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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-213063(P2015-213063A)
(43)【公開日】2015年11月26日
(54)【発明の名称】フレキシブルケーブルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/88 20110101AFI20151030BHJP
【FI】
   H01R12/88
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-87202(P2015-87202)
(22)【出願日】2015年4月22日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0053647
(32)【優先日】2014年5月2日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】キム スクミン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン クァンヨン
【テーマコード(参考)】
5E123
【Fターム(参考)】
5E123AB01
5E123BA04
5E123BA07
5E123BB01
5E123BB12
5E123CC15
5E123CD01
5E123DA05
5E123DB23
5E123DB33
5E123DB36
5E123EC75
5E123EC78
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フレキシブルケーブルが端子なしでPCBと直接接触するように構成され、かつ別々の取付釘が必要とされないため、簡略化され、結果として、製品製造費用を低減することができ、製品を小型化することができる。
【解決手段】媒体として端子を用いることなく、フレキシブルケーブルをPCB10に直接接触させるフレキシブルケーブルコネクタに関する。フレキシブルケーブルコネクタは、PCB10に固定され、筐体110とPCB10との間に、フレキシブルケーブルが挿入される挿入空間130を形成する、筐体110と、フレキシブルケーブルの導体部分を、PCB10の上部の導体部分と直接接触させるように、挿入空間130に挿入されるフレキシブルケーブルの上部を下方に押す、筐体110に回転可能に載置される、アクチュエータ120と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCBに固定され、筐体と前記PCBとの間に、フレキシブルケーブルが挿入される挿入空間を形成する、筐体と、
前記フレキシブルケーブルの導体部分を、前記PCBの上部の導体部分と直接接触させるように、前記挿入空間に挿入される前記フレキシブルケーブルの上部を下方に押す、前記筐体に回転可能に載置される、アクチュエータと、を備える、フレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項2】
前記筐体の材料は、金属であり、前記アクチュエータは、前記筐体の前部に向かって回転することにより閉鎖され、前記筐体の前部から離れて回転することにより開放される、請求項1に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項3】
軸は、前記アクチュエータが閉鎖されているときに、その後部端を構成する前記アクチュエータの一部に形成され、前記軸の一部は、前記フレキシブルケーブルを前記PCBと密接に接触させるように、前記アクチュエータが閉鎖されているときに、前記フレキシブルケーブルを下方に押す、請求項2に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項4】
前記挿入空間の上部を覆う前記筐体の一部に、軸貫通孔は、前記軸が通過することができるように、上部から底部に形成され、前記筐体の前記軸貫通孔の上部に、前記軸を下方に押すことによって弾性支持を提供する支持梁が備え付けられる、請求項3に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項5】
互いから離間される複数の前記軸および支持梁が形成され、各支持梁は、それぞれの軸に弾性支持を個別に提供する、請求項4に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項6】
前記挿入空間は、前記筐体の前部または後部に開放され、前記フレキシブルケーブルは、前記挿入空間の開放部分に挿入される、請求項5に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項7】
前記フレキシブルケーブルが挿入される方向の反対側に位置する前記筐体の一部に、ストッパー部分が、前記フレキシブルケーブルの挿入を制限するように形成される、請求項6に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項8】
前記フレキシブルケーブルは、前記筐体の前部を介して挿入され、
前記筐体は、
前記PCBからある間隔で設置され、前記筐体と前記PCBとの間の空間に前記挿入空間を形成し、その中に形成される前記軸貫通孔を有する、下面部分と、
該下面部分と重なるように、該下面部分の後部端から上方に屈曲する軸支持部分であって、前記支持梁がその端部に形成される、軸支持部分と、
前記下面部分の後部端または前記軸支持部分の一部が、分離され、前記PCBにはんだ付けされる、はんだ付け部分と、
前記下面部分の後部端または前記軸支持部分の一部を分離することによって形成される、前記ストッパー部分と、
それぞれ前記下面部分の両側に単一ユニットとして形成される、前記挿入空間の側面を覆い、前記PCBにはんだ付けされる、取付部分と、を備える、請求項7に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項9】
前記フレキシブルケーブルは、前記筐体の後部を介して挿入され、
前記筐体は、
前記PCBからある間隔で設置され、前記筐体と前記PCBとの間の前記空間に前記挿入空間を形成し、その中に形成される前記軸貫通孔を有する、下面部分と、
該下面部分と重なるように、該下面部分の前部端から上方に屈曲する軸支持部分であって、前記支持梁がその端部に形成される、軸支持部分と、
前記下面部分の前部端が、分離され、前記PCBにはんだ付けされる、はんだ付け部分と、
前記下面部分の前部端を分離することによって形成される、前記ストッパー部分と、
それぞれ前記下面部分の両側に単一ユニットとして形成される、前記挿入空間の側面を覆い、前記PCBにはんだ付けされる、取付部分と、を備える、請求項7に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項10】
前記支持梁の端部は、前記筐体の前部を向いて位置付けられ、前記軸貫通孔の前部分に、重なるように下面部分から上方に屈曲させることによって、前記軸の前方離脱を防止する軸離脱防止部分が形成される、請求項8または請求項9に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項11】
前記アクチュエータの前記軸は、前記アクチュエータが閉鎖しているときに、垂直方向に長く、前後方向に短い形状で形成される、請求項8または請求項9に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項12】
前記筐体に、前記アクチュエータが開放されているときに、前記筐体の後部に向かった前記アクチュエータの必要以上の回転を防止する回転防止構造が備え付けられる、請求項11に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項13】
外側傾斜ガイド部分は、前記フレキシブルケーブルを、前記挿入空間に容易に挿入することができるように、前記フレキシブルケーブルが挿入される側面の、前記取付部分の前部端または後部端に形成される、請求項8または請求項9に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【請求項14】
前記フレキシブルケーブルを、前記挿入空間に容易に挿入することができるように、前記底面部分の前部端に、上方傾斜ガイド部分が形成される、請求項8に記載のフレキシブルケーブルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルケーブルをプリント基板(以下、「PCB」)と接触させるためのコネクタに関し、より具体的には、端子の媒体を用いることなく、フレキシブルケーブルをPCBと直接接触させるフレキシブルケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
より小型かつより高性能の電子製品に向かう最近の傾向では、多くの電子コンポーネントがPCBに配置され、結果的に、多くの信号が平行して入力および出力される。デバイスとの電気接触の場合、複数の電気ワイヤが単一のケーブルとしてまとめられる、フレキシブルフラットケーブル(FFC)およびフレキシブルプリント回路(FPC)が広く用いられる。
【0003】
先行技術のフレキシブルケーブルコネクタは、PCBに固定され、プラスチックから成形される筐体と、筐体の後部から筐体に挿入され、適所に固定される、複数の終端として形成される端子と、筐体の前部に挿入されるフレキシブルケーブルを、筐体内の適所に固定するアクチュエータとを備えた。
【0004】
この構成を有する先行技術のフレキシブルケーブルコネクタは、終端によって仲介されるフレキシブルケーブルとPCBとの間の接続を確立するように設計される。フレキシブルケーブルは、最初に、アクチュエータがその開放状態にある状態で、筐体に挿入され、次に、フレキシブルケーブルは、アクチュエータが閉鎖しているときに、終端と接触する。筐体は、取付釘を用いてPCBに固定される。
【0005】
上述の構成を有する先行技術のフレキシブルケーブルコネクタの場合、フレキシブルケーブルは、終端の媒体によってPCBに接触し、かつ筐体は、別々の取付釘によってPCBに固定されるため、信号伝送アーキテクチャおよび全体的なコネクタアーキテクチャは複雑である。結果として、製品製造費用を削減し、製品を小型化することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1170428号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−1310138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の先行技術の問題に取り組むために発明された本発明の目的は、信号伝送アーキテクチャおよび全体的なコネクタアーキテクチャを簡略化することができるフレキシブルケーブルコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフレキシブルケーブルコネクタは、PCBに固定され、筐体とPCBとの間に、フレキシブルケーブルが挿入される挿入空間を形成する、筐体と、フレキシブルケーブルの導体部分を、PCBの上部の導体部分と直接接触させるように、挿入空間に挿入されるフレキシブルケーブルの上部を下方に押す、筐体に回転可能に載置される、アクチュエータとを備える。
【0009】
筐体の材料は、金属であり、アクチュエータは、筐体の前部に向かって回転することにより閉鎖され、筐体の前部から離れて回転することにより開放される。
【0010】
軸は、アクチュエータが閉鎖されているときに、その後部端を構成するアクチュエータの一部に形成され、軸の一部は、フレキシブルケーブルをPCBと密接に接触させるように、アクチュエータが閉鎖されているときに、フレキシブルケーブルを下方に押す。
【0011】
挿入空間の上部を覆う筐体の一部に、軸貫通孔は、軸が通過することができるように、上部から底部に形成され、筐体の軸貫通孔の上部に、軸を下方に押すことによって弾性支持を提供する支持梁が備え付けられる。
【0012】
複数の軸および支持梁は、互いから離間されてそれぞれ形成され、各支持梁は、各軸に個別に弾性支持を提供する。
【0013】
挿入空間は、筐体の前部および後部に向かって開放され、フレキシブルケーブルは、挿入空間の開放部分を介して挿入される。
【0014】
フレキシブルケーブルが挿入される方向の反対側に位置する筐体の一部に、ストッパー部分が、フレキシブルケーブルの挿入を制限するように形成される。
【0015】
筐体は、PCBからある間隔で設置され、筐体とPCBとの間の空間に挿入空間を形成し、その中に形成される軸貫通孔を有する、下面部分と、下面部分と重なるように、下面部分の後部端から上方に屈曲する軸支持部分であって、支持梁がその端部に形成される、軸支持部分と、下面部分の後部端または軸支持部分の一部が、分離され、PCBにはんだ付けされる、はんだ付け部分と、下面部分の後部端または軸支持部分の一部を分離することによって形成される、ストッパー部分と、それぞれ下面部分の両側に単一ユニットとして形成される、挿入空間の側面を覆い、PCBにはんだ付けされる、取付部分とを備える。
【0016】
筐体は、PCBからある間隔で設置され、筐体とPCBとの間の空間に挿入空間を形成し、その中に形成される軸貫通孔を有する、下面部分と、下面部分と重なるように、下面部分の後部端から上方に屈曲する軸支持部分であって、支持梁がその端部に形成される、軸支持部分と、下面部分の前部端が、分離され、PCBにはんだ付けされる、はんだ付け部分と、下面部分の前部端を分離することによって形成される、ストッパー部分と、それぞれ下面部分の両側に単一ユニットとして形成される、挿入空間の側面を覆い、PCBにはんだ付けされる、取付部分とを備える。
【0017】
支持梁の端部は、筐体の前部を向いて位置付けられ、軸貫通孔の前部分に、下面部分と重なるように下面部分から上方に屈曲する軸離脱防止部分が形成され、したがって、軸の前方離脱を防止する。
【0018】
アクチュエータの軸は、アクチュエータが閉鎖しているときに、垂直方向に長く、前後方向に短い形状で形成される。
【0019】
筐体に、アクチュエータが開放されているときに、アクチュエータが筐体の後部に向かって必要以上に回転することを防止する回転防止構造が備え付けられる。
【0020】
外側傾斜ガイド部分は、フレキシブルケーブルを、挿入空間に容易に挿入することができるように、フレキシブルケーブルが挿入される側面の、取付部分の前部端または後部端に形成される。
【0021】
フレキシブルケーブルを、挿入空間に容易に挿入することができるように、下面部分の前部端に、上方傾斜ガイド部分が形成される。
【発明の効果】
【0022】
以下の効果を本発明のフレキシブルケーブルコネクタから得ることができる。
【0023】
第1に、フレキシブルケーブルが端子なしでPCBと直接接触するように構成され、かつ別々の取付釘が必要とされないため、信号伝送アーキテクチャおよび全体的なコネクタアーキテクチャは、簡略化され、結果として、製品製造費用を低減することができ、製品を小型化することができる。
【0024】
第2に、この筐体に備え付けられる支持梁が、アクチュエータの軸を独立して押して、支持を提供し、それによって、PCBおよびフレキシブルケーブルの各ピンに対して一貫した接触圧を維持することができるように構成されるため、フレキシブルケーブルとPCBとの間に安定した接触を維持することができる。特に、接触の等しい信頼性を両側および中央で確実にすることができるため、PCBおよびフレキシブルケーブルにおけるピンの数が増加するとしても、その接触状態は、一貫したままであることができる(すなわち、少しのピンから多くのピンに及ぶ様々な場合にわたって適用することができる)。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】FPCを挿入するための、実施形態1による本発明のフレキシブルケーブルコネクタの斜視図である。
図2】実施形態1による本発明のフレキシブルケーブルコネクタに十分に挿入されたFPCの斜視図である。
図3】実施形態1による本発明のフレキシブルケーブルコネクタの分解斜視図である。
図4】FPCが挿入される工程を示す断面図である。
図5】FPCが挿入される工程を示す断面図である。
図6】FPCが挿入される工程を示す断面図である。
図7図3に示されるアクチュエータと取付釘との間の連結関係を示す断面図である。
図8】実施形態2による本発明のフレキシブルケーブルコネクタへのFPCの挿入の斜視図である。
図9】実施形態2による本発明のフレキシブルケーブルコネクタに挿入されたFPCの斜視図である。
図10】本発明の実施形態2に従ってFPCが挿入される工程を示す断面図である。
図11】本発明の実施形態2に従ってFPCが挿入される工程を示す断面図である。
図12】本発明の実施形態2に従ってFPCが挿入される工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明のフレキシブルケーブルコネクタの好ましい実施形態が、添付の図面を参照して詳細に説明される。フレキシブルケーブルの例として、これらの実施形態においてFPCのみが説明されるが、用いられるフレキシブルケーブルは、これに限定されず、FFC等の他のフレキシブルケーブルも用いることができる。
【0027】
図1は、FPCを挿入するための、実施形態1による本発明のフレキシブルケーブルコネクタの斜視図である。図2は、実施形態1による本発明のフレキシブルケーブルコネクタに十分に挿入されたFPCの斜視図である。
【0028】
本実施形態によるフレキシブルケーブルコネクタ(100)は、PCB(10)にはんだ付けされ、筐体(110)とPCB(10)との間に、FPC(20)が挿入される挿入空間を形成する、筐体(110)と、FPC(20)とPCB(10)との間に直接的接触を確立するように、挿入空間に挿入されるFPC(20)の上面を下方に押すように、筐体(110)に回転可能に載置されるアクチュエータ(120)とを備える。ここで、筐体(110)は、金属材料の金属シェルである。
【0029】
本実施形態によるフレキシブルケーブルコネクタ(100)は、前部フリップ型構造を有し、アクチュエータ(120)は、筐体(110)の前部に向かって回転することにより閉鎖され、FPC(20)は、筐体(110)の前部を介して挿入される。アクチュエータ(120)は、筐体(110)の前側から離れた方向に回転することにより開放される。
【0030】
図1に示されるように、アクチュエータ(120)が開放されたとき、FPC(20)は、筐体(110)の前部を介して挿入空間に挿入されるか、または挿入空間から除去される。アクチュエータ(120)は、開放時に垂直である。
【0031】
図2に示されるように、FPC(20)が挿入空間に十分に挿入された後、アクチュエータ(120)が、筐体(110)の前部に向かって回転することにより閉鎖される場合、その後、FPC(20)は、挿入空間内の適所に強固に固定され、FPC(20)は、その接触ピンのそれぞれが直接接触するため、PCB(10)の上面と密接に接触する。
【0032】
図3は、実施形態1による本発明のフレキシブルケーブルコネクタの分解斜視図である。図4〜6は、FPCが挿入される工程を示す断面図である。
【0033】
本発明のフレキシブルケーブルコネクタ(100)は、金属から形成される筐体(110)と、プラスチック等の絶縁体から形成されるアクチュエータ(120)とを備える。筐体(110)は、下面部分(111)、軸支持部分(112)、はんだ付け部分(113)、FPCストッパー部分(114)、取付部分(115)、および軸離脱防止部分(116)を備える。軸(121)は、アクチュエータ(120)に備え付けられる。
【0034】
下面部分(111)は、PCB(10)の上方にある間隔で設置され、下面部分(111)とPCB(10)との間に、FPC(20)が挿入される挿入空間(130)を形成する。アクチュエータ(120)の軸(121)が挿入され、回転することができるように、下面部分(111)に、軸(121)と同一の数で左右に離間される複数の軸貫通孔(111a)が形成される。筐体(110)の挿入空間(130)は、前部に開放される。
【0035】
軸支持部分(112)は、下面部分(111)の後部から延在し、アクチュエータ(120)の軸(121)を弾性的に支持するように、下面部分(111)と重なるように屈曲する。軸支持部分(112)の端部は、筐体(110)の前部を向いて位置付けられる。軸支持部分(112)は、下面部分(111)の後部端から延在し、下面部分(111)と重なるように屈曲する延在部分(112a)と、延在部分(112a)の端部から垂直に上方に屈曲する垂直部分と、軸(121)を押し、支持するように垂直部分(112b)の上端から水平に前方に屈曲する支持梁(112c)とを備える。複数の支持梁(112c)は、各軸貫通孔(111a)の上方に位置付けられ、左右に離間されて形成される。この軸支持部分(112)の屈曲構造に起因して、支持梁(112c)は、弾性を持ち、各支持梁(112c)は、軸(121)に弾性支持を提供する。
【0036】
はんだ付け部分(113)は、下面部分(111)の後部端から離れて形成され、PCB(10)にはんだ付けされる。
【0037】
挿入空間(130)の後側を覆い、FPC(20)の挿入を制限するように、下面部分(111)から下方に離れて延在する、FPCストッパー部分(114)が形成される。
【0038】
複数のはんだ付け部分(113)およびFPCストッパー部分(114)は、互いと交互に形成され、位置付けられる。はんだ付け部分(113)およびFPCストッパー部分(114)は、下面部分(111)から離れて形成されるが、これに限定されず、軸支持部分(112)からも離れて形成され得る。
【0039】
PCB(10)にはんだ付けされ、挿入空間(130)の側面を覆うように、単一ユニットとして下面部分(111)の両側に延在する、取付部分(115)が形成される。
【0040】
軸離脱防止部分(116)は、軸貫通孔(111a)の前部において下面部分(111)から延在し、軸(121)の前方離脱を防止するように、下面部分(111)の上部と重なるように屈曲する。下面部分(111)の上面の上方に突出する軸離脱防止部分(116)が形成されるため、アクチュエータ(120)の軸(121)が、軸貫通孔(111a)内を回転するとき、軸(121)はそこに引っ掛かり、したがって、前部に向かって離脱することができない。軸離脱防止部分(116)の屈曲部分は、曲線を形成するため、軸(121)が回転するときに、損傷することなく円滑に回転することができる。
【0041】
筐体(110)を構成する下面部分(111)の前部端に、FPC(20)を容易に挿入することができるようにFPC(20)をガイドする、斜め方向に上方に傾斜するガイド部分(111b)が形成される。同様に、取付部分(115)の前部端に、FPC(20)を容易に挿入することができるようにFPC(20)をガイドする、外側に傾斜するガイド部分(115b)が形成される。
【0042】
アクチュエータ(120)が閉鎖されているときに、その後部端を構成するアクチュエータ(120)の一部に、互いから離間される複数の軸(121)が形成される。アクチュエータ(120)が閉鎖されているときに、軸(121)の一部は、FPC(20)を下方に押して、PCB(10)との密接な接触を確立する。図6に示されるように、軸(121)は、アクチュエータ(120)が閉鎖しているときに、垂直方向に長く、前後方向に短い形状で形成される。結果として、図6に示されるように、軸(121)が閉鎖されているときに、長い部分は垂直であり、FPC(20)を押し、図4に示されるように、それらが開放されているときに、長い部分は、水平になり、FPC(20)を押していた力は、解放され、FPC(20)を挿入または除去することが可能になる。
【0043】
アクチュエータ(120)が開放されていて、垂直位置となるとき、アクチュエータ(120)の後部端の軸(121)間に形成される部分は、アクチュエータ(120)の開放状態よりさらに後方への回転を防止するように、支持梁(112c)が形成される部分に引っ掛かるように、支持梁(112c)間に挿入される。
【0044】
上述の構成を有する本発明のフレキシブルケーブルコネクタ(100)にFPC(20)を挿入する工程が、図4〜6を参照して以下に説明される。
【0045】
図4に示されるように、アクチュエータ(120)が垂直位置にあるときに、軸(121)の長い部分は、軸貫通孔(111a)内の水平位置にあり、挿入空間(130)は、完全に開放されている。
【0046】
図5に示されるように、FPC(20)は、筐体(110)の前部を介して挿入空間(130)に挿入され、FPC(20)の前部端は、FPCストッパー部分(114)に接触することに起因して、それ以上挿入することができなくなるまで挿入される。FPC(20)が十分に挿入されたときに、アクチュエータ(120)は、筐体(110)の前部に向かって回転する。この工程において、アクチュエータ(120)の軸(121)は、それらが上方に離脱することができないように、軸支持部分(112)の支持梁(112c)によって支持されている間に回転する。支持梁(112c)は、弾性を持ち、したがって、損傷せず、上方に持ち上げられる。
【0047】
図6に示されるように、アクチュエータ(120)が完全に閉鎖しているときに、軸(121)の長い部分は、垂直になり、長い部分の一方の端部は、FPC(20)の上面を押し、一方で、他方の端部は、支持梁(112c)に接触し、支持梁(112c)によって押される。軸(121)は、FPC(20)がPCB(10)の上面と密接に接触するように、支持梁(112c)の弾性力によって下方に押され、FPC(20)の接触ピンをPCB(10)の接触ピンと直接接触させる。
【0048】
図7は、図3に示されるアクチュエータと取付釘との連結関係を示す断面図である。
【0049】
取付部分(115)の上部に、アクチュエータ(120)の側面が上方に持ち上げられることを防止する、アクチュエータ(120)に向かって屈曲するタブ(115a)が形成される。ブロッキング部分(122)は、アクチュエータ(120)の両側でタブ(115a)の下に突出する。アクチュエータ(120)が、垂直位置に配置されたときに、タブ(115a)に引っ掛かり、アクチュエータ(120)の所望されない回転を防止するように、アクチュエータ(120)の両側に、ブロッキング部分(122)から離間される回転防止ブロック(123)が形成される。
【0050】
図8は、実施形態2による本発明のフレキシブルケーブルコネクタへのFPCの挿入の斜視図である。図9は、実施形態2による本発明のフレキシブルケーブルコネクタに挿入されたFPCの斜視図である。
【0051】
本実施形態によるフレキシブルケーブルコネクタ(200)は、PCB(10)にはんだ付けされ、筐体(210)とPCB(10)との間に、FPC(20)が挿入される挿入空間を形成する、筐体(210)と、FPC(20)とPCB(10)との間に直接的接触を確立するように、挿入空間に挿入されるFPC(20)の上面を下方に押すように、筐体(210)に回転可能に載置される、アクチュエータ(220)とを備える。
【0052】
本実施形態によるフレキシブルケーブルコネクタ(200)は、後部フリップ型構造を有する。アクチュエータ(220)は、筐体(210)の前部に向かって回転することにより閉鎖され、FPC(20)は、筐体(210)の後部を介して挿入される。
【0053】
図8に示されるように、アクチュエータ(220)が開放されたときに、FPC(20)は、筐体(210)の後部を介して挿入空間に挿入されるか、または挿入空間から除去される。アクチュエータ(220)は、開放時に垂直である。
【0054】
図9に示されるように、FPC(20)が、挿入空間に十分に挿入された後、アクチュエータ(220)が、筐体(210)の前部に向かって回転することにより閉鎖される場合、その後、FPC(20)は、挿入空間内の適所に強固に固定され、FPC(20)は、その接触ピンのそれぞれが直接接触するため、PCB(10)の上面と密接に接触する。
【0055】
図10〜12は、本発明の実施形態2に従ってFPCが挿入される工程を示す断面図である。
【0056】
本発明のフレキシブルケーブルコネクタ(200)は、金属から形成される筐体(210)と、プラスチック等の絶縁体から形成されるアクチュエータ(220)とを備える。筐体(210)は、下面部分(211)、軸支持部分(212)、はんだ付け部分(213)、FPCストッパー部分(214)、取付部分(215)、および軸離脱防止部分(216)を備える。軸(221)は、アクチュエータ(220)に備え付けられる。
【0057】
本実施形態によるフレキシブルケーブルコネクタ(200)は、筐体(210)の下面部分(211)とPCB(10)との間に形成される挿入空間(230)が、筐体(210)の後部に向かって開放されるように形成される。この目的のために、PCB(10)にはんだ付けされるはんだ付け部分(213)は、下面部分(211)の前部端から離れて形成され、FPC(20)の挿入を制限するFPCストッパー部分(214)もまた、下面部分(211)の前部から離れて形成される。
【0058】
実施形態1において下面部分(111)の前部端に形成されるガイド部分(111b)は、本実施形態においては形成されない。具体的には、FPC(20)が筐体(210)の後部に挿入されるときに、FPC(20)を損傷なく容易に挿入することができるように、軸支持部分(212)が屈曲し、下面部分(211)の後部端から延在し、屈曲部分が曲線を形成するため、別々のガイド部分は構成されない。
【0059】
実施形態1において、ガイド部分(115b)は、取付部分(115)の前部端に形成されたが、本実施形態において、ガイド部分(215a)は、取付部分(215)の後部端に形成される。
【0060】
上述の構成を有する本発明のフレキシブルケーブルコネクタ(200)にFPC(20)を挿入する工程が、図10〜12を参照して以下に説明される。
【0061】
図10に示されるように、アクチュエータ(220)が垂直位置にあるときに、軸(221)の長い部分は、軸貫通孔(211a)内の水平位置にあり、挿入空間(230)は、完全に開放されている。
【0062】
図11に示されるように、FPC(20)は、筐体(210)の後部を介して挿入空間(230)に挿入され、FPC(20)の前部端は、FPCストッパー部分(214)に接触することに起因して、それ以上挿入することができなくなるまで挿入される。FPC(20)が十分に挿入されたときに、アクチュエータ(220)は、筐体(210)の前部に向かって回転する。この工程において、アクチュエータ(220)の軸(221)は、それらが上方に離脱することができないように、軸支持部分(212)の支持梁(212c)によって支持されている間に回転する。
【0063】
図12に示されるように、アクチュエータ(220)が完全に閉鎖されている場合、軸(221)の長い部分は、垂直になり、長い部分の一方の端部は、FPC(20)の上面を押し、一方で、他方の端部は、支持梁(212a)によって押される。軸(221)は、FPC(20)がPCB(10)の上面と密接に接触するように、支持梁(212c)の弾性力によって下方に押され、FPC(20)の接触ピンをPCB(10)の接触ピンに直接接触させる。
【0064】
上記に、好ましい実施形態に基づいて、本発明のフレキシブルケーブルコネクタが説明されているが、しかしながら、本発明は、特定の実施形態に限定されず、関連分野の当業者であれば、特許請求の範囲に開示される範囲から逸脱することなく、これらの実施形態を種々の方法で修正することができる。
【符号の説明】
【0065】
10:PCB
20:FPC
100、200:フレキシブルケーブルコネクタ
110、210:筐体
111、211:下面部分
111a、211a:軸貫通孔
111b:ガイド部分
112、212:軸支持部分
112a:延在部分
112b:垂直部分
112c、212a:支持梁
113、213:はんだ付け部分
114、214:FPCストッパー部分
115、215:取付部分
115a:タブ
115b、215a:ガイド部分
116、216:軸離脱防止部分
120、220:アクチュエータ
121、221:軸
122:ブロッキング部分
123:回転防止ブロック
130、230:挿入空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12