【解決手段】本願に係る推定装置は、提示部と、受付部と、推定部とを有する。提示部は、発注者が依頼する依頼業務に関連する対象物と当該依頼業務の成果物とを受注者に提示する。受付部は、提示部によって提示された対象物および成果物に対する受注者の反応に関する反応情報を受け付ける。推定部は、受付部によって受け付けられた反応情報に基づいて、依頼業務における発注者の意図を示す依頼意図を推定する。
前記抽出部によって抽出された特徴情報を、他の反応情報の特徴情報と共通する共通特徴情報と他の反応情報の特徴情報と共通しない非共通特徴情報とに分類する分類部と、
前記分類部によって分類された共通特徴情報と非共通特徴情報との間の関係性を構築する構築部と
をさらに備え、
前記推定部は、
前記構築部によって構築された前記関係性に基づいて、前記依頼意図を推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の推定装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法および推定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る推定装置、推定方法および推定プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(第1の実施形態)
〔1−1.生成処理〕
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る生成処理の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る生成システム1による生成処理の一例を示す説明図である。
図1の例では、仲介業者が管理する推定装置100によって発注者Owが依頼する依頼業務(例えば、タスク)である質問を生成する生成処理が行われる。
【0011】
図1に示すように、生成システム1には、発注端末10と、受注端末50A〜50Cと、推定装置100とが含まれる。発注端末10、受注端末50A〜50C、推定装置100は、それぞれネットワークと無線により通信可能に接続される。なお、以下では、受注端末50A〜50Cの各装置を区別なく総称する場合には、「受注端末50」と記載する場合がある。
【0012】
発注端末10および受注端末50は、例えば、PC(Personal Computer)や、タブレット型端末や、スマートフォンや、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置である。推定装置100は、発注端末10と受注端末50との間のタスクの委託を仲介するサーバ装置である。ここで、推定装置100によって実行される生成処理について、発注者Owが依頼するタスクとして質問を生成する場合を想定して説明する。
【0013】
まず、発注者Owは、タスクを作成する。ここでは、発注者Owが作成するタスクは、発注者Owの依頼業務である質問であるものとする。
図2は、タスクの一例を示す図である。
図2の例では、タスクT1に相当する質問Q1は、「この写真は不適切ですか?」である。また、発注者Owは、タスクに関連する対象物を作成する。
図2の例では、タスクに関連する対象物は、風景が描出された画像P1である。また、発注者Owは、タスクの成果物を作成する。例えば、発注者Owは、タスクT1の成果物として、タスクT1に対する回答であって質問Q1を肯定する「はい」という回答A1を作成する。
【0014】
ここで、例えば、発注者Owが作成した質問Q1の記述があいまいな表現である場合には、発注者Owの依頼意図が受注者に伝わらないという課題がある。この場合、受注者は、発注者Owの意図と異なる解釈をしてタスクT1の成果物を作成するので、発注者Owが所望する成果物と異なる成果物を作成してしまう可能性がある。このため、推定装置100は、質問Q1と比較して、発注者Owの依頼意図をより明確に表現する改善質問UQ1を生成する生成処理を実行する。
【0015】
そこで、まず、発注端末10は、発注者Owによって作成されたタスクT1とタスクT1に関連する対象物である画像P1とタスクT1の成果物である回答A1を推定装置100に送信する(ステップS11)。これにより、推定装置100は、発注者OwからタスクT1、画像P1および回答A1を受け付ける。そして、推定装置100は、受け付けたタスクT1を画像P1および回答A1と対応付けて記憶する。
【0016】
そして、推定装置100は、タスクT1に関連する対象物である画像P1とタスクの成果物である回答A1とを受注者a〜cに提示する(ステップS12)。例えば、推定装置100は、タスクT1に関連する対象物とタスクT1の成果物とを受注者に公開して質問を推測させる改善タスクを受注者a〜cの受注端末50A〜50Cに送信する。
図3は、改善タスクの一例を示す図である。推定装置100は、
図3に示すように、画像P1と回答A1とを公開して質問を推測させる改善タスクUT1を受注者a〜cの受注端末50A〜50Cに送信する。
【0017】
続いて、受注者a〜cは、推定装置100から送信された改善タスクUT1から想定される想定質問を作成する。
図1の例では、受注者a〜cは、画像P1から想定される質問であって質問を肯定する回答A1「はい」となる想定質問を作成する。例えば、受注者aは、「この写真は風景の写真ですか?」という想定質問IQ1を作成する。同様に、受注者b〜cは、「この写真は風景の写真ですか?」という想定質問IQ2〜IQ3をそれぞれ作成したものとする。そして、受注端末50A〜50Cは、受注者a〜cによってそれぞれ作成された想定質問IQ1〜IQ3を推定装置100に送信する(ステップS13)。
【0018】
これにより、推定装置100は、想定質問IQ1〜IQ3を、タスクT1に関連する対象物である画像P1および成果物である回答A1に対する受注者a〜cの反応に関する反応情報として受け付ける。
【0019】
そして、推定装置100は、受け付けられた受注者a〜cの反応情報である想定質問IQ1〜IQ3に基づいて、タスクT1における発注者Owの意図を示す依頼意図を推定する(ステップS14)。例えば、推定装置100は、受注者a〜cが「この写真は風景の写真ですか?」という質問を想定しているので、「風景」の写真であるか否かを問うことを依頼意図として推定する。
【0020】
続いて、推定装置100は、推定された依頼意図に基づいて、タスクT1を表現する改善質問を生成する(ステップS15)。例えば、推定装置100は、「風景」の写真であるか否かを問うことがタスクT1の依頼意図であると推定しているので、「この写真は風景の写真ですか?」という改善質問UQ1を生成する。そして、推定装置100は、生成された改善質問UQ1をタスクT1と対応付けて記憶する。これにより、推定装置100は、発注者Owによって作成された「この写真は不適切ですか?」という質問Q1を、受注者の反応を反映して生成された「この写真は風景の写真ですか?」という改善質問UQ1に改善することができる。
【0021】
このように、第1の実施形態に係る推定装置100は、発注者が依頼する依頼業務に関連する対象物と依頼業務の成果物とを受注者に提示する。また、推定装置100は、提示された対象物および成果物に対する受注者の反応に関する反応情報を受け付ける。また、推定装置100は、受け付けられた反応情報に基づいて、依頼業務における発注者の意図を示す依頼意図を推定する。
【0022】
また、第1の実施形態に係る推定装置100は、成果物として依頼業務の回答を受注者に提示する。また、推定装置100は、提示された対象物および回答から想定される依頼業務を表現する質問を反応情報として受け付ける。また、推定装置100は、受け付けられた質問に基づいて依頼意図を推定する。
【0023】
また、第1の実施形態に係る推定装置100は、推定された依頼意図に基づいて、依頼業務を表現する改善質問を生成する。
【0024】
これにより、推定装置100は、タスクを改善することができるので、発注者や受注者にとって魅力的な業務委託形態を提供することができる。例えば、推定装置100は、タスクの質問の記述を自動的に生成することができるので、発注者が質問の記述を考える手間を減らすことができる。また、推定装置100は、受注者の反応を反映してタスクの質問の記述を生成することができるので、タスクの質を高めることができる。
【0025】
また、推定装置100は、タスクの質を高めることができるので、受注者にとって魅力的な業務委託形態を提供することができる。例えば、推定装置100は、発注者の依頼意図が高い精度で記述された質問を生成することができるので、受注者が発注者の意図と異なる解釈をして成果物を作成してしまい納品を拒絶されてしまうことを防ぐことができる。また、推定装置100は、タスクの記述があいまいなことが原因で質の高い受注者が発注者の所望しない成果物を作成してしまいスパマーとして疑われることを防ぐことができる。
【0026】
なお、
図1では、生成システム1に、1台の発注端末10と、3台の受注端末50A〜50Cと、1台の推定装置100とが含まれる例を示したが、生成システム1には、複数台の発注端末10や、3台に限らず複数台の受注端末50A〜50Cや、複数台の推定装置100が含まれてもよい。
【0027】
また、
図1では、説明を簡単にするため3人の受注者から質問を受け付ける例を示したが、実際には3人の受注者に限らず、依頼意図を推定するのに十分な人数の受注者から質問を受け付ける。
【0028】
〔1−2.推定装置の構成〕
次に、
図4を用いて、第1の実施形態に係る推定装置100の構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る推定装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、推定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、推定装置100は、推定装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0029】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、ネットワークを介して、発注端末10や受注端末50との間で情報の送受信を行う。
【0030】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部120は、タスク情報記憶部121を有する。
【0031】
(タスク情報記憶部121について)
タスク情報記憶部121は、タスクに関する情報を記憶する。具体的には、タスク情報記憶部121は、タスク毎に、タスクに含まれる質問や回答に関する情報を記憶する。ここで、
図5に、第1の実施形態に係るタスク情報記憶部121の一例を示す。
図5に示すように、タスク情報記憶部121は、「タスクID」、「対象物」、「質問」、「回答」、「想定質問」および「改善質問」といった項目を有する。
【0032】
「タスクID」は、タスクを識別するための識別情報を示す。「対象物」は、タスクIDによって識別されるタスクに含まれる対象物を示す。例えば、「対象物」には、タスクの質問に関する画像が記憶される。「質問」は、タスクに含まれる質問を示す。例えば、「質問」には、発注者によって作成された質問が記憶される。「回答」は、「質問」に対する答えを示す。例えば、「回答」には、発注者によって作成された質問に対する答えが記憶される。「想定質問」は、「対象物」および「回答」から想定される質問を示す。例えば、「想定質問」には、受注者によって作成された想定質問が記憶される。なお、「想定質問」には、複数の受注者からそれぞれ想定質問を受け付けた場合には、複数の想定質問が記憶される。「改善質問」は、発注者によって作成された「質問」を改善した質問を示す。例えば、「改善質問」には、後述の生成部135によって生成された質問が記憶される。また、「改善質問」には、後述の推定部134によって推定された依頼意図に基づいて発注者が作成した質問が記憶されてもよい。
【0033】
すなわち、
図5では、タスクID「T1」によって識別されるタスクT1の対象物は、画像P1である例を示している。また、タスクT1の質問は、「この写真は不適切ですか?」という質問である例を示している。また、タスクT1の質問に対する回答は、「はい」という肯定の回答である例を示している。また、受注者から受け付けたタスクT1の想定質問は、「この写真は風景の写真ですか?」という3つの質問である例を示している。また、タスクT1の改善質問UQ1は、「この写真は風景の写真ですか?」という質問である例を示している。
【0034】
(制御部130について)
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、推定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(推定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0035】
制御部130は、
図4に示すように、受信部131と、提示部132と、受付部133と、推定部134と、生成部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する生成処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0036】
(受信部131について)
受信部131は、発注端末10からタスクに関する情報を受信する。具体的には、受信部131は、タスクやタスクに関連する対象物、タスクの成果物などを発注端末10から受信する。ここで、タスクは、例えば、発注者が依頼する依頼業務である質問である。また、タスクに関連する対象物は、例えば、タスクを表現する質問に関する画像である。また、タスクの成果物は、例えば、タスクを表現する質問に対する回答である。なお、発注者は、必ずしも質問を作成して推定装置100に送信する必要はない。このため、受信部131は、質問については受信しなくてもよい。
【0037】
図5の例では、受信部131は、「この写真は不適切ですか?」というタスクT1を表現する質問Q1と、タスクT1に関連する対象物である画像P1と、質問Q1を肯定する回答「はい」とを発注端末10から受信する。また、受信部131は、発注端末10からタスクに関する情報を受信した場合に、受信したタスクに関する情報をタスク情報記憶部121に格納する。
【0038】
(提示部132について)
提示部132は、タスクに関する情報を受注者に提示する。具体的には、提示部132は、発注者が依頼するタスクに関連する対象物とタスクの成果物とを受注者に提示する。例えば、提示部132は、タスクに関連する対象物と成果物とを公開して質問を推測させる改善タスクを受注者の受注端末50に送信する。一例としては、提示部132は、成果物としてタスクに対する回答を受注者に提示する。
図5の例では、提示部132は、タスクT1に関連する対象物である画像P1とタスクを肯定する回答「はい」とを公開して想定質問を推測させる改善タスクを受注端末50に送信する。
【0039】
(受付部133について)
受付部133は、受注端末50から納品物を受け付ける。具体的には、受付部133は、提示部132によって提示された対象物および成果物に対する受注者の反応に関する反応情報を受け付ける。例えば、受付部133は、提示部132によって提示された対象物および回答から想定されるタスクを表現する想定質問を反応情報として受け付ける。
図5の例では、受付部133は、タスクT1の想定質問として、「この写真は風景の写真ですか?」という質問を受注端末50から受け付ける。
【0040】
(推定部134について)
推定部134は、タスクにおける発注者の意図を示す依頼意図を推定する。具体的には、推定部134は、受付部133によって受け付けられた反応情報に基づいて、タスクにおける発注者の依頼意図を推定する。
図5の例では、推定部134は、3人の受注者が「この写真は風景の写真ですか?」という質問を想定しているので、写真が「風景」の写真であるか否かを問うことをタスクT1の依頼意図として推定する。
【0041】
なお、
図1や
図5の例では、説明を簡単にするため、3人の受注者から同一の記述で表現された想定質問を受け付ける例を示したが、実際には受注者によって異なる記述で表現された想定質問を受け付ける。この場合、推定部134は、例えば、質問の特徴を示す特徴語を複数の異なる質問からそれぞれ抽出する。そして、推定部134は、抽出した特徴語に基づいて依頼意図を推定する。例えば、推定部134は、最も多く抽出された特徴語を依頼意図として推定する。
【0042】
(生成部135について)
生成部135は、依頼業務(例えば、タスク)を表現する依頼表現(例えば、質問)を生成する。具体的には、生成部135は、推定部134によって推定された依頼意図に基づいて、タスクを表現する改善質問を生成する。
図5の例では、生成部135は、写真が「風景」の写真であるか否かを問うことが依頼意図として推定されているので、タスクT1を表現する改善質問として、「この写真は風景の写真ですか?」という改善質問UQ1を生成する。
【0043】
また、生成部135は、生成した改善質問をタスク情報記憶部121に格納する。
図5の例では、生成部135は、生成した改善質問UQ1をタスクT1と対応付けてタスク情報記憶部121に格納する。
【0044】
〔1−3.生成処理手順〕
次に、
図6を用いて、第1の実施形態に係る推定装置100による処理の手順について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る推定装置100による生成処理手順を示すシーケンスである。
【0045】
図6に示すように、発注端末10は、タスクとタスクに関連する対象物とタスクの成果物とを推定装置100に送信する(ステップS101)。例えば、発注端末10は、タスクとタスクに関連する画像とタスクに対する回答とを推定装置100に送信する。これにより、推定装置100は、タスクとタスクに関連する対象物とタスクの成果物とを発注端末10から受信する。そして、推定装置100は、受信したタスクとタスクに関連する対象物とタスクの成果物とをタスク情報記憶部121に記憶する。
【0046】
続いて、推定装置100は、タスクに関連する対象物とタスクの成果物とを受注者に提示する(ステップS102)。例えば、推定装置100は、タスクに関連する対象物とタスクの成果物とを発注者に公開して質問を推測させる改善タスクを受注端末50Aや受注端末50Bに送信する。
【0047】
その後、受注端末50は、タスクに関連する対象物および成果物に対する受注者の反応に関する反応情報を推定装置100に送信する。例えば、受注端末50は、タスクに関連する対象物および成果物から受注者が推測して作成した想定質問を推定装置100に送信する(ステップS103)。これにより、推定装置100は、想定質問を受注端末50から受け付ける。
【0048】
そして、推定装置100は、受注端末50から受け付けた想定質問に基づいて、依頼意図を推定する(ステップS104)。続いて、推定装置100は、推定された依頼意図に基づいて改善質問を生成する(ステップS105)。
【0049】
〔1−4.第1の実施形態の効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る推定装置100は、提示部132と、受付部133と、推定部134とを有する。提示部132は、発注者が依頼する依頼業務に関連する対象物と当該依頼業務の成果物とを受注者に提示する。受付部133は、提示部132によって提示された対象物および成果物に対する受注者の反応に関する反応情報を受け付ける。推定部134は、受付部133によって受け付けられた反応情報に基づいて、依頼業務における発注者の意図を示す依頼意図を推定する。
【0050】
また、第1の実施形態に係る推定装置100において、提示部132は、成果物として依頼業務に対する回答を受注者に提示する。受付部133は、提示部132によって提示された対象物および回答から想定される依頼業務を表現する質問を反応情報として受け付ける。推定部134は、受付部133によって受け付けられた質問に基づいて依頼意図を推定する。
【0051】
また、第1の実施形態に係る推定装置100は、推定部134によって推定された依頼意図に基づいて、依頼業務を表現する依頼表現を生成する。
【0052】
これにより、推定装置100は、タスクを改善することができるので、発注者や受注者にとって魅力的な業務委託形態を提供することができる。例えば、推定装置100は、タスクの質問の記述を自動的に生成することができるので、発注者が質問の記述を考える手間を減らすことができる。また、推定装置100は、受注者の反応を反映してタスクの質問の記述を生成することができるので、タスクの質を高めることができる。
【0053】
また、推定装置100は、タスクの精度を高めることができるので、受注者にとって魅力的な業務委託形態を提供することができる。例えば、推定装置100は、発注者の依頼意図が高い精度で記述された質問を生成することができるので、受注者が発注者の意図と異なる解釈をして成果物を作成してしまい納品を拒絶されてしまうことを防ぐことができる。また、推定装置100は、タスクの記述があいまいなことが原因で質の高い受注者が発注者の所望しない成果物を作成してしまいスパマーとして疑われることを防ぐことができる。
【0054】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態で説明した推定装置100は、受注者の反応に関する反応情報に基づいて依頼意図を推定する。第2の実施形態では、推定装置200によって行われる想定質問の特徴に関する情報を蓄積する処理について説明する。
【0055】
〔2−1.推定装置の構成〕
まず、
図7を用いて、第2の実施形態に係る推定装置200の構成について説明する。
図7は、第2の実施形態に係る推定装置200の構成例を示す図である。
図7に示すように、推定装置200は、推定装置100と比較して、タスク情報記憶部221と、抽出部236と、分類部237と、構築部238と、格納部239と、推定部234とをさらに有する。
【0056】
(タスク情報記憶部221について)
図8に、第2の実施形態に係るタスク情報記憶部221の一例を示す。
図8に示した例では、タスク情報記憶部221は、タスク情報記憶部121と比較して、「特徴情報」、「共通特徴情報」、「非共通特徴情報」といった項目をさらに有する。
【0057】
「特徴情報」は、タスクの特徴を示す特徴情報を示す。例えば、「特徴情報」には、タスクを表現する質問に含まれる代表的なキーワードやかかるキーワードの上位概念に相当するキーワードが記憶される。「共通特徴情報」は、他の想定質問と共通する特徴情報を示す。例えば、「共通特徴情報」には、「特徴情報」のうち他の想定質問に含まれる特徴情報と同一の特徴情報が記憶される。「非共通特徴情報」は、他の想定質問と共通しない特徴情報を示す。例えば、「非共通特徴情報」には、「特徴情報」のうち他の想定質問に含まれる特徴情報と異なる特徴情報が記憶される。
【0058】
ここで、
図8では、タスクT3に関連する対象物である画像P3は、山の傾斜地にある畑と空とが描出された画像であるものとする。すなわち、
図8では、タスクID「T3」によって識別されるタスクT3の想定質問「この写真は山の写真ですか?」の特徴情報は、「風景」および「山」である例を示している。また、タスクT3の想定質問「この写真は山の写真ですか?」の共通特徴情報は、「風景」である例を示している。また、タスクT3の想定質問「この写真は山の写真ですか?」の非共通特徴情報は、「山」である例を示している。また、タスクT3の改善質問は、「この写真は山または畑または空の写真ですか?」である例を示している。
【0059】
(抽出部236について)
抽出部236は、特徴情報を抽出する。具体的には、抽出部236は、受付部133によって受け付けられた反応情報から特徴情報を抽出する。例えば、抽出部236は、公知となっている各種の抽出技術によって、想定質問ごとに、想定質問に含まれるキーワードのうち想定質問の特徴を示すキーワードを抽出する。
図8の例では、抽出部236は、タスクT3の想定質問「この写真は山の写真ですか?」の特徴情報として、「風景」および「山」を抽出する。また、抽出部236は、タスクT3の想定質問「この写真は畑の写真ですか?」の特徴情報として、「風景」および「畑」を抽出する。また、抽出部236は、タスクT3の想定質問「この写真は空の写真ですか?」の特徴情報として、「風景」および「空」を抽出する。
【0060】
(分類部237について)
分類部237は、特徴情報を分類する。具体的には、分類部237は、抽出部236によって抽出された特徴情報を、他の反応情報の特徴情報と共通する共通特徴情報と他の反応情報の特徴情報と共通しない非共通特徴情報とに分類する。例えば、分類部237は、他の想定質問の特徴情報と同一の特徴情報を共通特徴情報として分類する。一方、分類部237は、他の想定質問の特徴情報と異なる特徴情報を非共通特徴情報として分類する。
【0061】
図8の例では、分類部237は、想定質問「この写真は山の写真ですか?」の特徴情報「風景、山」のうち「風景」が、タスクT3の他の想定質問「この写真は畑の写真ですか?」および「この写真は空の写真ですか?」においても特徴情報となっているので、「風景」の特徴情報を共通特徴情報として分類する。また、分類部237は、特徴情報「風景、山」のうち「山」が、他の想定質問「この写真は畑の写真ですか?」および「この写真は空の写真ですか?」において特徴情報となっていないので、「山」の特徴情報を非共通特徴情報として分類する。
【0062】
(構築部238について)
構築部238は、タスクごとに、特徴情報の関係性を構築する。具体的には、構築部238は、分類部237によって分類された共通特徴情報と非共通特徴情報との間の関係性を構築する。一例としては、構築部238は、各特徴情報間における包含関係(例えば、Is−a関係)を構築する。
【0063】
図8の例では、非共通特徴情報である「山」は、共通特徴情報である「風景」に含まれる下位概念の1つである。このため、構築部238は、「山」と「風景」との間で包含関係を構築する。同様に、構築部238は、「畑」と「風景」との間で包含関係を構築する。また、構築部238は、「空」と「風景」との間で包含関係を構築する。この場合、「風景」は、「山」、「畑」および「空」を包含するので、「山」、「畑」および「空」の積集合となる。なお、構築部238は、包含関係に限らず、類似関係などを各特徴情報間において構築してもよい。
【0064】
(格納部239について)
格納部239は、特徴情報に関する情報を格納する。具体的には、格納部239は、抽出部236によって抽出された特徴情報と構築部238によって構築された関係性とを依頼業務に関連付けてタスク情報記憶部221に格納する。例えば、格納部239は、質問から抽出された特徴情報と、共通特徴情報と非共通特徴情報との間の関係性とをタスクに関連付けてタスク情報記憶部221に格納する。
図8の例では、格納部239は、特徴情報「風景」および「山」と、包含関係にある共通特徴情報「風景」および非共通特徴情報「山」と、をタスクT3に関連付けてタスク情報記憶部221に格納する。同様に、格納部239は、特徴情報「風景」および「畑」と、包含関係にある共通特徴情報「風景」および非共通特徴情報「畑」と、をタスクT3に関連付けてタスク情報記憶部221に格納する。また、格納部239は、特徴情報「風景」および「空」と、包含関係にある共通特徴情報「風景」および非共通特徴情報「空」と、をタスクT3に関連付けてタスク情報記憶部221に格納する。
【0065】
これにより、格納部239は、知識データベースを構築することができる。このため、
例えば、生成部135は、知識データベースを用いることで、発注者が作成した質問をより明確に言い換えた改善質問を生成することができる。例えば、
図8の例では、特徴情報「風景」と「山」、「畑」および「空」との間の包含関係がタスク情報記憶部221に記憶されているので、生成部135は、「この写真は風景の写真ですか?」という質問から「この写真は山または畑または空の写真ですか?」という改善質問を生成することができる。
【0066】
(推定部234について)
推定部234は、タスクにおける発注者の意図を示す依頼意図を推定する。一例としては、推定部234は、抽出部236によって抽出された特徴情報に基づいて、依頼意図を推定する。例えば、推定部234は、特徴情報として抽出されたキーワードに基づいて依頼意図を推定する。
図8の例では、推定部234は、「山」、「畑」、「空」というキーワードがT3の特徴情報なので、写真が「山」、「畑」または「空」の写真であるか否かを問うことをタスクT3の依頼意図として推定する。
【0067】
他の一例としては、推定部234は、構築部238によって構築された関係性に基づいて、依頼意図を推定する。
図8の例では、推定部234は、特徴情報「風景」と「山」、「畑」および「空」との間の包含関係がタスク情報記憶部221に記憶されているので、写真が「山」、「畑」または「空」の写真であるか否かを問うことをタスクT3の依頼意図として推定する。
【0068】
〔2−2.第2の実施形態の効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る推定装置100は、抽出部236と、分類部237と、構築部238と、格納部239と、推定部234とを有する。抽出部236は、受付部133によって受け付けられた反応情報の特徴情報を抽出する。分類部237は、抽出部236によって抽出された特徴情報を、他の反応情報の特徴情報と共通する共通特徴情報と他の反応情報の特徴情報と共通しない非共通特徴情報とに分類する。構築部238は、分類部238によって分類された共通特徴情報と非共通特徴情報との間の関係性を構築する。格納部239は、抽出部236によって抽出された特徴情報と構築部238によって構築された関係性とを依頼業務に関連付けて記憶部に格納する。推定部234は、抽出部236によって抽出された特徴情報に基づいて、依頼意図を推定する。また、推定部234は、構築部238によって構築された関係性に基づいて、依頼意図を推定する。
【0069】
これにより、推定装置100は、特徴情報の知識データベースを構築することができるので、依頼意図がより明確なタスクを生成することができる。例えば、推定装置100は、構築した知識データベースを用いることで、発注者の依頼意図をあいまいに表現する上位概念の質問を複数の下位概念で表現する質問に改善することができるので、発注者の依頼意図がより明確なタスクを生成することができる。また、推定装置100は、タスクの特徴を示すキーワードや当該キーワード間の関係性などに基づいて依頼意図を推定することができるので、発注者の依頼意図をより明確に推定することができる。
【0070】
なお、改善質問は、推定装置100に限らず、発注者が作成してもよい。例えば、発注者は、知識データベースを参照することで、特徴情報「風景」が「山」、「畑」、「空」を含む包含関係にあることを把握することができる。これにより、発注者は、「この写真は山または畑または空の写真ですか?」という改善質問を容易に作成することができる。
【0071】
〔3.変形例〕
上述した実施形態に係る推定装置100や推定装置200は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の推定装置100や推定装置200の他の実施形態について説明する。
【0072】
〔3−1.タスク推薦〕
上記第2の実施形態では、推定装置200が知識データベースを構築する例を挙げて説明した。ここで、推定装置200は、発注者に推薦する特徴情報として、抽出部236によって抽出された特徴情報に対応する非共通特徴情報を提示してもよい。この点について
図8を用いて説明する。
【0073】
例えば、推定装置200の抽出部236は、特徴情報として「風景」および「山」を抽出したものとする。この場合、抽出部236は、特徴情報「風景」および「山」に対応する非共通特徴情報「山」を知識データベースであるタスク情報記憶部221から抽出する。そして、提示部132は、発注者に推薦する特徴情報として、抽出部236によって抽出された非共通特徴情報「山」を提示する。非共通特徴情報である「山」の方が「風景」よりもタスクを明確に表現することができる特徴だからである。
【0074】
このように、推定装置200は、発注者に推薦する特徴情報として、抽出部236によって抽出された特徴情報に対応する非共通特徴情報を提示する。
【0075】
これにより、推定装置200は、発注者の意図をより明確に示す特徴を発注者に示すことができるので、質の高いタスクを発注者に容易に作成させることができる。
【0076】
〔3−2.対象物の提示〕
上記実施形態では、推定装置100は、タスクに関連する対象物を提示する例を挙げて説明した。ここで、上述してきた推定装置100は、依頼業務を肯定する成果物と否定する成果物との間の中間に属すると想定される対象物を受注者に提示してもよい。一例としては、推定装置100は、依頼業務を表現する質問を肯定する回答と否定する回答との間の中間に属すると想定される対象物(例えば、境界面に属する対象物)を受注者に提示する。例えば、推定装置100の提示部132は、質問を肯定する回答と否定する回答との間の中間に属すると想定される対象物として、質問に対する回答を判断し難い対象物を受注者に提示する。ここで、判断し難い対象物とは、例えば、「はい」と回答する割合と「いいえ」と回答する割合とが近しい割合となる対象物である。
【0077】
この点について、
図9を用いて説明する。
図9は、提示処理を説明するための説明図である。
図9の例では、依頼業務を表現する質問Qnは、「果物ですか?」であるものとする。この場合、提示部132は、
図9に示すように、スイカが描出された画像Pnを受注者に提示する。スイカは、学問的には野菜に分類されるが文化的には果物とも分類され得るので、質問Qnに対する回答が「はい」とも「いいえ」ともなり得る対象物だからである。なお、
図9では、質問Qnに対する回答が「はい」となる割合が多い対象物ほど境界面の右側に表示される。一方、質問Qnに対する回答が「いいえ」となる割合が多い対象物ほど境界面の左側に表示される。すなわち、
図9では、質問Qnに対する回答の境界面からの距離は、肯定する回答または否定する回答の割合を示す。
【0078】
そして、受注者は、スイカが描出された画像Pnから想定される想定質問を作成する。例えば、受注者は、「学問的に野菜ではなく果物に分類されますか?」という想定質問Xを作成する。これにより、推定装置100は、質問Qnをより明確に表現した想定質問Xを取得することができる。このため、推定装置100は、想定質問Xに基づいて質問Qnをより改善した改善質問を生成することができる。
【0079】
なお、質問を肯定する回答と否定する回答との間の中間に属すると想定される対象物は、例えば、正例の対象物と負例の対象物との中間にある対象物とする。
図9の例では、提示部132は、画像P
1と画像P
2との間の距離の中間にある画像を提示する。
【0080】
また、他の一例としては、提示部132は、中間に属すると想定される対象物として、正例の対象物の画像の色味と負例の対象物の画像の色味との間の中間の色味の画像を提示してもよい。
【0081】
また、他の一例としては、提示部132は、中間に属すると想定される対象物として、クラウドソーシングによって得られる回答を判断し難い画像を提示してもよい。例えば、推定装置100は、受注者に対して回答を判断し難い画像を問い合わせる。これにより、推定装置100は、回答を判断し難い画像を受注者から受け付ける。
【0082】
また、他の一例としては、回答を判断し難い対象物を発注者が予め用意する。例えば、発注者は、質問に対する回答が「はい」となるか「いいえ」となるか判断が難しい対象物(例えば、ゴールドデータ)を中間に属すると想定される対象物として作成する。そして、推定装置100は、発注者が用意した判断が難しい対象物を予め記憶する。これにより、推定装置100は、中間に属すると想定される対象物を保持する。
【0083】
また、他の一例としては、推定装置100は、機械学習や能動学習、半教師あり学習の手法によって中間に属すると想定される対象物を抽出してもよい。例えば、推定装置100は、SVM(Support vector machine)の手法においてサポートベクトルになり得る境界面に近い2組の画像を受注者に問い合わせる。そして、推定装置100は、境界面に近い画像を受注者から取得する。
【0084】
このように、推定装置100は、依頼業務を肯定する成果物と否定する成果物との間の中間に属すると想定される対象物を受注者に提示する。
【0085】
これにより、推定装置100は、発注者が作成した質問をより明確に表現した想定質問を取得することができるので、想定質問に基づいて発注者が作成した質問をより改善する改善質問を生成することができる。
【0086】
また、推定装置100は、複数の対象物を受注者に提示し、受注者から回答を受け付けることで境界面を取得してもよい。一例としては、推定装置100は、カテゴリの異なる複数の対象物を同時に受注者に提示する。例えば、
図9の例では、推定装置100は、りんごが描出された画像とスイカが描出された画像とを同時に提示するとともに、「2つの画像に描出されたものは同じカテゴリに属しますか?」という質問を受注者に提示する。そして、推定装置100は、「はい」の回答を受け付けた場合には、「2つの画像に描出されたものは何のカテゴリに属しますか?」という質問を受注者に提示する。そして、推定装置100は、例えば、「果物」というカテゴリの回答を受け付ける。これにより、推定装置100は、2つの画像の境界面となるコンセプトを取得することができる。
【0087】
一方、推定装置100は、「いいえ」の回答を受け付けた場合には、「2つの画像に描出されたものの違いは何ですか?」という質問を受注者に提示する。そして、推定装置100は、例えば、「学問的に果物か否か」という2つの違いの回答を受け付ける。これにより、推定装置100は、2つの画像の境界面となるコンセプトを取得することができる。
【0088】
そして、推定装置100は、取得した境界面となるコンセプトを集計して発注者に提示してもよい。これにより、推定装置100は、明確なタスクを作成することに役立つ情報を発注者に提供することができるので、発注者がタスクを作成する作業を支援することができる。また、推定装置100は、取得した境界面となるコンセプトを知識データベースに蓄積してもよい。これにより、推定装置100は、取得した境界面となるコンセプトを知識体系抽出のソースとして活用することができる。
【0089】
〔3−3.想定質問の受け付け〕
上記実施形態では、質問に対する回答が「はい」または「いいえ」となる想定質問を受け付ける例を説明した。ここで、上述してきた推定装置100は、提示部132によって提示された依頼業務の複数の回答のうち不明であることを示す不明回答とともに、回答が肯定となる質問または否定となる質問を受け付けてもよい。
【0090】
この点について
図10を用いて説明する。まず、推定装置100は、改善タスクを受注端末50に送信する。
図10は、変形例に係る改善タスクの一例を示す図である。
図10に示すように、改善タスクUT2は、タスクT1を表現する質問Q1とタスクT1に関連する対象物である画像P1を表示する。
【0091】
また、改善タスクUT2は、質問Q1を肯定する回答A21と、質問Q1を否定する回答A22と、質問Q1の回答が不明であることを示す回答A23とを選択するチェックボックスを表示する。これにより、推定装置100は、発注者によって予め用意されたタスク務の複数の回答とタスクを表現する質問とを受注者に提示する。
【0092】
また、改善タスクUT2は、質問Q1の回答が不明である場合に、質問Q1に対する答えが「はい」となる想定質問を入力させるテキストボックスTB1と、質問Q1に対する答えが「いいえ」となる想定質問を入力させるテキストボックスTB2とを表示する。これにより、推定装置100は、提示部132によって提示された依頼業務の複数の回答のうち不明であることを示す不明回答とともに、回答が肯定となる質問または否定となる質問を受け付ける。
【0093】
そして、推定装置100は、受付部133によって受け付けられた質問に基づいて依頼意図を推定する。例えば、推定装置100は、受注者によってテキストボックスTB1やテキストボックスTB2に入力された質問に基づいて依頼意図を推定する。
【0094】
このように、推定装置100は、発注者によって予め用意された依頼業務の複数の回答と依頼業務を表現する質問とを受注者に提示する。また、推定装置100は、提示部132によって提示された依頼業務の複数の回答のうち不明であることを示す不明回答とともに、回答が肯定となる質問または否定となる質問を受け付ける。また、推定装置100は、受付部133によって受け付けられた質問に基づいて依頼意図を推定する。
【0095】
これにより、推定装置100は、質問に対する回答が不明な場合でも想定質問を受け付けることができるので、発注者の作成した質問に関わらず質の高い改善質問を生成することができる。また、推定装置100は、知識データベースのサンプルデータを増やすことができる。
【0096】
〔3−4.対象物の提示〕
上記実施形態では、タスクに関連する対象物を受注者に提示する例を説明した。ここで、上述してきた推定装置100は、タスクに関連する対象物を各種の形態で受注者に提示してもよい。
【0097】
例えば、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定となる対象物または否定となる対象物を受注者に提示する。この点について
図3を用いて説明する。推定装置100は、改善タスクを受注端末50に送信する。一例としては、推定装置100は、
図3に示すように、タスクに対する回答が肯定となる対象物P1を改善タスクUT1によって受注者に提示する。ここで、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定となる対象物に限らず、タスクに対する回答が否定となる対象物を提示してもよい。
【0098】
また、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを受注者に同時に提示してもよい。この点について
図11を用いて説明する。
図11は、変形例に係る改善タスクの一例を示す図である。
図11に示すように、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定する回答A2となる対象物P2と否定する回答A3となる対象物P3とを改善タスクUT3によって受注者に同時に提示する。
【0099】
また、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを所定の割合で受注者に提示してもよい。例えば、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを1対1の割合で受注者に提示する。これにより、タスクに対する回答が異なる対象物をバランスよく提示することができる。
【0100】
また、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを受注者に同時に提示するに限らず、タスクに対する回答が肯定となる複数の対象物やタスクに対する回答が否定となる複数の対象物を受注者に同時に提示してもよい。
【0101】
この点について
図12を用いて説明する。
図12は、変形例に係る改善タスクの一例を示す図である。
図12に示すように、推定装置100は、タスクに対する回答が肯定する回答A2となる対象物P2とタスクに対する回答が肯定する回答A4となる対象物P4とを改善タスクUT4によって受注者に同時に提示する。なお、推定装置100は、
図12に示す例に限らず、タスクに対する回答が否定となる複数の対象物を受注者に同時に提示してもよい。
【0102】
このように、推定装置100は、依頼業務に対する回答が肯定となる対象物または否定となる対象物を受注者に提示する。これにより、推定装置100は、発注者が所望する回答となる想定質問を受注者から受け付けることができる。
【0103】
また、推定装置100は、依頼業務に対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを受注者に同時に提示する。これにより、推定装置100は、回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを受注者に比較させることができるので、発注者の依頼意図により近い想定質問を受注者から受け付けることができる。
【0104】
また、推定装置100は、依頼業務に対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを所定の割合で受注者に提示する。これにより、推定装置100は、タスクに対する回答が異なる対象物をバランスよく提示することができる。
【0105】
また、推定装置100は、依頼業務に対する回答が肯定となる複数の対象物または否定となる複数の対象物を受注者に提示する。これにより、推定装置100は、受注者に対して複数の対象物から質問を想定させることができるので、発注者の依頼意図により近い想定質問を受注者から受け付けることができる。
【0106】
〔3−5.ダブルチェック〕
上記実施形態では、改善質問を生成する例を説明した。ここで、上述してきた推定装置100は、生成した改善質問を審査してもよい。この点について
図13を用いて説明する。
図13は、変形例に係るタスクの一例を示す図である。
【0107】
具体的には、推定装置100の提示部132は、まず、生成部135によって生成された依頼業務(例えば、タスク)を表現する依頼表現(例えば、改善質問)と依頼業務に関連する対象物とを受注者に提示する。例えば、推定装置100は、発注者が作成した質問を改善質問に改善したタスクを受注端末50に送信する。
図13は、変形例に係るタスクの一例を示す説明図である。
図13に示すように、推定装置100は、発注者が作成したタスクT1を表現する質問Q1を生成部135によって生成された改善質問UQ1に変更したタスクCT1によって改善質問UQ1を受注者に提示する。また、推定装置100は、タスクT1に関連する対象物である画像P1をタスクCT1によって受注者に提示する。
【0108】
その後、推定装置100の受付部133は、提示部132によって提示された改善質問に基づいて受注者によって作成された成果物(例えば、依頼業務に対する回答)を受け付ける。
図13の例では、推定装置100は、改善質問UQ1および対象物である画像P1に基づいて受注者によって作成された回答を受注者から受け付ける。
【0109】
続いて、推定装置100は、発注者によって作成された回答と受付部133によって受け付けられた受注者によって作成された回答との一致度合いを判定する。例えば、推定装置100は、受注者から受け付けたタスクに対する回答と発注者によって作成されたタスクに対する回答とが同一の回答か否かを判定する。
【0110】
そして、推定装置100は、発注者によって作成された回答と受注者によって作成された回答との間の一致度合いに基づいて依頼意図を推定する。例えば、推定装置100は、受注者から受け付けたタスクに対する回答と発注者によって作成されたタスクに対する回答とが同一の回答の場合には、タスクを表現する質問として改善質問を採用する。この場合、改善質問は発注者の意図と一致していると考えられるからである。
【0111】
一方、推定装置100は、受注者から受け付けたタスクに対する回答と発注者によって作成されたタスクに対する回答とが異なる場合には、タスクを表現する質問として改善質問を採用せず、改めて改善質問を生成する。この場合、改善質問は発注者の意図と異なると考えられるからである。例えば、推定装置100は、他の受注者に改善タスクを送信する。そして、推定装置100は、改善タスクを送信した他の受注者から想定質問を受け付ける。これにより、推定装置100は、受け付けた想定質問に基づいて改めて依頼意図を推定する。
【0112】
このように、推定装置100は、生成部135によって生成された依頼業務を表現する依頼表現と当該依頼業務に関連する対象物とを受注者に提示する。また、推定装置100は、提示部132によって提示された依頼表現および対象物に基づいて受注者によって作成された成果物を受け付ける。また、推定装置100は、発注者によって作成された依頼業務の成果物と受付部133によって受け付けられた受注者によって作成された成果物との間の一致度合いに基づいて依頼意図を推定する。
【0113】
これにより、推定装置100は、生成した改善質問を審査することができるので、発注者の依頼意図を反映したタスクを生成することができる。例えば、推定装置100は、受注者から受け付けたタスクに対する回答と発注者によって作成されたタスクに対する回答とが同一の回答の場合に、タスクを表現する質問として改善質問を採用することができるので、発注者の依頼意図と一致するタスクを生成することができる。
【0114】
〔3−6.変形例の効果〕
上述してきたように、変形例に係る推定装置200において、提示部132は、発注者に推薦する特徴情報として、抽出部236によって抽出された特徴情報に対応する非共通特徴情報を提示する。
【0115】
これにより、変形例に係る推定装置200は、発注者の意図をより明確に示す特徴を発注者に示すことができるので、質の高いタスクを発注者に容易に作成させることができる。
【0116】
また、変形例に係る推定装置100において、提示部132は、依頼業務を表現する質問を肯定する回答と否定する回答との間の中間に属すると想定される対象物を受注者に提示する。
【0117】
これにより、変形例に係る推定装置100は、発注者が作成した質問をより明確に表現した想定質問を取得することができるので、想定質問に基づいて発注者が作成した質問をより改善する改善質問を生成することができる。
【0118】
また、変形例に係る推定装置100において、提示部132は、発注者によって予め用意された依頼業務の複数の回答と依頼業務を表現する質問とを受注者に提示する。また、受付部133は、提示部132によって提示された依頼業務の複数の回答のうち不明であることを示す不明回答とともに、回答が肯定となる質問または否定となる質問を受け付ける。また、推定部134は、受付部133によって受け付けられた質問に基づいて依頼意図を推定する。
【0119】
これにより、変形例に係る推定装置100は、質問に対する回答が不明な場合でも想定質問を受け付けることができるので、発注者の作成した質問に関わらず質の高い改善質問を生成することができる。また、推定装置100は、知識データベースのサンプルデータを増やすことができる。
【0120】
また、変形例に係る推定装置100において、提示部132は、依頼業務に対する回答が肯定となる対象物または否定となる対象物を受注者に提示する。
【0121】
これにより、変形例に係る推定装置100は、発注者が所望する回答となる想定質問を受注者から受け付けることができる。
【0122】
また、変形例に係る推定装置100において、提示部132は、依頼業務に対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを受注者に同時に提示する。
【0123】
これにより、変形例に係る推定装置100は、回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを受注者に比較させることができるので、発注者の依頼意図により近い想定質問を受注者から受け付けることができる。
【0124】
また、変形例に係る推定装置100において、提示部132は、依頼業務に対する回答が肯定となる対象物と否定となる対象物とを所定の割合で受注者に提示する。
【0125】
これにより、変形例に係る推定装置100は、タスクに対する回答が異なる対象物をバランスよく提示することができる。
【0126】
また、変形例に係る推定装置100において、提示部132は、依頼業務に対する回答が肯定となる複数の対象物または否定となる複数の対象物を受注者に提示する。
【0127】
これにより、変形例に係る推定装置100は、受注者に対して複数の対象物から質問を想定させることができるので、発注者の依頼意図により近い想定質問を受注者から受け付けることができる。
【0128】
また、変形例に係る推定装置100において、提示部132は、生成部135によって生成された依頼業務を表現する依頼表現と当該依頼業務に関連する対象物とを受注者に提示する。受付部133は、提示部132によって提示された依頼表現および対象物に基づいて受注者によって作成された成果物を受け付ける。推定部134は、発注者によって作成された依頼業務の成果物と受付部133によって受け付けられた受注者によって作成された成果物との間の一致度合いに基づいて依頼意図を推定する。
【0129】
これにより、変形例に係る推定装置100は、生成した改善質問を審査することができるので、発注者の依頼意図を反映したタスクを生成することができる。例えば、推定装置100は、受注者から受け付けたタスクに対する回答と発注者によって作成されたタスクに対する回答とが同一の回答の場合に、タスクを表現する質問として改善質問を採用することができるので、発注者の依頼意図と一致するタスクを生成することができる。
【0130】
〔4.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0131】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0132】
例えば、
図4に示したタスク情報記憶部121は、推定装置100が保持せずに、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、推定装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、タスクに関する情報を取得する。
【0133】
また、推定装置100は、推定処理や生成処理は行わず、受付部133による構築処理のみを行う構築装置であってもよい。この場合、構築装置は、推定部134と生成部135とを有しない。そして、推定部134を有する推定装置が発注者の依頼意図を推定する。また、生成部135を有する生成装置が、タスクを表現する改善質問を生成する。
【0134】
また、上述してきた実施形態に係る推定装置100は、例えば
図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、推定装置100を例に挙げて説明する。
図14は、推定装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0135】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0136】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0137】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0138】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0139】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る推定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0140】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0141】
また、上述した推定装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0142】
また、特許請求の範囲に記載した「手段」は、「部(section、module、unit)」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受信部は、受信手段や受信回路に読み替えることができる。