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特開2015-215585ビアホール形成用感光性絶縁フィルム及びそれを用いたビアホールの形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-215585(P2015-215585A)
(43)【公開日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】ビアホール形成用感光性絶縁フィルム及びそれを用いたビアホールの形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/095 20060101AFI20151106BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20151106BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20151106BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20151106BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20151106BHJP
【FI】
   G03F7/095
   H05K1/03 630D
   H05K3/46 B
   H05K3/46 T
   G03F7/004 512
   H01L21/30 573
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-216967(P2014-216967)
(22)【出願日】2014年10月24日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0054421
(32)【優先日】2014年5月7日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ヨン・クワン
(72)【発明者】
【氏名】パク・チャン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】カン・ジョン・キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム・チョン・ヨン
【テーマコード(参考)】
2H125
5E316
5F146
【Fターム(参考)】
2H125CA13
2H125CB02
2H125CC01
2H125CD10P
2H125CD20P
2H125CD31
2H125CD40
2H125DA45
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316DD02
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE31
5E316FF07
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH25
5E316HH26
5F146NA01
5F146NA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、ビアホール形成用感光性絶縁フィルム及びそれを用いたビアホールの形成方法に関する。
【解決手段】本発明の一実施形態によると、ベース基材と、上記ベース基材上に形成された第1絶縁フィルムと、上記第1絶縁フィルム上に形成された第2絶縁フィルムと、を含み、上記第1絶縁フィルムの光感度が上記第2絶縁フィルムの光感度より大きいビアホール形成用感光性絶縁フィルムが提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材と、
前記ベース基材上に形成された第1絶縁フィルムと、
前記第1絶縁フィルム上に形成された第2絶縁フィルムと、を含み、
前記第1絶縁フィルムの光感度が前記第2絶縁フィルムの光感度より大きい、ビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項2】
前記第1絶縁フィルムと前記第2絶縁フィルムの露光量の差は100mJ/cm〜1000mJ/cmである、請求項1に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項3】
前記第1絶縁フィルムと前記第2絶縁フィルムの露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmである、請求項1に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項4】
前記第1絶縁フィルムの厚さは10μm〜100μmである、請求項1に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項5】
前記第2絶縁フィルムの厚さは1μm〜50μmである、請求項1に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項6】
前記第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの厚さ比は1:1〜100:1である、請求項1に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項7】
ベース基材と、
前記ベース基材上に形成された第1絶縁フィルムと、
前記第1絶縁フィルム上に形成され、前記第1絶縁フィルムより光感度の小さい第2絶縁フィルムと、を含み、
前記第1絶縁フィルム及び第2絶縁フィルムを貫通するビアホールが形成され、前記ビアホールは上部径が下部径より大きいテーパー状である、ビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項8】
前記ビアホールは上部径に対する下部径の比が0.6以上である、請求項7に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項9】
前記第1絶縁フィルムと前記第2絶縁フィルムの露光量の差は100mJ/cm〜1000mJ/cmである、請求項7に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項10】
前記第1絶縁フィルムと前記第2絶縁フィルムの露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmである、請求項7に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項11】
前記第1絶縁フィルムの厚さは10μm〜100μmである、請求項7に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項12】
前記第2絶縁フィルムの厚さは1μm〜50μmである、請求項7に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項13】
前記第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの厚さ比は1:1〜100:1である、請求項7に記載のビアホール形成用感光性絶縁フィルム。
【請求項14】
ベース基材、前記ベース基材上に形成された第1絶縁フィルム、及び前記第1絶縁フィルム上に形成された第2絶縁フィルムを含み、前記第1絶縁フィルムの光感度が前記第2絶縁フィルムの光感度より大きいビアホール形成用感光性絶縁フィルムを用意する段階と、
前記感光性絶縁フィルム上にパターニングされたマスクを形成し、露光する段階と、
前記露光された感光性絶縁フィルムを現像する段階と、
を含む、ビアホールの形成方法。
【請求項15】
前記第1絶縁フィルムと前記第2絶縁フィルムの露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmである、請求項14に記載のビアホールの形成方法。
【請求項16】
前記第1絶縁フィルムの厚さは10μm〜100μmである、請求項14に記載のビアホールの形成方法。
【請求項17】
前記第2絶縁フィルムの厚さは1μm〜50μmである、請求項14に記載のビアホールの形成方法。
【請求項18】
前記第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの厚さ比は1:1〜100:1である、請求項14に記載のビアホールの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビアホール形成用感光性絶縁フィルム及びそれを用いたビアホールの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板は、高分子樹脂などのような材質の基板上に配線のための銅箔を積層し、パターン印刷及びエッチングなどの技術により、設計回路と一致するようにパターンを形成したものである。
【0003】
最近では、電子技術の発達により、印刷回路基板も次第に高密度化している。これにより、印刷回路基板の大きさと厚さが減少し、印刷回路基板に設けられるビアの数はさらに増加している。
【0004】
従来では、多層プリント配線板の層間絶縁フィルムとしてエポキシ樹脂組成物を硬化させて硬化膜を形成した後、レーザードリル(Laser Drill)やドリルチップ(Drill Tip)工程により印刷回路基板にビアホールを形成していた。
【0005】
しかし、レーザードリルやドリルチップ工程は、最近、印刷回路基板のビアホールの数がパネル当たりに数万から数十万個を超えているため、多くの設備と時間を要するという問題がある。
【0006】
そのため、フォトリソグラフィ法でビアホールを形成する方法が用いられている。これは、エポキシ樹脂等を変性させ、光開始剤を導入して露光及び現像工程によりビアホールの形成を可能にした技術である。
【0007】
この技術は、一度に多数の孔が形成できるという長所はあるが、露光量によってビアホールのオープン(open)不良が発生したり、形成されるビアホールの形状によってビアフィル(via fill)めっき時に不良が発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−042395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一実施形態は、露光及び現像工程によりビアホールを形成する際にビアホールのオープン不良を防止し、ビアフィルめっき時に不良が発生しない形状のビアホールを形成することができるビアホール形成用感光性絶縁フィルム及びそれを用いたビアホールの形成方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、ベース基材と、上記ベース基材上に形成された第1絶縁フィルムと、上記第1絶縁フィルム上に形成された第2絶縁フィルムと、を含み、上記第1絶縁フィルムの光感度が上記第2絶縁フィルムの光感度より大きいビアホール形成用感光性絶縁フィルムを提供する。
【0011】
上記第1絶縁フィルムと上記第2絶縁フィルムの露光量の差は100mJ/cm〜1000mJ/cmであってもよい。
【0012】
上記第1絶縁フィルムと上記第2絶縁フィルムの露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmであってもよい。
【0013】
上記第1絶縁フィルムの厚さは10μm〜100μmであってもよい。
【0014】
上記第2絶縁フィルムの厚さは1μm〜50μmであってもよい。
【0015】
上記第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの厚さ比は1:1〜100:1であってもよい。
【0016】
本発明の他の一実施形態は、ベース基材と、上記ベース基材上に形成された第1絶縁フィルムと、上記第1絶縁フィルム上に形成され、上記第1絶縁フィルムより光感度の小さい第2絶縁フィルムと、を含み、上記第1絶縁フィルム及び第2絶縁フィルムを貫通するビアホールが形成され、上記ビアホールは、上部径が下部径より大きいテーパー(taper)状であるビアホール形成用感光性絶縁フィルムを提供する。
【0017】
上記ビアホールは、上部径に対する下部径の比が0.6以上であってもよい。
【0018】
上記第1絶縁フィルムと上記第2絶縁フィルムの露光量の差は100mJ/cm〜1000mJ/cmであってもよい。
【0019】
上記第1絶縁フィルムと上記第2絶縁フィルムの露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmであってもよい。
【0020】
上記第1絶縁フィルムの厚さは10μm〜100μmであってもよい。
【0021】
上記第2絶縁フィルムの厚さは1μm〜50μmであってもよい。
【0022】
上記第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの厚さ比は1:1〜100:1であってもよい。
【0023】
本発明の他の一実施形態は、ベース基材と、上記ベース基材上に形成された第1絶縁フィルムと、上記第1絶縁フィルム上に形成された第2絶縁フィルムと、を含み、上記第1絶縁フィルムの光感度が上記第2絶縁フィルムの光感度より大きいビアホール形成用感光性絶縁フィルムを用意する段階と、上記感光性絶縁フィルム上にパターニングされたマスクを形成して露光する段階と、上記露光された感光性絶縁フィルムを現像する段階と、を含むビアホールの形成方法を提供する。
【0024】
上記第1絶縁フィルムと上記第2絶縁フィルムの露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmであってもよい。
【0025】
上記第1絶縁フィルムの厚さは10μm〜100μmであってもよい。
【0026】
上記第2絶縁フィルムの厚さは1μm〜50μmであってもよい。
【0027】
上記第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの厚さ比は1:1〜100:1であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態によるビアホール形成用感光性絶縁フィルムは、露光及び現像工程によりビアホールを形成する際にビアホールのオープン不良を防止し、ビアフィルめっき時に不良が発生しない形状のビアホールを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態によるビアホール形成用感光性絶縁フィルムの断面図である。
図2】本発明の一実施形態によるビアホールが形成された感光性絶縁フィルムの断面図である。
図3】第2絶縁フィルムの光感度が第1絶縁フィルムの光感度より大きい絶縁フィルムに形成されたビアホールを示した断面図である。
図4】ビアホールの上部径及び下部径を示した本発明の一実施形態によるビアホールが形成された感光性絶縁フィルムの断面図である。
図5】本発明の一実施形態によるビアホールの形成方法を順に示したものである。
図6】本発明の一実施形態によるビアホールの形成方法を順に示したものである。
図7】本発明の一実施形態によるビアホールの形成方法を順に示したものである。
図8】第2絶縁フィルムの光感度が第1絶縁フィルムの光感度より大きい絶縁フィルムに形成されたビアホールを走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で観察した写真である。
図9】本発明の一実施形態によるビアホールが形成された感光性絶縁フィルムの断面を走査電子顕微鏡で観察した写真である。
図10】本発明の一実施形態によるビアホールが形成された感光性絶縁フィルムの断面を走査電子顕微鏡で観察した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態によるビアホール形成用感光性絶縁フィルムの断面図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の一実施形態のビアホール形成用感光性絶縁フィルム100は、ベース基材10と、上記ベース基材10上に形成された第1絶縁フィルム21と、上記第1絶縁フィルム21上に形成された第2絶縁フィルム22と、を含み、上記第1絶縁フィルム21は、上記第2絶縁フィルム22より光感度が大きくてもよい。
【0033】
上記ベース基材10は、支持機能を行うことができるものであれば特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどを含んでもよく、5μm〜100μmの厚さであってもよい。
【0034】
上記第1絶縁フィルム21及び第2絶縁フィルム22は、感光性材料を含んで形成されてもよく、光開始剤、光増感剤などの種類及び含量を調整することで、光感度を調節することができる。
【0035】
上記第1絶縁フィルム21の光感度を第2絶縁フィルム22より大きく形成することで、露光及び現像工程によりビアホールを形成する際、ビアフィルめっき時に不良が発生しないようにビアホールの形状を制御することができる。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態によるビアホールが形成された感光性絶縁フィルムの断面図である。
【0037】
図2を参照すると、第1絶縁フィルム21及び第2絶縁フィルム22を貫通するように形成されたビアホール30は、上部径が下部径より大きいテーパー状であってもよい。
【0038】
上記第1絶縁フィルム21の光感度が第2絶縁フィルム22より大きいため、露光時に、光感度の小さい第2絶縁フィルム22より光感度の大きい第1絶縁フィルム21により多く光硬化が起き、これにより、上部径が下部径より大きいテーパー状のビアホール30が形成されることができる。
【0039】
図3は、第2絶縁フィルム24の光感度が第1絶縁フィルム23の光感度より大きい絶縁フィルムに形成されたビアホールを示した断面図である。
【0040】
第2絶縁フィルム24の光感度が第1絶縁フィルム23の光感度より大きいと、第2絶縁フィルム24により多く光硬化が起きるため、図3に示したように、上部径が下部径より小さいテーパー状のビアホール40が形成される。このようなビアホール40の形状では、ビアフィルめっき時にめっき不均一による気孔(void)が発生するという問題が発生し得る。
【0041】
従って、ビアフィルめっき時の不良発生を防止するために、本発明の一実施形態に従って、第1絶縁フィルム21の光感度を第2絶縁フィルム22より大きく形成することで、上部径が下部径より大きいテーパー状のビアホール30を形成することができる。
【0042】
上記第1絶縁フィルム21と第2絶縁フィルム22の露光量の差は100mJ/cm〜1000mJ/cmであってもよい。
【0043】
露光量の差が100mJ/cm未満では、下部に位置する第1絶縁フィルム21の硬化が少なく起きてビアホールの下部にアンダーカット(undercut)が発生したり、上部径が下部径より小さいテーパー状のビアホールが形成されて、ビアフィルめっき時に不良が発生する恐れがあり、露光量の差が1000mJ/cmを超えると、第1絶縁フィルム21の光硬化が過度に起きてビアホールのオープン不良が発生する恐れがある。
【0044】
第1絶縁フィルム21と第2絶縁フィルム22の露光量の差は、200mJ/cm〜500mJ/cmであることがより好ましい。
【0045】
上記露光量の差を満たすときに形成されるビアホールは、上部径rに対する下部径rの比(r/r)が0.6以上である。また、露光及び現像工程後の第1及び第2絶縁フィルム21、22の厚さは、露光及び現像工程前の厚さの70%以上である。
【0046】
上記第1絶縁フィルム21の厚さは10μm〜100μmであってもよく、上記第2絶縁フィルム22の厚さは1μm〜50μmであってもよい。
【0047】
上記第1絶縁フィルム21と第2絶縁フィルム22の厚さ比は1:1〜100:1であってもよい。
【0048】
上記第1絶縁フィルム21と第2絶縁フィルム22の厚さ比が上記範囲を満たすと、ビアホールのオープン不良を防止し、上部径が下部径より大きいテーパー状のビアホールを効果的に形成することができる。
【0049】
図4は、ビアホールの上部径及び下部径を示した本発明の一実施形態によるビアホールが形成された感光性絶縁フィルムの断面図である。
【0050】
図4を参照すると、上記ビアホール30は、上部径rに対する下部径rの比をr/rで表すことができ、r/rは0.6以上であってもよい。
【0051】
/rが0.6未満では、ビアホール30の下部径rが小さすぎてビアホールのオープン不良が発生したり、ビアフィルめっき時のめっき不均一による気孔が発生する恐れがある。
【0052】
ビアフィルめっき時の不良を防止するために、ビアホール30の上部径rが下部径rより大きいテーパー状であることが好ましいため、上記r/rは0.6≦r/r<1を満たすことができる。
【0053】
上記第1絶縁フィルム21と第2絶縁フィルム22の露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmを満たすことがより好ましく、これにより、r/rが0.6以上のビアホール30が形成される。
【0054】
上記第1絶縁フィルム21及び第2絶縁フィルム22は、耐熱性及び強度などの物性を向上させるために、無機フィラーをさらに含んでもよい。
【0055】
通常、無機フィラーとして用いられる電気絶縁性物質であれば特に限定されず、例えば、タルク、シリカ、硫酸バリウム、及び酸化チタンからなる群より選択される1つ以上であってもよい。上記無機フィラーの直径は10μm以下であってもよい。無機フィラーの直径が10μmを超えると、ビアホールがうまく形成されない恐れがある。
【0056】
図5図7は、本発明の一実施形態によるビアホールの形成方法を順に示したものである。
【0057】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による第1絶縁フィルム21の光感度が第2絶縁フィルム22の光感度より大きいビアホール形成用感光性絶縁フィルム100を用意し、上記ビアホール形成用感光性絶縁フィルム100上にパターニングされたマスクを形成した後、露光することができる。
【0058】
露光時、UV波長は特に制限されないが、通常、350〜450nm波長のUVで露光することができる。
【0059】
図6を参照すると、上記露光したビアホール形成用感光性絶縁フィルム100は、上記パターニングされたマスクで覆われて光が届かない部分を除き、光硬化が起きることができる。
【0060】
このとき、光感度の大きい第1絶縁フィルム21は、第2絶縁フィルム22より広範囲の領域に光硬化が起きることができる。
【0061】
図7を参照すると、上記露光したビアホール形成用感光性絶縁フィルム100を現像してビアホール30を形成することができる。
【0062】
現像する段階において、現像液としては、単独有機溶媒、混合有機溶媒または水を混合した有機溶媒を使用してもよく、1つ以上の界面活性剤が含まれでもよい。
【0063】
上記現像液を絶縁フィルムにスプレー噴射する方法、現像液に絶縁フィルムを浸漬してからシェイクする方法、及び現像液に絶縁フィルムを浸漬して超音波処理する方法からなる群より選択される何れか一つの方法で行うことができる。
【0064】
本発明の一実施形態によるビアホールの形成方法によると、ビアホールのオープン不良を防ぐことができ、上部径が下部径より大きいテーパー状にビアホール30が形成されて、ビアフィルめっき時の不良を防止することができる。
【0065】
図8は、第2絶縁フィルムの光感度が第1絶縁フィルムの光感度より大きい絶縁フィルムに形成されたビアホールを走査電子顕微鏡(SEM)で観察した写真であり、ビアホールの下部にアンダーカットが発生したことが分かる。
【0066】
図9図10は、本発明の一実施形態によるビアホールが形成された感光性絶縁フィルムの断面を走査電子顕微鏡で観察した写真である。
【0067】
図9は、第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの露光量の差が500mJ/cmを超える場合であり、下部の第1絶縁フィルムが過度に硬化されてビアホールのオープン不良が発生した。従って、第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの露光量の差は200mJ/cm〜500mJ/cmであることがより好ましい。
【0068】
図10は、第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムの露光量の差が350mJ/cmである場合であり、上部径が下部径より大きいテーパー状のビアホールが形成されたことを分かる。これにより、ビアフィルめっき時の不良を防止することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0070】
100 ビアホール形成用感光性絶縁フィルム
10 ベース基材
21、23 第1絶縁フィルム
22、24 第2絶縁フィルム
30、40 ビアホール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10