【解決手段】位置ずれ検知部221が1番目のラインの画像から検出したパターンの位置と、位置ずれ検知部221が2番目以降の各ラインの画像から検出したパターンの位置とから求められるパターンの位置の変動量が閾値αを超えている場合に、停止制御部222は、CISセンサ206の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御する。
前記制御手段は、前記位置検出手段が1番目のラインの画像から検出した前記所定パターンの位置と、前記位置検出手段が2番目以降の各ラインの画像から検出した前記所定パターンの位置とから求められる前記所定パターンの位置の変動量が位置閾値を超え、かつ、前記速度検出手段が検出した搬送速度の変動量が速度閾値を超えている場合に、前記画像読取手段の読取動作を停止させるか、または、前記原稿の搬送を停止するよう前記原稿搬送手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
前記第1読取手段は前記画像読取装置の筐体に固定されており、前記第2読取手段は原稿の厚みに応じて移動するよう前記筐体に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
前記速度検出手段は、前記原稿の搬送に応じて前記原稿搬送手段が出力する信号の周期の変動量を前記搬送速度の変動量として検出することを特徴とする請求項3または8に記載の画像読取装置。
前記パターンは、前記画像読取手段による原稿の読取領域を挟んだ両側にそれぞれ少なくとも1つずつ配置されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像読取装置。
前記パターンは、原稿の搬送方向に対して傾きを持つ第一の線と、前記第一の線よりも前記搬送方向に対する傾きが小さい第二の線と含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置。
前記パターンは、前記画像読取手段に対向して設けられた背景板の長さ方向の端部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で説明する実施形態では、画像読取装置のイメージセンサの位置ずれを検知すると画像の読取を停止させることで、品質の低い画像の発生率を従来よりも削減する。
【0012】
〔実施例1〕
図1は、シート搬送装置を備えるシートフィード型の画像読取装置の概略断面図である。画像読取装置100では、原稿(シート)を積載する給紙トレイ2が筐体1Aに対してヒンジ部2aを介して開閉可能に支持されている。給紙トレイ2は、閉じた状態で原稿の給紙口18を覆い(
図1の破線)、開放された状態(
図1の実線)で積載面2bに原稿が積載される。センタリング機構2cは原稿を搬送路の中心線に対してセンタリングする機構であり、給紙トレイ2を閉じるときは、搬送路の中心線側に折りたたむことが可能である。
【0013】
給紙トレイ2に積載された複数枚の原稿は、フィードローラ4と分離パッド5とによって最も下の原稿から1枚ずつ搬送路に分離給送される。搬送路に給送された原稿は、搬送ローラ対6により下流側に搬送される。画像読取装置100は、シートセンサ3により原稿の先端が通過したことを検知し、原稿画像の読み取り開始の基準とする。さらに、読取センサ8により原稿の第一面(下側の面/表面)の画像が読み取られ、読取センサ9により原稿の第二面(上側の面/裏面)の画像が読み取られ、その後、搬送ローラ対7により排紙される。
【0014】
また、本実施例では、原稿を搬送する搬送手段の駆動手段として、低電力駆動を可能とするモータが用いられてもよい。たとえば、本実施例では、単一のDCモータが、上記のフィードローラ4、搬送ローラ対6および搬送ローラ対7などの回転体からなる搬送手段を同時駆動する。このように、DCモータは、回転体を回転駆動する駆動手段または原稿搬送手段の一例である。
【0015】
なお、図示しないが、このような画像読取装置の内部に設けられる電源部は、商用電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換する回路であってもよいし、ACアダプタにより実現されてもよいし、いわゆるUSBバスパワーによる電源回路であってもよい。たとえば、本実施例では、USBバスパワーにより電源部への電源供給を行うようにした。
【0016】
すなわち、本実施例の画像読取装置は、コンピュータ等の情報処理装置にUSBケーブルで接続し、この情報処理装置から電力の供給を受ける。このため、本実施例の画像読取装置の動力源は、情報処理装置の電力供給能力に依存する。
【0017】
ここで、本実施例の画像読取装置100は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置に接続され、読み取った画像は一時的にバッファメモリ(以下、バッファと称する。)に蓄え、このバッファから情報処理装置に順次送信するよう構成されている。
【0018】
また、本実施例の画像読取装置100は、読み取った画像によってバッファが満杯になると、バッファに余裕ができるまで画像の読み取りを中断するようになっている。すなわち、バッファが満杯になった場合には、原稿の搬送を一時的に停止する。なお、モータへの通電を停止しても慣性ないしは惰性によって原稿の搬送が一時的に搬送路の下流側に向かって継続されるが、このように原稿が下流側に向かって搬送されている状態では画像の読み取りは実質的に継続されることになる。そのため、画像の読取が中断しても、モータが正回転している限り、画像の不連続は発生しない。
【0019】
図2は、実施例1に係る原稿搬送および読取制御を行う制御ユニットを示したブロック図である。DCモータ201は、原稿を搬送する搬送手段を駆動するための駆動手段の一例である。DCモータ201は、駆動制御部202によって制御される。DCは直流の略称である。
【0020】
また、本実施例では、DCモータ201にエンコーダセンサ203が接続されている。具体的には、エンコーダセンサ203が、DCモータ201の回転軸に取り付けられており、DCモータ201の回転状態に応じたエンコーダパルスを生成し、駆動状態検知部204へ出力する機能を備えている。このように、エンコーダセンサ203は、フィードローラ4、搬送ローラ対6および搬送ローラ対7などの搬送手段を同時に駆動するDCモータ201の回転軸に取り付けられている。よって、エンコーダセンサ203が出力するエンコーダパルスには、DCモータ201を介して、フィードローラ4等の回転体の回転状態(回転方向および回転距離)が反映されている。
【0021】
図3は、エンコーダセンサ203の概略図である。DCモータ201の回転に同期してスリット板302が回転する。スリット板302に設けられたスリットがエンコーダ301の中の発光素子から受光素子の光路を遮断するか透過するかに連動して、エンコーダ301からエンコーダパルスが出力される。駆動状態検知部204は、このエンコーダパルスの周期および位相関係からDCモータ201の回転状態を検知する。すなわち、駆動状態検知部204は、上記のエンコーダセンサ203を用いて回転体の回転方向と回転距離とを検知する検知手段の一例である。
【0022】
図2において駆動状態検知部204は、エンコーダパルスから検知した回転方向や回転距離などの回転情報をTG205へ供給する。TGはタイミングジェネレータの略称である。回転距離は、たとえば、エンコーダパルスのパルス数に対応している。駆動状態検知部204は、エンコーダパルスのパルス数をカウントするカウンタを有している。
【0023】
TG205は、回転情報に基づいて一定の回転距離ごとにCISセンサ206へ1ライン読取開始タイミングパルスを送信する。つまり、1ライン読取開始タイミングパルスは、1ラインごとに出力されるタイミングパルスである。たとえば、TG205は、駆動状態検知部204から回転情報として供給されたパルス信号のパルスの数をカウントしてゆき、カウント値が所定のパルス数に到達すると、1ライン読取開始タイミングパルスを送信する。このように、TG205は、所定の回転距離ごとに1ラインの読み取り開始を示すタイミング信号を生成して画像読取手段に供給するタイミング信号生成手段の一例である。
【0024】
CISセンサ206は原稿の画像を読み取る読取センサであり、TG205から供給されたタイミングパルスに基づいて、搬送されてきた原稿を読み取ってゆく。なお、CISセンサ206は、画像読取手段の一例である。このように、CISセンサ206の読取動作は原稿の搬送動作に同期ないしは連動している。つまり、原稿の搬送動作が停止すればCISセンサ206の読取動作が停止し、原稿の搬送動作が実行されればCISセンサ206の読取動作が実行される。CISは、コンタクトイメージセンサの略称である。また、CISセンサ206は
図1に示した読取センサ8、9に相当する。つまり、CISセンサ206は、読取センサ8に対応したCISセンサと読取センサ9に対応したCISセンサとを有している。
【0025】
ここで、上述したように画像読取装置100は、CISセンサ206により読み取った画像をPC210に転送する。具体的には、CISセンサ206は、アナログ画像信号をアナログデータ処理部207へ出力する。アナログデータ処理部207は、光学的黒レベル補正や、信号振幅調整等を実行し、デジタル画像信号へ変換し、メモリ209に格納する。ここでは、原稿が搬送方向(副走査方向)に1ステップ進むごとに1ライン分の画像がメモリ209のラインバッファ領域に格納される。1ラインは主走査方向に配置された複数(数千個)の画素から構成されている。画像処理部208は、デジタル画像信号をメモリ209から読出して画像処理を実行し、PC210に転送する。CISセンサ206は、2ラインや3ラインなど複数ラインずつ原稿を読み取るセンサであってもよい。
【0026】
位置ずれ検知部221は、CISセンサ206による読取結果からCISセンサ206の位置ずれを検知するユニットである。つまり、位置ずれ検知部221は、画像読取手段が読み取った少なくとも1ライン分の画像からパターンの位置を検出する位置検出手段として機能する。停止制御部222は、CISセンサ206の位置ずれ量が許容範囲を超えると、原稿の搬送を停止するよう駆動制御部202に指示を送る。駆動制御部202がDCモータ201の駆動を停止することで、TG205からのタイミングパルスも停止するため、CISセンサ206の読取動作も停止する。なお、本実施例では、画像読取手段が位置検知手段の少なくとも一部を兼ねる構成で説明しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、画像読取手段とは別の光学的なセンサ等を設けて、画像読取手段(本実施例では読取センサ8、9)の少なくとも一部と一体的な構成部分に設けた所定パターンの位置を検出するようにしてもよい。ここで、所定パターンが設けられる位置は、たとえば、情報処理装置に対して出力される画像領域ではなく、非出力領域に対応する。ただし、情報処理装置で実行されるプログラムを用いて位置検知を行う場合には、画像読取装置で読み取った所定パターンを含む画像データを情報処理装置に出力するが、最終的に画像ファイルとして保存する場合には、所定パターンを含まない原稿領域(余白等を含めてもよい)を保存することになる。したがって、所定パターンがある位置検知のための処理領域は、いずれにしても、画像ファイルとしては非保存領域となる。
【0027】
本実施例では、読取センサ8、9とその周辺は
図4のように構成している。原稿の第一面の画像を読み取る読取センサ8は、原稿に向けて光を照射する光源401aと、光を受光する受光素子403aと、受光素子403aまで反射光を導くレンズアレイ402aとを有している。反射光は、光源401aからの照射光が原稿などで反射した光である。読取センサ8は、読取センサフレーム405aに収納された状態で筐体1Aに固定される。読取センサフレーム405aにはコンタクトガラス404aが取り付けられている。原稿が原稿読取部を通過するときにコンタクトガラス404aが原稿の進行を案内しつつ、光源401aからの照射光と原稿の第一面からの反射光を透過させる。コンタクトガラス404aの内側には背景板10を設けている。背景板10は読取センサ9に対向する位置に配置されており、読取センサ9によって原稿の第二面の画像を読み取るときの背景となる。
【0028】
原稿の第二面の画像を読み取る読取センサ9も読取センサ8と同様の構成をしている。読取センサ9は、原稿に向けて光を照射する光源401bと、光を受光する受光素子403bと、光源401bからの照射光のうち原稿などからの反射光を受光素子403bまで導くレンズアレイ402bとを有している。読取センサ9は、読取センサフレーム405bに収納された状態で筐体1Aに対して弾性体を介して設置される。読取センサ8は筐体1Aに固定されているため振動しにくいが、読取センサ9は筐体1Aに対して可動するため、相対的に振動しやすいといえる。読取センサフレーム405bにはコンタクトガラス404bが取り付けられている。原稿が原稿読取部を通過するときにコンタクトガラス404bが原稿の進行を案内しつつ、光源401bからの照射光と原稿の第二面からの反射光を透過させる。コンタクトガラス404bの内側には背景板11を設けている。背景板11は読取センサ8に対向する位置に配置されており、読取センサ8によって原稿の第一面の画像を読み取るときの背景となる。
【0029】
原稿の表面と読取センサ8との距離は常に一定であることが望ましい。この距離が変動すると原稿からの反射光の光量にムラが生じてしまうため、画像の明るさにもムラが生じ、画像品質が低下してしまう。そのため、コンタクトガラス404aとコンタクトガラス404bとの間隔(クリアランス)は極力小さくなるように設計される。しかし、間隔を小さくしすぎると薄い原稿が引っかかって搬送できない可能性もあるため、僅かだけ間隔を空けている。また、コンタクトガラス404aとコンタクトガラス404bの間隔よりも厚い原稿を搬送できるようにするために、第二面を読み取る読取センサフレーム405bのみ筐体1Aとの間に弾性体としてのバネ406を配置している。厚い原稿が搬送されるとき、原稿の搬送力により読取センサフレーム405bがバネ406の押圧力(付勢力)に逆らって上方向に押し上げられる。原稿が読取センサフレーム405bを抜けると、バネ406により読取センサフレーム405bが下方向に下がり、元の位置に戻る。このようにして画像読取装置100は多様な厚さの原稿に対応している。なお、バネ406と同等の機能を有したゴムや樹脂などの他の弾性体が採用されてもよい。
【0030】
読取センサフレーム405bを上下に引っかかりなく移動可能なように構成した場合、筐体1Aと読取センサフレーム405bとの間に僅かな隙間を設ける必要がある。この隙間により、読取センサフレーム405bは振動などによって隙間分だけ移動しうる。特に大きな振動が原稿の読取中に発生した場合、読取センサ9がずれた分だけ読取画像にも影響が及ぶ。
【0031】
そこで、本実施例では、背景板10、11の原稿読取幅の外側に位置ずれ検出用のパターンを設け、読取センサ8、9が原稿と一緒にパターンも読み取れるようにする。位置ずれ検知部221は原稿読取中に読み取ったパターンの位置に基づきパターンの位置ずれを検知する。パターンの位置ずれは、それを読み取った読取センサの位置ずれを示している。位置ずれ検知部221は、読取センサ8、9で読み取ったパターンの位置と規定位置を比較することで、位置ずれ量を求めることができる。規定位置とは、読取センサ8、9の位置ずれが発生していないときに読取センサ8、9が読み取ったパターンの位置をいう。
【0032】
図5は、画像読取装置100を上から見たときの背景板10、11の配置を示す平面図である。Xは原稿の搬送方向を示している。背景板10、11の長手方向の両端(左端と右端)に位置ずれ検知用のパターンを設ける。パターンは、たとえば、搬送方向Xに対して傾きを持った1本または複数本の斜線であってもよい。背景板10にはパターン12として斜線12a、12bが設けられている。背景板11にはパターン13として斜線13a、13bが設けられている。本実施例では搬送方向Xに対して45度の傾きを持たせている。斜線の角度は45度ではなくてもよく、搬送方向Xに対して傾いていればよい。斜線に割ける領域が狭ければ、搬送方向Xに対する角度を小さくしてもよい。背景板11および斜線13a、13bは原稿の第一面を読み取る読取センサ8で読み取られる。背景板10および斜線12a、12bは原稿の第二面を読み取る読取センサ9で読み取られる。
図5では斜線13a、13bは背景板11の下側に設けているため点線で記載しているが、実際は斜線12a、12bと同様の実線である。
【0033】
図5ではパターンとして両面の背景板10、11ともに左右の両側に斜線を設けているが、
図6のように両面ともに左右のどちらか一方のみにパターンを設けてもよい。
図6では、原稿の第一面とともに読み取られるパターン13は左側、原稿の第二面とともに読み取られるパターン12は右側に配置されている。第一面および第二面ともに主走査方向Yにおける原稿読取幅W1a、W2aの配置位置は同じである。つまり、第一面の原稿読取幅W1aの左端と第二面の原稿読取幅W2aの左端とが一致しているとともに、第一面の原稿読取幅W1aの右端と第二面の原稿読取幅W2aの右端とが一致している。しかし、第一面および第二面の読取可能幅W1b、W2bの位置は異なる(オフセット配置)。このようなオフセット配置を採用することで、読取センサ8、9の読取可能幅W1a、W2aのうちパターン12、13を読み取るための原稿読取領域外の範囲を少なくでき、原稿読取幅W1a、W2aを広くすることができる。
【0034】
なお、原稿読取幅W1a、W2aは、A4サイズを最大読取サイズとして規定される画像読取装置であれば、210mmである。上述したようにセンタリング機構によって原稿は搬送路の中央を搬送される。よって、原稿読取幅W1a、W2aの中心と搬送路の中心とは、設計上、一致している。また、原稿読取領域外は、原稿によって遮蔽されない領域であり、斜線12a、12b、13a、13bを配置するのに適している。
【0035】
ここでは
図5の構成について、パターン12、13の位置ずれ量を検知する方法を述べる。ここでは第二面読取の場合について
図7(A)ないし
図7(C)を用いて説明する。
図7(A)は読取センサ9で得られる1ライン分の画像である。原稿読取領域では、原稿が通過中であれば原稿が読み取られ、原稿が通過していなければ背景板10が読み取られる。原稿読取領域外では、原稿の有無にかかわらず、読取センサ9が背景板10と背景板10に設けているパターン12とを読み取る。パターン12は斜線であるので、
図7(A)が示すように1ライン分の画像の左右それぞれに黒色の領域が1か所ずつ発生する。位置ずれ検知部221は、パターン12の斜線位置として、黒色の領域の複数の画素のうち中心に位置する画素を斜線位置とする。
図7(A)によれば左側のパターン12aは3画素分の黒色画素に相当する。このように黒色画素の数が奇数個であれば、位置ずれ検知部221は、真ん中の画素を斜線位置と判別する。また、右側のパターン12bは2画素分の黒色画素に相当する。位置ずれ検知部221は、黒色画素の数が偶数の場合に複数の黒色画素のうち中心に位置する2個の画素を判別し、さらに2個の画素のうち左側の画素を斜線位置と判別する。
【0036】
原稿読取中に振動などで読取センサ9が移動してしまった場合、斜線位置は
図7(A)の初期位置から左右いずれかに移動する。たとえば、読取センサ9が搬送方向Xに移動してしまった場合、
図7(B)が示すように、左側のパターン12aの斜線に対応した黒画素は右方向へ、右側のパターン12bの斜線に対応した黒画素は左方向へ移動する。
【0037】
読取センサ9が左端を軸にして時計回りに水平回転してしまった場合、
図7(C)のように、左側のパターンの斜線12aの位置は変化せず、右側のパターンの斜線12bの位置のみ右方向へ移動する。これは、斜線12aは回転中心に近く、斜線12bは回転中心から遠いからである。なお、実施形態では、XY平面が水平面と平行になっているものと仮定している。このようにして、読取センサ9の位置が一方向に移動したときだけでなく、回転したときも、位置ずれ検知部221は、パターン12の斜線位置が移動したことを検知できる。
【0038】
図5、
図6および
図7ではパターン12、13を構成する斜線の本数を1本としたが、斜線を2本以上にするとより精度良く位置ずれを検知できる場合がある。
図5、
図6のパターン12の斜線を2本にした場合の一例を
図8に示す。
図8では、パターン12は搬送方向Xに対して45度傾いた斜線12b1と、搬送方向Xにほぼ平行な斜線12b2といった2本の直線から構成されている。なお、斜線12b2は、搬送方向Xと完全に平行であってもよく、そのような場合も、便宜上、斜線と呼ぶことにする。パターン13もパターン12と同様に2本の線から構成されてもよい。もちろん、パターン12を構成する斜線の本数とパターン13を構成する斜線の本数が異なってもよい。なお、パターン12、13は1本または複数本の線でなくともよい。つまり、パターン12、13は、読取センサ8、9の位置ずれを検知できるような幾何学図形であれば、どのような形状でも構わない。
【0039】
このように、位置ずれ検知用のパターンは、読取センサ8、9による原稿の読取領域を挟んだ両側にそれぞれ少なくとも1つずつ配置されうる。また、
図8に示したように、位置ずれ検知用のパターンは、原稿の搬送方向に対して傾きを持つ第一の線である斜線12b1と、第一の線よりも搬送方向に対する傾きが小さい第二の線である斜線12b2とを含んでいてもよい。複数の線を用いる場合は、複数の線に対応した黒画素の重心をパターン位置として算出すればよい。
【0040】
以下では、画像読取装置100で原稿を搬送しながら読取センサ8、9の位置ずれを検知したときに原稿の搬送を停止させることで原稿の読取を停止させる制御方法を
図9のフローチャートを元に説明する。ここでは1枚の原稿を搬送し、片面の画像を読み取るときのフローについて説明するが、複数枚の原稿を1枚ずつ順次搬送するときや両面の画像を読み取るときも同様のフローを個別に実施することとなる。
【0041】
S101で、駆動制御部202は、PC210から原稿の読取命令を受信すると、DCモータ201を起動し、原稿の搬送を開始する。これにより、DCモータ201は、フィードローラ4、搬送ローラ対6、7を、原稿を搬送する方向に回転させる。給紙トレイに積載されている原稿はフィードローラ4の回転により1枚ずつ搬送され、搬送ローラ対6を通過し、シートセンサ3に向かう。
【0042】
S102で、駆動状態検知部204は原稿の先端が読取センサ8の読み取り位置に到達したかどうかを判定する。たとえば、駆動状態検知部204はシートセンサ3の検知結果に基づき、原稿先端がシートセンサ3の検知位置に到達したことを認識し、パルスをカウントするカウンタをスタートさせる。カウンタは、エンコーダセンサ203からパルスが出力されるたびに1つずつカウントアップする。原稿の先端が読取センサ8の読み取り位置に到達したことを示す所定値にカウント値が達すると、駆動状態検知部204は原稿の先端が読取センサ8の読み取り位置に到達したと判定する。原稿の先端が読取センサ8の読み取り位置に到達したことは、TG205に通知される。
【0043】
S103で、TG205は、駆動状態検知部204から受け取った回転情報(エンコーダセンサ203のパルスそのものであってもよい)を元に1ライン読取のタイミングを決定する。つまり、TG205は、駆動状態検知部204から回転情報として供給されたパルス信号のパルスの数をカウントしてゆき、カウント値が所定のパルス数に到達すると、1ライン読取開始タイミングパルスを送信する。このように、エンコーダセンサ203のパルス出力に基づいて読取タイミングを決定することで、DCモータ201にかかる負荷が変動して原稿の搬送速度に変動が生じても、原稿搬送方向に原稿が一定距離すすむ毎に原稿を読み取ることができる。
【0044】
S104で、読取センサ8に相当するCISセンサ206は、1ライン読取開始タイミングパルスにしたがって原稿の1ラインを読み取る。1ライン分の画像は、アナログデータ処理部207を経てメモリ209に一時的に格納される。
【0045】
S105で、位置ずれ検知部221は、その読み取った1ライン分の画像の中からパターン位置を検知する。
図7(A)に示したように、まずは左側のパターン位置を検出する。
【0046】
S106で、位置ずれ検知部221は、右側のパターン位置も検出する。なお、
図6に示したようなパターン13が採用される場合は、右側のパターンに関連するS106、S114は省略される。
【0047】
S107で、位置ずれ検知部221は、処理対象のラインが原稿の1ライン目かどうかを判定する。位置ずれ検知部221は、ライン数をカウントするカウンタを有しているものとする。処理対象のラインが1番目のラインであれば、S108に進む。
【0048】
S108で、位置ずれ検知部221は、1番目のラインにおいて検知されたパターン位置(画素の番号)を内部のメモリに保持する。1番目のラインにおいて検知されたパターン位置を保持するのは、このパターン位置を基準位置として設定して位置ずれを検知するためである。なお、基準位置を工場出荷時に予め決定しておいてメモリ209内のROMに保存しておいてもよい。
【0049】
S109で、駆動状態検知部204は、原稿の後端が読取位置に来ているかどうかを判定する。この判定は、シートセンサ3を原稿の後端が通過してからエンコーダセンサ203が出力したパルスの数が所定値になっているかどうかに基づいて判定される。原稿後端が読取位置にまだ到達していなければ次のラインを読み取るために、S103に戻る。
【0050】
一方で、S107で、処理対象のラインが原稿の2番目以降のラインであると判定されると、S112に進む。S112で、位置ずれ検知部221は、処理対象ラインのパターン位置を基準位置と比較し、位置ずれが生じているか否かを判定する。たとえば、位置ずれ検知部221は、処理対象ラインにおける左側のパターン位置と左側の基準位置との差が閾値α以下であれば位置ずれ無しと判定し、S113に進む。一方で、位置ずれ検知部221は、処理対象ラインにおける左側のパターン位置と左側の基準位置との差が閾値αを超えていれば位置ずれ有りと判定し、S114に進む。なお、閾値αは、原稿からの読取画像に読取センサ8の位置ずれの影響が反映されて、読取品質が低下する否かの観点から予め決定される。つまり、読取品質がほとんど低下しない程度の位置ずれは許容される。
【0051】
S114で、位置ずれ検知部221は有意な位置ずれが発生したことを示す停止信号を停止制御部222に対して出力する。停止制御部222は、位置ずれ検知部221からの停止信号に基づき駆動制御部202を停止させ、DCモータ201を停止させる。これにより、原稿の搬送動作が停止する。位置ずれ検知部221は、読取異常または搬送異常が発生したことをPC210に通知したり、不図示の表示部に表示したりすることで、ユーザに認識させる。
【0052】
S112で、左側のパターンに位置ずれが発生していないと判定されると、S113に進む。S113で、位置ずれ検知部221は、処理対象ラインにおける右側のパターン位置と右側の基準位置との差が閾値α以下であれば有意な位置ずれが無いと判定し、S109に進む。一方で、位置ずれ検知部221は、処理対象ラインにおける右側のパターン位置と左側の基準位置との差が閾値αを超えていれば位置ずれ有りと判定し、S114に進む。
【0053】
S109で原稿の後端が読取位置に来ていると判定されると、S110に進む。S110で、駆動制御部202は、原稿が画像読取装置100の外部に排出されるまで待機する。原稿が排出されたかどうかの判定は、シートセンサ3を原稿後端が通過してからエンコーダセンサ203が出力したパルスの数が所定数になったかどうかに基づいて実行されてもよい。原稿が排出されるとS111に進む。
【0054】
S111で、駆動制御部202は、DCモータ201の駆動を停止して原稿の搬送を停止する。
【0055】
実施例1によれば、画像読取装置100の読取センサの位置ずれを検知すると画像の読取を停止させることで、品質の低い画像の発生率を従来よりも削減することが可能となる。つまり、振動などによって読取センサに位置ずれが生じても画像の品質低下を防止できるだろう。具体的には、位置ずれ検知部221が1番目のラインの画像から検出したパターンの位置と、位置ずれ検知部221が2番目以降の各ラインの画像から検出したパターンの位置とから求められるパターンの位置の変動量が閾値αを超えている場合に、停止制御部222は、CISセンサ206の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御してもよい。
【0056】
図9では読取センサ8について説明したが、
図9に示した処理は読取センサ9について適用されてもよい。これは、片面読取を読取センサ9により実行するときにとりわけ有効であろう。さらに、両面読取の際には、読取センサ8と読取センサ9の双方に
図9に示した処理を適用し、少なくとも一方の読取センサにおいて有意な位置ずれが発生したときは、原稿の読取を停止させてもよい。このように、位置ずれ検知部221は、読取センサ8が読み取った少なくとも1ライン分の画像から第1パターンの位置を検出するととともに、読取センサ9が読み取った少なくとも1ライン分の画像から第2パターンの位置を検出するように構成されてもよい。さらに、位置ずれ検知部221は、位置ずれ検知部221が第一面についての1番目のラインの画像から検出した第1パターンの位置と、位置ずれ検知部221が第一面についての2番目以降の各ラインの画像から検出した第1パターンの位置とから求められる第1パターンの位置の変動量が第1閾値を超えている場合、または、位置ずれ検知部221が第二面についての1番目のラインの画像から検出した第2パターンの位置と、位置ずれ検知部221が第二面についての2番目以降の各ラインの画像から検出した第2パターンの位置とから求められる第2パターンの位置の変動量が第2閾値を超えている場合に、読取センサ8、9の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御してもよい。また、停止制御部222は、位置ずれ検知部221により検出された第1パターンの位置と第2パターンの位置とに基づき読取センサ8、9の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御してもよい。
【0057】
図5を用いて説明したように、位置ずれ検知用の所定パターンとしては、読取センサ8で読み取ることができ、かつ、原稿によって遮蔽されない位置(原稿領域とその余白領域から更に外側の領域)に設置された第1パターン13a、13bが設けられる。また、読取センサ9で読み取ることができ、かつ、原稿によって遮蔽されない位置(原稿領域とその余白領域から更に外側の領域)に設置された第2パターン12a、12bが設けられる。実施例1によれば、背景板10、11の両端にこれらの所定パターンが配置されている。つまり、所定パターンは、読取センサ8、9それぞれに対向して設けられた背景板10、11の長さ方向の端部に設けられてもよい。これは、原稿のセンタリング機構によって原稿が搬送路の中央付近を通過することで、搬送路の端部付近は原則として原稿が通過しないからである。
【0058】
図4に示したように、背景板10、11を読取センサ8、9に設けてもよい。読取センサ8は、読取センサ9に設けられた背景板11を読み取り、読取センサ9、読取センサ8に設けられた背景板10を読み取る。これにより、画像読取装置100の小型化を図りつつ、読取センサ8、9の位置ずれを精度よく検知できるようになろう。
【0059】
図7(A)ないし
図7(C)を用いて説明したように、背景板10、11の両端にこれらのパターンを配置することで、読取センサの搬送方向への位置ずれだけでなく、水平回転に起因した位置ずれも検知できるようになる。たとえば、位置ずれ検知部221は、左右のパターン位置がともに内側または外側に画素分だけずれたときは、副走査方向のみにずれが生じたと判定できる。また、位置ずれ検知部221は、左右のパターン位置がともに同じ方向(右方向または左方向)に同じ画素分だけずれたときは、主走査方向のみにずれが生じたと判定できる。主走査方向のみの位置ずれが発生した場合、画像処理部208は、各ラインにおける位置ずれ量に応じて画素の位置をシフトすることで画像を補正してもよい。たとえば、あるラインにおいて右方向に2画素の位置ずれが発生していときは、各画素を左方向に2画素シフトする。なお、左端の2つの画素は削除される。また、右端の2つの画素は不足するため、隣接ラインの画素の輝度値に基づいて補間により作成されてもよい。このように、画像処理部208は、位置ずれ検知部221により検出された所定パターンの位置に基づき画像の位置ずれを補正する補正手段として機能する。停止制御部222は、所定パターンの位置ずれ方向が主走査方向であれば、画像処理部208により画像の位置ずれを補正させ、所定パターンの位置ずれ方向が主走査方向以外の方向であれば読取センサ8、9の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御することになる。
【0060】
図4を用いて説明したように、読取センサ8は画像読取装置の筐体1Aに固定されており、読取センサ9は原稿の厚みに応じて移動するよう筐体1Aに取り付けられていてもよい。この場合、様々な厚みの原稿を読取可能となる反面、読取センサ9には位置ずれが発生しやすくなる。よって、読取センサ9に関しては実施例1や後述する実施例2を適用する価値が高い。
【0061】
〔実施例2〕
実施例2では実施例1と共通の構成については説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。実施例1では、読取センサの位置ずれに応じて読取動作を停止させることを特徴としていた。一方、実施例2では、所定パターンの位置のずれとともに原稿の搬送速度の変動が生じたときに、読取動作(原稿搬送動作)を停止させることに特徴がある。なお、原稿の搬送速度の変動は、エンコーダセンサ203からのパルス出力の間隔を計時することで把握できる。
【0062】
図10は、実施例2に係る原稿搬送および読取制御を行う制御ユニットを示したブロック図である。周期検知部1001は、原稿の搬送速度を検出する速度検出手段として機能する。ここでは、原稿の搬送速度を示すパラメータとして、n−1番目のラインについての読み取りタイミングから、n番目のラインについての読み取りタイミングの時間差を計時する。また、この時間差を1ライン周期と呼ぶことにする。変動検知部1002は、原稿速度の変動量が速度閾値βを超えると、有意な速度変動が発生したことを示す信号を停止制御部222に送信する。たとえば、n−2番目のラインとn−1番目のラインとから求められた1ライン周期Tn−1と、n−1番目のラインとn番目のラインとから求められた1ライン周期Tnとの差分ΔTが閾値Tβをこえていれば、変動検知部1002は、有意な速度変動が発生したと判定し、停止信号を停止制御部222に送信する。停止制御部222は、位置ずれ検知部221と変動検知部1002との双方から停止信号が入力されているかどうかを判定する。位置ずれ検知部221と変動検知部1002との双方から停止信号が入力されていれば、停止制御部222は、駆動制御部202にDCモータ201の停止を指示する。その結果、原稿の搬送動作が停止し、原稿の読取動作が停止する。
【0063】
実施例2の制御方法を
図11のフローチャートを元に説明する。
図11では、実施例1のフローチャート(
図9)と同様の処理については同じ符号を付している。ここでは実施例2に特有の制御について説明する。
【0064】
S107で、処理対象ラインが2番目以降のラインであること判明すると、S201に進む。S201で、周期検知部1001は、前回の1ライン読取タイミングから今回の1ライン読取タイミングまでの時間差である1ライン周期を計算する。1ライン周期は、エンコーダセンサ203から出力されるパルスに基づき算出されてもよいし、TG205が読み取りタイミングパルスを出力したときに計時カウンタで計時を開始し、次の読み取りタイミングパルスを出力したときのカウンタ値から1ライン周期を求めてもよい。次にS112進む。左側のパターンに位置ずれが発生していれば、S202に進む。S202で、変動検知部1002は、搬送速度の変動量が速度閾値ΔTを超えているかどうかを判定する。たとえば、変動検知部1002は、前回の1ライン周期と今回の1ライン周期との差を計算し、その差が閾値βを超えているかどうかを判定してもよい。位置ずれの発生とともに有意な速度変動が発生していれば、S114に進み、原稿の搬送が停止される。
【0065】
S113において、右側のパターンに位置ずれが発生していれば、S203に進む。S203で、変動検知部1002は、搬送速度の変動量が速度閾値ΔTを超えているかどうかを判定する。たとえば、変動検知部1002は、前回の1ライン周期と今回の1ライン周期との差を計算し、その差が閾値βを超えているかどうかを判定してもよい。位置ずれの発生とともに有意な速度変動が発生していれば、S114に進み、原稿の搬送が停止される。
【0066】
実施例2によれば、位置ずれ検知部221により検出された位置と周期検知部1001が検出した搬送速度とに基づき読取センサ8、9の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御する。これにより、品質の低下した画像の発生率を削減できるようになる。とりわけ、原稿の搬送速度に影響を与えるような振動を検知することが可能となり、そのような振動がもたらす品質の低下を抑制できるようになる。なお、周期検知部1001は、原稿の搬送に応じてDCモータ201(エンコーダセンサ203)が出力する信号の周期の変動量を搬送速度の変動量として検出することができる。
【0067】
また、位置ずれ検知部221が1番目のラインの画像から検出した所定パターンの位置と、位置ずれ検知部221が2番目以降の各ラインの画像から検出した所定パターンの位置とから求められる所定パターンの位置の変動量が位置閾値αを超え、かつ、周期検知部1001が検出した搬送速度の変動量が速度閾値βを超えている場合に、読取センサ8、9の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御してもよい。
【0068】
実施例2は、両面読取を実行する際にも適用可能である。位置ずれ検知部221が第一面についての1番目のラインの画像から検出した第1パターンの位置と、位置ずれ検知部221が第一面についての2番目以降の各ラインの画像から検出した第1パターンの位置とから求められる第1パターンの位置の変動量が第1閾値を超えた場合、または、位置ずれ検知部221が第二面についての1番目のラインの画像から検出した第2パターンの位置と、位置ずれ検知部221が第二面についての2番目以降の各ラインの画像から検出した第2パターンの位置とから求められる第2パターンの位置の変動量が第2閾値を超えた場合において、さらに、周期検知部1001が検出した搬送速度の変動量が速度閾値を超えている場合に、停止制御部222は、読取センサ8、9の読取動作を停止させるか、または、原稿の搬送を停止するようDCモータ201を制御する。このように、読取センサ8、9の少なくとも一方に位置ずれが発生し、かつ、速度変動が発生した場合には、搬送動作が停止され、または、読取動作が停止される。
【0069】
実施例1、2では原稿の搬送を停止させることで、読取センサ8、9の読取動作を停止させている。しかし、原稿の搬送を継続しつつ、読取センサ8、9の読取動作だけを停止してもよい。停止制御部222は、DCモータ201を停止させずに、TG205に読み取タイミングパルスの発生を停止させるための信号を送出する。これにより、CISセンサ206は読取動作を停止する。このように、原稿搬送動作と読取動作とのいずれか一方が停止されうる。