特開2015-211255(P2015-211255A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECエンジニアリング株式会社の特許一覧

特開2015-211255通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置
<>
  • 特開2015211255-通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置 図000003
  • 特開2015211255-通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置 図000004
  • 特開2015211255-通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置 図000005
  • 特開2015211255-通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置 図000006
  • 特開2015211255-通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-211255(P2015-211255A)
(43)【公開日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/26 20060101AFI20151027BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20151027BHJP
【FI】
   H04L12/26
   H04L12/70 100Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-89980(P2014-89980)
(22)【出願日】2014年4月24日
(71)【出願人】
【識別番号】303013763
【氏名又は名称】NECエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】山嵜 一哉
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA12
5K030HB06
5K030JA10
5K030MA01
5K030MC07
5K030MD07
(57)【要約】
【課題】通信区間の健全性を監視し、通信区間で発生した障害に関する情報を通知する。
【解決手段】複数のネットワーク機器及び/又は複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、ネットワーク機器からの障害情報と、モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報をオペレータに対して通知することにより、ネットワークシステム内の通信経路を管理する。また、複数のネットワーク機器及び/又は複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、保守や障害によって停止するネットワーク機器及び/又はリンク区間を設定し、停止の設定を示す設定情報と、モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知することにより、障害等による影響をシミュレーションする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理方法であって、
複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、
前記ネットワーク機器からの障害情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知することを特徴とする通信管理方法。
【請求項2】
前記影響情報は、前記障害によって影響を受ける通信区間と、該影響の内容を示すことを特徴とする請求項1に記載の通信管理方法。
【請求項3】
ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理方法であって、
複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、
保守や障害によって停止するネットワーク機器及び/又はリンク区間を設定し、
前記停止の設定を示す設定情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知することを特徴とする通信管理方法。
【請求項4】
ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理プログラムであって、
複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、
前記ネットワーク機器からの障害情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知する通信管理方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする通信管理プログラム。
【請求項5】
ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理方法であって、
複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、
保守や障害によって停止するネットワーク機器及び/又はリンク区間を設定し、
前記停止の設定を示す設定情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知する通信管理方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする通信管理プログラム。
【請求項6】
ネットワークシステム内の通信経路を管理する管理装置であって、
複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングする制御部と、
前記モデリングにより得られるモデリング情報を格納するデータベースと、
前記ネットワーク機器に対する障害による影響を示す影響情報を表示する表示部とを備え、
前記制御部は、前記複数のネットワーク機器から供給された前記障害を示す障害情報と、前記データベースに登録された前記モデリング情報とに基づき、前記障害情報が示す障害による影響を通知するための影響情報を生成し、前記表示部に対して表示させることを特徴とする管理装置。
【請求項7】
ネットワークシステム内の通信経路を管理する管理装置であって、
複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングする制御部と、
前記モデリングにより得られるモデリング情報を格納するデータベースと、
前記ネットワーク機器に対する障害による影響を示す影響情報を表示する表示部とを備え、
前記制御部は、オペレータによって設定された前記ネットワーク機器及び/又は前記リンク区間に対する障害を示す障害情報と、前記データベースに登録された前記モデリング情報とに基づき、前記障害情報が示す障害による影響を通知するための影響情報を生成し、前記表示部に対して表示させることを特徴とする管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置に関し、特に、障害が発生した場合の影響を通知する方法、プログラム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のIT(Information Technology)技術の発展によりネットワークの規模が増大し、ネットワークが複雑化している。そのため、最近では、負荷や通信経路での障害の発生等に応じて通信区間を適宜変更することにより、障害等が発生しても当該箇所を迂回して、通信が途絶しないようにする技術が用いられている。
【0003】
また、このような通信の途絶を防ぐため、ネットワーク中の通信経路を監視して異常な経路を特定し、通信経路を自動的に切り替える技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−222718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなネットワークを介して通信を行うシステムにおいては、上述のようにネットワークの通信経路が複雑化するため、E2E(End to End)通信区間の健全性を監視することが困難であるという問題があった。
【0006】
これは、障害を回避する場合やトラフィックの負荷を分散する場合等により、通信区間の経路が流動的に切り替わり、データが一定の経路を通過しないためである。
【0007】
また、E2E通信区間を疎通確認によって監視する場合、疎通確認のために通信帯域を使用することになると共に、対向する確認対象の機器が動作している必要があるためである。このとき、通信区間に途絶が発生すると、途絶原因となる箇所を把握することができない。
【0008】
さらに、ネットワーク機器やネットワーク機器同士を接続するリンク区間を保守停止する場合には、保守停止により影響を受けるE2E通信区間を抽出することが困難であるという問題があった。
【0009】
これは、保守停止により影響を受けるネットワークレイヤの特性と影響範囲とを特定すると共に、影響を受けるE2E通信区間を特定する必要があるためである。特に、保守停止による停止箇所が複数に及ぶ場合には、影響範囲を特定することがさらに困難になる。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、E2E通信区間の健全性を監視し、通信区間で発生した障害に関する情報を通知することが可能な通信管理方法、通信管理プログラム及び管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理方法であって、複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、前記ネットワーク機器からの障害情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理方法であって、複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、保守や障害によって停止するネットワーク機器及び/又はリンク区間を設定し、前記停止の設定を示す設定情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理プログラムであって、複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、前記ネットワーク機器からの障害情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知する通信管理方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、ネットワークシステム内の通信経路を管理する通信管理方法であって、複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングし、保守や障害によって停止するネットワーク機器及び/又はリンク区間を設定し、前記停止の設定を示す設定情報と、前記モデリングにより得られるモデリング情報とに基づき、障害による影響を示す影響情報を通知する通信管理方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする
【0015】
また、本発明は、ネットワークシステム内の通信経路を管理する管理装置であって、複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングする制御部と、前記モデリングにより得られるモデリング情報を格納するデータベースと、前記ネットワーク機器に対する障害による影響を示す影響情報を表示する表示部とを備え、前記制御部は、前記複数のネットワーク機器から供給された前記障害を示す障害情報と、前記データベースに登録された前記モデリング情報とに基づき、前記障害情報が示す障害による影響を通知するための影響情報を生成し、前記表示部に対して表示させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、ネットワークシステム内の通信経路を管理する管理装置であって、複数のネットワーク機器及び/又は該複数のネットワーク機器の接続により形成されるリンク区間からなるネットワークシステムをモデリングする制御部と、前記モデリングにより得られるモデリング情報を格納するデータベースと、前記ネットワーク機器に対する障害による影響を示す影響情報を表示する表示部とを備え、前記制御部は、オペレータによって設定された前記ネットワーク機器及び/又は前記リンク区間に対する障害を示す障害情報と、前記データベースに登録された前記モデリング情報とに基づき、前記障害情報が示す障害による影響を通知するための影響情報を生成し、前記表示部に対して表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、E2E通信区間の健全性を監視し、通信区間で発生した障害に関する情報を通知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る通信管理方法の適用対象となるネットワークシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】スイッチSW1が停止した場合について説明するための概略図である。
図3】ルータR5が停止した場合について説明するための概略図である。
図4】本発明に係る管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態によるシミュレーション画面について説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
この発明の第1の実施形態による通信管理方法は、ネットワークシステムを管理するものであり、当該ネットワークシステムにおけるE2E通信区間に設けられたネットワーク機器及びネットワーク機器間のリンク区間をモデリングし、これらを数珠つなぎのデータとして管理する。そして、E2E通信区間内で障害が発生した場合に、管理するモデリングデータに基づき、障害発生箇所と、発生した障害により影響を受けるE2E通信区間をオペレータに対して通知する。
【0021】
図1は、本発明に係る通信管理方法の適用対象となるネットワークシステムの構成の一例を示す。この例では、システム#1A及び#2Aとシステム#1B及び#2Bとの間に、ネットワーク機器としてスイッチSW1〜SW8及びルータR1〜R6が設けられる。そして、各々のネットワーク機器に設けられた複数のインターフェース(以下「IF」という。)を介して各ネットワーク機器が接続されることによってリンク区間が設けられる。
【0022】
具体的には、各ネットワーク機器が以下のように接続される。スイッチSW1のIF3とルータR1のIF1とが接続され、スイッチSW1のIF4とルータR2のIF1とが接続される。また、スイッチSW2のIF3とルータR1のIF2とが接続され、スイッチSW2のIF4とルータR2のIF2とが接続され、スイッチSW3のIF3とルータR1のIF3とが接続される。さらに、スイッチSW3のIF4とルータR2のIF3とが接続され、スイッチSW4のIF3とルータR1のIF4とが接続される。また、スイッチSW4のIF4とルータR2のIF4とが接続される。
【0023】
さらに、ルータR1のIF5とルータR5のIF1とが接続され、ルータR1のIF6とルータR2のIF5とが接続されると共に、ルータR2のIF6とルータR6のIF1とが接続される。さらにまた、ルータR5のIF2とルータR3のIF5とが接続され、ルータR6のIF2とルータR4のIF6とが接続される。
【0024】
また、ルータR3のIF1とスイッチSW5のIF1とが接続され、ルータR3のIF2とスイッチSW6のIF1とが接続され、ルータR3のIF3とスイッチSW7のIF1とが接続され、ルータR3のIF4とスイッチSW8のIF1とが接続され、ルータR3のIF6とルータR4のIF5とが接続される。
【0025】
さらに、ルータR4のIF1とスイッチSW5のIF2とが接続され、ルータR4のIF2とスイッチSW6のIF2とが接続され、ルータR4のIF3とスイッチSW7のIF2とが接続され、ルータR4のIF4とスイッチSW8のIF2とが接続される。
【0026】
図1(b)は、図1(a)に示すネットワークシステムをモデリングした図であり、E2E通信区間のネットワーク機器、及びネットワーク機器間のリンク区間をブロック毎に表示したものである。
【0027】
尚、スイッチSW1〜ルータR1の間、及びルータR3からスイッチSW5の間は、ネットワークレイヤL2の区間であり、その他はMPLS(Multi-Protocol Label Switching)網区間である。
【0028】
図1(b)に示すように、E2E通信区間において、横方向に連続的につながるブロックで形成されるものがデータの経路となり、縦方向にブロックが複数存在する場合には、経路が複数設定されることを示す。この例の場合、MPLS網区間においては、複数の経路(LSP(Label Switched Path)1及びLSP2)が設定されることがわかる。
【0029】
また、LSPにおいては、データ通信における一方向(上り)及び他方向(下り)を個別に設定する必要があり、この例では、上り及び下りのブロック列を直列的に表示している。
【0030】
次に、図1(a)に示すネットワークシステムにおいて、障害が発生した場合の通信区間の状態について、具体的な例を用いて説明する。
【0031】
図2は、スイッチSW1が停止した場合の障害判定イメージである。図2(b)に示すように、L2区間に設けられたスイッチSW1が停止した場合には、E2E通信区間に迂回経路を設定することができない。そのため、障害による影響として、E2E通信区間の「途絶」と判定する。
【0032】
図3は、ルータR5が停止した場合の障害判定イメージである。図3(b)に示すように、MPLS網区間に設けられたルータR5が停止した場合には、E2E通信区間に迂回経路を設定することができる。そのため、障害による影響として、E2E通信区間のパス経路の切り替わりによる「瞬断」と判定する。尚、この場合には、通信区間が完全に途絶しないため、通信を継続することができる。
【0033】
次に、障害が発生した場合の通信区間に対する影響の通知方法について説明する。本実施形態では、通信区間で障害が発生した場合に、このネットワークシステムを管理する管理装置に対して、障害発生による通信区間に対する影響が通知される。このような場合には、影響を受けるLSP、E2E通信区間、「途絶」や「瞬断」といった影響度が管理装置に表示される。
【0034】
図4に示すように、通知を受ける管理装置1は、大別して、制御部10、データベース(DB)11、通信部12、操作部13及び表示部14を備え、ネットワーク2に接続される。この管理装置1は、例えば、本実施形態を適用するネットワークシステムとは異なるネットワーク上に設けられ、外部から当該ネットワークシステムを管理する。尚、この例に限られず、例えば、当該ネットワークシステム内に設けてもよい。
【0035】
制御部10は、この管理装置1全体を制御する。制御部10は、後述する通信部12を介してネットワークシステム内の各ネットワーク機器に登録されたスタティック経路のトランジットノードに基づきMPLS網の経路を特定し、経路をモデリングしたモデリング情報を後述するデータベース11に登録する。
【0036】
また、制御部10は、ネットワークシステム内の各ネットワーク機器から供給された障害情報に基づき、データベース11に登録されたモデリング情報を参照し、障害発生によるE2E通信区間に対する影響判定処理を行う。そして、この影響判定処理により、障害の影響を受けるLSPやE2E通信区間、影響度等を示す影響情報を生成し、表示部14に供給する。
【0037】
データベース11は、制御部10でモデリングされたモデリング情報を格納する。通信部12は、制御部10による制御に基づき、ネットワークシステム内の各ネットワーク機器から供給される障害情報等の各種情報を制御部10に供給する。
【0038】
操作部13は、オペレータの操作に基づく操作情報を制御部10に供給する。表示部14は、障害情報や障害による影響を示す影響情報を表示し、オペレータに対して通知する。
【0039】
尚、この例では、障害発生による影響をオペレータに通知する方法として、表示部14による表示を用いたが、これに限られない。例えば、管理装置1に図示しない音声出力部を設け、ネットワークシステムにおいて障害が発生したことや、この障害による影響があることをブザー等の音声によって通知してもよい。
【0040】
以上のように、第1の実施形態によれば、ネットワークシステムのE2E通信区間で障害が発生した場合に、障害情報とデータベース11に登録されたモデリング情報とに基づき、障害発生による影響を判定する影響判定処理を行うため、障害とその影響を管理装置のオペレータに対して通知することができる。
【0041】
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態では、データベース11に登録されたモデリング情報を用いて、所定の箇所(ネットワーク機器及び/又はリンク区間)を保守停止する場合や、所定の箇所に障害が発生した場合の影響をシミュレーションして通知することができる。
【0042】
図5は、第2の実施形態によるシミュレーション画面の一例である。この画面には、保守や障害により停止する箇所を1つ又は複数設定し、この設定情報を表示する領域20と、領域20で設定された箇所に障害が発生した場合における、シミュレーション結果を表示する領域30及び40とが設けられる。
【0043】
領域30は、設定箇所に障害が発生した場合に影響を受けるLSPを表示し、領域40は、影響を受けるE2E通信区間を表示する。
【0044】
ここで、MPLS網区間内に複数のLSP経路が設定される場合、領域30には、各々の経路の優先度(プライオリティ)毎に影響を受ける経路が表示され、通常は、優先度の高い経路(Primary)が選択される。
【0045】
このとき、優先度を変更してシミュレーションしたい場合には、異なる優先度の経路(Secondary)を選択した状態でシミュレーションを再度実行することにより、選択された経路に基づく、E2E通信区間への影響が領域40に表示される。
【0046】
以上のように、第2の実施形態によれば、保守や障害によって停止する箇所を1つ又は複数設定することにより、予めデータベース11に登録されたモデリング情報に基づき、停止による影響を事前にシミュレーションすることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 管理装置
2 ネットワーク
10 制御部
11 データベース
12 通信部
13 操作部
14 表示部
20、30、40 領域
図1
図2
図3
図4
図5