【解決手段】情報コード10は、そのコード領域20の一部が、第2波長帯の光を透過させ、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部11により覆われている。そして、第1波長帯の光が照射された状態で撮像された第1コード画像と、第2波長帯の光が照射された状態で撮像された第2コード画像との差分がある場合に、当該差分に基づいてコード領域20を覆う被覆部11の被覆範囲が検出される。そして、検出された被覆範囲と記憶部45の判定用情報とに基づいて、非公開データに関する処理の可否について、肯定判定された非公開データに関する処理が実行され、否定判定された非公開データに関する処理が実行されない。
第1波長帯の光と波長の異なる第2波長帯の光とのいずれか一方の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとがコード領域内に複数配列されることで所定のデータが記録される情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
前記コード領域の一部は、前記第2波長帯の光を透過させ、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部により覆われており、
前記第2波長帯の光を照射可能な照明手段と、
前記情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記コード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて前記所定のデータを解読する解読手段と、
前記第1波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像と、前記照明手段により前記第2波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像との差分がある場合に、当該差分に基づいて前記コード領域を覆う前記被覆部の被覆範囲を検出する被覆範囲検出手段と、
前記所定のデータに含まれる非公開データに関する処理の可否を前記被覆範囲に基づいて判定するための判定用情報が記憶される記憶手段と、
前記被覆範囲検出手段により検出された前記被覆範囲と前記記憶手段の前記判定用情報とに基づいて前記非公開データに関する処理の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段により肯定判定された前記非公開データに関する処理を実行し、前記判定手段により否定判定された前記非公開データに関する処理を実行しない処理実行手段と、
を備えることを特徴とする情報コード読取装置。
前記所定のデータには、前記判定手段の判定結果にかかわらず前記処理実行手段にて実行される公開データが含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
前記被覆範囲検出手段は、前記モジュールに相当する範囲を検出単位として前記被覆範囲を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
前記被覆範囲検出手段は、前記コード領域を複数の区画に分割した分割領域を検出単位として、前記差分が存在する前記分割領域を前記被覆範囲として検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような構成では、非公開データ(秘匿データ)を読み取るための復号鍵が予め読取装置のメモリ等に記憶されることで、その読取装置が正規の読取装置として機能する。この状態の読取装置を用いて非公開データが記録された二次元コードを撮像することで、読取作業者が特別な操作をすることなく、非公開データを読み取ることができる。しかしながら、正規の読取装置そのものが盗難等されて復号鍵が不正に取得されてしまうと、秘匿すべき非公開データが不正に取得されてしまう可能性がある。すなわち、単に復号鍵を用いて非公開データを秘匿する構成では、情報コードに関して要求されるセキュリティ性を確保できないおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、情報コードのセキュリティ性を高め得る情報コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、第1波長帯の光と波長の異なる第2波長帯の光とのいずれか一方の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとがコード領域(20)内に複数配列されることで所定のデータが記録される情報コード(10)を光学的に読み取る情報コード読取装置(40)であって、前記コード領域の一部は、前記第2波長帯の光を透過させ、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部(11)により覆われており、前記第2波長帯の光を照射可能な照明手段(44)と、前記情報コードを撮像する撮像手段(42)と、前記撮像手段により撮像された前記コード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて前記所定のデータを解読する解読手段(41)と、前記第1波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像と、前記照明手段により前記第2波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像との差分がある場合に、当該差分に基づいて前記コード領域を覆う前記被覆部の被覆範囲を検出する被覆範囲検出手段(41)と、前記所定のデータに含まれる非公開データに関する処理の可否を前記被覆範囲に基づいて判定するための判定用情報が記憶される記憶手段(45)と、前記被覆範囲検出手段により検出された前記被覆範囲と前記記憶手段の前記判定用情報とに基づいて前記非公開データに関する処理の可否を判定する判定手段(41)と、前記判定手段により肯定判定された前記非公開データに関する処理を実行し、前記判定手段により否定判定された前記非公開データに関する処理を実行しない処理実行手段(41)と、を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、情報コードは、そのコード領域の一部が、第2波長帯の光を透過させ、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部により覆われている。そして、第1波長帯の光が照射された状態で撮像された情報コードの画像と、照明手段により第2波長帯の光が照射された状態で撮像された情報コードの画像との差分がある場合に、当該差分に基づいてコード領域を覆う被覆部の被覆範囲が被覆範囲検出手段により検出される。そして、被覆範囲検出手段により検出された被覆範囲と記憶手段の判定用情報とに基づいて、判定手段による非公開データに関する処理の可否について、肯定判定された非公開データに関する処理が処理実行手段により実行され、否定判定された非公開データに関する処理が実行されない。
【0008】
このように、検出された被覆部の被覆範囲に基づいて非公開データに関する処理の可否が判定されるため、被覆部にて被覆される前のコード領域では非公開データに関する処理が実行されず、上述のように構成される被覆部を用いるだけでなく当該被覆部にてコード領域の決められた範囲を被覆することで非公開データに関する処理が実行される。このように、情報コード読取装置の判定用情報だけでなく、コード領域を覆う被覆部の被覆範囲を利用するので、単に復号鍵を用いて非公開データを秘匿する構成と比較して、情報コードのセキュリティ性を高めることができる。
【0009】
請求項2の発明では、所定のデータには、判定手段の判定結果にかかわらず処理実行手段にて実行される公開データが含まれるため、一般の読取装置では、非公開データに関する処理が実行されることなく、公開データに応じた処理が実行されることとなる。このように公開データに応じた処理が実行されることから、公開データの他にさらに非公開データが記録されていることを認識することが困難であり、非公開データの秘匿性をさらに向上させてセキュリティ性を高めることができる。
【0010】
請求項3の発明では、判定用情報には、複数の非公開データに対してそれぞれ1対1で対応するように設定される被覆範囲がそれぞれ判定用範囲として含まれている。そして、判定手段は、記憶手段の判定用情報に基づいて、複数の非公開データのうち被覆範囲検出手段により検出された被覆範囲に一致する判定用範囲に対応する非公開データについて肯定判定する。
【0011】
これにより、複数のデータを非公開データとすることができるだけでなく、複数の非公開データのうち読み取らせたいデータに対応する被覆範囲を上記被覆部にて覆えばよいので、非公開データに関してセキュリティ性を確保しつつ利便性を向上させることができる。特に、被覆範囲と異なる範囲が上記被覆部と同質の部材で被覆されていると、検出された被覆範囲と判定用範囲とが一致しないために非公開データに関する処理が実行されない。このため、上記被覆部と同質の部材を用いて偶然に判定用範囲を含めたコード領域が被覆される場合、例えば、コード領域の全てが上記被覆部と同質の部材を用いて被覆される場合でも、非公開データに関する処理が実行されないので、非公開データの秘匿性をさらに向上させてセキュリティ性を高めることができる。
【0012】
請求項4の発明では、判定用情報には、複数の非公開データに対してそれぞれ1対1で対応するように設定される被覆範囲がそれぞれ判定用範囲として含まれている。そして、判定手段は、記憶手段の判定用情報に基づいて、複数の非公開データのうち被覆範囲検出手段により検出された被覆範囲に含まれる判定用範囲に対応する非公開データについて肯定判定する。
【0013】
これにより、複数のデータを非公開データとすることができるだけでなく、複数の非公開データのうち読み取らせたいデータに対応する被覆範囲を上記被覆部にて覆えばよいので、非公開データに関してセキュリティ性を確保しつつ利便性を向上させることができる。特に、被覆範囲と異なる範囲が上記被覆部と同質のもので被覆されていても、検出された被覆範囲が判定用範囲を含んでいることで非公開データに関する処理が実行される。このため、被覆部を構成するための特殊インク等を用いてコード領域の一部を被覆部にて覆う場合にその特殊インク等により誤ってコード領域の他の範囲が被覆された情報コードであっても、非公開データに関する処理を実行することができる。
【0014】
請求項5の発明では、複数の非公開データの1つは、当該情報コードが既読であることを報知するための情報である。このため、情報コードを読み取った後にその非公開データに対応する被覆範囲を上記被覆部を用いて被覆することで、このように被覆された情報コードを再度読み取った場合に非公開データに関する処理が実行されて、当該情報コードが既読であることを報知することができる。すなわち、情報コードの2度読みを防止するための報知をすることができる。
【0015】
請求項6の発明では、被覆範囲検出手段は、モジュールに相当する範囲を検出単位として上記被覆範囲を検出するため、各モジュールの配列により構成されるコード領域に対する被覆部の被覆範囲を正確かつ容易に検出しやすくなる。これにより、判定手段による判定精度を向上させることができる。
【0016】
請求項7の発明では、被覆範囲検出手段は、コード領域を複数の区画に分割した分割領域を検出単位として、上記差分が存在する分割領域を被覆範囲として検出する。このため、例えば、コード領域を9分割して分割領域を構成することで、被覆範囲が単純化されて、判定手段の判定に関する処理負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード読取装置を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報コード読取装置40の要部を概略的に例示するブロック図である。
図1に示す情報コード読取装置40は、読取対象Rに付された一次元コード(バーコード等)および二次元コード(QRコード、データマトリックスコード、マキシコード、Aztecコード等)等の一般的な情報コードや、本発明の特徴的構成を有する情報コード10を光学的に読み取り可能な構成となっている。以下では、これら情報コード10および情報コード読取装置40について詳述する。
【0019】
(情報コード読取装置)
図1に示す情報コード読取装置40は、読取対象Rに付された情報コードを撮像し、読み取る機能を有している。この情報コード読取装置40は、CPU等からなる制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、第1波長帯の光を照射可能な第1照明光源43、第2波長帯の光を照射可能な第2照明光源44、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶手段からなる記憶部45などを備えている。また、情報コード読取装置40には、液晶表示器などからなる表示部46や、各種操作キーなどからなる操作部47なども設けられている。
【0020】
撮像部42は、一対の第1照明光源43a,43bの間に配置されており、読取対象Rやこの読取対象Rに付された情報コードからの反射光を受光センサ42aの受光面に結像させ、情報コードの画像データを生成するように機能している。受光センサ42aは、読取対象Rに照射されて反射した反射光を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。また、結像レンズ42cは、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、受光センサ42aの受光面に情報コードのコード画像を結像するように機能している。光学系の受光センサ42aから出力される画像信号は、例えば記憶部45の画像データ蓄積領域に蓄積されるようになっている。なお、撮像部42は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当し得る。
【0021】
照明光源(照明光学系)を構成する第1照明光源43及び第2照明光源44は、例えば撮像部42(受光光学系)を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。一対の第1照明光源43a,43bは、例えば波長380nm〜750nmの可視光(以下、第1波長帯の光とも称する)を照射するLEDによって構成されている。また、対をなして配置される第2照明光源44a,44bは、波長750nm以上の赤外光(以下、第2波長帯の光とも称する)を照射するLEDによって構成されている。なお、本実施形態では、第2照明光源44の光源数が第1照明光源43の光源数よりも多くなっている。また、本実施形態における第1照明光源43および第2照明光源44は、特許請求の範囲に記載の「照明手段」の一例に相当し得る。
【0022】
記憶部45は、半導体メモリ装置であり、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。この記憶部45のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部41が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、各種処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源、受光センサ42a等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0023】
制御部41は、情報コード読取装置40全体を制御可能なマイコン等によって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。なお、本実施形態では、制御部41は、後述する読取処理を実行することで、撮像部42によって撮像された情報コードのコード画像から当該情報コードが占めるコード領域を抽出し、その抽出結果に基づいて当該情報コードを解読するように機能する。
【0024】
(情報コード)
図2(A)は、第1実施形態に係る情報コード10の一例を説明する説明図であり、
図2(B)は、
図2(A)の情報コード10から被覆部11を取り除いた状態を示す説明図である。なお、
図2(A)等では、便宜上、被覆部11にクロスハッチングを付して図示している。
図2(A)に示すように、情報コード10は、明色モジュール(明色セル)および暗色モジュール(暗色セル)が複数配列されてなるコード領域20と、このコード領域20のうちの一部を被覆する被覆部11とを備えている。
図2(B)に示すように、コード領域20は、QRコードと同様に、正方形領域として構成される複数の明色モジュールおよび暗色モジュールがマトリックス状に配列されることで、当該コード領域20の全体が矩形領域として構成されている。
【0025】
具体的には、コード領域20は、QRコードと同様に、所定のデータを光学的に読み取り可能に構成されるデータ領域21、3つの位置検出パターン22a〜22cやフォーマットコードなどから構成されている。各位置検出パターン22a〜22cは、撮像された画像データにおいて当該コード領域20の位置を特定するためのパターンであって、コード領域20の4つの頂点のうち、3つに配置されている。フォーマットコードは、位置検出パターン22a〜22cの近傍にそれぞれ配置されており、データ領域21についての存在領域、使用しているコード種類、モジュールサイズ、マスクパターン、誤り訂正率等の当該情報コード10を解読するためのフォーマット情報が特定可能に構成されている。
【0026】
このように生成されるコード領域20を構成する各モジュールのうち各明色モジュールは、可視光領域の第1波長帯の光またはこの第1波長帯と異なる第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示すように構成されている。また、各暗色モジュールは、第1波長帯の光または第2波長帯の光が照射されたときに、暗色の反射特性を示すように構成されている。具体的には、コード領域20を構成する各モジュールは、一般的に使用される通常のインクを塗布して構成されている。
【0027】
また、被覆部11は、コード領域20に対して、後述する判定用情報に基づいて定められる範囲を被覆するように配置されている。この被覆部11は、上記第2波長帯の光が照射されたときにコード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させ、上記第1波長帯の光の透過を妨げるようなインク、例えば、赤外線透過インク等の特殊インクを塗布して構成されている。このため、可視光が支配的である通常状態では、
図2(A)に示すように、コード領域20の一部が被覆部11により隠されるように視認されることとなる。
【0028】
ここで、上述した判定用情報と被覆部11の被覆範囲について、以下に説明する。
本実施形態では、上記所定のデータとして、一般に公開される1つの公開データと、秘匿性が求められる個人情報などの一般に公開されない1つの非公開データ(秘匿データ)とが用意されている。そして、情報コード10は、そのコード領域20が、公開データを表すコード語としてコード化された公開データコードと非公開データを表すコード語としてコード化された非公開データコードとの間に終端識別コードを配置するように生成されている。このため、一般の読取装置では、終端識別コードの前までの公開データコードが読取対象となり、非公開データコードが読取対象とならないので、非公開データの表示等、非公開データに関する処理がなされることもない。
【0029】
上記判定用情報は、所定のデータに含まれる非公開データに関する処理の可否を被覆部11の被覆範囲に基づいて判定するための情報である。この判定用情報は、情報コード10を特定する特定情報と被覆部11により被覆されるべき範囲(以下、判定用範囲12ともいう)とが関連付けられて設定されている。このため、情報コード10を撮像した際の読取処理において、被覆部11がコード領域20のうち判定用範囲12を被覆していれば、非公開データに関する処理が実行され、被覆部11がコード領域20を被覆していないか判定用範囲12と異なる範囲を被覆していれば非公開データに関する処理が実行されないようにできる。
【0030】
本実施形態では、判定用範囲12は、位置検出パターン22aの左上のモジュールを(1,1)、モジュールに相当する範囲を検出単位とし、矩形状の範囲となるように設定されている。具体的には、例えば、
図2(B)に例示する判定用範囲12であれば、その範囲(Px,Py)は、Px=25〜31,Py=16〜22として設定される。なお、判定用範囲12は、モジュール相当が検出単位となる本実施形態では、上記判定用情報の情報量を減らすために矩形状に決められているが、これに限らず、例えば、円形状や楕円形状、多角形状等様々な形状に設定することもできる。
【0031】
(読取処理)
次に、上述のように構成される情報コード10等を読取対象とするように情報コード読取装置40にて実施される読取処理について、
図3に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。ここで、上述した判定用情報は、記憶部45に予め記憶されているものとする。なお、
図3は、第1実施形態において制御部41により実施される読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図4は、
図2(A)に例示する第1コード画像と
図2(B)に例示する第2コード画像との画像差分を拡大して示す説明図である。なお、
図4では、説明の便宜上、暗色モジュールであって画像差分がない領域にハッチングを付して図示している。
【0032】
読取対象となる情報コードが情報コード読取装置40の読取口(図示略)に対して所定の位置まで近付けられた状態で操作部47に対して所定の操作がなされると、制御部41により読取処理が開始される。まず、ステップS101に示す第1照射処理がなされ、第1照明光源43により第1照明光が読取口を介して情報コードに照射される。次に、ステップS103に示す第1撮像処理がなされ、第1照明光が照射され第2照明光が照射されていない状態で、撮像部42により当該情報コードが第1コード画像として撮像される。
【0033】
続いて、ステップS105に示す第2照射処理がなされ、第2照明光源44により第2照明光が読取口を介して情報コードに照射される。次に、ステップS107に示す第2撮像処理がなされ、第2照明光が照射された状態で、撮像部42により当該情報コードが第2コード画像として撮像される。
【0034】
次に、撮像された第2コード画像に基づいて、ステップS109に示すデコード処理がなされる。この処理では、第2コード画像に対して、情報コードのコード領域を構成する各モジュールの配列に基づいて、そのコード種別について定められた公知の方法で所定のデータ等を解読するデコードが実施される。なお、ステップS109に示すデコード処理を実施する制御部41は、「解読手段」の一例に相当し得る。
【0035】
上記デコード処理により、情報コードとして符号化された文字データ等が解読(デコード)されると(S111でYes)、ステップS113に示す判定処理にて、解読されたデータに非公開データが含まれるか否かについて判定される。ここで、解読されたデータにおいて、終端識別コードの後に非公開データコードが配置されていなければ、ステップS113にてNoと判定される。この場合には、ステップS115にて、解読されて復号された公開データに関する処理、具体的には、例えば、公開データを画面表示するために出力する処理がなされる。また、上記デコード処理が失敗している場合には(S111でNo)、本読取処理が終了し、必要に応じて再度ステップS101からの処理がなされる。
【0036】
一方、解読されたデータにおいて、終端識別コードの後に非公開データコードが配置されていると(S113でYes)、ステップS117に示す差分検出処理がなされる。この処理では、上記第1撮像処理にて撮像された第1コード画像と上記第2撮像処理にて撮像された第2コード画像との差分が画像差分として検出される。具体的には、第1コード画像に含まれる位置検出パターン22a〜22cと第2コード画像に含まれる位置検出パターン22a〜22cとを一致させるように両コード画像を重ね合わせ、この重ね合わせた状態で色の異なる領域があればこの領域が画像差分として検出される。
【0037】
ここで、
図2に示す情報コード10を撮像したことから、
図2(A)に示すように第1コード画像が撮像され、
図2(B)に示すように第2コード画像が撮像されると、
図4に拡大して例示するように、被覆部11により被覆されていた判定用範囲12内の各明色モジュールに相当する領域が、画像差分として検出される。
【0038】
上述のように画像差分が検出されると(S119でYes)、ステップS121に示す被覆範囲検出処理がなされ、上述のように検出された画像差分に基づいて被覆部11の被覆範囲が検出される。本実施形態では、被覆部11の被覆範囲は、モジュールに相当する範囲を検出単位として矩形状の範囲となるように設定されているため、画像差分の範囲の最外縁が四辺の一部を構成するように被覆範囲が検出される。
図4に例示するような画像差分が検出される場合には、Px=25〜31,Py=16〜22となる矩形状の被覆範囲(Px,Py)が検出されることとなる。なお、ステップS117〜S121に示す処理を実施する制御部41は、「被覆範囲検出手段」の一例に相当し得る。
【0039】
次に、ステップS123に示す判定処理にて、実行可能な非公開データがあるか否かについて、具体的には、上述のように検出された被覆範囲が、撮像した情報コードを特定する特定情報に基づいて記憶部45の判定用情報から求められる判定用範囲12に一致するか否かについて、判定される。なお、ステップS123に示す判定処理を実施する制御部41は、「判定手段」の一例に相当し得る。
【0040】
ここで、上述のように構成される情報コード10を撮像しているため、検出された被覆範囲と判定用情報から求められる判定用範囲12とが一致することから、実行可能な非公開データがあると判定される場合には(S123でYes)、ステップS125に示す非公開データ復号処理がなされる。この処理では、終端識別コードの後に配置される非公開データコードを復号するための処理がなされる。そして、ステップS127にて、公開データおよび非公開データに関する処理、具体的には、例えば、公開データおよび非公開データを画面表示するために出力する処理がなされる。
【0041】
一方、検出された被覆範囲と判定用情報から求められる判定用範囲12とが一致しない場合、例えば、上記特殊インクに相当するインクの汚れなどの単なる汚れ等が差分として検出されている場合には(S123でNo)、非公開データに関する処理がなされることなく、ステップS115にて公開データに関する処理がなされる。また、差分が検出されない場合、例えば、被覆部11により被覆されていない情報コードを撮像している場合には(S119でNo)、同様に、非公開データに関する処理がなされることなく、ステップS115にて公開データに関する処理がなされる。なお、ステップS127に示す処理またはステップS115に示す処理を実施する制御部41は、「処理実行手段」の一例に相当し得る。
【0042】
このように、本読取処理では、被覆部11を有する情報コード10の撮像であれば、公開データおよび非公開データに関する処理がなされ、被覆範囲が異なる情報コードの撮像、または、差分が検出されない情報コードの撮像であれば、非公開データに関する処理がなされることなく、公開データに関する処理がなされる。
【0043】
すなわち、情報コード10を単にコピー機等でコピーした情報コードでは、被覆部11に相当するモジュール群が単なる複数の暗色モジュールとして構成されることとなり、可視光が支配的である通常状態では同じように視認されても、差分を検出できないために、非公開データに関する処理がなされることもない。また、仮に、上記特殊インクに相当するインクでコード領域20の一部が被覆されても、判定用範囲12を正確に被覆しない限り、非公開データに関する処理がなされることもない。このため、非公開データに関する処理がなされるか否かに応じて、その撮像した情報コードの真贋判定を実施することもできる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置40では、情報コード10は、そのコード領域20の一部が、第2波長帯の光を透過させ、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部11により覆われている。そして、第1波長帯の光が照射された状態で撮像された第1コード画像と、第2波長帯の光が照射された状態で撮像された第2コード画像との差分がある場合に、当該差分に基づいてコード領域20を覆う被覆部11の被覆範囲が検出される。そして、検出された被覆範囲と記憶部45の判定用情報とに基づいて、非公開データに関する処理の可否について、肯定判定された非公開データに関する処理が実行され、否定判定された非公開データに関する処理が実行されない。
【0045】
このように、検出された被覆部11の被覆範囲に基づいて非公開データに関する処理の可否が判定されるため、被覆部11にて被覆される前のコード領域20では非公開データに関する処理が実行されず、上述のように構成される被覆部11を用いるだけでなく当該被覆部11にてコード領域20の決められた範囲を被覆することで非公開データに関する処理が実行される。このように、情報コード読取装置40の判定用情報だけでなく、コード領域20を覆う被覆部11の被覆範囲を利用するので、単に復号鍵を用いて非公開データを秘匿する構成と比較して、情報コード10のセキュリティ性を高めることができる。
【0046】
特に、上記所定のデータには、上記ステップS123に示す判定処理の判定結果にかかわらず実行される公開データが含まれるため、一般の読取装置では、非公開データに関する処理が実行されることなく、公開データに応じた処理が実行されることとなる。このように公開データに応じた処理が実行されることから、公開データの他にさらに非公開データが記録されていることを認識することが困難であり、非公開データの秘匿性をさらに向上させてセキュリティ性を高めることができる。
【0047】
また、上記ステップS121の被覆範囲検出処理では、モジュールに相当する範囲を検出単位として上記被覆範囲を検出するため、各モジュールの配列により構成されるコード領域20に対する被覆部11の被覆範囲を正確かつ容易に検出しやすくなる。これにより、上記ステップS123の判定処理による判定精度を向上させることができる。
【0048】
図5(A)は、外縁が直線状でない被覆部11を拡大して示す説明図であり、
図5(B)は、外縁が直線状の被覆部11を拡大して示す説明図である。
例えば、
図5(A)に示すように外縁が直線状でない被覆部11であっても、本実施形態では、モジュールに相当する範囲を検出単位とするため、
図5(B)に示す被覆部11と同じものとして認識される。このため、被覆部11にてコード領域20を被覆する際の被覆範囲に関し、必要な位置精度を軽減することができる。
【0049】
なお、被覆部11は、情報コード10から被覆部11を除いたコード領域20に対して、後から所定の範囲を被覆するようにしてもよい。例えば、所定の期間中は、被覆部11を除き、この所定の期間が経過すると、コード領域20の所定の範囲を被覆部11により被覆する。この場合には、正規の情報コード読取装置40であっても、所定の期間中は、非公開データに関する処理がなされず、上記所定の期間が経過することで、非公開データに関する処理がなされる。すなわち、被覆部11の有無に応じて、処理対象となるデータを変化させることができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報コード読取装置について、
図6〜
図9を用いて説明する。なお、
図6は、第2実施形態に係る情報コード10から被覆部11を除いた状態を示す説明図である。
図7は、
図6のコード領域20に対して判定用範囲12aが被覆部11により被覆された情報コード10を示す説明図である。
図8は、
図6のコード領域20に対して判定用範囲12bが被覆部11により被覆された情報コード10を示す説明図である。
図9は、
図6のコード領域20に対して両判定用範囲12a,12bが被覆部11により被覆された情報コード10を示す説明図である。
【0051】
本第2実施形態では、検出された被覆範囲によって処理される非公開データを変化させる点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態に係る情報コード読取装置40が読取対象とする情報コード10は、上記所定のデータとして、公開データの他に複数の非公開データが記録されるように構成されている。そして、上記判定用情報には、複数の非公開データに対してそれぞれ1対1で対応するように設定される判定用範囲12が含まれている。このため、上述のように構成される判定用情報が記憶部45に予め記憶される情報コード読取装置40では、検出された被覆範囲によって処理される非公開データを変化させることができる。
【0053】
例えば、複数の非公開データとして、非公開データAと非公開データBとが記録される情報コード10は、
図6に示すように、非公開データAに対応する判定用範囲12aと非公開データBに対応する判定用範囲12bとが用意される。そして、以下の様に被覆部11が配置されることで、処理される非公開データが変化する。
【0054】
すなわち、非公開データAに関する処理を許可する場合には、コード領域20のうち判定用範囲12aが被覆部11により被覆される。また、非公開データBに関する処理を許可する場合には、コード領域20のうち判定用範囲12bが被覆部11により被覆される。また、非公開データAおよび非公開データBの双方に関する処理を許可する場合には、コード領域20のうち判定用範囲12aおよび判定用範囲12bの双方が被覆部11により被覆される。
【0055】
このため、上述した読取処理において、
図7に示す情報コード10を撮像していることから上記ステップS121にて検出した被覆範囲が判定用範囲12aに一致するとステップS123にて判定されると、非公開データAに関する処理がなされる。また、
図8に示す情報コード10を撮像していることから上記ステップS121にて検出した被覆範囲が判定用範囲12bに一致するとステップS123にて判定されると、非公開データBに関する処理がなされる。また、
図9に示す情報コード10を撮像していることから上記ステップS121にて検出した被覆範囲が判定用範囲12aおよび判定用範囲12bの双方に一致するとステップS123にて判定されると、非公開データAおよび非公開データBの双方に関する処理がなされる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置40では、判定用情報には、複数の非公開データに対してそれぞれ1対1で対応するように設定される被覆範囲がそれぞれ判定用範囲12として含まれている。そして、ステップS123では、記憶部45の判定用情報に基づいて、複数の非公開データのうち検出された被覆範囲に一致する判定用範囲12に対応する非公開データについて肯定判定される。
【0057】
これにより、複数のデータを非公開データとすることができるだけでなく、複数の非公開データのうち読み取らせたいデータに対応する判定用範囲12を被覆部11にて覆えばよいので、非公開データに関してセキュリティ性を確保しつつ利便性を向上させることができる。特に、判定用範囲12と異なる範囲が被覆部11と同質の部材で被覆されていると、検出された被覆範囲と判定用範囲12とが一致しないために非公開データに関する処理が実行されない。このため、被覆部11と同質の部材を用いて偶然に判定用範囲12を含めたコード領域20が被覆される場合、例えば、コード領域20の全てが被覆部11と同質の部材を用いて被覆される場合でも、非公開データに関する処理が実行されないので、非公開データの秘匿性をさらに向上させてセキュリティ性を高めることができる。
【0058】
図10は、
図6のコード領域に対して判定用範囲12aを含む範囲が被覆部11により被覆された情報コード10を示す説明図である。
本実施形態の変形例として、検出された被覆範囲と判定用範囲12とが一致するとみなされる場合にその判定用範囲12に対応する非公開データに関する処理がなされることに限らず、検出された被覆範囲に含まれる判定用範囲に対応する非公開データについてその判定用範囲12に対応する非公開データに関する処理がなされてもよい。
【0059】
例えば、
図6に示すコード領域20に対して、
図10に示すように被覆部11が配置される情報コード10を撮像している場合には、上記ステップS123において、ステップS121にて検出した被覆範囲が判定用範囲12aを含むことから、実行可能な非公開データがあると判定されて、非公開データAに関する処理がなされる。なお、上記第1実施形態における読取処理では、
図10に示す情報コード10が撮像される場合、検出された被覆範囲と判定用範囲12とが一致しないためにステップS123にて否定判定されて、非公開データに関する処理がなされることもない。
【0060】
このようにしても、複数のデータを非公開データとすることができるだけでなく、複数の非公開データのうち読み取らせたいデータに対応する判定用範囲12を被覆部11にて覆えばよいので、非公開データに関してセキュリティ性を確保しつつ利便性を向上させることができる。特に、判定用範囲12と異なる範囲が被覆部11と同質のもので被覆されていても、検出された被覆範囲が判定用範囲12を含んでいることで非公開データに関する処理が実行される。このため、被覆部11を構成するための特殊インク等を用いてコード領域の一部を被覆部11にて覆う場合にその特殊インク等により誤ってコード領域20の他の範囲が被覆された情報コード10であっても、非公開データに関する処理を実行することができる。
【0061】
なお、上記第1実施形態においても、検出された被覆範囲に含まれる判定用範囲がある場合に、この判定用範囲に対応する非公開データに関する処理がなされてもよい。
【0062】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報コード読取装置について、
図11〜
図14を用いて説明する。なお、
図11(A)は、第3実施形態に係る情報コード10から被覆部11を除いた状態を示す説明図であり、
図11(B)は、コード領域20を9個の区画に分割した分割領域13a〜13iを示す説明図である。
図12は、
図11(A)のコード領域20に対して分割領域13iが被覆部11により被覆された情報コード10を示す説明図である。
図13は、
図11(A)のコード領域20に対して分割領域13eが被覆部11により被覆された情報コード10を示す説明図である。
図14は、
図11(A)のコード領域20に対して分割領域13d〜13fが被覆部11により被覆された情報コード10を示す説明図である。
【0063】
本第3実施形態では、コード領域20を複数の区画に分割した分割領域を検出単位とする点が主に上記第2実施形態と異なる。このため、第2実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
本実施形態に係る情報コード読取装置40が読取対象とする情報コード10では、コード領域20を複数の区画に分割した分割領域が検出単位とされ、具体的には、例えば、
図11(A)(B)に示すように、コード領域20を9個の区画に分割した分割領域13a〜13iが検出単位とされる。そして、上記判定用情報には、複数の非公開データに対してそれぞれ1対1で対応するように設定される分割領域13a〜13iの少なくともいずれかが含まれ、上記ステップS121における被覆範囲検出処理では、上記差分が存在する分割領域が被覆範囲として検出される。
【0065】
これにより、例えば、複数の非公開データとして、非公開データAと非公開データBとが記録される情報コード10において、分割領域13iが非公開データAに対応し、分割領域13eが非公開データBに対応する場合には、以下の様に被覆部11が配置されることで、処理される非公開データが変化する。
【0066】
上述した読取処理において、
図12に示す情報コード10を撮像しており上記ステップS121にて分割領域13iに相当する被覆範囲が検出されたことから、実行可能な非公開データがあると判定されると(S123でYes)、非公開データAに関する処理がなされる。また、
図13に示す情報コード10を撮像しており上記ステップS121にて分割領域13eに相当する被覆範囲が検出されたことから、実行可能な非公開データがあると判定されると(S123でYes)、非公開データBに関する処理がなされる。
【0067】
また、例えば、さらに、分割領域13dが非公開データCに対応し、分割領域13fが非公開データDに対応する場合、
図14に示す情報コード10を撮像しており上記ステップS121にて検出した被覆範囲が分割領域13d〜13fに含まれることから、実行可能な非公開データがあると判定されると(S123でYes)、非公開データB〜Dに関する処理がなされる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置40では、ステップS121にて、コード領域20を複数の区画に分割した分割領域を検出単位として、上記差分が存在する分割領域を被覆範囲として検出する。このため、上述のように、例えば、コード領域20を9分割して分割領域を構成することで、被覆範囲が単純化されて、ステップS123の判定処理の判定に関する処理負荷を軽減することができる。
【0069】
なお、上記分割領域は、9分割により構成されることに限らず、使用環境等に応じて、例えば、4分割により構成されてもよいし、16分割により構成されてもよい。
【0070】
本実施形態に係る情報コード10を、割引セールでの金額情報を読み取るための情報コードとしても利用することができる。例えば、
図11(A)に示す情報コードにおいて、公開データを本来の売値(例えば、2980円)、非公開データAを割引額(例えば、−300円)、非公開データBを当該情報コードが既読であることを報知するための情報(以下、単に既読報知情報ともいう)とすることができる。
【0071】
この場合、通常時には、コード領域20を被覆部11にて被覆しないことで、その情報コード10の読み取りにより本来の売値が表示等される。そして、割引セール中には、分割領域13iを被覆部11にて被覆することで、その情報コード10の読み取りにより、本来の売値とともに割引額が表示等される。
【0072】
そして、情報コード10を読み取った後にそのコード領域20の分割領域13eを被覆部11にて被覆することで、その情報コード10を再度読み取った場合に、本来の売値とともに上記既読報知情報が表示等される。このように、非公開データBに関する処理に応じて、情報コード10が既読であることを報知することができる。すなわち、情報コード10の2度読みを防止するための報知をすることができる。
【0073】
なお、コード領域20を複数の区画に分割した分割領域を検出単位とする構成は、他の実施形態にも適用することができる。また、非公開データとして既読報知情報を用意する構成は、他の実施形態にも適用することができる。例えば、上記第1実施形態のように1つ用意される非公開データが既読報知情報であってもよい。
【0074】
なお、本発明は上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)第2波長帯の光として波長750nm以上の波長帯の赤外光を採用することに限らず、例えば、第2波長帯の光として波長380nm以下の波長帯の紫外光を採用してもよい。この場合、被覆部11は、上記紫外光が照射されたときにコード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させるように構成することができる。また、第1波長帯の光として波長380nm〜750nmの可視光を採用することに限らず、第2波長帯の光と異なる波長帯の光であって被覆部11を透過不能な波長帯の光を採用してもよい。
【0075】
(2)情報コード読取装置40は、第1波長帯の光が可視光であることを前提に、第1照明光源43を廃止してもよい。すなわち、情報コード読取装置40は、照明手段として、第2波長帯の光を照射する第2照明光源44のみを有するように構成される。このように、第1波長帯の光は可視光であることから、外光を利用することで照明手段に第1波長帯の光を照射させる機能が不要となり、照明手段に求められる機能を削減することができる。