特開2015-215311(P2015-215311A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2015-215311コンベヤベルトの走行抵抗力測定装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-215311(P2015-215311A)
(43)【公開日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】コンベヤベルトの走行抵抗力測定装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20151106BHJP
   G01N 19/02 20060101ALI20151106BHJP
【FI】
   G01L5/00 C
   G01N19/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-99810(P2014-99810)
(22)【出願日】2014年5月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
(74)【代理人】
【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117938
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(72)【発明者】
【氏名】宮島 純
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051BA07
(57)【要約】
【課題】コンベヤベルトの走行抵抗力を高い精度で測定できるコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法を提供する。
【解決手段】立設されるベースフレーム4に水平方向に間隔をあけて一対の押圧ローラ2を取付け、押圧ローラ2よりも上方で、かつ押圧ローラ2の間に測定用ローラ1を配置してベースフレーム4に取付け、所定長さのカットサンプルの上カバーゴムC2側を一対の押圧ローラ2で支持して所定荷重で下カバーゴムC1側に向かって押圧し、測定用ローラ1を下カバーゴムC1に接触させて、コンベヤベルトCのベルト長手方向一端部に錘6を取り付けて所定の張力を付与し、ベルト長手方向他端部を移動機構12により上下方向に移動させてコンベヤベルトCを測定用ローラ1および押圧ローラ2に対してベルト長手方向に走行させて走行抵抗力Fを測定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトの下カバーゴムに接触して転動する測定用ローラを備え、この測定用ローラを乗り越える際のコンベヤベルトの走行抵抗力を測定するコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置において、
前記コンベヤベルトとして所定長さのカットサンプルを使用し、立設されるベースフレームと、このベースフレームに水平方向に間隔をあけて取り付けられる一対の押圧ローラと、前記カットサンプルのベルト長手方向一端部に取り付けられる錘と、ベルト長手方向他端部を上下方向に移動させる移動機構とを備え、前記測定用ローラが前記ベースフレームに取り付けられて前記一対の押圧ローラよりも上方でこれら押圧ローラの間に配置され、前記カットサンプルの上カバーゴム側を前記一対の押圧ローラにより支持して、前記測定用ローラをこのカットサンプルの下カバーゴムに接触させるとともに、前記押圧ローラを所定荷重で下カバーゴム側に向かって押圧した状態にして、前記錘を吊り下げることにより前記カットサンプルに所定の張力を付与し、前記移動機構によって前記カットサンプルのベルト長手方向他端部を上下方向に移動させてこのカットサンプルを前記測定用ローラおよび一対の押圧ローラに対してベルト長手方向に走行させて前記走行抵抗力を測定する構成にしたことを特徴とするコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置。
【請求項2】
前記一対の押圧ローラのそれぞれの下方位置で、これら押圧ローラよりも水平方向外側に張り出した位置に配置したサポートローラを前記フレームに取付け、これら一対のサポートローラを前記上カバーゴムに接触させて転動させる構成にした請求項1に記載のコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置。
【請求項3】
前記カットサンプルのベルト長手方向一端部での張力とベルト長手方向他端部での張力の差に基づいて前記走行抵抗力を測定する構成にした請求項1または2に記載のコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置。
【請求項4】
前記測定用ローラに作用するベルト走行方向荷重とベルト厚さ方向荷重とを検知する荷重センサを設け、これら荷重センサが検知したデータに基づいて前記走行抵抗力を測定する構成にした請求項1または2に記載のコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置。
【請求項5】
測定用ローラをコンベヤベルトの下カバーゴムに接触させて転動させることにより、この測定用ローラを乗り越える際のコンベヤベルトの走行抵抗力を測定するコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法において、前記コンベヤベルトとして所定長さのカットサンプルを使用し、立設されるベースフレームに水平方向に間隔をあけて一対の押圧ローラを取付け、前記測定用ローラを前記一対の押圧ローラよりも上方でこれら押圧ローラの間に配置して前記ベースフレームに取付け、前記カットサンプルの上カバーゴム側を前記一対の押圧ローラにより支持して、前記測定用ローラをこのカットサンプルの下カバーゴムに接触させるとともに、前記押圧ローラを所定荷重で下カバーゴム側に向かって押圧した状態にして、前記カットサンプルのベルト長手方向一端部に錘を取り付け、ベルト長手方向他端部を移行機構により保持し、前記錘を吊り下げることにより前記カットサンプルに所定の張力を付与し、前記移動機構によって前記カットサンプルのベルト長手方向他端部を上下方向に移動させてこのカットサンプルを前記測定用ローラおよび一対の押圧ローラに対してベルト長手方向に走行させて前記走行抵抗力を測定することを特徴とするコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法。
【請求項6】
前記一対の押圧ローラのそれぞれの下方位置で、これら押圧ローラよりも水平方向外側に張り出した位置に配置したサポートローラを前記ベースフレームに取付け、これら一対のサポートローラを前記上カバーゴムに接触させて転動させる請求項5に記載のコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法。
【請求項7】
前記カットサンプルのベルト長手方向一端部での張力とベルト長手方向他端部での張力の差に基づいて前記走行抵抗力を測定する請求項5または6に記載のコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法。
【請求項8】
前記測定用ローラに作用するベルト走行方向荷重とベルト厚さ方向荷重とを検知して、この検知したデータに基づいて前記走行抵抗力を測定する請求項5または6に記載のコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトの走行抵抗力測定装置および方法に関し、さらに詳しくは、コンベヤベルトの走行抵抗力を高い精度で測定できるコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトを駆動するための消費電力は、コンベヤベルトの種類や駆動ローラ等の周辺設備、さらにはコンベヤベルトに積載する運搬物の重量の変動等の影響を受けて変動することが知られている。ベルトコンベヤが長機長になると、コンベヤベルトを支持する支持ローラの数が増加するため、消費電力に関してはコンベヤベルトと支持ローラとの接触に起因する動力損失が支配的になる。そのため、この動力損失として、支持ローラの乗り越え抵抗力が主となる走行抵抗力を低減させることが重要な課題になっている。
【0003】
支持ローラの乗り越え抵抗力を測定する方法としては、コンベヤベルトのカットサンプルを用いた方法、エンドレスに接続したコンベヤベルトを実際のベルトコンベヤ装置で走行させた状態で測定する方法など、種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。乗り越え抵抗力は、例えば、ロードセルによって支持ローラに作用する鉛直方向荷重および水平方向荷重を測定し、測定したデータに基づいて算出される。
【0004】
しかしながら、搬送物が積載された実際のコンベヤベルトでは、支持ローラにより支持されているコンベヤベルトの範囲は、そのベルト走行方向前後の範囲よりも局部的に上方に突出した状態になる。換言すると、支持ローラにより下カバーゴムが支持されている範囲のベルト走行方向前後の範囲は、積載された搬送物の重量によって支持ローラにより支持されている範囲よりも下方に押圧された状態になる。
【0005】
一方、従来のコンベヤベルトの走行抵抗力測定は、張設されたコンベヤベルトの下カバーゴムを測定用ローラによって上方に押圧した状態でデータを測定している。即ち、従来の測定方法は、コンベヤベルトを一点支持した状態で測定を行なうものであり、測定用ローラにより支持された範囲がそのベルト走行方向前後の範囲に対して実質的にフラットな状態であった。コンベヤベルトがフラットな状態に比して、曲がっている状態で測定用ローラを乗り越える場合の方が走行抵抗力が増大する。即ち、従来の測定方法は実際のコンベヤベルトの状態を再現していないため、走行抵抗力を精度よく把握するには限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−292736号公報
【特許文献2】特開2008−273718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、コンベヤベルトの走行抵抗力を高い精度で測定できるコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明のコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置は、コンベヤベルトの下カバーゴムに接触して転動する測定用ローラを備え、この測定用ローラを乗り越える際のコンベヤベルトの走行抵抗力を測定するコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置において、前記コンベヤベルトとして所定長さのカットサンプルを使用し、立設されるベースフレームと、このベースフレームに水平方向に間隔をあけて取り付けられる一対の押圧ローラと、前記カットサンプルのベルト長手方向一端部に取り付けられる錘と、ベルト長手方向他端部を上下方向に移動させる移動機構とを備え、前記測定用ローラが前記ベースフレームに取り付けられて前記一対の押圧ローラよりも上方でこれら押圧ローラの間に配置され、前記カットサンプルの上カバーゴム側を前記一対の押圧ローラにより支持して、前記測定用ローラをこのカットサンプルの下カバーゴムに接触させるとともに、前記押圧ローラを所定荷重で下カバーゴム側に向かって押圧した状態にして、前記錘を吊り下げることにより前記カットサンプルに所定の張力を付与し、前記移動機構によって前記カットサンプルのベルト長手方向他端部を上下方向に移動させてこのカットサンプルを前記測定用ローラおよび一対の押圧ローラに対してベルト長手方向に走行させて前記走行抵抗力を測定する構成にしたことを特徴とする。
【0009】
本発明のコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法は、測定用ローラをコンベヤベルトの下カバーゴムに接触させて転動させることにより、この測定用ローラを乗り越える際のコンベヤベルトの走行抵抗力を測定するコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法において、前記コンベヤベルトとして所定長さのカットサンプルを使用し、立設されるベースフレームに水平方向に間隔をあけて一対の押圧ローラを取付け、前記測定用ローラを前記一対の押圧ローラよりも上方でこれら押圧ローラの間に配置して前記ベースフレームに取付け、前記カットサンプルの上カバーゴム側を前記一対の押圧ローラにより支持して、前記測定用ローラをこのカットサンプルの下カバーゴムに接触させるとともに、前記押圧ローラを所定荷重で下カバーゴム側に向かって押圧した状態にして、前記カットサンプルのベルト長手方向一端部に錘を取り付け、ベルト長手方向他端部を移行機構により保持し、前記錘を吊り下げることにより前記カットサンプルに所定の張力を付与し、前記移動機構によって前記カットサンプルのベルト長手方向他端部を上下方向に移動させてこのカットサンプルを前記測定用ローラおよび一対の押圧ローラに対してベルト長手方向に走行させて前記走行抵抗力を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、測定用ローラが接触して転動している下カバーゴムの位置のベルト走行方向(長手方向)前後の範囲の上カバーゴムを押圧ローラによって所定荷重で下カバーゴム側に向かって押圧した状態にして走行抵抗力を測定する。即ち、1つの測定用ローラおよび2つの押圧ローラによってコンベヤベルトを3点支持状態にして測定を行なう。このように実際のコンベヤベルトが支持ローラを乗り越える際の状態をより忠実に再現して測定を行なうので、コンベヤベルトの走行抵抗力を高い精度で測定するには有利になる。また、立設されるベースフレームに測定用ローラおよび一対の押圧ローラを取り付けてコンベヤベルトのサンプルを縦方向に掛回すので、平面的なスペースが確保できない場合には非常に有益である。
【0011】
ここで、前記一対の押圧ローラのそれぞれの下方位置で、これら押圧ローラよりも水平方向外側に張り出した位置に配置したサポートローラを前記ベースフレームに取付け、これら一対のサポートローラを前記上カバーゴムに接触させて転動させることもできる。この一対のサポートローラによってカットサンプルを所望の屈曲具合に調整することが容易になる。
【0012】
走行抵抗力は、例えば、前記カットサンプルのベルト長手方向一端部での張力とベルト長手方向他端部での張力の差に基づいて測定する。前記測定用ローラに作用するベルト走行方向荷重とベルト厚さ方向荷重とを検知して、この検知したデータに基づいて前記走行抵抗力を測定する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のコンベヤベルトの走行抵抗力測定方法の概要を示す説明図である。
図2】本発明の測定装置を側面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置および測定方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0015】
本発明は図1に例示するように、測定用ローラ1をコンベヤベルトCの下カバーゴムC1に接触させて転動させることにより、測定用ローラ1を乗り越える際のコンベヤベルトCの走行抵抗力Fを測定する。この際に、1つの測定用ローラ1が接触している位置のベルト走行方向前後の範囲の上カバーゴムC2をそれぞれの押圧ローラ2によって所定荷重で下カバーゴムC1側に向かって押圧した状態にする。この状態で測定用ローラ1および押圧ローラ2に対してコンベヤベルトCをベルト長手方向に走行させて走行抵抗力Fを測定する。
【0016】
コンベヤベルトCとして、所定長さのカットサンプルを用いる。コンベヤベルトCは所定張力で張設した状態にされる。この所定張力は例えば、このコンベヤベルトCがベルトコンベヤ装置に張設される場合と同等の張力にする。
【0017】
測定用ローラ1および押圧ローラ2はそれぞれの回転軸方向を、ベルト幅方向に向けて配置される。それぞれの押圧ローラ2は基本的に同じ仕様であり、測定用ローラ1に対する上下方向位置、幅方向位置は同じ設定にされる。
【0018】
測定用ローラ1は例えば、このコンベヤベルトCが設置されるベルトコンベヤ装置に装着されている支持ローラと同等仕様にする。測定用ローラ1の外径は例えば、6cm〜15cmである。押圧ローラ2の外径は例えば、6cm〜30cmである。押圧ローラ2は測定用ローラ1に対して外径が同等の場合、小さい場合、大きい場合もある。
【0019】
このように本発明では、1つの測定用ローラ1および2つの押圧ローラ2によってコンベヤベルトCを3点支持状態にして測定を行なう。即ち、実際のコンベヤベルトがベルトコンベヤ装置の支持ローラを乗り越える際の状態をより忠実に再現して測定を行なう。
【0020】
実際のコンベヤベルトが支持ローラを乗り越える際の状態を一段と忠実に再現するために例えば、それぞれの押圧ローラ2によって、測定用ローラ1が接触している位置のベルト走行方向前後の5cm〜150cmの範囲の上カバーゴム2を押圧する。即ち、図1のd寸法を5cm〜150cmにする。d寸法をこの範囲に設定すると、実際のコンベヤベルトが支持ローラを乗り越える際の屈曲状態に近似させることができる。
【0021】
或いは、測定用ローラ1が接触している位置の上カバーゴムC2の表面から押圧ローラ2により押圧されている上カバーゴムC2の表面までのベルト厚さ方向の間隔hを0.3cm以上5cm以下にする。間隔hをこの範囲に設定すると、実際のコンベヤベルトが支持ローラを乗り越える際の屈曲状態に近似させることができる。
【0022】
上記のようにしてコンベヤベルトCを、そのたわみ角度が概ね0.2°〜5°の屈曲状態にする。尚、測定用ローラ1に対する押圧荷重(鉛直荷重)を正確に付与することが実際のコンベヤベルトが支持ローラを乗り越える際の屈曲状態をより忠実に再現するために重要なので、コンベヤベルトCのたわみ量を決定した後、測定用ローラ1に対して所定の押圧荷重が得られるようにコンベヤベルトCの張力を調整することもできる。
【0023】
測定用ローラ1および押圧ローラ2に対してコンベヤベルトCをベルト長手方向に走行させる走行速度は、例えば1.5m/s〜8.5m/sであり、モータやシリンダ等の走行駆動手段を用いて一定速度で走行させる。走行速度を変化させて走行抵抗力Fのベルト速度依存性を把握することもできる。
【0024】
走行抵抗力Fは例えば、コンベヤベルトCのベルト長手方向一端部での張力とベルト長手方向他端部での張力の差に基づいて測定する。或いは、測定用ローラ1に作用するベルト走行方向荷重Hとベルト厚さ方向荷重Nとを検知して、この検知したデータに基づいて測定する。詳しくは後述する。
【0025】
このように本発明は、実際のコンベヤベルトが支持ローラを乗り越える際の状態をより忠実に再現して測定を行なうので、従来の測定のようにコンベヤベルトが実質的にフラットな状態で測定を行なう場合に比して、走行抵抗力Fを高い精度で測定することが可能になる。
【0026】
図2に例示する本発明のコンベヤベルトの走行抵抗力測定装置3(以下、測定装置3という)は、コンベヤベルトCとして所定長さのカットサンプルを使用する。この測定装置3は、立設されるベースフレーム4と、ベースフレーム4に取付けられて下カバーゴムC1に接触して転動する測定用ローラ1と、ベースフレーム4に水平方向に間隔をあけて取り付けられた一対の押圧ローラ2と、コンベヤベルトCのベルト長手方向一端部に取り付けられる錘6と、ベルト長手方向他端部を保持して上下方向に移動させる移動機構12とを備えている。
【0027】
測定用ローラ1はアーム部を介してベースフレーム4に固定されている。測定用ローラ1と押圧ローラ2の少なくとも一方が上下にスライド可能になっていて、測定用ローラ1と押圧ローラ2とのベルト厚さ方向距離(上下間隔)を任意に設定できる構成になっている。
【0028】
ベースフレーム4には上下方向に延設されたスライドガイド5が設けられている。移動機構12は、モータやシリンダ等によってスライドガイド5に沿って円滑に上下移動する。
【0029】
測定用ローラ1は、一対の押圧ローラ2よりも上方でこれら押圧ローラ2の間に配置される。一対の押圧ローラ2により上カバーゴムC2側を支持して、測定用ローラ1を下カバーゴムC1に接触させるとともに、押圧ローラ2を所定荷重で下カバーゴムC1側に向かって押圧した状態にする。錘6を吊り下げることによりコンベヤベルトCに所定の張力を付与する。
【0030】
この実施形態では、ベースフレーム4に一対のサポートローラ11が取付けられている。一対のサポートローラ11は、一対の押圧ローラ2のそれぞれの下方位置で、これら押圧ローラ2よりも水平方向外側(図2では左右両側)に張り出した位置に配置されている。
【0031】
この実施形態ではさらに、測定用ローラ1に作用するベルト走行方向荷重H(水平方向荷重H)を検知するベルト走行方向荷重センサ(水平方向荷重センサ)7と、ベルト厚さ方向荷重N(鉛直方向荷重N)を検知するベルト厚さ方向荷重センサ(鉛直方向荷重センサ)8と、コンベヤベルトCのベルト長手方向他端部での張力を検知するロードセル9と演算器10とを備えている。
【0032】
ベルト走行方向荷重センサ7と、ベルト厚さ方向荷重センサ8とは、測定用ローラ1をベースフレーム4に固定するアーム部に設けられている。演算器10としてはパーソナルコンピュータ等を用いることができる。演算器10には、ベルト走行方向荷重センサ7と、ベルト厚さ方向荷重センサ8と、ロードセル9とによる検知データが入力される。これら入力された検知データに基づいて演算器10により走行抵抗力Fが算出、測定される。
【0033】
移動機構12によってコンベヤベルトCのベルト長手方向他端部を上下方向に移動させると、所定位置に固定された測定用ローラ1および押圧ローラ2に対してコンベヤベルトCがベルト長手方向に走行する。この際に、測定用ローラ1が下カバーゴムC1に接触して転動し、一対の押圧ローラ2および一対のサポートローラ11は上カバーゴムC2に接触して転動し、押圧ローラ2は、測定用ローラ1が接触している位置のベルト走行方向前後の範囲の上カバーゴムC2を押圧する。このようにコンベヤベルトCを走行させた状態で走行抵抗力Fを測定する。
【0034】
この走行抵抗力Fは、例えば、コンベヤベルトCのベルト長手方向一端部での張力とベルト長手方向他端部での張力との差に基づいて測定する。ベルト長手方向一端部での張力は錘6の重さと等しいので、錘6の重さからロードセル9により検知した張力を差し引いた値を走行抵抗力Fとして算出する。
【0035】
或いは、ベルト走行方向荷重センサ7およびベルト厚さ方向荷重センサ8の検知データに基づいて走行抵抗力Fを測定する。この場合、ベルト走行方向荷重センサ7の検知データが走行抵抗力Fとなるが、この走行抵抗力Fは押圧ローラ2がコンベヤベルトCを押圧する荷重によって変化する。したがって、検知されたベルト走行方向荷重Hおよびベルト厚さ方向荷重Nに基づいて、例えば、等価摩擦係数X(=H/N)を算出し、この等価摩擦係数XをコンベヤベルトCの走行抵抗力を示す一指標とすることもできる。
【0036】
本発明ではコンベヤベルトCとしてカットサンプルを用いるので、測定に大きなスペースが不要になる利点がある。また、エンドレス加工された環状のコンベヤベルトでは、エンドレス部が他の部分に比して曲げ剛性が高くなるため、環状のコンベヤベルトを使用すると測定結果にエンドレス部に起因するノイズが入る。ところが、カットサンプルを用いるとエンドレス部による影響が排除されるので、純粋な走行抵抗力Fを測定できる利点がある。
【0037】
この測定装置3では、コンベヤベルトCに付与する張力を変更、調整する作業が容易に行えて所望の張力を簡便に付与することができる。また、錘6の重さを変えるだけで、レンジの大きく異なる張力を付与することができる。例えば、10N程度から1000N程度の張力を付与することが可能である。
【0038】
この測定装置3は立設されたベースフレーム4を用いた縦型なので、測定装置3の設置や稼働に必要な平面積が小さくて済む。それ故、平面的なスペースが確保できない場合には非常に有益である。
【0039】
さらには、この実施形態では、一対のサポートローラ11によってサンプルを所望の屈曲具合に調整することが容易になる。即ち、外径の異なるサポートローラ11をベースフレーム4に取り付けることにより、コンベヤベルトCを任意の屈曲具合に設定することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 測定用ローラ
2 押圧ローラ
3 測定装置
4 ベースフレーム
5 スライドガイド
6 錘
7 ベルト走行方向荷重センサ
8 ベルト厚さ方向荷重センサ
9 ロードセル
10演算器
11 サポートローラ
12 移動機構
C コンベヤベルト(カットサンプル)
C1 下カバーゴム
C2 上カバーゴム
図1
図2