特開2015-211712(P2015-211712A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-211712(P2015-211712A)
(43)【公開日】2015年11月26日
(54)【発明の名称】椅子型マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20151030BHJP
【FI】
   A61H7/00 323H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-94639(P2014-94639)
(22)【出願日】2014年5月1日
(71)【出願人】
【識別番号】592009214
【氏名又は名称】大東電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】清水 新策
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AA10
4C100AD12
4C100AD21
4C100BB03
4C100CA06
4C100DA05
(57)【要約】
【課題】背もたれ部の高さが低い椅子の形式であっても、使用者をリラックスした姿勢にすることができると共に、十分なマッサージ効果を与えることができる椅子型マッサージ機を提供する。
【解決手段】本発明の椅子型マッサージ機1は、座部2と、座部2を床面F上で支持する基礎フレーム8と、座部2の後部に配備されて使用者の背部を支持可能に設けられた背もたれ部3と、背もたれ部3に内蔵され且つ座部2に着座した使用者に対してマッサージ動作を行うマッサージ部5と、を有する椅子型マッサージ機1において、背もたれ部3の下側が座部2より下方に収容された収容位置と、背もたれ部3の下側が上方に移動した突出位置と、突出位置に移動した背もたれ部3が後方にリクライニングするリクライニング位置との間で、背もたれ部3の高さを上下方向に切り替え自在に調整する昇降手段13が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、前記座部を床面上で支持する基礎フレームと、前記座部の後部に配備されて使用者の背部を支持可能に設けられた背もたれ部と、前記背もたれ部に内蔵され且つ座部に着座した使用者に対してマッサージ動作を行うマッサージ部と、を有する椅子型マッサージ機において、
前記背もたれ部の下側が座部より下方に収容された収容位置と、背もたれ部の下側が上方に移動した突出位置と、前記突出位置に移動した背もたれ部が後方にリクライニングするリクライニング位置との間で、前記背もたれ部の高さを上下方向に切り替え自在に調整する昇降手段が設けられている
ことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
前記昇降手段は、前記背もたれ部を収容位置と突出位置との間で上下方向に移動させ、且つ前記背もたれ部を突出位置とリクライニング位置との間で前後方向に揺動させる構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項3】
前記昇降手段は、
前記基礎フレームに対して上下方向に沿って配備され、且つ上下方向に長溝が形成されている案内レールと、
一端側が前記案内レールに形成された長溝に摺動自在に嵌り込んでいると共に、他端側が背もたれ部の下端部に連結されている長尺の昇降リンク部材と、
前記昇降リンク部材に連結されている揺動リンク部材とを有し、
前記揺動リンク部材は、先端側が前記昇降リンク部材の一端側に回動自在に連結されていると共に、基端側が前記基礎フレーム後側の上下方向の略中間部に左右方向軸心回りに揺動自在に枢支され、且つ当該基礎フレームの斜め上方を向く位置まで揺動可能とされている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
前記昇降リンク部材の一端側は、二股に分岐されており、
一方の分岐片が、前記案内レールに形成された長溝に摺動自在に嵌り込んでいると共に、他方の分岐片が、前記揺動リンク部材の先端側に回動自在に連結されている
ことを特徴とする請求項3に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
前記揺動リンク部材は、略ブーメラン状に形成され、且つ当該略ブーメラン状の屈曲部位に駆動伝達部材が連結されており、
前記駆動伝達部材には、前記昇降リンク部材を昇降させると共に、前記揺動リンク部材を揺動させるアクチュエータが連結されている
こと特徴とする請求項3又は4に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
前記長溝の下部から上下方向中途部にかけては、前記背もたれ部が収容位置から、突出位置へと移動するためのものとされており、
前記長溝の上下方向中途部から上部にかけては、前記背もたれ部が突出位置から、リクライニング位置へと揺動するものとされている
こと特徴とする請求項3に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
前記長溝の下部から上下方向中途部にかけては、基礎フレームの前方に張り出すように湾曲して形成され、
前記長溝の上下方向中途部から上部にかけては、略垂直に形成されている
こと特徴とする請求項3又は6記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
前記上下方向中途部から上部にかけて略垂直に形成された長溝に嵌り込んでいる前記一方の分岐片が、当該長溝に沿って上昇すると共に、
前記揺動リンク部材の先端側に回動自在に連結されている他方の分岐片が、前記基礎フレームの上方に突出しながら、当該基礎フレームの後方に移動し、
前記背もたれ部がリクライニング位置に移動するように構成されている
こと特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
前記案内レールは、下部が前記基礎フレーム下側の前後方向の略中間部に、且つ上部が当該基礎フレーム上側の前後方向の略中間部に取り付けられている
こと特徴とする請求項3又は6、7のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項10】
前記座部の左右両側には、肘掛け部が設けられており、
前記収容位置において、前記背もたれ部の上端が肘掛け部の上面と略同じ高さとされていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子型マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、椅子型マッサージ機には、座部に着座した使用者の背部をマッサージするマッサージ機構が内蔵された背もたれ部の高さが低く設定された「ミニソファ型(アームソファ型)」と呼ばれるものがある。
ところが、背もたれ部が低い「ミニソファ型」の椅子型マッサージ機は、デザイン性が高いため好まれる傾向にあるが、一般的な椅子型マッサージ機に比べて背もたれ部の高さが低いため、使用者が所望とするマッサージを行えない可能性がある。
【0003】
上記の問題を解決するため、例えば、特許文献1に開示された「ミニソファ型」の椅子型マッサージ機がある。
特許文献1の椅子型マッサージ機では、背もたれ部を上方に向かって垂直に突出させて、座部に着座した使用者の肩などに対する上肢のマッサージを可能としている。このように、使用者が座部に着座したまま背もたれ部を上方に移動させれば、使用者の着座姿勢を変えずに使用者の肩をマッサージすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−208264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したようなほぼ直立した状態の背もたれ部においては、座部に着座した使用者の背部に対するマッサージを行う場合、使用者は上肢がほぼ直立したままであるので、十分にリラックスしてマッサージを受けているとは限らない。
本発明は、上記した問題に鑑みて為されたものであり、背もたれ部の高さが低い椅子の形式であっても、使用者をリラックスした姿勢にすることができると共に、十分なマッサージ効果を与えることができる椅子型マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る椅子型マッサージ機は、座部と、前記座部を床面上で支持する基礎フレームと、前記座部の後部に配備されて使用者の背部を支持可能に設けられた背もたれ部と、前記背もたれ部に内蔵され且つ座部に着座した使用者に対してマッサージ動作を行うマッサージ部と、を有する椅子型マッサージ機において、前記背もたれ部の下側が座部より下方に収容された収容位置と、背もたれ部の下側が上方に移動した突出位置と、前記突出位置に移動した背もたれ部が後方にリクライニングするリクライニング位置との間で、前記背もたれ部の高さを上下方向に切り替え自在に調整する昇降手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記昇降手段は、前記背もたれ部を収容位置と突出位置との間で上下方向に移動させ、且つ前記背もたれ部を突出位置とリクライニング位置との間で前後方向に揺動させる構成とされているとよい。
好ましくは、前記昇降手段は、前記基礎フレームに対して上下方向に沿って配備され、且つ上下方向に長溝が形成されている案内レールと、一端側が前記案内レールに形成された長溝に摺動自在に嵌り込んでいると共に、他端側が背もたれ部の下端部に連結されている長尺の昇降リンク部材と、前記昇降リンク部材に連結されている揺動リンク部材とを有し、前記揺動リンク部材は、先端側が前記昇降リンク部材の一端側に回動自在に連結されていると共に、基端側が前記基礎フレーム後側の上下方向の略中間部に左右方向軸心回りに揺動自在に枢支され、且つ当該基礎フレームの斜め上方を向く位置まで揺動可能とされているとよい。
【0008】
好ましくは、前記昇降リンク部材の一端側は、二股に分岐されており、一方の分岐片が
、前記案内レールに形成された長溝に摺動自在に嵌り込んでいると共に、他方の分岐片が、前記揺動リンク部材の先端側に回動自在に連結されているとよい。
好ましくは、前記揺動リンク部材は、略ブーメラン状に形成され、且つ当該略ブーメラン状の屈曲部位に駆動伝達部材が連結されており、前記駆動伝達部材には、前記昇降リンク部材を昇降させると共に、前記揺動リンク部材を揺動させるアクチュエータが連結されているとよい。
【0009】
好ましくは、前記長溝の下部から上下方向中途部にかけては、前記背もたれ部が収容位置から、突出位置へと移動するためのものとされており、前記長溝の上下方向中途部から上部にかけては、前記背もたれ部が突出位置から、リクライニング位置へと揺動するものとされているとよい。
好ましくは、前記長溝の下部から上下方向中途部にかけては、基礎フレームの前方に張り出すように湾曲して形成され、前記長溝の上下方向中途部から上部にかけては、略垂直に形成されているとよい。
【0010】
好ましくは、前記上下方向中途部から上部にかけて略垂直に形成された長溝に嵌り込んでいる前記一方の分岐片が、当該長溝に沿って上昇すると共に、前記揺動リンク部材の先端側に回動自在に連結されている他方の分岐片が、前記基礎フレームの上方に突出しながら、当該基礎フレームの後方に移動し、前記背もたれ部がリクライニング位置に移動するように構成されているとよい。
【0011】
好ましくは、前記案内レールは、下部が前記基礎フレーム下側の前後方向の略中間部に、且つ上部が当該基礎フレーム上側の前後方向の略中間部に取り付けられているとよい。
好ましくは、前記座部の左右両側には、肘掛け部が設けられており、前記収容位置において、前記背もたれ部の上端が肘掛け部の上面と略同じ高さとされているとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る椅子型マッサージ機によれば、背もたれ部の高さが低い椅子の形式(ミニソファ型)であっても、使用者をリラックスした姿勢にすることができると共に、十分なマッサージ効果を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】背もたれ部が収容位置にあるときの椅子型マッサージ機の斜視図である。
図2】(a)は背もたれ部が収容位置にあるときの椅子型マッサージ機の側面図であり、(b)は背もたれ部が突出位置にあるときの椅子型マッサージ機の側面図であり、(c)は背もたれ部がリクライニング位置にあるときの椅子型マッサージ機の側面図である。
図3】椅子型マッサージ機の内部構造を示す前方斜視図である。
図4】椅子型マッサージ機の内部構造を示す底部後方斜視図である。
図5】背もたれ部が収容位置にあるときの椅子型マッサージ機の内部構造を示す側面図である。
図6】背もたれ部が収容位置から突出位置に動作しているときの内部構造を示す側面図である。
図7】背もたれ部が突出位置にあるときの椅子型マッサージ機の内部構造を示す側面図である。
図8】背もたれ部が突出位置からリクライニング位置に動作しているときの内部構造を示す側面図である。
図9】背もたれ部がリクライニング位置にあるときの椅子型マッサージ機の内部構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の椅子型マッサージ機について、図を基に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の構成をその具体例のみに限定するためのものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態の開示内容のみに限定されるものではない。
図1図9は、本発明に係る椅子型マッサージ機1の内部機構及び昇降・リクライニン
グ動作を示している。
【0015】
本発明に係る椅子型マッサージ機1は、背もたれ部3にもたれ掛かっている使用者の背部に対してマッサージ動作を行う椅子型マッサージ機1であって、背もたれ部3の下側が座部2より下方に収容された収容位置と、背もたれ部3の下側が上方に移動した突出位置と、突出位置に移動した背もたれ部3が後方にリクライニングするリクライニング位置との間で、背もたれ部3の高さや傾き角度を上下方向に切り替え自在に調整する昇降手段13(詳細は後述)が設けられている。
【0016】
なお、内部機構の構造を説明する上で、各図において各部材の配備位置や構造の一部を省略したり、見えやすく描いてある。
例えば、図3図9の図面では、座部2及び背もたれ部3は、いずれも内部のフレーム構造のみが示されており、通常フレームの外側に配備されるカバーなどの部材は省略されている。また、図5図9に関しては、昇降手段13の構造の一部を見えやすくするために、昇降手段13を構成する各部材を適宜見えやすく描いてある。
【0017】
つまり、本発明に係る椅子型マッサージ機1の内部機構の構造を示す図面に関しては、実機の内部機構の構造と異なる場合がある。
また、以下の説明では、図5の左右方向を実際の装置での前後方向と呼び、図5の上下方向を実際の装置における上下方向と呼ぶ。図5の紙面貫通方向を実際の装置での左右方向又は幅方向と呼ぶ。これらの方向は、椅子型マッサージ機1に座った使用者から見たものと一致する。
【0018】
まず、本発明の椅子型マッサージ機1の基本構成について、説明する。
図1に示すように、本発明の椅子型マッサージ機1は、使用者が着座可能な座部2と、この座部2の後部に設けられた背もたれ部3と、座部2の左右両側に座部2に着座した使用者が肘を載せることが可能な肘掛け部6とを有していて、背もたれ部3には、図1の破線で示すように、使用者の背部や腰部をマッサージするマッサージ部5が内蔵されている。
【0019】
この椅子型マッサージ機1は、図1図2(a)に示すように、使用者の背部に対するマッサージを行わない場合には、背もたれ部3の上端が肘掛け部6の上面と略同じ高さにある。つまり、椅子型マッサージ機1は、その外観が、背もたれ部3の上端が肘掛け部6上面と全く同じ高さか、やや高い位置にある。例えば、ソファや座椅子などに類するものであり、本明細書では「ミニソファ型」椅子型マッサージ機とする。
【0020】
また、座部2の下側前方には、座部2に着座した使用者の下肢をマッサージすることができるフットレスト部7が配備されている。
次に、椅子型マッサージ機1を構成する座部2、フットレスト部7、肘掛け部6、背もたれ部3について、詳細に説明する。
座部2は、着座する使用者の臀部を下方から支持するに十分な広さを有する矩形状の部材であり、クッション材を用いて形成されている。図3に示すように、座部2の下部には、床面Fに対して床面Fの上方に位置するように座部2を支える基礎フレーム8が設けられている。
【0021】
図3図5に示すように、基礎フレーム8は、水平方向を向いて床面Fに載置される下部枠体9と、座部2を下方から支持する上部枠体10と、上部枠体10及び下部枠体9との間を上下方向に連結する支柱フレーム11と、で構成されている。
上部枠体10及び下部枠体9は、金属製のパイプ材やアングル材など棒状の部材を、複数掛け渡すように組み合わせたものである。また、支柱フレーム11は、上下方向を向く金属製の棒状の部材から構成されていて、上部枠体10の下面と下部枠体9の上面とを連結している。このように基礎フレーム8は、上部枠体10と下部枠体9と支柱フレーム11とを組み合わせることでやぐら状に形成されていて、座部2が床面Fから所定高さに支持されている。
【0022】
支柱フレーム11は、上部枠体10の前側と後側とにそれぞれ、左右で1本ずつ、合計で4本備えられている。そして、これら4本の支柱フレーム11のうち、後側に配備された2本の支柱フレーム11の上下方向略中途部には、昇降手段13の揺動リンク部材21
(詳細は後述)を揺動自在に支持する揺動軸部12がそれぞれ設けられている。
この揺動軸部12は、後側の支柱フレーム11の上下方向略中途部を左右方向に貫通するように配備されており、後側の支柱フレーム11の上下方向略中途部を中心として背もたれ部3を前後方向に揺動できるようになっている。
【0023】
上記したように、上部枠体10と、下部枠体9と、支柱フレーム11とで構成される基礎フレーム8は、いずれも前後・左右・上下に離れて配備されており、基礎フレーム8の内部にスペースが形成されている。
例えば、上部枠体10の前側と下部枠体9の前側は、略面一に配備されているが、上部枠体10の後側と下部枠体9の後側は、一定の距離、すなわち背もたれ部3の前後方向の厚み分だけずらして、配備されている。それ故、背もたれ部3の下側は、基礎フレーム8の後側に形成されたスペースに収納される。
【0024】
また、基礎フレーム8の前方のスペースには、フットレスト部7を収容することができる。このフットレスト部7は、例えば、特許3339849号公報に開示されている下肢用マッサージ機などが用いられている。
図3図4に示すように、基礎フレーム8の後方に配備された背もたれ部3は、使用者の背中を支持するに十分な面積を備え且つ前面視で略矩形状とされた厚みのある板状の部材であり、使用者がもたれ掛かりやすいようにクッション材で形成されている。この背もたれ部3は、使用者が希望するマッサージ動作を行えるようにするための昇降動作、及びリクライニング動作が可能となっている。
【0025】
背もたれ部3の内部には、使用者の背中を十分に支持することのできる背もたれフレーム4と、座部2に着座した使用者の背部〜腰部に対して揉みや叩き、或いは振動などのマッサージ動作を行うマッサージ部5とが設けられている。このマッサージ部5には、例えば、特開2012−165852号公報に開示されている背揉み装置などが用いられている。
【0026】
背もたれフレーム4は、使用者の背部を十分に支持することができる枠体であって、複数の棒状の部材を平面視で略長方形に組み合わせたものである。背もたれフレーム4は、上下方向の下端が、昇降リンク部材16(詳細は後述)に連結されていて、この昇降リンク部材16の動作によって、背もたれフレーム4が収納位置〜突出位置〜リクライニング位置に切り替え自在になっている。
【0027】
図2(a)から図2(b)への遷移においては、背もたれ部3は、この背もたれ部3の下側が座部2の下側に収容された収容位置から、収容位置の上方の突出位置(背もたれ部3が上方に飛び出た位置)に向かって大きく移動する。
さらに、図2(b)から図2(c)への遷移においては、背もたれ部3は、上方に飛び出た突出位置から、その後方に位置するリクライニング位置(背もたれ部3が後方にリクライニングした位置)に向かって後方に大きく揺動(傾動)する。
【0028】
また、座部2の下側前方には、使用者の下肢をマッサージするフットレスト部7が収容されており、背もたれ部3の後方への傾動に伴って、座部2の下側(収容位置)から前方に向かって進出し、リクライニング位置、(使用位置)へと移動するようになっている。
この背もたれ部3の昇降及びリクライニングの動きは、基礎フレーム8内に設けられた昇降手段13により実現される。
【0029】
次に、背もたれ部3を昇降及びリクライニングさせる昇降手段13について、図を基に説明する。
昇降手段13は、背もたれ部3の下側が座部2より下方に収容された収容位置(図5参照)と、背もたれ部3が上方に飛び出た位置である突出位置(図7参照)と、背もたれ部3が突出位置から後方に傾斜姿勢となるリクライニング位置(図9参照)との間で、背もたれ部3の高さを上下方向に自在に切り替えると共に、背もたれ部3の傾斜を自在に調整するものである。
【0030】
この昇降手段13は、背もたれ部3を収容位置と突出位置との間で上下方向に移動させ、且つ背もたれ部3を突出位置とリクライニング位置との間で前後方向に揺動させる構成とされている。
図3、4に示すように、具体的には、昇降手段13は、基礎フレーム8に対して上下方向に沿って配備され、且つ上下方向に長溝15が形成されている案内レール14と、一端側が案内レール14に形成された長溝15に摺動自在に嵌り込んでいると共に、他端側が背もたれ部3の下端部に連結されている長尺の昇降リンク部材16と、昇降リンク部材16に連結されている揺動リンク部材21と、を有している。
【0031】
加えて、揺動リンク部材21の前後方向(長手方向)中途部には、揺動リンク部材21を揺動させて、背もたれ部3の昇降及びリクライニング動作を行わせる駆動伝達部材24が連結されている。
次に、昇降手段13を構成する案内レール14、昇降リンク部材16、揺動リンク部材21、駆動伝達部材24、アクチュエータ26(駆動手段)について詳しく説明する。
【0032】
図3図9に示すように、案内レール14は、平板状で形成された長尺の部材であり、基礎フレーム8の左右側面に一対配備されている。案内レール14は、上部が基礎フレーム8上側の前後方向の略中間部(上部枠体10の前後方向中途部)に取り付けられると共に、下部が基礎フレーム8下側の前後方向の略中間部(下部枠体9の前後方向中途部)に取り付けられていて、支柱フレーム11と略並行に配備されている。すなわち、案内レール14は、下部枠体9の前後方向中途部から上方に立設されるように左右一対配備されている。
【0033】
案内レール14には、上下方向に長い長溝15が形成されている。
この長溝15は、側面視で、下部から上下方向中途部にかけて、基礎フレーム8の前方に張り出すように湾曲して形成された湾曲溝15aと、この湾曲溝15aにつながっていて上下方向中途部から上部にかけて、略垂直に形成された垂直溝15bとからなる。
湾曲溝15aは、背もたれ部3が収容位置から、突出位置へと移動するための溝であり、垂直溝15bは、背もたれ部3が突出位置から、リクライニング位置へと揺動するための溝である。
【0034】
つまり、湾曲溝15aと垂直溝15bとの2つの形状が連接して形成された長溝15は、背もたれ部3を、湾曲溝15aで未使用位置(収容位置)と第1使用位置(突出位置)とに切り替えると共に、垂直溝15bで第1のマッサージ位置(突出位置)と第2のマッサージ位置(リクライニング位置)とに切り替えるようになっている。
このように、湾曲溝15aと垂直溝15bとからなる長溝15には、昇降リンク部材16の一端側が摺動自在に嵌り込むようになっている。
【0035】
昇降リンク部材16は、長尺の棒材であって、基礎フレーム8の左右側面に一対配備されている。昇降リンク部材16の一端側(前方側)は、二股に分岐されており、2つの分岐片とされている。この2つの分岐片は平板片で形成されていて、昇降リンク部材16の他端側(後方側)は、背もたれ部3の下端部に連結されている。
昇降リンク部材16は、図5に示す収納位置において、側面視で、一方の分岐片17が長尺の棒材の先端側から下部枠体9に向かって伸びるように形成され、他方の分岐片19が長尺の棒材の先端から上部枠体10に向かって伸びるように形成されている。
【0036】
一方の分岐片17は、その先端に円柱状の突起18が幅方向外側を向くように形成されていて、突起18の直径は上記した長溝15の幅以下とされている。また、突起18の高さは、上記した長溝15の深さとほぼ同等乃至はそれより若干低いものとされている。この突起18は、案内レール14に形成された長溝15に摺動自在に嵌り込んでいる。
他方の分岐片19は、その先端に孔20が形成されていて、その孔20に後述する揺動リンク部材21の先端側が締結具28などを介して、回動自在に連結されている。
【0037】
これら一方の分岐片17と他方の分岐片19は、側面視で、長尺の棒材を挟んでほぼ対面する位置に存在する。
このように、先端側の一方の分岐片17が長溝15に摺動自在に嵌り込み、且つ他方の分岐片19が揺動リンク部材21の先端側に回動自在に連結され、他端側が背もたれ部3の下端部に連結されている昇降リンク部材16は、基礎フレーム8の下部枠体9を向く位置から上部枠体10の位置まで揺動可能とされている。
【0038】
一方、揺動リンク部材21は、側面視で、略ブーメラン状に形成された平板状の部材で
あり、基礎フレーム8の左右側面に一対配備されている。揺動リンク部材21の先端側及び基端側には、それぞれ枢支軸22,23が形成されている。
揺動リンク部材21の先端側の枢支軸22は、昇降リンク部材16の一端側に形成された孔20(言い換えれば、他方の分岐片19の先端)に回動自在に枢支されている。揺動リンク部材21の基端側の枢支軸23は、基礎フレーム8後側の上下方向の略中間部に形成された揺動軸部12において左右方向軸心回りに揺動自在に枢支されている。
【0039】
このように、先端側及び基端側が枢支されている揺動リンク部材21は、基礎フレーム8の略上下方向中央から斜め上方を向く位置まで揺動可能とされている。
また、略ブーメラン状に形成された揺動リンク部材21の屈曲部位には、アクチュエータ26からの駆動力を背もたれ部3に伝達する駆動伝達部材24が連結されている。
図3図5に示す如く、駆動伝達部材24は、長尺の円筒状の棒材で形成されており、基礎フレーム8の左右側面に一対配備された揺動リンク部材21の間を掛け渡すように、各揺動リンク部材21の屈曲部位に連結されている。
【0040】
駆動伝達部材24の長手方向中途部には、連結片25が形成されていて、連結片25は駆動伝達部材24の長手方向中途部から基礎フレーム8前方へ突出する短尺の部材である。
この連結片25の先端には、上記した揺動リンク部材21を介して、背もたれフレーム4と昇降リンク部材16とを移動させる駆動源が連結されている。本実施形態の場合、アクチュエータ26が駆動源として採用されている。
【0041】
駆動伝達部材24の動作としては、アクチュエータ26の駆動力を連結片25を介して、揺動リンク部材21を揺動させると共に、その揺動リンク部材21に連結されている昇降リンク部材16を昇降させている。
アクチュエータ26は、モータ駆動により上下方向に移動する直動式アクチュエータ26であり、リニアガイド機構が採用されている。このアクチュエータ26によって生じる往復直線運動によって、駆動伝達部材24を上下方向に移動させて、揺動リンク部材21を上下方向に揺動させている。
【0042】
このアクチュエータ26は、基礎フレーム8を構成する上部枠体10と下部枠体9との間に備えられ、下部枠体9の幅方向及び前後方向の略中央から立設するように備えられている。具体的には、アクチュエータ26は、その基端が下部枠体9の平面視で略中央に設けられた部材に連結され、アクチュエータ26上を上下方向に移動する移動子27が連結片25(駆動伝達部材24)に連結されている。
【0043】
以上述べた構成を昇降手段13に備えることで、アクチュエータ26の移動子27が下方から上方へ移動する際に、連結片25を有する駆動伝達部材24を上方に移動させ、それに伴い、揺動リンク部材21を基礎フレーム8の揺動軸部12の軸芯回りに下方から上方へ揺動させることができる。
そして、揺動リンク部材21の揺動に伴い、湾曲溝15aにおいて、一端側が下方を向く昇降リンク部材16を基礎フレーム8の後方に若干スライドさせつつ、上部枠体10に向けて上昇させることができる。また、その後に垂直溝15bにおいて、昇降リンク部材16を上部枠体10に略並行となるようにスライドさせることができる。
【0044】
アクチュエータ26の移動子27の直線運動は、駆動伝達部材24によって揺動リンク部材21に伝達され、揺動リンク部材21の揺動運動に変換される。伝達された揺動リンク部材21の揺動運動は、湾曲溝15aを通過する昇降リンク部材16によって、略直線運動に変換されて、背もたれフレーム4に伝達される。このときの背もたれフレーム4は、収納位置から突出位置へと移動する。
【0045】
また、伝達された揺動リンク部材21の揺動運動は、垂直溝15bを通過する昇降リンク部材16を経て、背もたれフレーム4に伝達される。このときの背もたれフレーム4は、突出位置からリクライニング位置へと揺動する。
つまり、揺動リンク部材21に連結された昇降リンク部材16が、湾曲溝15aと垂直溝15bとからなる長溝15(案内レール14)に沿うように上下方向に移動することで、背もたれフレーム4を3つの位置(収容位置、突出位置、リクライニング位置)に切り
替え自在に移動させることができる。
【0046】
そして、上記した収容位置、突出位置、リクライニング位置を切り替えることで、椅子型マッサージ機1の姿勢を「ミニソファ型」の姿勢(椅子のみ乃至は腰部マッサージ位置としての使用姿勢)、「ハイバックチェア型」の姿勢(第1のマッサージ位置としての使用姿勢)、「リクライニング型」の姿勢(第2のマッサージ位置としての使用姿勢)の3つの姿勢に変更することが可能となる。
【0047】
次に、図5図9を用いて、上記した昇降手段13により実現される3つの姿勢、言い換えれば、本発明の椅子型マッサージ機1の動作について、説明する。
図5図7は、背もたれ部3が収容位置から突出位置へと遷移しているときの昇降手段13の動作を示している。
図5に示すように、収容位置においては、揺動リンク部材21は、長手方向が前側下方に少し傾斜する位置にある。このとき、揺動リンク部材21の屈曲部位に連結されている駆動伝達部材24は、基礎フレーム8の上下方向中央より少し下方に位置している。言い換えると、駆動伝達部材24は、その左右方向を向く軸心が揺動軸部12の左右方向を向く軸心より下方に位置しているといえる。
【0048】
すなわち、図5に示す如く、揺動リンク部材21が、側面視で基礎フレーム8の上下方向中央にあって、前後方向に傾いて位置しているときは、先端側(枢支軸22)が基端側(枢支軸23)より少し下方に位置している。また、駆動伝達部材24は、揺動リンク部材21の先端側より下方に位置している。収容位置では、揺動リンク部材21は、側面視で、下に凸の略ブーメラン形状となるような位置となる。
【0049】
一方、揺動リンク部材21に他方の分岐片19が連結されている昇降リンク部材16は、その長尺の棒材が下部枠体9の方向を向く位置にある。このとき、昇降リンク部材16の他端側に連結されている背もたれフレーム4は、その下端側が基礎フレーム8内の上下方向下側に位置しており、その最下端は後側支柱フレーム11とほぼ重なる位置に存在している。言い換えると、背もたれフレーム4の下端側は、基礎フレーム8の後側に収容されているといえる。
【0050】
すなわち、昇降リンク部材16が前下方に向かって大きく傾斜しているときは、その一端側に形成されている一方の分岐片17の先端(突起18)が下部枠体9に重なるように位置すると共に、他端側が上部枠体10後側の近傍に位置することとなる。また、他方の分岐片19は、一方の分岐片17ほぼ真上に位置することとなる。収容位置では、昇降リンク部材16は、側面視で、上部枠体10後側から下部枠体9の略中央(湾曲溝15aの最下端)に向かう筋交い状となるような位置となる。
【0051】
以上述べた収容位置にある椅子型マッサージ機1において、アクチュエータ26に設けられた電動モータを回転駆動させると、アクチュエータ26の移動子27が上方に移動すると共に、その移動子27が連結されている駆動伝達部材24も上昇する。駆動伝達部材24の上昇に伴って、揺動リンク部材21が揺動軸部12の軸芯回りに上方へ揺動する。そして、揺動リンク部材21の揺動に伴って、昇降リンク部材16の一方の分岐片17に形成された突起18が、案内レール14の湾曲溝15aに沿って上昇する。
【0052】
図6に示すように、背もたれフレーム4が収容位置から突出位置へと移動中においては、揺動リンク部材21の先端側(枢支軸22)が上部枠体10の前側に向うような位置に揺動し、昇降リンク部材16の他端側が上部枠体10の後側から斜め上方に突出する位置に移動する。
すなわち、揺動リンク部材21が揺動軸部12の軸心回りに上方へ揺動すると共に、昇降リンク部材16が基礎フレーム8の後側斜め上方に移動するときには、背もたれフレーム4は、収容位置から若干後方に傾きながら上方へ移動する。
【0053】
このまま、アクチュエータ26の電動モータを回転駆動させてゆくと、アクチュエータ26の移動子27が上方に移動し続け、揺動リンク部材21がさらに上方に揺動する。その揺動リンク部材21の揺動に伴って、昇降リンク部材16の一方の分岐片17に形成された突起18が、案内レール14の湾曲溝15aの最上端の位置まで上昇する。つまり、突起18が、案内レール14の湾曲溝15aと垂直溝15bとが切り替わる位置まで上昇
し、突出位置へと移行する。
【0054】
図7図9は、背もたれ部3が突出位置からリクライニング位置へと遷移しているときの昇降手段13の動作を示している。
図7に示すように、突出位置においては、揺動リンク部材21は、その先端側(枢支軸22)がアクチュエータ26の長手方向上側の延長線上に存在し、上部枠体10より上方に突出した位置にある。このとき、駆動伝達部材24は、揺動軸部12(枢支軸23)より少し上方に位置している。
【0055】
すなわち、揺動リンク部材21が、側面視で基礎フレーム8の上下方向中央より上方に存在し、上部枠体10に向かった状態で位置しているときは、その先端側は揺動軸部12より距離を大きくあけた上方に位置している。また、駆動伝達部材24は、移動子27より少し後下方に位置している。突出位置では、揺動リンク部材21は、側面視で、基礎フレーム8の前側下方に凸の略ブーメラン形状となるような位置となる。
【0056】
一方、昇降リンク部材16は、その長尺の棒材が基礎フレーム8の前側下方に向いて傾斜し、一方の分岐片17の先端側(突起18)が案内レール14の湾曲溝15aと垂直溝15bとが切り替わる位置にある。このとき、昇降リンク部材16の他端側に連結されている背もたれフレーム4は、その下端側が揺動軸部12より上側後方に位置している。言い換えると、背もたれフレーム4の下端側は、上部枠体10とほぼ同じ高さに位置しているといえる。
【0057】
すなわち、昇降リンク部材16が上部枠体10の後側において前方傾斜状態で位置しているときは、一端側に形成された一方の分岐片17の先端側(突起18)が、駆動伝達部材24の前側であって、その軸心とほぼ水平となる位置に存在すると共に、他端側が下部枠体9の最後端のほぼ真上に位置することとなる。また、他方の分岐片19は、一方の分岐片17より後方に位置することとなる。突出位置では、昇降リンク部材16は、側面視で、その長尺の棒材が湾曲溝15aの最上端から上部枠体10後側で交差して、上部枠体10の後方に向かって突出した位置となる。
【0058】
以上述べた突出位置にある椅子型マッサージ機1において、アクチュエータ26に設けられた電動モータを回転駆動させてゆくと、アクチュエータ26の移動子27がさらに上方に移動すると共に、その移動子27が連結されている駆動伝達部材24も上昇する。駆動伝達部材24の上昇に伴って、揺動リンク部材21が基礎フレーム8の後方に揺動する。そして、揺動リンク部材21の揺動に伴って、昇降リンク部材16の一方の分岐片17に形成された突起18が、案内レール14の垂直溝15bに沿って上昇する。
【0059】
図8に示すように、背もたれフレーム4が突出位置からリクライニング位置へと移動中においては、揺動リンク部材21の先端側(枢支軸22)が上部枠体10の上側に向うような位置に揺動し、昇降リンク部材16の他端側が上部枠体10の後側から斜め上方に突出する位置に移動する。
すなわち、揺動リンク部材21が揺動軸部12の軸芯回りに後方へ揺動すると共に、昇降リンク部材16がさらに基礎フレーム8の後側に移動するときには、背もたれフレーム4は、突出位置から後方に揺動(傾動)する。
【0060】
このまま、アクチュエータ26の電動モータをさらに回転駆動させてゆくと、アクチュエータ26の移動子27が上方に移動し続け、その移動子27が連結されている駆動伝達部材24も上昇する。駆動伝達部材24の上昇に伴って、揺動リンク部材21がさらに後方に揺動する。そして、その揺動リンク部材21の揺動に伴って、昇降リンク部材16の一方の分岐片17に形成された突起18が、案内レール14の垂直溝15bに沿って最上端の位置まで上昇すると共に、揺動リンク部材21の先端側(枢支軸22)に回動自在に連結されている他方の分岐片19が、基礎フレーム8の上方に突出しながら、当該基礎フレーム8の後方に移動し、背もたれフレーム4がリクライニング位置へと移行する。
【0061】
図9に示すように、リクライニング位置においては、揺動リンク部材21は、先端側が上部枠体10より上方に突出した位置に存在し、図9中に示す一点鎖線(図8での位置)より後方に揺動した位置である。このとき、駆動伝達部材24は、図9中に示す一点鎖線よりやや上方に位置している。
すなわち、揺動リンク部材21が、側面視で、上方に向かって伸びるように突出している状態で位置しているときは、その先端側(枢支軸22)と駆動伝達部材24の軸心とを結ぶ直線と、上部枠体10の略水平となる直線とが略直交することとなる。また、駆動伝達部材24は、その左右方向を向く軸心と、揺動リンク部材21の先端側に形成された枢支軸22の軸心とを結ぶ直線がほぼ垂線上となっている。リクライニング位置では、揺動リンク部材21は、側面視で、基礎フレーム8の前側に凸の略ブーメラン形状となるような位置となる。
【0062】
一方、昇降リンク部材16は、その一方の分岐片17の先端(突起18)が垂直溝15bの最上端の位置にあり、長尺の棒材と上部枠体10の水平面とがほぼ同一平面となっている。このとき、昇降リンク部材16の他端側に連結されている背もたれフレーム4は、その下端側が図9中に示す一点鎖線より後側の支柱フレーム11に近づいた位置である。言い換えると、背もたれフレーム4は、さらに後方に大きく揺動するようになるといえる。
【0063】
以上述べたように、本発明の椅子型マッサージ機1は、背もたれ部3の高さが低い椅子の形式であっても、アクチュエータ26を駆動させることにより、昇降手段13を動作させて、背もたれ部3を収容位置→突出位置→リクライニング位置へと移行させることができる。
また、アクチュエータ26を反転駆動させることにより、昇降手段13を逆動作させて、背もたれ部3をリクライニング位置→突出位置→収容位置へと移行させることができる。
【0064】
また、本発明の椅子型マッサージ機1は、昇降手段13が簡素な構造でありながら、使用者をリラックスした姿勢にすることができると共に、十分なマッサージ効果を与えることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
【0065】
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操作手順、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
また、本願発明の構成、技術的思想は、椅子型のマッサージ機に限定されず、リクライニング機能を有する椅子やソファーにも適用可能である。
【0066】
すなわち、本願発明が適用された椅子は、座部と、座部を床面上で支持する基礎フレームと、座部の後部に配備されて使用者の背部を支持可能に設けられた背もたれ部と、を有し、背もたれ部の下側が座部より下方に収容された収容位置と、背もたれ部の下側が上方に移動した突出位置と、突出位置に移動した背もたれ部が後方にリクライニングするリクライニング位置との間で、背もたれ部の高さを上下方向に切り替え自在に調整する昇降手段を有するものとなる。この昇降手段は、背もたれ部を収容位置と突出位置との間で上下方向に移動させ、且つ背もたれ部を突出位置とリクライニング位置との間で前後方向に揺動させる構成とされている。
【符号の説明】
【0067】
1 椅子型マッサージ機
2 座部
3 背もたれ部
4 背もたれフレーム
5 マッサージ部
6 肘掛け部
7 フットレスト部
8 基礎フレーム
9 下部枠体
10 上部枠体
11 支柱フレーム
12 揺動軸部
13 昇降手段
14 案内レール
15 長溝
15a 湾曲溝
15b 垂直溝
16 昇降リンク部材
17 一方の分岐片
18 突起
19 他方の分岐片
20 孔
21 揺動リンク部材
22 枢支軸(先端側)
23 枢支軸(基端側)
24 駆動伝達部材
25 連結片
26 アクチュエータ
27 移動子
28 締結具
F 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9