特開2015-212137(P2015-212137A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エヌエックスピー ビー ヴィの特許一覧

<>
  • 特開2015212137-磁界測定の補償 図000003
  • 特開2015212137-磁界測定の補償 図000004
  • 特開2015212137-磁界測定の補償 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-212137(P2015-212137A)
(43)【公開日】2015年11月26日
(54)【発明の名称】磁界測定の補償
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/24 20130101AFI20151030BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20151030BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20151030BHJP
【FI】
   B60R25/24
   E05B49/00 J
   G01S5/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-61241(P2015-61241)
(22)【出願日】2015年3月24日
(31)【優先権主張番号】14/270,954
(32)【優先日】2014年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】507219491
【氏名又は名称】エヌエックスピー ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】NXP B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ノヴォートニック
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クラウス ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ピルサク
【テーマコード(参考)】
2E250
5J062
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250CC20
2E250FF23
2E250FF27
2E250FF35
2E250HH01
2E250JJ00
2E250JJ47
2E250KK03
2E250LL00
5J062BB01
5J062CC18
5J062DD21
5J062GG02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】受信信号強度の測定によりキーが所定のエリア内に位置するかどうかを特定する方法を提供する。
【解決手段】キー108の位置を検出するシステム及び方法を開示する。キー108は、基地局106に結合された複数のアンテナ102,104を介して基地局106と通信するように構成される。本方法は、複数のアンテナ102,104の各々をターンオフするステップ、複数のアンテナ102,104の1つをターンオンするステップ、第1の受信信号強度を測定するステップ、複数のアンテナ102,104の1つをターンオフするステップ、及び第2の受信信号強度を測定するステップを含む。第1の受信信号強度と第2の受信信号強度との差がプリセット閾値より高い場合に、キー108は、所定のエリア内に位置すると決定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局に結合された複数のアンテナを介して基地局と通信するように構成されたキーの位置を検出する方法であって、
前記複数のアンテナの各々をターンオフするステップ、
前記複数のアンテナの1つをターンオンするステップ、
第1の受信信号強度を測定するステップ、
前記複数のアンテナの前記1つをターンオフするステップ、
第2の受信信号強度を測定するステップ、及び
前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差がプリセット閾値より高い場合に、操作を実行可能にするステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数のアンテナの各々をターンオフするステップ、
前記複数のアンテナの第2のアンテナをターンオンするステップ、
第3の受信信号強度を測定するステップ、
前記第3の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差が前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差より高いかどうかを決定するステップ、
を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差が第2のプリセット閾値より高いが前記プリセット閾値より低い場合に、前記操作と異なる第2の操作を実行可能にするステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差が前記第3の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差より高い場合に、前記キーは前記第2のアンテナに近いと結論するステップを含む、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記プリセット閾値はキー較正ステップにより決定され、前記基地局に格納される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
電子キーと、
基地局と、
前記基地局に電気的に結合されたアンテナと
を備えるシステムであって、
前記基地局は、前記電子キーに前記アンテナから受信される信号の受信信号強度を測定するよう命令するステップ、前記アンテナをターンオフするステップ、及び前記電子キーに前記アンテナ以外のソースから受信される信号の受信信号強度を測定するように命令するステップを含む受信信号強度測定シーケンスを実行するように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記電子キーは前記2つの受信信号強度値を減算するように構成されている、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記電子キーは前記減算の結果を前記基地局に送るように構成されている、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
基地局に結合された複数のアンテナを介して基地局と通信するように構成されたキーの位置を検出する動作を実行する、車両内で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記動作は、
前記複数のアンテナの各々をターンオフするステップ、
前記複数のアンテナの1つをターンオンするステップ、
第1の受信信号強度を測定するステップ、
前記複数のアンテナの前記1つをターンオフするステップ、
第2の受信信号強度を測定するステップ、及び
前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差がプリセット閾値より高い場合に、操作を実行可能にするステップ、
を含むことを特徴とするコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項10】
前記動作は、
前記複数のアンテナの各々をターンオフするステップ、
前記複数のアンテナの第2のアンテナをターンオンするステップ、
第3の受信信号強度を測定するステップ、
前記第3の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差が前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差より高いかどうかを決定するステップ、
を更に含む、請求項9記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項11】
前記動作は、前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差が第2のプリセット閾値より高いが前記プリセット閾値より低い場合に、前記操作と異なる第2の操作を実行可能にするステップを更に含む、請求項10記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項12】
前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差が前記第3の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差より高い場合に、前記キーは前記第2のアンテナに近いと結論するステップを含む、請求項10記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項13】
前記プリセット閾値はキー較正ステップにより決定され、前記基地局に格納される、請求項9記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
無線通信技術は自動車電子技術応用及びシステムなどの多種多様のシステム及び応用において急増している。無線通信をサポートするデバイスは無線受信機及びアンテナを含む。一般に、無線受信機において、アンテナからの高周波数無線信号は最初に中間周波数の信号(IF信号)に変換され、その後そのIF信号は増幅され、検波器に入力される。検波器において、無線信号に含まれる情報を取り出す所望の信号処理、即ち検波処理が実行される。この検波処理において、無線信号及びIF信号の利得は、検波処理を所望の如く実行し得る範囲内に入るように、無線受信機で受信される電波の信号強度に応じて設定される。電波又は磁気波の信号強度は一般に受信信号強度(RSSI)と呼ばれ、RSSI回路システムで測定される。
【0002】
キーレスエントリシステムが少なくとも自動車工業において益々普及している。キーレスエントリシステムは主として基地局とキーホブを含む。基地局はキーホブと無線で通信する。不正通信を防止するためにセキュリティコードが使用され、例えば基地局は当該基地局と関連するようにプログラムされたキーレスエントリキーからの要求のみに応答する。キーレスエントリシステムによれば、例えばドアを開ける機械的なキーは不要になる。キーは典型的には、基地局に特定の動作を実行させるために予めプログラムされた命令のセットを基地局に送るように予めプログラムされた又はプログラムすることができる数個のボタンを含む。例えば、各ボタンは自動車のドアを開錠又は施錠するように、又はエンジンを始動するようにプログラムすることができる。
【0003】
キーレスエントリシステムは典型的にはキーホブと通信する基地局を含む。キーホブは、自動車内に位置する基地局への/からの通信信号を送受する電子回路を含む。自動車という語が一般に使用される。本明細書で与えられる記述は他の種類の機械にも等しく適用することができる。基地局は、キーホブから受信される要求の実行を達成するために自動車の制御システムと通信するようにプログラムされる。
【0004】
キーレスシステム又はパッシブキーシステムベースの自動車において、自動車のユーザが自動車を動作させるためには、典型的にはキーが自動車の中にある必要があるだけである。自動車客室内のキーの検出はRSSI測定により実行される。従って、RSSI測定は正確に実行する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、発明を実施するための形態において更に説明される発明の概念を簡略化した形で紹介するために記載されている。この概要は請求の範囲に記載する本発明の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものでなく、また請求の範囲に記載する本発明の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0006】
一実施形態において、キーの位置を検出する方法を開示する。キーは、基地局に結合された複数のアンテナを介して基地局と通信するように構成される。本方法は、前記複数のアンテナの各々をターンオフするステップ、前記複数のアンテナの1つをターンオンするステップ、第1の受信信号強度を測定するステップ、前記複数のアンテナの前記1つをターンオフするステップ、及び第2の受信信号強度を測定するステップを含む。前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差がプリセット閾値より高い場合に、前記キーは、所定のエリア内に位置すると決定される。
【0007】
別の実施形態において、システムが開示される。本システムは、電子キーと、基地局と、前記基地局に電気的に結合されたアンテナとを備える。前記基地局は、前記電子キーに前記アンテナから受信される信号の受信信号強度を測定するよう命令するステップ、前記アンテナをターンオフするステップ、及び前記電子キーに前記アンテナ以外のソースから受信される信号の受信信号強度を測定するように命令するステップを含む受信信号強度測定シーケンスを実行するように構成されている。
【0008】
さらに別の実施形態において、キーの位置を検出する動作を実行する、車両内で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体が開示される。前記キーは、基地局に結合された複数のアンテナを介して基地局と通信するように構成されている。前記動作は、前記複数のアンテナの各々をターンオフするステップ、前記複数のアンテナの1つをターンオンするステップ、第1の受信信号強度を測定するステップ、前記複数のアンテナの前記1つをターンオフするステップ、第2の受信信号強度を測定するステップ、及び前記第1の受信信号強度と前記第2の受信信号強度との差がプリセット閾値より高い場合に、操作を実行可能にするステップを含む。
【0009】
上述した本発明の特徴は、本発明のより具体的な説明、上記の簡単な概要から、添付図面にその一部が示されている様々な実施形態を参照することにより、詳細に理解できる。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを示し、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、本発明は他の同等に有効な実施形態を受け入れる。請求の範囲に記載する本発明の利点は、本明細書を添付図面と関連して読めば当業者に明らかになる。図面において、同等の要素を示すために同等の参照番号が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】基地局と複数のアンテナを含むシステムの概略図である。
図2】模範的なRSSI測定シーケンスを示す図である。
図3】本発明の一以上の実施形態による模範的なRSSI測定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
キーの位置検出はキーレス始動システム、例えば受動キーエントリ(PKE)及び受動キー始動(PKG)、の重要な機能である。例えば、キーレス始動システムを使用する車両は、車両を始動するためにキーを鍵穴に物理的に挿入する必要はない。代わりに、車両の操作を可能にするために、キーが自動車室内にあるかどうかを決定する検出シーケンスが実行される。
【0012】
図1は車両100の客室内部に取り付けられた基地局106と複数のアンテナ102を含む車両100の概略図である。1以上のアンテナ104を車両100の客室外部に取り付けてもよい。内部アンテナ102及び外部アンテナ104(もしあれば)は基地局106に結合され、基地局106は次に車両制御システム(図示せず)に結合してもよい。車両100は単なる一例に過ぎない点に留意されたい。本明細書に記載する実施形態は非自動車応用においても使用でき、所定の操作を実行させるためにリモートキーを使用できる。
【0013】
キーホブ108は、ユーザが車両100を始動できるように構成される。キーホブ108はトランスポンダ(図示せず)を含む。しかしながら、一例では、車両100は、キーホブ108が客室内に物理的に存在するときのみユーザが車両を始動できるように構成される。キーホブ108が客室内に存在するかどうかを決定するために、キーホブ108及び基地局106は複数の内部アンテナ102を用いて受信信号強度(RSSI)の測定を実行するように構成される。典型的には、キーホブ108の位置は測定されたRSSI値に基づいて決定される。キーホブ108及び基地局106は、予め選択した値より大きいRSSI値が車両100の客室内にキーホブ108が物理的に存在することを示すように、予め較正される。第2のRSSI閾値は、第1のRSSI閾値より低いが第1の予め選択した閾値より高いRSSI値を含むことができる。この第2の閾値は、キーは客室の外にあるが客室のすぐ近くにあるかどうかを決定するために用いることができる。一例では、測定されたRSSI値が第2の閾値より高いが第1の予め選択した閾値より低い場合には、車両100のドアを開くことが許されるが、測定されたRSSI値が第1の予め選択された閾値より高い場合には、車両100のエンジンを始動することが許される。
【0014】
RSSI測定は典型的にはキーホブ108において測定シーケンスに従って実行される。キーホブ108の近似的位置を検出するために、内部アンテナ102の各々及び外部アンテナ104の各々(もしあれば)が基地局106に設定された測定シーケンスに従って順次に使用される。いくつかの実施形態では、アンテナ102、104の各々はキーホブ108のx、y及びz軸を決定するために3Dコイルを含む。3Dコイル(図示せず)はキーホブ108の空間方位を決定するのに役立つ。キーホブ108はRSSI測定中ランダムな方位を有し得る。従って、あらゆる電磁場成分を測定するには3DLFアンテナが必要とされ得る。図1に示す3つの内部アンテナ102及び1つの外部アンテナ104は単なる一例である。一実施形態では、アンテナ102は車両100の客室内に、シート、グローブボックス等のキーホブ108の最も一般的な置き場所をカバーするように配置される。典型的には、キーホブ108の位置を検出するためには3つのアンテナ102で十分である。
【0015】
標準のRSSI測定シーケンス中に、基地局106は一定の搬送波をアンテナ102、104(もしあれば)を通して送信する。アンテナのこの定搬送波の電磁界強度がRSSIシーケンスにより測定される。キーホブ108の位置は測定された信号強度に基づいて決定することができる。しかしながら、これらのRSSI測定結果は妨害成分(所定の周波数、振幅及び帯域幅)の存在によって影響され得る。いくつかのシナリオにおいては、妨害成分の存在は妨害成分の周波数及び位相に依存して、無妨害の測定より高い又はより低い結果をもたらし得る。このような測定の不正確さは、キーホブ108が車両100の客室内に存在しないときに第3者が車両100を始動することができるという不所望な結果をもたらし得る。
【0016】
図2は模範的なRSSI測定シーケンス150を示す。一実施形態では、基地局106はこのRSSI測定シーケンス150を実行するように構成される。他の実施形態では、RSSI測定シーケンス150は車両100の中央制御装置により制御され、実行されるようにしてもよい。RSSI測定シーケンス150の開始時に、すべてのアンテナ102、104はターンオフされる。車両100はキーホブ108との通信に使用されない他のタイプのアンテナを含むことができる点に留意されたい。これらの他のアンテナはRSSI測定シーケンス150を実行する前にターンオフされない。RSSI測定シーケンス150は予め選択したインターバルで繰り返し実行することができる。しかし、いくつかの実施形態では、RSSI測定シーケンス150は、車両100のエンジンがオフのときにのみ実行される。
【0017】
RSSI測定シーケンス150の開始時に、複数のアンテナ102、104の中のアンテナ1がターンオンされる(その間他のすべてのアンテナはターンオフされる。基地局106はRSSIを測定するためにキーホブ108に信号を送る(測定値1)。次に、アンテナ1はターンオフされ、キーホブ108は再びRSSIを測定するように要求される(測定値2)。このプロセスが複数のアンテナ102、104の他のアンテナに対して一つのアンテナずつ繰り返される。一実施形態では、測定値2はRSSI測定シーケンス150中に1度だけ実行される。
【0018】
一実施形態では、キーホブ108は測定値1及び測定値2を基地局106に返送するように構成される。別の実施形態では、キーホブ108が各アンテナに対して測定値1から測定値2を減算し、その減算結果を基地局106に返送するように構成される。
【0019】
明らかなように、測定値2が測定されるときアンテナ102、104のどれもオンではないため、測定値2は外部雑音に起因するRSSIを取得する。それゆえ、測定値1と測定値2の減算結果はキーホブ108に対する正確なRSSI測定値を提供する。
【0020】
一実施形態では、RSSI測定シーケンス150の終了時に、基地局106は各アンテナに対して正味のRSSI測定値(測定値1−測定値2)を比較する。キーホブ108は最も高い正味のRSSI測定値をもたらしたアンテナに最も近いと決定される。アンテナは車両100の客室及び車両100の客室外の近傍の両方をカバーする磁界を発生する。最も高い正味のRSSI測定値をもたらしたアンテナに対して、プリセット閾RSSI値に基づいて、キーホブ108が車両100の客室内にあるのか客室外にあるのかを決定することができる。プリセット閾RSSI値は典型的にはキーホブ108の較正ステップにより決定され、基地局106に設定されることに注意されたい。典型的には、この閾RSSI値は、キーホブ108が車両100の客室の外周の近くに位置するときのRSSIの測定値である。
【0021】
図3は、本明細書に記載された1以上の実施形態による模範的なRSSI測定方法200である。よって、ステップ202において、1つのアンテナ102のみがオンであるとき、RSSI測定がキーホブ108により実行される。次にこのアンテナがターンオフされ、ステップ204において別のRSSI測定がキーホブ108により実行される。ステップ206において、キーホブ108が両測定値を基地局106に送る。代案では、キーホブ108はアンテナオンで測定されたRSSI値からアンテナオフで測定されたRSSI値を減算し、その減算結果を基地局106に送る。キーホブ108が両RSSI値を基地局106に送る場合、ステップ20において、受信したRSSI値の減算によって補償されたRSSI値が基地局106により計算される。
【0022】
ハードウェア構成、測定技術、誤較正等により導入される測定誤差が個々のRSSI測定値に存在することに注意すべきである。しかしながら、ここに記載する実施形態は、連続的な測定値の減算、即ちアンテナオンでの測定値と外部雑音に起因するRSSI値だけを測定する他の測定値との減算を用いるため、これらの誤差はキーホブの位置の決定の最終結果にあまり大きな影響を与えない。
【0023】
本発明を記述する文脈において(特に後記の請求の範囲の文脈において)、“a”、“an”及び“the”及び同様の指示語の使用は、特に断りのない限り又は明確に否定されない限り、単数及び複数の両方を含むものと解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記述は、特に断りのない限り、その範囲内に入る各値を個々に言及する省略表現法として役立つことを意図しているだけであり、各値はあたかも個々に列挙されているかのように本明細書中に組み込まれる。更に、以上の記載は説明のためだけであり、限定のためでなく、請求する保護範囲は後述の請求の範囲によって、その等価物とともに規定される。本明細書で提供される任意の及びすべての例又は例示的な語(例えば、“などの”)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、別段の主張がない限り、本発明の範囲に限定を与えるものではない。請求の範囲において及び明細書において、ある結果をもたらす条件を示す“〜に基づいて”などの語句の使用は、その結果をもたらす任意の他の条件を除外することを意図しない。本明細書の如何なる言も、本発明の実施に必須なものとして請求されていないいかなる要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0024】
本発明者に知られている請求の範囲に記載の本発明を実施するための最良の形態を含む、本発明の好適な実施形態が本明細書に記載されている。上記説明を読むと、それらの好適な実施形態の変形が当業者に明らかになる。本発明者は、当業者が適宜このような変形を利用することを予期し、本発明者は、請求の範囲に記載の本発明が、本明細書に具体的に記載されたものとは異なるように実施されることを意図する。それ故、請求の範囲に記載の本発明は、適用法によって許されるように、本明細書に添付された請求の範囲に記載の本発明の全ての変更例及び均等例を含むものである。更に、特に別の指示がない限り、又は文脈により特に明確に否定されていない限り、その全ての可能な変形例における上記要素の任意の組合せも本発明に包含される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2015年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
キーホブ108は、ユーザが車両100を始動できるように構成される。キーホブ108はトランスポンダ(図示せず)を含む。しかしながら、一例では、車両100は、キーホブ108が客室内に物理的に存在するときのみユーザが車両を始動できるように構成される。キーホブ108が客室内に存在するかどうかを決定するために、キーホブ108及び基地局106は複数の内部アンテナ102を用いて受信信号強度(RSSI)の測定を実行するように構成される。典型的には、キーホブ108の位置は測定されたRSSI値に基づいて決定される。キーホブ108及び基地局106は、予め選択した値より大きいRSSI値が車両100の客室内にキーホブ108が物理的に存在することを示すように、予め較正される。第2のRSSI閾値は、第1の予め選択したRSSI閾値より低いが第の予め選択した閾値より高いRSSI値を含むことができる。この第2の閾値は、キーは客室の外にあるが客室のすぐ近くにあるかどうかを決定するために用いることができる。一例では、測定されたRSSI値が第2の閾値より高いが第1の予め選択した閾値より低い場合には、車両100のドアを開くことが許されるが、測定されたRSSI値が第1の予め選択された閾値より高い場合には、車両100のエンジンを始動することが許される。
【外国語明細書】
2015212137000001.pdf