(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-213266(P2015-213266A)
(43)【公開日】2015年11月26日
(54)【発明の名称】通信事業者提案サーバ、通信事業者選択端末、通信事業者提案方法、及び、通信事業者提案プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 15/00 20060101AFI20151030BHJP
【FI】
H04M15/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-95561(P2014-95561)
(22)【出願日】2014年5月2日
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5K025
【Fターム(参考)】
5K025AA08
5K025BB06
5K025FF17
5K025JJ02
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって適切な通信事業者を提案する通信事業者提案サーバ、通信事業者選択端末、通信事業者提案方法、及び、通信事業者提案プログラムを提供する
【解決手段】所定の通信事業者で通信を行っている端末10と通信可能に接続された通信事業者提案サーバ100では、端末10から所定のタイミングで端末10の使用にかかるデータ通信に関するデータを受信し、一の通信事業者の通信と料金に関する更新データの受信又は入力を受付け、受け付けた更新データと、現在、選択されている端末10の所定の通信事業者による通信による設定データを比較し、比較した結果に応じて、端末10に更新データに関するデータを送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信事業者で通信を行っている端末と通信可能に接続された通信事業者提案サーバであって、
前記端末から所定のタイミングで前記端末の使用にかかるデータ通信に関するデータを受信する通信データ受信手段と、
一の通信事業者の通信と料金に関する更新データの受信又は入力を受付ける更新データ受信手段と、
受け付けた前記更新データと、現在、選択されている前記端末の所定の通信事業者による通信による設定データを比較する設定比較手段と、
比較した結果に応じて、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する更新データ送信手段と、
を備える通信事業者提案サーバ。
【請求項2】
前記設定比較手段は、前記更新データ内の所定期間内の通信流量に対する料金と、前記設定データ内の同期間における前記端末の所定の通信事業者による通信流量に対する料金を比較し
前記更新データ送信手段は、比較した結果、前記設定データの料金よりも、前記更新データの料金が低額である場合に、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する請求項1に記載の通信事業者提案サーバ。
【請求項3】
前記設定比較手段は、前記更新データ内の通信帯域と、前記設定データの通信帯域を比較し、
前記更新データ送信手段は、前記更新データ内の通信帯域よりも、前記設定データの通信帯域の方が広い場合には、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する請求項1に記載の通信事業者提案サーバ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載の通信事業者提案サーバであって、
複数の端末を一のグループとして記憶し、前記一のグループに対する料金設定が対応付けられたグループ料金設定データを記憶するグループ料金設定データ記憶手段と、
前記更新データ受信手段が受信した更新データが、一のグループに対する料金設定が対応付けられたグループ料金設定データを含むか否かを判断し、前記グループ料金設定データを含む場合には、前記設定比較手段は、当該グループに含まれる端末の少なくとも一台に、前記更新データに関するデータを送信する更新データ送信手段と、
を備える通信事業者提案サーバ。
【請求項5】
所定の通信事業者で通話を行っている端末と通信可能に接続された通信事業者提案サーバであって、
前記端末から所定のタイミングで前記端末の通話量に関するデータを受信する通話量受信手段と、
一の通信事業者の通話と料金に関する更新データの受信又は入力を受付ける更新データ受信手段と、
受付けた前記更新データと、現在、選択されている前記端末の所定の通信事業者による通話による設定データを比較する設定比較手段と、
比較した結果に応じて、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する更新データ送信手段と、
を備える通信事業者提案サーバ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の通信事業者提案サーバと通信可能に接続された端末であって、かつ、通信事業者毎に提供され、当該端末の電話番号を特定するための記憶領域を有するカードを複数枚備え、当該端末が通信するための通信事業者を複数の通信事業者から一の通信事業者を選択して通信を行う通信事業者選択端末であって、
前記通信事業者提案サーバから受信したデータに基づいて、前記更新データを提供した通信事業者に対応するカードを選択し、通信又は通話を行う通信事業者選択手段を備える通信事業者選択端末。
【請求項7】
所定の通信事業者で通信を行っている端末と通信可能に接続された通信事業者提案サーバが実行する通信事業者提案方法であって、
前記端末から所定のタイミングで前記端末の使用にかかるデータ通信に関するデータを受信するステップと、
一の通信事業者の通信と料金に関する更新データの受信又は入力を受付けるステップと、
受付けた前記更新データと、現在、選択されている前記端末の所定の通信事業者による通信による設定データを比較するステップと、
比較した結果に応じて、前記端末に前記更新データに関するデータを送信するステップと、
を備える通信事業者提案方法。
【請求項8】
所定の通信事業者で通信を行っている端末と通信可能に接続された通信事業者提案サーバに、
前記端末から所定のタイミングで前記端末の使用にかかるデータ通信に関するデータを受信するステップ、
一の通信事業者の通信と料金に関する更新データの受信又は入力を受付けるステップ、
受付けた前記更新データと、現在、選択されている前記端末の所定の通信事業者による通信による設定データを比較するステップ、
比較した結果に応じて、前記端末に前記更新データに関するデータを送信するステップ、
を実行させるための通信事業者提案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末が使用する通信事業者の変更をユーザに提案する通信事業者提案サーバ、通信事業者選択端末、通信事業者提案方法、及び、通信事業者提案プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯端末で行うことが可能になってきた。
【0003】
一方、携帯端末の通話やデータ通信回線を提供する通信事業者は、ユーザ獲得のために、様々なサービスを提案している。例えば、端末の一ヶ月の通信流量に対する料金設定を低額にしたり、端末が使用できる最大の通信帯域を広げ、ユーザの通信速度に関するメリットを提供している。
【0004】
しかしながら、このような競争に数多くの通信事業者が参入してくることで、ユーザにとっては、どの通信事業者が自分にとって適切な通信事業者であるか判断できないという問題がある。特に、現在では各通信事業者が定期的に開催するキャンペーンなどで、最適な通信事業者を選択するのが難しくなってきている。
【0005】
そのような課題に対して、複数の電話番号を有する携帯端末で、いずれかの電話番号を選択して通信を行う携帯端末において、通信を行うときに、最も安くなる電話番号を選択して通信を行う携帯端末が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1においては、加入者テーブルと呼ばれる通信事業者と料金との対応テーブルによって、通信事業者の選択を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−235654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、加入者テーブルの更新が容易では無いという課題がある。なぜなら、加入者テーブルが携帯端末に内蔵されたカードに記憶されているからからである。今後、仮に、通信事業者の新サービスの提案する頻度が増してくると、同時に、通信事業者を判断するためのテーブルの更新頻度が増してくるため、常に、通信事業者を比較判断するテーブルは最新のサービスを反映できていることが望ましい。
【0008】
本発明は、これらの課題に鑑み、ユーザにとって適切な通信事業者を提案する通信事業者提案サーバ、通信事業者選択端末、通信事業者提案方法、及び、通信事業者提案プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、所定の通信事業者で通信を行っている端末と通信可能に接続された通信事業者提案サーバであって、
前記端末から所定のタイミングで前記端末の使用にかかるデータ通信に関するデータを受信する通信データ受信手段と、
一の通信事業者の通信と料金に関する更新データの受信又は入力を受付ける更新データ受信手段と、
受け付けた前記更新データと、現在、選択されている前記端末の所定の通信事業者による通信による設定データを比較する設定比較手段と、
比較した結果に応じて、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する更新データ送信手段と、
を備える通信事業者提案サーバを提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、所定の通信事業者で通信を行っている端末と通信可能に接続された通信事業者提案サーバは、端末から所定のタイミングで端末の使用にかかるデータ通信に関するデータを受信し、一の通信事業者の通信と料金に関する更新データの受信又は入力を受付け、受付けた更新データと、現在、選択されている端末の所定の通信事業者による通信による設定データを比較し、比較した結果に応じて、端末に更新データに関するデータを送信する。したがって、端末を使用するユーザは、自信の通信事業者よりも適切な通信事業者に関するデータを受動的に受信することができる。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、通信事業者提案サーバのカテゴリであるが、方法及び、プログラムであっても、そのカテゴリに応じた同様の作用、効果を奏する。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、さらに、前記設定比較手段は、前記更新データ内の所定期間内の通信流量に対する料金と、前記設定データ内の同期間における前記端末の所定の通信事業者による通信流量に対する料金を比較し
前記更新データ送信手段は、比較した結果、前記設定データの料金よりも、前記更新データの料金が低額である場合に、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する通信事業者提案サーバを提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明は、さらに、前記設定比較手段は、前記更新データ内の所定期間内の通信流量に対する料金と、前記設定データ内の同期間における前記端末の所定の通信事業者による通信流量に対する料金を比較し
前記更新データ送信手段は、比較した結果、前記設定データの料金よりも、前記更新データの料金が低額である場合に、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、前記設定比較手段は、前記更新データ内の通信帯域と、前記設定データの通信帯域を比較し、
前記更新データ送信手段は、前記更新データ内の通信帯域よりも、前記設定データの通信帯域の方が広い場合には、前記端末に前記更新データに関するデータを送信することを特徴とする第1の特徴に係る発明である通信事業者提案サーバを提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明は、さらに、更新データ内の通信帯域と、設定データの通信帯域を比較し、更新データ内の通信帯域よりも、設定データの通信帯域の方が広い場合には、端末に更新データに関するデータを送信する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、さらに、
複数の端末を一のグループとして記憶し、前記一のグループに対する料金設定が対応付けられたグループ料金設定データを記憶するグループ料金設定データ記憶手段と、
前記更新データ受信手段が受信した更新データが、一のグループに対する料金設定が対応付けられたグループ料金設定データを含むか否かを判断し、前記グループ料金設定データを含む場合には、前記設定比較手段は、当該グループに含まれる端末の少なくとも一台に、前記更新データに関するデータを送信する更新データ送信手段と、を備える通信事業者提案サーバを提供する。
【0018】
第4の特徴に係る発明によれば、第1乃至第3の特徴に係る発明は、さらに、複数の端末を一のグループとして記憶し、一のグループに対する料金設定が対応付けられたグループ料金設定データを記憶し、受信した更新データが、一のグループに対する料金設定が対応付けられたグループ料金設定データを含むか否かを判断し、グループ料金設定データを含む場合には、当該グループに含まれる端末の少なくとも一台に、更新データに関するデータを送信する。
【0019】
第5の特徴に係る発明は、所定の通信事業者で通話を行っている端末と通信可能に接続された通信事業者提案サーバであって、
前記端末から所定のタイミングで前記端末の通話量に関するデータを受信する通話量受信手段と、
一の通信事業者の通話と料金に関する更新データの受信又は入力を受付ける更新データ受信手段と、
受付けた前記更新データと、現在、選択されている前記端末の所定の通信事業者による通話による設定データを比較する設定比較手段と、
比較した結果に応じて、前記端末に前記更新データに関するデータを送信する更新データ送信手段と、を備える通信事業者提案サーバを提供する。
【0020】
第6の特徴に係る発明は、第1乃至第3の特徴に係る通信事業者提案サーバと通信可能に接続された端末であって、かつ、通信事業者毎に提供され、当該端末の電話番号を特定するための記憶領域を有するカードを複数枚備え、当該端末が通信するための通信事業者を複数の通信事業者から一の通信事業者を選択して通信を行う通信事業者選択端末であって、
前記通信事業者提案サーバから受信したデータに基づいて、前記更新データを提供した通信事業者に対応するカードを選択し、通信又は通話を行う通信事業者選択手段を備える通信事業者選択端末を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザにとって適切な通信事業者を提案する通信事業者提案サーバ、通信事業者選択端末、通信事業者提案方法、及び、通信事業者提案プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、通信事業者提案システム1の全体構成図と、各装置の機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、通信事業者選択端末10と、通信事業者提案サーバ100が実行する通信事業者提案処理を示すフローチャート図である。
【
図3】
図3は、通信量データ及び、通話量に関するデータを示す図である。
【
図4】
図4は、通信事業者設定テーブル(通信流量)の一例である。
【
図5】
図5は、通信事業者設定テーブル(通信帯域)の一例である。
【
図6】
図6は、グループ料金設定データテーブル、グループ料金データテーブルの一例である。
【
図7】
図7は、通信事業者選択端末10に表示される画面イメージ(カード切り替え)の一例である。
【
図8】
図8は、通信事業者選択端末10に表示される画面イメージ(プラン申込み)の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
[通信事業者提案システム1のシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態である通信事業者提案システム1のシステム全体の構成図と、各装置の機能ブロック図である。ここで、通信事業者提案サーバ100は、公衆回線網及びLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して、通信事業者選択端末10と、通信事業者サーバ200及び、通信事業者提案サーバ100の管理端末50と通信可能に接続されている。
【0025】
通信事業者提案サーバ100は、通常のコンピュータサーバであってよい。制御部101として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部102として、有線によるLAN接続により、インターネット等の公衆回線網に接続可能であってよい。記憶部103は、単独でハードディスク等を備えていてもよいし、データベース等と通信可能に接続されていてもよい。
【0026】
通信事業者提案サーバ100は、制御部101が所定のプログラムを読み込むことで、通信部102と協働して、通信データ・通話量受信モジュール110、更新データ受信モジュール120、更新データ送信モジュール130を実現する。また、通信事業者提案サーバ100は、制御部101が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部103と協働して、設定比較モジュール140、グループ料金設定データ記憶モジュール150を実現する。記憶部103には、設定データが記憶されており、後述する
図4から
図6に示す各種データテーブルが記憶されている。
【0027】
通信事業者選択端末10は、タッチパネルを初めとする入出力機能、通話・通信機能に加えて後述する機能を備えている、一般的な情報機器や電子機器であってよい。通信事業者選択端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、テレビ、コンピュータに加えて、電話機、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0028】
通信事業者選択端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、LTE(ロングタームエボリューション)、第3、4世代移動通信システム等の無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0029】
通信事業者選択端末10は、制御部11と通信部12との協働により、所定のプログラムを読み込んで、通信事業者選択モジュール20を実現する。記憶部13には、後述する
図3に示す通信量データ、通話量データを記憶する。
【0030】
好適な実施例では、通信部12は、通信事業者が提供するSIMカード(Subscriber Identify Module Card)を複数、装着することが可能である。SIMカードは、通信事業者選択端末10の電話番号を特定するための記憶領域を備える。通信事業者選択端末10の通信事業者選択モジュール20は、制御部11からのコマンドに応じて、SIMカードを切り替えて、切り替えられた通信事業者の無線通信をすることが可能である。
【0031】
通信事業者サーバ200も、通常のサーバであってよく、当該通信事業者の通信や通話に関する更新データを送信するサーバである。通信事業者選択端末10にサービス提供する通信事業者の数(
図1では通信事業者A、B、C)だけ、通信事業者サーバ200が通信可能に接続されていてよい。
【0032】
管理端末50は、通信事業者提案サーバ100に管理者が入力を行うための端末であって、更新データを管理者が入力するための端末である。
【0033】
[通信事業者提案処理]
図2は、通信事業者提案サーバ100、通信事業者選択端末10が実行する通信事業者提案処理のフローチャートである。上述した各コンピュータのモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0034】
はじめに、通信事業者選択端末10は、通信量データ、通話量データを、所定のタイミングで通信事業者提案サーバ100に送信する(ステップ01)。ここで、所定のタイミングとは、通信事業者選択端末10が、データ通信や通話を実行したタイミングであっても良いし、3時間毎、1日毎などの任意のタイミングであってよい。
【0035】
ここで、通話量データとは、所定期間内の当該通信事業者選択端末10が電話による通話をした時間に関する蓄積データであってよい。例えば、
図3に示すように、通話量データは、1ヶ月あたりの総通話時間(75分)であってよいし、また、例えば、蓄積データの平均値を算出した、3ヶ月の平均の総通話時間(83分)であってもよい。一方、通信量データとは、所定期間内の当該通信事業者選択端末10がデータ通信をした蓄積量を示すデータである。例えば、
図3に示すように、通信量データは、1ヶ月あたりの累積通信時間(1.18GB)であってよいし、また、例えば、3ヶ月の平均の累積通信時間(1.2GB)であってもよい。
【0036】
これに応じて、通信事業者提案サーバ100の通信データ・通話量受信モジュール110は、通信量データ、通話量データを、通信事業者選択端末10から受信する(ステップ02)。受信した通信量データ、通話量データは、通信事業者選択端末10ごと、又は、通信事業者選択端末10のユーザごとに管理して、通信事業者提案サーバ100の記憶部103に記憶される。
【0037】
ステップS01とステップS02は、任意のタイミング、例えば、1日毎や1ヶ月毎など定期的に行われて、逐次、データを通信事業者提案サーバ100に蓄積していく。なお、通信量データ、通話量データを送信した通信事業者選択端末10が、後述するグループに属する場合は、グループ毎に、グループ料金データテーブルに記憶する。
【0038】
次に、通信事業者提案サーバ100の更新データ受信モジュール120は、通信事業者提案サーバ100から更新データを受付け、受信する(ステップS03)。または、通信事業者提案サーバ100の更新データ受信モジュール120は、管理端末50から更新データの入力を受付ける。
【0039】
ここで、更新データとは、通信事業者が提供する新サービスに関するデータであって、通信事業者と料金と、最大通信流量、最大通信帯域、最長通話時間、グループに関する情報のいずれか少なくとも一つが対応付けられたデータである。例えば、通信事業者Aが新料金プランを提供し始めた場合、更新データは、通信事業者として通信事業者A、最大通信流量として2.0GB、料金として1500円などで構成される。このデータが、通信事業者Aの通信事業者サーバ200に登録され、通信事業者提案サーバ100に送信される。または、管理端末50から更新データが通信事業者Aと対応付けられて入力される。
【0040】
更新データに、グループが含まれる場合は、グループ料金設定データ記憶モジュール150がグループ毎に、グループ料金設定データとしてテーブルに記憶する(
図6参照)。
【0041】
次に、通信事業者提案サーバ100は、更新データがグループ料金設定データであるか否かを判断する(ステップS04)。グループ料金設定データとは、上記の更新データにグループプラン名が付加され、複数の端末が一つのグループに所属して、一のグループに対して、一の料金が設定されているデータである。
図6に、グループ料金設定データテーブルの一例を示す。グループ料金設定データは、グループプラン名、グループの所属できる最大端末数、最大データ通信流量、最長通話時間、通信事業者、対応する料金で構成される。
【0042】
通信事業者提案サーバ100は、更新データにグループ料金設定データが含まれていると判断した場合(ステップS04:「YES」)は、ステップS05に処理を移す。通信事業者提案サーバ100は、更新データにグループ料金設定データが含まれていないと判断した場合(ステップS04:「NO」)は、ステップS06に処理を移す。
【0043】
ステップS05において、設定比較モジュール140は、グループ提案フラグ処理として、グループ料金設定データの更新があったことを示すフラグを記憶する。
【0044】
なお、フラグの起動は、設定比較モジュール140が、受信した更新データと、
図6のグループ料金データテーブルとを比較した結果、更新データに含まれたグループ料金設定データのほうが、料金が低い場合にのみ、フラグを起動してもよい。
図6に示すように、通信事業者提案サーバ100は、通信事業者選択端末10から受信した通信データ、通話量データを受信し、端末ごとに、通話データグループ料金データテーブルに、所定期間のデータ通信流量と通話時間を蓄積して、記憶しておく。
図6の例では、グループ料金データのグループ:ファミリーAは、グループプランFFAが、現在、選択されている。しかし、更新データとして、グループプランFFBを受信した場合は、ファミリーAについては、最大データ通信流量と最長通話時間を考慮すると、グループプランFFBに変更したほうが、料金が2000円低くすむ。この比較処理を、設定比較モジュール140が行った結果としてのみ、フラグを起動してもよい。
【0045】
次に、設定比較モジュール140は、受信した更新データと、現在、選択されている通信事業者による通信による設定データを比較する(ステップS06)。ここで比較対象となるのは、例えば、通信流量や通信帯域であってよい。
図3から
図5に基づいて説明すると、現在、選択されている通信事業者による設定が、
図4の通信事業者Bのプラン(一ヶ月の最大通信流量7GB、料金7000円)である場合に、通信事業者A(一ヶ月の最大通信流量3GB、料金2000円)のプランを更新データとして受信したとする。この場合、この通信事業者選択端末10の現在の通信料データの一ヶ月の蓄積分が、
図3に示すように1.18GBである場合には、通信事業者をBからAに変更したほうが、料金が低い。したがって、設定比較モジュール140は、通信事業者選択端末10のユーザに更新データを提案すべきであると判断する。
【0046】
同様に、最大通信帯域についても説明すると、現在、選択されている通信事業者による設定が、
図5の通信事業者Aのプラン(最大通信帯域100Mbps、料金2000円)である場合に、通信事業者C(最大通信帯域200Mbps、料金2000円)のプランを更新データとして受信したとする。この場合、この通信事業者選択端末10は、通信事業者をAからCに変更したほうが、広い通信帯域で料金が同じである。したがって、設定比較モジュール140は、通信事業者選択端末10のユーザに更新データを提案すべきであると判断する。
【0047】
また、上述のグループ料金設定データの更新があったことを示すフラグが記憶されている場合には、通信事業者選択端末10のユーザに更新データを提案すべきであると判断する。
【0048】
上記の判断は、データ通信のみならず、通話においても同様に、最長通話時間で比較されて、提案するかの判断が行われてよい。
【0049】
次に、更新データ送信モジュール130は、通信事業者選択端末10のユーザに更新データを提案すべきであると判断した(ステップS07:「YES」)場合には、更新データに基づくメッセージを通信事業者選択端末10に送信する(ステップS08)。更新データ送信モジュール130は、通信事業者選択端末10のユーザに更新データを提案すべきでないと判断した(ステップS07:「NO」)場合には、処理を終了する。通信事業者選択端末10に送信するメッセージは、更新データに含まれていてよく、通信事業者サーバ200から受信したり、管理端末50からの入力を受け付けてもよい。
【0050】
これに応じて、通信事業者選択端末10は、メッセージを受信して、表示し、メッセージに対する応答を受け付ける(ステップS09)。通信事業者選択端末10にメッセージを表示した例を、
図7、
図8に示す。
図7の例では、「通信カードに切り替える」というボタン15が表示され、このボタン15を操作することで、通信事業者選択モジュール20は、更新データが提案する通信事業者のカードを選択し、通信部12内の利用可能な通信事業者カードを、更新データが提案する通信事業者のカードに切り替える(ステップS10)。カード切り替え後、切り替えた通信事業者で通信・通話が可能になる。
【0051】
図8の例では、上記のカード切り替えの他の実施態様であって、更新データとして、通信事業者Bの提案があった場合に、通信事業者Bに通信事業者選択端末10が申し込んでいない(通信事業者Bのカードを内蔵していない)場合を説明する。「通信事業者Bのプラン申込」というボタン17が表示され、このボタン17を操作することで、通信事業者Bにメッセージが送信されて、通信事業者Bのプランの申し込みが完了し、例えば、通信事業者Bのカード送付の依頼が完了する。通信事業者選択端末10のユーザは、送付された通信事業者Bのカードを空きスロットに装着して、通信事業者Bのプランで通信・通話を開始する。
【0052】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1 通信事業者提案システム、10 通信事業者選択端末、50 管理端末、100 通信事業者提案サーバ、200 通信事業者サーバ