これに限定されるものではなく、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛等、圧電特性を有する材料であればよい。圧電材401は両面に電極の形成された焼結体の他、成膜可能な形状であれば、導電性部材201、202、ミラー部材など導電性部材とミラー部材の複合構成に対して成膜によって形成されたものであってもよい。焼結体を用いる場合には、電極501、502と導電性部材201、202の直接接合、または、接着剤等を用いた接着により圧電材401が保持される。接着による場合には、接着部における導電性部材と電極の間の電気容量が圧電材401の両電極間の電気容量よりも大きくなるように、できるだけ対向面積を大きくし、かつ、接着層を薄くして、導電性部材と電極を近接させるのが好ましい。また、接着剤に導電性を付与して導電性を確保しても良い。成膜で形成する場合には、導電性部材201、202に直接成膜され、その間に電極は形成されない。成膜の方法としては、ゾルゲル法など各種の成膜方法を用いることができるが、その中でも、成膜レートが高く膜質の良い厚膜形成が容易なエアロゾルディポジション法やガスデポジション法を用いるのが好ましい。圧電材401の材料にPZTを用い、導電性部材201、202に金属材料を用いる場合には、鉛の拡散を防止する中間層が形成されてもよい。また、圧電特性の向上には熱処理温度を上げることが有効であるため、成膜の基材となる導電性部材201、202は耐熱性が高い材料で形成されるのが好ましく、Co−Ni基合金などが好適に用いられる。
【0032】
ミラー部材301は、シリコンウエハや薄板ガラスなどの表面平坦性の良い基材に反射膜や増反射膜を形成したものの他、導電性部材201に直接形成された反射膜等であってもよい。反射膜としては、蒸着等で形成されるAu、Ag、Al等の膜が挙げられる。また、必要に応じてその上に増反射膜が形成される。また、導電性部材201の研磨によって鏡面を形成することも可能であり、この場合には、導電性部材201がミラー部材301としても機能する。
【0033】
磁石601〜604は、特に限定されるものではないが、捻り振動に係わる慣性モーメントを小さくするために出来るだけ小型で磁力の強いものが好ましい。よって、磁力の強いNd−Fe−B系磁石やSm−Co系磁石等や、小型形状形成が可能な加工性に優れたFe−Cr−Co系磁石などが好適に用いられうる。
【0034】
[光走査装置の動作]
次に、
図6〜
図10を参照して光走査装置の動作を説明する。
【0035】
図6(a)は振動素子11〜13のいずれかを採用した光走査装置によるレーザー光走査の状態を示したものである。
図6(b)は振動部21に配置されたミラー部材301の変形の様子を示したものであり、光の走査方向、および、それに垂直な副走査方向に共通の変形である。ミラー部材301が圧電材401に加えられた電気信号により
図6(b)の(R1)のような曲率を持った状態であるとき、ビームウエストが走査中心からR1の距離にある投射面P1の中央に位置しているとする。捻り梁の捻り振動により振動部21が回転して
図6(b)の(R1’)の状態になったとき、ミラー部材301の曲率は圧電材401に加えられる電気信号の変化により(R1)の状態から小さくなる方向に変化し、ビームウエストは走査中心からR1’の距離にある投射面P1の右端に位置するようになる。仮に(R1)の状態から曲率が変化していない場合には、ビームウエストは走査端方向にR1の位置になり、投射面P1の右端ではビーム径が拡がってしまう。走査左端も同様に、
図6(b)の(R”)の状態で曲率が変化することによりビームウエストは投射面P1上に保持される。このように、1回の往復走査の間に2回のミラー曲率変化を生じさせる制御、即ち、走査周波数に対して2倍の周波数を含む信号を用いたミラー曲率の制御を行うことにより、アークサインレンズなどのレンズ光学系を使用することなく、最小スポットが形成されるビームウエスト位置をほぼ同一平面上に保持した光走査が可能になる。
図6(c)は、同様に面P1よりも投射距離の長い投射面P2にビームウエストを保持するためのミラー部材301の変形状態を示したものであり、
図6(b)よりも曲率が大きい状態を維持することで、ビームウエスト位置は(R2)→(R2’)→(R2)→(R2”)→(R2)と移動する。このように、圧電材401の駆動信号の制御により、ビームウエストを保持する面を変化させることも可能である。
【0036】
図7は、
図6のような走査を行うための駆動信号の例である。駆動回路801は、周波数f1の駆動信号S1と、周波数f1の2倍の周波数f2を持つ信号にオフセット電圧ΔVを加えて生成した駆動信号S2を捻り梁に印加する。これにより、回転振動が発生するとともに、ミラー部材301の曲率変形が誘起される。
【0037】
周波数f2の駆動信号S2は一走査内でビームウエストを走査面上に維持するための駆動信号であり、ΔVはビームウエストを保持する面を変化させるためのオフセットである。振動部21を共振により回転振動させる場合には周波数f1の駆動信号S1と振動部21の回転角の位相が90度ずれる。そのため、回転角に合わせて振動部21のミラー部材301の曲率変形が制御されるよう、駆動信号S2の位相も駆動信号S1の位相とはずれている。
【0038】
次に、投射面に形成されるビームスポットの移動速度について説明する。光走査装置では、ビームを走査しながら時系列データに基づいてビーム強度を変化させたり、ビーム走査時の反射光の強度変化を時系列データとして検出したりすることで、画像の形成や投影、光学パターンの読み取りなどを行う。その際、ビームの移動速度が大きく変化すると、画像の歪や読み取り分解能のばらつきが生じてしまう。時系列データを補正してビーム強度の変化をビームの移動速度の変化に対応させる方法や、読み取り速度を移動速度の変化に対応させる方法も考えられるが、それには高価な高速の制御手段が必要となる。投射面上のビームスポットの移動はできるだけ等速であるのが好ましく、サイン波状に角度変化する振動素子11〜13のビーム走査角に対して、投射面上での等速性が得られる範囲で使用するのが好ましい。
【0039】
図8は
図6(a)と同様に光走査の状態を示したものである。走査の中央を基準にして、ミラー部材301の回転振動によるビームの最大走査角をθo、その内実際に走査光が利用される有効範囲をθeffとし、走査中心から距離Lの位置にある投射面P上でθeffに相当する範囲をXeffとしている。投射面Pを
図6(a)のP1とすると、Xeffの位置は投射面P1端部のR1’の位置に相当する。ビーム方向が角度θの方向であるとき、投射面P上に形成されるビームスポットの移動速度をVとすると、角度θ=0の時の移動速度Voを基準にして、角度θに対する移動速度Vの変化率V/Voは
図9(a)のようになる。
図9(a)において横軸はビームの方向を示す角度θであり、縦軸は移動速度Vの変化率V/Voである。最大走査角θoを増加させていくと図の(i)〜(v)のように角度θに対する移動速度Vが変化する。このとき、スポット移動速度の許容誤差をΔvとすると、(iii)のグラフでこの範囲内にある角度、即ち、有効走査角θeffはΘ3である。最大走査角を増加させた(iv)のグラフでは有効走査角がΘ4に拡がる。しかし、さらに最大走査角を増加させた(v)のグラフでは有効走査角がΘ5となって逆に狭まり、これ以上最大走査角を増加しても有効走査角を拡げることはできない。
図9(b)はこの最大走査角θoと有効走査角θeffの関係を示したものであり、許容誤差の大きさによって有効走査角が最も広くなる最大走査角が異なる。
図9(c)は、許容誤差の大きさに対する最大の有効走査角と、その有効走査角を得るために必要な最大走査角を示している。許容誤差による差はあるが、最大の有効走査角を得るには、40度以上の最大走査角が必要となる。光走査装置においては、短い投射距離で広い範囲の画像形成や読み取りを行うことができるのが望ましく、有効走査角はできるだけ広いのが好ましい。また、振動素子11〜13の小型化や消費電力の観点から最大走査角はできるだけ狭いのが好ましい。これらのことから、有効走査角がピークとなる最大走査角で振動素子を動作させるのが好ましく、そのためには、最大走査角として走査の中央に対して±40度以上、振動素子の回転振動振幅として±20度以上にするのが好ましい。小型の振動素子でこの振幅を実現するには、ミラー部材301を支持する捻り梁に高い強度と耐久性が必要であり、時効硬化型のCo−Ni基合金を用いた捻り梁はこの点からも非常に好ましい。
【0040】
次に、光走査時の投射面に投射されるビームスポット径の変化について説明する。光走査装置において、ビームスポット径は光走査により形成や投影される画像の精細度や、光学パターン読み取りの分解能に大きく影響する。このため、有効走査領域内でのビームスポット径の変動は極力少ないのが好ましい。
【0041】
図10(a)に投射面上の位置によるビームスポット径の変化の一例を示す。
図8に示した投射距離Lを174mmに設定し、振動素子11〜13の回転振動によって投射面の中央Oからx軸方向へのビームスポットを移動したときのビームスポット径変化を示している。
図10(a)の横軸は投射面中央からの距離xであり、縦軸はビームスポット径φである。また、
図10(b)には、ミラー部材301の曲率を変化させるために圧電材401に印加する駆動信号の一例を示す。周波数f2の駆動信号は振動素子11〜13の回転振動の周波数、即ち、走査周波数(回転振動周波数)f1の2倍の周波数f2を持つ駆動信号であり、
図7に示した周波数f2の駆動信号と同じである。周波数f4の駆動信号は周波数f1の4倍の周波数f4を持つ信号であり、周波数f2+f4の駆動信号は周波数f2の駆動信号と周波数f4の駆動信号を適当な比率で重畳した信号である。走査面上の位置によるビームスポット径の変化は、走査周波数と同期したミラー変形を行わない場合には
図10(a)の“f2なし”のグラフに示されたものとなり、走査端に向うに従って急激にスポット径が増大する。これに対して、周波数f2の駆動信号によりミラー部材301の曲率を変化させた場合には、
図10(a)の“f2のみ”のグラフに示されたものとなり、Xeffの有効走査範囲内でのビームスポット径の変動を大幅に抑えることができる。さらに、周波数f2とf4を重畳させた駆動信号でミラー部材301の曲率を変化させた場合には、
図10(a)の“f2+f4”のグラフに示されたものとなり、位置に依らずにほぼ一定のビームスポット径を得ることができる。
【0042】
上に述べた等速性やビームスポット径の安定化の効果は、振動素子11〜13が異常振動などを生じずに安定した光走査を行うことができる場合に限って得られるものである。振動素子11〜13を用いて最大走査角を適切に設定し、また、走査周波数の2倍および4倍の周波数を持つ信号で振動部21の曲率を制御することにより、画像の形成や投影、光学パターンの読み取りなどを高精度に行うことが可能な光走査装置を実現できる。
【0043】
[画像形成装置]
図11に光走査装置の実施例である画像形成装置7を示す。振動素子10は上述した振動素子11〜13のいずれか1つであり、振動部周辺の構成は省略してある。光源971は、画像データに応じて制御回路970が出力した駆動信号に基づき強度変調した光を射出する。射出された光は射出光学系972を通って振動素子10のミラー部材301で反射され、像担持体の一例である感光体975上を走査する。走査された光は、BDセンサ973、974で検出される。制御回路970は、BDセンサ973、974が出力する検出信号を基に走査角を制御するための制御信号を生成して出力する。制御信号は振動素子10の駆動回路870の駆動回路801にフィードバックされる。これにより駆動回路801は振動素子10の最大走査角を安定的に適切な値に維持する。また、駆動回路870に含まれている駆動回路801は検出信号に基づいてミラー曲率を制御するための制御信号を出力する。これにより、感光体975上でのビームスポット径がほぼ一定の大きさに維持される。
【0044】
振動素子11〜13を用いた画像形成装置7は、断線や異常振動などが生じにくくなり安定した光走査およびミラー曲率制御を行うことができる。このため、最大走査角の適切化やミラー曲率制御信号の適切化により、等速性やビームスポット径の安定化の効果を発揮する。つまり、高精度で信頼性の高い画像形成が可能となる。また、振動素子11〜13を用いた画像形成装置7では、走査速度の変動を補正するレンズ光学系を簡素化できる。また、走査速度の変動に対応するための画像データの補正やレーザー光の強度変調信号の補正などが不要となる。これにより、小型で安価な画像形成装置が実現できる。
【0045】
[画像形成装置]
図12(a)に光走査装置の実施例である画像投影装置8を示す。振動素子10は上記の振動素子11〜13のいずれか1つである。RGB3原色を含む光源装置981は、画像データに基づいて制御回路980から出力された信号にしたがって強度変調した光を射出する。振動素子10および垂直走査装置982により光は2次元走査され、スクリーン983に映像として投射される。垂直走査装置982の走査速度は振動素子10よりも遅い。垂直走査装置982には、たとえば、非共振駆動で高精度な位置決めができるガルバノミラーが用いられる。制御回路980から出力される制御信号に基づいて駆動回路880に含まれる駆動回路801は振動素子10の走査角を制御する。また、垂直走査装置982も同様に、制御回路980からの出力に基づいて走査角が制御される。さらに、駆動回路880の駆動回路801がミラー曲率制御信号(駆動信号)を出力することで、スクリーン983上でのビームスポット径がほぼ一定の大きさに維持される。また、制御回路980は、入力部984を通じて画像の台形補正が設定されると、垂直走査装置982の駆動信号の変化に応じてミラー曲率制御信号を変化させる。これにより、
図12(b)のように斜め投影を行う際にも、スクリーン上部の走査では焦点距離を長く、下部では焦点距離を短くしてスクリーン上のビームスポット径をほぼ一定の大きさに維持することができる。
【0046】
このように振動素子11〜13のいずれかを用いた画像投影装置8は、断線や異常振動などを生じずに安定した光走査およびミラー曲率制御を行うことができる。このため、最大走査角の適切化やミラー曲率制御信号の適切化により、等速性やビームスポット径の安定化の効果を発揮することができる。その結果、高精度で信頼性の高い画像投影が可能となる。また、画像投影装置8では、ミラー曲率制御信号の調整により斜め投影でもスクリーン上でビームスポット径をほぼ一定にすることができる。これにより、限られたスペースでも使用可能な高精細の画像投影装置8を実現できる。
【0047】
[光学パターン読み取り装置]
図13に光走査装置の実施例である光学パターン読み取り装置9を示す。振動素子10は振動素子11〜13のいずれか1つである。光源991から射出された光は射出光学系992を通って振動素子10のミラー部材301で反射され、光学パターン上を走査する。光学パターンに応じて強度が変化する反射光は、振動素子10で再び反射された後に検出光学系994によって集光され、光センサ995で検出される。デコーダ996は、光センサ995が出力する検出信号を2値化する。これにより光学パターンの情報が読み取られる。駆動回路890は制御回路990からの信号に基づいて振動素子10の回転振動の駆動信号およびミラー曲率制御信号を出力する。これにより、光学パターンのある投射面上でビームスポット径がほぼ一定の大きさに維持される。
【0048】
振動素子11〜13のいずれかを用いた光学パターン読み取り装置9は、断線や異常振動などを生じずに安定した光走査およびミラー曲率制御を行うことができる。このため、最大走査角の適切化やミラー曲率制御信号の適切化により、等速性やビームスポット径の安定化の効果を発揮できる。その結果、高精度でかつ信頼性の高い読み取りが可能となる。
【0049】
[まとめ]
本実施例によれば、圧電材401の第1電極501に第1の導電性部材201を結合し、第1の導電性部材201には導電性の第1の捻り梁101および第2の捻り梁102を結合する。圧電材401の第2電極502に第2の導電性部材202を結合し、第2の導電性部材202には導電性の第3の捻り梁103および第4の捻り梁104を結合する。これにより第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第1の導電性部材201および第1電極501を含む第1の給電パスと、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104、第2の導電性部材202および第2電極502を含む第2の給電パスとが形成される。ミラー部材301は圧電材401に固定されていてもよいし、第1の導電性部材201に固定されていてもよい。さらに、第1の捻り梁101に流れる電流と第4の捻り梁104に流れる電流とに作用する磁界を発生する第1磁石群が配置される。また、第2の捻り梁102に流れる電流と第3の捻り梁103に流れる電流とに作用する磁界を発生する第2磁石群が配置される。これにより、これらの捻り梁が捻り振動を発生し、ミラー部材301が光を走査できるようになる。なお、各磁石群に含まれる磁石は1つであってもよいし、複数であってもよい。さらに、圧電材401は、2つの給電パスを通じて印加された電圧にしたがって変形し、ミラー部材301は、圧電材401の変形に伴って曲率が変化する。このように、本実施例では振動素子11〜14を振動させるための電力とミラー部材301の曲率を変化させるための電力の供給を、捻り梁を通じて同時に実現できる。よって、駆動回路の数や配線を減らすことが可能となる。つまり、本実施例は、より簡易な構成でかつ製造コストを低減可能な振動素子を提供できる。また、配線を用いなくても電力を圧電材401に供給でき、断線などの不良が生じにくくなり、安定した回転振動(揺動)を実現できる。さらに、走査ミラーと可変焦点ミラーが一体化されるため、光走査装置の小型化も期待できる。また、本実施例では、振動部21には磁石を配置する必要がないため、振動部21の軽量化と製造コストの低下を実現しやすい。さらに、4本の捻り梁は、外部から衝撃が加わっても変動し難くし、また、変動しても短時間で変動を減衰させるとった効果をもたらそう。
【0050】
図1、
図2、
図5を用いて説明したように、第1の捻り梁101は第1の導電性部材201の一端側に結合しており、第2の捻り梁102は第1の導電性部材201の他端側に結合していてもよい。また、第3の捻り梁103は第2の導電性部材202の一端側に結合しており、第4の捻り梁104は第2の導電性部材202の他端側に結合していてもよい。このように両持ち支持構造を実現できるため、片持ち支持構造と比較して、撓み剛性が高くなり、走査線の副走査方向への変動を抑えやすくなる。
【0051】
図1、
図2、
図5を用いて説明したように、第1磁石群は、第1の捻り梁101に沿って配置された第1磁石601と、第4の捻り梁104に沿って配置された第4磁石604とを有していてもよい。第2磁石群は、第3の捻り梁103に沿って配置された第3磁石603と、第2の捻り梁102に沿って配置された第2磁石602とを有していてもよい。これらの磁石によって生じる磁界は捻り梁に流れる電流と作用して捻り振動の元になる力を発生させる。よって、振動部21には磁石を配置しなくて済むようになる。なお、磁石は永久磁石であってもよいし、電磁石であってもよい。
【0052】
図4を用いて説明したように、第1の捻り梁101は第1の導電性部材201の一端側に結合しており、第2の捻り梁102は第1の導電性部材201の一端側に結合していてもよい。また、第3の捻り梁103は第2の導電性部材202の一端側に結合しており、第4の捻り梁104は第2の導電性部材202の一端側に結合していてもよい。これにより片持ち支持構造を実現でき、両持ち支持構造と比較して振動素子のコンパクト化の点で有利である。片持ち支持構造は両持ち支持構造と比較すると振動の安定性の面で不利である。しかし、本実施例では4本の並行に配置された捻り梁を有しているため、2本の捻り梁で振動部を支持する振動素子よりは振動の安定化を図ることができる。
図4を用いて説明したように、第1磁石群は、第1の捻り梁101および第2の捻り梁102に沿って配置された磁石を有し、第2磁石群は、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104に沿って配置された磁石を有していてもよい。これにより磁石の本数を削減できる。
【0053】
図1、
図2、
図4を用いて説明したように、第1電極501は圧電材401の第1面側に設けられており、第2電極502は圧電材401の第2面側に設けられていてもよい。また、
図5を用いて説明したように第1電極501は圧電材401の第1面側に設けられており、第2電極502も圧電材401の第1面側に設けられていてもよい。後者の場合、圧電材401の第2面側に第3電極503が設けられる。3つの電極によって2つのコンデンサの直列回路が形成される。さらに、圧電材401のうち第1電極501と第3電極503とが対向している部分と、第2電極502と第3電極503とが対向している部分とでは、異なる方向に分極していてもよい。これは、第1電極501と第2電極502を電圧の印加対象電極とするために役に立つ。
【0054】
図1等に示したように第2の導電性部材202は、枠体などのフレームを有していてもよい。平板構造と比較してフレーム構造は軽量化の点で有利である。
【0055】
なお、振動素子11〜13のいずれかと、振動素子11の第1の捻り梁101および第2の捻り梁102を介して圧電材401に駆動信号を供給する駆動回路801と、振動素子11のミラー部を揺動させる磁界を発生する磁界発生部700とを有し、光源からの光をミラー部材301により走査する光走査装置がさらに提供されてもよい。振動素子11〜13を採用することで、安定した光り走査を実現できる。
【0056】
駆動回路は、ミラー部材301の回転振動周波数f1の2倍の周波数f2の信号と4倍の周波数f4の信号とを重畳して駆動信号を生成してもよい。これにより、位置に依らずにほぼ一定のビームスポット径を得ることができる。
【0057】
ミラー部材301の回転角は±20度以上であってもよい。これはミラー部の走査角を広くしつつ、消費電力を削減するうえで有効である。
【0058】
図11を用いて説明したように、光走査装置と像担持体とを備え、当該光走査装置によって走査された光によって当該像担持体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置7が提供されてもよい。振動素子11〜13を用いた画像形成装置7は、断線や異常振動などが生じにくくなり安定した光走査およびミラー曲率制御を行うことができる。このため、最大走査角の適切化やミラー曲率制御信号の適切化により、等速性やビームスポット径の安定化の効果を発揮する。つまり、高精度で信頼性の高い画像形成が可能となる。また、振動素子11〜13を用いた画像形成装置7では、走査速度の変動を補正するレンズ光学系を簡素化できる。また、走査速度の変動に対応するための画像データの補正やレーザー光の強度変調信号の補正などが不要となる。これにより、小型で安価な画像形成装置が実現できる。
【0059】
図12を用いて説明したように、光走査装置によって走査された光によってスクリーンに画像を投影することを特徴とする画像投影装置8が提供されてもよい。振動素子11〜13のいずれかを用いた画像投影装置8は、断線や異常振動などを生じずに安定した光走査およびミラー曲率制御を行うことができる。このため、最大走査角の適切化やミラー曲率制御信号の適切化により、等速性やビームスポット径の安定化の効果を発揮することができる。その結果、高精度で信頼性の高い画像投影が可能となる。また、画像投影装置8では、ミラー曲率制御信号の調整により斜め投影でもスクリーン上でビームスポット径をほぼ一定にすることができる。これにより、限られたスペースでも使用可能な高精細の画像投影装置8を実現できる
図13を用いて説明したように、光走査装置を備えたことを特徴とする光学パターン読み取り装置9が提供されてもよい。振動素子11〜13のいずれかを用いた光学パターン読み取り装置9は、断線や異常振動などを生じずに安定した光走査およびミラー曲率制御を行うことができる。このため、最大走査角の適切化やミラー曲率制御信号の適切化により、等速性やビームスポット径の安定化の効果を発揮できる。その結果、高精度でかつ信頼性の高い読み取りが可能となる。