技術分野
モールド変圧器、計器用変圧器(PT:Potential Transformer )、計器用変流器(CT:Current Transformer )等に用いられる樹脂モールドコイル及び該樹脂モールドコイルの製造方法に関する。また、本発明は、樹脂モールドコイルを備えるモールド変圧器
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】モールド材中の空隙欠陥の残存が少なく、長期信頼性に優れた樹脂モールドコイル及びその製造方法並びにモールド変圧器を提供する。 【解決手段】樹脂モールドコイルは、導体3を芯部2に複数層をなすように巻き付ける巻き付け工程と、液状の熱硬化性樹脂を熱硬化させてコイル12をモールドするモールド工程と、を備える方法により製造する。巻き付け工程においては、コイル12の第1層の外層側に配された層間絶縁材4の端部の外層側に、導体3を1巻き巻き付けて固定用巻き付け部を形成する。そして、帯状シート材14を折り返して、帯状シート材14で固定用巻き付け部を外層側から覆いつつ、第1層の外層側に配された層間絶縁材4の外層側に帯状シート材14を配する。さらに、帯状シート材14の外層側に、固定用巻き付け部に続けて導体3を螺旋状に巻き付けて、帯状シート材14の外層側にコイル12の第2層を形成する。 【選択図】図5
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
導体と層間絶縁材に囲まれて形成される空隙部への液状の熱硬化性樹脂の含浸性を向上させる技術が、特許文献1に提案されている。すなわち、導体の周囲に樹脂を注入するための間隙を層間絶縁材と導体との間に形成する複数の突条が、層間絶縁材に設けられていることにより、導体と層間絶縁材の間の前記空隙部が大きく形成されるため、熱硬化性樹脂がコイルの軸方向端部から内部に向かって軸方向に含浸しやすくなっている。
しかしながら、導体のターン数は100前後である場合もあるため、粘性の高い熱硬化性樹脂を軸方向に含浸させることにより軸方向中央部の前記空隙部に空隙欠陥が生じないように含浸させることは、容易ではなかった。また、導線を巻き付ける際の締め付け力等によって突条が変形して、熱硬化性樹脂の含浸性が低下するおそれがあった。
また、特許文献2には、樹脂モールドコイルの内外周の少なくとも一方にガラスネットを配置することにより、液状の熱硬化性樹脂の流動経路を確保して含浸性を向上させる技術が開示されている。しかしながら、この技術は、コイルの表面に気泡が残るなどの外観、美観の問題を解決するための技術であって、コイル内部の空隙部への樹脂の含浸性を向上させる技術ではない。
さらに、特許文献3には、熱硬化性樹脂の含浸性を向上させる技術として、複数のガラス繊維を撚り合わせた線状絶縁体を超電導コイルの超電導線相互間に介在させて熱硬化性樹脂を超電導線相互間に含浸させる技術が記載されている。しかしながら、特許文献3に記載された技術を樹脂モールドコイルの製造方法に適用しようとすると、芯部の外周に巻き付けられた導体の層間を絶縁シートで絶縁することが困難になるという問題がある。また、芯部と導体とで形成される空隙部や導体と絶縁シートとで形成される空隙部の隅部が楔形状である限りは、複数のガラス繊維を撚り合わせた線状絶縁体を空隙部に介在させても熱硬化性樹脂を空隙部の隅部にまで含浸させることは困難である。
さらに、従来においては、図9に示す巻き方で導体103を芯部102の外周に巻き付ける場合には、導体103を巻き付けてなる積層構造が、熱硬化性樹脂を熱硬化させて硬化樹脂105でモールドする以前に崩れることを防ぐために、図10に示すように、コイルの軸方向端部(折返し部分)の導体103を、隣接する軸方向内部側の導体103に粘着テープ106で固定し、その径方向外側に層間絶縁材104を介して導体103を巻き付けていた。
しかしながら、通常、粘着テープは熱硬化性樹脂が含浸(透過)しないので、粘着テープ106を貼り付けた部分に存在する空隙部には熱硬化性樹脂がほとんど含浸せず、熱硬化性樹脂の硬化後に空隙欠陥が残存することとなる。
そこで、本発明は、のような従来技術が有する問題点を解決し、モールド材中の空隙欠陥の残存が少なく、長期信頼性に優れた樹脂モールドコイル及びその製造方法並びにモールド変圧器を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る樹脂モールドコイルの製造方法は、絶縁物で被覆された1本の導体を筒状の芯部の外周に複数層をなすように巻き付けてなるコイルと、前記コイルの各層間にそれぞれ介装された筒状の層間絶縁材と、前記導体の周囲を覆うモールド材と、を備える樹脂モールドコイルの製造方法であって、各層間に前記層間絶縁材を介装しつつ前記導体を前記芯部の外周に複数層をなすように巻き付けて前・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明に係る樹脂モールドコイル及びモールド変圧器は、モールド材中の空隙欠陥の残存が少なく絶縁特性に優れ、長期信頼性に優れている。また、本発明に係る樹脂モールドコイルの製造方法は、モールド材中の空隙欠陥の残存が少なく絶縁特性に優れ、長期信頼性に優れた樹脂モールドコイルを製造することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明に係る樹脂モールドコイルの一実施形態を示す断面図である。
【図2】 樹脂モールドコイルの製造方法を説明する断面図である。
【図3】 樹脂モールドコイルの製造方法を説明する断面図である。
【図4】 本発明の一モールド変圧器の構成例を示す一部破砕正面図である。
【図5】 軸方向端部の導体が帯状シート材で固定されたコイルの模式的断面図である。
【図6】 巻き付け工程を説明する模式的断面図である。
【図7】 巻き付け工程を説明する模式的断面図である。
【図8】 巻き付け工程を説明する模式的断面図である。
【図9】 従来の一般的な導体の巻き方を説明する模式図である。
【図10】 軸方向端部の導体が粘着テープで固定されたコイルの模式的断面図である。
1 樹脂モールドコイル
2 芯部
3 導体
3a 被膜
4 層間絶縁材
5 モールド材
9 空隙部
10 空隙部
11 熱硬化性樹脂
12 コイル
14 帯状シート材
16 固定用巻き付け部
31 モールド変圧器
32 鉄心
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