特開2015-211164(P2015-211164A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-211164ウエハマッピング装置およびそれを備えたロードポート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-211164(P2015-211164A)
(43)【公開日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】ウエハマッピング装置およびそれを備えたロードポート
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20151027BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-92924(P2014-92924)
(22)【出願日】2014年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏目 光夫
(72)【発明者】
【氏名】大沢 真弘
(72)【発明者】
【氏名】森鼻 俊光
(72)【発明者】
【氏名】落合 光敏
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA15
5F131CA24
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131GA03
5F131GA14
5F131HA28
5F131KA15
5F131KA16
5F131KA33
5F131KA34
5F131KA43
5F131KB33
5F131KB52
(57)【要約】
【課題】異なるサイズのウエハを処理するロードポートでも、ウエハマッピング装置を共用できるようにすることである。
【解決手段】光軸L1を左右の水平方向へ向けたマッピングセンサ5の投光部5aと受光部5b間の左右のスパンを、ロードポートに搬送される異なる寸法の容器のうちの小さい寸法のオープンカセット12の前面開口のスパンよりも狭く形成してマッピングデバイス4に取り付け、光軸L2を左右の水平方向へ向けた第1の飛び出しセンサ6を、マッピングセンサ5の移動方向前方へ離間させてマッピングデバイス4に取り付けるとともに、光軸をマッピングセンサ5の上下の移動方向へ向けた第2の飛び出しセンサ7を設けることにより、異なるサイズのウエハW1、W2を処理するロードポートでも、ウエハマッピング装置1を共用できるようにした。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードポートに搬送される異なる寸法の容器に収納された異なるサイズのウエハを共通にマッピングするウエハマッピング装置であって、
検出波の照射軸が左右の水平方向へ向けられ、左右のスパンが前記異なる寸法のうちの最も小さい寸法の容器の前面開口のスパンよりも狭く形成されて、前記容器の前面開口に挿入され、前記容器内で上下方向に移動して、前記容器に収納されたウエハを検出するマッピングセンサと、
前記マッピングセンサが取り付けられ、上下方向に移動するマッピングデバイスと、
検出波の照射軸が左右の水平方向へ向けられ、前記マッピングセンサの移動方向前方へ離間させて前記マッピングデバイスに取り付けられ、前記容器に収納されたウエハの飛び出しを検出する第1の飛び出しセンサと、
検出波の照射軸が前記マッピングセンサの上下の移動方向へ向けられ、前記容器に収納されたウエハの飛び出しを検出する第2の飛び出しセンサとを備えたウエハマッピング装置。
【請求項2】
前記第1の飛び出しセンサの前記マッピングセンサからの前記移動方向前方への離間距離を、前記マッピングデバイスの上下方向移動の制動距離以上とした請求項1に記載のウエハマッピング装置。
【請求項3】
前記第2の飛び出しセンサの照射軸を、前記容器の前面開口スパンの左右中央部で、前記第1の飛び出しセンサの照射軸よりも前記容器から後退した位置に設定した請求項1または2に記載のウエハマッピング装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のウエハマッピング装置を備えたロードポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードポートに搬送される容器に収納された半導体ウエハ(以下単にウエハという)を認識するウエハマッピング装置、およびそれを備えたロードポートに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造プロセスでは、その素材となるウエハを収納した容器を、クリーン環境とされた処理室の入口に設けられたロードポートに搬送し、ロードポートの扉を開けてロボット等により、容器に収納されたウエハを処理室内へ取り込むようにしている。ウエハは容器内に設けられた上下の棚に載置されて複数枚収納される。
【0003】
近年、半導体の生産量の増加に伴ってウエハの寸法が大きくなり、今後は直径450mmのウエハの使用も予定されている。現在汎用されている大寸法の直径300mmのウエハは、FOUP(Front Open Unified Pod)と呼ばれる密閉容器に収納されてロードポートに搬送され、密閉容器の前面開口が処理室への入口と密閉状態で接続されて、その蓋がロードポートの扉と一緒に開けられ、処理室内へ取り込まれる(例えば、特許文献1−3参照)。以前に多く用いられていた小寸法の例えば直径200mmのウエハは、オープンカセットと呼ばれる開放容器に収納されて搬送され、クリーンルーム中でロードポートから処理室内へ取り込まれることが多い(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
上述したFOUPやオープンカセット等の容器からウエハを処理室内へ取り込む際には、ウエハをロボット等で自動的に取り込むために、容器内のウエハの収納状態をマッピングして認識するウエハマッピング装置が用いられる。ウエハマッピング装置としては、マッピングセンサとして光軸を水平方向へ向けた透過型光センサを、マッピングアームやマッピングフレーム等の進退可能で上下方向に移動するマッピングデバイスの先端部に取り付け、マッピングデバイスを前進させてマッピングセンサを容器の前面開口に挿入したのち、容器内で上下方向へ移動させることにより、上下の棚に収納されたウエハを検出するタイプのものが用いられている。マッピングデバイスは、上下方向に直線移動する移動機構に取り付けられる。この直線移動機構として昇降するロードポートの扉を利用することもある。
【0005】
また、このようなウエハマッピング装置では、容器内で上下方向へ移動するマッピングセンサとウエハとの衝突を未然に防止するために、棚の奥側から前方へ飛び出すウエハを検出する飛び出しセンサが設けられている(例えば、特許文献1−4参照)。この飛び出しセンサとして、特許文献1に記載されたものは、ロードポートの扉の固定枠に光軸を上下方向へ向けた透過型光センサを取り付けている。また、特許文献2に記載されたものは、上下方向へ移動するマッピングフレームに光軸を上下方向へ向けた2組の透過型光センサを取り付け、特許文献4に記載されたものは、マッピングアームに光軸を水平方向へ向けた透過型光センサを取り付けている。さらに、特許文献3に記載されたものは、第1の飛び出しセンサとして、ロードポートの扉の固定枠に光軸を上下方向へ向けた透過型光センサを取り付けるとともに、第2の飛び出しセンサとして、マッピングアームに光軸を水平方向へ向けた透過型光センサを取り付けている。この第2の飛び出しセンサは、マッピングセンサとウエハとの衝突防止用ではなく、ロボット等で取り込まれるウエハの位置ずれを検出するための中間センサとされている。
【0006】
一方、近年多数を占めるFOUPに収納された直径300mmのウエハを処理するロードポートで、オープンカセットに収納された直径200mmのウエハも処理可能とすることが望まれている。このような要望に対して、200mmウエハ用のオープンカセットの外周を覆う密閉型のカセットアダプタを設け、このカセットアダプタを300mmウエハ用のロードポートに設置して、オープンカセットに収納された200mmウエハを密閉状態で処理室内へ取り込むようにしたものがある。すなわち、カセットアダプタと300mmウエハ用のFOUPとを、同じ位置で位置決めして処理室の入口と密閉状態で接続し、オープンカセットに収納された200mmウエハとFOUPに収納された300mmウエハを、共通のロボット等で処理室内へ取り込むようにしている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4246420号公報
【特許文献2】特許第4501755号公報
【特許文献3】特許第4866315号公報
【特許文献4】特許第4096213号公報
【特許文献5】特開2012−64827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献5に記載されたように、異なる寸法の容器に収納された異なるサイズのウエハを共通のロードポートで処理する際には、特許文献1−4に記載されたようなウエハマッピング装置を共通に設けようとすると、以下の問題がある。
【0009】
図5は、共通のロードポートに位置決めされる大小異なる寸法の容器C1、C2にそれぞれ収納される異なるサイズのウエハW1、W2を同一平面内に示す模式図である。各ウエハW1、W2の中央部先端位置は、共通のロボット等で取り込むために同じ位置に揃えられている。共通のウエハマッピング装置のマッピングセンサの左右のスパンS1は、小さい方の容器C2へも挿入可能とするために、容器C2の開口スパンS2よりも狭くする必要がある。このため、図からも分かるように、小さい方のウエハW2の周縁はマッピングセンサと十分に離れているが、大きい方のウエハW1の周縁はマッピングセンサとかなり接近することになる。したがって、大きい方のウエハW1は、上下方向に移動するマッピングセンサSと、わずかの飛び出し量で衝突する恐れがある。
【0010】
前記大きい方のウエハW1とマッピングセンサとの衝突は、ウエハW1が容器内でわずかに飛び出し、その中央部先端位置が容器C1の内側にある場合でも発生する恐れがある。このため、特許文献1、3に記載されたように、ロードポートの扉の固定枠に光軸を上下方向へ向けて取り付ける透過型光センサは、容器内でわずかに飛び出すウエハW1を検知できないので、飛び出しセンサとして用いることはできない。
【0011】
また、特許文献2、4に記載された飛び出しセンサのように、容器に挿入されるマッピングアームやマッピングフレームに取り付ける透過型光センサは、容器内で飛び出すウエハも検出できるが、容器内で上下方向に移動する飛び出しセンサ自体がわずかに飛び出すウエハと衝突する恐れがある。
【0012】
このため、特許文献1−4に記載されたような従来のウエハマッピング装置は、特許文献5に記載されたような異なるサイズのウエハを処理するロードポートでは共用することができない。なお、異なるサイズのウエハを処理するためには、それぞれの容器に適した複数のウエハマッピング装置を配設することが考えられるが、複数のウエハマッピング装置を配設する場合は、ロードポートの構成が複雑になるのみでなく、マッピングデバイスの駆動部も多くなるので、これらの駆動部から発生する摩耗粉等の異物によってクリーンな処理室が汚染されやすくなる。
【0013】
そこで、本発明の課題は、異なるサイズのウエハを処理するロードポートでも、ウエハマッピング装置を共用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は、ロードポートに搬送される異なる寸法の容器に収納された異なるサイズのウエハを共通にマッピングするウエハマッピング装置であって、検出波の照射軸が左右の水平方向へ向けられ、左右のスパンが前記異なる寸法のうちの最も小さい寸法の容器の前面開口のスパンよりも狭く形成されて、前記容器の前面開口に挿入され、前記容器内で上下方向に移動して、前記容器に収納されたウエハを検出するマッピングセンサと、前記マッピングセンサが取り付けられ、上下方向に移動するマッピングデバイスと、検出波の照射軸が左右の水平方向へ向けられ、前記マッピングセンサの移動方向前方へ離間させて前記マッピングデバイスに取り付けられ、前記容器に収納されたウエハの飛び出しを検出する第1の飛び出しセンサと、検出波の照射軸が前記マッピングセンサの上下の移動方向へ向けられ、前記容器に収納されたウエハの飛び出しを検出する第2の飛び出しセンサとを備えた構成を採用した。
【0015】
すなわち、検出波の照射軸を左右の水平方向へ向けたマッピングセンサの左右のスパンを、ロードポートに搬送される最も小さい寸法の容器の前面開口のスパンよりも狭く形成して、上下方向に移動するマッピングデバイスに取り付け、検出波の照射軸を左右の水平方向へ向けた第1の飛び出しセンサを、マッピングセンサの移動方向前方へ離間させてマッピングデバイスに取り付けるとともに、検出波の照射軸をマッピングセンサの上下の移動方向へ向けた第2の飛び出しセンサを設けることにより、マッピングセンサを最も小さい寸法の容器の前面開口へ挿入して、容器内で上下方向に移動可能とし、第1の飛び出しセンサによって、マッピングセンサと衝突の恐れのある飛び出したウエハを検出するとともに、第2の飛び出しセンサによって、マッピングセンサの前方で先行移動する第1の飛び出しセンサと衝突の恐れのある飛び出したウエハを検出するようにし、異なるサイズのウエハを処理するロードポートでも、ウエハとマッピングセンサや飛び出しセンサとの衝突を防止して、ウエハマッピング装置を共用できるようにした。また、このウエハマッピング装置は、単一のマッピングデバイスの駆動部が少ないので、処理室を汚染する摩耗粉等の発生も少ない。
【0016】
前記マッピングセンサや第1および第2の飛び出しセンサが照射する検出波としては、光波、電磁波、超音波等を用いることができる。
【0017】
前記第1の飛び出しセンサの前記マッピングセンサからの前記移動方向前方への離間距離を、前記マッピングデバイスの上下方向移動の制動距離以上とすることにより、マッピングセンサとウエハとの衝突を確実に防止することができる。
【0018】
前記第2の飛び出しセンサの照射軸を、前記容器の前面開口スパンの左右中央部で、前記第1の飛び出しセンサの照射軸よりも前記容器から後退した位置に設定することにより、第2の飛び出しセンサとウエハとの衝突を防止することができる。
【0019】
また、本発明は、上述したいずれかのウエハマッピング装置を備えたロードポートの構成も採用した。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るウエハマッピング装置は、検出波の照射軸を左右の水平方向へ向けたマッピングセンサの左右のスパンを、ロードポートに搬送される最も小さい寸法の容器の前面開口のスパンよりも狭く形成して、上下方向に移動するマッピングデバイスに取り付け、検出波の照射軸を左右の水平方向へ向けた第1の飛び出しセンサを、マッピングセンサの移動方向前方へ離間させてマッピングデバイスに取り付けるとともに、検出波の照射軸をマッピングセンサの上下の移動方向へ向けた第2の飛び出しセンサを設けたので、マッピングセンサを最も小さい寸法の容器の前面開口へ挿入して、容器内で上下方向に移動可能とし、第1の飛び出しセンサによって、マッピングセンサと衝突の恐れのある飛び出したウエハを検出するとともに、第2の飛び出しセンサによって、マッピングセンサの前方で先行移動する第1の飛び出しセンサと衝突の恐れのある飛び出したウエハを検出するようにし、異なるサイズのウエハを処理するロードポートでも、ウエハとマッピングセンサや飛び出しセンサとの衝突を防止して、ウエハマッピング装置を共用できるようにした。マッピングセンサが移動する前方で、第1の飛び出しセンサによって、マッピングセンサと衝突の恐れのある飛び出したウエハを検知するとともに、マッピングセンサの移動方向前方へ照射軸を向けたセンサとした第2の飛び出しセンサによって、マッピングセンサの前方で先行移動する第1の飛び出しセンサと衝突の恐れのある飛び出したウエハを検知するようにして、異なるサイズのウエハを処理するロードポートでも共用することができる。また、このウエハマッピング装置は、単一のマッピングデバイスの駆動部が少ないので、処理室を汚染する摩耗粉等の発生も少ない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係るウエハマッピング装置を備えたロードポートを示す縦断側面図
図2図1の横断平面図
図3図1の要部拡大側面図
図4図2の要部拡大平面図
図5】共通のロードポートで容器に収納される異なるサイズのウエハを同一平面内に示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1および図2は、本発明に係るウエハマッピング装置1を備えたロードポートを示す。このロードポートは、FOUP11に収納される直径300mmのウエハW1と、オープンカセット12に収納される直径200mmのウエハW2を共通に処理するものであり、クリーン環境とされた処理室21の遮蔽壁22に設けられた入口23の前に、搬送されて来るFOUP11やオープンカセット12を載置するテーブル24が設けられている。
【0023】
図1および図2は、オープンカセット12に収納された200mmのウエハW2を処理する場合を実線で示し、FOUP11と300mmのウエハW1は1点鎖線で示す。ウエハW1、W2はFOUP11やオープンカセット12の上下の棚11a、12aに複数枚収納される。オープンカセット12は、FOUP11と同じ大きさの前面開口を有する密閉型のカセットアダプタ(図示省略)に入れられてテーブル24に位置決めされ、処理室21の入口23の扉と一緒に蓋を取り外されたカセットアダプタの前面開口が、密閉状態で処理室21の入口23に接続されて、収納されたウエハW2がロボット(図示省略)によって処理室21内へ取り込まれる。FOUP11に収納された300mmのウエハW1を処理する場合も、同様の手順でFOUP11の前面開口が処理室21の入口23に接続され、収納されたウエハW1が共通のロボットによって処理室21内へ取り込まれる。
【0024】
前記処理室21の入口23には、FOUP11やオープンカセット12に収納されるウエハW1、W2をロボットで取り出す前に、これらのウエハW1、W2の収納状態をマッピングして認識するウエハマッピング装置1が配設されている。このウエハマッピング装置1は、ボールねじ2によって上下方向に直線移動し、エアシリンダ3によって前方へ傾動してFOUP11やオープンカセット12の前面開口に挿入されるマッピングデバイス4の先端部に、マッピングセンサ5と、第1の飛び出しセンサ6および第2の飛び出しセンサ7を取り付けたものである。
【0025】
図3および図4は、図1および図2の要部であるオープンカセット12の前面開口部とマッピングデバイス4の先端部の近傍を拡大して示す。300mmのウエハW1と200mmのウエハW2の中央部先端位置は、共通のロボットで取り込めるように同じ位置に揃えられている。
【0026】
前記マッピングセンサ5は、投光部5aと受光部5bを左右に備え、検出波の照射軸である光軸L1を左右の水平方向へ向けた透過型光センサとされており、小さい方の容器であるオープンカセット12に挿入できるように、投光部5aと受光部5b間のスパンが、オープンカセット12の前面開口の左右のスパン(210mm)よりも狭く形成されている。なお、FOUP11の前面開口の左右のスパン(365mm)はかなり広く、図4には表れていない。この実施形態では、マッピングセンサ5の投光部5aと受光部5b間のスパンは154mmに設定されている。このマッピングセンサ5の左右のスパンは、従来のオープンカセット用ウエハマッピング装置で採用されているスパン105mmと、オープンカセット12の前面開口のスパン210mmに余裕代を持たせた200mmとの間に設定するとよい。
【0027】
前記マッピングセンサ5は、上方から下方へ移動して、FOUP11やオープンカセット12の棚11a、12aに収納されたウエハW1、W2を認識するように検出する。
【0028】
前記第1の飛び出しセンサ6も、投光部6aと受光部6bを備え、光軸L2を左右の水平方向へ向けた透過型光センサとされ、マッピングセンサ5が移動する側の下方に、マッピングデバイス4を移動させるボールねじ2の制動距離以上に離間させて取り付けられている。第1の飛び出しセンサ6は、マッピングセンサ5よりも入口23側へ少し後退した位置に取り付けられ、その投光部6aと受光部6bがマッピングセンサ5の投光部5aと受光部5bと左右逆に配置され、光軸L2の向きがマッピングセンサ5の光軸L1と逆向きとされている。このようにマッピングセンサ5の光軸L1と第1の飛び出しセンサ6の光軸L2を互いに逆向きとすることにより、各受光部5b、6bに入る光の干渉を防止することができる。
【0029】
前記第1の飛び出しセンサ6は、マッピングセンサ5の移動方向前方を先行移動し、マッピングセンサ5と衝突する恐れのある飛び出したウエハW1、W2を検知する。第1の飛び出しセンサ6で飛び出したウエハW1、W2が検知されると、マッピングデバイス4を移動させるボールねじ2が停止される。
【0030】
前記第2の飛び出しセンサ7は、検出波の照射軸である光軸をマッピングセンサ5の移動方向である下方へ向けた反射型光センサとされ、オープンカセット12の前面開口の左右中央部で、第1の飛び出しセンサ6の光軸L2よりも入口23側へ後退した位置に取り付けられている。第2の飛び出しセンサ7は、第1の飛び出しセンサ6とほぼ同じ高さ位置に取り付けられ、その検出可能距離は、ボールねじ2の制動距離以上に設定されており、先行移動する第1の飛び出しセンサ6と衝突する恐れのある飛び出したウエハW1、W2を検知する。第2の飛び出しセンサ7で飛び出したウエハW1、W2が検知されたときもボールねじ2が停止される。
【0031】
図4に示したように、200mmのウエハW2の周縁はマッピングセンサ5と十分に離れているが、300mmのウエハW1の周縁はマッピングセンサ5とかなり接近している。このため、300mmのウエハW1をマッピングする際には、わずかの飛び出し量でマッピングセンサ4がウエハW1と衝突する。図4には、マッピングセンサ5と衝突の恐れのある飛び出し量6mmのウエハW16と、第1の飛び出しセンサ6と衝突の恐れのある飛び出し量14mmのウエハW114とを付記する。
【0032】
この実施形態では、第1の飛び出しセンサ6は、飛び出し量6mmのウエハW16以上に飛び出すウエハW1を検知できる前後方向位置に取り付けられている。また、第2の飛び出しセンサ7は、飛び出し量14mmのウエハW114以上に飛び出すウエハW1を検知できる前後方向位置に取り付けられている。したがって、第1の飛び出しセンサ6でマッピングセンサ5と衝突の恐れのあるウエハW1を検知するとともに、第2の飛び出しセンサ7で第1の飛び出しセンサ6と衝突の恐れのあるウエハW1を検知する。なお、図示は省略するが、200mmのウエハW2の場合は、マッピングセンサ5や第1の飛び出しセンサ6と衝突の恐れがある飛び出し量はもっと大きくなるが、同様に、第1の飛び出しセンサ6でマッピングセンサ5と衝突の恐れのあるウエハW2を検知し、第2の飛び出しセンサ7で第1の飛び出しセンサ6と衝突の恐れのあるウエハW2を検知する。
【0033】
上述した実施形態では、直径300mmと200mmの2つのサイズのウエハを共通に処理するものとしたが、本発明に係るロードポートで処理されるウエハのサイズは実施形態のものに限定されることはない。例えば、直径450mmと300mmのウエハを共通に処理する場合は、マッピングセンサの左右のスパンを、300mmFOUP用ウエハマッピング装置で採用されているスパン200mmと、300mmFOUPの前面開口のスパン365mmに余裕代を持たせた350mmとの間に設定するとよい。また、3つ以上のサイズのウエハを共通に処理することもでき、この場合は、マッピングセンサの左右の取り付けスパンを最も小さいサイズのウエハを収納する容器の前面開口のスパンよりも狭く形成すればよい。
【0034】
上述した実施形態では、マッピングセンサが下方へ移動するものとしたが、マッピングセンサは上方へ移動するものとすることもでき、この場合は、第1の飛び出しセンサをマッピングセンサの上方へ離間させて取り付け、第2の飛び出しセンサの光軸を上方に向ければよい。
【0035】
上述した実施形態では、第2の飛び出しセンサを、容器の前面開口の左右中央部で第1の飛び出しセンサとほぼ同じ高さ位置でマッピングデバイスに取り付けたが、第2の飛び出しセンサの高さ方向の取り付け位置は実施形態のものに限定されることはなく、第2の飛び出しセンサの検出可能距離が、第1の飛び出しセンサの移動方向前方まで届けばよい。また、左右方向の取り付け位置も中央部に限定されることはない。また、第2の飛び出しセンサは、ロードポートの扉の枠等に固定して取り付けることもできる。第2の飛び出しセンサをマッピングデバイスに取り付け、さらに、第3の飛び出しセンサをロードポートの扉の枠等に取り付けることもできる。
【0036】
上述した実施形態では、マッピングセンサと第1の飛び出しセンサを透過型の光センサとし、第2の飛び出しセンサを反射型の光センサとしたが、マッピングセンサと第1の飛び出しセンサは、一端側に投光部と受光部を配置し、他端側に反射ミラーを配置した反射型のものとすることもできる。また、第2の飛び出しセンサは、一端側に投光部を配置し、他端側に受光部を配置した透過型のものとすることもできる。さらに、これらの透過型と反射型のセンサは、電磁波や超音波等を検出波として照射するものとすることもできる。
【0037】
上述した実施形態では、上下方向に移動する専用のマッピングデバイスを設けたが、マッピングデバイスは、ウエハを取り込む搬送用ロボットを利用して上下方向に移動させてもよい。また、ロードポートと搬送用ロボットを備えたウエハ搬送システムであるEFEM(Equipment Front End Module)に組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0038】
W1、W2 ウエハ
1 ウエハマッピング装置
2 ボールねじ
3 エアシリンダ
4 マッピングデバイス
5 マッピングセンサ
6 第1の飛び出しセンサ
5a、6a 投光部
5b、6b 受光部
7 第2の飛び出しセンサ
11 FOUP
12 オープンカセット
12a 棚
21 処理室
22 遮蔽壁
23 入口
24 テーブル
図1
図2
図3
図4
図5