【解決手段】燃料電池システムの水貯留部5は、改質器7に向けて改質水W3が流出する改質水流出口521と、原水W4が水貯留部5に流入する原水流入口522と、水貯留部5の改質水W3が不純物除去部53へ流出する循環改質水流出口523と、不純物除去部53から水貯留部5へ改質水W3が流入する循環改質水流入口524と、改質水W3を貯留する貯留空間530を、水貯留部5の一方の側と水貯留部5の他方の側とに部分的に仕切る仕切り部材511と、を有する。循環改質水流出口523及び原水流入口522は、貯留空間530の一方の側を形成している水貯留部5の部分に位置し、循環改質水流入口524及び改質水流出口521は、貯留空間530の他方の側を形成している水貯留部5の部分に位置する。
前記仕切り部材は、前記原水流入口と前記改質水流出口とが前記貯留空間を介して直接対向しないように、前記原水流入口と前記改質水流出口とを遮蔽する位置関係を有して前記貯留空間内に配置されている請求項1に記載の燃料電池システム。
前記貯留空間の他方の側を形成している前記水貯留部の部分は、前記循環改質水流入口から流入した改質水の流れを前記貯留空間の一方の側へ向ける流方向変更壁部を有し、
前記凝縮水流入口は、前記貯留空間を介して前記流方向変更壁部に対向している請求項4に記載の燃料電池システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態における燃料電池システム1を示す概略図である。
図1に示すように、実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池2と、燃焼器21と、熱交換器3と、貯湯タンク4と、水貯留部としての改質水タンク5と、改質器7と、セパレータ51と、第1不純物除去部52と、第2不純物除去部53と、制御部8と、を備える。
また、燃料電池システム1は、オフガスラインL1と、熱交換水ラインL2と、温水使用ラインL3と、貯湯タンク給水ラインL4と、改質水循環ラインL5と、燃料供給ラインL61と、空気供給ラインL62と、改質ガス供給ラインL63とを備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0014】
オフガスラインL1は、燃焼前オフガスラインL111と、燃焼後オフガスラインL112と、下流側オフガスラインL12とを有する。
燃焼前オフガスラインL111の一端部は、燃料電池2に接続されており、燃焼前オフガスラインL111の他端部は、燃焼器21に接続されている。燃料電池2から排出されるオフガスG1は、オフガスラインL1を通じて燃焼器21に供給される。
【0015】
燃焼後オフガスラインL112の一端部は、燃焼器21に接続されており、燃焼後オフガスラインL112の他端部は、熱交換器3に接続されている。燃焼器21においてオフガスG1が燃焼されて生成された高温の燃焼ガスG2は、燃焼後オフガスラインL112を通じて熱交換器3に供給される。
【0016】
下流側オフガスラインL12の一端部は、熱交換器3に接続されており、下流側オフガスラインL12の他端部は、燃料電池システム1の外部へ解放されている。下流側オフガスラインL12の途中には、セパレータ(気水分離器)51が接続されている。燃焼ガスG2は、セパレータ(気水分離器)51を介して排気ガスとして、下流側オフガスラインL12を流通して燃料電池システム1の外部へ排出される。
【0017】
熱交換水ラインL2は、高温側ラインL21と、低温側ラインL22と、を有する。高温側ラインL21の一端部は熱交換器3に接続されており、高温側ラインL21の他端部は、貯湯タンク4に接続されている。高温側ラインL21は、熱交換器3により熱交換された高温の温水W1を貯湯タンク4に流通させる。熱交換水ラインL2としての高温側ラインL21には、温水W1が流通することに限られず、例えば、水道水が流通してもよい。
【0018】
低温側ラインL22の一端部は、貯湯タンク4に接続されており、低温側ラインL22の他端部は、熱交換器3に接続されている。低温側ラインL22の途中には、ポンプ43が接続されている。低温側ラインL22は、ポンプ43の駆動により、貯湯タンク4に貯留されている温水W1を熱交換器3に流通させる。低温側ラインL22には、貯湯タンク4に貯留されている水(温水W1)が流通することに限られず、例えば、水道水が流通してもよい。
【0019】
温水使用ラインL3の一端部は、貯湯タンク4に接続されており、温水使用ラインL3の他端部は、温水使用設備(図示せず)に接続されている。また、温水使用ラインL3の途中には、ポンプ44が接続されている。温水使用ラインL3及びポンプ44は、貯湯タンク4内の温水W1を外部へ排出する温水排出手段を構成する。ポンプ44が駆動することにより、温水使用ラインL3は、貯湯タンク4に貯留されている温水W1を温水使用設備(図示せず)に流通させる。
【0020】
貯湯タンク給水ラインL4の一端部は、供給水W2の供給源(図示せず)に接続されており、貯湯タンク給水ラインL4の他端部は、貯湯タンク4に接続されている。貯湯タンク給水ラインL4の途中には、ポンプ45が接続されている。貯湯タンク給水ラインL4は、供給水W2の供給源(図示せず)からの供給水W2を貯湯タンク4に流通させる。貯湯タンク給水ラインL4及びポンプ45は、供給水W2を貯湯タンク4に補給する第2補給水補給手段を構成する。供給水W2は、常温又は高温の水でもよいし、水道水でもよい。
【0021】
改質水循環ラインL5は、凝縮水供給ラインL51と、改質水供給ラインL52と、改質水浄化上流ラインL53と、改質水浄化下流ラインL54と、改質水タンク給水ラインL55と、を有している。
【0022】
凝縮水供給ラインL51の一端部は、セパレータ51に接続されており、凝縮水供給ラインL51の他端部は、改質水タンク5に接続されている。凝縮水供給ラインL51は、燃焼ガスG2中に混在している水(ドレン)を、セパレータ51により燃焼ガスG2から分離して凝縮水として改質水タンク5へ流通させる。即ち、凝縮水供給ラインL51には、オフガスG1から生成された燃焼ガスG2が熱交換器3において熱交換されて得られた凝縮水(改質水W3)が、流通する。
【0023】
改質水供給ラインL52の一端部は、改質水タンク5に接続されており、改質水供給ラインL52の他端部は、改質器7に接続されている。また、改質水供給ラインL52の途中には、改質水供給ラインL52の一端部側から他端部側に向かって第1不純物除去部52、ポンプ55がこの順でそれぞれ接続されている。改質水供給ラインL52は、水貯留部としての改質水タンク5に貯留された改質水W3を、改質器7に向けて流通させる。
【0024】
改質水浄化上流ラインL53の一端部は、改質水タンク5に接続されており、改質水浄化上流ラインL53の他端部は、第2不純物除去部53に接続されている。改質水浄化上流ラインL53の途中には、ポンプ57が接続されている。改質水浄化上流ラインL53は、ポンプ57の駆動により、改質水タンク5内の改質水W3を第2不純物除去部53に流通させる。
【0025】
改質水浄化下流ラインL54の一端部は、第2不純物除去部53に接続されており、改質水浄化下流ラインL54の他端部は、改質水タンク5に接続されている。改質水浄化下流ラインL54は、第2不純物除去部53においてイオン交換樹脂を通された改質水W3を、改質水タンク5に流通させる。
【0026】
改質水タンク給水ラインL55の一端部は、供給水W4の供給源(図示せず)に接続されており、改質水タンク給水ラインL55の他端部は、改質水タンク5に接続されている。改質水タンク給水ラインL55の途中には、ポンプ56が接続されている。改質水タンク給水ラインL55は、ポンプ56の駆動により、供給水W4の供給源(図示せず)からの供給水W4を改質水タンク5に流通させる。供給水W4の供給源(図示せず)、改質水タンク給水ラインL55、及び、ポンプ56は、第1補給水補給手段を構成する。従って、第1補給水補給手段は、凝縮水供給ラインL51を介さずに水貯留部としての改質水タンク5に供給水W4を、改質水として補給する。供給水W4は、常温又は高温の水でもよいし、水道水でもよい。
【0027】
燃料供給ラインL61の一端部は、都市ガス等の燃料G3を供給可能な燃料供給部(図示せず)に接続されており、燃料供給ラインL61の他端部は、改質器7に接続されている。燃料供給ラインL61は、燃料供給部(図示せず)からの燃料G3を改質器7へ流通させる。
【0028】
空気供給ラインL62の一端部は、空気A1を燃料電池2に供給するための空気供給部としてのブロワ(図示せず)及びフィルタ(図示せず)に接続されている。空気供給ラインL62の他端部は、燃料電池2に接続されている。空気供給ラインL62は、ブロワ及びフィルタを通過した空気A1を、燃料電池2に流通させる。
【0029】
改質ガス供給ラインL63の一端部は、改質器7に接続されており、改質ガス供給ラインL63の他端部は、燃料電池2に接続される。改質ガス供給ラインL63は、改質器7において生成された水素を含む改質ガスG4を、燃料電池2に向けて流通させる。
【0030】
燃料電池2は、高温型の燃料電池であるSOFC(固体酸化物形燃料電池)である。燃料電池2においては、改質器7から供給される水素を含む改質ガスG4と、空気供給ラインL62から供給される空気A1中の酸素とが反応することにより、発電が行われる。燃料電池2において発電を行うときの温度である運転温度は、700℃〜1000℃と高温である。燃料電池2によって発電された電気は、パワーコンディショナ(図示せず)に送られ、AC電圧に変換される。
【0031】
燃焼器21は、バーナーや炉等により構成される。燃焼器21では、燃焼前オフガスラインL111を通して供給されたオフガスG1が燃焼されて、即ち、アノードオフガス及びカソードオフガスが燃焼されて、高温の燃焼ガスG2が生成される。
【0032】
熱交換器3は、燃料電池2から排出されたオフガスG1から生成された燃焼ガスG2と、熱交換水ラインL2を流通する温水W1等との間で熱交換する。即ち、熱交換器3は、燃焼器21から供給される高温の燃焼ガスG2の熱を、低温側ラインL22を流通した貯湯タンク4からの温水W1に伝達させる。これにより、燃焼ガスG2中には、水(ドレン)が混在した状態となる。セパレータ51は、熱交換器3における熱交換により生成され燃焼ガスG2中に混在している水を、セパレータ51により燃焼ガスG2から分離し、改質水W3として改質水タンク5へ流通させる。
【0033】
貯湯タンク4は、熱交換器3に熱交換水ラインL2を介して接続されている。貯湯タンク4は、熱交換水ラインL2を構成する高温側ラインL21を流通する、熱交換器3により熱交換された温水W1を貯留する。貯湯タンク4に貯留された温水W1は、ポンプ43により低温側ラインL22を通して熱交換器3に向けて送り出される。
【0034】
貯湯タンク4内には、温度検出部としての温度検出センサ41が配置される。温度検出センサ41は、貯湯タンク4に貯留された温水W1の温度が基準温度である所定の温度閾値T1を上回るか否かを、検出する。温度検出センサ41は、制御部8と電気的に接続されている。温度検出センサ41で検出された、貯湯タンク4に貯留された温水W1の温度は、制御部8へ検出信号として送信される。
【0035】
改質水タンク5は、凝縮水供給ラインL51を介して流通した凝縮水を改質水W3として貯留する。改質水タンク5は、高水位検出部としての第1水位検出センサ501と、低水位検出部としての第2水位検出センサ502と、を備えている。
【0036】
図2に示すように、改質水タンク5は、タンク本体510と、仕切り部材511と、流方向変更壁部としての傾斜平坦壁部512と、改質水流出口521と、原水流入口522と、循環改質水流出口523と、循環改質水流入口524と、凝縮水流入口525と、を有している。
図2における上方向は、鉛直上方向に一致し、下方向は、鉛直下方向に一致する。
【0037】
タンク本体510は、中空の容器により構成されている。タンク本体510内には、水貯留部としてのタンク本体510内において改質水W3を貯留する貯留空間530が、形成されている。
改質水流出口521は、タンク本体510の下部において、タンク本体510の底壁を上下方向に貫通するように形成された貫通孔である。改質水流出口521には、改質水供給ラインL52の一端部が接続されている。改質水流出口521は、貯留空間530の他方の側としての下側を形成している水貯留部としてのタンク本体510の部分に、位置する。改質水W3は、改質水流出口521から改質器7に向けて、流出する。
【0038】
原水流入口522は、タンク本体510の上部において、タンク本体510の上壁を上下方向に貫通するように形成された貫通孔である。原水流入口522には、改質水タンク給水ラインL55の他端部が接続されている。原水流入口522は、貯留空間530の一方の側としての上側を形成している水貯留部としてのタンク本体510の部分に、位置する。原水としての供給水W4は、原水流入口522からタンク本体510内に、流入する。
【0039】
循環改質水流出口523は、タンク本体510の上部において、タンク本体510の側壁を、
図2の左右方向に貫通するように形成された貫通孔である。循環改質水流出口523は、仕切り部材511が固定されているタンク本体510の側壁の上方のタンク本体510の側壁の部分に位置している。循環改質水流出口523には、改質水浄化上流ラインL53の一端部が接続されている。循環改質水流出口523は、貯留空間530の一方の側としての上側を形成している水貯留部としてのタンク本体510の部分に、位置する。タンク本体510内の改質水W3は、循環改質水流出口523から第2不純物除去部53へ流出する。
【0040】
循環改質水流入口524は、タンク本体510の下部において、タンク本体510の側壁を、
図2の左右方向に貫通するように形成された貫通孔である。循環改質水流入口524は、仕切り部材511が固定されているタンク本体510の側壁の下方のタンク本体510の側壁の部分に位置している。循環改質水流入口524には、改質水浄化下流ラインL54の他端部が接続されている。循環改質水流入口524は、貯留空間530の他方の側としての下側を形成している水貯留部としてのタンク本体510の部分に、位置する。第2不純物除去部53からタンク本体510への改質水W3は、循環改質水流入口524を介して、タンク本体510に流入する。
【0041】
凝縮水流入口525は、タンク本体510の上部において、タンク本体510の上壁を上下方向に貫通するように形成された貫通孔である。凝縮水流入口525には、凝縮水供給ラインL51の他端部の開口に接続されている。凝縮水流入口525は、貯留空間530の一方の側としての上側を形成している水貯留部としてのタンク本体510の部分に、位置する。また、凝縮水流入口525は、貯留空間530の一方の側と他方の側とが連通する貯留空間530の部分531、即ち、貯留空間530において、仕切り部材511によって仕切られていない部分531に対向している。凝縮水供給ラインL51を流通する凝縮水としての改質水W3は、凝縮水流入口525を介して、タンク本体510に流入する。
【0042】
仕切り部材511は、平板状を有している。仕切り部材511の一端部は、タンク本体510の上下方向における内面に固定されている。仕切り部材511は、一端部から他端部に向けて水平に延びている。仕切り部材511の他端部は、自由端を構成する。従って、仕切り部材511は、水貯留部としてのタンク本体510内の貯留空間530を一方の側(上側)と他方の側(下側)とに部分的に仕切っている。これにより、水貯留部としての貯留空間530の一方の側は、タンク本体510の他方の側の上方に位置する。
【0043】
仕切り部材511は、
図2に示すように、上下方向において原水流入口522と改質水流出口521とを遮蔽する位置関係を有して、貯留空間530内に配置されている。このため、原水流入口522と改質水流出口521とは、貯留空間530を介して直接対向しない。
【0044】
傾斜平坦壁部512は、タンク本体510の部分であって貯留空間530の他方の側を形成している部分を構成する。傾斜平坦壁部512は、上下方向及び水平方向に対して45°傾斜する壁部により構成されており、貯留空間530を介して凝縮水流入口525に対向している。傾斜平坦壁部512は、循環改質水流入口524から流入した改質水W3の流れを貯留空間530の一方の側へ向ける。具体的には、
図2において右側から左側へ向かって流入した改質水W3は、傾斜平坦壁部512に衝突し、上方へ流れが変えられて、水貯留部としての貯留空間530の他方の側から一方の側へ流入し、右方向へ流れて、循環改質水流出口523へ流入する。なお、傾斜平坦壁部512の上下方向及び水平方向に対する傾斜角度は、45°に限定されない。傾斜平坦壁部512の上下方向及び水平方向に対する傾斜角度は、例えば、30°〜60°であればよい。
【0045】
図1に示すように、第1水位検出センサ501は、改質水タンク5内の上部に配置されている。第2水位検出センサ502は、改質水タンク5内の下部に配置されている。第1水位検出センサ501は、改質水タンク5に貯留された改質水W3の水位が、第1水位検出センサ501の配置されている位置を下回っていた状態から上回ったことを、検出する。同様に、第2水位検出センサ502は、改質水タンク5に貯留された改質水W3の水位が、第2水位検出センサ502の配置されている位置を上回っていた状態から下回ったことを、検出する。第1水位検出センサ501及び第2水位検出センサ502は、制御部8と電気的に接続されている。第1水位検出センサ501及び第2水位検出センサ502により検出された改質水タンク5内の改質水W3の水位の検出の有無は、制御部8へ検出信号として送信される。
【0046】
第1不純物除去部52、第2不純物除去部53は、混床イオン交換樹脂(ポリッシャ)を有している。第1不純物除去部52は、改質水供給ラインL52を流通する改質水W3から不純物を除去して、改質水W3を浄化(純水化)する。第2不純物除去部53は、改質水浄化上流ラインL53から改質水浄化下流ラインL54へ流通する改質水W3から不純物を除去して、改質水W3を浄化(純水化)する。
【0047】
改質器7は、触媒を有している。改質水供給ラインL52を通して供給される改質水W3と、燃料供給ラインL61を通して供給される燃料G3とは、改質器7の触媒上で反応する。この反応により、改質器7において、改質ガスG4が生成される。生成された改質ガスG4は、改質ガス供給ラインL63を通して燃料電池2に供給される。
【0048】
制御部8は、CPU(図示せず)と記憶媒体(図示せず)とを主として有している。記憶媒体には、前述のように、制御部8に電気的に接続された各部に対して、各種の制御を行うためにCPUを動作させるためのプログラムがそれぞれ記憶されている。また、制御部8は、ポンプ43、44、45、55、56、57に電気的に接続されており、ポンプ43、44、45、55、56、57に対して駆動及び駆動停止の制御を行う。
【0049】
本実施形態の燃料電池システム1によれば、以下の効果を得ることができる。
燃料電池システム1は、燃料電池2と、触媒上で燃料G3と水としての改質水W3とを反応させて、燃料電池2に供給される改質ガスG4を生成する改質器7と、改質器7で生成された改質ガスG4が燃料電池2に向けて流通する改質ガス供給ラインL63と、改質器7へ供給する改質水W3を貯留する水貯留部としての改質水タンク5と、改質水タンク5に貯留された改質水W3から不純物を除去する不純物除去部としての第2不純物除去部53と、を備える。
水貯留部としての改質水タンク5は、改質器7に向けて改質水W3が流出する改質水流出口521と、原水としての供給水W4が改質水タンク5に流入する原水流入口522と、改質水タンク5の改質水W3が第2不純物除去部53へ流出する循環改質水流出口523と、第2不純物除去部53から改質水タンク5へ改質水W3が流入する循環改質水流入口524と、改質水タンク5内において改質水W3を貯留する貯留空間530を、水貯留部の一方の側と水貯留部の他方の側とに部分的に仕切る仕切り部材511と、を有する。
循環改質水流出口523及び原水流入口522は、貯留空間530の一方の側を形成している改質水タンク5の部分に位置し、循環改質水流入口524及び改質水流出口521は、貯留空間530の他方の側を形成している改質水タンク5の部分に位置する。
【0050】
更に、仕切り部材511は、原水流入口522と改質水流出口521とが貯留空間530を介して直接対向しないように、原水流入口522と改質水流出口521とを遮蔽する位置関係を有して貯留空間530内に配置されている。
【0051】
このため、原水流入口522から流出した原水としての供給水W4を、改質水流出口521の方向ではなく循環改質水流出口523の方向へ流し易くすることができる。この結果、供給水W4が改質水流出口521に直接流出することを抑えることができ、供給水W4を第2不純物除去部53の混床イオン交換樹脂に通過させ易くすることができる。従って、第2不純物除去部53と第1不純物除去部52との少なくとも2回、混床イオン交換樹脂に供給水W4を通過させる可能性を高めることができる。
【0052】
また、仕切り部材511は、板状を有する。このため、簡単な構成で、仕切り部材511をタンク本体510内に設けることができる。
【0053】
また、燃料電池システム1は、燃料電池2から排出されたオフガスG1から生成された燃焼ガスG2と熱交換水ラインL2を流通する水としての温水W1との間で熱交換する熱交換器3と、オフガスG1から生成された燃焼ガスG2が熱交換器3において熱交換されて得られた凝縮水(改質水W3)が水貯留部としての改質水タンク5へ向けて流通する凝縮水供給ラインL51と、を備える。
水貯留部としての改質水タンク5は、凝縮水供給ラインL51の端部の開口に接続された凝縮水流入口525であって、凝縮水供給ラインL51を流通する凝縮水が改質水タンク5に流入する凝縮水流入口525と、を有する。凝縮水流入口525は、貯留空間530の一方の側と他方の側とが連通する貯留空間530の部分に対向している。
【0054】
このため、凝縮水流入口525から改質水タンク5内へ流入した凝縮水としての改質水W3の流れと、貯留空間530の他方の側から一方の側へと流れてきた改質水W3の流れとにより、原水流入口522から流出した原水としての供給水W4を、循環改質水流出口523の方向へ流れ易くすることができる。
【0055】
また、貯留空間530の他方の側を形成している水貯留部としてのタンク本体510の部分は、流方向変更壁部としての傾斜平坦壁部512を有する。そして、凝縮水流入口525は、貯留空間530を介して傾斜平坦壁部512に対向している。このため、循環改質水流入口524から流入した改質水W3の流れを、貯留空間530の一方の側へ緩やかに向けることができ、これにより、凝縮水流入口525から流入した凝縮水としての改質水W3を循環改質水流出口523の方向へ容易に流すことができる。
【0056】
このため、重力による改質水W3の流れを利用して、貯留空間530の一方の側の改質水W3と、貯留空間530の他方の側の改質水W3とを、より効率よく混ぜることができる。
【0057】
また、不純物除去部としての第2不純物除去部53はイオン交換樹脂を有する。このため、改質水タンク5内の改質水W3を繰り返し第2不純物除去部53に通すことにより、改質水W3をより浄化し、より純水に近づけることができる。
【0058】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。例えば、改質水タンクの構成は、本実施形態における改質水タンク5の構成に限定されない。例えば、仕切り部材の形状は、仕切り部材511の形状に限定されない。