【背景技術】
【0001】
[0001] 多くの人が”輝く”笑顔と白い歯を望み、艶がなく着色のある歯は美容上魅力
がないと考えている。歯の材質は吸収性であるため、予防処置または治療処置をしなけれ
ば残念ながら歯の着色はほとんど避けられない。煙草製品の喫煙そのほか口内での使用、
ある種の食品や飲料(特にコーヒー、茶および赤ワイン)を食べる、噛むまたは飲むなど
の日常活動が、歯の表面に好ましくない着色を生じる原因となる。着色は微生物活動によ
っても起きる可能性があり、これには歯垢に関連するものが含まれる。これらの物質中の
色素原または着色原因物質は外皮層の一部になり、エナメル層に浸透する可能性がある。
規則的な歯みがきおよびフロス使用を行ってすら、長年の色素原の蓄積が顕著に歯を変色
させる可能性がある。
【0002】
[0002] 当技術分野で、歯の変色を予防または治療するための多様な組成物が記載され
ている。特に、着色に対処し、艶を与え、または自然のエナメル色を回復させるために、
漂白剤を含有する多様な製品が業務用および消費者用として市販されている。歯の増白(
whitening)に現在最も一般的に用いられている物質は過酸化物である。過酸化物は、生
理学的観点からみて一般に安全であるとみなされ、歯の増白に有効な可能性がある。
【0003】
[0003] 専門家による歯の処置には、しばしば歯の表面の調整、たとえば酸侵蝕に続い
て高濃度の漂白液(たとえば最高37%の過酸化水素)の付与および/または熱もしくは光
の付与が含まれる。これらの処置は速やかな効果をもたらすが、費用が高く、しばしば数
回は歯科に通院する必要がある。あるいは、家庭での漂白方式を使用できる。これらの方
式は費用が安くなり、簡便さが増したため、この数十年で著しく普及した。時間をかけて
頻繁に歯科へ通院する代わりに、歯の増白剤を消費者向け小売店で購入し、容易に日常の
衛生計画に組み込むことができる。家庭での処置法には、増白ストリップ、研磨剤入り練
り歯みがき、および過酸化物を含有する練り歯みがきが含まれる。これらの過酸化物入り
練り歯みがきには、過酸化物を他の成分から分離する2チャンバー方式を採用する必要が
ある。2つのチャンバーの内容物が早期に混和すると、酸化作用および増白効果が失われ
る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 消費者のコンプライアンスを高め、成分間の不都合な反応なしに十分な量の増
白成分および他の口腔ケア有効物質を送り出す単一のチャンバーまたはチューブを使用す
る、増白用口腔ケア組成物を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本発明は、(i)過酸化水素、結合過酸化物および固体過酸化物よりなる群か
ら選択される増白剤;(ii)研磨剤;ならびに(iii)実質的に無水の口腔用として許容で
きるキャリヤー、たとえばポリエチレングリコールを含む、単相型増白用歯みがき剤を提
供する。結合過酸化物は、過酸化水素とポリマー、および/またはいずれかの過酸化化合
物と多孔質架橋ポリマー、たとえばポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタ
クリレートおよびポリイタコネートなどのポリマーであってよい。固体過酸化物は、過ホ
ウ酸ナトリウムまたは水酸化尿素であってよい。
【0006】
[0006] 本発明は、歯の表面を本発明組成物と接触させることにより歯の表面を増白す
る方法をも提供する。本発明は、これらに限定されないが、以下の態様を含む:
1.過酸化水素、結合過酸化物および固体過酸化物よりなる群から選択される増白(whit
ening)剤;
研磨剤;ならびに
実質的に無水の口腔用として許容できるキャリヤー
を含む、単相型増白用歯みがき剤組成物。
2.増白剤が過炭酸ナトリウムではない、1に記載の組成物。
3.結合過酸化物が過酸化水素およびポリマーを含む、1に記載の組成物。
4.結合過酸化物が過酸化化合物および架橋ポリマーを含む、1に記載の組成物。
5.モノマーが、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートおよび
ポリイタコネートよりなる群から選択される、4に記載の組成物。
6.固体過酸化物が、過ホウ酸ナトリウムおよび過酸化尿素よりなる群から選択される、
1に記載の組成物。
7.約0.1〜約30%の増白剤を含む、1に記載の組成物。
8.組成物の含水率が約10%未満である、1に記載の組成物。
9.実質的に無水のキャリヤーが、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドおよびプ
ロピレンオキシドのポリマーおよびコポリマーを含む、1に記載の組成物。
10.実質的に無水のキャリヤーがさらに、界面活性剤、シリコーン油、ヒュームドシリ
カ、高分子量PEG、カルボマー、ガムおよび合成ゴムを含む、1に記載の組成物。
11.さらに界面活性剤を含む、1に記載の組成物。
12.界面活性剤がアニオン性である、11に記載の組成物。
13.界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、11に記載の組成物。
14.さらにフッ化物塩を含む、1に記載の組成物。
15.a.過酸化水素で架橋されたN-ビニル複素環式ポリマー、過酸化物を含む架橋ポリ
マー、および固体過酸化物から選択される、実質的に無水の物質;
b.歯石抑制薬;ならびに
c.実質的に無水のキャリヤー
を含む、単相型増白用口腔ケア組成物。
16.さらに、過酸化物不相容性のシリカ系研磨剤を含む、15に記載の組成物。
17.さらに界面活性剤を含む、15に記載の組成物。
18.さらにフッ化物塩を含む、15に記載の組成物。
19.さらに、抗微生物薬、抗炎症薬、亜鉛塩、スズ(II)塩およびトリクロサンから選択
される有効薬剤を含む、15に記載の組成物。
20.研磨剤がピロリン酸カルシウムおよびリン酸二カルシウムから選択される、15に
記載の組成物。
21.歯の表面を増白する方法であって、歯の表面を、結合過酸化物および固体過酸化物
よりなる群から選択される増白剤;研磨剤;ならびに実質的に無水の口腔用として許容で
きるキャリヤーを含む単相型増白用歯みがき剤と接触させることを含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0007] 本発明は、過酸化物系増白剤;過酸化物不相容性の研磨剤;および実質的に無
水の口腔用として許容できるキャリヤーを含む、単相型増白用口腔ケア組成物を提供する
。多様な態様において、実質的に無水の口腔用として許容できるキャリヤーおよび使用す
る特定の過酸化物によって貯蔵安定性の単一チューブ型口腔ケア組成物が得られ、その際
、過酸化物と過酸化物不相容性成分、たとえば研磨剤を組み合わせることができる。本発
明の口腔ケア組成物は、きわめて有効な増白作用および洗浄作用を備えている。
【0008】
[0008] この単相型口腔ケア組成物は、”低い含水率”をもつ。これは、遊離水および
いずれかの成分に含有されるすべての水を含めた水の全濃度が、約4%未満、約7%未満、
または約10%未満の水であることを意味する。含水率の低いキャリヤーと組み合わせた増
白剤の選択により、増白剤の送り出しが安定化される。歯や口腔の表面に付与するための
増白作用が維持され、かつ貯蔵期間中を通して維持される。
【0009】
[0009] 当技術分野で既知の、または開発された増白剤をいずれも使用できる。好まし
くは、増白剤には、実質的に無水の酸素発生化合物である固体増白剤および結合増白剤が
含まれる。本発明に有用な固体増白剤には、過酸化物、亜塩素酸金属塩、ペルスルフェー
トが含まれる。過酸化物相の例には、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、アルカリ金属お
よびアルカリ土類金属の過酸化物、有機ペルオキシ化合物、ペルオキシ酸(peroxy acids
)、その医薬的に許容できる塩類、ならびにその混合物が含まれる。アルカリ金属および
アルカリ土類金属の過酸化物には、過酸化リチウム、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム
、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、およびその混合物が含まれ
る。有機ペルオキシ化合物には、過酸化尿素、過酸化水素グリセリル、過酸化水素アルキ
ル、過酸化ジアルキル、アルキルペルオキシ酸、ペルオキシエステル、過酸化ジアシル、
過酸化ベンゾイルおよびモノペルオキシフタレート、ならびにその混合物が含まれる。ペ
ルオキシ酸、およびそれらの塩類には、有機ペルオキシ酸、たとえばアルキルペルオキシ
酸およびモノペルオキシフタレートならびにその混合物、ならびにアルカリ金属およびア
ルカリ土類金属、たとえばリチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリ
ウムの無機過酸塩および過ホウ酸塩、ならびにその混合物が含まれる。好ましい固体過酸
化物は、過ホウ酸ナトリウム、過酸化尿素、およびその混合物である。適切な亜塩素酸金
属塩には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リ
チウム、亜塩素酸ナトリウム、および亜塩素酸カリウムが含まれる。増白剤は、好ましく
は結合していてもよい。たとえば、増白剤はPVP(ポリ(N-ビニルピロリドン))などのポ
リマーに結合していてもよい。適切なPVP複合体は、たとえばU.S.P. No. 5,122,370に開
示されており、その内容を本明細書に援用する。ある態様においては、過炭酸ナトリウム
および/またはいずれかの過炭酸塩以外の、いずれか既知の増白剤を使用することが望ま
しい。
【0010】
[0010] 本発明組成物は、当技術分野で既知の、または開発される、いずれかの歯科用
研磨剤または歯科用研磨剤の組合わせを含有することができる。本明細書中で用いる”研
磨剤”は、一般に”艶出剤”と呼ばれる物質をも含むものとする。適切な研磨剤には、従
来は過酸化物を含有する配合物中で不相容性であると考えられていたもの(”過酸化物不
相容性研磨剤”)を含めることができる。そのような研磨剤は、過酸化水素を含む水溶液
中で実質的に過酸化水素と反応して溶液の増白効果を低下させるものである。
【0011】
[0011] 口腔用として許容できる研磨剤をいずれも使用できるが、組成物を普通に使用
した際に歯のエナメル質を研磨しすぎないように研磨剤の種類、細かさ(粒度)および量
を選択することが好ましい。適切な研磨剤には、限定ではないが、シリカ、たとえばシリ
カゲル、水和シリカまたは沈降シリカの形のもの、アルミナ、不溶性ホスフェート、炭酸
カルシウム、樹脂性研磨剤、たとえば尿素-ホルムアルデヒド縮合物などが含まれる。研
磨剤として有用な不溶性ホスフェートには、オルトホスフェート、ポリメタホスフェート
およびピロホスフェートが含まれる。具体例は、オルトリン酸二カルシウム2水和物、ピ
ロリン酸カルシウム、ピロリン酸β-カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸
カルシウムおよび不溶性ポリメタリン酸ナトリウムである。研磨剤が存在する場合、その
平均粒径は一般に約0.1〜約30μm、たとえば約1〜約20μm、または約5〜約15μmである。
1種類以上の研磨剤が、研磨剤として有効な全量、一般に約0.1〜約40%で存在する。
【0012】
[0012] 本発明の多様な態様において、口腔用組成物は歯石抑制薬を含む。一般に歯石
抑制薬はある種の増白剤と不相容性であると類別されるが、本発明の態様は歯石抑制薬と
増白剤を単相型増白組成物中に含有する。適切な歯石抑制薬には、限定ではないが、ホス
フェートおよびポリホスフェート(たとえばピロホスフェート)、ポリアミノプロパンス
ルホン酸(AMPS)、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸亜鉛3水和物、ポリペプチド、ポリオレ
フィンスルホネート、ポリオレフィンホスフェート、ジホスホネートが含まれる。歯石抑
制薬は、約0.1〜約30%存在する。本発明の口腔用組成物は、種々の歯石抑制薬の混合物
を含有することができる。好ましい1態様においては、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)
およびトリポリリン酸ナトリウム(STPP)を用いる。歯石抑制薬は約1%のTSPPおよび約7
〜約10%のSTPPを含む。
【0013】
[0013] 本発明の口腔ケア組成物は、場合により少なくとも1種類の口腔用として許容
できるフッ化物イオン源を含むことができる。当技術分野で既知のもの、または開発され
るものを、いずれも使用できる。適切なフッ化物イオン源には、フッ化物、モノフルオロ
リン酸およびフルオロケイ酸の塩類が含まれる。場合により1種類以上のフッ化物イオン
放出化合物が、合計約100〜約20,000 ppm、約200〜約5,000 ppm、または約500〜約2,500
ppmのフッ化物イオンを供給する量で存在することができる。
【0014】
[0014] キャリヤーは、好ましくは含水率の低い口腔用として許容できるキャリヤーで
あり、既知のいずれかの成分または添加剤を含むことができる。
[0015] 本発明の好ましい態様において、口腔用組成物は歯みがき剤である。そのよう
な歯みがき剤には、歯みがき粉、歯科用錠剤、練り歯みがき(dental cream)、歯科用散
剤もしくはゲル剤、または当業者に既知の他のいずれかの剤形を含めることができる。
【0015】
[0016] 実質的に無水のキャリヤーは、組成物の流動性および感触を調整するための多
様な歯みがき剤成分、たとえば保湿剤、界面活性剤、増粘剤またはゲル化剤などをも含む
ことができる。
【0016】
[0017] 本発明組成物は、好ましくは界面活性剤を含む。適切な界面活性剤には、限定
ではないが、水溶性のC
8-20アルキル硫酸塩、C
8-20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、
サルコシネート、タウレート、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルモノグリセリドスルホ
ン酸ナトリウム(sodium cocoyl monoglyceride sulfonate)、ラウリルサルコシン酸ナ
トリウム(sodium lauryl sarcosinate)、ラウリルイセチオン酸ナトリウム(sodium la
uryl isoethionate)、ラウレスカルボン酸ナトリウム(sodium laureth carboxylate)
、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ならびにココアミドプロピルベタイン
(cocoamidopropyl betaine)が含まれる。
【0017】
[0018] 本発明組成物は、場合により増粘剤を含むことができる。口腔用として許容で
きる増粘剤をいずれも使用でき、限定ではないが、これには下記のものが含まれる:カル
ボマー(カルボキシビニルポリマーとしても知られる)、カラギーナン(アイリッシュモ
ス(Irish moss)としても知られる)、より具体的にはι-カラギーナン(イオタ-カラギー
ナン)、高分子量ポリエチレングリコール(たとえばCARBOWAX(登録商標)、The Dow Chemi
cal Companyから入手できる)、セルロースポリマー、たとえばヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、およびその塩類、たとえばCMCナトリウム、天
然ガム、たとえばカラヤガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびトラガント、コロイ
ドケイ酸アルミニウムマグネシウム、コロイドシリカおよび/またはヒュームドシリカ、
ならびにその混合物。場合により1種類以上の増粘剤が、約0.1〜約90%、たとえば約1〜
約50%、または約5〜約35%の全量で存在することができる。
【0018】
[0019] 本発明の多様な好ましい態様において、キャリヤーはポリエチレングリコール
、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのポリマーおよびコポリマー、ならびにシ
リコーンを含むことができる。そのようなコポリマー/ポリマーを用いる場合、それらは
市販物質、PLURAFLO(登録商標) L4370およびPLURAFLO(登録商標) L1220(BASF, Wyandott
e、米国ミシガン州から入手できる)から選択できる。キャリヤーは歯みがき剤に約10,00
0〜約700,000 CPS、好ましくは約30,000〜約300,000 CPSの粘度を付与することが好まし
い。
【0019】
[0020] 当業者に認識されるように、本発明の口腔用組成物は場合により他の物質、た
とえば抗齲食薬、知覚鈍麻薬、粘度調節剤、希釈剤、界面活性剤、たとえばサーファクタ
ント、乳化剤および起泡調節剤、pH調節剤、研磨剤(前記に挙げたもののほかに)、保湿
剤、口当たり改善剤、甘味剤、着香剤、着色剤、保存剤、ならびにその組合わせを含有す
ることができる。これらのカテゴリーの物質それぞれの全般的な特性は異なる可能性があ
るが、それらはある共通の特性をもつ可能性があり、ある物質はそれらの2以上の物質カ
テゴリー内で多数の目的に使用できる可能性があることは理解される。好ましくは、キャ
リヤーは本発明組成物の他の成分との相容性をもつように選択される。
【0020】
[0021] 着香剤、甘味剤、着色剤、起泡調節剤、口当たり改善剤その他が、場合により
組成物に累積含有されてもよい。
[0022] 本発明組成物は、場合により、口腔の硬組織および軟組織の状態または障害を
予防または治療するために、生理的障害または状態を予防または治療するために、あるい
は美容効果を得るために使用できる、1種類以上の追加の有効物質を含むことができる。
【0021】
[0023] 本発明組成物は、スズ(II)イオンまたはスズ(II)イオン源を含有することがで
きる。適切なスズ(II)イオン源には、限定ではないが、フッ化スズ(II)、他のハロゲン化
スズ(II)、たとえば塩化スズ(II) 2水和物、ピロリン酸スズ(II)、有機カルボン酸スズ(I
I)塩、たとえばギ酸、酢酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸およびクエ
ン酸のスズ(II)塩、スズ(II)エチレングリオキシドなどが含まれる。場合により、たとえ
ば1種類以上のスズ(II)イオン源が、約0.01〜約10%、たとえば約0.1〜約7%、または約
1〜約5%の全量で存在することができる。
【0022】
[0024] 本発明組成物は、場合により抗微生物薬(たとえば抗菌薬)を含むことができ
る。有用な抗微生物薬の詳細な具体的リストは、U.S.P. No. 5,776,435(Gafferら)に挙
げられたものに示され、その内容を本明細書に援用する。場合により1種類以上の抗微生
物薬が、抗微生物薬として有効な全量、一般に約0.05〜約10%、たとえば約0.1〜約3%で
存在することができる。
【0023】
[0025] 本発明組成物は、場合により酸化防止剤を含むことができる。口腔用として許
容できる酸化防止剤をいずれも使用でき、これにはブチル化ヒドロキシアニソール(BHA
)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンA、カロテノイド、ビタミンE、フラ
ボノイド、ポリフェノール類、アスコルビン酸、植物性酸化防止剤、クロロフィル、メラ
トニン、およびその混合物が含まれる。
【0024】
[0026] 本発明組成物は、場合により唾液分泌促進薬または唾液刺激薬、歯垢抑制薬、
抗炎症薬、知覚鈍磨薬を含むことができる。
[0027] ヒトまたは動物対象において歯の表面を増白する方法であって、過酸化物系増
白剤、過酸化物不相容性の研磨剤、および実質的に無水の口腔用として許容できるキャリ
ヤーを含む増白用口腔ケア組成物を安定な形で貯蔵し;この組成物を口腔表面と接触させ
ることを含む方法を提供する。本明細書中で用いる”動物対象”には、ヒト以外の高等哺
乳類、たとえばイヌ、ネコおよびウマが含まれる。本発明の口腔ケア組成物を哺乳動物対
象の口腔表面と接触させることにより、増白剤、過酸化物不相容性の研磨剤および他の成
分間の有害な相互作用なしに、きわめて効果的に歯が増白される。
【0025】
[0028] 多様な態様において、口腔ケア組成物を口腔表面に付与して接触させることが
好ましい。本発明に従って調製した歯みがき剤を、規則的に、好ましくは毎日、少なくと
も1日1回で多数日間、または2日もしくは3日毎に、口腔表面に付与する。好ましくは、
口腔用組成物を1日1〜3回、少なくとも2週間、最高8週間、4カ月ないし3年間、またはさ
らに生涯、口腔表面に付与する。
【0026】
[0029] 本発明を限定ではない下記の例で説明する。
【実施例】
【0027】
比較例1
[0030] 表1の成分を混合することにより、研磨剤を含有しない比較用の単相歯みがき
剤を調製する。この歯みがき剤を約49℃で2週間エージングした後、過酸化物の回収率は
最初に存在した量の89%であった。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1
[0031] 表2の成分を混合することにより、単相歯みがき剤を調製した。過酸化物不相
容性のシリカ系研磨剤を12.44%含有させ、歯みがき剤の洗浄効果および増白効果を高め
る。この歯みがき剤を約49℃で2週間エージングした後、過酸化物の回収率は最初に存在
した量の77%であった。
【0030】
【表2】
【0031】
[0032] 本明細書に記載した実施例および他の態様は例示であって、本発明の組成物お
よび方法の全範囲の記載を限定することを意図したものではない。本発明の範囲内で具体
的な態様、物質、組成物および方法の均等な交換、改変および変更を行って、実質的に同
様な結果を得ることができる。
歯石抑制薬が、ポリホスフェート、ヘキサメタリン酸塩、ポリオレフィンスルホネート、及びこれらの2種以上の組み合わせから選択される剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。