【解決手段】クローラ走行装置と、クローラ走行装置に支持される機体フレーム12と、機体フレーム12に支持され、人参aの葉部bを挟持して人参aを圃場から吊り下げ姿勢で持ち上げ搬送する搬送装置28と、搬送装置28の下方側に位置し、搬送装置28で搬送される人参の尾部を切断する切断装置46と、が備えられ、切断装置46が、搬送装置28で搬送される人参の抵抗により、下方へ退避可能に構成されている。
前記切断装置に、横向きの回転軸心周りに回転して、前記搬送装置で搬送される根菜の尾部を切断する回転刃と、前記搬送装置で搬送される根菜の尾部が前記回転刃へ向かうように、根菜の下部を案内する案内部と、が備えられ、
前記案内部に、前記搬送装置で搬送される根菜の左側に位置する第一部材と、前記搬送装置で搬送される根菜の右側に位置する第二部材と、が備えられ、
前記第一部材と前記第二部材の間から、前記搬送装置で搬送される根菜の尾部が前記回転刃の回転軌跡に入り込むように構成され、
前記第一部材と前記第二部材との間の間隔を調節可能な調節部が備えられている請求項1〜5のいずれか一項に記載の根菜収穫機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の技術では、搬送装置と切断装置との相対位置が固定されているので、例えば、搬送装置で多数の根菜が密集して搬送される際等に、搬送装置と切断装置との間に根菜の詰まりが発生する場合がある。そのような場合、根菜収穫機の運転を中断して、搬送装置と切断装置との間に詰まった根菜を取り除く作業が必要となり、手間が生じる。
【0006】
上記実情に鑑み、搬送装置と切断装置との間における根菜の詰まりの発生を抑制できる根菜収穫機の提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、走行装置と、前記走行装置に支持される機体フレームと、前記機体フレームに支持され、根菜の葉部を挟持して根菜を圃場から吊り下げ姿勢で持ち上げ搬送する搬送装置と、前記搬送装置の下方側に位置し、前記搬送装置で搬送される根菜の尾部を切断する切断装置と、が備えられ、前記切断装置が、前記搬送装置で搬送される根菜の抵抗により、下方へ退避可能に構成されているものである。
【0008】
本発明によると、根菜の尾部を切断する切断装置が、搬送装置により搬送される根菜の抵抗を受けると、搬送装置から離れる方向となる下方へ退避できるようになっている。これにより、例えば、搬送装置により多数の根菜が密集して搬送される状況が生じたとしても、切断装置が根菜の抵抗を受けて下方へ退避するので、搬送装置と切断装置との間に、根菜を詰まらせずにスムーズに通過させることができる。
したがって、本発明によると、搬送装置と切断装置との間における根菜の詰まりの発生を抑制できる。
【0009】
本発明において、前記搬送装置に対して横向きの揺動軸心周りに揺動可能に支持され、遊端に前記切断装置を支持するアーム部と、前記アーム部を、前記搬送装置側へ向けて付勢する付勢部と、が備えられ、前記切断装置が、前記搬送装置で搬送される根菜の抵抗により、前記付勢部による付勢力に抗して、下方へ退避可能に構成されていると好適である。
【0010】
上記構成によれば、切断装置を、アーム部を介して、搬送装置側へ向けて付勢した状態で、横向きの揺動軸心周りに揺動自在となるように、搬送装置に支持できる。そして、切断装置は、付勢部により、搬送装置側に近付くように付勢されているので、切断装置は、搬送装置で搬送される根菜の抵抗を受けると、アーム部に作用する付勢部の付勢力に抗して、揺動軸心周りに揺動し、搬送装置から離れる方向となる下方へ退避して、搬送装置と切断装置との間の空間が拡大され、搬送装置と切断装置との間に根菜をスムーズに通過させることができる。切断装置に対する根菜の抵抗が無くなると、切断装置は、アーム部に作用する付勢部の付勢力により、搬送装置側に近付いた状態に戻り、搬送装置で搬送される根菜の尾部を好適に切断可能な状態に自動復帰される。
よって、搬送装置で搬送される根菜の尾部を切断可能な状態を保ちながら、搬送装置と切断装置との間における根菜の詰まりの発生を好適に抑制できる。
【0011】
本発明において、前記アーム部の揺動上限位置を規制する上規制部が備えられていると好適である。
【0012】
上記構成によれば、付勢部によりアーム部が上規制部に当たっている状態であれば、搬送装置と切断装置との間の間隔を、搬送装置により搬送される根菜の尾部を切断装置で切断するための適切な間隔に維持できる。また、上規制部によりアーム部の揺動上限位置が規制されるので、アーム部の遊端に支持される切断装置が、搬送装置側に接近し過ぎることが抑止され、搬送装置と切断装置との間に、根菜の通過可能な空間が好適に確保される。
【0013】
本発明において、前記アーム部の揺動下限位置を規制する下規制部が備えられていると好適である。
【0014】
上記構成によれば、下規制部によりアーム部の揺動下限位置が規制されるので、アーム部の遊端に支持される切断装置が、下方に揺動し過ぎることが抑制され、地面等に対する切断装置の接触を抑止できる。
【0015】
本発明において、前記アーム部の横方向への移動を規制する横規制部が備えられていると好適である。
【0016】
上記構成によれば、横規制部によりアーム部の横方向への移動が規制されるので、アーム部の遊端に支持される切断装置が、搬送装置に対して横ずれしにくくなる。よって、切断装置が、搬送装置で搬送される根菜に対して横ずれしにくくなり、根菜の尾部を切断装置で好適に切断可能な状態を良好に維持できる。
【0017】
本発明において、前記切断装置に、横向きの回転軸心周りに回転して、前記搬送装置で搬送される根菜の尾部を切断する回転刃と、前記搬送装置で搬送される根菜の尾部が前記回転刃へ向かうように、根菜の下部を案内する案内部と、が備えられ、前記案内部に、前記搬送装置で搬送される根菜の左側に位置する第一部材と、前記搬送装置で搬送される根菜の右側に位置する第二部材と、が備えられ、前記第一部材と前記第二部材の間から、前記搬送装置で搬送される根菜の尾部が前記回転刃の回転軌跡に入り込むように構成され、前記第一部材と前記第二部材との間の間隔を調節可能な調節部が備えられていると好適である。
【0018】
上記構成によれば、調節部により、切断装置の案内部において、根菜の下部を左右に挟んで案内する第一部材と第二部材との間の間隔を調節できる。これにより、回転刃の回転軌跡に対する根菜の入り込み深さを変更できる。よって、例えば、圃場別に根菜の寸法が異なる場合等であっても、調節部により第一部材と第二部材との間の間隔を調節して、回転刃の回転軌跡に対する根菜の入り込み深さを変更し、回転刃で根菜の尾部を好適に切断可能な状態に容易に調節できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、
図2に示されるように、人参a(「根菜」の一例)を収穫する人参収穫機(「根菜収穫機」の一例)における自走式に構成された走行機体には、左右一対のクローラ走行装置11(「走行装置」の一例)と、クローラ走行装置11に支持されている機体フレーム12と、機体フレーム12に支持されるエンジン13と、操縦者による操縦が行われる搭乗運転部14と、人参aの引き抜き及び搬送を行う収穫部15と、人参aの選別が行われる選別部16と、人参aが回収される回収部17と、が備えられている。
【0021】
機体フレーム12には、左右一対の支持フレーム20が、機体横向きの昇降軸心P1周りで揺動自在となるように連結されている。各支持フレーム20は、機体前後方向に延びる角パイプ材で構成されている。機体フレーム12と支持フレーム20とは、油圧式の昇降シリンダ21で連結されている。支持フレーム20には、左右一対の連結フレーム22、左右一対の中継フレーム23等を介して、収穫部15が支持されている。つまり、昇降シリンダ21の伸縮により、支持フレーム20に連結される収穫部15を、機体フレーム12に対して、昇降軸心P1周りに昇降可能となっている。
【0022】
図1、
図2に示されるように、搭乗運転部14は、機体フレーム12の上側に支持されている。搭乗運転部14には、操縦者が着座する運転座席24、収穫部15の昇降操作を行う操作レバー25等が備えられている。
【0023】
図1、
図2に示されるように、収穫部15には、引き起こし装置26と、土ほぐし刃27と、搬送装置28と、テールカッタ29と、葉部分離部30と、が備えられている。
【0024】
引き起こし装置26には、左右一対のデバイダ31と、上下方向に沿って無端体で回転駆動される左右一対の引き起こし爪部32と、が備えられている。土ほぐし刃27は、左右一対で備えられ、圃場の土中に入り込んで振動で、人参aの横側の土をほぐすように構成されている。
【0025】
図1、
図2に示されるように、搬送装置28は、連結フレーム22により、機体フレーム12に連結支持されている。搬送装置28は、搬送始端部側から搬送終端部側に向かうにつれて上方に位置するように、後ろ上がり傾斜とされている。搬送装置28は、圃場に植えられた人参aの葉部bを挟持して引き抜き、人参aを圃場から吊り下げ姿勢で持ち上げ搬送するように構成されている。搬送装置28には、左右一対の引き抜きフレーム33と、各引き抜きフレーム33に備えられる搬送ベルト34と、が備えられている。引き抜きフレーム33は、機体前方から機体後方に向かうにつれて、斜め後ろ上がりとなるように配置されている。つまり、左右一対の搬送ベルト34により、人参aの葉部bが挟持されて引き抜かれ、機体後方に向けて斜め後ろ上がりに搬送される。
【0026】
図5に示されるように、テールカッタ29は、搬送装置28の搬送ベルト34で搬送される人参aの尾部cを切り落とすように構成されている。テールカッタ29の具体構成については、後述する。
【0027】
図2に示されるように、葉部分離部30は、搬送装置28の搬送ベルト34で搬送されてきた人参aの葉部bを切断して分離するように構成されている。葉部分離部30には、左右一対の葉部除去ベルト35と、人参aの葉部bを切断する回転式の切断刃36と、分離された葉部bを排出するシュート37と、が備えられている。
【0028】
走行機体の走行に伴い、圃場に列状に植え付けられている人参aの作物列の左右両側に、引き起こし装置26の左右一対のデバイダ31を入り込ませ、引き起こし装置26の引き起こし爪部32で、人参aの葉部bを梳き上げて起立させる。そして、土ほぐし刃27で、圃場に植えられた人参aの横側の土をほぐしながら、人参aの葉部bを、搬送装置28の搬送ベルト34で挟持して引き抜き、機体後方へ向けて吊り下げ搬送する。この際、搬送ベルト34の搬送途中において、人参aの尾部cが、テールカッタ29により切断される。そして、搬送ベルト34の搬送終端付近において、人参aの葉部bが、葉部除去ベルト35に受け渡され、切断刃36で人参aの葉部bが切断され、分離される。分離された葉部bは、シュート37から、排出コンベヤ38上に落下し、排出コンベヤ38の後端部から圃場へ落下される。
【0029】
図1、
図2に示されるように、選別部16には、機体前後方向に沿って人参aを搬送する選別コンベヤ39と、選別コンベヤ39の左右両側に配置される補助座席40と、が備えられている。葉部分離部30において葉部bが除かれた人参aは、横送りローラ42に落下され、横送りローラ42により、持ち上げコンベヤ41へ搬送される。持ち上げコンベヤ41は、選別コンベヤ39の搬送始端に向けて、人参aを持ち上げ搬送する。選別コンベヤ39により搬送される人参aは、補助座席40の作業者によって選別され、選別済みの人参aが回収部17へ搬送される。
【0030】
図1、
図2に示されるように、回収部17には、機体フレーム12に支持される枠体43が備えられている。枠体43には、例えば布袋等の収納体44を保持可能に構成されている。枠体43に保持される収納体44に、選別コンベヤ39から搬送されてくる選別済みの人参aを落下させることにより、収納体44に、尾部c及び葉部bが除かれた人参aが回収されるようになっている。
【0031】
[テールカッタの具体構成]
以下、テールカッタ29の具体構成について詳細に説明する。
図1、
図3〜
図9に示されるように、テールカッタ29には、アーム部45と、切断装置46と、アーム部45を搬送装置28側へ向けて付勢する付勢部47と、が備えられている。テールカッタ29は、搬送装置28の引き抜きフレーム33にボルト連結で支持されており、機体横向きの揺動軸心P2周りに、搬送装置28と一体的に揺動するように構成されている。付勢部47は、左側アーム49の先端のステー57に一端が連結され、搬送装置28における引き抜きフレーム33の左側面に固定される取付ブラケット59に他端が連結されている。
【0032】
[アーム部]
図4〜
図6、
図8、
図9に示されるように、アーム部45は、搬送装置28に斜め後ろ下がりの姿勢で固定される一対の支持ブラケット48に、取り付け支持されている。アーム部45は、搬送装置28に対して、機体横向きの揺動軸心P2周りに揺動自在に支持されている。アーム部45の基端は、搬送装置28に対して、機体横向きの揺動軸心P2周りに揺動可能に支持されている。アーム部45の下端部である遊端に、切断装置46が支持されている。
図3〜
図5、
図7〜
図9に示されるように、アーム部45には、左側の左側アーム49と、右側の右側アーム50と、が備えられている。左側アーム49と、右側アーム50とは、横向きの架設部材51により連結され、揺動軸心P2周りに一体揺動するように構成されている。左側アーム49は、左側の引き抜きフレーム33よりも機体外側に突出するように配置されている。右側アーム50は、左側の引き抜きフレーム33と、右側の引き抜きフレーム33との間に入り込むように配置されている。
【0033】
図9に示されるように、切断装置46は、搬送装置28で搬送される人参aの抵抗により、付勢部47による付勢力に抗して、下方へ退避可能に構成されている。具体的には、切断装置46が搬送装置28で搬送される人参aの抵抗を受けると、左側アーム49及び右側アーム50の下端部が、切断装置46と搬送装置28とを近付ける付勢部47の付勢力に抗して、下方へ揺動し、これにより、切断装置46が下方へ退避される。
【0034】
図4〜
図6、
図8、
図9に示されるように、左右の引き抜きフレーム33は、右側アーム50の下方において、斜め前下がりとなった機体横向きのプレート52(「下規制部」に相当)によって連結されている。右側アーム50が、プレート52に当接することによって、アーム部45の揺動下限位置が規制される。
【0035】
図3〜
図5、
図8、
図9に示されるように、左側アーム49の上方及び横外側方に位置するように、規制部材53が配置されている。規制部材53は、左側の支持フレーム20に支持されている。規制部材53には、左側の支持フレーム20に、溶接等により取り付けされる取付部54と、左側アーム49の上方への揺動を規制する上規制部55と、左側アーム49の機体左横方向(機体横外方向)への揺動を規制する左横規制部56(「横規制部」の一例)とが、一体的に備えられている。左側アーム49が、上規制部55に当接することにより、アーム部45の揺動上限位置が規制される。左側アーム49が、左横規制部56に当接することにより、アーム部45の左横方向への移動が規制される。
【0036】
なお、
図8に示されるように、右側アーム50が、プレート52に当接した際、左側アーム49の左側方には左横規制部56が位置しておらず、左側アーム49の左側方の空間が開放されている。このため、左側アーム49の着脱等のメンテナンスを行い易くなっている。
【0037】
図3、
図4、
図7に示されるように、左側アーム49は、搬送装置28で搬送される根菜の左側に位置している。左側アーム49は、機体外側に位置している。左側アーム49は、角パイプ状の部材から構成されている。右側アーム50は、搬送装置28で搬送される人参aの右側に位置している。つまり右側アーム50は、機体内側に位置している。右側アーム50は、板状の部材から構成されている。
【0038】
図3、
図4、
図7に示されるように、右側の支持フレーム20の左側面58(「横規制部」の一例)は、右側アーム50の機体右横方向(機体横内側)への移動を規制するようになっている。右側アーム50が、左側の支持フレーム20の左側面58に当接することにより、アーム部45の右横方向への移動が規制される。
【0039】
このように、アーム部45は、横方向への移動及び上下方向に沿った揺動が、一定範囲内に制限されるようになっている。
【0040】
[切断装置]
図1、
図5に示されるように、切断装置46は、搬送装置28の搬送始端部の下方側に位置し、搬送装置28で搬送される人参aの尾部cを切断するように構成されている。切断装置46は、アーム部45の先端部である下端部に支持されている。切断装置46は、搬送装置28で搬送される人参aの抵抗により、下方へ退避可能に構成されている。切断装置46には、回転刃60と、案内部61と、第一電動モータ62と、第二電動モータ63と、が備えられている。つまり、回転刃60と、案内部61と、第一電動モータ62と、第二電動モータ63とは、揺動軸心P2周りに一体的に揺動可能となっている。
【0041】
[回転刃]
図5、
図8、
図9に示されるように、回転刃60は、横向きの第一回転軸心X1(「回転軸心」に相当)周りに回転して、搬送装置28で搬送される人参aの尾部cを切断するように構成されている。回転刃60は、第一電動モータ62の駆動力を受けて、搬送装置28で搬送される人参aの搬送方向とは逆方向に沿って、第一回転軸心X1周りに回転駆動されるように構成されている。
図5においては、回転刃60は、第一回転軸心X1周りに反時計周りで回転駆動される。
図3〜
図9に示されるように、回転刃60は、搬送装置28で搬送される人参aの下端の尾部cを機体横向きの第一回転軸心X1周りで回転して切り落とすように構成されている。回転刃60は、一対で備えられ、各回転刃60は、連結部64で一体的に連結されている。回転刃60は、搬送装置28の搬送始端側の下方に機体横向きの第一回転軸心X1周りで駆動回動自在に位置し、一対で備えられている。回転刃60は、搬送装置28で搬送される吊り下げ姿勢の人参aの尾部cを切断する。切断された尾部cは、そのまま圃場に落下される。
【0042】
図3、
図4、
図7に示される回転刃60の駆動用の第一電動モータ62は、右側の支持フレーム20の側面に連結固定された右側支持体65に取り付け支持されている。第一電動モータ62の第一出力軸66に、一対の回転刃60を連結する連結部64が連結されている。第一電動モータ62は、人参aの尾部cを切断することができるように、高速で一対の回転刃60を回転駆動するように構成されている。
【0043】
[案内部]
図3、
図4、
図7に示されるように、案内部61は、回転刃60の回転軌跡の外周側に位置し、搬送装置28で搬送される人参aの尾部cが回転刃60へ向かうように、人参aの下部を案内すると共に、人参aの下端部の回転刃60の回転軌跡への入り込み長さを規制するように構成されている。案内部61には、回転ガイド部材68(「第一部材」に相当)と、固定ガイド部材69(「第二部材」に相当)と、が備えられている。回転ガイド部材68と固定ガイド部材69の間から、搬送装置28で搬送される人参aの尾部cが回転刃60の回転軌跡に入り込むように構成されている。
【0044】
図3、
図4、
図7に示されるように、回転ガイド部材68と固定ガイド部材69とは、搬送装置28で搬送される人参aの通過路における左右両側に位置するように、左右一対で配置されている。
【0045】
回転ガイド部材68は、左側アーム49の下端部に、第二回転軸心X2周りに回転自在となるように、調節ブラケット71を介して、支持されている。回転ガイド部材68は、第二電動モータ63の駆動力を受けて、搬送装置28で搬送される人参aの搬送方向に沿って、第二回転軸心X2周りに回転駆動されるように構成されている。
図5においては、回転ガイド部材68は、第二回転軸心X2周りに時計周りで回転駆動される。固定ガイド部材69は、右側アーム50の下端部に支持されている。回転ガイド部材68は、搬送装置28で搬送される人参aの左側に位置し、搬送装置28で搬送される人参aを回転してガイドするように構成されている。
【0046】
図3、
図7に示されるように、ガイド駆動用の第二電動モータ63は、左側の支持フレーム20の側面に連結固定された左側支持体70に、取り付け支持されている。第二電動モータ63の第二出力軸72には、連結部材73を介して回転ガイド部材68が一体回転すべく連結固定されている。
【0047】
図3、
図4、
図7に示される第二電動モータ63には、減速機構が備えられている。第二電動モータ63は、搬送装置28による人参aの搬送と同じ方向に沿って搬送装置28による搬送速度よりも高速の周速度で回転するように、回転ガイド部材68を回転駆動するように構成されている。第二電動モータ63による周速度は、人参aの下端部を、葉部bよりも先行する状態で良好に回転刃60に案内することができるように、搬送装置28による搬送速度よりも少しだけ高速に設定されている。
【0048】
図3、
図4、
図7に示されるように、回転刃60の回転中心となる第一回転軸心X1と、回転ガイド部材68の回転中心となる第二回転軸心X2とは、同一軸心上に位置するようにされている。
【0049】
図3〜
図6に示される固定ガイド部材69は、右側支持体65から左側方に向けて延設された前後一対の左方延設部76の先端に、溶接等により一体的に連結固定されている。固定ガイド部材69は、吊り下げ姿勢で搬送されてくる人参aの下端部を受け止めて回転刃60による切断作用位置に向けて案内する。固定ガイド部材69は、搬送装置28で搬送される人参aの右側に位置し、搬送装置28で搬送される人参aをガイドする。
【0050】
[回転ガイド部材の具体構成]
図3、
図4、
図7に示されるように、回転ガイド部材68には、略円環状に湾曲形成された円環状ガイド杆77と、円環状ガイド杆77から人参aの通過路とは反対側に向けて、周方向に適宜間隔をあけて外方に片持ち状に延設された複数の屈曲ガイド杆78と、が備えられている。
【0051】
図3、
図4、
図5、
図7に示されるように、円環状ガイド杆77は、円環状に湾曲した丸棒材から構成されている。円環状ガイド杆77は、回転刃60の回転軌跡の径方向外側箇所において、回転刃60の回転軌跡に沿って同心円状に位置する状態で備えられている。各屈曲ガイド杆78は、湾曲した丸棒材から構成されている。各屈曲ガイド杆78は、円環状ガイド杆77における人参aの通過路とは反対側に延出され、片持ち状とされている。回転ガイド部材68の屈曲ガイド杆78は、回転刃60から遠ざかるにつれて、第二回転軸心X2から離れるように傾斜されている。そして、屈曲ガイド杆78の第二回転軸心X2から最も遠い側の端部79は、第二回転軸心X2の方向に沿った方向となるように屈曲されている。つまり、回転ガイド部材68の回転時に、端部79は、地面に対して略水平な状態となる。よって、回転駆動される回転ガイド部材68の端部79によって、圃場に植えられた人参aを傷つけにくいものにできる。
【0052】
[固定ガイド部材の具体構成]
図3、
図4、
図6、
図7に示されるように、固定ガイド部材69には、案内ガイド杆80と、案内ガイド杆80から人参aの通過路とは反対側に向けて、周方向に適宜間隔をあけて外方に片持ち状に延設された複数の直線状ガイド杆81と、が備えられている。案内ガイド杆80は、人参aが回転刃60による切断作用位置に近付いてくると、人参aの下端部を回転刃60に案内するように構成されている。案内ガイド杆80は、丸棒材にて構成されている。
【0053】
図3、
図4、
図7に示されるように、直線状ガイド杆81は、案内ガイド杆80における人参aの通過路とは反対側において外方に片持ち状に延設されている。各直線状ガイド杆81は、夫々、案内ガイド杆80と同様に丸棒材にて構成されている。各直線状ガイド杆81は、案内ガイド杆80における人参aの通過路とは反対側(機体進行方向視で右側)において、案内ガイド杆80の長尺方向に沿って適宜間隔をあけて右側外方に向けて片持ち状に固定延設されている。
【0054】
図3、
図7に示されるように、回転ガイド部材68の円環状ガイド杆77と、固定ガイド部材69の案内ガイド杆80とは、機体横幅方向に間隔を空けて配置されている。円環状ガイド杆77と、案内ガイド杆80との間に空いた隙間から人参aの下端部が、回転刃60の回転軌跡に入り込むように構成されている。
【0055】
[調節部]
図4、
図7に示されるように、回転ガイド部材68と固定ガイド部材69との間の間隔を調節可能な調節部85が備えられている。調節部85は、回転ガイド部材68側に備えられている。調節部85には、調節ブラケット71に開口された横方向の2つの長孔87が備えられている。2つの長孔87は、回転刃60の回転中心となる第一回転軸心X1を中心として、第一回転軸心X1の軸心方向と直交する方向に振り分け配置されている。各長孔87は、回転刃60の回転中心となる第一回転軸心X1に沿った方向が長手方向とされている。調節部85に対する回転ガイド部材68の取り付け位置を2つの長孔87に横方向に調節することにより、固定ガイド部材69と、回転ガイド部材68との間の間隔を調節できる。これにより、人参aの通過路の横幅を柔軟に調節可能となる。さらに、回転刃60の回転中心となる第一回転軸心X1と、回転ガイド部材68の回転中心となる第二回転軸心X2との芯合わせを容易に行うことができる。
【0056】
[別実施形態]
以下に本発明の別実施形態について説明する。上記実施形態及び以下の各別実施形態は、矛盾が生じない限り、適宜組み合わせることができる。
【0057】
(1)上記実施形態では、搬送装置28に切断装置46が支持されているものが一例に示されているが、切断装置46が、搬送装置28に支持されておらず、例えば、機体フレーム12に支持されていてもよい。
【0058】
(2)上記実施形態では、切断装置46を支持するアーム部45が、揺動軸心Y1周りに揺動するものが一例に示されているが、これに限られない。搬送装置28に対して上下方向にスライド可能とされている他の切断装置であってもよい。
【0059】
(3)上記実施形態では、右側アーム50が、プレート52に当接した際、左側アーム49の左側方には位置しない左横規制部56が一例に示されているが、これに限られない。例えば、右側アーム50が、プレート52に当接した際、左側アーム49の左側方に位置する程度に延出されており、左側アーム49の揺動域の全域に亘って、左側アーム49の左側方に位置するような他の左横規制部であってもよい。
【0060】
(4)上記実施形態では、調節部85が備えられているものが一例に示されているが、これに限られず、調節部85が備えられていなくてもよい。
【0061】
(5)上記実施形態では、左右の表現が用いられているが、左と右とが反対になっている構造であってもよい。