【解決手段】本発明の表示装置100は、表示パネル110、スキャンドライバ140、データドライバ130、電源部150、および制御部120を含んでなり、制御部120は負荷率算出部121、および負荷率に対応して入力映像を色相別にスケーリングするデータスケーリング部10を含み、色相別データスケーリング比に連動して電源部150は駆動電源を可変させる。
前記制御部は、前記データスケーリング部からのスケーリングされたデータの入力を受け、サブフィールドに割り当てて前記データドライバへ供給するサブフィールド割当部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
前記データスケーリング部は、赤色データスケーリング部、緑色データスケーリング部および青色データスケーリング部を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の表示装置。
前記画素を発光させる駆動電源を生成し、前記スケーリングされたデータに対応して駆動電源の電圧値を色相別に可変させる電源部をさらに含むことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に気記載の表示装置。
互いに異なる色の光を放出する第1画素、第2画素および第3画素を含む複数の画素、前記複数の画素に連結されたデータライン、および前記複数の画素に連結されたスキャンラインを含む有機発光表示パネルと、
一つのフレームに含まれた複数のサブフレームのそれぞれのスキャン期間ごとに前記スキャンラインへスキャン信号を順次供給するスキャンドライバと、
外部から提供される映像データの負荷率を算出する負荷率算出部と、
負荷率に対応する第1色相〜第3色相のスケーリング比に基づいて映像データのデータ値をスケーリングする第1〜第3データスケーリング部と、
前記スケーリングされたデータを用いて生成されるデータ信号を前記データラインへ供給するデータドライバと、
前記第1画素、前記第2画素および前記第3画素のいずれか一つに提供される第1駆動電圧、第2駆動電圧および第3駆動電圧を生成し、前記第1色相〜第3色相のスケーリング比に対応して前記第1駆動電圧、前記第2駆動電圧および前記第3駆動電圧の少なくとも一つの電圧値を調整する電源部と、を含むことを特徴とする、表示装置。
前記第1〜第3データスケーリング部からのスケーリングされたデータの入力を受け、サブフィールドに割り当てて前記データドライバに供給するサブフィールド割当部をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の表示装置。
前記第1画素は赤色画素であり、前記第2画素は緑色画素であり、前記第3画素は青色画素であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0032】
本発明は、様々な変更が可能であり、様々な形態で実施できるが、特定の実施形態のみを図面に例示し、本文にはこれを中心に説明する。しかしながら、本発明の範囲は前記特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物も本発明の範囲に含まれるものと理解されるべきである。
【0033】
本明細書において、第1、第2、第3などの用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、これらの構成要素は前記用語により限定されるものではない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れない限り、第1構成要素は第2または第3構成要素などと命名してもよく、同様に、第2または第3構成要素も交互に命名してもよい。
【0034】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略した。明細書全体にわたって、同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付する。
【0035】
以下、添付図面に示した本発明に係る実施形態を参照して本発明の構成および作用を詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。
【0037】
図1を参照すると、有機発光表示装置100は、複数の画素を含む表示パネル110と、データラインを介して画素回路にデータ信号を供給するデータドライバ130と、前記画素回路にスキャン信号を印加するスキャンドライバ140と、前記画素回路および画素の有機発光ダイオードに駆動電源を印加する電源部150と、前記データドライバ130、前記スキャンドライバ140および前記電源部150を制御する制御部120とを含むことができる。
【0038】
また、表示装置100は、受信された映像データDATAのデータ値をスケーリングするデータスケーリング部10、および表示パネル110に駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSを提供する電源部150をさらに含むことができる。
【0039】
表示パネル110は、横方向にスキャン信号を伝達する複数のスキャンラインSL1〜SLn、列方向に配列された複数のデータラインDL1〜DLm、およびスキャンラインSL1〜SLnとデータラインDL1〜DLmとが交差する領域にマトリクス方式で配列された複数の画素を含む。複数の画素PXは、電源部150から駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSの提供を受け、かつ、スキャンラインSL1〜SLnおよびデータラインDL1〜DLmを介してそれぞれスキャン信号およびデータ信号の提供を受けて動作する。
【0040】
図1は赤色、緑色、青色の色相を表示する画素群別に駆動電源ELVDDが区分されて印加されること(ELVDD_R、ELVDD_G、ELVDD_B)を例示している。しかしながら、色相を表示する画素が同一の特性を有する場合、2つ以上の画素群に対して同一の電圧が共通に印加されることも可能である。以下では、説明の便宜のために、複数の画素PXが、光の三原色である赤色、緑色および青色のいずれか一つの色を表示する場合を仮定して説明する。
【0041】
表示パネル110はデジタル駆動方式で駆動できる。デジタル駆動方式は、データ信号に応じて各画素PXの発光時間を調節して階調を表示する駆動方式である。画素PXは、印加される駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSによって発光し、データ信号に基づいて発光時間が調節されて階調が表示される。この際、同一の階調を表示しても(例えば、同一のデータ信号が相異なる画素へ供給される場合)、画素PXに印加される駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSの電圧値によって画素が変わりうる。
【0042】
表示パネル110は、駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSの提供を受けて動作する有機発光パネルでありうる。有機発光パネルに含まれた画素PXはそれぞれ有機発光ダイオードを含む。駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSが印加されて有機発光ダイオードを介して電流が流れながら光が放出される。しかしながら、これに限定されるものではない。表示パネル110は、自体発光素子を含む様々な種類のパネルの一つであってもよい。
【0043】
制御部120は、データドライバ130、スキャンドライバ140および電源部150を制御する。制御部120は、外部から受信された映像データDATAおよび制御信号CSに基づいてデータドライバ130、スキャンドライバ140および電源部150を制御するための信号を生成し、データドライバ130、スキャンドライバ140および電源部150に前記生成された信号を提供する。例えば、制御信号CSは垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、クロック信号CLKおよびデータイネーブル信号DEなどのタイミング信号であり、映像データDATAは画素PXから出力される光の階調を示すデジタル信号でありうる。
【0044】
データドライバ130は、制御部120からデータ制御信号DCSおよびスケーリングされた映像データを受信し、データ制御信号DCSに応答して、スケーリングされた映像データに対応するデータ信号を、データ線ラインDL1〜DLmを介して画素PXへ供給する。
【0045】
スキャンドライバ140は、制御部120からスキャン制御信号SCSの提供を受けてスキャン信号を生成する。スキャンドライバ140は、生成されたスキャン信号を、スキャンラインSL1〜SLnを介して画素PXへ供給することができる。前記スキャン信号に基づいて一行ずつの画素PXが順次選択されてデータ信号を提供できる。
【0046】
電源部150は、駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSを生成して表示パネル110へ提供する。駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSは、表示パネル110の複数の画素PXに共通に印加されることにより、画素PXを発光させる。駆動電源ELVDDおよび接地電源ELVSSの電圧値に応じて、発光の際に画素PXに流れる電流値が決定できる。画素PXが発光するとき、画素PXに流れる電流、すなわち駆動電流の電流値が変わると、同一の階調を表示しても輝度が変わり得る。
【0047】
一方、本発明の実施形態に係る表示装置100はデータスケーリング部10を備えることができる。
図1において、データスケーリング部10は制御部120の内部に含まれるものと示したが、これに限定されない。データスケーリング部10は、制御部120とは別個に備えられてもよい。
【0048】
有機発光表示装置のデジタル駆動方式において、前記制御部120は、データスケーリング部10を含み、入力される映像データを、オン・オフ情報を含むサブフィールドデータSDATAに分割し、サブフィールドデータSDATAをスキャン信号のタイミングと同期させてデータドライバ130を介して該当画素へ印加する。パネルの全ての画素は、一つのフレームにサブフィールドの回数だけ書き込み動作を行うことにより、サブフィールド別にオン・オフ動作を行うことができる。
【0049】
データスケーリング部10は、予め設定された、或いは外部から提供されるスケーリング比(Scaling ratio)に基づいて映像データDATAをスケーリングし、スケーリングされたデータを出力することができる。
【0050】
この際、電源部150は、データスケーリングに対応して駆動電源ELVDDの電圧値を調整することができる。電源部150は、例えば、スケーリング比が1より低ければ、駆動電源ELVDDの電圧値を増加させることができる。これにより、データスケーリング部10でスケーリングされた映像データが映像データDATAより低い階調を有しても、駆動電源ELVDDの電圧値を増加させることにより、スケーリングされた映像データに対応する光の輝度が映像データDATAに対応する光の輝度と実質的に同一になれる。
【0051】
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。特に、
図2に示した画素回路は、有機発光表示装置の画素回路を示す。説明の便宜のために、第mデータランDLmおよび第nスキャンラインSLnに接続された画素回路を図示する。
【0052】
図2を参照すると、画素PXは、有機発光ダイオード(OLED:Organic light emitting diode)および有機発光ダイオードOLEDに電流を供給する画素回路CIRを含むことができる。一方、画素回路CIRはトランジスタTR1、TR2およびキャパシタCstを含むことができる。トランジスタTR1およびTR2は薄膜トランジスタ(Thin film transistor:TFT)であってもよい。
図2において、画素回路CIRは2つのトランジスタTR1、TR2および一つのキャパシタCstを含むものと示したが、これに限定されない。画素回路CIRは、データ信号に対応する電流を有機発光ダイオードOLEDへ供給することができるように様々な形態で構成できる。
【0053】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は画素回路CIRに接続され、カソード電極は接地電圧ELVSSを供給する接地電源に接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは画素回路CIRから供給される電流に対応して光を生成する。
【0054】
画素回路CIRは、スキャンラインSLnへスキャン信号が供給されるとき、データラインDLmからデータ信号の供給を受ける。スキャンラインSLnを介してスキャン信号が印加されると、第1トランジスタTR1がターンオンされ、データラインDLmを介して提供されるデータ信号が第2トランジスタTR2のゲート端子に印加される。この際、データ信号は、第2トランジスタTR2のターンオン/ターンオフを制御する信号である。印加されるデータ信号に応答して、第2トランジスタTR2がターンオンされると、駆動電源ELVDDが有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に印加されることにより、有機発光ダイオードOLEDを介して電流Iが流れることになる。これにより、有機発光ダイオードOLEDが発光する。この際、電流I値は、有機発光ダイオードOLEDの両端に印加される電圧、すなわち駆動電源ELVDDおよび接地電圧ELVSSの電圧値によって異なる。第2トランジスタTR2がターンオフされると、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極がフロートされ、有機発光ダイオードOLEDが消光(消灯)する。一方、キャパシタCstは、駆動電源ELVDDと印加されたデータ信号との電圧差に対応する電圧を格納することにより、第1トランジスタTR1がターンオフされてデータ信号が印加されないときも、第2トランジスタTR2がターンオンまたはターンオフ状態を保つことができるようにする。
【0055】
画素PXから出力される光の輝度は、画素PXの発光時間、すなわち有機発光ダイオードOLEDの発光時間および発光の際に流れる電流Iの電流値によって決定される。1フレーム区間の画素PXの発光時間が長いほど、かつ駆動電源ELVDDの電圧値に比例する電流値が高いほど、画素PXから出力される光の輝度が高くなる。
【0056】
図3は本発明の一実施形態に係るデジタル駆動方式の一つのフレームを示すタイミング図である。
【0057】
図3を参照すると、一つのフレーム1Fは複数のサブフィールドSF1〜SF6を含むことができる。複数のサブフィールドSF1〜SF6はスキャン区間および発光区間にそれぞれ分けられる。
【0058】
スキャン区間でスキャン信号がスキャンラインSL1〜SLnへ順次供給される。
【0059】
各スキャンラインは、一つのフレームの間にサブフィールドの個数(またはスキャン区間の個数)と同じ個数のスキャン信号の印加を受ける。
【0060】
一つのサブフィールドのスキャン区間でスキャン信号がスキャンラインに順次供給されると、画素PXが水平ライン単位で選択される。この際、スキャン信号によって選択された画素PXにデータ信号が供給される。
【0061】
発光区間で、スキャン区間に供給されたサブフィールドデータSDATAに対応して画素PXが発光または非発光する。発光区間におけるデータの電圧値は、例えば、発光の際に5Vであり、非発光の際には0Vである。発光区間はスキャン信号間の間隔、すなわちスキャン区間間の間隔によってサブフィールドSF1〜SF6ごとに時間長さが異なるように設定される。サブフィールドSF1〜SF6の発光区間の時間長さを調節して該当サブフィールドの加重値(binary weight)を設定することができる。
【0062】
加重値の設定は、2進数を用いて数字を表記する方法に類似する概念である。例えば、1フレームを6つのサブフィールに分けて構成し、サブフィールドごとに以前のサブフィールドに比べて2倍の発光時間を割り当てるように構成すると仮定してみる。6つのサブフィールドは桁ごとに2進数の桁に該当する加重値で輝度を表示することができる。第1サブフィールドSF1の加重値を2
0に設定し、第2サブフィールドSF2の加重値を2
1に設定する方式で、加重値が2
n(n=0、1、2、3、4、5)の比率で増加するように各サブフィールドの加重値を決定することができる。
【0063】
したがって、表示装置は、オン・オフの組み合せによってサブフィールドデータで2
6=64個の輝度階調を表現することが可能である。サブフィールドの配列順序が発光区間の時間長さが短い、すなわち加重値が低いサブフィールドから発光区間の長さが長い、すなわち加重値が高いサブフィールドを順序通りに配列すると、SF1、SF2、SF3、SF4、SF5、SF6の順序となる。例えば、SF2の発光区間の長さはSF1より長いため、SF2はSF1より2進数の1桁の上位ビットに対応できる。これにより、サブフィールドを2進数のビットに対応するように配列すると、サブフィールドはSF6、SF5、SF4、SF3、SF2、SF1の順序で表現できる。
【0064】
すなわち、各サブフィールドのデータ電圧値がオン状態(例えば、5V)を2進数の「1」で表わし、各サブフィールドのデータ電圧値がオフ状態(例えば、0V)を2進数の「0」で表わすと、画素の階調を表わすことができる。例えば、64階調は2進数の「111111」で表現されるので、一つのフレーム内の各サブフィールドが全てオン状態、すなわち「SF6、SF5、SF4、SF3、SF2、SF1」=「On、On、On、On、On、On」となるように64階調が表現できる。これは該当画素がフレーム内の全てのサブフィールドでOnデータの入力を受けて発光する状態であることを意味する。また、階調6は「000101」で表現でき、一つのフレーム内のサブフィールド1とサブフィールド3がオン状態、すなわち「SF6、SF5、SF4、SF3、SF2、SF1」=「Off、Off、Off、On、Off、On」となるように、画素がサブフィールド1とサブフィールド3のみで発光して6階調を実現することができる。このように、1フレーム期間に画素PXの発光時間を調節して階調が表現できる。
【0065】
図3では一つのフレームが6つのサブフィールドからなる6bit駆動の場合を例として説明したが、一つのフレームをなすサブフィールドの個数は様々に変更できる。また、
図3では加重値の大きさが増加する順序に従ってサブフィールドが配列されることを例として挙げたが、一つのフレームにおいて加重値が減少する順序に従って配列されてもよく、加重値を問わずにサブフィールドが配列されてもよい。この他にも、様々な形態のデジタル駆動方法が適用できる。
【0066】
図4は、本発明の実施形態に係る表示装置の制御部を概略的に示すブロック図である。
【0067】
制御部120は、入力された映像データDATAの負荷率を算出する負荷率算出部121を含むことができる。負荷率算出部121は、映像データの入力を受け、対応する負荷率をデータスケーリング部10へ出力する。データスケーリング部10は、映像データの入力を受け、負荷率に対応して設定されたスケーリング比(Scaling Ratio)に基づいて映像データをスケーリングする。
【0068】
負荷率は、映像データのうち、1フレームの映像情報の値を基準として映像データ値の総和に対応する値である。例えば、解像度1920×1080のカラー映像情報は3色の映像情報を全て含んでいるので、1フレームに1920×1080×3=6,220,800個の映像階調情報を含んでいる。各画素別に256階調の表現が可能であると仮定すると、映像情報の最大負荷値は1920×1080×3×256=1,592,524,800となる。最大負荷値は、表示パネルの全画素において最大階調で白色画面を表示するときの映像データ値であって、100%負荷率を意味する。ここで、負荷率は、100%負荷値を基準として、映像データ値に対応する負荷値を百分率で表示したものである。
【0069】
全ての画素が発光する100%負荷率で、発光電流の最大値が電源配線を介して流れて駆動電源ELVDDの電圧降下が最大となる。逆に、全ての画素のデータに映像信号がない状態は負荷率0%の状態となり、この際は、発光電流が流れないため、駆動電源ELVDDの電圧降下も起こらない。前述の説明は、負荷率の概念を説明するために全ての階調の和を演算することを例示として挙げたが、制御部の演算プロセッサを効率よく使用するために上位ビットの和のみを利用するなどの他の演算方法を用いても負荷率を決定することが可能である。
【0070】
サブフィールド割当部122は、スケーリングされた映像データの入力を受け、画素にオン・オフ情報を含むサブフィールドデータSDATAを生成してデータドライバ130へ供給する。
【0071】
すなわち、発光時間を調節するデジタル駆動において、データスケーリング部10は、映像データの元の階調値より低いか高い階調値に変更し、サブフィールド割当部122は、変更された階調値に基づいて、各ピクセルに印加されるオン・オフ信号を含むサブフィールドデータをデータドライバ130へ出力する。制御部120は、電源部150にデータスケーリング比の情報を提供することができる。電源部150は、提供されたデータスケーリング比に対応して駆動電源ELVDDの電圧値を調整することができる。
【0072】
例えば、データスケーリング部10が、入力された映像情報をダウンスケーリングし、その結果として表示される階調より低い階調のデータ信号を出力しても、これを補償するために駆動電源ELVDDの電圧値を増加させる。これにより、サブフィールド割当部122から出力されたサブフィールドデータSDATAの印加を受けた画素は、高く補償された駆動電源ELVDDによって発光時間が短縮されるにも拘わらず、高い光強度で負荷率算出部121に入力された映像データDATAで表現される階調に対応する輝度とほぼ同一に輝度を表現することができる。
【0073】
図5は、本発明の一実施形態に係る映像負荷率とスケーリング比の相関関係を示すグラフである。負荷率が高い場合、駆動電源ELVDDの電圧降下により画素位置に依存して偏差が大きくなるため、前記データスケーリング部のスケーリング比αは最小値を有することが好ましい。逆に、負荷率が一定の水準以下である場合、電圧降下による画質劣化がほぼ発生しないため、前記データスケーリング部のスケーリング比αは最大値を有することも可能である。一般に、ダウンスケーリング方式を適用するため、最大値は1となることが好ましい。映像負荷率によるスケーリング比αの値は、パネルの特性などを考慮して設定され、表示装置の制御部120内に格納される。
【0074】
図5を参照すると、負荷率25%を基準として、それ以下の負荷率ではスケーリング比αとして1を使用する。スケーリング比αが1であるという意味は、入力された映像信号を変更せずにそのままサブフィールド割当部122へ伝達することを意味する。
図5のスケーリング比のグラフは一例に過ぎず、表示パネルの特性に応じて様々な形態のグラフを使用することが可能である。
【0075】
例えば、画素に印加される8ビットのデジタル映像データDATA値が128階調「01111111」である場合、表示パネル110の画素PXから出力される光の輝度が5Vの駆動電源ELVDDで75nit(cd/m
2)と設定された場合を仮定する。
図5に示すように、128階調で負荷率が50%であるとき、スケーリング比αが0.5となる。
【0076】
映像データDATAを0.5のスケーリング比αでスケーリングして駆動する場合、駆動方法は次のとおりである。
【0077】
まず、128階調を示す映像データDATAをスケーリング比に基づいて0.5倍にスケーリングすると、スケーリングされた映像データのデータ値は「00111111」の64階調を有する。
【0078】
この際、データスケーリングの前後に出力される光の輝度は同一でなければならない。ところが、デジタル駆動方式による場合、輝度は発光時間および駆動電流の電流値に応じて決定される。128階調を表示するとき、画素の発光時間は64階調を表示するときの画素の発光時間より長い。
【0079】
したがって、スケーリング前の128階調とスケーリング後の64階調とが実質的に同一の輝度を示すためには、64階調での駆動電流の電流値が128階調での駆動電流の電流値より増加して光の強さが増加しなければならない。
【0080】
電源部150は、駆動電源ELVDDの電圧値を5Vより増加させた、例えば6Vを出力して駆動電流を増加させることができる。これにより、64階調を有するスケーリングされた映像データが画素PXに印加されるが、画素PXから出力される光の輝度はスケーリング前の128階調を有する映像データに対応する輝度であるところの75nitとほぼ同一になる。
【0081】
スケーリング前後の輝度が同一でなければならないので、電源部150は、スケーリング比が低いほど、駆動電源ELVDDの電圧値を大きく増加させることができる。
【0082】
例えば、
図5に示すように、全画素に印加される8ビットデジタル映像データDATA値が最高階調たる256階調「11111111」で100%の負荷率を有する場合、スケーリング比αが0.25である。よって、映像データDATA[11111111]を0.25倍スケーリングして算出された映像データは「00111111」の64階調を有する。この場合、256階調に対応して出力される光の輝度が150nitとなるようにするために、駆動電源ELVDDの電圧値は、例えば、スケーリング比αが0.5であるときの6Vよりさらに高い7Vになりうる。
【0083】
スケーリング比に基づいて駆動電源ELVDDの電圧値を変更する場合を例に挙げて上述したが、これに限定されない。これとは逆に、駆動電源ELVDDの電圧値に基づいてスケーリング比が決定されることも可能である。言い換えれば、電源部150が駆動電源ELVDDの電圧値を増加させると、これに対応して、データスケーリング部10は映像データDATAのデータ値をスケーリングし、スケーリングされた映像データを出力することができる。データスケーリング部10は、前記表示パネル110から出力される光の輝度が、可変前の駆動電源ELVDDの電圧値に基づいて設定された輝度と同一になるよう、前記映像データDATAのデータ値をスケーリングして階調を低めることができる。
【0084】
上述したように本発明の実施形態に係る表示装置100は、外部から提供(受信)される映像データDATAのデータ値をスケーリングし、これに対応して、電源部150から出力される駆動電源ELVDDの電圧を調整する方式で駆動できる。
【0085】
図6は、駆動電源ELVDDの駆動電圧の上昇による輝度均一性を改善する原理を示すグラフである。
図6のグラフのx軸は、画素PXに印加される駆動電源ELVDDおよび接地電圧ELVSSの電圧差を示す。説明の便宜のために、接地電圧ELVSSは0Vであり、これによりx軸の電圧V0、V0’、V1、V1’は画素PXに印加される駆動電源ELVDDの電圧値を示す場合を仮定して説明する。この際、V0は既存の駆動方式にしたがって表示装置が駆動されるときの駆動電源ELVDDの電圧値であり、V1はデータスケーリング駆動方式にしたがって表示装置が駆動されるときの駆動電源ELVDDの電圧値である。V0’およびV1’はそれぞれ電圧降下した駆動電源ELVDDの電圧値を示す。
【0086】
グラフのy軸は、駆動電源ELVDDの電圧が画素PXに印加されることにより、画素PXが発光するときに流れる電流、すなわち、
図2において有機発光ダイオードOLEDを介して流れる電流Iの電流値を示す。この際、図示の具体的な数値は表示パネルOLEDの特性によって異なる。一方、
図6に示すように、電圧と電流の関係は一定の電圧以上で線形近似化が可能なので、1次関数と仮定して数式1で表わすことができる。
【0088】
この際、xは駆動電源ELVDDの電圧値であり、yは画素PXに流れる駆動電流Iの電流値であり、βはグラフの傾きである。
【0089】
そして、輝度は、電圧降下量IRに対応する電流値の減少量に応じて変化するので、 表示パネルの輝度の均一度(LRU:Long Range Uniformity)は、最高輝度に対する最低輝度の比であって、数式2で表わすことができる。
【0091】
この際、xは駆動電源ELVDDの電圧値であり、x′は電圧降下した駆動電源ELVDDの電圧値であり、IRは電圧降下量である。
【0092】
既存の駆動方式によって表示パネル110を駆動する場合、駆動電源ELVDDはV0である。表示パネル110が最高輝度の白色映像(full white)を表示するとき、駆動電源ELVDDの電圧降下が発生する。駆動電源ELVDDに連結された配線ラインの抵抗値が大きいほど、電圧降下が大きい。
【0093】
したがって、画素PXに印加される駆動電源ELVDDの電圧は偏差を有し、最大ΔV0の偏差が発生しうる。これにより、有機発光ダイオードOLEDを介して流れる電流Iの電流値は画素PX別に互いに異なる。この際、輝度は駆動電流の電流値Iに応じて変わりうるので、駆動電源ELVDDの電圧値がV0であるとき、輝度の均一度LRUは数式3で表わすことができる。
【0095】
一方、表示装置100がデータスケーリング方式によって駆動される場合、駆動電源ELVDDの電圧値をV1に増加させて駆動電流の電流値Iを増加させ、映像データをスケーリングして以前と同一水準の輝度の白色映像を表示する。例えば、既存の駆動方式において駆動電源ELVDDの電圧値がV0であり、255階調を表示したならば、データスケーリング駆動方式では駆動電源ELVDDの電圧値をV1に高め、64階調を表示することができる。
【0096】
一方、駆動電源ELVDDの電圧値がV1に増加したときの駆動電流Iの電流値は、駆動電源ELVDDの電圧値がV0であるときの駆動電流Iの電流値の略2倍でありうる。
【0097】
この際、駆動電源ELVDDの電圧降下が発生すると、画素PXに印加される駆動電源ELVDDは偏差を有し、最大ΔV1の偏差が発生しうる。輝度は既存の駆動方式によって駆動される場合の輝度と同一なので、表示区間の一つのフレームに出力される平均電流は既存と同様である。よって、電圧降下量IRは既存と同様でありうる。
【0098】
駆動電源ELVDDの電圧値がV1に増加したとき、輝度の均一度LRUを計算すると、数式4で表わすことができる。
【0100】
ここで、V1はγ*V0(γ>1)であるので、V1の代わりにγ*V0を代入すると、輝度の均一度は最終的に数式5で表わすことができる。
【0102】
既存の駆動方式による輝度の均一度LRU(V0)を示す数式3と、データスケーリング方式による輝度の均一度LRU(V1)を示す数式5とを比較すると、γが1より大きいので、データスケーリング駆動方式による輝度の均一度が既存の駆動方式による輝度の均一度より大きいことが分かる。また、γが大きくなるほど、輝度の均一度が大きくなることが分かる。
【0103】
このように、表示装置100がデータスケーリング駆動方式によって駆動される場合、輝度の均一度が増加しうる。一方、データスケーリング比αが減少するほど、駆動電源ELVDDの電圧値の増加量が大きくならなければならないので、γはデータスケーリング比αに反比例することができる。γとデータスケーリング比α間の反比例の程度は各表示パネルの特性によって異なる。反比例の程度を決定する要素は、有機発光物質の種類や表示パネルのデータラインの材料、線幅などである。よって、データスケーリング比を調節することにより、輝度の均一度の改善程度を調節することができる。
【0104】
図7は、駆動電源の電圧と駆動電流との関係を有機発光素子の画素色相別に示すグラフである。
図8は、標準化された電流と画素水平ライン位置との関係を画素色相別に示すグラフである。x軸は駆動電源の連結地点から離れた距離を示す。
【0105】
図7を参照すると、赤色を表示する発光素子Ipixel_Rの駆動電流/駆動電圧の比は青色を表示する発光素子Ipixel_Bの駆動電流/駆動電圧の比より緩やかな傾向を示すことが分かる。
【0106】
また、有機電界発光素子の色相を実現する蛍光体は、発光色相によって電圧−電流特性曲線が互いに異なるため、画素の発光色相だけでなく、画素の位置によって輝度が均一でない現象が発生する。
【0107】
図8を参照すると、表示装置が白色を表示する場合に駆動電源の印加地点からの距離によって色度偏差が発生する。すなわち、表示装置が全画素に白色を表示する場合、相異なる色相を有する画素が同一の位置においても画素の色相別に異なる標準化電流値が印加される。言い換えれば、画素の位置によって色相別画素の電圧降下量も異なる。
【0108】
したがって、画素の色相別に電圧降下の程度が異なるため、色度を向上させるためには、色相別画素または画素ラインに応じてデータスケーリング比αと駆動電源ELVDDの電圧値(γ*V0)が異なるように設定されなければならない。
【0109】
スケーリング比αは、最も大きい電流を必要とする色相の画素が最も小さく、最も少ない電流を必要とする色相の画素が相対的に大きい値を持つ。
【0110】
図7を参照すると、有機電界発光素子の特性では、青色を表示する画素の駆動電流が赤色を表示する画素の駆動電流より大きいため、例えば、画素が負荷率50%の映像信号を入力される場合、α
r>α
bの関係を満足するようにα
bとα
rが設定される。ここで、α
bは青色画素のスケーリング比であり、α
rは赤色画素のスケーリング比である。
【0111】
色相別にスケーリング比が異なるため、入力された映像信号のうち、同じフレームに同じ階調値を有する赤色の映像信号と青色の映像信号が出力されるときは、互いに異なる階調値を有することになる。例えば、白色の入力映像において赤色と青色がそれぞれ64階調と同一の値を有するとしても、画素印加の際には、赤色は32階調、青色は28階調にそれぞれ変換される。
【0112】
前述した例のように、64階調の入力値を有する赤色データはスケーリング後に32階調に減少することにより、赤色画素は目標輝度の50%水準に相当する輝度で出力し、青色データは28階調に減少することにより、青色画素は目標輝度の43%水準に相当する輝度で出力する。
【0113】
一方、データスケーリング比の差を補償して実質的に同一の輝度で出力するために、青色、緑色および赤色の画素に印加される駆動電源の電圧ELVDD_R、ELVDD_G、ELVDD_Bが電圧−電流特性曲線を考慮して上昇する。例えば、赤色画素の駆動電圧
ELVDD_Rは5Vから6Vに上昇し、青色画素の駆動電圧ELVDD_Bは5Vから6.5Vに上昇する。一般に、青色画素の駆動電圧ELVDD_Bは、緑色画素の駆動電圧ELVDD_Gまたは赤色画素の駆動電圧ELVDD_Rよりさらに大きく補償されることが好ましい。よって、表示パネルの駆動電圧の電圧降下により発生する輝度および色度の偏差を同時に改善することが可能である。
【0114】
前述した例は赤色と青色を例として挙げたが、スケーリング比は色相別に異なるように設定することが可能である。もし、表示素子の色相別特性が類似する場合、スケーリング部が同一のスケーリング比を有することも可能である。また、表示素子の色相別特性が異なる場合、一つのスケーリング部が色相別データを相異なるスケーリング比で処理することも可能である。
【0115】
図9は本発明の他の実施形態に係る表示装置の制御部を概略的に示すブロック図である。制御部120は、入力された映像データの負荷率を算出する負荷率算出部121を含むことができる。負荷率算出部121は、算出された負荷率を赤色データスケーリング部11、緑色データスケーリング部12および青色データスケーリング部13にそれぞれ伝達する。データスケーリング部11、12、13は、負荷率に対応する色相別スケーリング比で色相別映像データをそれぞれスケーリングする。この際、データスケーリング部11、12、13は色相別にスケーリング比が互いに異なるように設定されたルックアップテーブル(LUT:Look−Up Table)を含むことができる。
【0116】
サブフィールド割当部122は、変更された階調に基づいて各ピクセルに印加されるオン・オフ信号を含むサブフィールドデータSDATAを、データラインを介して各画素に印加する。
【0117】
色相別に画素に印加される階調が互いに異なるため、サブフィールド割当部122がサブフィールドデータSDATAでオン・オフ電圧に変化しても、互いに異なるサブフィールドデータSDATAで階調を表示する。色相別に複数のデータスケーリング部によってスケーリング比を異ならせて適用したため、出力の際に映像の出力輝度が目標値に比べて減少することになる。
【0118】
図10は、負荷率による色相別データスケーリング比を示すグラフである。
図10では、理解を助けるために、赤色と青色のスケーリング比のグラフのみを表示したが、緑色データに対しても、
図10のように個別的なスケーリング比を用いてスケーリングを行うことができるのは自明である。
【0119】
色相別スケーリング部11、12、13の少なくとも一つは、基準点以下の入力映像の負荷率に対応して1より小さいスケーリング比を有する。
【0120】
図10を参照すると、色度の一貫性を保つためにデータスケーリング比を設定するとき、基準色相画素を設定し(
図10の赤色スケーリング部)、全ての負荷率に対する基準色相画素のスケーリング比を算定し、基準スケーリング比を基準に一定比率の色補正比値をかけることにより、他の色相画素のデータスケーリング部のスケーリング比を設定することができる。
【0121】
例えば、赤色画素のスケーリンググラフを基準スケーリング比として設定する場合に、赤色より電流消費の大きい青色データスケーリング部は、1より小さい色補正比値をかけて青色データスケーリンググラフを生成し、前記補正された青色のスケーリング比に対応して、青色画素に印加される駆動電圧ELVDD_Bを調整する。前述の例では赤色と青色を例として挙げたが、緑色に対しても、同一の方法を用いてデータスケーリング比と駆動電圧を調整することができる。
【0122】
図11は、本発明の実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【0123】
初期化段階またはテスト段階で表示パネル110の輝度の均一度が所定の値以上となるように表示装置100の駆動条件をセットし、データスケーリング方式で表示装置100が駆動されうる。
【0124】
まず、表示パネル110の輝度の均一度(LRU)を算出する(S1110)。表示パネル110にテスト映像、例えば最高階調の白色映像(full white)を表示する。そして、色相別輝度データに基づいて輝度の均一度が算出できる。
【0125】
輝度の均一度が算出されると、算出された輝度の均一度が所定の値以上であるか否かを判断する(S1120)。前記所定の値は表示装置100の不良か否かを判別するための臨界値CV_LRUでありうる。
【0126】
輝度の均一度が所定の値以上であれば、輝度の均一度の改善が要求されないので、データスケーリングを行うことなく表示装置が駆動できる。ところが、輝度の均一度が所定の値未満であれば、輝度の均一度の改善が要求されるので、輝度の均一度を所定の値以上に高めることが可能な駆動条件を探す。
【0127】
次に、輝度の均一度に基づいて画素の色相別にスケーリング比を設定する(S1130)。輝度の均一度を改善するためには映像データをダウンスケーリングし且つ駆動電源ELVDDの電圧値を高めなければならないので、スケーリング比は1未満に設定できる。この際、画素の色相別にスケーリング比を調節して輝度の均一度を調節することができる。
【0128】
そして、選定されたスケーリング比に基づいて駆動電源の電圧値を色相別に調整する(S1140)。スケーリング比が低いほど、駆動電源の電圧値は高く設定できる。
その後、上述したスケーリング比設定段階(S1130)および駆動電圧調整段階(S1140)で設定されたスケーリング比および駆動電源の電圧値に基づいてデータスケーリング駆動方式にしたがって表示装置100を駆動して輝度の均一度を再算出し、再算出された輝度の均一度が所定の値以上であるか否かを判断する。
【0129】
輝度の均一度が所定の値以上であれば、表示装置100は、外部から受信される映像データのデータ値をスケーリング比に基づいてデータスケーリングし(S1150)、スケーリングされた映像データに対応する階調を表示する(S1160)。すなわち、表示装置100は、色相別に設定されたスケーリング比および駆動電源の電圧値に基づいてデータスケーリングされて駆動できる。
【0130】
図12Aおよび
図12Bは、本発明に係る表示装置の色度値を示すグラフである。
図12Aおよび
図12Bを参照すると、測定に使用された有機発光表示装置は、パネルの上部と下部でそれぞれ駆動電源の印加を受ける分離型パネルに対する実験の結果、パネルの中央部分が駆動電源印加地点から最も遠い距離に位置することになる。よって、色度の偏差も中央部で最も大きく現れている。
【0131】
図12Aと
図12Bの実験条件は、有機発光表示装置に白色を表示する最大階調で入力した状態であり、スケーリング比については(a)赤色、緑色、青色にいずれも30%のスケーリング比を一括的に適用した状態と(b)赤色および緑色にはそれぞれ30%のスケーリング比を適用し、青色には24%のスケーリング比を適用した状態で、色度の改善の程度を示したものである。
【0132】
図12Aの実験結果では、(a)の場合、色度の最大値と最小値の差がΔx=0.024、Δy=0.0132と測定され、(b)の場合、Δx=0.018、Δy=0.0054と測定された。
図12Bの実験結果でも、(a)の場合、Δx=0.0195、Δy=0.0155と測定され、(b)の場合、Δx=0.0138、Δy=0.0081と測定された。色相別にスケーリング比を異ならせて適用した(b)の条件で色度x、y値のいずれも偏差が減ったことを確認することができる。
【0133】
一方、本発明の実施形態に係る表示装置は様々な電子製品に採用できる。例えば、TVに採用できるのはもとより、携帯電話、モニター、ノート型パソコン、およびナビゲーションなどに幅広く採用できる。
【0134】
以上、図面と明細書において最適の実施形態が開示された。ここで、特定の用語が使用されたが、これは、本発明を説明するための目的で使用されたものに過ぎず、意味を限定するために、或いは特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。よって、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これらの実施形態から様々な変形および均等な他の実施が可能であることを理解するであろう。よって、本発明の真正な技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきであろう。