特開2015-215236(P2015-215236A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2015-215236ゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-215236(P2015-215236A)
(43)【公開日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】ゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 19/02 20060101AFI20151106BHJP
【FI】
   G01N19/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-98010(P2014-98010)
(22)【出願日】2014年5月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
(74)【代理人】
【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117938
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(72)【発明者】
【氏名】侯 剛
(72)【発明者】
【氏名】宮島 純
(72)【発明者】
【氏名】末藤 亮太郎
(72)【発明者】
【氏名】笹熊 英博
(57)【要約】
【課題】ゴムまたはエラストマーの温度条件および速度条件を考慮した動摩擦係数を測定することができる測定方法および装置を提供する。
【解決手段】回転する回転盤2の上に載置したゴムまたはエラストマーのサンプルSの表面に、定位置に固定した回転ローラ3を鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重Nで押圧した状態にして、回転ローラ3をサンプルSの上でサンプル回転方向に対して接線方向に向けて転動させ、この状態で回転ローラ3に作用する接線方向の水平荷重Fを測定するとともに、回転ローラ3の走行方向前後の位置のサンプルSの表面温度t1、t2を測定し、この表面温度t1、t2と、回転するサンプルSと回転ローラ3との相対的走行速度Vと、鉛直荷重Nおよび水平荷重Fとに基づいてサンプルSの動摩擦係数Xを算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転盤の上に載置したゴムまたはエラストマーのサンプルの表面に、定位置に固定した回転ローラを鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重で押圧し、前記回転盤を回転させることにより前記サンプルを回転させた状態にして、前記回転ローラを前記サンプルの上でサンプル回転方向に対して接線方向を走行方向として転動させ、この状態で前記回転ローラに作用する前記接線方向の水平荷重を測定するとともに、前記回転ローラの走行方向前後の位置の前記サンプルの表面温度を測定し、測定したこの表面温度と、回転する前記サンプルと前記回転ローラとの相対的走行速度と、前記鉛直荷重および前記水平荷重とに基づいて、前記サンプルの動摩擦係数を算出することを特徴とするゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法。
【請求項2】
測定した前記表面温度に基づいて、前記サンプルのヒステリシスロスを算出する請求項1に記載のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法。
【請求項3】
恒温槽の内部に前記回転盤とともに前記サンプルを配置して、その内部温度をマイナス30℃以上プラス80℃以下の任意の温度に設定して前記水平荷重および前記表面温度を測定する請求項1または2に記載のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法。
【請求項4】
前記回転ローラを前記回転盤の半径方向で異なる定位置で固定することにより、前記相対的走行速度を変化させる請求項1〜3のいずれかに記載のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法。
【請求項5】
ゴムまたはエラストマーのサンプルが載置される回転盤と、この回転盤に載置された前記サンプルの表面を押圧する定位置に固定された回転ローラと、この回転ローラに鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重を負荷する鉛直荷重負荷手段と、回転する前記サンプルと前記回転ローラとの相対的走行速度を測定する速度センサと、前記回転ローラに作用する水平荷重を測定する水平荷重センサと、前記回転ローラの走行方向前後の位置の前記サンプルの表面温度を測定する温度センサと、前記鉛直荷重と前記相対的走行速度と前記水平荷重および前記表面温度とが入力される制御手段とを備え、前記回転盤を回転させることにより前記サンプルを回転させて、前記回転ローラを前記サンプルの上でサンプル回転方向に対して接線方向を走行方向として転動させた状態で前記接線方向の前記水平荷重を測定するとともに、前記表面温度および前記相対的走行速度を測定して、測定した前記表面温度と、前記相対的走行速度と、前記鉛直荷重および前記水平荷重とに基づいて、前記制御手段により前記サンプルの動摩擦係数を算出する構成にしたことを特徴とするゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定装置。
【請求項6】
測定した前記表面温度に基づいて、前記制御手段により前記サンプルのヒステリシスロスを算出する構成にした請求項5に記載のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定装置。
【請求項7】
前記回転盤とともに前記サンプルを内部に配置する恒温槽を備え、恒温槽の内部温度をマイナス30℃以上プラス80℃以下の任意の温度に設定できる構成にした請求項5または6に記載のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定装置。
【請求項8】
前記回転ローラを前記回転盤の半径方向で複数の異なる定位置で固定できる構成にした請求項5〜7のいずれかに記載のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法および装置に関し、さらに詳しくは、温度条件および速度条件を考慮した動摩擦係数を測定することができるゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトを駆動するための消費電力は、コンベヤベルトの種類や駆動ローラ等の周辺設備、さらにはコンベヤベルトに積載する運搬物の重量の変動等の影響を受けて変動することが知られている。ベルトコンベヤが長機長になると、コンベヤベルトを支持する支持ローラの数が増加するため、消費電力に関してはコンベヤベルトと支持ローラとの接触に起因する動力損失が支配的になる。そのため、コンベヤベルトが支持ローラの乗り越え時に生じる動力損失、即ち、支持ローラの乗り越え抵抗力を低減させることが重要な課題になっている。
【0003】
コンベヤベルトが支持ローラを乗り越える際に、コンベヤベルトの下カバーゴムが変形し、この変形が元に戻るには若干の時間を要する。この復元に要する時間的な遅れにより乗り越え抵抗力が発生し、この乗り越え抵抗力と支持ローラが下カバーゴムを押圧する鉛直方向荷重との比が、コンベヤベルト(下カバーゴム)の動摩擦係数といわれている。そして、この動摩擦係数は環境温度やベルト走行速度によって変化する。
【0004】
従来、例えば、コンベヤベルトのカットサンプルを評価対象体にして支持ローラの乗り越え抵抗力を測定する方法および装置が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この文献で提案されているような従来の方法および装置では、コンベヤベルトが置かれる環境温度およびベルト走行速度の影響を考慮したカバーゴムの動摩擦係数を測定することができなかった。また、コンベヤベルトに限らず、種々のゴム製品やエラストマー製品についても、環境温度およびその製品の使用速度の影響を考慮した動摩擦係数を把握できれば有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−292736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、温度条件および速度条件を考慮した動摩擦係数を測定することができるゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法は、回転盤の上に載置したゴムまたはエラストマーのサンプルの表面に、定位置に固定した回転ローラを鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重で押圧し、前記回転盤を回転させることにより前記サンプルを回転させた状態にして、前記回転ローラを前記サンプルの上でサンプル回転方向に対して接線方向を走行方向として転動させ、この状態で前記回転ローラに作用する前記接線方向の水平荷重を測定するとともに、前記回転ローラの走行方向前後の位置の前記サンプルの表面温度を測定し、測定したこの表面温度と、回転する前記サンプルと前記回転ローラとの相対的走行速度と、前記鉛直荷重および前記水平荷重とに基づいて、前記サンプルの動摩擦係数を算出することを特徴とする。
【0008】
本発明のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定装置は、ゴムまたはエラストマーのサンプルが載置される回転盤と、この回転盤に載置された前記サンプルの表面を押圧する定位置に固定された回転ローラと、この回転ローラに鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重を負荷する鉛直荷重負荷手段と、回転する前記サンプルと前記回転ローラとの相対的走行速度を測定する速度センサと、前記回転ローラに作用する水平荷重を測定する水平荷重センサと、前記回転ローラの走行方向前後の位置の前記サンプルの表面温度を測定する温度センサと、前記鉛直荷重と前記相対的走行速度と前記水平荷重および前記表面温度とが入力される制御手段とを備え、前記回転盤を回転させることにより前記サンプルを回転させて、前記回転ローラを前記サンプルの上でサンプル回転方向に対して接線方向を走行方向として転動させた状態で前記接線方向の前記水平荷重を測定するとともに、前記表面温度および前記相対的走行速度を測定して、測定した前記表面温度と、前記相対的走行速度と、前記鉛直荷重および前記水平荷重とに基づいて、前記制御手段により前記サンプルの動摩擦係数を算出する構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回転盤の上で回転するサンプルの表面に、定位置に固定した回転ローラを鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重で押圧して、回転ローラをサンプルの上でサンプル回転方向に対して接線方向を走行方向として転動させた状態にする。この状態で回転ローラに作用する前記接線方向の水平荷重を測定するとともに、回転ローラの走行方向前後の位置のサンプルの表面温度を測定し、測定したこの表面温度と、回転するサンプルと回転ローラとの相対的走行速度と、鉛直荷重および水平荷重とに基づいて、サンプルの動摩擦係数を算出するので、ゴムまたはエラストマーの温度条件および速度条件を考慮した動摩擦係数を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の測定装置を側面視で例示する説明図である。
図2図1の測定装置の恒温槽の内部を平面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法および装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。本発明の測定対象となるゴムまたはエラストマー製品としては、タイヤ、コンベヤベルト、Vベルト、ゴムロール、エラストマーロール等を例示できる。
【0012】
図1図2に例示する本発明のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定装置1(以下、測定装置1という)は、平板状のゴムまたはエラストマーのサンプルSが載置される回転盤2と、回転盤2に載置されたサンプルSの表面を押圧する回転ローラ3と、鉛直荷重負荷手段4と、水平荷重センサ12と、速度センサ13と、温度センサ14a、14bと、制御手段15とを備えている。回転盤2は上面が平坦な円盤(例えば金属製)であり、駆動モータ等により駆動されて回転軸2aを中心にして回転する。この実施形態ではサンプルSがコンベヤベルトのカバーゴムである。
【0013】
この測定装置1は、さらに、回転盤2とともにサンプルSが内部に配置される恒温槽16を備えている。恒温槽16は内部温度を例えばマイナス30℃以上プラス80℃以下の任意の温度に設定できる構成になっている。恒温槽16の内部温度は例えば、そのサンプルSと同仕様のカバーゴムが使用されるコンベヤベルトの使用環境に応じて設定される。この恒温槽16の対向する側面の内面にはそれぞれ、温度センサ14a、14bが設けられている。
【0014】
鉛直荷重負荷手段4は、回転ローラ3に鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重Nを負荷する。鉛直荷重Nの大きさは例えば、10N〜2000Nである。この実施形態の鉛直荷重負荷手段4は、恒温槽16の上面外側から内部に貫通する荷重アーム6と、荷重アーム6に固定される錘5と、恒温槽16の外部に近接して立設される垂直アーム8と、垂直アーム8に上下方向に回動可能に固定されて恒温槽16の側面外側から内部に貫通して一端部が荷重アーム6に連結される横アーム7とを備えている。荷重アーム6の横アーム7との連結部の下端部には鉛直荷重センサ11が設けられている。横アーム7の他端部には分銅9aが載置されるバランス分銅台9が取り付けられている。
【0015】
荷重アーム6の下端にはアタッチメント3aを介して回転ローラ3が着脱可能に取り付けられている。回転ローラ3は荷重アーム6を回転軸にして回転自在になっている。アタッチメント3aには水平荷重センサ12および速度センサ13が設けられている。
【0016】
錘5の重さは、荷重アーム6およびアタッチメント3aを介して回転ローラ3に負荷される。そして、バランス分銅台9に載置する分銅9aの重さを異ならせることで回転ローラ3に鉛直下向きに負荷する鉛直荷重Nの大きさを変えることができる。したがって、回転ローラ3に負荷する鉛直荷重Nが所定の大きさになるように、バランス分銅台9に載置する分銅9aの重さを調整する。回転ローラ3に負荷される鉛直荷重Nの大きさは鉛直荷重センサ11によって測定される。鉛直荷重センサ11の形態(例えば、ひずみゲージタイプ等)や設置場所は特に限定されない。
【0017】
垂直アーム8に設置された上下調整ハンドル10を操作することにより、横アーム7の上下位置が変化する。これに伴って、平面視では定位置に固定されている回転ローラ3の上下位置も変化する。
【0018】
回転ローラ3は金属製や硬質樹脂製等である。例えば、コンベヤベルトの下カバーゴムを支持する実際の支持ローラと同等の仕様にする。回転ローラ3の外径は例えば10mm以上300mm以下である。
【0019】
速度センサ13は、回転盤2の上で回転するサンプルSと回転ローラ3との相対的走行速度Vを測定する。この相対的走行速度Vは、実際のコンベヤベルトでは走行速度に相当する。この相対的走行速度Vは例えば、0.5m/s以上15m/s以下である。この相対的走行速度Vを測定できれば、速度センサ13の形態や設置場所は特に限定されない。
【0020】
回転ローラ3が配置される回転盤2の半径方向位置に応じてサンプルSの周速度が変化するので相対的走行速度Vは変化する。この実施形態では、回転ローラ3を回転盤2の半径方向で複数の異なる定位置で固定できる構成になっているので、異なる定位置で回転ローラ3を固定することにより相対的走行速度Vを変化させることができる。即ち、回転盤2が一定の回転数に設定された状態であっても、回転ローラ3の位置を異ならせるだけで相対的走行速度Vは変化させることができる。
【0021】
水平荷重センサ12は、回転ローラ3に作用する水平荷重Fを測定する。水平荷重Fを測定できれば、水平荷重センサ12の形態(例えば、ひずみゲージタイプ等)や設置場所は特に限定されない。
【0022】
温度センサ14a、14bはそれぞれ、回転ローラ3の走行方向前後の位置のサンプルSの表面温度t1、t2を測定する。この実施形態では非接触型温度センサを用いているが、サンプルSの表面温度t1、t2を測定できれば温度センサ14a、14bの形態や設置場所は特に限定されない。
【0023】
制御手段15としてはパーソナルコンピュータ等を用いることができ、この制御手段15には、鉛直荷重Nと相対的走行速度Vと水平荷重Fおよび表面温度t1、t2とが入力される。
【0024】
サンプルSは一定厚さの円形状であり、その厚さは例えば1.0mm以上45.0mm以下である。サンプルSとしては、コンベヤベルトの下カバーゴムに使用されるゴムに限定されず、上カバーゴムに使用されるゴムにすることもある。上カバーゴムは走行するコンベヤベルトのリターン側において、表面がリターン側支持ローラに当接して支持されるので動摩擦係数の把握が必要なこともある。その他、種々のゴム製品またはエラストマー製品に使用されるゴムやエラストマーをサンプルSにすることができる。
【0025】
測定装置1を用いた本発明のゴムまたはエラストマーの動摩擦係数の測定方法の手順の一例は以下のとおりである。
【0026】
回転盤2の上に載置したサンプルSの表面に、回転ローラ3の転動面が接する位置に上下位置を調節して平面視で定位置に固定した状態にする。次いで、鉛直荷重負荷手段4によって回転ローラ3に対して鉛直下向きの所定の大きさの鉛直荷重Nを負荷して、この回転ローラ3によってサンプルSの表面を押圧した状態にする。
【0027】
この状態で、回転盤2を所定の回転数で回転させることによりサンプルSを回転させた状態にする。このとき回転ローラ3は、サンプルSの上でサンプル回転方向に対して接線方向を走行方向として転動する。この状態で回転ローラ3に作用するこの接線方向(即ち、走行方向)の水平荷重Fを水平荷重センサ12により逐次測定するとともに、温度センサ14a、14bによって回転ローラ3の走行方向前後の位置のサンプルSの表面温度t1、t2を逐次測定する。
【0028】
測定したこの表面温度t1、t2と、回転するサンプルSと回転ローラ3との相対的走行速度Vと、鉛直荷重Nおよび水平荷重Fとは制御手段15に入力されて、これら入力されたデータに基づいてサンプルSの動摩擦係数Xを算出する。
【0029】
単純な動摩擦係数Xは、水平荷重F=X・Nの式によって算出される。しかしながら、動摩擦係数Xはコンベヤベルトが置かれる環境温度およびベルト走行速度に比較的大きな影響を受ける(環境温度依存性およびベルト走行速度依存性が高い)。そこで、恒温室16の内部の温度を複数種類に異ならせて、上述した同じ手順によって動摩擦係数Xの環境温度依存性を把握することができる。また、相対的走行速度Vを複数種類に異ならせて、上述した同じ手順によって動摩擦係数Xの速度依存性を把握することができる。したがって、カバーゴムの温度条件および速度条件を考慮した動摩擦係数Xを測定することができる。
【0030】
さらに、回転ローラ3の走行方向前後の位置のサンプルSの表面温度t1、t2を逐次測定している。回転ローラ3を乗り越える際のサンプルSのヒステリシスロス(エネルギー損失)は熱エネルギーとして現れる。そこで、走行方向後方位置の表面温度t2から前方位置の表面温度t1を差し引くことにより、ヒステリシスロスの程度を把握することができる。
【0031】
サンプルSの表面位置に対する回転ローラ3の上下変動(沈み込み量)を逐次測定する上下位置センサ(ひずみゲージ等)を設けることもできる。この上下位置センサによる測定データに基づいて、回転ローラ3の沈み込み量とヒステリシスロスとの関係、沈み込み量とサンプルSの温度上昇の関係等を把握することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 測定装置
2 回転盤
2a 回転軸
3 回転ローラ
3a アタッチメント
4 鉛直荷重負荷手段
5 錘
6 荷重アーム
7 横アーム
8 垂直アーム
9 バランス分銅台
9a 分銅
10 上下調整ハンドル
11 鉛直荷重センサ
12 水平荷重センサ
13 速度センサ
14a、14b 温度センサ
15 制御手段
16 恒温槽
S サンプル
図1
図2