【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成25年11月5日 ウェブサイト http://hikkoshizamurai.jp/にて公開
【課題】複数の引越し業者の、各社の事情に沿ったデータベースを構築することができ、且つ、ユーザは、複数の引越し業者の引越し料金を一括で見積もることができる引越し見積もりシステムを提供する。
【解決手段】引越し業者からの入力と、ユーザからの入力とにより、引越し業者ごとの引越し料金を算出する引越し料金見積もりシステムであって、引越し業者から受け付けた、業者家財情報、トラック情報、及び、作業員情報と、引越し業者とを対応付けて、引越しデータベースとし、ユーザから受け付けたユーザ家財情報と、業者家財情報とに基づいて、引越し業者ごとに家財総体積を算出し、家財総体積と、トラック情報とに基づいて、引越し業者ごとにトラック使用料金を決定し、業者家財情報と、ユーザ家財情報と、作業員情報とに基づいて、人件費を決定し、トラック使用料金と、人件費とに基づいて、引越し業者ごとの引越し料金を算出する。
複数の引越し業者からの入力により引越しデータベースを構築し、ユーザからの入力と前記引越しデータベースとに基づいて、前記引越し業者ごとの引越し料金を算出する引越し料金見積もりシステムであって、
前記引越し業者から、家財の種類ごとの体積を含む業者家財情報の入力を受け付ける業者家財情報受付手段と、
前記引越し業者から、貨物室の体積、トラック種別、及び、トラック使用料金を含むトラック情報の入力を受け付けるトラック情報受付手段と、
前記引越し業者から、作業員の人数ごとの人件費を含む作業員情報の入力を受け付ける作業員情報受付手段と、
前記業者家財情報、前記トラック情報、及び、前記作業員情報と、前記引越し業者とを対応付けて、前記引越しデータベースとして記憶手段に記憶させるデータベース構築手段と、
前記ユーザから、家財の種類及び数量を含むユーザ家財情報の入力を受け付けるユーザ家財情報受付手段と、
前記ユーザ家財情報と、前記業者家財情報とに基づいて、前記引越し業者ごとに、前記家財の体積の合計値である家財総体積を算出する家財総量算出手段と、
前記家財総体積と、前記トラック情報に含まれる前記貨物室の体積とに基づいて、前記引越し業者ごとに前記トラック種別を特定し、トラック使用料金を決定するトラック料金決定手段と、
前記業者家財情報と、前記ユーザ家財情報と、前記作業員情報とに基づいて、前記人件費を決定する人件費決定手段と、
前記トラック料金決定手段が決定した前記トラック使用料金と、前記人件費決定手段が決定した前記人件費とに基づいて、前記引越し業者ごとの前記引越し料金を算出する引越し料金算出手段と、を備えることを特徴とする引越し料金見積もりシステム。
ユーザからの入力と、複数の引越し業者の情報を含む引越しデータベースとに基づいて、前記引越し業者ごとの引越し料金を算出する引越し料金見積もりシステムであって、
家財の種類ごとの体積を含む業者家財情報、貨物室の体積、トラック種別、及び、トラック使用料金を含むトラック情報、及び、作業員の人数ごとの人件費を含む作業員情報と、引越し業者とを対応付けた情報を含む前記引越しデータベースと、
前記ユーザから、家財の種類及び数量を含むユーザ家財情報の入力を受け付けるユーザ家財情報受付手段と、
前記ユーザ家財情報と、前記業者家財情報とに基づいて、前記引越し業者ごとに、前記家財の体積の合計値である家財総体積を算出する家財総量算出手段と、
前記家財総体積と、前記トラック情報に含まれる前記貨物室の体積とに基づいて、前記引越し業者ごとに前記トラックの種類を特定し、トラック使用料金を決定するトラック料金決定手段と、
前記業者家財情報と、前記ユーザ家財情報と、前記作業員情報とに基づいて、前記人件費を決定する人件費決定手段と、
前記トラック料金決定手段が決定した前記トラック使用料金と、前記人件費決定手段が決定した前記人件費とに基づいて、前記引越し業者ごとの前記引越し料金を算出する引越し料金算出手段と、を備えることを特徴とする引越し料金見積もりシステム。
前記ユーザから前記引越し業者に対する引越し予約を受け付け、前記ユーザから受け付けた前記引越し予約に基づいて、前記引越し業者に通知を行う予約受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の引越し料金見積もりシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施形態に係る引越し見積もりシステムの構成を示す図である。引越し見積もりシステムは、サーバ10と、サーバ10とネットワークを介して接続された複数の引越し業者端末100と、サーバ10とネットワークを介して接続された複数のユーザ端末200とにより構成されている。引越し業者端末100及びユーザ端末200としては、通信手段、ディスプレイ、及び、入力手段を備えた、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、スマートフォン等を用いることができる。
【0010】
図2は、サーバ10の構成を示している。サーバ10は、CPU11、通信手段12、記憶手段13を備えている。CPU11は、通信手段12を介して引越し業者端末100と情報の送受信を行い、引越し業者端末100を使用する引越し業者に関する情報を記憶手段13へ記録する。一方、CPU11は、通信手段12を介してユーザ端末200との情報の送受信を行い、記憶手段13に記録された情報を用いて引越し料金を算出し、ユーザ端末200へ引越し料金に関する情報を送信する。
【0011】
記憶手段13には、引越し業者ごとに、基本情報20、業者家財情報30、トラック情報40、作業員情報50、移動料金情報60、掛け率情報70、及び、予約状況80が、引越し業者名又は引越し業者ID14に対応付けられて、引越し業者情報として記録されている。そして、複数の引越し業者情報により、引越しデータベースが構築されている。基本情報20は、引越し業者を紹介する引越し業者画像及び引越し業者紹介文、及び、引越し業者が対応可能なエリアである都道府県名及び市区町村名を含んでいる。
【0012】
業者家財情報30は、引越し業者が設定する、家財に関する情報を含んでいる。トラック情報40は、引越し業者が所有するトラックに関する情報を含んでいる。作業員情報50は、引越し業者の作業員に関する情報を含んでいる。移動料金情報60は、引越し業者が、引越し元から引っ越し先へと移動する際の距離に応じて発生する料金に関する情報を含んでいる。掛け率情報70は、引越し日に応じて設定される、引越し料金の割増率及び割引率に関する情報を含んでいる。予約状況80は、日時と対応付けられた、その引越し業者が受け付けた引越し予約を含んでいる。
【0013】
記憶手段13には、引越し業者端末100のディスプレイに、業者家財情報設定画面、トラック情報設定画面、作業員情報設定画面、移動料金情報設定画面、及び、掛け率情報設定画面を表示させる表示データが記憶されている。各設定画面の表示データは、引越し業者が各設定画面に対応する情報の入力を行う際に、CPU11により記憶手段13から読み出され、CPU11により通信手段12を介して引越し業者端末100へ送信され、引越し業者端末100のディスプレイに表示される。
【0014】
また、記憶手段13には、ユーザ端末200のディスプレイに、引越し情報入力画面、ユーザ家財情報表示画面、及び、引越し料金表示画面を表示させる表示データも記憶されている。引越し情報入力画面の表示データは、ユーザが、引越し元、引越し先及び引越し日時を含む引越し情報の入力を行う際に、CPU11により記憶手段13から読み出され、CPU11により通信手段12を介してユーザ端末200へ送信され、ユーザ端末200のディスプレイに表示される。ユーザ家財情報入力画面の表示データは、ユーザが、家財の量を示すユーザ家財情報の入力を行う際に、CPU11により記憶手段13から読み出され、CPU11により通信手段12を介してユーザ端末200へ送信され、ユーザ端末200のディスプレイに表示される。引越し料金表示画面の表示データは、CPU11により引越し料金が算出された後に、CPU11により記憶手段13から読み出され、CPU11により通信手段12を介してユーザ端末200へ送信され、ユーザ端末200のディスプレイに表示される。
【0015】
<引越し業者入力処理>
引越し業者は、引越し業者端末100を用いてサーバ10にアクセスし、業者家財情報30、トラック情報40、作業員情報50、移動料金情報60、掛け率情報70の入力を行う。
【0016】
図3は、引越し業者が業者家財情報30を入力する際に、引越し業者端末100のディスプレイに表示される業者家財情報設定画面を示している。業者家財情報設定画面では、予め定められた家財の種類31が表示され、それぞれの家財に対して、重量32と体積33の入力を受け付ける。
【0017】
ここで、それぞれの家財の種類31に対応する重量32及び体積33は、各引越し業者が経験則等に基づいて設定する。例えば、
図3では、ソファー(3人掛け)に対して、重量32が40kgであると想定して入力されており、大きさが、幅150cm、奥行き100cm、高さ100cmであると想定し、体積33として1.5m^3が入力されている。
【0018】
また、上述したとおり、家財の重量32及び体積33は引越し業者ごとに異なった設定がなされる。そのため、業者によっては、ソファー(3人掛け)に対して、重量が30kgであると想定して入力し、大きさが、幅120cm、奥行き100cm、高さ80cmであると想定し、体積を0.96m^3と入力することもあり得る。
【0019】
引越し業者は、家財の種類31に対応する重量32及び体積33に対して入力又は修正を行った後、更新アイコン34に対する選択入力を行う。そして、入力又は修正された業者家財情報30がサーバ10へ送信され、サーバ10に備えられる記憶手段13に記録された業者家財情報30が更新される。なお、このとき、サーバ10のCPU11は、業者家財情報受付手段として機能する。
【0020】
図4は、引越し業者がトラック情報40を入力する際に、引越し業者端末100のディスプレイに表示されるトラック情報設定画面を示している。トラック情報設定画面では、トラック名41と、貨物室サイズ42と、満載率43と、最低積載率44と、料金45と、台数46とが表示される。
【0021】
トラック名41は、各引越し業者が所有するトラック種別に対応する名称を示しており、各引っ越し業者が名称を入力することができる。
【0022】
貨物室サイズ42は、トラックの貨物室の大きさを示しており、各引越し業者が、貨物室の長さ42a、幅42b、及び高さ42cを入力することができ、入力された貨物室の長さ42a、幅42b、及び高さ42cに基づいて貨物室の体積42dが算出される。
【0023】
満載率43は、貨物室の体積42dに対して、積載される家財の総体積の割合が何%である場合を満載扱いとするかを示している。例えば、満載率43が80%である場合、
図4における2tロングのトラックの貨物室の体積42dが17.0m^3であるため、家財の総体積が13.6m^3である場合に満載扱いとされる。
【0024】
ここで、満載率43が100%であることを想定した場合、家財の総体積が、トラックの貨物室の体積42dと等しくなることを意味する。しかしながら、貨物室の体積42dと等しい総体積の家財を積載するということは、家財を貨物室に対して隙間無く積載することを意味する。また、各家財の体積は、各引越し業者が設定するものであり、すべての家財が設定された体積どおりの家財であるとは限らない。したがって、満載率43を100%とすると、積み残しが発生する事態が起こり得る。よって、満載率43は、高くても90%程度に設定することが好ましい。
【0025】
最低積載率44は、トラックの貨物室の体積42dに対する家財の総体積の割合が何%以上である場合に、そのトラックを使用するかを示している。例えば、貨物室の体積42dに対して、家財の総体積が大幅に少ない場合を排除することができる。なお、貨物室の体積42dに対して家財の総体積が大幅に少ないことを許容できるのであれば、最低積載率44は0%でもかまわない。
【0026】
料金45はトラックの種類ごとのトラック使用料金を示しており、台数46は、その引越し業者が所有するトラックの種類ごとの数を示している。
【0027】
引越し業者が変更/追加アイコン47を選択することにより、トラック情報入力ウィンドウが表示される。
図4(b)は、トラック情報入力ウィンドウを示している。トラック情報入力ウィンドウでは、上述したトラック名41、長さ42a、幅42b、高さ42c、満載率43、最低積載率44、料金45、台数46にそれぞれ対応する、トラック名41’、長さ42a’、幅42b’、高さ42c’、満載率43’、最低積載率44’、料金45’、台数46’の入力を受け付ける。
【0028】
引越し業者は、トラック情報入力ウィンドウへの入力操作の後、保存アイコン48a、キャンセルアイコン48b、削除アイコン48cのいずれかを選択する。保存アイコン48aが選択されれば、トラック情報入力ウィンドウの入力内容がサーバ10へ送信され、トラック情報40が更新されるとともに、トラック情報設定画面の表示内容が更新される。キャンセルアイコン48bが選択されれば、入力内容はサーバ10へ送信されず、トラック情報設定画面へと遷移する。削除アイコン48cが選択されれば、該当するトラック情報40の削除要求がサーバ10へ送信されて、該当するトラック情報40が記憶手段13から削除されるとともに、トラック情報設定画面の表示内容が更新される。なお、このとき、サーバ10のCPU11は、トラック情報受付手段として機能する。
【0029】
図5(a)は、引越し業者が作業員情報50を入力する際に、引越し業者端末100のディスプレイに表示される作業員情報設定画面を示している。作業員情報設定画面には、作業員数51と、最大可搬重量52と、可搬体積53と、日当54と、対応トラック55とが表示される。
【0030】
最大可搬重量52は、対応付けられた作業員数51で運搬可能な家財の最大重量を示している。
図5では、作業員数51が1人の場合の最大可搬重量52は55kgであり、作業員数51が2人の場合の最大可搬重量52は110kgである。したがって、例えば、
図3の家財設定画面で設定された家財における冷蔵庫(3ドア以上)は、重量32が64kgであるため、2人以上の作業員が必要となる。
【0031】
可搬体積53は、対応付けられた作業員数51により、運搬可能な家財の総体積を示している。日当54は、作業員数51に対応する人件費を示している。対応トラック55は、その引越し業者がトラック情報入力画面で入力し、トラック情報40に含まれるトラックの種類のうち、作業員数51に対応するトラックの種類を示している。対応トラック55は、トラックの大きさに対して、作業員の人数が少ない場合、及び、多い場合を防ぐために用いられる。
【0032】
引越し業者が変更/追加アイコン56を指示入力することにより、作業員情報入力ウィンドウが表示される。
図5(b)は、作業員情報入力ウィンドウを示している。作業員情報入力ウィンドウでは、上述した作業員数51、最大可搬重量52、可搬体積53、日当54、対応トラック55にそれぞれ対応する、作業員数51’、最大可搬重量52’、可搬サイズ53’、日当54’、対応トラック55’の入力を受け付ける。対応トラック55’には、トラック情報設定画面で設定されたトラック名が選択可能に表示される。
【0033】
引越し業者は、入力の後、保存アイコン57a、キャンセルアイコン57b、削除アイコン57cのいずれかを選択する。保存アイコン57aが選択されれば、作業員情報入力ウィンドウの入力内容がサーバ10へ送信され、記憶手段13の作業員情報50が更新されるとともに、作業員情報設定画面の表示内容が更新される。キャンセルアイコン57bが選択されれば、入力内容はサーバ10へ送信されず、作業員情報設定画面へと遷移する。削除アイコン57cが選択されれば、該当する作業員情報50の削除要求がサーバ10へ送信されて、該当する作業員情報50が記憶手段13から削除されるとともに、作業員情報設定画面の表示内容が更新される。なお、このとき、サーバ10のCPU11は、作業員情報受付手段として機能する。
【0034】
図6は、引越し業者が移動料金情報60を入力する際に、引越し業者端末100のディスプレイに表示される移動料金情報設定画面を示している。トラック名61は、トラック情報設定画面において入力されたトラック名が表示される。最低料金62は、移動距離に応じて加算される料金がこの金額に満たない場合に、設定される料金を示している。1kmごとの料金63は、トラックごと、及び、利用道路ごとに、距離と対応付けられて設定される。例えば、トラック名が「2t」であるトラックを使用する場合、15kmまでの移動であるならば、距離料金は最低料金62の3000円となり、15kmを超えれば、1kmごとの料金の積算値が料金となる。
【0035】
図7は、引越し業者が掛け率情報70を入力する際に、引越し業者端末100のディスプレイに表示される掛け率設定画面を示している。掛け率設定画面として表示されるのは、日ごとの掛け率を設定するための掛け率設定カレンダーである。掛け率設定カレンダーには、曜日71と日付72が表示されるとともに、日付72に対応する欄73に掛け率が入力可能となっている。日付72に対応する欄73の上段73aは、引越しが午前に行われる場合の掛け率であり、中段73bは引越しが午後に行われる場合の掛け率であり、下段73cは、時間を問わない場合の掛け率である。掛け率の単位はパーセントで表されている。例えば、土曜日の午後に引越しが行われるのであれば、料金が1.1倍となることを示している。なお、掛け率設定カレンダーにおいて、空欄となっている箇所は、掛け率が100であることを示している。
【0036】
以上のよう入力された引越し業者情報は、サーバ10が備える記憶手段13に記憶され、引越しデータベースが構築される。すなわち、サーバ10のCPU11が、データベース構築手段として機能することとなる。
【0037】
<ユーザ入力処理>
ユーザは、ユーザ端末200を用いてサーバ10へアクセスし、引越し情報及びユーザ家財情報を含むユーザ情報の入力を行う。
【0038】
図8は、ユーザが引越し情報を入力する際に、ユーザ端末200のディスプレイに表示される引越し情報入力画面を示している。ユーザは、まず、出発日時201を入力する。出発日時201は、出発日201a及び出発時間帯201bを含んでいる。出発日201aは、特定の日の選択入力であってもよいし、特定の月の特定の曜日の選択入力であってもよい。また、特定の月に対して上旬か、中旬か、下旬かの選択入力であってもよい。出発時間帯201bは、午前と、午後と、時間帯を問わないものとから選択される。
【0039】
ユーザは、次に、引越し元と引越し先の入力を行う。引越し元と引越し先の入力は、例えば、引越し元入力欄202及び引越し先入力欄203を用いて行われる。
【0040】
引越し情報の入力がなされれば、サーバ10からユーザ端末200へ表示データが送信され、ユーザ家財情報入力画面へと遷移する。
図9は、ユーザ端末200のディスプレイに表示されるユーザ家財情報入力画面を示している。ここで、ユーザ家財情報入力画面に表示される家財の種類204は、業者家財情報30の入力を受け付ける際に、引越し業者端末100のディスプレイに表示される家財設定画面における、家財の種類31と同じ種類である、予め定められた家財の種類204である。ユーザは、引越し元に存在する家財の種類及び数量に基づいて、数量205を入力する。
【0041】
以上のように入力されたユーザ情報は、ユーザが見積もりアイコン206の指示入力を行うことにより、ユーザ端末200からサーバ10に送信される。ここで、サーバ10のCPU11は、ユーザ家財情報受付手段として機能する。そして、サーバ10では引越し料金の見積もりが行われる。
【0042】
<引越し料金見積もり処理>
図10は、サーバ10のCPU11が、所定のプログラムに基づいて実行する、引越し料金見積もり処理のフローチャートである。
図10に示す引越し料金見積もり処理は、記憶手段に記録されているすべての引越し業者について実行され、引越し業者の抽出及び引越し料金の算出が行われる。
【0043】
まず、ユーザ端末200から入力された、引越し予定日時、引越し元、引越し先、及び、ユーザ家財情報を取得する(S101)。そして、取得した引越し元及び引越し先に基づいて、引越し元と引越し先がその引越し業者の対応エリアであるか否かの判定が、データベースの基本情報20を参照することにより行われる(S102、S103)。
【0044】
引越し元と引越し先の少なくともいずれか一方が対応エリアでないと判定されれば(S102:NO、S103:NO)、その引越し業者を除外し(S113)、処理を終了する。そして、次の引越し業者に対する処理へ移行する。
【0045】
引越し元と引越し先が共に対応エリアであると判定された場合には(S102:YES、S103:YES)、引越し予定日時が対応可能日時に含まれているか否かの判定が、データベースの予約状況80を参照することにより行われる(S104)。すなわち、ユーザ端末から入力された引越し予定日時について、既に所定数の予約がなされていれば、引越し予定日時が対応可能日時に含まれていないと判定される。引越し予定日時が対応可能日時に含まれていないと判定された場合(S104:NO)、その引越し業者を除外し(S113)、処理を終了する。そして、次の引越し業者に対する処理へ移行する。
【0046】
引越し予定日時が対応可能日時に含まれていると判定されれば(S104:YES)、入力されたユーザ家財情報と、引越しデータベースに記憶された業者家財情報30とに基づいて、各家財の体積の合計値である家財総体積を算出する(S105)。ここで、サーバ10のCPU11は、家財総量算出手段として機能する。家財総体積は、各家財の体積に、各家財の数量を乗算して家財ごとの合計体積を算出したうえで、家財ごとの合計体積を全ての家財について積算することにより算出される。
【0047】
また、ユーザ家財情報において数量に対して1以上の値が入力された家財の中から、重量が最大の家財の重量を最大家財重量として特定する(S105)。例えば、
図9で示したユーザ家財情報入力画面におけるすべての家財の数量205が1以上であり、
図3で示した業者家財情入力画面で示した家財の重量32が業者家財情報30として登録されているとする。このとき、
図3で示した業者家財情報入力画面において、重量32が最大である家財の種類31は洗濯機(ドラム)であり、その重量32は72kgである。したがって、この場合には、最大家財重量が72kgとして特定される。
【0048】
次に、作業員数を示す値であるnを1に設定し(S106)、家財総体積が、作業員数がnの場合の可搬体積以下であるか否かを判定する(S107)。家財総体積が、作業員数がnの場合の可搬体積以下でないと判定されれば(S107:NO)、nが最大値であるか否かを判定する(S108)。ここで、nの最大値は、作業員情報50に含まれる作業員数の最大値である。nが最大値であると判定されれば(S108:YES)、その引越し業者を除外し(S113)、処理を終了する。そして、次の引越し業者に対する処理へ移行する。
【0049】
一方、nが最大値でないと判定されれば(S108:NO)、nに1を加算し(S109)、再度、家財総体積が、作業員数がnの場合の可搬体積以下であるか否かを判定する(S107)。
【0050】
家財総体積が、作業員数がnの場合の可搬体積以下であると判定されれば(S107:YES)、最大家財重量が、作業員数がnの場合の最大可搬重量以下であるか否かを判定する(S110)。最大家財重量が、作業員数がnの場合の最大可搬重量以下でないと判定されれば(S110:NO)、nが最大値であるか否かを判定する(S111)。nが最大値であると判定されれば(S111:YES)、その引越し業者を除外し(S113)、処理を終了する。そして、次の引越し業者に対する処理へ移行する。
【0051】
一方、nが最大値でないと判定されれば(S111:NO)、nに1を加算し(S112)、再度、最大家財重量が、作業員数がnの場合の最大可般重量以下であるか否かを判定する(S110)。
【0052】
最大家財重量が、作業員数がnの場合の最大可般重量以下であると判定されれば(S110:YES)、最小のトラックを選出する(S114)。ここでは、作業員数がnの場合に対応する対応トラックの中で、貨物室の体積に満載率を乗算した値が家財総体積以上であり、且つ、貨物室の体積に最低積載率を乗算した値が家財総体積以下である、貨物室の体積が最小のトラックが選出される。
【0053】
最小のトラックが選出された後、データベースの予約状況80を参照することにより、選出されたトラックの空きが有るか否かを判定する(S115)。選出されたトラックの空きが無いと判定された場合(S115:NO)、次に小さいトラックが有るか否かを判定する(S116)。ここでは、貨物室の体積に満載率を乗算した値が家財総体積以上であり、且つ、貨物室の体積に最低積載率を乗算した値が家財総体積以下である、空きが無いと判定されたトラックの次に小さいトラックが有るか否かの判定を行う。次に小さいトラックが無いと判定された場合(S116:NO)、その引越し業者を除外し(S113)、処理を終了する。そして、次の引越し業者に対する処理へ移行する。
【0054】
一方、次に小さいトラックが有ると判定された場合(S116:YES)、そのトラックを選出し(S117)、選出されたトラックの空きが有るか否かを判定する(S115)。
【0055】
選出されたトラックの空きが有ると判定されれば(S115:YES)、基本料金が算出される(S118)。基本料金は、作業員数がnである場合に対応する日当と、選出されたトラックに対応付けられたトラック料金とを加算することにより、算出される。ここで、サーバ10のCPU11は、人件費決定手段及びトラック料金決定手段として機能する。
【0056】
次に、引越し元と、引越し先とに基づいて、移動距離が特定される(S119)。移動距離は、例えば、引越し元から引越し先への最短距離となる道路、又は、引越し元から引越し先へ最短時間で移動することができる道路が選択されることにより、求められる。すなわち、例えば、引越し元から、引越し元の最寄りの有料道路出入り口までの一般道の距離と、引越し元の最寄りの有料道路出入り口から、引越し先の最寄りの有料道路出入り口までの有料道路の距離と、引越し先の最寄りの有料道路出入り口から、引越し先までの距離とにより特定される。なお、引越し元と引越し先の位置関係によっては、有料道路を用いないものともなり得るし、一旦有料道路から一般道へと降りた後、再度有料道路を利用するものともなり得る。
【0057】
移動距離が特定されれば、移動料金情報60に基づいて移動料金が算出される(S120)。すなわち、一般道の距離の合計値に、移動料金情報60に含まれる、選出されたトラックに対応する1kmあたりの料金を乗算して一般道料金を算出し、有料道路の距離の合計値に、移動料金情報60に含まれる、選出したトラックに対応する1kmあたりの料金を乗算して有料道路料金を算出する。そして、一般道料金と有料道路料金とを加算して、移動料金を算出する。
【0058】
そして、引越し予定日時に基づいて、掛け率が特定される(S121)。ここで、掛け率は、日が特定されていれば、その日に対応する掛け率が特定され、曜日が特定されていれば、その曜日に対応する掛け率の中で、最も低い掛け率が特定され、月における上旬か、中旬か、下旬かが特定されていれば、その中で最も低い掛け率が特定される。
【0059】
最後に、算出された基本料金と移動料金を加算した上で、掛け率を乗算することにより、引越し料金を算出し(S122)、処理を終了する。ここで、CPU11は、料金算出手段として機能する。そして、次の引越し業者に対する処理へ移行する。
【0060】
図10のフローチャートに係る引越し料金見積もり処理が、記憶手段13に記録されたデータベースに含まれる全ての引越し業者について実行された後、サーバ10は、引越し料金が算出された業者の基本情報20、予約状況80、及び、引越し料金をユーザ端末200へ送信する。
図11は、ユーザ端末200のディスプレイに表示される引越し料金表示画面である。引越し料金表示画面には、引越し業者名207と、引越し業者画像208と、引越し業者紹介文209と、引越し料金210と、予約状況カレンダー211と、予約受付アイコン212とが表示される。
【0061】
引越し業者画像208及び引越し業者紹介文209は、データベースの基本情報20に基づいて表示される。引越し料金210は、
図10で示したフローチャートに係る処理により算出された料金である。予約状況カレンダー211は、予約状況80に基づいて表示され、予約の空きが多い場合には丸の表示がなされ、予約の空きが少ない場合には三角の表示がなされ、予約の空きが無い場合にはバツの表示がなされる。ユーザは、表示された引越し業者の中から、予約を行う業者に対応付けられて表示された予約受付アイコン212への選択入力を行うことにより、引越しの予約へと進む。サーバ10のCPU11は、引越しの予約を受け付けると、通信手段12を介して引越し業者端末100へ予約の通知を行うとともに、予約状況80に予約の追加を行う。ここで、CPU11は、予約受付手段として機能する。
【0062】
なお、
図11では、一例として、2つの引越し業者の引越し料金を表示するものとしている。しかしながら、
図10で示したフローチャートに係る処理により3つ以上の引越し業者の引越し料金が算出されていれば、3つ以上の引越し業者の引越し料金を表示してもよく、1つの引越し業者の引越し料金のみが算出された場合においては、その引越し業者の引越し料金のみを表示するものとすればよい。また、
図10のフローチャートに係る処理が、サーバ10の記憶手段13に記録された全ての引越し業者に対して行われた結果として、一つの引越し業者の引越し料金も算出されないことも起こり得る。例えば、引越し業者の繁忙期において、ユーザが入力した引越し日時に対して、全ての業者の予約が埋まっている場合等である。このような場合には、再度、引越し情報入力画面をユーザ端末200のディスプレイに提示し、引越し情報の再入力を促すものとすればよい。
【0063】
上記構成により、本発明は、以下の効果を奏する。
【0064】
・一般的に、トラックの貨物室の体積に対して満載となる量の家財を積載したとしても、家財の総重量はトラックの最大積載重量よりも小さい重量である。本実施形態に係る引越し見積もりシステムでは、家財ごとに体積を設定し、家財総体積に基づいてトラックの種類を決定している。したがって、家財の積み残しの発生を抑制することができる。
【0065】
・引越し業者が入力する情報を統一しているため、各引越し業者は容易に、各引越し業者の事情に沿ったデータベースを構築することができる。さらに、家財の種類及び数に基づいて、複数の引越し業者の引越し料金を算出することが可能であるため、ユーザは、簡易な入力により複数の引越し業者の見積もり料金を取得することができる。
【0066】
・作業員数と可搬体積及び最大可搬重量とを対応付けた入力を各引越し業者から受け付けるため、各引越し業者のスタッフの事情に沿った可搬体積及び最大可搬重量に基づいた引越しデータベースを構築することができる。
【0067】
・家財総体積に対して作業員数が不足した場合、家財の搬出及び搬入にかかる時間が著しく長くなるおそれがある。また、最大家財重量に対して作業員数が不足した場合、搬出及び搬入ができない家財が発生するおそれがある。本実施形態では、作業員数を可搬体積及び最大可搬重量に基づいて決定するため、作業員数の過不足を防ぐことができる。
【0068】
・作業員数とトラックの種類を対応付けており、トラックの貨物室の体積が、家財の運搬に十分な体積であるか否かの判断に加えて、トラックの種類が作業員数に対応するものであるか否かの判断により、トラックの種類を決定している。したがって、トラックの種類に対する、作業員の過不足を防ぐことができる。
【0069】
<変形例>
(1)上記実施形態において、作業員情報50に、最大可搬重量と可搬体積を含めるものとしたが、いずれか一方のみを作業員情報50に含めるものとしてもよい。また、作業員数に、その作業員数で運搬可能な1つの家財の最大の体積を示す最大可搬体積を対応付けてもよく、家財の重量の合計値である、可搬重量を対応付けてもよい。
【0070】
(2)上記実施形態のユーザ入力処理における、ユーザ情報の入力順序は、上記実施形態で示した順序に限られることはなく、適宜変更が可能である。
【0071】
(3)引越し料金の算出には、トラック情報40、作業員情報50、移動料金情報60、掛け率情報70以外の情報を用いてもよい。例えば、引越し元及び引越し先の少なくとも一方が高層階である場合には、追加料金が発生するものとしてもよい。
【0072】
(4)距離料金の算出に対して、距離料金に優先して用いられる特別料金を設けてもよい。例えば、大都市内でのトラック移動時間は、距離よりも道路状況に起因するところが大きい。したがって、所定の大都市内での移動に対して特別料金を設定し、特別料金を距離料金の代わりに用いるものとしてもよい。
【0073】
(5)
図10で示した引越し料金見積もり処理において、家財総体積が可搬体積以下であるか否かを判定した後に、最大家財重量が最大可搬重量以下であるかの判定を行うものとしたが、処理の順序は問わない。また、家財総体積に基づいてトラックを選出した後に、作業員数を決定してもよい。この場合には、選出されたトラックと対応付けられた作業員数の中で、最大可搬重量が最大家財重量以上であり、且つ、可搬体積が家財総体積以上である、最小の作業員数を用いればよい。
【0074】
(6)上記実施形態において、サーバ10のCPU11が、業者家財情報受付手段、トラック情報受付手段、及び、作業員情報受付手段として機能するものとした。しかしながら、引越し業者は、引越し業者端末100を用いて業者家財情報、トラック情報、及び、作業員情報を入力するものであるため、引越し業者端末を、業者家財情報受付手段、トラック情報受付手段、及び、作業員情報受付手段として機能するものであると見なすこともできる。また、サーバ10のCPU11が、ユーザ家財情報受付手段として機能するものとしたが、ユーザ端末200をユーザ家財情報受付手段として機能するものであると見なすこともできる。