【解決手段】本発明の収納ラック1は、内部に機器5を収納するインナケース2と、このインナケース2の外周に位置し、搬送時に握持可能な複数のフレームからなるアウタフレーム3と、インナケース2及びアウタフレーム3の双方に係合し、アウタフレーム3に印加される外的負荷により生じるインナケース2への負荷を吸収する複数のマウントショック4と、を具備している。そして、収納ラック1は、機器5が収納されたインナケース2をアウタフレーム3に配設した状態を所定の状態とした場合、少なくとも一つのマウントショック4は、所定の状態でのインナケース2の重心からの距離が可変である、ことを特徴とする。
少なくとも一つ吸収部は、前記所定の状態において、前記フレーム体に摺動可能に設けられ、この一つの吸収部を前記フレーム体上で摺動させることで、一つの吸収部と、前記収納ケースの重心と、の距離が可変であること、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の収納ラック。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1を用いて、本発明の一実施形態(第1の実施形態)について説明する。本発明の一実施形態(第1の実施形態)に係る収納ラック1の斜視図である。
【0018】
図1に例示されるように、本実施形態の収納ラック1は、インナケース(収納ケース)2及びアウタフレーム(フレーム体)3を具備している。このインナケース2は、内部に、通信機器、電子機器等の機器5を収納し、この機器5を保護する役目を果たしている。
【0019】
収納ラック1のアウタフレーム3は、インナケース2の外周に位置している。本実施形態において、このアウタフレーム3は、人(搬送者)が握持可能な複数のフレームを具備している。なお、本実施形態において、フレームとは、アウタフレームの骨格をいう。また、本実施形態において、アウタフレーム3は、人が握持可能としているが、これに限定されず、例えば、搬送機械のアーム等によりフレームを握らせて搬送することも想定し得る。
【0020】
具体的には、これら複数のフレームは、直方体の辺に相当する位置に位置する。すなわち、複数のフレームは、十二本のフレームから構成される。そして、アウタフレーム3は、これら十二本のフレームが互いに直方体の角に相当する位置で連結されることで、直方体を構成している。
【0021】
本実施形態において、複数のフレームの夫々は、何れの箇所でも、人が握持可能となるよう構成されている。具体的には、これら複数のフレームの夫々は、人が握持可能な太さで形成されている。ここで、人が握持可能な太さとは、人の平均的な手の大きさが、およそ180mmとすると、外周60mmから外周150mmをいう。このように、本実施形態では、人が収納ラック1を搬送する際、適宜、複数のフレームの何れかの箇所を握って搬送することが可能である。
【0022】
ここで、機器5の重心は、機器5の種類に応じて異なる。このため、人の握る箇所が、例えば、ハンドル等により固定されていると、機器5によっては、持ち難くなる可能性がある。なぜなら、ハンドルの位置に対し、機器5の重心が近い場合よりも、遠い場合の方が、機器5の重さを感じてしまうからである。
【0023】
このように、ハンドルの位置に対し、機器5の重心が遠い場合、人が機器5の重さを感じてしまうことで、機器5を持ち難くしてしまい、可搬性を低減させてしまう可能性がある。
【0024】
これに対し、本実施形態では、上述したように、適宜、複数のフレームの何れかの箇所を握って搬送することが可能になる。このため、機器5の重心に近い箇所を握って搬送することが可能になる。
【0025】
したがって、本実施形態では、機器5に応じて、適宜、握る位置をかえることが可能になるといえ、搬送時の可搬性を向上させることができる。
【0026】
また、本実施形態において、収納ラック1は、インナケース2及びアウタフレーム3の双方に係合し、アウタフレーム3に印加される外的負荷により生じるインナケース2への負荷を吸収する複数のショックマウント(吸収部)4を具備している。
【0027】
本実施形態において、これら複数のショックマウント4のうち、少なくとも一つのショックマウント4と、アウタフレーム3に、機器5が収納されたインナケース2を配設した際に、機器5を収納したインナケース2の重心と、の距離が可変である。
【0028】
すなわち、本実施形態の収納ラック1は、アウタフレーム3に、機器5が収納されたインナケース2を配設した際に、インナケース2の重心にあわせて、ショックマウント4の位置決めを、適宜、可能にしている。このため、最適な耐振動を設定することができる。
【0029】
これにより、本実施形態では、搬送時に生じる振動等に対し、より確実に機器5を保護することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
図2乃至
図11を用いて、本発明の他の実施形態(第2の実施形態)について説明する。まず、
図2乃至
図7を用いて、本実施形態の収納ラック10の構成について説明する。
図2は、本実施形態(第2の実施形態)に係る収納ラック10の斜視図である。
【0031】
また、
図3は、本実施形態(第2の実施形態)に係る収納ラック10の正面図であり、
図4は、本実施形態(第2の実施形態)に係る収納ラック10の側方面図である。
【0032】
また、
図5は、本実施形態(第2の実施形態)に係る収納ラック10の平面図であり、
図6は、本実施形態(第2の実施形態)に係る収納ラック10の正面図であり、インナケースの内部構成の正面図である。
【0033】
また、
図7は、本実施形態(第2の実施形態)に係る収納ラック10の斜視図であり、アウタフレームからインナケースを取り出した状態の斜視図である。
【0034】
図2乃至7に例示されるように、本実施形態の収納ラック10は、インナケース(収納ケース)20及びアウタフレーム(フレーム体)100を具備している。このインナケース20は、直方体をなしている。そして、インナケース20は、内部に空間を有している。
【0035】
このインナケース20は、この空間に機器50を収納し、この機器50を保護する役目を果たしている。具体的には、インナケース20の空間は、開口にカバー40を装着することにより密閉空間となる。
【0036】
このように、インナケース20の空間の開口にカバー40を装着し、この空間を密閉にすることで、空間が外部と遮蔽される。そして、この空間には、上述したように、機器50を収納することが可能である。このため、インナケース20は、機器50を外部と遮蔽し、例えば、防水機能を有しているといえる。
【0037】
収納ラック10のアウタフレーム100は、インナケース20の外周に位置している。本実施形態において、このアウタフレーム100は、人が握持可能な複数のフレームにより構成されている。なお、本実施形態において、アウタフレーム3は、人が握持可能としているが、これに限定されず、例えば、搬送機械のアーム等によりフレームを握らせて搬送することも想定し得る。
【0038】
具体的には、これら複数のフレームは、直方体の辺に相当する位置に位置している。すなわち、複数のフレームは、十二本のフレームから構成される。以下、アウタフレーム100を正面視した際に、前後方向に沿って真っ直ぐ延びた四本のフレームを前後方向フレーム110という。
【0039】
また、アウタフレーム100を正面視した際に、左右方向に沿って真っ直ぐ延びた四本のフレームを横方向フレーム120という。また、アウタフレーム100を正面視した際に、上下方向に沿って真っ直ぐ延びた四本のフレームを縦方向フレーム130という。
【0040】
そして、アウタフレーム100は、前後方向フレーム110、横方向フレーム120及び縦方向フレーム130を直方体の角に相当する位置でコーナブロック140にて連結されることで、直方体を構成している。
【0041】
なお、前後方向フレーム110の具体的な構成については、
図8及び
図9を用いて後述する。一方、横方向フレーム120及び縦方向フレーム130は、周知であるので、横方向フレーム120及び縦方向フレーム130の具体的な構成については、その説明を省略する。
【0042】
このように、本実施形態のアウタフレーム100は、インナケース20の外周に位置し、複数のフレームによりインナケース20を囲っている。このため、本実施形態では、アウタフレーム100の各フレーム又はコーナブロック140に印加される外部力(振動、衝撃等)が、直接、インナケース20に印加されることは無く、アウタフレーム100に印加されることとなる。
【0043】
これにより、本実施形態では、インナケース20は、耐振動、耐衝撃等に対して、強固な堅牢構造とする必要がなく、インナケース20自体及びカバー40の軽量化を図ることが可能になるといえる。
【0044】
したがって、本実施形態では、インナケース20自体及びカバー40の軽量化を図ることで、収納ラック10の軽量化を図ることが可能になり、可搬性を向上させることができる。
【0045】
本実施形態において、これらインナケース20とアウタフレーム100との間には、複数のショックマウント200が位置している。このショックマウント200は、アウタフレーム100に印加される外部力(振動、衝撃等)のインナケース20への伝搬を緩衝させる役目を果たしている。なお、ショックマウント200の具体的な構成については、以下、
図8及び
図9を用いて後述する。
【0046】
次に、
図8及び
図9を用いて、前後方向フレーム110及びショックマウント200の具体的な構成について説明する。
図8は、
図5におけるA部を拡大して示した拡大図である。また、
図9は、
図8における線I−I´を示す端面図である。
【0047】
図8及び
図9に例示されるように、インナケース20は、複数のフレーム21を具備している。これら複数のフレーム21は、このインナケース20における辺に相当する位置に位置する。
【0048】
本実施形態において、これら複数のフレーム21は、主に、インナケース20の剛性を高めたり、ショックマウント200を固定したりする役目を果たしている。具体的には、複数のフレーム21は、直状をなしている。
【0049】
この中で、前後方向に沿って真っ直ぐ延びたフレーム21には、第1のフレーム溝22が形成されている。この第1のフレーム溝22は、フレーム21と同様に、前後方向に沿って真っ直ぐ延びている。そして、第1のフレーム溝22は、第1のブロックナット296及び図示しない第2のブロックナットを収容している。
【0050】
また、第1のフレーム溝22は、上述したように、第1のブロックナット296及び第2のブロックナットを収容しているが、これら第1のブロックナット296及び第2のブロックナットを溝上でスライド可能にしている。なお、これら第1のブロックナット296及び第2のブロックナットについては、後述するショックマウント200の説明の際にあわせて説明を行う。
【0051】
ここで、フレーム21が位置するインナケース20の前後方向に沿った辺に相当する位置は、アウタフレーム100にインナケース20を入れると、アウタフレーム100の前後方向フレーム110に対向している。すなわち、インナケース20のフレーム21の外方には、アウタフレーム100の前後方向フレーム110が位置している。
【0052】
本実施形態において、前後方向フレーム110は、第1の分割フレーム111及び第2の分割フレーム112を具備している。これら第1の分割フレーム111及び第2の分割フレーム112は、アウタフレーム100を正面視すると、アウタフレーム100の前後方向に沿って、互いに平行に配設されている。
【0053】
そして、これら第1の分割フレーム111及び第2の分割フレーム112の夫々の一端が、コーナブロック140により横方向フレーム120及び縦方向フレーム130と連結されている。
【0054】
また、第1の分割フレーム111及び第2の分割フレーム112の夫々の他端が、同様に、コーナブロック140により横方向フレーム120及び縦方向フレーム130と連結されている。
【0055】
また、第1の分割フレーム111には、第1の分割フレーム溝113が形成されている。また、第2の分割フレーム112には、第2の分割フレーム溝114が形成されている。
【0056】
この第1の分割フレーム溝113は、第1の分割フレーム111の直状に沿って形成されている。また、第2の分割フレーム溝114も、第1の分割フレーム溝113と同様に、第2の分割フレーム112の直状に沿って形成されている。
【0057】
そして、この第1の分割フレーム溝113は、第3のブロックナット298を収容している。また、第2の分割フレーム溝114は、第4のブロックナット299を収容している。なお、これら第3のブロックナット298及び第4のブロックナット299については、後述するショックマウント200の説明の際にあわせて説明を行う。
【0058】
本実施形態において、これらフレーム21と前後方向フレーム110との間には、複数のショックマウント200が位置している。これら複数のショックマウント200は、上述したように、アウタフレーム100に印加された外部力(振動、衝撃等)のインナケース20への伝搬を緩衝させる役目を果たしている。
【0059】
このショックマウント200は、ショックマウント200の本体部210として、円柱部211及び平板部212を具備している。これら円柱部211の一端側と、平板部212の表面側とは、互いに当接している。
【0060】
そして、ショックマウント200は、円柱部211の一端側と、平板部212の表面側と、を結合させ、円柱部211及び平板部212を一体に形成している。なお、この結合方法は、接着、溶着、一体成型等、特に限定されない。
【0061】
本実施形態において、本体部210は、フレーム21及びブラケット220に固定される。具体的には、円柱部211の他端側が、ブラケット220に当接している。そして、円柱部211にブラケット220を介して第5の締結ネジ295を挿嵌させる。これにより、本体部210は、ブラケット220に固定される。
【0062】
また、平板部212の裏面側が、フレーム21に当接している。そして、平板部212に第1の締結ネジ291及び第2の締結ネジ292を挿通させ、これら第1の締結ネジ291及び第2の締結ネジ292を第1のフレーム溝22に収容された第1のブロックナット296及び第2のブロックナットに螺合させる。これにより、本体部210は、フレーム21に固定される。
【0063】
ブラケット220は、前後方向フレーム110に固定される。具体的には、このブラケット220に第3の締結ネジ293を挿通させ、この第3の締結ネジ293を第1の分割フレーム溝113に収容された第3のブロックナット298に螺合させる。
【0064】
また、ブラケット220に第4の締結ネジ294を挿通させ、この第4の締結ネジ294を第2の分割フレーム溝114に収容された第4のブロックナット299に螺合させる。
【0065】
これにより、ブラケット220が、第3のブロックナット298及び第4のブロックナット299に第3の締結ネジ293及び第4の締結ネジ294を螺合させ、前後方向フレーム110に固定される。
【0066】
ここで、本実施形態において、第1のブロックナット296は、第1のフレーム溝22内で摺動可能となるよう、この第1のフレーム溝22に収容されている。
【0067】
また、第2のブロックナットも、第1のブロックナット296と同様に、第1のフレーム溝22内に摺動可能となるよう、この第1のフレーム溝22に収容されている。
【0068】
また、本実施形態において、第3のブロックナット298は、第1の分割フレーム溝113内で摺動可能となるよう、この第1の分割フレーム溝113に収容されている。
【0069】
また、第4のブロックナット299も、第3のブロックナット298と同様に、第2の分割フレーム溝114内で摺動可能となるよう、この第2の分割フレーム溝114に収容されている。
【0070】
これにより、本実施形態では、第1の締結ネジ291、第2の締結ネジ292、第3の締結ネジ293及び第4の締結ネジ294を緩め、ショックマウント200及びブラケット220の前後方向での往復移動を可能にしている。
【0071】
このように、ショックマウント200及びブラケット220の前後方向での往復移動を可能にすると、機器50の重心にあわせて、これらショックマウント200及びブラケット220を取り外すことなく、位置決めを行うことが可能になる。
【0072】
すなわち、本実施形態では、複数のショックマウント200の夫々は、アウタフレーム100に、機器50が収納されたインナケース20を配設した際に、インナケース20の重心からの距離が近似した位置で、かつ、互いに異なる位置に設置可能となる。
【0073】
したがって、本実施形態によれば、アウタフレーム100に、機器50が収納されたインナケース20を配設した際に、インナケース20の重心にあわせて、複数のショックマウント200の夫々の位置決めを、適宜、可能にしている。
【0074】
このため、本実施形態によれば、最適な耐振動を設定することが可能になり、搬送時に生じる振動等に対し、より確実に機器50を保護することができる。
【0075】
このとき、複数のショックマウント200の位置決めを行う際、インナケース20の重心からの距離が、互いに近似した位置で位置決めしているが、さらに、重心から互いに分散させた位置に位置決めすると良い。
【0076】
一例を示すと、複数のショックマウント200は、前後方向フレーム上におけるコーナブロック140の近傍に配設される。すなわち、各ショックマウント200が、重心を挟んで互いに対向した位置に配設される。
【0077】
このため、本実施形態では、重心を挟んで互いに対向した位置の各ショックマウント200により、バランス良く、インナケース20を支持することが可能になるといえる。したがって、本実施形態によれば、搬送時に生じる振動等に対し、より確実に機器50を保護することができる。
【0078】
また、本実施形態では、第1の締結ネジ291及び第2の締結ネジ292を締結しておき、第3の締結ネジ293及び第4の締結ネジ294を緩めることで、ブラケット220の前後方向での往復移動を可能にしている。
【0079】
これにより、本実施形態では、ブラケット220とともに、このブラケット220に固定されるショックマウント200及びインナケース20の前後方向での往復移動を可能にしている。
【0080】
したがって、本実施形態によれば、例えば、ショックマウント200を取り外すことなく、インナケース20の前後方向での往復移動を可能にしているといえる。また、本実施形態によれば、例えば、スライドレール等の部品を要せずに、インナケース20の前後方向での往復移動を可能にしているといえる。
【0081】
ここで、スライドレールを設けると、収納ラック自体の重量が増大してしまう。また、スライドレールを設けると、マウントショックに微小なガタが生じる可能性があり、耐震性、耐衝撃性を低減させてしまうという課題がある。
【0082】
これに対し、本実施形態では、スライドレールを要せず、インナケース20の前後方向での移動を可能にしているため、インナケース20を強固に固定しつつ、インナケース20のスライドを可能にしている。
【0083】
また、本実施形態において、第3の締結ネジ293及び第4の締結ネジ294は、夫々、前後方向フレーム110に対し、この前後方向フレーム110の外方を向いて配設されている。
【0084】
したがって、これら第3の締結ネジ293及び第4の締結ネジ294を締めたり、緩めたりし易くなるといえる。
【0085】
これにより、本実施形態では、第3の締結ネジ293及び第4の締結ネジ294を緩め、前後方向フレーム110に対し、この前後方向フレーム110の溝でブラケット220をスライドさせることが可能になる。
【0086】
また、本実施形態において、第5の締結ネジ295は、前後方向フレーム110の第1の分割フレーム111と第2の分割フレーム112との間に位置する。
【0087】
そして、第1の分割フレーム111及び第2の分割フレーム112は、離設されている。すなわち、第1の分割フレーム111と第2の分割フレーム112との間には、隙間をなしている。
【0088】
このため、本実施形態では、アウタフレーム100を分解せずに、第5の締結ネジ295を緩めることが可能になる。同様に、本実施形態では、アウタフレーム100を分解せずに、第5の締結ネジ295を締めることが可能になる。
【0089】
したがって、本実施形態では、ショックマウント200を容易に取り外すことが可能であるといえる。同様に、ショックマウント200を取り付ける際にも、上述したように、前後方向フレーム110の空間によりアクセス可能な位置に位置しているため、容易に取り付けることが可能であるといえる。
【0090】
このように、本実施形態では、ショックマウント200の取り付け、又は取り外しを容易に行うことが可能であるので、インナケース20の取り付け、又は取り外しも容易に行うことが可能になる。
【0091】
ここで、インナケース20の取り付け、又は取り外しを容易に行うことが可能になると、例えば、インナケース20に機器50を組み込み、配線作業等を完了させておき、機器50を組み込んだインナケース20をアウタフレーム100に組み込むことが可能になる。
【0092】
なぜなら、インナケース20の取り付け、又は取り外しが煩雑であると、例えば、インナケース20を分解しなければならず、アウタフレーム100にインナケース20を取り付けた後に、機器50を組み込む必要があるからである。
【0093】
これに対し、本実施形態では、上述したように、インナケース20に機器50を組み込み、配線作業等を完了させておき、機器50を組み込んだインナケース20をアウタフレーム100に組み込むことが可能になるため、組み立てる際の製造性を向上させることができる。
【0094】
また、本実施形態では、上述したように、インナケース20に機器50を組み込んだまま、インナケース20の取り付け、又は取り外しが可能になると、例えば、機器50の故障・整備時等には、インナケース20毎に交換することで、迅速に修繕作業を行うことができる。
【0095】
また、本実施形態では、上述したように、インナケース20毎に交換可能であるため、予め目的の異なる機器50を収納した他のインナケース20を用意しておき、用途に応じてインナケース20を入れ替えることで、作業効率を高めることができる。
【0096】
次に、
図10及び
図11を用いて、本実施形態の収納ラック10を使用した使用状態について説明する。
図10は、
図5におけるB部を拡大して示した拡大図である。また、
図11は、
図10における線II−II´を示す端面図である。
【0097】
図10及び
図11に例示されるように、収納ラック10の搬送時に、人が、アウタフレーム100の各フレームの任意の箇所を握って搬送することを可能にしている。
【0098】
ここで、機器50の重心は、種類に応じて異なる。このため、搬送する際に、人の握れる箇所が、例えば、ハンドル等により固定されていると、機器50の種類によっては、搬送し難く、可搬性を低減させてしまう可能性がある。
【0099】
なぜなら、ハンドルの位置に対し、機器50の重心が近い場合よりも、遠い場合の方が、機器50の重さを感じてしまうからである。
【0100】
これに対し、本実施形態では、上述したように、フレームの任意の箇所を握って搬送することが可能になるため、機器50の重心に近い箇所を握って搬送することが可能になる。
【0101】
よって、本実施形態によれば、機器50に応じて、適宜、アウタフレーム100の各フレームの握る位置をかえることが可能になるといえ、搬送時の可搬性を向上させることができる。
【0102】
また、本実施形態によれば、ショックマウント200の取り外し又は取り付けを容易に行うことが可能になるため、アウタフレーム100にインナケース20を容易に取り付けることが可能になる。このため、作業性を向上させることができる。
【0103】
具体的には、インナケース20の取り付け、又は取り外しを容易に行うことが可能になると、例えば、インナケース20に機器50を組み込み、配線作業等を完了させておき、機器50を組み込んだインナケース20をアウタフレーム100に組み込むことが可能になる。
【0104】
これにより、本実施形態では、インナケース20に機器50を組み込み、配線作業等を完了させておき、機器50を組み込んだインナケース20をアウタフレーム100に組み込むことが可能になるため、組み立てる際の製造性を向上させることができる。
【0105】
また、本実施形態では、上述したように、インナケース20に機器50を組み込んだまま、インナケース20の取り付け、又は取り外しが可能になると、例えば、機器50の故障・整備時等には、インナケース20毎に交換することで、迅速に修繕作業を行うことができる。
【0106】
また、本実施形態では、上述したように、インナケース20毎に交換可能であるため、予め目的の異なる機器50を収納した他のインナケース20を用意しておき、用途に応じてインナケース20を入れ替えることで、作業効率を高めることができる。
【0107】
また、本実施形態によれば、ショックマウント200を取り外し又は取り付けを容易に行うことが可能になるため、機器50の重心にあわせて、ショックマウント200を位置決めすることが可能になる。このため、最適な耐振動を設定することができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、ショックマウント200に関し、収納ラック10を正面視すると、前後方向で往復移動させることが可能になる。これにより、本実施形態では、機器50の重心にあわせ、ショックマウント200の位置決めを容易に行うことが可能になる。
【0109】
また、本実施形態によれば、アウタフレーム100及びインナケース20で、役割分担させている。具体的には、アウタフレーム100にて、耐振動、耐衝撃を担っている。一方、インナケース20にて、防水を担っている。
【0110】
これにより、アウタフレーム100には、防水機能を要する必要がなく、インナケース20は、耐振動、耐衝撃を施す必要がないため、例えば、カバー40の構造の簡素化、軽量化を図ることが可能になる。
【0111】
このため、本実施形態によれば、収納ラック10の軽量化を図ることが可能になり、搬送時における作業性を向上させることができる。