【解決手段】PC30とFAX装置20とのそれぞれとLAN40を介して通信可能なジョブ管理装置10は、対象データを記憶している記憶部111と、PC30から受信したFAX送信の指示に基づいて、FAX装置20に対象データのFAX送信を実行させる送信ジョブを生成し、当該送信ジョブをFAX装置20に送出するジョブ実行依頼部112と、ジョブ実行依頼部112が生成した送信ジョブに関する情報であるジョブ情報を管理する管理部113と、ジョブ実行依頼部112が送出した送信ジョブに基づいてFAX装置が実行したFAX送信の結果を示す通信ログを取得する結果情報取得部116と、結果情報取得部116が取得した通信ログを用いて、管理部113が管理するジョブ情報を更新する更新部114とを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、対象データ(文書データ)などの管理をする装置とFAX装置とが別装置として実装されている場合、対象データのFAXによる送信結果などを適切に管理できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、対象データのFAX送信状況を適切に管理するジョブ管理装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るジョブ管理装置は、端末装置とFAX装置とのそれぞれとネットワークを介して通信可能なジョブ管理装置であって、対象データを記憶している記憶部と、前記端末装置から受信したFAX送信の指示に基づいて、前記FAX装置に前記対象データのFAX送信を実行させる送信ジョブを生成し、当該送信ジョブを前記FAX装置に送出するジョブ実行依頼部と、前記ジョブ実行依頼部が生成した送信ジョブに関する情報であるジョブ情報を管理する管理部と、前記ジョブ実行依頼部が送出した送信ジョブに基づいて前記FAX装置が実行したFAX送信の結果を示す結果情報を取得する結果情報取得部と、前記結果情報取得部が取得した前記結果情報を用いて、前記管理部が管理するジョブ情報を更新する更新部とを備える。
【0007】
これによれば、ジョブ管理装置は、端末装置からの対象データのFAX送信指示に基づいて送信ジョブを生成し、送信ジョブに関する情報であるジョブ情報を管理する。ジョブ管理装置は、FAX装置が実行したFAX送信の結果を示す結果情報を取得し、結果情報を用いてジョブ情報を更新し管理する。このように、ジョブ情報の管理とFAX送信の実行をジョブ管理装置及びFAX装置にそれぞれ受け持たせる構成においても、ジョブ管理装置は、対象データのFAXによる送信状況等を適切に管理することができる。
【0008】
また、前記ジョブ実行依頼部は、他の送信ジョブと区別するための識別情報に対応付けて送信ジョブを生成し、当該送信ジョブを前記FAX装置に送信し、前記結果情報取得部は、前記識別情報を含む前記結果情報を取得し、前記更新部は、前記結果情報取得部が取得した前記識別情報に対応する送信ジョブのジョブ情報を特定し、特定したジョブ情報を更新するとしてもよい。
【0009】
これによれば、ジョブ管理装置は、識別情報を用いてジョブ情報を特定することで適切にジョブ情報を管理することができる。FAX装置にFAX送信を指示するときのジョブ管理装置内部における処理プロセスと、FAX装置からFAX送信結果を受信するときの処理プロセスとが異なる場合であっても、ジョブ管理装置は、適切にFAX送信依頼とFAX送信結果を結び付けて管理することができる。よって、ジョブ管理装置は、対象データのFAX送信状況を適切に管理することができる。
【0010】
また、前記端末装置から受信した前記FAX送信の指示には、複数のFAX宛先情報が含まれ、前記ジョブ実行依頼部は、前記FAX宛先情報の数が所定数を超える場合には、前記FAX宛先情報の数が前記所定数以下になるように前記FAX宛先情報を複数のFAX宛先群に分割し、当該複数のFAX宛先群のそれぞれに対応させて送信ジョブを複数生成し、複数の送信ジョブのそれぞれを順次前記FAX装置に送出するとしてもよい。
【0011】
これによれば、ジョブ管理装置は、所定数(FAX装置が送信可能な最大の同報宛先数)を超える数の宛先への同報送信を、通信端末から指示された場合に、それぞれのジョブの宛先数が所定数を超えないように複数のジョブを生成し、FAX送信を行うことができる。よって、ジョブ管理装置は、FAX装置の仕様に依存することなく送信ジョブを円滑に取り扱うことができ、対象データのFAX送信状況を適切に管理することができる。
【0012】
また、前記端末装置から受信する前記FAX送信の指示には、前記FAX装置によるFAX送信が行われる予定時刻を示す送信予定時刻情報が含まれ、現在時刻と前記予定時刻との時間差が所定時間長よりも長い場合には、一定時間待機した後に、前記送信ジョブを前記FAX装置に送出するとしてもよい。
【0013】
これによれば、ジョブ管理装置は、現在時刻と送信予定時刻との時間差が所定時間長(FAX装置が管理可能な最長の管理時間)を超えるような時刻指定のFAX送信を、端末装置から指示された場合に、一定時間待機した後に、前記送信ジョブを前記FAX装置に送出する。よって、ジョブ管理装置は、FAX装置の仕様に依存することなく送信ジョブを円滑に取り扱うことができ、対象データのFAX送信状況を適切に管理することができる。
【0014】
また、前記FAX装置は、FAX送信の設定指示を受け付ける操作受付部を有し、前記結果情報取得部は、前記操作受付部が受け付けたFAX送信の設定指示に基づいて前記FAX装置が実行したFAX送信の結果を示す送信結果情報を、前記FAX装置から取得し、前記更新部は、さらに、前記結果情報取得部が取得した前記送信結果情報に基づいて新たにジョブ情報を生成するとしてもよい。
【0015】
これによれば、ジョブ管理装置は、ユーザが直接に(ジョブ管理装置を用いずに)FAX装置を操作した場合などであっても、FAX装置がFAX送信した対象データをジョブ管理装置により管理することができる。よって、ジョブ管理装置は、ジョブ管理装置を介さず実行されたFAX送信も含めて一元的にジョブ管理を行うことができ、対象データのFAX送信状況を適切に管理することができる。
【0016】
また、前記端末装置からジョブ情報の閲覧指示を受信した場合に、前記ジョブ情報を前記端末装置に表示させるように前記端末装置に送信するとしてもよい。
【0017】
これによれば、ジョブ管理装置は、管理しているジョブ情報を端末装置を用いてユーザに閲覧させることができる。
【0018】
また、本発明の一態様に係るジョブ管理方法は、端末装置とFAX装置とのそれぞれとネットワークを介して通信可能なジョブ管理装置におけるジョブ管理方法であって、前記ジョブ管理装置は、対象データを記憶している記憶部を備え、前記ジョブ管理方法は、前記端末装置から受信したFAX送信の指示に基づいて、前記FAX装置に前記対象データのFAX送信を実行させる送信ジョブを生成し、当該送信ジョブを前記FAX装置に送出するジョブ実行依頼ステップと、前記ジョブ実行依頼ステップで生成した送信ジョブに関する情報であるジョブ情報を管理する管理ステップと、前記ジョブ実行依頼ステップが送出した送信ジョブに基づいて前記FAX装置が実行したFAX送信の結果を示す結果情報を取得する結果情報取得ステップと、結果情報取得ステップが取得した前記結果情報を用いて、前記管理ステップで管理するジョブ情報を更新する更新ステップとを含む。
【0019】
また、本発明の一態様にかかるプログラムは、上記に記載のジョブ管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0020】
これにより、上記のジョブ管理装置と同様の効果を奏する。
【0021】
また、本発明の一態様にかかる文書管理装置は、文書データを特定可能な文書IDを含む文書管理情報を保持する文書管理部と、上記に記載のジョブ管理装置とを備え、前記記憶部は、文書データを前記対象データとして記憶しており、前記ジョブ実行依頼部は、前記文書IDに対応付けて前記送信ジョブを生成し、前記文書管理部は、さらに、文書IDを比較することで、前記更新部が更新した後の前記ジョブ情報を用いて、前記文書管理情報を更新する。
【0022】
これにより、文書管理装置は、文書データを対象としてジョブ管理装置と同様に、文書管理装置は、対象データのFAX送信状況を適切に管理することができる。
【0023】
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、ジョブ管理装置は、文書のFAX送信結果を適切に管理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0027】
なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態では、PCなどから対象データについてのFAX送信指示を受け、FAX装置によりFAX送信を行うとともに、FAX送信の送信結果などを管理するジョブ管理装置の例について説明する。
【0029】
図1は、本実施の形態に係るジョブ管理装置を含む管理システム全体の構成図である。
【0030】
図1に示されるように、管理システムは、ジョブ管理装置10と、FAX装置20と、PC30と、これらの装置を互いに通信可能に接続するLAN40とを備える。
【0031】
ジョブ管理装置10は、FAX装置20によるFAX送信ジョブを管理する管理装置である。ジョブ管理装置10は、LAN40に接続されている。ジョブ管理装置10は、LAN40を介してPC30等からFAX送信の対象となる対象データ(文書データ)を取得し管理する。そして、ユーザによる指示があった場合に、ジョブ管理装置10は、管理している対象データとともにFAXコマンドを送信ジョブとしてFAX装置に送信し、FAX装置によりFAX送信させる。また、ジョブ管理装置10は、FAX送信の送信結果を示す通信ログをFAX装置20から受信し、受信した通信ログを対象データともに管理する。なお、FAXコマンドとは、FAX送信に関する情報(宛先、用紙サイズなど)を含むコマンドであり、FAX装置にFAX送信を依頼するためのコマンドである。FAXコマンドについては、別途、説明する。
【0032】
このように、ジョブ管理装置10は、管理対象の文書について、その対象データとともにFAX送信に関する情報(宛先、用紙サイズなど)と、その送信結果とを管理する。
【0033】
FAX装置20は、ジョブ管理装置10によるFAX送信指示に基づいて、FAX送信を行うFAX装置(ファクシミリ端末装置)である。FAX装置20は、PSTN25(Public Switched Telephone Network)(公衆電話回線網)に接続され、PSTN25を介して通信先装置との間でファクシミリ通信を行う。また、FAX装置20は、LAN40に接続され、LAN40を介してジョブ管理装置10からFAX送信の対象となる対象データと、その対象データのFAX送信に関するFAXコマンドとを送信ジョブとして受信する。FAX装置20は、受信した対象データを、受信したFAXコマンドに従ってPSTN25を介して相手先へFAX送信する。FAX装置20は、通信ログをジョブ管理装置10に送信する。
【0034】
PC30は、ジョブ管理装置10に対象データのFAX送信指示を送信する端末である。PC30は、LAN40に接続されている。PC30は、LAN40を介してジョブ管理装置10に対象データのFAX送信指示を送信する。また、PC30は、FAX送信の対象となる対象データを作成し、作成した対象データをジョブ管理装置10に送信する。また、PC30は、ユーザによる指示に基づいてジョブ管理装置10により管理されている対象データのFAX送信結果などを表示し、ユーザに閲覧させる。
【0035】
図2は、本実施の形態に係るジョブ管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0036】
図2に示されるように、ジョブ管理装置10は、CPU101(Central Processing Unit)と、ROM102(Read Only Memory)と、RAM103(Random Access Memory)と、記憶装置104と、NIC105(Network Interface Card)とを備える。
【0037】
CPU101は、ROM102に格納された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0038】
ROM102は、制御プログラム等を保持する読み出し専用記憶領域である。
【0039】
RAM103は、CPU101が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる揮発性の記憶領域である。
【0040】
記憶装置104は、制御プログラム、又は、画像データなどを保持する不揮発性の記憶領域である。
【0041】
NIC105は、LAN40等へ通信データを送信する、又は、LAN40等から通信データを受信する通信インタフェースである。なお、NIC105は、IEEE802.3規格等に適合する有線LANインタフェースであってもよいし、IEEE802.11a、b、g、n規格等に適合する無線LANインタフェースであってもよい。
【0042】
図3は、本実施の形態に係るジョブ管理装置の機能ブロック構成を示す図である。
【0043】
図3に示されるように、ジョブ管理装置10は、記憶部111と、ジョブ実行依頼部112と、管理部113と、更新部114と、通信部115と、結果情報取得部116とを備える。
【0044】
記憶部111は、対象データを記憶している。ジョブ管理装置10は、PC30などから対象データを受信したら、受信した対象データを記憶部111に格納する。記憶部111は、1以上の対象データを記憶することができる。記憶部111は、記憶装置104により実現される。
【0045】
ジョブ実行依頼部112は、PC30から受信したFAX送信の指示に基づいて、FAX装置20に対象データのFAX送信を実行させる送信ジョブを生成し、この送信ジョブをFAX装置20に通信部115を介して送出する。
【0046】
管理部113は、ジョブ実行依頼部112が生成した送信ジョブに関する情報であるジョブ情報を管理する。
【0047】
結果情報取得部116は、ジョブ実行依頼部112が送出した送信ジョブに基づいてFAX装置20が実行したFAX送信の送信結果を示す通信ログを取得する。
【0048】
更新部114は、結果情報取得部116が取得した通信ログを用いて、管理部113が管理するジョブ情報を更新する。
【0049】
具体的には、更新部114は、結果情報取得部116が取得した通信ログに含まれるFAX送信の成否を示す情報をジョブ情報に反映することで、ジョブ情報を更新する。このとき、更新すべきジョブ情報を更新部114が特定する必要がある場合には、実行結果に含まれる識別情報を用いてジョブ情報を特定した上で、ジョブ情報を更新する。
【0050】
更新部114がジョブ情報を特定する必要があるか否かについて、以下の2つの場合が生じ得る。ジョブ実行依頼部112、管理部113、更新部114及び結果情報取得部116が、それらの処理を一連の処理として実行するプロセス(プログラムの実行処理単位)により実現される場合には、当該プロセスが1つのジョブ情報を扱うように構成すれば、更新部114がジョブ情報を特定する必要がない。なぜなら、1つのジョブ情報がジョブ実行依頼部112により生成され、生成されたジョブ情報が更新部114により更新されるので、当該プロセスが扱うジョブ情報は1個だけであり特定する必要がないからである。
【0051】
一方、ジョブ実行依頼部112、管理部113、更新部114及び結果情報取得部116のそれぞれが、異なるプロセスにより実現される場合には、更新部114がジョブ情報を特定する必要がある。なぜなら、更新部114が更新する対象となるジョブ情報の候補が複数あり、その候補の中のどのジョブ情報を更新すべきかが一意に定められないからである。
【0052】
通信部115は、PC30とFAX装置20とのそれぞれとLAN40を介して通信可能である通信インタフェースである。通信部115は、ジョブ実行依頼部112などから送信されるFAX装置20への通信データを、LAN40における通信規格に適合する形式に変換してLAN40に送出する。また、通信部115は、LAN40から通信データを受信し、ジョブ管理装置10内部の通信データの形式に変換してジョブ実行依頼部112又は結果情報取得部116などに渡す。通信部115は、NIC105などにより実現される。
【0053】
なお、PC30から受信するFAX送信の指示に複数のFAX宛先情報が含まれ、かつ複数のFAX宛先情報の数が所定数(FAX装置20が送信可能な最大の同報宛先数)を超える場合には、ジョブ実行依頼部112は、FAX宛先情報の数が前記所定数以下になるようにFAX宛先情報を複数のFAX宛先群に分割しても良い。この場合、ジョブ実行依頼部112は、複数のFAX宛先群のそれぞれに対応させて送信ジョブを複数生成し、複数の送信ジョブのそれぞれを順次、FAX装置20に送出する。これによれば、ジョブ管理装置10は、FAX装置20が送信可能な最大の同報宛先数を超える数の宛先への同報送信を、通信端末から指示された場合に、それぞれのジョブの宛先数が最大の同報宛先数を超えないように複数のジョブを生成し、FAX送信を行うことができる。よって、ジョブ管理装置10は、FAX装置20の仕様に依存することなく送信ジョブを円滑に取り扱うことができる。
【0054】
なお、PC30から受信するFAX送信の指示にFAX装置20によるFAX送信が行われる予定時刻を示す送信予定時刻情報が含まれ、かつ、現在時刻と予定時刻との時間差が所定時間長より長い場合には、一定時間待機した後に、送信ジョブをFAX装置20に送出しても良い。これによれば、ジョブ管理装置10は、所定時間長(FAX装置20が管理可能な最長の管理時間)を超える時間で、時刻指定のFAX送信を通信端末から指示された場合に、管理時間が最長の管理時間を超えないように送信ジョブを生成し、FAX送信を行うことができる。よって、ジョブ管理装置10は、FAX装置20の仕様に依存することなく送信ジョブを円滑に取り扱うことができる。
【0055】
なお、FAX装置20は、FAX送信の設定指示を受け付ける操作受付部(不図示)を有し、前記操作受付部がユーザから受け付けたFAX送信の設定指示に基づいてFAX送信を実行することが可能である。この場合、結果情報取得部116は、FAX送信の送信結果を示す通信ログをFAX装置20から取得し、更新部114は、結果情報取得部116が取得した通信ログに基づいて新たにジョブ情報を生成しても良い。
【0056】
図4は、本実施の形態に係るジョブ管理装置のジョブ情報の第一例の説明図である。
【0057】
図4に示されるように、ジョブ情報401は、ジョブID、文書ID、宛先、結果、登録時刻、及び、実行時刻の各欄を含む。なお、ジョブ情報401は、更新部114により更新される前の状態のジョブ情報の一例である。
【0058】
「ジョブID」欄は、ジョブ情報401を、他の送信ジョブ(ジョブ情報)と区別して特定するための識別子(ID)である。
【0059】
「文書ID」欄は、ジョブ情報401においてFAX送信の対象となる文書データの識別子である。文書IDは、例えば、文書データの電子ファイルのファイル名に相当する。
【0060】
「宛先」欄は、文書データのFAX送信の宛先を示す情報である。この情報は、宛先のFAX番号でもよいし、宛先の名称を示す文字列などでもよい。宛先の名称などを用いる場合、宛先の名称と当該宛先のFAX番号とを対応付けて示す宛先表などを用いて、宛先の名称が宛先のFAX番号に変換されるようにすればよい。
【0061】
「結果」欄は、ジョブ情報401におけるFAX送信の対象となる文書データのFAX送信の送信結果である。「結果」欄には、未だFAX送信が行われていない場合には「未送信」と記載される。また、FAX送信が成功した場合には「成功」と記載され、FAX送信が失敗した場合には「失敗」と記載される。
【0062】
「登録時刻」欄は、ジョブ情報401が登録された時刻を示す。
【0063】
「実行時刻」欄は、ジョブ情報401においてFAX送信が行われた時刻を示す。未だFAX送信が行われていない場合には、あらかじめ定められた方法で、情報がないことを示すデータが記載される。
【0064】
図5は、本実施の形態に係るジョブ管理装置のジョブ情報の第二例の説明図である。
【0065】
図5に示されるように、ジョブ情報501は、
図4のジョブ情報401に対して、「結果」欄と、「実行時刻」欄とが異なる。なお、ジョブ情報501は、更新部114により更新された後の状態のジョブ情報の一例である。
【0066】
「結果」欄には、ジョブIDが101であるジョブのFAX装置20によるFAX送信が成功したことを示す「成功」が記載されている。
【0067】
「実行時刻」欄には、当該FAX送信が実行された時刻が記載されている。
【0068】
以上のように、ジョブ管理装置によりジョブ情報が管理される。
【0069】
図6は、本実施の形態に係るジョブ管理装置のFAXコマンドの説明図である。
【0070】
図6に示されるように、FAXコマンド601は、宛先番号、用紙サイズ、原稿の向き、ユーザ名、ジョブID、及び、文書IDを含む。
【0071】
宛先番号は、FAXコマンド601により送信されるFAXの宛先の番号(電話番号)である。
【0072】
用紙サイズは、FAXコマンド601により送信されるFAXの用紙のサイズである。例えば、A4、又は、B5などがある。
【0073】
原稿の向きは、FAXコマンド601により送信されるFAXの用紙の向き(縦又は横)である。
【0074】
ユーザ名は、FAXコマンド601によるFAX送信を指示したユーザを示す情報である。
【0075】
ジョブIDは、FAXコマンド601によるFAX送信に対応するジョブのジョブIDである。
【0076】
文書IDは、FAXコマンド601により送信されるFAXの内容を示す画像を特定する情報である。例えば、対象データの電子ファイルのファイル名が用いられる。
【0077】
図7は、本実施の形態に係るFAX送信ログの説明図である。
【0078】
図7に示されるように、FAX送信ログ701は、ジョブID、ユーザ名、宛先、結果、及び、文書IDを含む。FAX送信ログ701は、例えば、
図4のジョブ情報401により示されるジョブがFAX装置により実行された結果を示す通信ログである。
【0079】
「ジョブID」は、FAX送信ログ701の元となったFAX送信ジョブのジョブIDである。
【0080】
「ユーザ名」は、FAX送信ログ701の元となったFAX送信ジョブを指示したユーザを示す情報である。
【0081】
「宛先」は、FAX送信ログ701に係るFAX送信の宛先の番号(電話番号)である。
【0082】
「結果」は、FAX送信ログ701に係るFAX送信の成否を示す情報である。
【0083】
「文書ID」は、FAX送信ログ701に係るFAX送信により送信された画像を特定する情報である。例えば、対象データの電子ファイルのファイル名が用いられる。
【0084】
図8Aは、本実施の形態に係るジョブ管理装置などの通信シーケンスを示すシーケンス図である。
【0085】
ステップS801において、PC30は、FAX送信指示をジョブ管理装置10に送信する。PC30は、記憶部111に記憶されている対象データのうちから、ユーザにより指示されたものをFAX送信する旨のFAX送信指示を、ジョブ管理装置10に送信する。なお、ステップS801において、PC30が、PC30内に保持している対象データと、当該対象データをFAX送信する旨のFAX送信指示とをまとめてジョブ管理装置10に送信してもよい。この場合、記憶部111に対象データが(一時的に)記憶される。
【0086】
ステップS802において、ジョブ実行依頼部112は、PC30から通信部115を介して受信したFAX送信指示に基づいて、送信ジョブと、当該送信ジョブを示すジョブ情報とを生成する。ジョブ実行依頼部112は、例えば、
図4のジョブ情報401を生成する。
【0087】
なお、ジョブ実行依頼部112がジョブを生成するより前に、ステップS801のFAX送信指示に基づきジョブ情報が生成され、管理部113がジョブ情報を管理しておいても良い。
【0088】
ステップS803において、ジョブ実行依頼部112は、FAX装置20に対して送信ジョブ(FAXコマンド、及び、画像データ)を送出する。ここで、画像データとは、FAX送信するために対象データを画像に変換したデータである。
【0089】
ステップS804において、FAX装置20は、ステップS803でジョブ実行依頼部112が送出した送信ジョブ(FAXコマンド、及び、画像データ)を受信し、受信したFAXコマンドに従って、受信した画像データをFAX通信により送信する。
【0090】
ステップS805において、FAX装置20は、ステップS804のFAX送信の通信ログと、送信した画像データをジョブ管理装置10に送信する。
【0091】
ステップS806において、結果情報取得部116は、ステップS805においてFAX装置20が送信した通信ログと画像データとを受信し、管理しているジョブ情報のうちから、受信した通信ログに対応するジョブ情報を特定する。具体的には、通信ログに含まれる識別子(ジョブID)と同一の識別子(ジョブID)を有するジョブ情報を、ステップS807で後述する通信ログに含まれる結果の反映先として特定する。
【0092】
ステップS807において、更新部114は、ステップS806において特定したジョブ情報に対して、ステップS806において受信した通信ログの結果を反映することで、更新する。
【0093】
ステップS808において、管理部113は、PC30からの閲覧指示を受信した場合に、管理しているジョブ情報をPC30に送信する。PC30は、ジョブ情報を受信し、適切な画像を構成しユーザに閲覧させる。なお、ジョブ情報を送信する際には、ジョブ情報をHTML(HyperText Markup Language)により構成したデータをHTTP(Hypertext Transfer Protocol)プロトコルにより送信してもよい。このようにすれば、PC30のWebブラウザが、HTMLにより構成されたジョブ情報を適切に表示することができ、PC30に閲覧のためのソフトウェアなどをインストールする必要がない。
【0094】
図8Bは、実施の形態1に係るジョブ管理装置10への通信ログ及び画像の受け渡しの説明図である。FAX装置20からジョブ管理装置10への通信ログ及び画像の受け渡しの一例について以下で説明する。
【0095】
記憶部111に、互いに関連付けられる内部フォルダ81及び外部フォルダ82が設けられ、FAX装置からジョブ管理装置に、内部フォルダ81及び外部フォルダ82を介して通信ログ及び画像が提供される。
【0096】
外部フォルダ82は、外部から各種データを格納可能である。
【0097】
内部フォルダ81は、外部からデータを格納できないが、内部フォルダ81に格納される各種データを外部から閲覧可能である。
【0098】
上述の内部フォルダ81及び外部フォルダ82を介した通信ログ及び画像の具体的な受け渡し処理は、以下の流れで実行される。つまり、FAX装置20は、LANを介して外部フォルダ82にアクセスすることによって、外部フォルダ82に通信ログ及び画像を格納する。一方、管理部113は、外部フォルダ82に各種データ(文書等)が格納されているか監視を行っており、外部フォルダ82にFAX装置によって通信ログ及び画像が格納されたことを検出する。この検出によって、外部フォルダ82に格納された通信ログ及び画像は、ジョブ管理装置10の処理形式に適合する形式に変換された上、内部フォルダ81に移動される。内部フォルダ81に格納される変換済みの通信ログは、その後の処理として、ジョブ情報に反映させるために更新部114に利用される。
【0099】
このように、FAX装置20が処理可能なデータ形式と、ジョブ管理装置10が処理可能なデータ形式が異なる場合であっても、互いに対応する外部フォルダ82及び内部フォルダ81を用いることにより、円滑にFAX装置20から通信ログ及び画像を取得することができる。
【0100】
なお、外部フォルダ82と内部フォルダ81を1対として、複数対設けられていても良く、この場合、データ種別ごとに、内部フォルダ81及び外部フォルダ82を設けても良い。また、内部フォルダ81及び外部フォルダ82の個数は固定でなくとも良く、新規に追加されても良い。
【0101】
以上のように、本実施の形態に係るジョブ管理装置10は、PC30からの対象データのFAX送信指示に基づいて送信ジョブを生成し、送信ジョブに関する情報であるジョブ情報を管理する。ジョブ管理装置10は、FAX装置20が実行したFAX送信の結果を示す通信ログを取得し、通信ログを用いてジョブ情報を更新し管理する。このように、ジョブ情報の管理とFAX送信の実行をジョブ管理装置10及びFAX装置20にそれぞれ受け持たせる構成においても、ジョブ管理装置10は、対象データのFAXによる送信状況等を適切に管理することができる。
【0102】
(実施の形態2)
本実施の形態では、PCなどから文書データについてのFAX送信指示を受け、FAX装置によりFAX送信を行うとともに、FAX送信の送信結果などを管理する文書管理装置の例について説明する。
【0103】
図9は、実施の形態2に係る文書管理装置の機能ブロック図である。
【0104】
図9に示されるように、文書管理装置15は、文書管理部151と、ジョブ管理装置10Aとを備える。ジョブ管理装置10Aは、記憶部111Aと、ジョブ実行依頼部112Aと、管理部113と、更新部114と、通信部115と、結果情報取得部116とを備える。実施の形態1におけるジョブ管理装置10におけるものと同じ機能ブロックには、同名の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0105】
記憶部111Aは、文書データを記憶している。文書データは、文書データを一意に特定することができる文書IDを有する。記憶部111Aは、実施の形態1における記憶部111が対象データとして文書データを記憶しているものであるといえる。
【0106】
ジョブ実行依頼部112Aは、記憶部111Aに記憶されている文書データについて、FAX送信指示を受信した場合に、FAX装置20に当該文書データのFAX送信を実行させる送信ジョブを生成する。ここで、ジョブ実行依頼部112Aは、記憶部111Aに記憶されている文書データの文書IDに対応付けて送信ジョブを生成する。
【0107】
文書管理部151は、記憶部111Aに記憶されている文書データを特定可能な文書IDを含む文書管理情報を保持する。さらに、文書管理部151は、文書IDを比較することで、更新部114が更新した後のジョブ情報を用いて文書管理情報を更新する。
【0108】
具体的には、文書管理部151は、通信部115を介してPC30から文書データについてのFAX送信指示を受信すると、当該文書データについてFAX送信を行うことをジョブ管理装置10Aに指示する。ジョブ管理装置10Aは、文書管理部151から受信したFAX送信の指示に基づいて、送信ジョブを生成し、FAX装置によりFAX送信を実行させ、その結果を用いてジョブ情報を更新する。文書管理部151は、更新された後のジョブ情報を用いて文書管理情報を更新する。
【0109】
図10は、本実施の形態に係る文書管理装置などの通信シーケンスを示すシーケンス図である。
【0110】
ステップS1001において、文書管理部151は、文書データに関する文書管理情報を生成する。具体的には、文書管理部151は、記憶部111Aに記憶されている文書データに関する文書管理情報を生成する。
【0111】
ステップS1002において、ジョブ実行依頼部112Aは、文書データの文書IDに対応付けてFAX送信についての送信ジョブを生成する。
【0112】
ステップS1002の後、文書管理装置15は、実施の形態1におけるジョブ管理装置10のステップS802からステップS807と同様の処理を実行する。
【0113】
ステップS1003において、文書管理部151は、更新部114が更新した後のジョブ情報を用いて文書管理情報を更新する。
【0114】
ステップS1004において、文書管理部151は、PC30からの閲覧指示を受信した場合に、管理している文書管理情報をPC30に送信する。PC30は、ジョブ情報を受信し、適切な画像を構成しユーザに閲覧させる。なお、文書管理情報を送信する際には、実施の形態1におけるジョブ管理装置10によるジョブ情報の送信の場合と同様、HTMLにより構成したデータをHTTPプロトコルにより送信してもよい。
【0115】
図11は、本実施の形態に係る文書管理装置の操作画像の説明図である。
【0116】
図11に示されるように、文書管理装置によれば、1以上の文書のそれぞれについてのFAX送信状況などを管理することができる。
【0117】
具体的には、文書管理装置は、1以上の文書のそれぞれについて、FAX送信をした日時、FAX送信時の用紙などに関する情報(用紙サイズ、ページ数)などを閲覧することができる。また、文書管理装置は、各文書のFAX送信や印刷などをGUI(Graphical user interface)上で直感的に指示することができる。
【0118】
以上のように、本実施の形態に係る文書管理装置15は、対象データのFAX送信状況を適切に管理することができる。
【0119】
(各実施の形態の変形例)
図12は、各実施の形態の変形例に係るジョブ管理装置等を含むネットワーク構成図である。
【0120】
実施の形態1におけるジョブ管理装置10、又は、実施の形態2に係る文書管理装置15は、LAN40を介して複数のPC30A〜30CからのFAX送信指示を受け付けることができ、また、LAN40を介して複数のFAX装置20A〜20CへFAX送信を行うことができる。
【0121】
このようにすれば、ジョブ管理装置10等は、集中的に文書データを管理し、管理している文書データに対する複数のPC30A〜30CからのFAX送信指示に応じてFAX送信を行うことができる。また、ジョブ管理装置10等は、複数のFAX装置20A〜20Cを用いてFAX送信を行うことができるので、複数の宛先へのFAX送信を並行して効率よく行うことができる。
【0122】
以上、本発明のジョブ管理装置などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。