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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-213463(P2015-213463A)
(43)【公開日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】苗植付装置
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20151106BHJP
【FI】
   A01C11/02 350F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-97833(P2014-97833)
(22)【出願日】2014年5月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】河瀬 宗之
(72)【発明者】
【氏名】向井 猛
(72)【発明者】
【氏名】田部 智也
【テーマコード(参考)】
2B064
【Fターム(参考)】
2B064AA05
2B064AA07
2B064AB01
2B064AC01
2B064BB02
2B064BB05
(57)【要約】
【課題】苗載台を安定よく支持できる苗植付装置を提供する。
【解決手段】機体横方向での複数個所において、苗載台15を機体横方向に移送案内し、かつ、苗載台15を支持する支持部50を備えてある。各支持部50は、苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯Xまわりに回転可能な第1支持輪体53を介して苗載台15の苗縦送り方向での荷重を支持し、第1支持輪体53に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて苗縦送り方向に沿った方向の軸芯Yまわりに回転可能な第2支持輪体54を介して苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向での荷重を支持するように構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢で機体横方向に往復移送され、苗植付機構に苗供給する苗載台と、
機体横方向での複数個所において、前記苗載台を機体横方向に移送案内し、かつ、前記苗載台を支持する支持部とを備え、
前記複数個所の支持部それぞれは、
前記苗載台における苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向に沿った方向の軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を、前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を、前記機体左横側方及び前記機体右横側方の第2支持輪体を介して支持するように構成されている苗植付装置。
【請求項2】
前記苗載台に駆動回動可能に支持され、前記苗載台の苗を前記苗植付機構に向けて縦送りする苗縦送りベルトを備え、
前記複数個所の支持部それぞれは、
前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿う方向の直線上において前記苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な係止輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向と反対方向の変位を前記係止輪体によって規制するように構成されている請求項1に記載の苗植付装置。
【請求項3】
前記機体左横側方の第2支持輪体と、前記機体右横側方の第2支持輪体とが、前記苗縦送り方向に沿う方向の天秤軸芯まわりに背反揺動可能に支持されている請求項1又は2に記載の苗植付装置。
【請求項4】
下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢で機体横方向に往復移送され、苗植付機構に苗供給する苗載台と、
機体横方向での複数個所において、前記苗載台を機体横方向に移送案内し、かつ、前記苗載台を支持する支持部とを備え、
前記複数個所の支持部それぞれは、
前記苗載台における苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿う方向の直線上において前記苗縦送り方向に沿った方向の回転軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、かつ、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を前記第2支持輪体を介して支持するように構成されている苗植付装置。
【請求項5】
前記苗載台に駆動回動可能に支持され、前記苗載台の苗を前記苗植付機構に向けて縦送りする苗縦送りベルトを備え、
前記複数個所の支持部それぞれは、
前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な係止輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向と反対方向の変位を前記係止輪体によって規制するように構成されている請求項4に記載の苗植付装置。
【請求項6】
下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢で機体横方向に往復移送され、苗植付機構に苗供給する苗載台を備え、
前記苗載台が機体横方向に並ぶ第1支持部と第2支持部とによって機体横方向に移送案内されるように、かつ、支持されるように構成し、
前記第1支持部は、
前記苗載台における苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向に沿った方向の回転軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を前記左横側方及び前記右横側方の第2支持輪体を介して支持するように構成され、
前記第2支持部は、
前記苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿った方向の直線上において前記苗縦送り方向に沿った方向の回転軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を前記第2支持輪体を介して支持するように構成されている苗植付装置。
【請求項7】
前記苗載台に駆動回動可能に支持され、前記苗載台の苗を前記苗植付機構に向けて縦送りする苗縦送りベルトを備え、
前記第1支持部は、
前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿った方向の直線上において前記苗縦送り方向に対して交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1係止輪体を備え、前記苗載台の苗縦送り方向と反対方向での変位を第1係止輪体によって規制するように構成され、
前記第2支持部は、
前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向と交差する方向の軸芯まわりに回転可能な第2係止輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向と反対方向での変位を前記第2係止輪体によって規制するように構成されている請求項6に記載の苗植付装置。
【請求項8】
前記機体左横側方の第2支持輪体と、前記機体右横側方の第2支持輪体とが、前記苗縦送り方向に沿う方向の天秤軸芯まわりに背反揺動可能に支持されている請求項6又は7に記載の苗植付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢で機体横方向に往復移送され、苗植付機構に苗供給する苗載台と、機体横方向での複数個所において、前記苗載台を機体横方向に移送案内し、かつ、前記苗載台を支持する支持部とを備えた苗植付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
苗載台が摺動部材を介して横移動可能に支持されるのに比して、支持部における磨滅を回避し易い状態で横移動可能に支持できるものとして、従来、特許文献1に示される苗植付装置があった。この苗植付装置では、苗載台を機体横方向に並ぶ7つの移動用回転体、及び機体横方向に並ぶ7つの受具(回転体)を介して横移動可能に支持するように構成されている。
すなわち、苗載台の背面に苗載台の左右両端部にわたる下側被支持部材が固定され、植付伝動ケースに支持部材が支持されている。7つの移動用回転体は、苗載台の苗載置面と直交する支軸を支点にして回転するように支持部材に支持され、7つの移動用回転体に上方から係合する第1係合溝が下側被支持部材に形成され、各移動用回転体は、下側被支持部材を支持するように構成されている。7つの受具は、機体側面視で苗載面に沿った軸芯まわりに回転可能に支持部材に支持され、7つの受具が係入する第2係合溝が下側支持部材に形成され、各受具は、苗載台の苗載面と交差する方向の荷重を受け止めるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−208082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の場合、第1支持輪体としての移動用回転体、及び、第2支持輪体としての受具を備える7個所それぞれの支持部では、苗載台が移動用回転体による支持点を支点として傾動操作される操作力が発生し易く、苗載台が安定し難い問題があった。
【0005】
本発明の目的は、苗載台を安定よく支持できる苗植付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明による苗植付装置は、
下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢で機体横方向に往復移送され、苗植付機構に苗供給する苗載台と、
機体横方向での複数個所において、前記苗載台を機体横方向に移送案内し、かつ、前記苗載台を支持する支持部とを備え、
前記複数個所の支持部それぞれは、
前記苗載台における苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向に沿った方向の軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を、前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を、前記機体左横側方及び前記機体右横側方の第2支持輪体を介して支持するように構成されている。
【0007】
本第1発明の構成によると、複数個所の支持部それぞれは、第1支持輪体と、第1支持輪体に対して機体左横側方に位置する第2支持輪体と、第1支持輪体に対して機体右横側方に位置する第2支持輪体とによって苗載台を支持するので、複数個所の支持部それぞれにおいて、一方の第2支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所と、他方の第2支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所とを、第1支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所に対して機体左横側方に位置する箇所と機体右横側方に位置する箇所とに分散させることができ、複数個所の支持部それぞれにおける苗載台の支持を、第2支持輪体による支持のために第1支持輪体による支持点を支点とした苗載台傾斜が発生し難い状態で行わせられる。
【0008】
従って、本第1発明によると、第1支持輪体及び第2支持輪体の回転によって支持部に磨滅が生じ難いのみならず、苗載台を傾斜し難いように安定的に支持させ、苗載台を長期にわたってスムーズに横移動させることができる。
【0009】
本第2発明では、前記苗載台に駆動回動可能に支持され、前記苗載台の苗を前記苗植付機構に向けて縦送りする苗縦送りベルトを備え、前記複数個所の支持部それぞれは、前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿う方向の直線上において前記苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な係止輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向と反対方向の変位を前記係止輪体によって規制するように構成されている。
【0010】
本第2発明によると、苗縦送りベルトの駆動反力によって苗載台が変位しようとしても係止輪体によって防止や抑制され、苗縦送りベルトによる苗縦送りを円滑にかつ精度よくできる。苗載台の横移動時には、係止輪体が回転軸芯まわりに回転し、摩擦利用の係止手段に比べ、苗載台に対する移動抵抗や、磨滅が発生し難い。
【0011】
本第3発明では、前記機体左横側方の第2支持輪体と、前記機体右横側方の第2支持輪体とが、前記苗縦送り方向に沿う方向の天秤軸芯まわりに背反揺動可能に支持されている。
【0012】
本第3発明によると、苗載台が傾動しても、第2支持輪体を天秤揺動によって苗載台に追従させ、第2支持輪体によって苗載台を適確に支持させられる。
【0013】
本第4発明による苗植付装置は、
下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢で機体横方向に往復移送され、苗植付機構に苗供給する苗載台と、
機体横方向での複数個所において、前記苗載台を機体横方向に移送案内し、かつ、前記苗載台を支持する支持部とを備え、
前記複数個所の支持部それぞれは、
前記苗載台における苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿う方向の直線上において前記苗縦送り方向に沿った方向の回転軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、かつ、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を前記第2支持輪体を介して支持するように構成されている。
【0014】
本第4発明の構成によると、複数個所の支持部それぞれは、第1支持輪体と、第1支持輪体の回転軸芯を通る苗載台縦方向の直線上に位置する第2支持輪体とによって苗載台を支持するので、複数個所の支持部それぞれにおいて、第1支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所と、第2支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所とを、苗縦送り方向に沿った直線上に位置させることができ、複数個所の支持部それぞれにおける苗載台の支持を、第2支持輪体による支持のために第1支持輪体による支持点を支点とした苗載台傾斜が発生し難い状態で行わせられる。
【0015】
従って、本第4発明によると、第1支持輪体及び第2支持輪体の回転によって支持部に磨滅が生じ難いのみならず、苗載台を傾斜し難いように安定的に支持させ、苗載台を長期にわたってスムーズに横移動させることができる。
【0016】
本第5発明では、前記苗載台に駆動回動可能に支持され、前記苗載台の苗を前記苗植付機構に向けて縦送りする苗縦送りベルトを備え、前記複数個所の支持部それぞれは、前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な係止輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向と反対方向の変位を前記係止輪体によって規制するように構成されている。
【0017】
本第5発明によると、苗縦送りベルトの駆動反力によって苗載台が変位しようとしても係止輪体によって防止や抑制され、苗縦送りベルトによる苗縦送りを円滑にかつ精度よくできる。苗載台の横移動時には、係止輪体が回転軸芯まわりに回転し、摩擦利用の係止手段に比べ、苗載台に対する移動抵抗や、磨滅が発生し難い。
【0018】
本第6発明による苗植付装置は、
下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢で機体横方向に往復移送され、苗植付機構に苗供給する苗載台を備え、
前記苗載台が機体横方向に並ぶ第1支持部と第2支持部とによって機体横方向に移送案内されるように、かつ、支持されるように構成し、
前記第1支持部は、
前記苗載台における苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向に沿った方向の回転軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を前記左横側方及び前記右横側方の第2支持輪体を介して支持するように構成され、
前記第2支持部は、
前記苗縦送り方向と交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1支持輪体、及び、前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿った方向の直線上において前記苗縦送り方向に沿った方向の回転軸芯まわりに回転可能な第2支持輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向での荷重を前記第1支持輪体を介して支持するように構成され、前記苗載台の前記苗縦送り方向と交差する方向での荷重を前記第2支持輪体を介して支持するように構成されている。
【0019】
本第6発明の構成によると、第1支持部は、第1支持輪体と、第1支持輪体に対して機体左横側方に位置する第2支持輪体と、第1支持輪体に対して機体右横側方に位置する第2支持輪体とによって苗載台を支持するので、第1支持部においては、一方の第2支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所と、他方の第2支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所とを、第1支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所に対して機体左横側方に位置する箇所と、機体右横側方に位置する箇所とに分散させることができ、第1支持部における苗載台の支持を、第2支持輪体による支持のために第1支持輪体による支持点を支点とした苗載台傾斜が発生し難い状態で行わせられる。
第2支持部は、第1支持輪体と、第1支持輪体の回転軸芯を通る苗載台縦方向の直線上に位置する第2支持輪体とによって苗載台を支持するので、第2支持部では、第1支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所と、第2支持輪体による支持によって苗載台が支持反力を受ける箇所とを、苗縦送り方向に沿った直線上に位置させることができ、第2支持部における苗載台の支持を、第2支持輪体による支持のために第1支持輪体による支持点を支点とした苗載台傾斜が発生し難い状態で行わせられる。
【0020】
従って、本第6発明によると、第1支持輪体及び第2支持輪体の回転によって支持部に磨滅が生じ難いのみならず、苗載台を傾斜し難いように安定的に支持させ、苗載台を長期にわたってスムーズに横移動させることができる。
【0021】
本第7発明では、前記苗載台に駆動回動可能に支持され、前記苗載台の苗を前記苗植付機構に向けて縦送りする苗縦送りベルトを備え、前記第1支持部は、前記第1支持輪体の回転軸芯を通る状態で前記苗縦送り方向に沿った方向の直線上において前記苗縦送り方向に対して交差する方向の回転軸芯まわりに回転可能な第1係止輪体を備え、前記苗載台の苗縦送り方向と反対方向での変位を第1係止輪体によって規制するように構成され、前記第2支持部は、前記第1支持輪体に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所それぞれにおいて前記苗縦送り方向と交差する方向の軸芯まわりに回転可能な第2係止輪体を備え、前記苗載台の前記苗縦送り方向と反対方向での変位を前記第2係止輪体によって規制するように構成されている。
【0022】
本第7発明によると、苗縦送りベルトの駆動反力によって苗載台が変位しようとしても係止輪体によって防止や抑制され、苗縦送りベルトによる苗縦送りを円滑にかつ精度よくできる。苗載台の横移動時には、係止輪体が回転軸芯まわりに回転し、摩擦利用の係止手段に比べ、苗載台に対する移動抵抗や、磨滅が発生し難い。
【0023】
本第8発明では、前記機体左横側方の第2支持輪体と、前記機体右横側方の第2支持輪体とが、前記苗縦送り方向に沿う方向の天秤軸芯まわりに背反揺動可能に支持されている。
【0024】
本第8発明による、苗載台が左右に傾斜しても、第2支持輪体を天秤揺動によって苗載台に追従させ、第2支持輪体によって苗載台を適確に支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】乗用型田植機の全体を示す側面図である。
図2】乗用型田植機の全体を示す平面図である。
図3】苗横送り駆動機構及び苗縦送り駆動機構を示す正面図である。
図4】苗載台支持装置を示す正面図である。
図5】苗載台支持装置を示す側面図である。
図6】苗載台下端側の支持部を示す側面図である。
図7図6のVII−VII断面矢視図である。
図8】分解状態での苗載台下端側支持部を示す斜視図である。
図9】苗載台支持装置を示す概略図である。
図10】第1の別実施構造を備えた苗載台支持装置を示す概略図である。
図11】第2の別実施構造を備えた苗載台支持装置を示す概略図である。
図12】第3の別実施構造を備えた苗載台支持装置を示す概略図である。
図13】第4の別実施構造を備えた苗載台支持装置を示す概略図である。
図14】第5の別実施構造を備えた苗載台支持装置を示す概略図である。
図15】第6の別実施構造を備えた苗載台支持装置を示す概略図である。
図16】第7の別実施構造を備えた苗載台支持装置を示す概略図である。
図17】(a)は、第8の別実施構造を備えた支持部を示す断面図、(b)は、第9の別実施構造を備えた支持部を示す断面図、(c)は、第10の別実施構造を備えた支持部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る苗植付装置を乗用型田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る乗用型田植機の全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係る乗用型田植機の全体を示す平面図である。図1,2に示すように、本発明の実施例に係る乗用型田植機は、機体フレーム1の前端側の下部に左右一対の前車輪2,2が操向操作可能に、かつ駆動可能に装備され、機体フレーム1の後端側の下部に左右一対の後車輪3,3が駆動可能に装備された自走可能な走行機体を備えている。走行機体の前部に、エンジン4aが備えられた原動部4、及び、原動部4の両横側に位置する予備苗貯留装置9を設けてある。走行機体の後部に、運転座席5a、及び、前車輪2を操向操作するステアリングホィール5bが備えられた運転部5を設けてある。機体フレーム1の後部からリンク機構6を後方向きに上下揺動可能に延出し、リンク機構6の延出端部に苗植付装置10を連結してある。苗植付装置10は、リンク機構6が油圧シリンダでなる昇降シリンダ7によって揺動操作されることにより、接地フロート11が圃場面に下降して接地した下降作業状態と、接地フロート11が圃場面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降されるように構成してある。苗植付装置10は、エンジン4aからの駆動力がリンク機構6の下方に位置する回転伝動軸8によって伝達されて駆動されるようになっている。
【0027】
乗用型田植機は、苗植付装置10を下降作業状態に下降させて走行機体を走行させることにより、苗植付装置10によって8条植えが可能な苗植作業を行なうものである。
【0028】
苗植付装置10について説明する。
図1,2,3に示すように、苗植付装置10は、走行機体の機体横方向(以下、単に機体横方向と称する。)に長いメインフレーム12、及び、機体横方向に所定間隔を空けて並んだ状態で前端側がメインフレーム12に支持された機体前後向きの4つの植付駆動ケース13が装備された植付フレームFを備えている。
【0029】
4つの植付駆動ケース13それぞれの後端部の両横側部に苗植付機構14が駆動可能に装着され、植付フレームFの前端側の上方に、8つの苗植付機構14に苗供給する一つの苗載台15が設けられている。苗載台15は、下端側が上端側に対して機体前後方向に位置ずれした傾斜姿勢の一例である傾斜姿勢、すなわち、下端側が上端側に対して機体後方側に位置ずれした傾斜姿勢で支持されている。植付フレームFの下部に、機体横方向に並ぶ4つの接地フロート11が取り付けられている。
【0030】
8つの苗植付機構14それぞれは、植付駆動ケース13に機体横向きの回転支軸を介して回転駆動可能に支持された回転ロータ14a、及び、回転ロータ14aの長手方向での両端部に回転駆動可能に装着された植付アーム14bを備えている。各回転ロータ14aは、メインフレーム12に支持されたフィードケース16に回転伝動軸8から入力された駆動力がフィードケース16から伝動軸17によって四つ植付駆動ケース13に分配され、植付駆動ケース13に収容された伝動機構(図示せず)によって回転支軸に伝達されることによって回転駆動される。8つの苗植付機構14それぞれは、回転ロータ14aが回転駆動されることにより、一対の植付アーム14bが回転ロータ14aの回転軸芯まわりに公転しながら、回転ロータ14aに対する機体横向きの回転軸芯まわりに自転し、一方の植付アーム14bに取り付けてある植付爪14cと、他方の植付アーム14bに取り付けてある植付爪とが交互に上下に回転移動することにより、一対の植付爪によって交互に、苗載台15の下端部から苗を取出し、取出した苗を圃場面のうちの接地フロート11の滑走によって整地された箇所に下降搬送して植付け、植付後に上昇して苗載台15の下端部に戻る苗植え運動を行なう。
【0031】
苗載台15による苗供給について説明する。
苗載台15には、8つの苗植付機構14に供給するマット状苗を機体横方向に並べて載置する8つの苗載置部15aを設けてある。
【0032】
苗載台15は、苗載台15と植付フレームFとにわたって設けた後述する苗載台支持装置A(図4参照)によって機体横方向に移動可能に支持されるように構成し、苗載台15とフィードケース16とにわたり、苗載台15を苗植付機構14の苗植え運動に連動させて機体横方向に往復移送する苗横送り駆動機構25(図3参照)を設けてある。
【0033】
従って、苗載台15は、苗横送り駆動機構25による移送操作により、苗植付機構14の苗植え運動に連動して、苗載台支持装置Aによる移動案内を受けて機体横方向に往復移動して、各苗載置部15aのマット状苗を苗植付機構14に対して機体横方向に往復移送し、各苗植付機構14がマット状苗の下端部から苗取出しすることを可能にし、かつ、この苗取出しがマット状苗の下端部の一端側から他端側に向けて順次に行われることを可能にする。
【0034】
苗載台15の8つの苗載置部15aそれぞれの下端側に、マット状苗を苗植付機構14に向けて縦送りする苗縦送りベルト18を設け、苗載台15とフィードケース16とにわたり、苗載台15が横移動の左右のストロークエンドに到達した際、各苗縦送りベルト18を設定ストローク駆動する苗縦送り駆動機構30(図3参照)を設けてある。
【0035】
従って、苗載台15は、横移動の左右のスロークエンドに到達すると、各苗載置部15aのマット状苗を、苗縦送り駆動機構30によって駆動される苗縦送りベルト18により、苗植付機構14による取出し苗のマット状苗縦方向での長さに相当する長さだけ、苗植付機構14に向けて縦送りする。
【0036】
苗横送り駆動機構25について説明する。
図3に示すように、苗横送り駆動機構25は、フィードケース16から回転駆動可能に延出された機体横向きの横送り軸26と、横送り軸26に相対回転可能に、かつ相対スライド可能に装着された苗台送り体27とを備えている。横送り軸26は、フィードケース16に収容された駆動機構(図示せず)によって苗植付機構14の苗植え運動に連動させて回転駆動される。苗台送り体27は、横送り軸26が回転駆動されることにより、横送り軸26の周面に設けられた螺旋溝による往復移送操作によって横送り軸26に沿って往復移送される。苗台送り体27は、苗載台15の背面側に連動連結されており、横送り軸26によって付与される移送力によって苗載台15を移送操作する。
【0037】
苗縦送り駆動機構30について説明する。
図3に示すように、苗縦送り駆動機構30は、フィードケース16から回転駆動可能に延出された機体横向きの縦送り駆動軸31と、苗載台15の背面側に揺動操作できるように設けられた受動アーム32とを備えている。縦送り駆動軸31は、フィードケース16に収容された駆動機構(図示せず)によって回転駆動され、縦送り駆動軸31に備えられた左右一対の伝動アーム33を常に回転駆動する。受動アーム32は、苗載台15が横移動の右のストロークエンドに到達すると、右の伝動アーム33に当接してこの伝動アーム33によって設定揺動角だけ駆動され、駆動力を各苗縦送りベルト18を巻回してあるベルト駆動輪体34に伝達し、ベルト駆動輪体34によって苗縦送りベルト18を設定ストロークだけ駆動させる。受動アーム32は、苗載台15が横移送の左のストロークエンドに到達すると、左の伝動アーム33に当接してこの伝動アーム33によって設定揺動角だけ駆動され、駆動力を各苗縦送りベルト18のベルト駆動輪体34に伝達し、ベルト駆動輪体34によって苗縦送りベルト18を設定ストロークだけ駆動させる
【0038】
苗載台支持装置Aについて説明する。
苗載台支持装置Aは、図4,5に示す如く苗載台15の上端側での背面側と、メインフレーム12に立設された苗台支持フレーム39とにわたって設けられ、苗載台15の上端側を機体横方向に移動可能に支持する上端側の支持部40、及び、図4,5,9に示す如く機体横方向に所定間隔を空けて分散する4箇所において苗載台15の下端側と植付フレームFとにわたって設けられ、苗載台15の下端側を機体横方向に移動可能に支持し、かつ、苗載台15の横移動案内を行なう下端側の支持部50を備えている。
【0039】
上端側の支持部40について説明する。
図5に示すように、上端側の支持部40は、苗載台15の上端部の背面側に苗載台15の全幅又はほぼ全幅にわたって固定されたガイドレール部材41と、苗台支持フレーム39の上端部に位置する機体横向きのフレーム部39aにおける長手方向での複数個所に支軸42を介して取り付けられた支持ローラ43とを備えている。
【0040】
ガイドレール部材41は、縦断面形状が下向きに開口したコ字形状となるように構成されている。各支持ローラ43は、ガイドレール部材41の内部に入り込んだ状態で支軸42に回転可能に支持されており、機体側面視で苗載台15における苗縦送り方向に沿った支軸42の軸芯を回転軸芯として回転し、苗載台15の上端側をガイドレール部材41を介して受け止め支持する。
【0041】
苗載台15の下端側を機体横方向の4箇所において支持する下端側の支持部50について説明する。下端側の支持部50を設ける4箇所としては、4つの植付駆動ケース13の横側近くの箇所を設定してある。4箇所の下端側の支持部50は、同じ構成を備えている。
【0042】
図5,6,7,8に示すように、各下端側の支持部50は、苗載台15の下端部の背面側に苗載台15の全幅又は略全幅にわたって固定された機体横向きのガイドレール51と、4つの植付駆動ケース13の前端側の上方に植付駆動ケース13に支持される状態で設けた機体横方向に長い支持フレーム52と、支持フレーム52に支持された1つの第1支持輪体53と、支持フレーム52に支持された2つの第2支持輪体54とを備え、苗載台15の荷重をガイドレール51、第1支持輪体53及び第2支持輪体54を介して支持フレーム52によって支持し、かつ、ガイドレール51、第1支持輪体53及び第2支持輪体54によって苗載台15の横移動案内を行なうものである。
【0043】
各下端側の支持部50は、詳しくは、次の如く構成してある。
ガイドレール51及び支持フレーム52は、4箇所の下端側の支持部50に共用のガイドレール及び支持フレームになっている。支持フレーム52には、苗載台15の各苗載置部15aに載置されたマット状苗のうちの苗載台15の下端から苗植付機構14に向けて突出する部分のうちの下端面及び底面に受け止め作用する苗受部52aを備えてある。苗受部52aには、各苗植付機構14による苗取出しを可能にする苗取出し口としての切欠き部を設けてある。
【0044】
第1支持輪体53は、支持フレーム52に設けられた輪体支持部55に支軸56を介して相対回転可能に支持してあり、苗載台15における苗縦送り方向と交差する方向の支軸56の軸芯を回転軸芯Xとして回転する。輪体支持部55は、支持フレーム52に連結ボルト55aによって取り付けられたステーによって構成してある。第1支持輪体53の上端部53aが支持フレーム52に設けられた貫通孔52bから支持フレーム52の上方に突出し、ガイドレール51に設けられたガイド溝部57に係入してガイド溝部57の底壁57aに下方から受け止め作用するように構成してある。
【0045】
従って、第1支持輪体53は、苗載台15の苗縦送り方向の荷重をガイドレール51を介して支持する。第1支持輪体53は、苗載台15の横移動に伴い、支持フレーム52より上方に突出している上端部53aと底壁57aとの接触によって回転軸芯Xまわりに回転し、ガイドレール51の磨滅を抑制する。
【0046】
2つの第2支持輪体54は、第1支持輪体53に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した2箇所に振り分け配置してある。2つの第2支持輪体54それぞれは、輪体支持部55のうちの第1支持輪体53よりも上方に位置する上支持部58に支軸59を介して支持してあり、苗載台15における苗縦送り方向に沿った方向の支軸59の軸芯を回転軸芯Yとして回転する。上支持部58は、輪体支持部55の上部にブラケットを取り付けて形成された支持部55bに連結ボルト58aによって連結されたステーによって構成してある。2つの第2支持輪体54それぞれの支軸59よりも苗載台側に位置する苗載台側部分54aがガイドレール51に設けられた係合溝部60の底壁60aに受け止め作用するように構成してある。
【0047】
従って、2つの第2支持輪体54は、第1支持輪体53に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した箇所において、苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向での荷重をガイドレール51を介して支持する。2つの第2支持輪体54は、苗載台15の横移動に伴い、苗載台側部分54aが底壁60aに接触することによって回転軸芯Yまわりに回転し、ガイドレール51の磨滅を抑制する。
【0048】
各下端側の支持部50は、第1支持輪体53の回転軸芯Xを通る状態で苗縦送り方向に沿う方向の直線上のうちの第1支持輪体53よりも上方の箇所であって、2つの第2支持輪体54の間の箇所に配置した1つの係止輪体61を備え、苗縦送りベルト18の駆動反力による苗載台15の苗縦送り方向と反対方向への変位を係止輪体61によって規制するように構成してある。
【0049】
すなわち、係止輪体61は、輪体支持部55のうちの上支持部58に設けられたステー部62に支軸63を介して支持されており、苗載台15における苗縦送り方向と交差する方向の支軸63の軸芯を回転軸芯Zとして回転可能に支持フレーム52に支持されている。係止輪体61は、ガイドレール51の係合溝部60に係入して係合溝部60の側壁60bに接触可能に構成してある。
【0050】
従って、係止輪体61は、苗載台15が苗縦送りベルト18の駆動反力によって苗縦送り方向と反対方向へ変位しようとしても、側壁60bに当接してストップ作用することにより、苗載台15の変位を規制する。係止輪体61は、苗載台15の横移動に伴って側壁60bと接触しても、回転軸芯Zまわりに回転し、ガイドレール51の磨滅を抑制する。
【0051】
〔別実施例〕
(1)図10は、第1の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aを示す概略図である。図10に示すように、第1の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aは、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所に位置する支持部70によって苗載台15の下端側を横移動可能に支持するように構成してある。
【0052】
各支持部70に、苗載台15の苗縦送り方向の荷重を支持する1つの第1支持輪体53と、苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向での荷重を支持する1つの第2支持輪体54と、苗載台15の苗縦送り方向と反対方向の変位を規制する2つの係止輪体61とを備えてある。
【0053】
2つの係止輪体61は、第1支持輪体53に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した2箇所に振り分けて設けてある。1つの第2支持輪体54は、第1支持輪体53の回転軸芯Xを通る状態で苗縦送り方向に沿う方向の直線上のうちの第1支持輪体53の上方箇所に設けてある。1つの第2支持輪体54は、2つの係止輪体61の間に位置している。
【0054】
(2)図11は、第2の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aを示す概略図である。図11に示すように、第2の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aでは、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所に位置する支持部50それぞれに、苗載台15の苗縦送り方向の荷重を支持する1つの第1支持輪体53と、苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向での荷重を支持する2つの第2支持輪体54と、苗載台15の苗縦送り方向と反対方向の変位を規制する1つの係止輪体61とを備えてある。
【0055】
2つの第2支持輪体54は、第1支持輪体53に対して機体左横側方と機体右横側方とに分散した2箇所に振り分けて設けてある。係止輪体61は、第1支持輪体53の回転軸芯Xを通る状態で苗縦送り方向に沿う方向の直線上のうちの上端側の支持部40に近い箇所に、苗台支持フレーム39に相対回転可能に支持された状態で設けてある。係止輪体61は、苗載台15が苗縦送り方向とは逆方向へ変位しようとすると、苗載台15の裏面側に設けられた受止めレール61aに当接して苗載台15の変位を規制する。
【0056】
(3)図12は、第3の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aを示す概略図である。図12に示すように、第3の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aは、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所のうちの機体横内側の2箇所に設けた第1支持部71、及び、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所のうちの機体左横外側と機体右横外側との2箇所に設けた第2支持部72によって苗載台15の下端側を横移動可能に支持すると共に苗載台15の横移動を案内するように構成してある。
【0057】
2箇所の第1支持部71それぞれは、苗載台15の苗縦送り方向の荷重を支持する1つの第1支持輪体53と、苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向の荷重を支持する2つの第2支持輪体54と、苗載台15の苗縦送り方向と反対方向の変位を規制する1つの第1係止輪体64とを備えている。
【0058】
2箇所の第2支持部72それぞれは、苗載台15の苗縦送り方向の荷重を支持する1つの第1支持輪体53と、苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向の荷重を支持する1つの第2支持輪体54と、苗載台15の苗縦送り方向と反対方向の変位を規制する2つの第2係止輪体65とを備えている。
【0059】
(4)図13は、第4の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aを示す概略図である。図13に示すように、第4の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aは、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所のうちの機体左横外側と機体右横外側との2箇所に設けた第1支持部71、及び、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所のうちの機体横内側の2箇所に設けた第2支持部72によって苗載台15の下端側を横移動可能に支持すると共に苗載台15の横移動を案内するように構成してある。
【0060】
2箇所の第1支持部71それぞれは、第3の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aの第1支持部71が備える構成と同じ構成を備えている。
【0061】
2箇所の第2支持部72それぞれは、第3の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aの第2支持部72が備える構成と同じ構成を備えている。
【0062】
(5)図14は、第5の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aを示す概略図である。図14に示すように、第5の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aは、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所のうちの2箇所に設けた第1支持部71、及び、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所のうちの他の2箇所に設けた第2支持部72によって苗載台15の下端側を横移動可能に支持すると共に苗載台15の横移動を案内するように構成してある。第1支持部71と第2支持部72とは、機体横方向に交互に並んでいる。
【0063】
2箇所の第1支持部71それぞれは、第3の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aの第1支持部71が備える構成と同じ構成を備えている。
【0064】
2箇所の第2支持部72それぞれは、第3の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aの第2支持部72が備える構成と同じ構成を備えている。
【0065】
(6)図15は、第6の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aを示す概略図である。図15に示すように、第6の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aは、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所に位置する支持部50によって苗載台15の下端側を横移動可能に支持すると共に苗載台15の横移動を案内するように構成してある。
【0066】
各支持部50は、苗載台15の苗縦送り方向の荷重を支持する1つの第1支持輪体53と、苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向の荷重を支持する2つの第2支持輪体54と、苗載台15の苗縦送り方向と反対方向の変位を規制する係止輪体61とを備えている。
【0067】
4箇所のうちの機体左横外側と機体右横外側との2箇所の支持部50では、係止輪体61を、第1支持輪体53の回転軸芯Xを通る状態で苗縦送り方向に沿う直線上のうちの第1支持輪体53の上方の箇所であって、2つの第2支持輪体54の間に位置する箇所に設けてある。4箇所のうちの機体横内側の2箇所の支持部50では、係止輪体61を、第1支持輪体53の回転軸芯Xを通る状態で苗縦送り方向に沿う直線上のうちの第1支持輪体53の上方の箇所であって、上側の支持部40に近い箇所に、苗台支持フレーム39に回転可能に支持される状態で設けてある。係止輪体61は、苗載台15が苗縦送り方向と反対方向へ変位しようとすると、苗載台15の裏面側に固定された受止めレール61aに当接して苗載台15の変位を規制する。
【0068】
(7)図16は、第7の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aを示す概略図である。図16に示すように、第7の別実施構造を備えた苗載台支持装置Aは、機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ4箇所に位置する支持部50によって苗載台15の下端側を横移動可能に支持すると共に苗載台15の横移動を案内するように構成してある。
【0069】
各支持部50は、苗載台15の苗縦送り方向の荷重を支持する1つの第1支持輪体53と、苗載台15の苗縦送り方向と交差する方向の荷重を支持する2つの第2支持輪体54と、苗載台15の苗縦送り方向と反対方向の変位を規制する係止輪体61とを備えている。
【0070】
4箇所のうちの機体左横外側と機体右横外側との2箇所の支持部50では、係止輪体61を、第1支持輪体53の回転軸芯Xを通る状態で苗縦送り方向に沿う直線上のうちの第1支持輪体53の上方の箇所であって、上側の支持部40に近い箇所に設けてある。4箇所のうちの機体横内側の2箇所の支持部50では、係止輪体61を、第1支持輪体53の回転軸芯Xを通る状態で苗縦送り方向に沿う直線上のうちの第1支持輪体53の上方の箇所であって、2つの第2支持輪体54の間に位置する箇所に設けてある。
【0071】
(8)図17(a)は、第8の別実施構造を備えた支持部50を示す断面図である。図17(a)に示すように、第8の別実施構造を備えた支持部50では、2つの第2支持輪体54が両端部に振り分けて回転可能に支持された天秤支持杆75の中間部を、輪体支持部55に支軸76を介して連結してある。天秤支持杆75は、2つの第2支持輪体54の回転軸芯Yと平行であり、かつ苗縦送り方向に沿う方向の支軸76の軸芯を天秤軸芯Pとして支持フレーム52に対して揺動するように構成してある。
【0072】
2つの第2支持輪体54は、苗縦送り方向に沿う方向の天秤軸芯Pまわりに背反揺動可能に支持され、苗載台15が左右に傾斜しても、苗載台15の傾斜に伴う背反揺動によってガイドレール51に当接して支持作用する。
【0073】
(9)図17(b)は、第9の別実施構造を備えた支持部50を示す断面図である。図17(b)に示すように、第9の別実施構造を備えた支持部50では、天秤支持杆75の一端側に、天秤支持杆75を中立姿勢に復帰させるスプリング77を連結してある。スプリング77は、天秤支持杆75が中立姿勢にあると、弾性復元力を備えない自由状態にある。スプリング77は、苗載台15が一方に傾斜した場合には、圧縮変形されて天秤支持杆75を中立姿勢に復帰させる弾性復元力を備え、苗載台15が他方に傾斜した場合には、伸長変形されて天秤支持杆75を中立姿勢に復帰させる弾性復元力を備える。
【0074】
(10)図17(c)は、第10の別実施構造を備えた支持部50を示す断面図である。図17(c)に示すように、第10の別実施構造を備えた支持部50では、天秤支持杆75の中央部に、天秤支持杆75を中立姿勢に復帰させるコイルスプリング78を連結してある。コイルスプリンが78は、天秤支持杆75が中立姿勢にあると、弾性復元力を備えない自由状態にあり、苗載台15が一方に傾斜した場合には、一方に捩じり変形されて天秤支持杆75を中立姿勢に復帰させる弾性復元力を備え、苗載台15が他方に傾斜した場合には、他方に捩じり変形されて天秤支持杆75を中立姿勢に復帰させる弾性復元力を備える。
【0075】
(11)上記した実施例では、第1支持輪体53、第2支持輪体54、係止輪体61、第1係止輪体64及び第2係止輪体65を植付フレームF側に支持し、ガイドレール51を苗載台側に固定した例を示したが、第1支持輪体53、第2支持輪体54、係止輪体61、第1係止輪体64及び第2係止輪体65を苗載台側に支持し、ガイドレール51を植付フレーム側に固定して実施してもよい。
【0076】
(12)上記した実施例では、第2支持輪体54及び係止輪体61を第1支持輪体53よりも上方に配置した例を示したが、第1支持輪体53よりも下方に配置して実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、8条植えが可能な苗植付装置の他、7条以下や9条以上の苗植えが可能な苗植付装置にも利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
14 苗植付機構
15 苗載台
18 苗縦送りベルト
50 支持部
53 第1支持輪体
54 第2支持輪体
61 係止輪体
64 第1係止輪体
65 第2係止輪体
70 支持部
71 第1支持部
72 第2支持部
P 天秤軸芯
X 回転軸芯
Y 回転軸芯
Z 回転軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17