【解決手段】実施形態に係る配信装置は、配信部を備える。配信部は、端末装置の表示部に表示されるページに配置される第1広告コンテンツを制御する制御情報をユーザ端末に配信する。制御情報は、可視領域取得手順および表示制御手順を端末装置に実行させる。可視領域取得手順は、ブラウザに表示される領域の情報を可視領域の情報として取得する。表示制御手順は、可視領域に表示された第2広告コンテンツの一部または全部が可視領域外になった場合、可視領域への第1広告コンテンツの挿入を行う。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る配信装置、表示制御装置、表示制御方法および表示制御プログラムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、表示制御装置、表示制御方法および表示制御プログラムが限定されるものではない。
【0011】
[1.第1の実施形態]
[1.1.表示制御処理]
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る表示制御処理の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る表示制御処理の一例を示す図である。
図1は、ブラウザ(例えば、ウェブブラウザ)を有する端末装置によって、第1広告コンテンツC1と第2広告コンテンツC2が配置されるページW(例えば、ウェブページ)の一部がブラウザの表示領域に表示される例を示す。以下、ページWのうちブラウザに表示される領域を可視領域VAと記載する。
【0012】
第1広告コンテンツC1は、例えば、ページWに挿入される動画広告であり、第2広告コンテンツC2は、例えば、ページWの所定位置に予め設定されているバナー広告である。
【0013】
図1に示すように、ページWは、例えば、ニュースなどの記事ARや広告枠D2を含む。記事ARは、第1〜第3部分AR1〜AR3を含む。各部分AR1〜AR3は、例えば、1以上のセンテンスや1以上のパラグラフを含む。
【0014】
図1に示す例では、ページWの縦サイズは、ブラウザの表示領域の縦サイズよりも長い。このためブラウザの表示領域内に位置するページの領域が表示され、ブラウザの表示領域外に位置するページの領域は表示されない。端末装置のユーザは、例えば、スクロール操作によって、ページのうちブラウザの表示領域に位置させる領域を変更することができる。
【0015】
ページWには、記事AR内に第1広告コンテンツC1が挿入される。端末装置は、可視領域VAに表示された第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になった場合、可視領域VAに第1広告コンテンツC1をスライドインさせる。
【0016】
ページWには、部分AR2と部分AR3との間に設定された第1コンテンツ領域D1に対し、例えば、第1コンテンツ領域D1外から第1広告コンテンツC1を徐々に第1コンテンツ領域D1へ近づけて行くことにより第1広告コンテンツC1をスライドインさせる。
【0017】
このように、端末装置は、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になった場合、可視領域VAへの第1広告コンテンツC1の挿入を行う。これにより、例えば、第1広告コンテンツC1と第2広告コンテンツC2との相性が悪い場合であっても、第1広告コンテンツC1を適切に表示することができる。
【0018】
例えば、第1広告コンテンツC1が「酒」を広告対象とし、第2広告コンテンツC2が「車」を広告対象とする場合、「車」と「酒」とは、飲酒運転を想起させるおそれがあり、広告対象属性の相性が悪い。すなわち、第1広告コンテンツC1と第2広告コンテンツC2とを同時に可視領域VAに表示すると、飲酒運転を勧めているようなイメージを端末装置のユーザに与えるおそれがある。
【0019】
一方、実施形態に係る端末装置は、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になった場合、可視領域VAへの第1広告コンテンツC1の挿入を行う。そのため、第1広告コンテンツC1が可視領域VAへ表示される状態では、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になり、第1広告コンテンツC1を適切に表示することができる。
【0020】
しかも、端末装置は、可視領域VAへの第1広告コンテンツC1の挿入を第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて行う。これにより、第1広告コンテンツC1を効果的に表示することができる。また、端末装置のユーザは、第1広告コンテンツC1に加えられた視覚的効果により第1広告コンテンツC1を注視し、第2広告コンテンツC2に対する印象が薄くなり、これによっても、第1広告コンテンツC1を適切に表示することができる。
【0021】
また、ウェブページ70の記事内に第1広告コンテンツC1が挿入されることから、端末ユーザは、記事を読みながら第1広告コンテンツC1を認識するため、第1広告コンテンツC1の広告効果を高めることができる。
【0022】
なお、視覚的効果として、第1広告コンテンツC1のスライドインについて説明したが、視覚的効果は、スライドインに限らず、例えば、フェードインのように、徐々に第1広告コンテンツC1が見えるようにしてもよい。また、視覚的効果は、第1広告コンテンツC1を回転させながら挿入したり、第1広告コンテンツの大きさや形状を変えながら挿入するようにしてもよい。
【0023】
以下、上述した表示制御処理を実現する端末装置等の一例について詳細に説明する。なお、以下の例では、端末装置は、第1広告コンテンツC1の表示位置を制御する表示制御プログラム(制御情報の一例)を取得し、かかる制御情報に従って上述した表示制御処理を行う。また、以下においては、第1広告コンテンツC1の挿入を第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて行う例について説明するが、第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えずに第1広告コンテンツC1の挿入を行うこともできる。
【0024】
[1.2.情報提供システムの構成]
次に、
図2を用いて、第1の実施形態に係る情報提供システム1の構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報提供システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、第1の実施形態に係る情報提供システム1は、広告装置10と、配信装置20と、端末装置30とを含む。
【0025】
広告装置10、配信装置20および端末装置30(表示制御装置の一例)は、ネットワークNを介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図2に示す例では、広告装置10、配信装置20および端末装置30がそれぞれ1台ずつ示されているが、これらの装置のうちいずれかまたは全部が2台以上であってもよい。
【0026】
広告装置10は、広告コンテンツを端末装置30へ配信する。例えば、広告装置10は、端末装置30からの要求があった場合に、端末装置30のユーザの属性に応じた広告コンテンツを端末装置30に配信する。
【0027】
配信装置20は、端末装置30からの要求に応じてページ(例えば、ウェブページ)の情報を端末装置30へ配信する。例えば、配信装置20は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各ページを配信する。以下、配信装置20は、ページの一例として、ウェブページを送信するものとして説明するが、ページは、例えば、端末装置30において表示されるものであればよく、ウェブページに限定されない。
【0028】
配信装置20によって配信されるウェブページの情報には、例えば、マークアップ言語により記述されたファイル等が含まれる。マークアップ言語は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)である。なお、以下においては、マークアップ言語により記述されたファイルがHTMLファイルであるものとして説明するが、マークアップ言語により記述されたファイルは、XMLファイルやその他のファイルであってもよい。
【0029】
端末装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ゲーム機などのように通信機能やブラウザ機能を有する装置である。端末装置30は、端末装置30のユーザ(以下、端末ユーザと記載する)の操作に基づき、ネットワークNを介して配信装置20からウェブページの情報を取得し、かかるウェブページの情報に応じたウェブページ画像を表示部に表示する。
【0030】
ウェブページの情報には、広告装置10のURL等が情報取得命令として含まれており、端末装置30は、情報取得命令に基づいて広告装置10にアクセスし、広告装置10から広告コンテンツを取得する。
【0031】
以下、広告装置10、配信装置20および端末装置30の順にそれぞれの構成例を説明する。
【0032】
[1.3.広告装置10の構成例]
図3は、第1の実施形態に係る広告装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように広告装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0033】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、ネットワークNと有線または無線で接続され、配信装置20や端末装置30との間で情報の送受信を行う。
【0034】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、広告コンテンツおよび広告コンテンツに関する各種情報を記憶する。
【0035】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、制御部13内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0036】
図3に示すように、制御部13は、受付部14と、配信部15とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0037】
受付部14は、端末装置30から広告取得要求を受け付ける。例えば、受付部14は、広告取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。配信部15は、受付部14によって広告取得要求が受け付けられた場合に、広告取得要求に応じた広告コンテンツを記憶部12から読み出し、読み出した広告コンテンツを端末装置30へ送信する。
【0038】
なお、広告コンテンツは、配信対象の広告コンテンツであり、例えば、テキスト広告、静止画広告、動画広告、アニメーション広告、バナー広告などの情報である。なお、広告コンテンツは、広告表示のための画像素材やプログラムコードのみならず、これらの画像素材やプログラムコードを取得するためのリンク情報を含む。
【0039】
また、記憶部12は、端末ユーザの識別情報と属性情報(例えば、端末ユーザの嗜好、性別、年齢、住所、職業など)を記憶することもできる。受付部14は、広告取得要求に、例えば、端末ユーザの識別情報が含まれている場合、記憶部12に記憶されている広告コンテンツの中から、端末ユーザの属性情報に応じた広告コンテンツを配信する広告コンテンツとして決定する。なお、端末ユーザの識別情報は、例えば、HTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie)に含まれる情報であるが、配信装置20へのログインIDであってもよい。
【0040】
[1.4.配信装置20の構成例]
図4は、第1の実施形態に係る配信装置20の構成例を示す図である。
図4に示すように、配信装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
【0041】
通信部21は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部21は、ネットワークNと有線または無線で接続され、広告装置10や端末装置30との間で情報の送受信を行う。
【0042】
記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部22は、ウェブページの情報を記憶する。記憶部22は、端末装置30へ提供するウェブページの情報を記憶する。かかるウェブページの情報は、例えば、HTMLファイルやウェブページを構成する静止画像や動画像の情報などである。
【0043】
また、ウェブページの情報には、表示制御処理を端末装置30に実行させるための表示制御プログラムが含まれる。かかる表示制御プログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語より記述される。また、表示制御プログラムは、Java(登録商標)アプレットなどのアプレットであってもよい。また、表示制御プログラムは、HTMLファイルに記述されていてもよい。
【0044】
なお、かかる表示制御プログラムは、例えば、広告装置10の記憶部12において記憶することもできる。この場合、広告装置10の制御部13は、例えば、端末装置30から広告コンテンツの取得要求があった場合に、広告コンテンツと表示制御プログラムを記憶部12から読み出して、端末装置30へ配信することもできる。
【0045】
制御部23は、例えば、CPUやMPU等によって、制御部23内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0046】
図4に示すように、制御部23は、受付部24と、配信部25とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部23が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0047】
受付部24は、端末装置30からページ取得要求を受け付ける。例えば、受付部24は、ページ取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。配信部25は、受付部24によってページ取得要求が受け付けられた場合、ページ取得要求に応じたウェブページの情報を端末装置30へ配信する。
【0048】
[1.5.端末装置30の構成例]
図5は、第1の実施形態に係る端末装置30の構成例を示す図である。
図5に示すように、端末装置30は、通信部31と、表示部32と、入力部33と、記憶部34と、制御部35とを備える。通信部31は、ネットワークNを介して広告装置10や配信装置20と通信するための通信インターフェイスであり、例えば、NIC等のインターフェイスである。
【0049】
表示部32は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。また、表示部32は、タッチパネル式のディスプレイであってもよい。この場合、端末ユーザは、表示部32の画面上を指などで操作することで、表示部32に表示されたウェブページのスクロール操作などが可能である。
【0050】
入力部33は、文字、数字およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボードや、電源ボタンなどを有する。また、表示部32がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部32の一部が入力部33として機能する。
【0051】
記憶部34は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。かかる記憶部34は各種プログラムや設定データなどが記憶される。記憶部34に記憶されるプログラムとして、例えば、OS(Operating System)、ブラウザプログラム、表示制御プログラムなどがある。また、記憶部34は、広告装置10や配信装置20から取得したその他の情報も記憶する。
【0052】
制御部35は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部35は、例えば、CPUやMPU等によって、記憶部34に記憶されているプログラムが図示しない内部RAMを作業領域として実行されることにより後述する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0053】
かかる制御部35は、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することによって、
図5に示すように、要求部41、受付部42、表示処理部43、可視領域取得部44および表示制御部45として機能する。
【0054】
例えば、制御部35は、記憶部34に記憶されているブラウザプログラムを実行することによって、要求部41および受付部42、表示処理部43として機能する。また、制御部35は、記憶部34に記憶されている表示制御プログラムを実行することによって、可視領域取得部44および表示制御部45として機能する。なお、制御部35の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0055】
[1.5.1.要求部41]
要求部41は、端末ユーザの入力部33への操作(以下、ユーザ操作と記載する)に従って、配信装置20にページ取得要求を送信する。また、要求部41は、受付部42によって受け付けられたウェブページの情報に広告取得命令が含まれる場合に、広告取得要求を広告装置10に送信する。
【0056】
[1.5.2.受付部42]
受付部42は、ウェブページの情報と広告コンテンツの情報とを受け付け、受け付けた情報を記憶部34に記憶する。例えば、受付部42は、要求部41によって送信されたページ取得要求に応答した配信装置20から、広告表示領域を含むウェブページの情報を受け付けて記憶部34に記憶する。
【0057】
また、受付部42は、ウェブページの情報(例えば、HTMLファイル)に広告取得命令が含まれる場合には、広告取得要求を送信するよう要求部41に指示し、かかる広告取得要求に応じて広告装置10から送信される広告コンテンツの情報を受け付ける。
【0058】
[1.5.3.表示処理部43]
表示処理部43は、記憶部34に記憶されたウェブページの情報および広告コンテンツの情報に基づいて、ブラウザの表示領域に表示する画像の情報を生成し、生成した画像の情報を表示部32へ出力する。これにより、表示部32にウェブページの画像(以下、ページ画像と記載する)が表示される。なお、表示処理部43は、表示部32の表示領域内にブラウザの表示領域71の全部が含まれない場合、例えば、表示領域71のうち表示部32の表示領域に含まれる領域のページ画像が表示部32に表示される。
【0059】
図6は、記憶部34に記憶されたウェブページの情報および広告コンテンツの情報に基づいて生成されるウェブページの一例を示す図である。
図6に示すように、ウェブページ70の一部がページ画像としてブラウザの表示領域71に表示される。ここでは、ウェブページ70のうちブラウザの表示領域71に表示される領域が上述した可視領域VAであるとして説明する。
【0060】
なお、以下においては、表示領域71における座標系をディスプレイ座標系と記載し、このディスプレイ座標系における座標をG(X,Y)と記載する。また、ウェブページ70における座標系をウェブページ座標系と記載し、このウェブページ座標系における座標をW(X,Y)と記載する。
【0061】
ウェブページ70は、第2コンテンツ領域80と、記事領域81とを含む。記事領域81は、複数の文章領域82A〜82Cを含み、文章領域82A〜82Cには、ニュースなどの記事の文章が分割されて配置される。なお、記事の分割は、例えば、所定数のセンテンス単位や、所定数のパラグラフ単位で行われる。第2コンテンツ領域80には、第2広告コンテンツC2が配置される。なお、記事領域81には画像なども含む場合がある。
【0062】
表示処理部43は、例えば、ウェブページ70のうち表示領域71の左上原点のXY座標(以下、左上原点座標と記載する)を演算する。かかる左上原点座標は、ウェブページ70の表示領域71への初期表示時点では、W(0,0)であり、表示処理部43は、その後のスクロール量に応じて原点座標を求める。
【0063】
表示処理部43は、端末ユーザの入力部33への操作量に応じてスクロール量を演算する。なお、表示処理部43は、時間当たりのスクロール量からスクロール速度を演算することもできる。また、表示処理部43は、表示部32の表示領域71に対する端末ユーザの接触位置の座標の検出も行う。なお、表示部32の表示領域71に対する端末ユーザの接触位置とは、例えば、表示領域71上のタッチパネルへの接触位置であり、以下、表示領域71への接触位置と記載する。
【0064】
また、表示処理部43は、左上原点座標と表示領域71のサイズとに基づいて、ウェブページ70のうち表示領域71の右下原点のXY座標(以下、右下原点座標と記載する)を演算する。かかる右下原点座標は、表示領域71のサイズが640×480の場合、ウェブページ70の表示領域71への初期表示時点では、W(640,480)であり、表示処理部43は、その後のスクロール量に応じて原点座標を求める。
【0065】
例えば、表示領域71のサイズが640×480、ウェブページ70のサイズが640×2000、および、Y方向のスクロール量が400である場合、表示処理部43は、W(0,400)を左上原点座標とし、W(640,880)を右下原点座標とする。
【0066】
表示処理部43は、ウェブページ70のうち表示領域71に対応する領域のページ画像を生成するために必要な情報を記憶部34から取得する。例えば、
図6に示す状態である場合、表示処理部43は、文章領域82Aのテキスト情報、文章領域82Bの一部のテキスト情報、および、第2広告コンテンツC2の情報をそれぞれ記憶部34から取得して、文章領域82A、文章領域82Bおよび第2広告コンテンツC2の画像を生成する。
【0067】
[1.5.4.可視領域取得部44]
可視領域取得部44は、表示処理部43によって演算された原点座標(左上原点座標と右下原点座標)の情報を表示処理部43から取得する。可視領域取得部44は、取得した情報を表示制御部45へ通知する。なお、可視領域取得部44は、原点座標の一方と表示領域71のサイズの情報を取得し、挿入位置決定部46へ通知することもできる。
【0068】
[1.5.5.表示制御部45]
表示制御部45は、記憶部34や可視領域取得部44から取得した情報に基づいて、表示処理部43によるページ画像の生成を制御し、第1広告コンテンツに視覚的効果を加え、かかる第1広告コンテンツをウェブページ70のうち表示領域71に表示される領域に挿入したり、第1広告コンテンツに視覚的効果を加えてウェブページ70のうち表示領域71に表示される領域から第1広告コンテンツを消去したりする。
【0069】
例えば、表示制御部45は、表示領域71に表示された第2広告コンテンツC2の一部または全部が表示領域71の外になった場合、表示領域71に第1広告コンテンツをスライドインさせる。スライドインは、例えば、表示領域71外から第1広告コンテンツを移動させて第1コンテンツ領域85へ配置する視覚的効果の一例である。
【0070】
図7は、表示制御部45による第1広告コンテンツC1のスライドイン状態を示す図である。
図7に示すように、表示領域71に表示されている第2広告コンテンツC2の一部(例えば、全体の3/4)が表示領域71の外になった場合に、表示領域71に第1広告コンテンツC1をスライドインさせる。
【0071】
これにより、第1広告コンテンツC1を視覚的に注目させるように表示領域71に表示させることができることから、第1広告コンテンツC1を効果的に表示することができる。なお、表示制御部45は、第2広告コンテンツC2の全部が表示領域71の外になった場合に、表示領域71に第1広告コンテンツC1をスライドインさせることもできる。
【0072】
また、
図7に示す例では、表示制御部45は、例えば、文章領域82Bと文章領域82Cとの間の領域に第1コンテンツ領域85をスクロール速度に応じて徐々に大きくしながら形成しつつ、第1広告コンテンツC1をスライドインさせる。これにより、スクロール速度に応じて第1コンテンツ領域85の形成速度を変更でき、スクロール速度が速い場合にも適切に第1コンテンツ領域85を形成することができる。
【0073】
また、表示制御部45は、スクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1のスライドイン速度を変更する。例えば、スクロール速度が速ければ第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加える速度、すなわち、第1広告コンテンツC1のスライドイン速度を速くする。これにより、スクロール速度が速い場合にも適切に第1広告コンテンツC1をスライドインさせることができる。
【0074】
図7に示す例では、第1コンテンツ領域85は、挿入位置P1(
図6参照)に挿入されて形成されるが、表示制御部45は、例えば、第1コンテンツ領域85の挿入位置を、スクロール速度に応じて変更することができる。表示制御部45は、例えば、スクロール速度が所定値以上の場合に、第1コンテンツ領域85の挿入位置を挿入位置P2とする。なお、第1コンテンツ領域85は挿入されるのではなく、予めウェブページ70に固定的に形成されていてもよい。
【0075】
また、
図7に示す例では、表示制御部45は、第1広告コンテンツC1をスライドインさせる場合に、例えば、第1コンテンツ領域85へ向けて第1広告コンテンツC1をスクロール速度に応じて大きくしながら表示領域71内へ移動させる。これにより、スクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1の大きさを変更することができ、第1広告コンテンツC1を視覚的に注目させるように表示領域71に表示できることから、第1広告コンテンツC1を効果的に表示することができる。
【0076】
また、表示制御部45は、所定条件の下、第1広告コンテンツに視覚的効果を加えて表示領域71から第1広告コンテンツを消去する。例えば、表示制御部45は、所定条件の下、表示領域71から第1広告コンテンツC1をスライドアウトさせる。スライドアウトは、例えば、第1コンテンツ領域85から第1広告コンテンツを移動させて表示領域71外になるようにする視覚的効果の一例である。
図8は、表示制御部45による第1広告コンテンツC1のスライドアウト状態を示す図である。
【0077】
図8に示すように、表示制御部45は、例えば、第1コンテンツ領域85に第1広告コンテンツC1が表示された後、逆方向にスクロールされて第2広告コンテンツC2の一部(例えば、全体の1/4)が表示領域71内となった場合、例えば、表示領域71から第1広告コンテンツC1をスライドアウトさせる。これにより、第1広告コンテンツC1を視覚的に注目させるように表示領域71から消去でき、第1広告コンテンツC1を効果的に消去させることができる。
【0078】
また、
図8に示す例では、表示制御部45は、例えば、第1コンテンツ領域85をスクロール速度に応じて徐々に小さくして消滅させながら、第1広告コンテンツC1をスライドアウトさせる。これにより、スクロール速度に応じて第1コンテンツ領域85の消滅速度を変更でき、スクロール速度が速い場合にも適切に第1コンテンツ領域85を消滅することができる。
【0079】
また、表示制御部45は、スクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1のスライドアウト速度を変更する。例えば、スクロール速度が速ければ第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加える速度、すなわち、第1広告コンテンツC1のスライドアウト速度を速くする。これにより、スクロール速度が速い場合にも適切に第1広告コンテンツC1をスライドアウトさせることができる。
【0080】
また、
図8に示す例では、表示制御部45は、第1広告コンテンツC1をスライドアウトさせる場合、例えば、表示領域71外へ向けて第1広告コンテンツC1をスクロール速度に応じて小さくしながら表示領域71外を移動させる。これにより、第1広告コンテンツC1を視覚的に注目させるように表示領域71に表示できることから、第1広告コンテンツC1を効果的に消去させることができる。
【0081】
なお、表示制御部45は、例えば、第1広告コンテンツC1をスライドインする場合、広告挿入位置と第1広告コンテンツC1のサイズ情報とから挿入する領域の大きさおよび位置を演算し、ウェブページ70に第1コンテンツ領域85を挿入する。
【0082】
例えば、広告挿入位置の左上原点座標がW(100,500)、第1広告コンテンツC1のサイズが80×30、および、ウェブページ70のサイズが640×2000であるとする。この場合、表示制御部45は、W(100〜180,500〜530)の範囲に第1コンテンツ領域85を形成する。また、表示制御部45は、W(0〜640,500〜2000)である領域を、W(0〜640,530〜2030)へ移動する。
【0083】
なお、
図7および
図8に示す例では、第1広告コンテンツC1の挿入や消去が行われる場合に、第1コンテンツ領域85の挿入や削除が行われるが、第1コンテンツ領域85は予めウェブページ70に形成されるようにしてもよい。
【0084】
また、
図7に示す例では、第1広告コンテンツC1が表示領域71外から第1コンテンツ領域85に移動する例を示したが、表示制御部45は、第1コンテンツ領域85を形成しつつ、かかる第1コンテンツ領域85の大きさに合わせて第1広告コンテンツC1を第1コンテンツ領域85に表示することもできる。
【0085】
図9は、第1広告コンテンツC1に加える視覚的効果の他の例を示す図である。
図9に示すように、表示領域71に表示されている第2広告コンテンツC2の一部が表示領域71の外になった場合に、表示領域71に第1コンテンツ領域85を形成しつつ、かかる第1コンテンツ領域85に第1広告コンテンツC1を形成する。かかる視覚的効果は、
図9に示すように、第1広告コンテンツC1の形状や大きさを変更することによって行われる。
【0086】
なお、
図7に示す場合と同様に、表示制御部45は、例えば、スクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1の形成速度や第1コンテンツ領域85の形成を行うことができる。また、
図8に示す場合と同様に、表示制御部45は、第1コンテンツ領域85に第1広告コンテンツC1が表示された後、逆方向にスクロールされて第2広告コンテンツC2の一部(例えば、全体の1/4)が表示領域71内となった場合、第1広告コンテンツC1の形状や大きさを変えながら第1広告コンテンツC1を消去させることができる。この場合も同様に、表示制御部45は、例えば、スクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1の消去速度や第1コンテンツ領域85の消滅速度を変更することができる。
【0087】
なお、表示制御部45は、第1コンテンツ領域85が形成された後に、第1コンテンツ領域85に第1広告コンテンツC1が徐々に現れるように表示することもできる。例えば、表示制御部45は、第1コンテンツ領域85が形成された後に、第1コンテンツ領域85に第1広告コンテンツC1をフェードインすることもできる。また、表示制御部45は、第1広告コンテンツC1を消去する場合に、視覚的効果として第1広告コンテンツC1をフェードアウトすることもできる。
【0088】
また、
図7に示す例では、第1広告コンテンツC1が表示領域71外の一方向(右側)から第1コンテンツ領域85に移動する例を示したが、表示制御部45は、例えば、第1広告コンテンツC1を右側部分と左側部分の2つに分割し、これらをそれぞれ異なる方向から第1コンテンツ領域85へ移動することもできる。
【0089】
例えば、表示制御部45は、左側部分の第1広告コンテンツを表示領域71外の左側から、右側部分の第1広告コンテンツを表示領域71外の右側から第1コンテンツ領域85へ向けて移動させ、第1コンテンツ領域85で左側部分の第1広告コンテンツと右側部分の第1広告コンテンツとを合体する。なお、表示制御部45は、第1広告コンテンツは、左右方向から移動させるのではなく、上下方向や斜め方向から移動させることもできる。
【0090】
また、表示制御部45は、表示部32の表示領域71に対する端末ユーザの接触位置の座標情報を表示処理部43から取得し、かかる接触位置の座標情報に基づいて第1広告コンテンツC1の移動方向を決定することもできる。
【0091】
図10は、表示制御部45による第1広告コンテンツC1に加える視覚的効果のさらに他の例を示す図である。
図10に示すように、端末ユーザの表示領域71へのスクロール操作により、表示領域71に表示されている第2広告コンテンツC2の一部または全部が表示領域71の外になった場合に、端末ユーザの指90の表示領域71への接触位置(右側)と反対側(左側)から第1広告コンテンツC1を第1コンテンツ領域85に移動する。これにより、スライドイン時の端末ユーザに与える違和感を抑制することができる。
【0092】
一方、端末ユーザの表示領域71へのスクロール操作により、表示領域71に表示されている第2広告コンテンツC2の一部が表示領域71の外になった場合、端末ユーザの表示領域71へ接触位置(例えば、右側)から第1広告コンテンツC1を第1コンテンツ領域85に移動することもできる。これにより、第1広告コンテンツC1が与えるインパクトを向上させることで、第1広告コンテンツC1に対する注視度を向上させることができる。
【0093】
また、表示制御部45は、端末ユーザの表示領域71へ接触位置に応じて第1広告コンテンツC1のスライドアウトを行うことができる。例えば、表示制御部45は、第1コンテンツ領域85に第1広告コンテンツC1が表示された後、逆方向にスクロールされて第2広告コンテンツC2の一部(例えば、全体の1/4)が表示領域71内となった場合、端末ユーザの表示領域71へ接触位置(例えば、右側)に向けて第1広告コンテンツC1をスライドアウトすることもでき、また、逆方向へ向けて第1広告コンテンツC1をスライドアウトすることもできる。
【0094】
また、上述の例では、ウェブページ70のうちブラウザの表示領域71に表示される領域を可視領域VAとして説明したが、例えば、表示部32の表示領域からブラウザの表示領域71の一部が外れた領域にある場合、可視領域VAは、ウェブページ70のうち表示部32の表示領域とブラウザの表示領域71とが重なる領域に表示される領域(以下、重複表示領域と記載する)であってもよい。
【0095】
この場合、表示処理部43は、重複表示領域の座標を演算し、かかる重複表示領域の座標の情報を可視領域取得部44へ通知する。可視領域取得部44は、重複表示領域の座標の情報を取得する。表示制御部45は、かかる重複表示領域を可視領域VAとする。表示制御部45は、可視領域VAがウェブページ70のうちブラウザの表示領域71全体に表示される領域である場合と同様に、重複表示領域に基づいて、第1広告コンテンツに視覚的効果を加えながら第1広告コンテンツを重複表示領域に挿入したり、第1広告コンテンツに視覚的効果を加えながら重複表示領域から第1広告コンテンツを消去したりすることができる。
【0096】
[1.6.端末装置30の処理フロー]
次に、第1の実施形態に係る端末装置30による情報処理の手順について説明する。
図11は、端末装置30による情報処理の流れを説明するための図である。
図11に示す情報処理は、制御部35によって繰り返し実行される。
【0097】
図11に示すように、制御部35は、配信装置20からウェブページ70の情報(例えば、HTMLファイル)を取得し(ステップS11)、ウェブページ70の情報に広告要求指令がある場合、広告装置10から広告要求指令に応じた広告コンテンツを取得する(ステップS12)。制御部35は、ウェブページ70の情報および広告コンテンツの情報に基づいて表示領域71にページ画像を表示する(ステップS13)。
【0098】
その後、制御部35は、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングか否かを判定する(ステップS14)。第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングである場合(ステップS14;Yes)、制御部35は、第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて可視領域VAに挿入する(ステップS15)。
【0099】
ステップS15による処理が終了した場合、または、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になったタイミングでない場合(ステップS14;No)、制御部35は、第2広告コンテンツC2の一部が可視領域VA内になったタイミングであるか否かを判定する(ステップS16)。第2広告コンテンツC2の一部が可視領域VA内になったタイミングである場合(ステップS16;Yes)、制御部35は、第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて可視領域VAから消去する(ステップS17)。
【0100】
ステップS15による処理が終了した場合、または、第2広告コンテンツC2の一部が可視領域VA内になったタイミングでないと判定すると(ステップS17;No)、制御部35は、ユーザ操作により表示終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS18)。ユーザ操作により表示終了操作があった場合(ステップS18;Yes)、制御部35は、処理を終了し、ユーザ操作により表示終了操作がない場合(ステップS18;No)、処理をステップS14へ移行する。
【0101】
[2.第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る情報提供システムについて説明する。第2の実施形態に係る情報提供システムは、第1広告コンテンツC1の配信装置20からの取得を、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域外となる場合に行う点で第1の実施形態に係る情報提供システム1と異なる。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と表示制御プログラムが一部異なる点を除き、第1の実施形態に係る情報提供システム1と同様の構成であるため、以下においては、端末装置の構成について説明し、第1の実施形態に係る端末装置30と同様の要素については同一符号を付して説明を適宜省略するものとする。
【0102】
図12は、第2の実施形態に係る情報提供システムの端末装置の構成を示す図である。
図12に示すように、第2の実施形態に係る端末装置30Aは、通信部31と、表示部32と、入力部33と、記憶部34と、制御部35Aとを備える。
【0103】
制御部35Aは、記憶部34に記憶されているブラウザプログラムを実行することによって、要求部41および受付部42、表示処理部43として機能する。また、制御部35Aは、記憶部34に記憶されている表示制御プログラムを実行することによって、可視領域取得部44、表示制御部45Aおよび広告取得部46Aとして機能する。なお、制御部35Aの構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0104】
広告取得部46Aは、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外となった場合、またはその直前に第1広告コンテンツC1を取得する。例えば、広告取得部46Aは、第2広告コンテンツC2の一部(例えば、全体の1/4)が可視領域VA外となった場合に、配信装置20に広告取得要求を送信し、配信装置20から送信される第1広告コンテンツC1を取得する。
【0105】
表示制御部45Aは、第2広告コンテンツC2の一部(例えば、全体の3/4)が可視領域VA外となった場合に、広告取得部46Aによって取得された第1広告コンテンツC1を可視領域VAに表示する。なお、その他の処理については、表示制御部45Aは、表示制御部45と同様に行う。
【0106】
このように、第2の実施形態に係る端末装置30Aは、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外となった場合に第1広告コンテンツC1を取得する。そのため、
図7に示すウェブページ70において、端末ユーザが、例えば、スクロールしないような場合、第1広告コンテンツC1の取得が行われない。そのため、端末装置30Aの処理負荷を軽減することができる。また、広告取得部46Aは、スクロール速度に応じた種別の第1広告コンテンツC1を取得することもできる。
【0107】
[3.他の実施形態]
上述した実施形態では、スクロール方向を上下方向(Y方向)としたが、スクロール方向は、左右方向(X方向)であってもよい。
【0108】
また、上述においては、端末装置30は、ブラウザプログラムと配信装置20から送信される表示制御プログラムとによって、上述した処理を行う例を説明したが、端末装置30は、表示制御プログラムを予め記憶部34に記憶しておくようにしても良い。また、ブラウザプログラムに表示制御プログラムを含めても良く、結果的に端末装置30、30Aにおいて上述した処理を実行できればよい。
【0109】
また、第1広告コンテンツC1が動画コンテンツである場合、制御部35、35Aは、再生制御部として、第1広告コンテンツC1の再生を視覚的効果(例えば、スライドイン、スライドアウトなど)を加えながら行うことができる。また、制御部35、35Aは、再生制御部として、第1広告コンテンツC1の再生速度をスクロール速度に応じて調整することもできる。例えば、制御部35、35Aは、スクロール速度が所定以上である場合、第1広告コンテンツC1の再生速度を速くしたり、再生位置を間引きしながら再生することもできる。
【0110】
また、表示制御部45Aは、スクロール速度に応じて第1コンテンツ領域85の大きさを変えることもできる。例えば、制御部35、35Aは、スクロール速度が速いと第1コンテンツ領域85を大きくし、スクロール速度が遅いと第1コンテンツ領域85を小さくする。また、表示制御部45Aは、端末ユーザの表示領域71上への接触位置に応じて第1コンテンツ領域85の位置を変更することもできる。
【0111】
また、第1広告コンテンツC1が動画コンテンツである場合、制御部35、35Aは、スクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1の再生開始位置を変えることもできる。
【0112】
[4.ハードウェア構成]
なお、上述した実施形態における広告装置10、配信装置20および端末装置30は、例えば、
図13に示すような構成のコンピュータ100がプログラムを実行することによって実現される。
図13は、プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、CPU101、RAM102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、通信インターフェイス(I/F)105、入出力インターフェイス(I/F)106、およびメディアインターフェイス(I/F)107を備える。
【0113】
CPU101は、ROM103またはHDD104に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM103は、コンピュータ100の起動時にCPU101によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0114】
HDD104は、CPU101によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。例えば、コンピュータ100が上述した実施形態に係る広告装置10として機能する場合、HDD104は、例えば、記憶部12と同様のデータを記憶する。また、コンピュータ100が上述した実施形態に係る配信装置20として機能する場合、HDD104は、例えば、記憶部22と同様のデータを記憶する。また、コンピュータ100が上述した実施形態に係る端末装置30、30Aとして機能する場合、HDD104は、例えば、記憶部34と同様のデータを記憶する。通信インターフェイス105は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU101へ送り、CPU101が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0115】
CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU101は、生成したデータを、入出力インターフェイス106を介して出力装置へ出力する。
【0116】
メディアインターフェイス107は、記録媒体108に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM102を介してCPU101に提供する。CPU101は、当該プログラムを、メディアインターフェイス107を介して記録媒体108からRAM102上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体108は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0117】
コンピュータ100が上述した実施形態に係る広告装置10として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、例えば、受付部14および配信部15の各機能を実現する。
【0118】
また、コンピュータ100が上述した実施形態に係る配信装置20として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、例えば、受付部24、配信部25の各機能を実現する。
【0119】
また、コンピュータ100が上述した実施形態に係る端末装置30、30Aとして機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムや配信装置20または広告装置10から受信した表示制御プログラムを実行することにより、例えば、要求部41、受付部42、表示処理部43、可視領域取得部44、表示制御部45、45Aおよび広告取得部46Aの各機能を実現する。
【0120】
コンピュータ100のCPU101は、プログラムを、記録媒体108から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0121】
[5.効果]
実施形態に係る配信装置20は、配信部25を備える。かかる配信部25は、端末装置30の表示部32に表示されるウェブページ70(ページの一例)に配置される第1広告コンテンツC1を制御する表示制御プログラム(制御情報の一例)を端末装置30に配信する。表示制御プログラムは、可視領域取得手順および表示制御手順を端末装置30に実行させる。可視領域取得手順は、ウェブページ70のうちブラウザの表示領域71に表示される領域の情報を可視領域VAの情報として取得する。表示制御手順は、可視領域VAに表示された第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になった場合、可視領域VAへの第1広告コンテンツの挿入を行う。
【0122】
これにより、第2広告コンテンツC2の表示の一部または全部が可視領域VA外になることを条件として、第1広告コンテンツC1が表示されることから、第1広告コンテンツC1を効果的に表示することができる。例えば、第2広告コンテンツC2の1/2以上または2/3以上が可視領域VA外になると、端末ユーザは第2広告コンテンツC2に対して注視していないと考えられる。そのため、例えば、第2広告コンテンツC2の一部が可視領域VA外になった場合に、第1広告コンテンツC1を表示させる。これにより、第1広告コンテンツC1および第2広告コンテンツC2それぞれの広告効果を適切に保つことができる。また、例えば、第1広告コンテンツC1と第2広告コンテンツC2との相性が悪い場合であっても、第1広告コンテンツC1を適切に表示することができる。
【0123】
また、表示制御手順は、可視領域VAに表示された第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になった場合、可視領域VAへの第1広告コンテンツの挿入を第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて行う。
【0124】
このように、可視領域VAへの第1広告コンテンツの挿入を第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて行うことから、第1広告コンテンツC1の広告効果を高めることができる。視覚的効果は、例えば、スライドインやフェードインなどである。
【0125】
表示制御プログラムは、広告取得手順を端末装置30に実行させる。広告取得手順は、第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外となった場合に第1広告コンテンツC1を取得する。表示制御手順は、広告取得手順によって取得された第1広告コンテンツC1を可視領域VAに挿入する。
【0126】
これにより、結果的に第1広告コンテンツC1が表示されないような場合、端末装置30Aの処理負荷を軽減することができる。
【0127】
また、表示制御手順は、可視領域VAに表示された第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外になった場合、第1広告コンテンツC1が表示される第1コンテンツ領域85(所定領域の一例)を可視領域VAに徐々に形成しながら、視覚的効果を加えた第1広告コンテンツC1を第1コンテンツ領域85に挿入する。
【0128】
これにより、例えば、第1広告コンテンツC1の挿入状態を視覚的に注目させるように可視領域VAに表示できることから、第1広告コンテンツC1を効果的に表示することができる。
【0129】
また、表示制御手順は、可視領域VAに表示される領域のスクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加える速度と第1コンテンツ領域85の形成速度を変更する。
【0130】
これにより、例えば、スクロール速度が速い場合にも適切に第1コンテンツ領域85の形成と第1広告コンテンツの挿入を行うことができる。
【0131】
また、表示制御手順は、可視領域VAに第1広告コンテンツC1が表示された後、第2広告コンテンツC2の一部が可視領域VA内となった場合、第1広告コンテンツC1の可視領域VAからの消去を第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて行う。視覚的効果は、例えば、スライドアウトやフェードアウトなどである。
【0132】
これにより、第1広告コンテンツC1を視覚的に注目させるように可視領域VAに表示でき、第1広告コンテンツC1を効果的に表示することができる。
【0133】
また、表示制御手順は、第1広告コンテンツC1が表示される第1コンテンツ領域85を徐々に消滅させながら、第1広告コンテンツC1の可視領域VAからの消去を第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加えて行う。
【0134】
これにより、例えば、視覚的に注目させるように可視領域VAから第1広告コンテンツC1を消去できることから、第1広告コンテンツC1を効果的に消去させることができる。
【0135】
また、表示制御手順は、可視領域VAに表示される領域のスクロール速度に応じて第1広告コンテンツC1に視覚的効果を加える速度と第1コンテンツ領域85の消滅速度を変更する。
【0136】
これにより、例えば、スクロール速度が速い場合にも適切に第1コンテンツ領域85の消滅と第1広告コンテンツの消去を行うことができる。
【0137】
また、視覚的効果は、可視領域VAでの第1広告コンテンツC1の移動を含み、端末装置30の表示部32は、タッチパネル式の表示部であり、表示制御手順は、表示部32の表示画面への操作位置に応じて第1広告コンテンツC1の挿入方向を変更する。
【0138】
これにより、例えば、第1広告コンテンツC1の挿入時の端末ユーザに与える違和感を抑制したり、または、第1広告コンテンツC1に対する注視度を向上させることができる。
【0139】
また、可視領域VAは、ウェブページ70のうちブラウザに表示される領域全体、または、ウェブページ70のうちブラウザに表示されかつ表示部32に表示される領域の重複部分である。
【0140】
これにより、例えば、表示部32の表示領域から表示領域71の一部が外れた領域にある場合であっても、端末ユーザが視認している領域に基づいて第1コンテンツの挿入位置を決定することができる。
【0141】
また、端末装置30、30A(表示制御装置の一例)は、可視領域取得部44と、表示制御部45、45Aとを備える。可視領域取得部44は、ページのうちブラウザに表示される領域の情報を可視領域VAの情報として取得する。表示制御部45、45Aは、可視領域VAに表示された第2広告コンテンツC2の一部または全部が可視領域VA外となった場合、可視領域VAへの第1広告コンテンツの挿入を行う。
【0142】
これにより、第2広告コンテンツC2の表示の一部または全部が可視領域VA外になることを条件として、第1広告コンテンツC1が表示されることから、第1広告コンテンツC1を効果的に表示することができる。
【0143】
[6.その他]
上述した広告装置10および配信装置20は、それぞれ複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0144】
また、図中(例えば
図3、
図4、
図5など)の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れを否定するものでも、方向の限定を意味するものでもない。
【0145】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。